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新吾は必ず、武田一真を斬る風が吹き荒れるある夜、武田一真が海産物問屋淀屋の要助から頼まれた文を秩父にいる梅井多門のところに持っていきます。多門は届けてくれたお礼をいいに出て一真と分かるや、20年昔闘って敗れてから一真の剣を忘れたことはない、自分の剣は一真によってしか試すことはできない、と言います。外に出て、二人は立ち会いますが、一真が勝ちます。一真の一刀をあびた多門は目が見えなくなってしまいます。門弟達が多門の帰りを心配しているところへ新吾と庄三郎が帰ってきます。「どうした」「梅井先生が・・・」 多門がよろけながら道場のほうに。新吾「先生、どうなさいました」 数日後、新吾は庄三郎に、多門の目を治すためと淀屋にお墨付きを届けるために大阪に行くといいます。新吾様は当分秩父の道場にいるだろうと、江戸表へ使いを出したばかりだという庄三郎に、新吾「お許しください、でも、葵新吾とは名乗りません。そうだ、真崎・・真崎新 吾と名乗って大阪へ参ります」 新吾は、大阪海産物問屋の淀屋に来ています。淀屋辰五郎は、要助の供養と思い多門の目はきっと治すといってくれます。新吾は安心したといい、新吾「実は事情があって、十月十五日までに、ぜひとも目を治したいのです」辰五郎は、日がないけれども出来ることはするというのを聞いて、安堵します。 辰五郎にひき止められ、遅くまでご馳走になって帰ろうとしたとき、奈良屋の一味が踏み込み、辰五郎を斬りお墨付きを取っていきます。新吾は、取り返そうと外まで追って行ったとき、どうしたのか一味は引き払い、町方に取り囲まれます。 新吾「不逞の者の襲撃を受けましたので斬り捨てました・・・お調べ下さい」大阪城・・・座敷に通された新吾は、襖を閉められおかしな音がしたのに・・「はっ」と気づき、四方の襖を開けてみると、そこは座敷牢でした。新吾は「城代」とさけびますが・・・。新吾がお墨付きを奪ったのを見ている・・城代と奈良屋は新吾が邪魔になります。 一真との約束の前日、多門は完全でない目で比叡山に向かっていました。大阪城では、葵新吾と名乗る乱心の男、城中にて急死・・それで永遠に闇から闇だ、と城代がいうと、坂本修理が座敷牢に出向き、新吾に「お迎えにあがりました」といいます。新吾「城代に会えるのか」坂本「御案内いたします」それを聞いて、牢から出たところで新吾はかかえられ、水桶にほおりこまれる状態になります。 ・・・が、寸前で蹴散らし逃れ 新吾「葵新吾を水づけにして殺す気かあ」 ここから、新吾の剣が容赦なく舞っていきます。(大立廻りになります) 城代を斬った新吾は、多門と一真の決闘場所に馬を走らせます。しかし、新吾がついたときには、二人の姿はなくどうしたのだろうと暗いなか目を凝らすと、そこに息のない多門が横たわっていました。新吾は、多門が握っていた剣をとり誓うのです。新吾「・・剣一筋に生きる新吾、終生の目標が出きたのだ。・・・新吾は必ず、 武田一真を斬る」 (完)
2021年01月21日
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じっと見つめ合う鹿島神宮祭礼の当日になりました。お鯉の方の行列が入って来るぞというので、群衆が参道の方へ流れて行くなかに新吾の姿もありました。 行列が鳥居をくぐったあたりで、狼藉者たちが刀を振り廻し行列の行く手を遮ります。松平頼安が代官を呼びます。代官の下島甚右衛門がすぐさま出て来て、「手向かう者は斬れ」と指図をすると、狼藉者ではなく、取り方達は鹿島の佐吉達を追い詰めていきます。そのとき、「静まれ」と新吾が捕り方達をくぐって佐吉のところにやってきて、「下がれ、下がるんだ」と言い止めます。 急いでその場を下がっていく鹿島一家を追う取り方達の前に新吾が立ちはだかります。すると、代官の下島が「どけ、狼藉者」と刀を抜きます。新吾「貴様が代官か」下島が新吾にかかっていきます。 下島の胸元を掴んだ新吾は、新吾「代参のともさきを、血で汚すきか・・・来い」下島の胸元を掴んだまま参道まで連れてくると、新吾は群衆に輿を通す、道を開けるようにいいます。代官下島を行列の侍に渡します。 群衆が参道の脇により、先の様子が見えたところに新吾がいるのを見たお縫は、慌ててお鯉の方の腰のところへ近寄り、「あれが新吾様でございます」と言います。お縫に言われ、お鯉の方は驚きの中に前方の新吾に目を向けます。新吾も母お鯉の方の輿の方を見て、参道脇に下がって輿の通るのを待っています。お鯉の方も立派な青年になった我が子新吾を目の前にして、声もかけられない、新吾も母上と声に出したいがそれもできない、お鯉の方と新吾はお鯉の方の輿が新吾の前を通り過ぎるまでじっと見つめ合うのです。 総集版で消失している場面です。(新吾は船津屋の座敷にきています。お咲は部屋の前でためらうのですが入り、もう来ないだろうと思っていた新吾がいるので驚きます。新吾はお咲に会いたくなったと、そして、秩父へ帰ることをいいます。お咲には母親を呼んで佐吉と親子三人で暮らすようにいうのです。親と離れて暮らす子は自分だけでよいと。新吾は鹿島の町を去るのだから今夜は楽しく過ごすことにしようと、お咲の弾く三味線の音が流れます。三味線の手を止め、お咲が雨だといいますと、盃を運びながら外の雨に目をやります。「時雨だ、明日は晴れるとよいが」「晴れますわ」・・・新吾がお咲を見ると、お咲は新吾から視線をそらし、「私にも」と盃をくださいというと、新吾盃を差し出し注ぎます。新吾の方に近寄りその盃を受け取ると、お咲は「新吾様」と、新吾の胸にはげしく体を寄せるのです。) 続きます。
2021年01月11日
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私は鹿島の町が好きに佐吉を救うために、新吾は道場に鹿島に行くことを手紙に書いて、繁蔵と共に急ぎます。その道中、新吾の足が止まります。一人の町人を三人の浪人が追っているのを目にした新吾が助けます。新吾は休憩処の茶屋で追われていたわけを聞くことになります。その町人は大阪城御用の海産問屋淀屋要助という者で、商売敵の奈良屋勝三郎が城代などに取入り、取って代わろうとしている、お墨付きがなければ大阪城の御用はできない、そのため大阪の手元に置いて万一のことがあってはいけないと会津の親戚に預けるために行くところだったというのです。 要助は、新吾達と行先が同じであったら、お供にしてほしいと言います。新吾「うーん、あいにく俺達は先を急がねばならん・・・(そうだ、と言うように) ここから秩父へ行け、秩父の大台ヶ原に梅井多門先生という剣士がおられ る。その多門先生に手紙を書いてやろう、秩父の道場には大勢の剣士がいる から、道中の守りにはことをかくまい」 総集版にはない場面(要助は駕籠で急ぎ行き、その駕篭とすれ違うのは新吾を追ってきた庄三郎の姿があります。)場面は、鹿島に変ります。新吾が佐吉の家に来ていました。虎松のところには新吾が一人で行くといいます。佐吉が、虎松を斬ったら新吾に迷惑がかかるというと、斬りはしない、というのです。鉾田の虎松は、やって来た新吾を追い返せといいますが、木刀を持った新吾が乗り込んできます。 新吾「佐吉の留守中、何故祭礼警護の役を盗んだ」虎松は子分にぶった切れと、子分がかかってきたのを交わし、「鹿島の祭殿を荒す気か」と新吾がいうと、虎松が刀を抜きかかってきたので、新吾は木刀で払おうとしたとき、虎松の喉をついてしまいます。 虎松はその一突きで息が切れてしまいました。新吾「しまった・・」子分達を交わし新吾はその場から逃げるのです。 虎松の子分達は代官の下島甚右衛門ところに逃げ込みます。下島は、鹿島の佐吉一家根こそぎにする手がある、いうのです。総集版で焼失している場面(佐吉の家の奥座敷で新吾と庄三郎が話しています。殺さないために木刀を持っていったのでは、といわれ、そのつもりが・・腕が未熟だった、と新吾。剣士として剣を磨くために秩父の山へ帰ろう、という庄三郎に頷き、新吾は要助のことを思い出します)秩父に向かっていた要助を待ち伏せていた奈良屋のさしがねの浪人達が、要助を斬ってお墨付きを奪い取ろうとしたとき、武田一真が通りかかります。浪人二人は斬られ、一人は逃げ帰ります。要助は梅井多門に手紙を届けてほしいと一真に頼み亡くなります。総集版からすっぽり消失している場面になります。ここはどうして少しでも入れることは出来なかったのでしょうか。新吾が大人になって、初めて女性に接するところなのです。(川魚料理船津屋、佐吉をはじめ鹿島一家が、芸者を呼んで、新吾と庄三郎との別れの宴を持っています。新吾の傍に、佐吉の娘のお咲が座りお銚子を取り、「新吾様どうぞ」と勧めます。「私の名を知っているのか」と新吾がいうと、お咲が頷きます。お咲に、私を知っいるかと聞かれた新吾は知らないと答えます。すると、眺めの良い座敷が向こうにもある、といい促すように立つお咲に、新吾はためらうがお咲について行きます。二階の座敷に入ると、お先は佐吉の娘だと身分を明かします。新吾は佐吉から娘がいることは聞いてなかったので驚きます。親と一緒に住んでいないのかと聞く新吾に、私は妾の娘だといいます。お咲は、今日ここに来たのはどうしてかと聞く新吾に、ためらいを見せますがこういうのです。「お別れを口実にして、新吾様をここにお引き留めすることに」新吾は・・はっとしてお咲を見るのです。「身を捨てる気で」と新吾がいうと、お先は顔を伏せ、佐吉はじめ鹿島一家は新吾だけが頼りなのだ、という返事がきます。湖に目をそらせている新吾に、お咲はこのまま鹿島にいてくれと、新吾に訴えます・・・黙って湖の方を見ていて、「静かだな」と言うや、下の広間にいこうといいます。お咲は言葉が出ず新吾を見ています。二階ではどうなっているか心配のそわそわしている佐吉と繁蔵は、降りて来た新吾が、庄三郎に「私は鹿島の町が好きになりました」と言うのを聞いて、顔を見合わすのです) 続きます。画像一枚・・・新吾とお咲の場面の一コマから、消失した場面です。残っていればよかったのに・・・と悔やまれます。お咲役は新珠三千代さんとの共演部分は、是非見たかったところです。本当に残念なことです。 (雑誌からのものです。スチールも同じ場面のものがありますが、目線がほんの少し違ってますかしら)
2021年01月01日
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