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題名:「ぐるぐるまわるすべり台」著者:中村航発行:文春文庫頁数:204読みやすさ:3/5おすすめ度:3/5 普段はクールな若者の、実はその中にある熱い部分にスポットを当てて、閉塞感のある日常と、そこから一歩抜け出そうとするエネルギーのコントラストが、なんともいえずワクワクさせてくれました。 2部構成になっていて、後に合流することになる2組の若者の、バックグラウンドがドラマとして描かれています。目を引くのは文中の音楽に関する技術的な描写がとても詳しいことです。中村航さんはバンド経験者だったのでしょうか。 また、携帯サイトがストーリーの鍵を握っていたりして、現代の若者文化をうまく表現してあると感じました。 ところで、ストーリーの中に出てくるビートルズのへルター・スケルターという曲、ホワイト・アルバムに入ってるらしいのですが、家にあったはずのホワイト・アルバムを家捜ししても見つからなかったのでレンタルCDで借りてきました。ビートルズにしては重たい感じのハードロックで、ディストーションギターで始まるイントロから、シャウトするボーカルなど、この物語にピッタリする曲でした。先によく聴いてから読んだ方が良かったかもしれません。
2006年07月23日
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題名:「神様からひと言」著者:荻原浩発行:光文社文庫頁数:449読みやすさ:4/5おすすめ度:3/5 「書店員さんが大絶賛」という帯広告につられて、つい買ってしまいました。 劇画タッチの”痛快逆転ストーリー”が理屈なく楽しめる娯楽長編です。 主な舞台は小さな会社の「お客様相談室」で、話題になった川田茂雄さんの「社長を出せ!」シリーズで展開されるようなシーンがいくつもあり、企業の無責任体質を問う側面もあって、サラリーマンにとってもドキッとする内容です。 企業体質といえば、旧態依然とした無責任幹部の悪を暴いて、最後は主人公がドタバタ劇のヒーローになっていく、という点で前に読んだ「牛乳アンタッチャブル」と通ずるところがありました。その辺がとても劇画調で映像としてくっきりと思い浮かべることができるので、スムーズに読み進めることができました。 そういったハチャメチャな展開の底に、主人公の屈折した恋愛モードが流れていて、ストーリーが引き締まって上手にまとめられている感じがします。 しかし、どこでもクレーマーに対する部署って大変みたいですね。いろんな人がいますから...
2006年07月13日
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題名:「ぶらんこ乗り」著者:いしいしんじ発行:新潮文庫頁数:269読みやすさ:3/5おすすめ度:4/5 いしいしんじさんの本は「麦ふみクーツェ」に次いで2冊目でしたが、漂う雰囲気はそれとよく似ていました。 でたらめなストーリーなんですが、その中に込められた悲しさやおかしさがとても自然で、なんともいえず胸が熱くなってしまいます。その感じは、子供の時に感じたことがあるような懐かしさもあり、なんか不思議な心持ちにさせてくれます。 学校のブランコで遊んでいる途中に大きな雹に当たるという事故から声を失い、その後は庭の木に作ったブランコの家で生活を始めた”弟”は、動物たちと心を交わしながら、天才的な物語を次々に書いていきます。 おとぎ話のようにつづられたストーリーは、その弟との生活の想い出と家族への想いが、切なくもおかしく描かれていてとても深い感じがしました。 サーカスの空中ブランコ、学校のブランコ、家で作ったブランコ、いろんなブランコが出て来ますが、それぞれブランコの単調な動きと人の生き様をシンクロさせていく展開はとてもきれいで作者の才能を感じました。
2006年07月10日
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題名:「マリファナの科学」著者:レスリー・L.アイヴァーセン訳者:伊藤肇発行:築地書館頁数:315読みやすさ:1/5おすすめ度:4/5 マリファナ(大麻)といえば、世間ではアングラなイメージで、とっても危険で「悪い」存在としての認識が大勢を占めています。 思い浮かぶ映像としては<赤い色の電球が灯った薄暗い部屋で、顔色の悪い若者が車座になって、一つの大麻タバコを回し飲みしてる>といった感じですか? しかし、この大麻については、抗ガン剤などの重篤な副作用(悪心や嘔吐など)を抑えるなど一部の患者には大変有効な成分を含んでいて、その合法化を求める声も小さくないようです。国によっては「恩情的措置」ということで、医師が”こっそり”処方するということもあるようです。 大麻の人体への影響は、長年の使用による影響など、まだまだ解明されていない部分も多いようですが、イメージとは違い、かなり安全性が高いことがわかります。 本書はそういった大麻の薬効や過去の研究成果、社会的な位置づけの変遷などを、極めて冷静に科学的に、しかも公平に(推進派でもなく否定派でもなく)淡々と説明してあります。 精神に影響を与えるいわゆる”ドラッグ”は、日本では現在アルコールとニコチンが合法的にかつ日常的に出回って(?)ますが、例えば大麻がリラックスの方向にはたらくのに較べアルコールは時に攻撃性の誘導にはたらくことがあったり、中毒性についてはニコチンの方がより強い作用を示す、などイメージとはややずれる事実もあるようです。 だからといって無秩序に解放されて良いものではなさそうですが、今の法制度は全般的に大麻に対して厳しすぎるきらいはあるようです。覚醒剤や他の麻薬類とはやはり同列にすべきものでは無いような気がします。特に医療への利用は真剣に考えていく必要があるように感じました。 ところでこの本、とにかく読みにくいものでした。薬学や化学の専門用語がやたら多く、さらに翻訳された言葉特有の言い回しも手伝って、読み物としてはとってもしんどく感じました。本の大きさも普通サイズで電車などでは大きすぎるし、横書きっていうのもややきついです。 まあ内容が内容ですから仕方ないんですけどね。 ということで前回の日記からだいぶ間が空いてしまいました。
2006年07月02日
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