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「歴史が動いた。日本は変わります!」若い民主党議員の当選第一声である。 歴史が動く…。どう動いたか? 国民が初めて自らの手によって既存の権力を引きずり降ろした。圧倒的多数の国民が、はっきりした意志をもって政権を交代させた。 不思議なことだが、この国ではこんなことはこれまで無かったのだ。 新しい歴史の始まりである。これから起きる一つ一つの政治エピソードが重要な歴史として残ることだろう。言うまでも無く、それが坦々たる道のりであるはずがない。様々な障害が次から次へと現れてくるに違いない。 今回308議席を獲得した民主党に対する不安が色々なところから既に取りざたされている。しかし、この政権取りに至る長い過程をずっと注目してきて、民主党はかなり良い線で準備を重ねてきていると私は思い続けている。特に「国民の生活が第一」と背骨を定めたことは極めて大きいことだった。これによりその後の日本の政治の方向が定まったと考える。 多くの国民もそれぞれが納得したからこそ民主党をこの地位に上らせたのだ。「国民の生活が第一」。今回政権を獲得した自らの出自としてこのことを忘れなければ、人々の期待にこたえられる新しい歴史が切り開かれていくだろう。政治党派が起こしがちな、一部の党派エゴによる引き回しを充分警戒し、それに陥ることなく広く連帯を保つこと。 国民は大いなる期待を寄せている。
2009年08月31日
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『1Q84』を読んだノリで『ねじまき鳥クロニクル』も読んでみた。 村上ワールドに更に足を踏み込んだという印象。 どれも風変わりな登場人物たちの心の有り様から来る物語がそれぞれ流暢に語られ、一体どういう構成になっているのかと不安さえ抱かせる展開。持ち前のアフォリズムとメタファーの巧みさから、読者を飽きさずに作品にひきこんでいくものの、子供部屋に散らかった玩具のように、収拾がつかない感触を抱いてしまう。しかし読んだ後、どうだろう、そのばらばらだった物語が一つの大きな物語の感慨にのみこまれ、一つのまとまった感動に包みこまれている。 登場人物の心の井戸をどこまでも深く掘り下げていくと、奥底には暴力さえもはらんだ得体の知れないのものが存在している。それは歴史や社会とも無関係ではないが、むしろその奥にある、人間存在そのものに関係しているものなのだろう。それを丹念に掘り下げ、描きだすこと、これが村上氏がここで求めた文学の方法なのだ。 ユニークな人たちの心のカルテを読んでいるうちに、いつのまにか確実に一つの構成された文学世界に入っている。それは明らかに仮想の世界だが、その物語を通じて、人生に対して、歴史や社会に対して何がしかの示唆も受け取る。それは正しいとか正しくないとか原因と結果とかの範疇とは別の、人間的物語的観点でのヒントだ。これからの世界を考える際、或いはそういう方法が大切になるかもしれない。
2009年08月26日
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村上春樹の最新作『1Q84』が、記録的なベストセラーになりそうな勢いで売れているとのことで、読んでみた。 確かに面白かった。一気に読み終えていた。 何がそんなに良いのか考えてみた。まず第一番にあげられるのは、スタイル(文体)だろう。簡潔で的確な文章。書き足らなさも決してなく書き過ぎでもない記述の量。イメージを飛躍させる新鮮な比喩。それに、生活や社会の束縛から自由でいられる若者のような感性。これが村上文学の最大の魅力に違いない。 それに加えて今回の作品は、この題名でも知られるように、時代性が大きく意識されている。この時代の社会・風俗・精神性。これを大きく抱え上げようとしている。カルト、DV、殺人等が話の中心に置かれる。 以前から彼の作品の特徴であった都会的センス。ファッションや食べ物に対する感覚や、煩わしさが少しも入り込まないセックス感覚。これも重要な魅力の一つだろう。 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』でも感心させられた、SF作品では極めて重要なセンス・オブ・ワンダーの感覚。これもうまく効いている。 ビッグ・ブラザーのアナロジーで発見された『リトル・ピープル』という存在。これは今後、人々の話題にしばしば登場するようになるかもしれない。 『ここは見世物の世界 何から何までつくりもの でも私を信じてくれたなら すべてが本物になる』という言葉が冒頭に掲げてある。作者の大きな自信がうかがえる。
2009年08月09日
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