森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.08.17
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森田療法は別名「自覚療法である」といわれております。
この自覚療法という名前は、京都の三聖病院の先代の医長であった宇佐玄雄博士の名づけられたものであります。
宇佐玄雄博士は、禅宗の坊さんであると同時に、森田先生と協力して森田療法を広められた医学者でもありました。

この自覚とは、自分の日常生活そのものの事実、あるいはその時その場で自分が感じる感情の動きを、ごまかすことをせず、あるいは自らそれをなくしようとすることなく、ただそのままにあることであります。

たとえば、現在自分が恥ずかしいと感ずるならば恥ずかしいそのまま、めんどくさいと感ずるならばめんどうくさいそのままにあることであります。
あるいはまた、自分が自己をかえりみて、欲張りであるならば欲張りであると認め、虚栄心が強いならば虚栄心がつよい、と事実の通りに認めつつ、今日のなすべき仕事は仕方なしにでもやっていくことであります。
ここに、森田先生が教えられた、「自然に服従し、境遇に柔順」な生き方があります。
(生活の発見誌 水谷啓二 1970年(昭和45年) 5月号 14ページ)

自覚とは観念で事実を否定するのではなく、事実に素直に従うことであると指摘されています。
これは森田の「純な心」「思想の矛盾の打破」の考え方に通じるところがあります。


しかしこれはすぐにかき消されて、「かくあるべし」を含んだ第2次感情に置き換えられてしまいます。
大脳の前頭前野が大きくなり過ぎた人間の宿命です。
怒りや叱責や言い訳や責任転嫁を含んだ感情です。
森田理論では、第一の感情、最初に沸き起こった感情、初一念の感情に立ち戻ることが大切であると教えてくれています。
「純な心」から出発すれば人間関係の大半のトラブルは回避できるようになります。

「思想の矛盾の打破」は、観念の立場から現実や現状を見るようになると、ふがいない事実に我慢がならなくなります。
そのふがいない事実を観念の世界に引き揚げようと考えます。
しかし事実を軽視して、観念優先の立場に立つと、本音や潜在意識の激しい抵抗に遭います。
事実を否定し続けると葛藤や苦悩でのたうち回るようになります。
神経症に陥る大きな原因になります。
森田では事実優先の態度を身につけることを目指しています。


自覚を深めるためには、まず森田理論学習で「純な心」「思想の矛盾」「かくあるべし」の弊害、事実本位の生活態度を身につけるための方法を理解することです。
次に学習したことを仕事、日常生活、人間関係、生き方の中で活用していくことです。
森田では「あるがまま」の生活態度を身につけることだと言われています。
森田先生は「事実唯真」「自然に服従し、境遇に柔順」と言われています。
つまり自覚療法とは、森田理論を学び、観念優先の世界から、事実優先の世界に軸足を移すことだと思われます。






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Last updated  2023.08.17 06:20:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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