森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.11.14
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カテゴリ: 感情の法則
不快な感情が生まれる過程は2通りあります。
一つは、目の前の出来事に直面したときに湧き上がる。
目の前の事実を見つめているときにも湧き上がります。

たとえば、他人に悪口を言われて怒りが込み上げてきた。
大きな病気が見つかってショックを受けた。
親しい人が亡くなって悲しい。
車を運転中犬が飛び出してきて怖かった。
同僚が昇進してショックを受けた。

事実に基づいた不快な感情は、原因がはっきりしています。

すぐに解消できない感情でも時間の経過とともに薄まってきます。

ここで注意したいことは、不快な感情にきちんと向き合わないと、次に説明する観念的な不安にすり替わってしまうということです。
森田先生は犬が怖いという人が、犬に向き合わないで目を背けて一目散に逃げてしまうと、煩悩の犬が生まれていつまでも追い掛け回されで日常生活に支障が出るようになると言われています。

つぎにこれから起こりうる最悪の事態を予測して、「予期不安」「予期恐怖」「取り越し苦労」という感情が湧き上がってきます。
過去のミスや失敗、後悔や罪悪感につながる忌まわしい出来事を思い出して不快な感情が湧き上がってくることもあります。
これらは目の前の事実に基づいて発生しているわけではありません。
観念の世界で生まれてくる感情です。
過去の忌まわしい記憶を引きだすことで発生しています。
その性質上、際限なくエスカレートしてしまうという特徴があります。

たとえば、営業職の仕事を選択したがうまくやって行けるだろうか。
学校や会社で仲間からいじめ、排除、非難、否定されるようなことはないだろうか。

ガンや難病にかかって苦しむようなことはないだろうか。
中間管理職の仕事をしていた時部下を育てることができなかった。
子どもを立派に育てることができなかった。
人間関係が悪化するようなことばかりしてきた。
自分に向いていない仕事について、無責任な仕事をしてきた。


森田に「不安は安心のための用心である」という言葉があります。
神経質者は細かい不安、心配事によく気がつきますので、これをプラスに活かしていきたいものです。
それらに振り回されてひたすら逃げ回っていると不安はどんどん大きくなるばかりです。

次に後悔や罪悪感で、自分嫌悪、自己否定してしまうのは誰でもあることです。
これらを次の場面で活かす道を考えることが肝心です。

まず、その時の行動の選択は「ベストの選択だった」と思うことです。
今考えると残念な結果に終わってしまったが、その失敗の経験は考えようによっては貴重なものです。
人間が成長するためにはできるだけ多くの失敗の経験が欠かせません。
そのミスや失敗を無駄に終わらせることなく、反省材料として次に活かすようにしたいものです。
二度と同じようなミスや失敗をしないように心がければ大変役に立ちます。
また自分の後悔や罪悪を感じていることを森田の学習会などで開示すれば、参考になる人はたくさんいらっしゃるはずです。
そういう人にとってはどんなに助かるか分かりません。
そういう活動に取り組めば、人に感謝され生きがいも生まれます。





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Last updated  2024.11.14 06:37:23
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Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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