森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.09.15
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カテゴリ: 行動のポイント
6月の集談会で興味深いことを聞いた。
以前に青木薫久先生のところに入院されていた方である。
青木先生は目的本位ではなく、物事本位ということを言われた。
これはどういう違いがあるのか。
言葉遊びのような気がしないでもないが、興味が尽きない。

森田では見つめて、問題点や課題に気付く。
その解決に向けて努力する態度を勧めている。
これは目的本位ということではないのか。

6月号の生活の発見誌に、『気分や症状はどうであれ、必要な行動ができたかどうかで物事を判断することを「目的本位」といいます。

逆にいくら気分が良好であったとしても、仕事が成し遂げられなかったらNGという姿勢です』と説明されています。

この説明に異論があろうはずがありません。
特に神経症でもがいている人は、頭の中が神経症のことで一杯で、日常茶飯事が手付かずです。そのことで益々観念と行動の悪循環を招いています。
そのような人には、首に縄をつけてでも、規則正しい生活、日常茶飯事を丁寧にこなすことが大切になります。
気分がすぐれなくても、イヤイヤ、仕方なく、気が向こうが向くまいが関係なしです。いわば強制的です。その取り組みはよい結果をもたらします。
それでも行動しない、できない人が多いのです。
ここでは目的本位というスローガンを掲げて行動力をつけることが大切です。

ではそういう態度を続ていけば問題がないのかという疑問が湧いてきます。
特に最悪期を脱した後に、神経症を治すための行動は事態の悪化を招きます。
目的本位は「かくあるべし」と親和性があります。
掲げた目標、課題を何が何でも達成しなければならないと叱咤激励することは、百害あって一利なしだと思います。


この「なりきる」ということが「悟り」です。
われわれは人生の欲望に対して、常に念掛け、あこがれながら、その目的を失わず、しかも何かとその現在現在の事柄に対して、力の及ぶ限りのベストを尽くしているのが、「物そのものになりきる」という自然の状態であります。
そこにはじめて「努力即幸福」という心境があるのです。
(森田全集第5巻 615ページ)

つまり、最悪期を脱した後の行動は、「ものそのもになりきる」「一心不乱」「遊戯三昧」「目的を忘れた行動」「行動に没頭する」という姿勢・態度が肝心になるということです。


行動が停滞している時は弾みをつける意味で「目的本位」を意識していく。
はずみがついたら「物事本位」に切り替えていく態度が望ましいというになります。





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Last updated  2022.09.15 06:38:40
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森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…
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