人魚を探しにさ
翌日、小吉親分が若さまのところにやってきています。
小吉「へえ、何しろ死人に口なしで、六兵衛が番頭に何を喋ったか、番頭が六兵衛
から何を聞いたか判らねえんで」
若さま「 そう何も判らないでは、どうやって調べるんだ
」
せめてもう一つ別の手掛かりでもあれば・・と、困ってやってきています。 (
若さまは、ひとごとですから小吉の言うことを面白そうに聞いていますよ )
その時、頓平が大変だ、また一人殺されたと慌ててやって来ます。


事件が起きた長屋に来ています。長屋で殺されていたのは板蔵という男です。 (
第三の殺人 )
(
ここからは、若さまと小吉親分のやり取りを聞き逃さないでください。若さまが事件の入口を・・小吉親分は若さまの言うことがまだ呑みこめていないようです )
小吉親分が困ったように深いため息をつきますと、
若さま「どうだな、親分。 何か手掛かりはついたかい
」
(
)
板造という男は、人様から恩に着られることがあっても恨まれたりすることはないという、この長屋住まいから物取りでもないと、小吉親分が言うのを聞いていた若さまが、
若さま「 花火に関わりはねえかな
」
との問いに、かかわりはないと、小吉親分が答えます。
小吉「夕べも花火見物には行かなかった様子で、可哀想に、 ついひと月めえにも、
海におぼれている人間を助けて、仏の板造と言われるほどのいい人間
だ
そうで」
(”
海におぼれている人間を助けて ”
と聞いた時、若さまの目が一瞬キラッと光ります )


若さま「 いい人間か
」
と言って 横を見た時、若さまの視線は野次馬の中にいる侍 (
黒坂 )
を見逃しませんでした。

若さま「 親分、ちょっと
」
外へ出て来た若さまは、野次馬の中にいた侍が去って行くのを見つめていましたが、小吉親分に、
若さま「 もう一つ欲しいと言っていた手掛かりが出来たんだ。何とかしてやらねえ
と、板造も成仏できねえぜ
」

小吉「そうなんで、どうも」
若さま「 俺なら目を付けるな
」
小吉「えっ、な、何ですって」
若さま「 うん、人魚だよ
」
小吉「人魚 ?
」

若さま「六兵衛が殺された両国の川の中にも人魚が出たという。 板造が助けた男も
六兵衛だったら・・・
」
と言い歩きだす若さまに、小吉親分がどちらへと言いますと、
若さま「 人魚を探しにさ
」
というと 足早に、何事もないように黒坂をつけて行きます
。
黒坂は利倉屋に入って行きました 。
なるほどというように見ている若さま
の方を見ている女がいます。若さまは、 気にせず立ち去って行きます
。


続きます。
若さま侍捕物帖・・・(14) 2025年02月18日
若さま侍捕物帖・・・(13) 2025年02月02日
若さま侍捕物帖・・・(12) 2025年01月25日
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