イチローのオリックス時代にバッティングピッチャーをしていた奥村幸治さんの話です。
ニューヨーク・メッツのキャンプに参加させてもらった時のことです。
メッツの何人かの選手に「メジャーで活躍するために必要なものはなんですか?」と質問しました。すると答えはすべて同じでした。
「誰よりも強い体がないと年間160試合は戦えない。そのためには誰よりも練習をしなくてはならないし、身体のケアも必要だ」ここまでは私の予想通りです。
しかし次に挙げたメジャーリーガーの条件は、想像もしないものでした。
彼らは「運」だと言ったのです。
驚いて私が、「運なんてどうやってつかめばいいの?」と尋ねると、「そんなの簡単だよ。当たり前のことを、真面目にやるだけさ」と選手たちは口を揃えました。
運は自然とそういう人間に向いてくる。
メジャーリーガーは心技体がバランスよく鍛えられていないと、年間160試合は戦えない。一つでも問題があると成績が下降して、3Aに落とされる。
心技体のバランスを維持することは、まさに熾烈な生存競争を生き抜くための必要条件となる。
ただし、いくら心技体を鍛えていても、運がなければ試合で使ってもらえない。
運というのは厄介な代物です。
運というのは、監督やコーチからチャンスをもらうことです。
チャンスは監督やコーチがそれぞれの選手の特徴を把握していて、この場面ではあの選手が最適であると判断したときに突然訪れます。
チャンスが巡ってくるかどうかは常に受け身なのです。
自分から「チャンスを下さい」と言ってもプロ集団である以上、自分より適任者がいる場合はその人にチャンスが巡ってきます。
そんな中でチャンスをものにするためには、 自分の得意技に磨き上げて、他の選手と差別化できるまで高めていくことに尽きる。
走攻守どれをとっても人並程度にこなせるが、自分の得意技を持たないという選手は淘汰されていく。
球を遠くに飛ばす。正確なスローイング。コントロール。
多彩な変化球を投げる。スピードボールを投げる。バントがうまい。
足が速い。ピッチャーの癖を見抜く力がある。ケガに強い。守備範囲が広い。
守備が上手い。大声が出せる。チームを鼓舞する力がある。
つぎに監督やコーチにアピールすることが必要になります。
キャンプや練習の時に注目される選手になることが欠かせない。
すると、いつか突然降ってわいたように、ツキが回ってくるのです。
運の女神が微笑んでくるのです。
必ずしも成果が上がるわけではありませんが、運が回ってこなければ次の飛躍はないわけです。
神経質者でいえば、心身の健康を心がけて、神経質性格のプラス面を自覚し、とことん活かしきることで、突然チャンスはめぐってくると信じて、努力を怠らないことです。
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