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『ブラインドサイト~小さな登山者たち』公式HP■あらすじ■悲しいことにチベットには、盲目の人は前世の悪行が原因で悪魔に取り憑かれているという古くからの言い伝えがあり、盲人の多くはひどく差別的な扱いを受け、親からも社会からも拒絶されるという悲しい現実に直面していた。そんな子供たちに救いの手を差し伸べたのは、自身も盲目のドイツ人教育者サブリエ・テンバーケン。単身チベットに渡った彼女はチベットで初の盲人のための学校を設立。数年後、盲人として史上初めてエベレスト登頂に成功したアメリカ人登山家、エリック・ヴァイエンマイヤーとの出会いがきっかけで子供たちはエベレストの北側、標高7000メートルのラクパリ山頂を目指すことになる。 (品川プリンスシネマHPより)■差別■視覚障害者の男の子が二人で道を歩いていると、杖の先が当たってしまった老女に「外に出てくるんじゃない。お前らなんて父親の死体でも食べてろ」という言葉を投げつけられる。同じ盲人学校に通う女の子二人が歌を歌いながら歩いていると「歌うな、邪魔だよ。今、犬の死体を踏んづけたぞ」と言って、後ろから同い年くらいの男の子たちにこづかれる。あからさまな蔑視の姿勢が衝撃だった。けれど、言われた男の子二人はそれほど気にする様子もなく、「そう怒らないで。道は広いよ」と言って笑う。女の子の一人は、「踏んづけたのなら食べてやるわ。押さないでよ」と言い返す。強くて明るくてすごく賢い子供たち。「前世で悪いことをしたカルマを背負っているんだ。目が見えないことが僕の運命だ」と言う子もいれば、同じように目の見えない父と二人の兄と暮らす女の子は「唯一の健常者だった母は心労で亡くなった。最後に一度だけ顔を見たかった」という。「踏んづけたのなら食べてやるわ。押さないでよ」という言葉を言い返した気丈な女の子はそれでも、「両親が面倒を見てくれて、今は兄弟たちも優しくしてくれる。でも両親が死んでしまったらどうなるのか。兄弟だってずっと優しくしてくれるかわからない」と言う。それぞれに現実を見つめている。■そのままを■ドキュメンタリーと言いつつも、作り手の見せ方によって現実はいくらでも歪められる。作り手にその意識がなかったとしても、「上手くまとめてみせよう」もしくは「見る側にわかりやすく」という一見、正当な熱意が、現実を歪めてしまうこともある。けれど、この映画はすごく「ありのまま感」が強い。そのためにやっぱり、ひとりひとりに感情移入することが難しかったり、やや中盤が単調な印象だったり、かゆいところに手が届かないようなジレンマを感じたりするのだけれど。■もう一回■見ても良いかも。えぇぇーと、何度も出てくる歌が良かった。なんていう歌だっけ。
2007.07.22
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松沢呉一/著■好きなブロガーさんが好きだという作家さんだったので■一度読んでみたいなぁ~と思っていた、松沢呉一さん。下北の古本屋で偶然見つけたので買いました。■読みながら食べられない■ウンコとかゲ○とかSMとかスカトロとかゴキブリとかウジ虫とか、この本読みながらモノを食べることはヤワな私にはできません。モノ食べている時に、この内容を思い出すこともちょっとムリー。■けれど■すんごく面白かった。もう10年以上前に書かれたものだけれど、おもろいおもろい。書いていることは、眉をひそめる人もいるであろう「ぐろぐろ」の内容なんだけれど、著者はすごく研究熱心だし、そしてそれをひけらかしてもいないし、エロいことグロいことに真っ向から挑んでいく姿は爽やかですらある。紳士的、そう思いました。雑誌での連載をベースに、その後数年してから付け足された「注」が入っている。これを読むのもなかなか面白かった。「この頃はこう思っていたが、その後考えが変わった」「この時はまだ体験していないが、その後体験できた」という注がいくつかあって、本文で主張していたことをあっさりと「考えが変わった」と言えるその姿勢が、柔軟でいいなあ、などと。面白かったので他に何冊か読んでみようと思っております。
2007.07.21
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『街のあかり』公式HPアキ・カウリスマキ監督■私は怒っている■この映画の予告をつい先日見たばかりだからかもしれないが、予告でストーリーを説明しすぎだと思う。もうね、予告で説明していない部分の割合はポッキーで言えばチョコのついてないとこくらい。そのくらいほとんどを予告で言ってしまってるんです。ある人は言うかもしれない。話の筋ではなく、情緒を楽しめと。でもね、情緒ってストーリーの流れに乗っかってこその情緒だと思うんですよ。ストーリーの起伏に身を揺られてないと情緒はついてこない。それに、初めから女の人に騙されるとか逮捕されてしまうってわかっていたら、「これからどうなるのか?」という知りたい欲求が減ってしまいます。欲求こそ、映像に食いつくために必要なものでは?予告を作る配給会社の人は、「いかにこの映画を見たいと思わせるか」で作るんでしょう。それは当たり前で仕方ないと思うんですが、見た時の興奮を損なわせないという面にももうちょっと気を使って欲しいと思うことが多々ある。映画って、期待度とか事前知識だとか見る時のコンディションにすごく左右されるものだと思うので。もっとねー、繊細にねー気を使ってねー優しくねーブツブツ……。■私は悲しい■タレ目の主人公が。もう。なんていうか。
2007.07.16
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俵万智/著■Book offで買ったら■中に、喫茶店で使うような紙ナプキンがはさまってた。キレイだったからいいけど。前の人がしおり代わりに使ったんだろうか。■裏書きによると■伊勢物語を現代語訳した著者が、脱線アリ体験談アリ個人的恋愛論アリでその面白さを伝える、ロマンチックでユーモラスなエッセイ。古典の勉強はちょっと苦手、という人もこれならきっと好きになる、恋する受験生の必読書。だそうです。■伊勢物語って■こんな話もあったっけー、とか、あぁ、これ教科書に載ってたなー懐かしいとか思いながら読みました。そんで思ったことと言えば、やっぱり俵万智さんは紹介の仕方が上手い。面白い。■恋愛■についてなんて、すでにもうこの頃に言い尽くされてますよね。今の恋愛小説やモテ本の類に書かれてることだって、『伊勢物語』にすでに書いてあることだなぁ~と改めて思いました。自分の失恋だって、同じようなことは既にもう何百何千の人が経験していると思えば……。いや、やっぱ辛い。
2007.07.11
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石垣りん/著。以下Wikiより引用。石垣 りん(いしがき りん、大正9年(1920年)2月21日-平成16年(2004年)12月26日)は、昭和・平成期の詩人。代表作に「表札」。東京都生まれ。4歳の時に生母と死別、以後18歳までに3人の義母を持つ。また3人の妹、2人の弟を持つが、死別や離別を経験する。小学校を卒業した14歳の時に日本興業銀行に事務員として就職。以来定年まで勤務し、戦前、戦中、戦後と家族の生活を支えた。そのかたわら詩を次々と発表。職場の機関誌にも作品を発表したため、銀行員詩人と呼ばれた。『断層』『歴程』同人。第19回H氏賞、第12回田村俊子賞、第4回地球賞受賞。教科書に多数の作品が収録されているほか、合唱曲の作詞でも知られる。■石垣りんさんと言えば■毎日通っている銭湯で若い女性に「あのう、襟足のところを剃ってもらえませんか?」と言われる。剃ってあげながら聞くと、女性は明日結婚式なのだという。明日嫁ぐ女性がひとり、銭湯で身を流している。という詩は石垣りんさんの詩じゃなかっただろうか。どっかで読んだ気がするんだけど思い出せない。■それにしても■14歳から定年まで半世紀近く同じ職場で勤め上げたって!すげえ。このまま行くと一生で一度も「職場」を持たなさそうな私からすると、ほんと頭が上がらない。嫌な同僚もいやみな上司もいただろうな。女性の立場もずっと低かっただろうに。■このホンは■2頁程度の短いエッセイを集めたものです。短いんだけど、一編一編にへぇ~~と感じ入るところがある。昔は東京都内の電話料金がいくら話しても一律だったとか(「通じない」)、初任給が18円だったとか(「巣立った日の装い」)とか、そういう具体的な情報に対してもだけれども、垣間見える公害問題や、インスタントラーメンや、卒業式の袴や、家具や、君が代や、両親や、君が代に対しての考え方に、今との差を感じて面白い。ま、サザエマニアの私にとっては「そうそう、そうだったらしいね」ってことも多かったですけどね、フン。■考えたこと■人のブログのコメント覧を読んでいて感じることのひとつに、「どーしてそんな幼稚なツッコミを入れるかな~」と思うことがある。書いてる人はそんなことは自明だと思って、省略して書いているのに、わざわざそこに注目して、「こういう例を知ってますか?」とか「こういう話もありますよ」とか。そういうのを見るうちに、私のブログはアクセス数も少ないし、元々議論を起こすような大した内容でもないけれど、それでもやっぱり、「あ、こう書いたら誤解する人もいんのかもしんない」と思うようになった。自分のノートに書いているものではなくって、ネット環境があれば世界中のどこの人でも見られるものに公開しているんだから、自分と考えが違う人が見て当たり前なのだけれど、ついついそのことを忘れがちになる。だって、普段の日常ではそこまで自分と考え方の違う人に会う機会がないから。会っていても、それに気付くことって案外ない。社会に出たらそれなりに人と合わせてやっていこうとするから尚更だと思う。だから、とんでもなく見当違いのコメントとか、見当違いではなくても全く自分と考え方の違う人のブログを読むたびに、「あ~~、こういう人も読むってことを前提にして書くってしんどいんだろうな~」と思っていた。これって誰でも意見(くだらないものから何から含めて)を発信できるブログ文化ができたからこそ、一般庶民の私にでもこういうことがわかるようになったんだなー、などと思っていた。確かにそういう側面はちょっとあると思う。なんだけど、『焔に手をかざして』を読んだ時に感じたことは、石垣りんさんは、自分と考えの違う人や生まれ育ちの違う人に対しても誤解を招かないような書き方をしているということ。自分の書くことがどういう風に受け止められるのか、全てわかってくれる人ばかりではなくて当たり前という前提を元に、文を補いつつ書いていると思う。そんなことは物書きなら当たり前だという意見もあるかもしれない。だけど私はそう思わない。物書きだからこそ自分の見識に奢って、何を言ってもダイジョウブ、わからんヤツは愚民と切り捨てる人もいるのでは? 控えめに言っても結構多いのでは?継母に育てられて、女性で、ずっと平社員で、未婚で……。辛いことはたくさん言われただろうけど、ちょっとヒドイ言い方をすると、報われない立場の目線からだったからこそ、世の中には多種多様な考え方の人がそれぞれ自分の考え方のままに行動しているということがよくわかったのではないだろうかと思う。もちろん、詩人として名を残した石垣りんさんの人生が報われないものだったとは思わない。
2007.07.10
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森下裕美/著■森下裕美さんと言えば■代表作はやっぱり、アザラシのゴマちゃんはタマちゃんよりもずっと前に一世を風靡していました、よね。それから『ここだけのふたり』なんかも結構好きでした。■ちょっと前に新聞で■この『大阪ハムレット』が第11回手塚治虫文化賞短編賞と第10回文化庁芸術祭優秀賞を受賞したっていう記事に、「『少年アシベ』などの4コマ時代から創作に悩んだ時期を乗り越え作風を変えて、地元大阪の言葉で大阪の街並みを舞台に描いた」っていうようなことが書いてあったと思います。へぇ~~と思ったんだけど、アシベ時代のヤワラカイ曲線を排除してしまった、独特なキモカワの絵柄が生理的に受け付けず、手に取る気がおきませんでした。『ここだけのふたり』の後半あたりからこの絵柄の傾向が見られるのだけれども、どーーにも、あんまり。ぶさいくな人がリアルなのが、あんまり。それから、森下さんは『アシベ』『ここだけ』などで、絵柄は可愛いけど、描いてあることは割とせちがらい感じで、4コマだったからこそオチがあって笑わせてはいたけれど、ちょっとしんどいなぁ~と感じさせる部分もあった。ふつーに笑えるんだけれど、「たぶんこの作者の人、結構細かいことにうるさいだろうな」と思わせる、みたいな。それに昨今の泣かせる人情漫画の波も何だかなぁと。■それで読んだら■今週は仕事頑張ったからもう後は漫画でも読めばいいやーーと思い、お近くのBook offへ。『だめんずうぉ~か~』の一巻と、『大阪ハムレット』を買いました。何度も何度も書店で『大阪ハムレット』を読んでいて、「買うまい」と心に決めていたのですが、やっぱり買ってしまった。そんで帰ってきて梅酒とつまみを楽しみながら読みました。読んで泣きました。泣ければいいってもんじゃないけど。■キモカワな絵も■読み始めてほんの数頁で気にならなくなります。私の場合、好きにはならなかったけど、「ああ、こういう顔の人いるなぁ~」と。「こういう顔の女の人、確かにキレイだなぁ~」とか。■恐らく■出てくるキャラクターの全てが魅力的なことが原因です。第一巻の「女の子になりたいひょろひょろの小学校3年生」と、第二巻の「お母さんが再婚しそうな家庭の、2人の妹を持つ中学生のデブな兄」が好きです。■それにしても■前から思うけど、この作者さんの漫画にはかっこいい男の人が全然出てこない。女の人は可愛い人多いのに。『少年アシベ』でも男の人はもれなく3頭身。作者はかっこいい男の人に何かイヤな思い出でもあるのでしょうか。ないのでしょうか。■おもひで■森下裕美さんの、初期の作品の第一巻、なんていうタイトルのだか忘れてしまったのだけど、もしかしたら『少年アシベ』だったのかもしれないけれど、そのあとがきに、結構森下さんは毒舌を吐いていた。手書きの文字で書き散らしっぽく、「こないだ取材に来た女記者が子連れでやってきて、その赤ん坊が泣いて、しかも途中からその世話を押し付けられそうになって……」という愚痴から始り、「だから取材はイヤだ、女の記者イヤだ、バーカ」みたいな。そして「この間、海外のメディアの取材があった。取材内容は『あなたの描くキャラにはどうして鼻がないの?』。やっぱり外人はいい」。うろおぼえなので違うかもしれないけど、こんなような。もう10年以上前だけど、それを読んだ姉とふたりで「この人、結構、黒い面あるよね」というようなことを言ったのを覚えている。姉もそれをずっと覚えていたようで、「あの作者の人そういえばさー」というような話をこないだもしました。ま、その黒い面が良い方向に出たってことで、ね。というまとめ。■付け足し■よく新聞紙面に載っている、『大阪ハムレット』の広告はあんまり良いとは思えない。作中のカット(セリフも)の切り張りで出来ているのだけれど、そのカットが、「ボク 女のコになりたいと思てます ボク 真剣やから変にからこうたりせんとって下さい」とか、「自分の弱さ、謝って許すな!」とか、「アンタ、お父ちゃんの子供産もう思たら産めんねんな」とか、イチイチどぎつい。このへんが人の目を惹くだろ~~って思ってのチョイスなんだろうが、これちょっと熱苦し過ぎる。本当はもうちょっとサラっとした感じですよ。
2007.07.09
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倉田真由美/作■くらたま作品■雑誌に載っているのは何度か読んだことがあったけれど、じっくり読んだのは初めて。■驚いた■ここまで西原理恵子と芸風が被っているとは。露知らず。■でも■最初に知ってたのが西原さんなんで、西原派だと思います。私、わりと古風なとこがあって。義理堅くて。■それで■写真で何度かくらたまさんを見たことがあったが、それほどじっくり見たわけではなくなんとなくの印象だったため、作中に幾度となく、自分のことを「デブ」「学生の頃はガリ勉」って書いてあるのを読んで、「まあ、そういえば派手目な人ではなかったかも、そうか、モテなさそうな容姿なのか」と思ってた。ンで、一巻のラストにある瀬戸内寂聴さんとの対談での写真を見たら。ふつーに痩せてる美人なんですけど。なんだこりゃ。てめこら詐欺。別にいいけどさー。■いろいろなだめんずの例を見て■いろんないろんないろんなことを思ったのだけれど、ひとつだけ書くのであれば、のぼせあがってウキャーー!っていう勢いで結婚できるうちに一回くらい結婚しておけば良かったかもしんまい。私のような生産力のない頭でっかちが、だめんずでない人をこの先捕まえられることがあるのか、どうか。■でもね、つくづく思うのが■出会う人がことごとくだめんずっていうよりも、出会う相手をことごとくだめんずにしてしまう体質の女性っていると思う。ほんとさー、もうどうしたらいいんだろうね。
2007.07.08
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アキ・カウリスマキ監督。■余談■「あき・かうりすまき」を変換したら、秋/飼うリス巻になった。なんか微笑ましいじゃないか。■あらすじ■「どこまでイったら浮気」じゃないですけど、どこまで言ったらあらすじでどこまで言ったらネタバレなんでしょう。って思ったので、ユーロスペースのHPからさくっと引用。ヘルシンキに流れ着いたひとりの男。しかし彼は暴漢に襲われ瀕死の重傷を負い、一命をとりとめるも、過去のすべての記憶を失ってしまう。過去を失った男は、絶望の淵でささやかな人生をひとコマづつ重ねていく中で、イルマという女と出会う。それは男にとっては初めての、あたたかで満ち足りた思いとなって、人生を柔らかく包み込むのだった…。ミニマルかつ叙情的、ユーモラスで牧歌的でありながらも人生の苦渋を浮かびあがらせ、やがて生まれる再生と希望を見事に描いたアキ・カウリスマキ監督の最高傑作。■上のあらすじを読んで思ったこと■あ、あれ、絶望の淵だったのか。北欧の人って無表情でさあ。■相変わらず■犬が可愛い。ハンニバル。■こういう映画を(ネタバレ)■見たいな~とかねがね思っていた気がするが、どうしてそう思っていたのかを上手く説明できないのでやめます。ひとことで言うとハッピーエンドだから。ハッピーエンドだからハッピー。■疑問点■最後のあたりで、主人公が列車内でスシを食べながら日本酒を飲み、バックミュージックに演歌(たぶん)が流れているシーンがあるんですが、監督は日本好きなんですか?すごく箸を使いづらそうにしてらした。
2007.07.07
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乙一/著■このホンは■作者が17歳の時のデビュー作品。■どんな心持ちで読んだか■手軽に数時間で読めて、読んでいる間中ずっと先が気になって、最後に割とスッキリ感を味わえるミステリーを欲している気分でした。■そんな気分だったからかも知れないが■んん~、イマイチ……。オチも読めてしまったしなあ。描写と構成力が優れているって解説に書いてあったけど、そうかなぁ……。■でもね■9歳の夏に殺されてしまった少女の目線で、自分の死体を隠そうとする犯人達の様子を追っていく、という描き方は確かに斬新、かもしんまい。■でもね■その設定が目新しいだけで、最後に響いていないというか、もしかして普通の一人称もしくは三人称で書ききるのが辛っと思ったからなんじゃないかとか、穿った見方。■読んだ人にしかわからないことを■終始怖がっている妹の弥生ちゃんが黒幕だったら面白かったと思います。
2007.07.06
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ユーロスペースでやっているアキ・カウリスマキ監督の特集上映に行ってきました。見たのは『ハムレット・ゴーズ・ビジネス』。「アキ・カウリスマキ面白いよーー」というのを聞いて見に行ったのですが、事前情報ほとんどなし。アキ・カウリスマキがどんな人なのかも全然しらなーーーい。ンで、映画館のロビー、チケット売り場近くで「これから映画見ます、えっと、ハリウッドなんとかっていうヤツ……」って携帯で話してました。待機中のたくさんのカウリスマキファン(っぽい人たち)の横で。まあ、いいや。■あらすじ■長篇4作目、今度はシェークスピアの悲劇「ハムレット」に挑んだアキは、陰謀、毒殺、父の亡霊、オフェリアの水死といった骨子を残しながら、舞台を現代にハムレットを王子ではなく製材所・造船所をもつ社長の息子に仕立て上げる。重役のクラウスは社長夫人ガートルードと結婚、反発するハムレットをよそに、自らの私欲のため造船所を売り飛ばすと言い出す…。緊張感に満ちたモノクロ画面の中、ラストには原作にはない驚くべき結末が用意され、人間の計り知れない暗部が口を開ける。(ユーロスペースHPより)■この作品のハムレットは■全てのシーンで煙草に火をつける。■この作品のオフィリアは■始めから目つきがアル中。■でもふたりとも■最後まで見たら結構愛嬌がありました。■最初と最後に出てくる■犬がめちゃんこ可愛い。■アキ・カウリスマキについてどう思いましたか?■この作品だけではわかりません。
2007.07.05
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山岸涼子/著。■薦められて■怖い漫画知りませんか~とたずねて教えてもらったのがこちらです。表題作を含む4つの短編集が収められてます。■タイトルだけで■もう怖くないですか?別に怖いこと言ってないのに怖いっていうのはどうしたことだろう。■一番怖いと評判のは■「汐の声」という作品。読む前からネットの評判で知ってました。あらすじはといえば、幽霊が出るという噂の館に泊り込みで取材をするテレビスタッフと、霊能力者。霊現象が全く起こらずスタッフが苛立つ中、霊能力者のうちのひとり、「少女霊媒師」として名を売っている佐和だけが、館に潜む「少女」の存在に気付いてしまう……。というもの。うぅぅん、怖い……。小さいときに呼んだらトラウマ間違いなし。とはいうものの、実は、購入する前にこの作品の口コミで検索していて、ほとんど内容を知ってました。ネタバレの部分も。一番怖い描写のところも。覚悟ができていたので、まあね。■なぜ■辛いものを「辛い辛い」とヒーヒー言いながら食べてしまうように、怖いものを「怖い怖い」と言いながらも読んでしまう。怖い。■他に■『天人唐草』『夜叉御前』も一気読み。こちらはお化けネタというよりも、(狂気+昼ドラ)×伝説という感じのもの。漫画を読んでいる時が一番時間を忘れます。いやあ。
2007.07.04
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『ブリッジ』オフィシャルサイト■この映画は■どんな映画なのか調べようとしたらば、ドキュメンタリーなのであらすじのところにほぼ全てが書いてあるのだけれど、何にも見ざる聞かざる読まざる予備知識なしで見に行った方が面白いだろう、と他のサイトで書いてあるのを読みました。確かに私もそう思います。私はどんな映画なのかわかってて行ったので、結構漫然と見てしまいました。何にも知らない方が食いついて見られると思う。ですのでちょっとでも興味のある方は、以下は読まない方が良し。公式サイトも見ないですぐに出かけましょう。恵比寿ガーデンプレイス(略してエビガ)でやってます。■ネタバレするあらすじ■サンフランシスコにあるゴールデンゲイトブリッジ。1937年に開通した全長2,790mの橋だ。海峡をまたぐ堂々とした橋の姿に、誰もが魅了され毎年多くの観光客が訪れる。映画はこの橋の全景をまんべんなく映し、橋の上を行き交う車を映し、記念撮影を楽しむ観光客を映す。橋の下でウォータースポーツを楽しむ人々を映し、カモメの群を映す。ふと、カメラに太めの中年の男性が映り込む。少しの間欄干に肘をついて下を眺めたかと思うと、男性はそのまま欄干を乗り越え、橋桁から飛び降りる。カメラは落ちていく姿を追おうとするが、スピードについていけず男性はカメラから消える。そう、ゴールデンゲイトブリッジは、世界一その数の多い自殺の名所なのだ。来る日も来る日も、望遠レンズで橋を記録する。行き交う人々、思い悩む人々、飛び込む人々、それに居合せた人々。この映画はカメラが(偶然ではなく)撮影した自殺者の最期と、その遺族や友人からインタビューを聞くことで構成されている。■う~ん■オフィシャルサイトのトップには「橋桁に足をかけた人をみかけたらすぐに通報することをルールとして撮影した」という監督の言葉がある。だけど、でも、この映画のコンセプト自体が「橋から飛び降りる人の記録を撮る」ことなんだから、あんまり説得力がないなあ。橋桁に足をかけてから通報したんじゃ遅い場合は多々あるわけで。思いつめた顔で欄干に肘をつく人々を、ず~~っとカメラは「待っている」ように映し続けているわけで。自殺防止を呼びかけるための映画、どうして人は自殺してしまうかを考えてもらうための映画だとしても、それならこの飛び降りてしまった人たちはそのための犠牲として見過ごされたの? チラリとそんなことを思う。けれど、インタビューに答える遺族たちは、自殺者の生い立ちを語りはしても「カメラで撮っていたならどうして止めてくれなかったの?」とは言わない。すぐに裁判を起こす国だというアメーーーーリカ。「肥満体質になったのはマクドナルドのせいだ!」って言う前に、こっちじゃないのか? わからん。アメリカのことはわからん。■実はちょっと衝撃的な話 R15■4年くらい前に、飛び降り自殺の現場に居合せてしまったことがある。奥多摩の河原で、ものすごい音がして振り返ったら20mくらい離れたところに人が倒れていた。何が怖かったって、振り返った時のシンと静まりかえった感じがすごく怖かった。近くには高校生が7,8人でキャンプしていたりして何人か人がいたのだけれど、その瞬間だけ時が止まったみたいに静かだった。10秒くらい何が起ったのかわからなくて、だけど多分すごく怖いことが起ったということだけがわかって、その何だかわからない感じがすごく怖かった。3時間かけて車で奥多摩まで行ったけれど、30分で帰ってきました。あれはほんとに。怖かったなあ。
2007.07.02
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ジュンパ・ラヒリ/著 小川高義/訳■あらすじ■若き日の父の一生を変えた事件が原因で「ゴーゴリ」という名前をつけられた少年の目を通して、アメリカで暮らすことを決めたベンガル人(インド人)家族の歴史を描く。■ジュンパ・ラヒリという人は■短編集『停電の夜』でヘミングウェイ賞、ニューヨーカー新人賞、ついでに“新人の短編集としては極めて異例ながら”ピュリツァー賞を受賞したのだとか。『停電の夜』がとてもいい! すごく好きな短編集です。この中でも特にいいのがラストの「三度目で最後の大陸」。長編を読んだかのようなスケール感を味わえる、というような評をどこかで読んだように思うが、まさにその通り。『その名にちなんで』と同じく、インド出身の夫婦が異国の地アメリカで戸惑いを感じつつも根を張っていく様子を描いた小説なのだけれど、明らかに著者の来歴を反映して書かれたもの。ジュンパ・ラヒリはロンドン生まれだが、両親ともにカルカッタ出身のベンガル人で幼い頃に渡米した、と著者紹介にあることからそれがわかる。ちなみに、著者の写真はえらくべっぴん。女優かと思うほど。これは一見の価値があります。■それでだからその■「三度目で最後の大陸」がすごく良かったので、『その名にちなんで』が同じ題材で書かれていることには驚かなかった。この人が書きたい根っこはこの部分なんだろう。これからどんなことを書くのかはわからないけれど、小説家として書きたいと思っていたことはコレなんだろう。よく文章読本には、「自分にしか書けないことを誰にでもわかるように書く」のが上手い文章だというようなことが書いてあるけれど、この人にとっての「自分にしか書けないこと」は、「アメリカで育ったベンガル人であること」だ。その目を通して普遍的なものを見つめる使命感というか、そうしなくてはという自覚(自負と言ってもよいかも?)があるだろう。たぶん。■この人のすごいと思うところは■たださりげなく日常を描写しているだけのように見えて、登場人物それぞれの心境が全てすんなりと理解できるようになっているところ。この状況だったらそう考えるだろう、そう決断するだろう、詳しく説明されなくても、登場人物の気持ちが手に取るようにわかる。文化も時代も違うのに、よくわかる。そして、多くの人が漠然と眺めている「運命」というものを当たり前のように掴んでみせるところ。小説家ではない人たちは、自分の過去を振り返って何だか大きな流れの中にいたんだなあと感じても、それを言葉にする場はなかなかない。だから読むことで、自分の頭の中にあった漠然とした「人生」を整理できるように感じるんじゃないだろうか。■飛行機に乗ってアメリカに行けば■本当にゴーゴリが存在するんじゃないだろうか、そんな風に思えるほど鮮やかな人物描写。■読んだ人に聞きたいこと■この物語はゴーゴリの両親がアメリカで暮らし始める1968年から始まって2000年で終わるわけだけれど、9.11のあった2001年の直前であえて終わらせているように思えるのは……私だけ?ゴーゴリの住んでいるところはNYだし。お父さんの事故のこともね、あるわけだし。
2007.07.01
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