森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.05.08
XML
カテゴリ: 生の欲望の発揮
優れたプロ野球のコーチの権藤博さんと二宮清純さんの対談です。

権藤・・・そもそも一軍の監督・コーチの仕事は、選手に技術を教えることではありません。選手の能力や適性を見極め、適材適所に配置することが仕事です。
グラブさばきやバットの振り方を教えるのはファームです。
いや、日本の場合はレベルが高いですから、それさえもあまり必要ない。
ところが日本の場合は、選手が意見を求めてもいないうちから、ああしたほうがいい、こうしたほうがいいと教えたがるコーチが多い。
そして、それに輪をかけて全面的に従う選手も多い。
それじゃあ選手の自主性はゼロじゃないですか。

二宮・・・やらされているうちは何も身に付かない。
自分の頭で考え、自分の体で考えたことをやってみる。

(打者が嫌がる投球論 投手が嫌がる打撃論 権藤博 二宮清純 幻冬舎)

権藤さんはドラフトで指名される選手は、何千万円、何億円の契約金をもらってくるプロフェッショナルだと言われる。
ドラフトで指名された選手は、元々素人とは違う技術や能力やセンスを持っている。それだからこそ野球を職業とすることができたのです。
そんなプロフェッショナルに対して、投球や打撃フォームを指導しようとするのは、彼らに対して失礼なことではないですか。

プロ野球の選手は個人営業主で、生かすも殺すもすべて自己責任の世界です。
自分が元々持っていた優れた技術や能力やセンスに磨きをかけないで、プロのコーチから一から指導してもらい新たなプロ仕様に改善するという考えは甘すぎる。

自分で考えて練習をして、意見を求めたければ監督やコーチに聞きに行って、それも選手が自分に必要なことだけを取り入れる。
それでいいはずなんですよ。

入団できた選手は、自己責任を自覚して、さらに体力をつけ技術を磨き、対戦相手の攻略研究を続けていけばよいはずです。
努力を怠り、現状維持で満足した場合は、その時点でプロとしての成長は止まってしまいます。成長が止まると、プロの世界で生きていくことは難しいです。

この話は野球選手だけの話ではないと思います。

私たち人間は、目標や課題を持って努力し前進することを宿命づけられた生き物ではないでしょうか。
これは、森田でいうと「生の欲望の発揮」ということになります。
森田理論の核心部分です。

しんどいことやつらいこと、努力を要することはなるべくパスしたい。
現状に特に問題がなければ今の延長線で生きていけばいいじゃないですか。

自分の好きなことや楽しいことを見つけて人生を精一杯楽しんで生きていきたい。

これは一見してもっともな考え方のように見えます。
しかし現状維持で十分だと思った時点で、意欲や情熱は急に萎えてきます。
脳はドパミン主導の報酬系神経回路が休眠状態になります。
そしてノルアドレナリン主導の防衛系神経回路が作動してきます。
守り中心の生き方は、覇気がなくなり、生産的、建設的、創造的な生き方はできなくなります。無気力、無関心、無感動で味気ない生き方に追い込まれます。
こんな生き方はダメだと思っても、脳が逃避的なのでどうすることもできません。

現状維持でいいと思った時、もし周りの人たちが前進を続けているとすれば、自分だけがとり残されることになります。
そして、その差がどんどん開いていくことになります。
一旦後退を始めると、歯止めが効かなくなり、元に戻すことをあきらめてしまうようなことになります。
人生の最後を迎えたときに、後悔や虚しさで一杯というのでは寂しい限りです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.06.03 23:49:28
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

メダカを飼っています New! 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: