森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.04.13
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カウンセラーの根本裕幸氏によると、人間には顕在意識のほかに潜在意識がある。
これは、氷山でいうと海面に出た意識が顕在意識、海面下の意識を潜在意識と理解すると分かりやすい。
顕在意識は意識全体からいうと小さいものです。
それに対して潜在意識はとてつもなく大きい。
その潜在意識はさらに 浅い潜在意識と深い潜在意識に分かれる という。

顕在意識は今現在頭で考えている意識のことです。
潜在意識は心の中にある無意識の感情のようなものです。
意識はしていなくても人間の行動に大きな影響力を持っている。


深い領域の潜在意識は、分かりやすくいうと、好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかという本音の部分の感情です。

深い領域の潜在意識を軽視・無視して行動すると、いずれ問題が出てくる。
深い領域の潜在意識が頭で考えた顕在意識に抵抗するようになります。
(7日間で自分で決められる人になる 根本裕幸 サンマーク出版 参照)

この話に関連して、森田先生は次のような話をされている。
ここで最も大事なことは、感じから出発することである。
例えば、酒が好きか嫌いかから出発する。
酒が嫌いな人は、酒をすすめるとき「どうしてこんなものが飲めるのだろう」という気持ちでつぐと、無理がゆかないで、酒好きもうまく飲まれるが、「あの人は酒が好きだから」と自分の嫌いということを離れて考えると、加減なしにやたら追いかけ追いかけ酒をつぐので、いくら酒好きでもたまらなくなる。
自分の好き嫌いという感じから出発すると、相手の立場に自分を置き換えて考えることができて、思いやりということができる。
相手と気持ちが通じる。同情心が出てくる。
(森田全集第5巻 696ページ)

私もこの点に関して苦い経験がある。
大学を卒業して農家の意識変革を目指して、ある大手の文化運動をやっているところに就職した。配属されたのは、訪問営業の仕事だった。

自尊心を傷つけられるようなみじめな気持ちを数多く味わった。
よく考えて見れば、就職する時に、営業や訪問販売の仕事は性格的に向かないだろうという気持ちを持っていた。
それを無視して正義感や使命感で乗り越えようとしていた。
好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかでいうと、訪問販売の仕事はもっとも嫌いでやりたくない仕事だったのだ。
深い領域の潜在意識を、軽視・無視して就職した結果はみじめなものだった。

9年間は何とか持ったが、もっと早く転職した方がよかったと後悔することになった。 好き嫌いという本音の部分の感情を無視すると、取り返しのつかない後悔をすることになるということを身をもって体験した。





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Last updated  2023.04.13 06:20:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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