海に出て、探し物をしなければなりません
頓平が若さま達を見かけやって来ます。小吉親分が了巴達が通ったか聞きますと、誰も通らなかったというのです。それを聞いた若さまは虚無僧姿の侍を見て、
若さま「嘘を言ったね。了巴は名古屋に向わねえ。あはっはっは、 嘘も忠義のうち
かあ。あっはっはっは・・・
」
と笑い、 海の方を見つめ、若さまの表情が変わりました
。 

若さま「親分、 了巴達の消えた訳が分かったぜ
」
小吉 「えっ」
若さま「 舟に乗ったよ
」 

若さまが三人にうつぼ姫の家来か、尾張の家中かと問いただしますと、尾張の家臣という返事がかえってきます。尾張の殿様は長らく病気のため、刈屋の浜屋敷にご静養中だというのです。
若さま「なるほど。 そこが敵の付け目なんだな
。親分、この事件は容易じゃ
ねえぜ」
小吉親分がどういう訳だと聞きますと、
若さま「 花火や人魚どころの騒ぎじゃねえってことさ
」

と言うと、若さま立ち上がり、
若さま「刈屋か、 近いな、寄ってみるか
」 
その夜、若さまは浜屋敷に静養中の治行を訪ねます。
若さま「治行殿とは、 何年ぶりかな
」
治行 「全く意外な対面です。いつもながら、気ままなあなたの立場が羨ましい」
若さま「これはひどい。 まるで道楽息子あつかいだな
」

治行 「天下御免、けた外れの道楽息子ですよ」
若さま「いやあ、そのけた外れの道楽が幸いして、尾張家浮沈の大事に馳せ参ずる
ことができたのですからなあ」
わが不明を恥じるのみという治行に、若さまは 病気のため治れば何のことはない
と言い、
若さま「それまでは治行殿に変わって、六十二万石、 浮沈をかけた仕事をかたずけ
たいのだが
」 

治行はお願いしたいと言います。
若さま「さあ、 百万人分のお役に立てるかどうか
。とにかくやってみましょう」
と言い、盃のお酒を飲みほします。
若さまは治行に、密かに尾張に立ち返り、成り行きを見ていてほしいといい、
若さま「わたしは、 これから海に出て、探し物をしなければなりません
」 
金をやった漁師の舟で利倉屋一味が人魚島に近づいたとき、人魚が出てきて舟を転覆させられやっとの思いで利倉屋と岳庵と用心棒は島に泳ぎ着きます。
うつぼ姫の館では明日にでも浜屋敷を襲って治行を手中におさめ、直ちに名古屋に入ると、了巴と玄蕃。城を乗っ取った上、天下に号令すれば、味方するもの万をくだらない。その前に了巴が心魂を傾けた島の火薬を移せば、天下を相手にしても恐れることはないというのです。
利倉屋達は火薬を運んで洞窟に入って行く男達をつけて中まで入って行こうとした時戸が閉まり、了巴の思惑にはまった利倉屋達は四方からの銃に倒れました。
続きます。
若さま侍捕物帖・・・(14) 2025年02月18日
若さま侍捕物帖・・・(13) 2025年02月02日
若さま侍捕物帖・・・(12) 2025年01月25日
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