森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.03.27
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自己肯定感を持ち、それを高めていくためにはどうすればよいのですか。
集談会でこういう質問をよく受けます。

その方は自己否定感で、自分を否定することが多くて、自分が好きになれないのだろうと思います。自分を好きになるためにはどうすればよいのでしょうか。

どんな人間でも現実の自分とその自分を雲の上のようなところから眺めて非難・否定している自分がいます。
観念が現実の自分を批判・否定しているのです。
一人の人間であるにもかかわらず、二人の人間が住み着いているのです。
この二人の自分を一つに統一することが必要になります。
雲の上にいる自分が、現実で苦しんでいる自分に寄り添うことが大切です。

自己肯定感の強い人は、理想の自分が現実の自分にすぐに寄り添うことができる人です。現実の自分がどんなに心もとなくても、ミスや失敗をしてみんなから笑いものにされていても、いたわり励ますことができている。

そういう人は観念よりも、現実・現状・事実の方を優先できる習慣が出来上がっています。叱責、非難、否定していた自分がいなくなると、葛藤や苦悩がなくなります。そのためには森田理論学習をすることです。
「かくあるべし」の弊害と事実本位の大切さをしっかりと学習しましょう。

つぎに、神経症に陥るような人は、不安や恐怖にとりつかれて、生の欲望の発揮という本来の目標を見失っている傾向が強いようです。
不安や恐怖を取り除いてからでないと、生の欲望に向かうことはできないと考えてしまうのです。しかし神経症的不安や恐怖はなかなか取り除くことができません。
一旦不安にとらわれると、精神交互作用でどんどん増悪して神経症として完全に固着してしまいます。
固着してしまうと自分一人ではどうすることもできなくなります。
自分はダメ人間ではないか、生きていく気力も勇気もわいてこない。
いっそのことこの世とおさらばした方がいいのではないかと考えるようになります。

自己肯定感を持つためのポイントは、生の欲望の発揮を無視しないということです。そこに絶えず焦点を当てて欲望を見失わないようにすることが重要です。
その中でも、日常茶飯事に丁寧に取り組むことです。凡事徹底のことです。
雑事を軽視、無視している人のなかに、自己肯定感の高い人はいません。


つぎに自己肯定感が持てない人は、小さい頃から成功体験の少ない人です。
何かに挑戦して、目標達成感や成功体験の思い出が少ない人です。
これではいつまで経っても自己信頼感が育ってこないのです。
成功体験は自信や勇気となって、人間としての器が大きくなります。
自己肯定感は雑多な経験の積み重ねによって獲得できます。


自分のやりたいこと、挑戦してみたいこと、好奇心のあるもの、興味や関心が持てるものに積極的に手を出していくことです。
いきなり大きな目標を目指すのではなく、少し努力すれば達成可能な目標に挑戦していくことが大切です。
この経験によって、小さな自信を積み重ねていくことです。
私は集談会の世話活動によって、自分を肯定し、自分に自信が持てるようになりました。「自分もまんざらではない」と思えるようになった時、自己否定感はどんどん縮小し、自己肯定感が拡大していくようになるのです。





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Last updated  2024.06.01 23:41:23
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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