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うめえことはめやがったな三番町の賭場に押し入ると、雲風一家の子分達は、抵抗もせず「勘弁なすって」というと寺箱を差し出すのでした。その中を覗いた浅二郎は、浅二郎「なんでい、これだけかい」才市が寺箱を受け取り引き揚げたのを見届けると、屋根へ上り合図を送ったさきは、文蔵と浅二郎達が押し入ろうとしている先にいる長次郎にでした。 戸をぶち破り押し込むと、雲風の多右衛門一家が賊が来るのを待ち構えていました。 浅二郎達は「はっ」として一歩下がります。 多右衛門は、いつも柳の下にどじょうがいるとは限らない、「後ろを見な」と。振り返ると田中屋長次郎一家が入口を塞いでいます。 それを見た浅二郎は、浅二郎「へつへっへっ、うめえことはめやがったな。たまにはこんなことねえと、 面白くねい」 多右衛門の「たたき斬れ」の言葉で立廻りになります。文蔵が「みんな散るんだ」の声に、浅二郎がそばに来ると「行くぜ」と・・・斬りながら皆外へバラバラになって逃げます。 浅二郎は文蔵とは離れて逃げたようです。町の方に出た浅二郎は必死に走りながら被っていた手拭いをとり、かけ込んだところは紅屋という店でした。 「一杯飲ませてもらうぜ」と二階へ上がる。誰かお名指しの娘でもいるかと聞かれ、「いねえよ」と、女中のおかくは「まかしといてください」と言って行きます。浅二郎は外の様子を気にしながら、浅二郎「みんなはどうしただろう」 と心配しながらも、今は自分の身も危ない始末。しばらくはここで落ち着てという心境でしょう。「失礼のないように」とおかくに押され立ちすくんでいる娘に視線を向けたその顔を見て、娘は「はっ」と驚き、浅二郎も「はっ、・・おきん」と発します。おきん「浅ニさん」浅二郎「おめえはまた、どうしてこんなところに」 おきん「島の伊三郎に売られたんです」浅二郎「えっ」お陣屋にとめられた娘が二人とおきん達十八人は伊三郎によって別れ別れにと、話します。浅二郎「ひでえ野郎だ。・・代官とぐるになって女衒まがいのことをしやがると は」おきんは、浅二郎にまだ酒の席に出ただけと、おきん「たとえ殺されても、おまえさんに巡りあうまでは・・・」浅二郎「そりゃよかった」それを聞いて浅二郎は、おきんにおかみさんを呼んでくるようにいいます。 文蔵、才市達は浅二郎が戻ってきていないのを心配していました。その頃紅屋では、浅二郎がおきんを身請けする内金をまず渡し、きっと訪ねてくるという浅二郎を女将が信じて承知してくれます。朝までに帰らないと皆が心配するため、浅二郎はおきんに待っているように言い帰って行きます。 続きます。
2022年01月26日
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賭場あらし伊三郎は、娘達を連れ信州に向かいます。田中屋長次郎のところには、親分筋が集まって、伊三郎からの件で話をしようとしていました。その中で唯一人、小幡の初五郎は耳を貸しませんでした。忠治が大戸の関所を破って信州にという噂は、加部安左衛門の耳にも入っていました。その安左衛門のところに忠治が来ています。国越えの理由を述べ、あとひと月もすれば上州に騒動が起きてしまうので、それまでに米を集めたいと話します。そして、金のことなら心配いらない。「忠治は名を捨てる決心でございます」と言う忠治を見て安左衛門は「えっ」と。忠治は、かたぎの衆には迷惑はかけないといい、人目につかない隠れ家を用意してほしいとお願いするのです。お町や浅二郎ほか子分達が安左衛門を訪れている忠治の帰りを待っているところに、言われた任務を終えた三ツ木の文蔵が合流します。 そこへ忠治も隠れ家として裏山の蕎麦小屋を借りられたという朗報を持ってきます。くつろいだ小屋で、文蔵が半月で調べあげた絵図面をひろげていると、文蔵が今夜、守屋の幸吉が胴元で大きな盆がひかれることをいいますと、忠治 「よーし、三人ばかりで、せぶみをして来い」ということで、文蔵、浅二郎、才市の三人が盆が開かれている座敷に押し入ります。誰だといわれ、文蔵 「名乗るほどの者じゃねえ、その寺箱をこっちによこしな」 浅二郎が一人をつかまえて、浅二郎「へっへっへ、よしな、てめえ達の手にあう相手じゃねえぜ」と相手を突き飛ばすと三人はドスを抜き寺箱をさらって行きました。 そのことを、留守をしていた守屋の幸吉に知らせると、「奴らだ」と言い、貸元たちに伝達します。小幡の初五郎のところに清水の次郎長一家が草鞋を脱いだのを、伝達に来た幸吉の子分が見ていました。次郎長は、忠治が関所を抜けて信州に来ているようだな、と初五郎に問うと、その噂が伝わったのは二、三日前、夕べは賭場あらしがあったようで、初五郎「まさかとは思うのですが、どうお考えになります」次郎長「聞くまでもねえだろう」まだお目にかかったことはないが、そんなことをするお人ではないだろう、と次郎長はいうのです。賭場あらしは忠治一家の仕業に違いない。今夜もきっと暴れるだろうと伊三郎が長次郎に話をした通り、夜になると忠治一家が二手に分かれて動きます。文蔵と喜蔵組の方は全員で押し込んでいき、浅二郎と才市組は、才市達が最初に押し込み、みんなを牽きつけ外へ連れ出したすきに、浅二郎が一人中に行き立廻り、守屋の幸吉を斬り寺箱を持っていきます。 忠治は盗んだ寺箱の金、五百八十両を安左衛門に渡します。米の買入は済み米蔵にあるということを聞き、一通り荷がまとまったところで上州へ送るという手配も頼みました。雲風の多右衛門のところでは、伊三郎や長次郎が集まり、寺箱を狙った一味を突き止めるのに、雲風の上賭場二つを利用し、そこで大きな開帳があると噂をひろめ、誘き寄せることを考えました。伊三郎は「かかるよ、きっと来るぜ」と自信満々です。噂が広まり、忠治一家は動きます。賭場に向かう途中、文蔵と浅二郎は浅二郎「どっちを先にやるね」文蔵 「三番町だ、それからほそい町を襲って引きあげよう」浅二郎「よーし」政右衛門が物陰からその様子を見ていました。 (伊三郎の張った網にむざむざかかってしまうのでしょうか、心配です。) 続きます。(m.wの独り言・・橋蔵さんの鼻掛けスタイルは、なんてカッコいいんでしょう。好きだなあ次の場面でもお目に掛れますよ。)
2022年01月17日
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心を鬼にしなければ・・・東映オールスター任侠次郎長シリーズ3作目、今回も御大二人が清水の次郎長と国定忠治となって、長脇差の面白さを見せてくれています。このあたりの作品になると橋蔵さんも堂々たる風格がうかがえます。今回の作品での唯一のラブシーンは橋蔵さんの国定忠治の片腕といわれた武井の浅二郎と丘さとみさんのおきんだけという具合。いつものように橋蔵さんのやくざ姿はカッコいいし、鼻掛けスタイルも惚れ惚れしてしまいます。オールスター任侠ものには「任侠清水港」「任侠東海道」「任侠中仙道」「勢揃い東海道」があります。その中でも橋蔵さんらしさが作品に溢れだした年代の「任侠中仙道」が私は一番好きです。◆58作品目 1960年1月3日封切 「任侠中仙道」 清水次郎長 片岡千恵蔵 守屋の幸吉 徳大寺伸小川の勝五郎 中村錦之助 法印の大五郎 加賀邦男武井の浅二郎 大川橋蔵 雲風の多右衛門 香川良介三ツ木の文蔵 東千代之介 藤吉 星十郎六之助 中村嘉津雄 宇右衛門 明石潮大政 若山富三郎 番作 吉田義夫八寸の才市 伏見扇太郎 角太郎 清川荘司小政 里見浩太郎 お栄 松浦築枝おきん 丘さとみ 佐吉 片岡栄二郎おたき 大川恵子 与兵衛 高松錦之助おとよ 喜多川千鶴 田中屋長次郎 進藤英太郎おかく 雪代敬子 紬の文吉 黒川弥太郎お六 千原しのぶ 松井軍太夫 山形勲お町 花柳小菊 和田島の多左衛門 薄田研二三馬の政右衛門 原健策 小幡の初五郎 大友柳太朗松井田の喜三 尾上鯉之助 島の伊三郎 月形龍之介増川の仙右衛門 阿部九州男 加部安左衛門 大河内伝次郎羽倉外記 戸上城太郎 国定忠治 市川右太衛門清八 沢村宗之助和田島の多左衛門一家を紬の文吉一家が峠の上で待ち伏せしています。多左衛門は一発打ち脅しをかけます。その音を近くにいた清水の次郎長一家が耳にして、出入りが始まろうとしているところへ、次郎長が止めに入ります。が、これは、三馬の政右衛門の企んだことで、揃ったところで次郎長を役人に捕まえてもらおうというわけです。和田島の多左衛門と紬の文吉と共謀し百姓をそそのかし一揆を起こそうとした謀反で捕えるというのです。役人、捕り方が一家を捕まえに動いたとき、次郎長は「斬るんじゃねえ、ほどほどにして逃げるんだ」と言い、清水入りは諦め、信州の小川の勝五郎のところでやっかいになることにします。その勝五郎は博打好きで次郎長が草鞋をぬいだというのに博打場で呑気なもの、女房のおたきが走りそのことを伝えますと、勝五郎は借金をしてもてなす物を用意するよう言い、先に家へ帰って行きます。生活が苦しい様子を察して、次郎長はおたきに手土産変りといって金子を渡します。次郎長達が疲れて早く眠ったあと、勝五郎は次郎長からもらった金子を3倍5倍にして、濡れ衣をきせられた次郎長に義理を返すと意気込んで博打場に出かけて行きますが一文無しになり、次郎長や子分達の着物まで博打にかけてしまったのです。勝五郎は、おたきは愛想を尽かし実家へ帰ったといったが、勝五郎を残して実家へ帰るわけがない、身を売ってでも守備をつけると思った次郎長は、扇屋に出向き証文を破り三十両を持たせ勝五郎のもとに返します。次郎長一家は、高萩まで行こうとしていた途中で、上州から売られていく娘達の一行とすれ違います。その夜、村の衆に「皆さんの難儀に背を向けるのは不本意だが、信州につけば出来るだけのことはする」と別れを告げ、国定忠治は子分とお町が待つところにやってきます。八寸の才市が、武井に行っている浅二郎を待ってほしいといいます。その浅二郎は・・・恋仲のおきんが浅二郎に、一緒に連れて行ってとくいさがっています。浅二郎「そんなこと言わねえで、俺が無事にけえってくるまで・・・」というと、おきんは、今夜年貢のかたにお陣屋に連れていかれる、今別れたらいつ会えるか、と浅二郎に訴えますが、浅二郎「分かっている・・分かっちゃいるが、何もみな家のため、村のためと諦め て」と言い行こうとする浅二郎に、「やだよ、やだよ」とおきんが泣きすがっているところへ、おきんを探しにおきんの爺さんと村人がやってきます。 浅二郎は「勘弁してくれ、行かなきゃならねえんだ、わかってくれい」とおきんを振り切って行くのです。 忠治とその子分達が待つところへ遅くなったと浅二郎が戻ってきました。「おきんとやらに会ったかい」と忠治に聞かれ、会ってきたが今夜岩鼻の陣屋に連れていかれること、他に村々から20人ばかりの娘が、と告げます。松井田の喜三や八寸の才市が憤慨しこれから・・・というと、「ならねえ」おきんや娘達にはすまないが、村々の難儀を救うためには、心を鬼にしなければ・・・と、忠治の言葉に従い旅だって行きます。物陰で島の伊三郎の子分角太郎が、忠治の動きを見ていました。 忠治一家が国越えをすることを、子分の角太郎が急いで岩鼻陣屋の島の伊三郎に伝えに行きます。伊三郎は、さっそく松井軍太夫にそのことを伝えます。渋川から山越えをすると大戸の関所を避けたことになり、そうすれば関所破りの大罪人となり、忠治もこれで終り、信州各地の代官所にそのことを伝えるように、また伊三郎には、信州の渡世の仲間の力を借り、忠治の所在を突き止めるように指示します。その陣屋に年貢のかた代わりとして連れて来られたおきん達がやってきます。 続きます。
2022年01月09日
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