森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.04.06
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精神科医でマジシャンの志村祥瑚先生のお話です。

志村先生は2017年から女子新体操のメンタルコーチをされています。
10代から20代の選手たちに3ヶ月に1回のペースで指導されています。
最初の頃はとがった刃のような怖い顔をしていました。

皆、「ゴールは達成しなければいけない」「幸せな状態・成功というのは、結果を出すことだ」と、結果重視の思考に陥っていました。
これを精神医学上 ​​ 「ゴール・フォーカス志向」 ​​ と呼びますが、これでは終わりのないラットレースを走っているようなものです。
慢性的な欠乏感やフラストレーションに襲われ、ゴールまでの過程を楽しめるはずがありませんし、燃え尽き症候群になりやすい。

このゴール・フォーカス志向と対を成すのが ​「バリュー・アクション志向」​

ゴール・フォーカス志向の時は、日々の練習は苦しかったそうです。
バリュー・アクション志向を意識するようになってから、みんな明るくなり、表情が変わりました。

具体的には選手に行動予定表を作成してもらっています。
結果や成功、他人は自分でコントロールすることはできませんが、唯一自分の意志で動かすことができるが行動だからです。
そのための演技の技術的な注意点をすべて書き出させて、行動に意識を向けるように伝えています。

2019年の世界選手権で44年ぶりとなる団体総合銀メタルに輝くことができました。
(致知 2021年7月号)

これは森田理論の考え方そのものだと思います。
ゴール・フォーカス志向というのは、「・・・でなければならない」「・・・であってはならない」という「かくあるべし」のことだと思います。
理想の立場から、厳しい目で現実・現状を非難・否定しているのです。
非難・否定を繰り返していると、自己肯定感を持つことができなくなり益々落ち込んできます。


バリュー・アクション志向は、最終目標に至る課題や目標をきちんと把握しています。そしてその課題や目標を難易度の低いものから高いものへといくつもの階層に分けているのです。
そして本人たちは、少し努力すれば達成可能な目の前の課題に集中しています。
「今、ここに」全エネルギーを注ぎ込んでいるのです。
これは脳内をドーパミン主導の報酬系神経回路が駆け巡っている状態です。
行動は積極的、建設的、生産的、創造的になってきます。





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Last updated  2025.04.06 06:32:26
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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