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野田市三ツ堀の江川地区を訪ねました。7月19日にコウノトリのエサ場環境整備が行われ、池や水路周辺の草刈りが行われたと野田市の鳥友から便りをもらいました。地区の保全に関係されている方々に感謝申し上げます。訪ねてみると、草刈りの効果は大きなものがあり、コウノトリヤマトとは再会はかなわなかったものの、アマサギ、チュウサギ、アオサギが畔、水路で餌探しをしている姿、サシバも鳴きながら飛翔し餌探しをしている姿や管理棟の軒下で誕生したツバメの若鳥が元気に飛び回り虫を捕食していました。また、全国的に減少していると言われているスズメ親子の姿を目撃し、親鳥が幼鳥にブユのような虫を与えている姿を観察できました。昔だったら、珍しくはない光景だったのに今や観察したことがない光景だと思います。珍鳥を期待する方には不向きですが、谷津田の生き物の姿を目撃できるのが、野田市三堀江川地区の魅力です。このほか、ホトトギスが鳴きながら何度も飛翔していました。なお、現地には自販機はなく、食べ物とあわせて、持参いただくことが必要です。(写真)2025年7月31日撮影
2025.07.31
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鳥友の住まいの近くに営巣したツミの様子を見に出かけました。(巣にハンガーが使用)巣の状態を確認すると、水色とピンク色のビニール被覆のハンガーが数本使われていることがわかりました。鳥友によると、巣はこれまでハシブトガラスが使ってきたものと教えてもらいました。平野(2000)が栃木県の市街地でハンガーを巣材に使用した件を報告しています。報告では「人工物を巣材に利用することは、ワシ・タカ類,特にハイタカ属では珍しいと思われるのでここに報告する」と述べ、1987年以降ツミの巣を約70巣観察しているが、巣材にハンガーなど人工物を利用した例は報告のつがいを除くと全くなかったと記しています。しかし、報告したツミのペアが営巣した林ではカラスの営巣はしていないこと、造巣初期ではハンガーの使用はないこと、周囲には樹木が少なく、人家の軒先から集めたものと考えられると述べています。(巣で雌が尾羽を広げる行動)タカ類が巣の中で尾羽を広げるのは、マントリング行動と呼ばれるものを観察したことがあります。翼と尾羽で食べ物全体を覆い隠し、給餌の際の競争相手の兄弟に餌を奪われないようする行動とされています。このほか、孵化した雛を直射日光から遮るために尾羽を広げて日陰を作っている光景を目撃したことがあります。ところが、今回の林のツミ雌の行動を見ていると、それらとは違い通気性をよくするためにしか思えないのです。(真夏の産卵・抱卵となるか)4月から5月に産卵・抱卵し、6月に雛の孵化、7月おわりに巣立ちを迎えます。果たして産卵・抱卵となるか、注目しています。なお、観察地については、非公開としていますのであしからず。(写真)2025年7月30日撮影(引用)平野敏明.2000.八ンガーを巣材に使用したツミ.Strix.第18巻.p137-139.日本野鳥の会.
2025.07.30
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印西市から柏市までの手賀沼その沿岸地域を探索して歩きました。2021年8月22日に沿岸の谷津田の一角で姿をはじめて観察したアカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)を今年も観察しました。電線に55羽が並んで止まっていたうち、1羽が亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)、2羽が亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)と亜種ツバメ(Hirundo rusutica gutturalis)の交雑と思われる個体でした。写真五枚目から七枚目がアカハラツバメで、胸から脇と下尾筒が赤褐色でした。写真八枚目は亜種ツバメの成鳥です。前記の個体と比べると違いがおわかりいただけるものと思います。写真九枚目から十枚目は、亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)と亜種ツバメ(Hirundo rusutica gutturalis)の交雑と思われる個体です。九枚目の個体は胸から下尾筒が茶色味があり、十枚目の個体は下尾筒のみ茶色味がありました。昨年は7月下旬から8月15日までの約2週間滞在していましたが、今シーズンはさて。(アカハラツバメ以外の鳥類)印西市と柏市の境界近くの水面にはコブハクチョウ52羽が羽をやすめ、水田ではダイサギ、チュウサギが餌探しに余念のない姿、ハシボソガラスが鉄塔に止まり水田内を昆虫類にねらいをさだめて待ち伏せしている姿がありました。(アカハラツバメはどこを渡っているのか)アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)は、渡りの時期や越冬期に見られる腹部が赤いツバメの亜種ですカムチャッカやオホーツク方面で繁殖すると聞いたことがあります。田中・三上(2017)は、北海道渡島半島の七飯町の休耕田で1990年から2014年までの間に行った標識調査の結果を整理し報告しています。報告の中で、腹部がオレンジがかった個体が混じっていたと報告が記されています。「腹部がオレンジがかったツバメは、大陸系の亜種 H. r. saturata または H. r. tytleriに似ていると報告しています。あわせて、ショウドウツバメとツバメが渡りで七飯町を通過していると述べています。手賀沼沿岸で観察している個体と比べると、腹部の赤味は薄い写真が掲載されているが、個体変異が大きいことによるものではないかと思われます。(引用)田中正彦・三上かつら.2017.標識データからみた北海道亀田郡七飯町の休耕田を通過する鳥類.鳥類標識誌.第29巻.p1-15.(写真)2025年7月29日撮影
2025.07.29
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昨日稲敷市浮島で観察したウズラシギ夏羽を復習しました。観察した光線の具合と角度によって羽衣の印象がかなり違って見えることがわかりました。一枚目と二枚目、三枚目は別個体ではと思えました。2010年以前は、10羽をこえるウズラシギを見かけたものですが、近年は成鳥の飛来が少ない印象があります。あわせて、頭部から胸の赤褐色が強い完全な雄夏羽を見かけることがなくなりました。(27日に観察したウズラシギの特徴)・一枚目が姿を見つけた時の写真です。頭に赤味があり、背に橙色、羽縁が擦り切れて黒くなっている部分がありました。・肩羽に灰褐色の冬羽は認められませんでした。(冬羽では上面が赤褐色味が弱いかほとんどないくらいの羽です)・二枚目、三枚目は一枚目の場所から近づいてくれた時の写真です。・胸の縦斑は腹部、脇腹まで続いていることがわかりました。(アメリカウズラシギでは腹以下は無斑で、胸と腹の境界は明瞭)・二枚目の写真でわかるように、足の色は黄緑色の見えました。・頭は赤褐色のキャップ状になっていることがわかりました。・三枚目の写真でわかるように、嘴は下に湾曲し、嘴基部は細い印象でした。(アメリカウズラシギは嘴基部が細い印象はありません)(幼鳥)四枚目の写真はウズラシギ幼鳥です。眉斑の白さが目立ちます。近似種のアメリカウズラシギの眉斑は褐色斑が入るのでその違いがポイントです。昨日は観察できませんでしたが、参考までにアップします。写真は2021年9月24日稲敷市で撮影
2025.07.28
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いよいよ、茨城県稲敷市浮島のシギ・チドリを探索するのに最適な時期が到来しました。霞ヶ浦に注ぎ込む新利根川脇から広がる蓮田を甘田干拓地近くを流れる野田奈川までの間を探索しました。蓮田エリアではコチドリ成鳥雄、同雌、コチドリ、トウネン成鳥夏羽前期型(上面が赤褐色、喉から胸が赤褐色)、トウネン夏羽から冬羽に換羽中の個体(上面に赤味が残っていました)、ヒバリシギ夏羽(頭上の赤褐色のキャップが目立ち、嘴が下方向に曲がっています。上面は暗色の太い軸斑と赤褐色の羽縁のコントラストが明瞭でした。また、後ろ姿では背と肩羽上列の境にV字模様が見えました)、ヒバリシギ冬羽に換羽中の個体(頭上のキャップは不明瞭)、ウズラシギ夏羽(背と翼の羽縁に赤褐色の羽があり、胸の縦斑は腹部、脇腹まで続いてます)の姿が複数観察できました。このほか、タカブシギ、イソシギの姿もあり、いよいよ、観察シーズンが始まりました。(写真)2025年7月27日撮影
2025.07.27
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鳥友から住まいの近くでヒヨドリ程度のサイズのタカの姿を目撃したとニュースをもらいました。現地に出向いてみると、スズメと思われる獲物を足にぶら下げて成鳥雄が帰還する姿を目撃。羽毛をむしりとり自ら食した後、止まっていた枝と反対側の林に移動していきました。その方向に木を見ていくと、カラスの古巣から扇子を広げているような尾と思われるものを発見しました。しばらく注視していると、巣の中には成鳥雌の姿。抱卵中なのか、すでに雛がいるのかは不明でしたが、7月下旬で抱卵または育雛となると近郊で産卵・抱卵したペアが何らかの事情でカラスの古巣を利用したものと思われました。なお、観察地については、非公開とします。あしからず。(写真)2025年7月26日撮影
2025.07.26
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東葛地区の住宅街でツミのジュニアが誕生し、20日、24日と観察してきました。その折、鳥友からツミの虹彩の色の変化、山野の鳥の成鳥と若鳥の虹彩の色などについて質問をもらいました。加齢による虹彩の色の変化は、識別の手がかりとなります。いくつかの種類について整理したものを提供します。(1)ツミの虹彩の色ツミの虹彩は、成鳥雄が暗赤色、成鳥雌が黄色、幼鳥は薄い黄色味がかった色、または水色または緑がかかった色に見えます。一枚目成鳥雄:2024年5月6日柏市内、二枚目成鳥雌:2024年7月20日三枚目幼鳥:2024年7月23日柏市内、四枚目ヒナ:2024年7月4日柏市内で撮影(2)ミヤコドリの虹彩の色澤(2016)が「虹彩は加齢とともに鮮やかな赤色になり幼鳥時は赤黒い」と記しています。五枚目:2022年7月29日船橋市、六枚目:2024年8月21日船橋市(3)アカゲラの虹彩の色松岡(1983)が「虹彩が茶色の個体は、赤茶色の個体に比べて齢が若いと推察できる」と記しています。七枚目:2025年5月22日長野県で撮影(4)ツバメの虹彩の色小林ほか(1992)は、「成鳥の虹彩は赤っぽい茶色(中略)幼鳥の虹彩は赤色味の乏しい暗灰褐色」と記しています。八枚目:2024年5月5日柏市、九枚目:2022年8月3日柏市内で撮影(5)ヒレンジャクの虹彩の色演尾(2010)が、成鳥は虹彩が明るく赤みを帯びる褐色、は個体の成長とともに灰色がかった暗い褐色から澄んだ明るい褐色に変化すると記しています。十枚目:2017年4月5日さいたま市で撮影(引用)松岡茂.1983.アガゲラの虹彩色の加齢変化について.第32巻4号p.139-143.日本鳥学会.小林繁樹・武下雅文・村本和之.1992.ツバメの集団ねぐらにおける成鳥幼烏比の季節変化.Strix.第11巻.p219-224.日本野鳥の会.演尾章二.2010.自然教育園におけるヒレンジャクの捕獲記録.自然教育園報告.第41号.p49 -54.澤 祐介2016.ヒレンジャク.Bird Research News Vol.13 No.12.p1-2.
2025.07.25
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東葛地区の住宅街の一角で誕生し、独立にむけてトレーニング中のツミを観察しに出かけました。20日に現地に立ち寄った際も林の中を自由自在に飛び回る姿を複数回目にしましたが、今日は最初林に姿がない状態でした。林の一角で待機していましたら、30分ほど経過した時、成鳥1羽、幼鳥2羽が鳴き声を上げて帰還する姿を目撃できました。親鳥と一緒に狩りのトレーニングに出かけていたようでした。林に帰還した幼鳥2羽の羽衣の観察していると、跗蹠まで羽毛に覆われて細い眉斑が見られ、胸の斑が太い個体と羽毛の覆われ方の少なく、眉斑が目立たず、胸の斑は小さく、腹から下尾筒にハート型の斑がある個体でした。これらで個体識別が可能な状態でした。また、大きさでは前者の幼鳥の方が大きい印象を受け、一番先に誕生した個体とそうでない個体の差ではないかと思われました。もう少し観察しようと思った矢先、突然雨が降り出したので現地を後にしました。(写真)2025年7月24日撮影
2025.07.24
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鳥友から一昨日、手賀沼沿岸でコムクドリを見かけたとニュースをもらいました。春先も渡りの途中に20羽前後が沼沿岸に立ち寄る姿が目撃されますが、昨シーズンから7月にも姿が観察されるようになっています。その羽衣の特徴を整理したものを提供します。(成鳥雌)一枚目の写真は、2025年4月に撮影した雌個体です。嘴は黒色、頭部と体下面はベージュ色(または灰褐色)、体上面は褐色、肩羽と中雨覆は褐色で足は黒色です。(成鳥雄)写真二枚目(2023年7月手賀沼沿岸)、三枚目(2013年7月都内)、四枚目(2025年4月手賀沼沿岸)は、成鳥雄個体です。頭部は白く、耳羽、頬、側頸は赤茶色で、中雨覆に白斑があります。雄個体の頬の茶色い羽毛は、個体によって違いがあり、1/4以下、1/3程度、1/2程度、3/4以上が茶色の羽毛に覆われていることが判明しています。(若鳥)写真五枚目から七枚目(2023年7月手賀沼沿岸)で観察した若鳥です。嘴は黒色で基部が肉色です。体下面にうっすら縦斑が見えました。(頬に笑窪のような斑がある個体がもてる?)栗色部分が少なく、頬に笑窪(えくぼ)のような班があるほうが、一夫二妻になるケースが多いと研究報告をあることを5月に紹介しましたが笑窪のような斑を持つ個体に出会えるか楽しみです。
2025.07.23
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吉川美南駅東口の水田地帯にサギ、チドリ類を探索しに出かけました。近郊の越谷市中島のサギのコロニーで子育て中の親鳥たちが餌を求めて水田に降り立ちます。特にダイサギは、タニシを多く摂取することが知られ、どじょう、アメリカザリガニも餌としています。ダイサギの餌のとり方に注目していると、小高い場所から水路を覗き込んで待伏せして採食する方法、稲穂の隙間から田んぼの中を覗き込み水面のタニシの動きを観察してとらえる方法、背の高さと首の長さを生かして上から覗き込みカエルの動きを凝視している光景と実にいろいろな光景を目にできました。ダイサギの動きを観察していたら、近くの水田の一角にコチドリが飛来。黄色のアイリングがあり、前頭部と胸に褐色味がある雌と思われる個体でした。駅まで帰路、電線にツバメが電線に横並びに止まっており、大半は若鳥でしたが、一羽は下面の一部と下尾筒が赤茶色の亜種アカハラツバメとツバメの交雑個体でした。千葉県では柏市、印西市で同様の交雑個体を目撃していますが、埼玉県でははじめて観察しました。このほか、電線にハクセキレイ雄夏羽が止まっている姿を見つけました。胸の黒色部は雌に比べて広く、上面は黒色ですが一部ふわっとした灰色の羽が出ていました。このあとは、吉川自慢のなまず料理をお目当てに吉川へ移動し、中落ちや、骨、頭、肝を包丁で叩き、味噌で味付けしたつみれを丸めて油で揚げた、たたき揚げと生ビールで大暑に負けなかった自分に乾杯して帰路につきました。(写真)2025年7月22日撮影
2025.07.22
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真夏の太陽がギラギラ照りつけ、気温35℃を超える酷暑となりました。そんな中でもコブハクチョウの群れ、生殖羽のカルガモ、越夏個体と思われるホシハジロが水面を移動し、畔ではチュウサギが餌探しに余念のない姿を堪能できました。複数の谷津田のうちの一箇所では木のてっぺんに止まりキィミーッと鳴き声をあげていたサシバ雌個体、道路上で日光浴をしているツバメの群れ、下面の一部と下尾筒が赤茶色の亜種アカハラツバメと亜種ツバメの交雑と思われる個体1羽の姿がありました。帰り道、立ち寄った遊歩道のお立ち台の脇にある木のてっぺんではホオジロが思い切り囀る姿が見つけました。(越夏と思われるホシハジロ)写真三枚目から五枚目が越夏と思われるホシハジロです。外観からは翼などのダメージは認められず、水面を移動していました。上面は波状斑があり、薄いグレーに見えました。胸と尾筒は灰褐色で、嘴には青灰色の帯がうっすら見えるものの全体的に黒く見えました。これらの特徴からエクリプス個体ではと思われました。(写真)2025年7月21日撮影
2025.07.21
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鳥友から東葛地区の住宅街の一角でツミのジュニアが誕生したので見に来ませんかと誘いをもらい、現地に出かけました。公園は、小さな森のような樹木が茂り、背が高い木々も多いエリアでした。到着して観察をはじめると幼鳥3羽、成鳥雄1羽の姿を目撃しました。幼鳥の胸はクリームがかった色で褐色の軸斑があり、上面は褐色味があり、腹の羽軸上にハート型の斑が連続しているのが印象的でした。このほか、虹彩は幼鳥の特徴である緑がかった黄色でした。成鳥雄が林の外で捕獲したムクドリと思われる獲物を渡すと3羽が集結し、次々と平らげていました。お腹がいっぱいになると、今度は松の幹に腰を下ろしウトウト。3羽のうち1羽は、獲物にありつけてご満悦の様子でした。公園ではまだセミの姿がほとんどなかったので、幼鳥たちが独力で捕獲す光景は観察できずでした。(写真)2025年7月20日撮影
2025.07.20
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アメリカウズラシギはシベリア北部や北アメリカ大陸の北部で繁殖し、南アメリカ大陸南部やオーストラリアで越冬するとされています。秋、繁殖地から越冬地向かう途中に立ち寄る個体を見かけることがあります。千葉県利根川沿いの水田地帯で1987年9月19日、1999年8月28日、30日稲敷市、1999年9月5日稲敷市、2001年8月12日河内町、2003年8月28日河内町、2011年7月23日河内町、2011年7月30日河内町、2023年10月6日稲敷市で姿を観察しています。幼鳥の記録が多いのですが、2011年7月23日に成鳥夏羽を観察しています。幼鳥と成鳥夏羽の特徴を整理してみました。(幼鳥)一枚目から四枚目の写真は2023年10月6日に稲敷市で観察した幼鳥です。胸は橙味があり細い縦斑がありました。縦斑は白い腹との境界がはっきりと区切られていました。頭上は赤褐色で肩羽の羽縁の白色が目立っていました。(成鳥夏羽)五枚目から六枚目の写真は、2011年7月23日に茨城県河内町古河林で観察した個体です。頭上は暗色で若鳥のように赤褐色ではなく、胸には縦斑があり、暗色で黒っぽく見え、嘴はやや下に曲がっているように見えました。これらのことから成鳥と思われました。
2025.07.19
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朝から青空が広がり、真夏の気温が戻ってきました。印旛沼に出かけたところ、上空をショウドウツバメが飛翔する姿を見つけました。浅い燕尾、胸にT字型の褐色帯が観察できましたが、姿を撮影するのはかなわず。(アップした写真は、2019年7月稲敷市で観察・撮影したもの)このほか、沿岸の電線やフェンスに止まり上を向き盛んに囀るホオジロ6個体以上、頭から上面にかけて灰色のいわゆる高原モズの姿を見つけたり、沼の水面上空をコアジサシ、クロハラアジサシが飛翔している姿、カルガモ、カワウと一緒に水面の工作物にとまり休憩していたアマサギの姿などを観察できました。また、モモイロペリカンがー君が漁師の皆さんと一緒に船で漁に出発する光景、漁から一足先に戻ってきた姿に遭遇できました。(写真)2025年7月18日撮影
2025.07.18
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台風5号、線状降水帯発生で雨降が続き、久しぶりに野外に出かけることができました。8日に商業施設の軒下で姿を見かけた下面の一部が赤茶色で亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)とツバメの交雑と思われる個体がどうしているかと立ち寄りました。ツバメは電線に横並びに並んでいた14羽、調整池の水を飲みに飛来していた4羽の計18羽の姿がありました。このうち、亜種アカハラツバメと亜種ツバメ交雑個体は2羽で、一羽は胸から脇腹がうっすら茶色になっていた個体、もう一羽は下尾筒が赤茶で胸のあたりにうっすら茶色になっている個体でした。手賀沼沿岸、野田市、そして柏の葉キャンパス駅近郊亜種アカハラツバメと亜種ツバメの交雑個体を見かけていますので、交雑個体はいろいろなところに飛来しているのではないかとも思えてきました。社団法人Tsubame Japan Webサイトツバメ-軒下から大空への中で神山和夫さんが「ツバメはルースコロニーと呼ばれるゆるやかな集まりで営巣しますが、このルース(ゆるい)さの程度が地域によりちがっているようです」と述べ、くわえて「アメリカ亜種(erythrogaster)とロシア亜種(tytleri)は営巣の習性が似ていて、どちらも納屋のような建造物や、橋の下、トンネル状の水路の壁などに密集して営巣することを好み、わりと巣の間隔が狭く(あいだに仕切りなしで1メートル以下の場合もある)、日本のように単独の巣を作ることは希だそうです」と興味深い報告しています。(アカハラツバメ交雑個体のほか)駅東口近郊の湿地は一昨日から昨日の大雨で増水した痕跡があり、アオサギ、ダイサギ、カルガモが羽をやすめているのみでした。駅西口の調整池沿岸では、2羽のツバメが遊歩道上に腹ばいとなり、日光浴をしている姿を見つけました。長時間の飛行の合間の束の間の休息という感じでした。このほかハクセキレイ成鳥と若鳥が餌探しをしている姿を目撃しました。(都市部のチョウゲンボウの近況)帰り道は、柏の葉キャンパス駅近郊から移動し、都市部のチョウゲンボウの様子を見に立ち寄りました。今年誕生した幼鳥の末っ子と思われる個体がが換気口から顔を出していました。すっかり成長した凛々しい表情が素敵でした。(写真)2025年7月17日撮影
2025.07.17
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探鳥会リーダーがクサシギの白斑は小さく散在しているため上面が暗めに見え、タカブシギは羽縁の白斑が大きいので違いがありますと説明しているのを聞いたことがあります。ところが、7月下旬頃から8月に見かけるタカブシギの場合、羽の摩耗が進み上面の白斑も擦れて小さくなり、上面も褐色味があり暗めに見えます。このため、クサシギとの識別がむずかしいと言われます。一枚目、二枚目の写真の個体は、上面が茶褐色で白斑が擦れて小さくなっています。ただし、同じ7月でも三枚目の写真のような顔から胸の縦斑が目立つ夏羽個体を見かけることがあります。限られた期間での観察で、羽衣の変化もろいろいろなので迷うことが多い種類です。先日も紹介したように、タカブシギは、眉斑がぼやけ気味で目の後方まで続き、足が橙色であること、嘴がクサシギのように細めの見えないこと、尾羽に5本程度の横帯があることを確認するこが大切です。(写真)1枚目:2021年7月31日稲敷市、2枚目:2018年8月19日稲敷市、3枚目:2022年7月24日稲敷市、4枚目:2019年8月24日稲敷市、5枚目:クサシギ、2019年9月9日撮影(再録:7/9に紹介したタカブシギとクサシギの見かけるポイント)(1)まず眉斑に注目クサシギの眉斑は、目のところで止まっています。これに対して、タカブシギ夏羽では眉斑がぼやけ気味で目の後方まで続いています。(2)上面の色と斑の具合を注目最も出会う確率の高いクサシギ若鳥の上面は暗褐色で小さな不定形の斑が散らばり、成鳥冬羽のように整然とした斑模様には見えません。(3)尾羽に着目クサシギと近似種タカブシギ、イソシギは尾羽の模様に違いがあります。クサシギの尾羽は2から3本の横帯ですが、タカブシギは5から6本、イソシギは尾羽の外縁だけ白いのが特徴です。
2025.07.16
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12日に稲敷市にアマサギの姿を観察しに出かけました。リポートをご覧になった方からアマサギを観察しやすい環境などに関して質問をもらいました。(アマサギとその餌)藤岡(2013)が、「もっぽら水田で餌をとるのがチュウサギとアマサギ」と述べているように、まず水田地帯を選んで出向くのがポイントになります。アマサギの行動が速歩きすることから稲が密植えとなっていない場所かつ餌となるカエルや昆虫類の姿があるかを把握することがポイントと考えています。(アマサギとチュウサギの行動の違い)2つ目のポイントは、繁殖期のアマサギは田んぼを早歩きしてカエル、昆虫を採餌するのに対してチュウサギはゆったりとした歩き方で餌を探します。稲が密植えとなっている田んぼはアマサギが好まない印象があります。(繁殖後の分散、渡り)藤岡(2006)が報告しいるように、コロニーで繁殖したアマサギは、フィリピン、台湾に渡ることや九州南部、南西諸島に移動し越冬することが知られています。また、分散は8月頃からはじまり、数十羽の単位で移動するとの報告があります。稲敷市で見かけたアマサギもそうした移動の途中だと思われます。(引用)藤岡正博.2006.アマサギ Bird Research News Vol.3 No.4.p4-5藤岡正博.2013.フィールドワーカーが語る野生生物 サギ類.かながわ野生生物リハビリテーター養成フォローアップ講座資料.pp9.(写真)1枚目:2018年6月16日柏市、2枚目:2020年6月21日土浦市で撮影
2025.07.15
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鳥友からカイツブリの尾羽の有無について質問をもらいました。都内の公園でカイツブリを観察した折、尾羽がわかなかったとの内容でした。いくつかの文献を調べてみたので情報提供します。風間(2018)は、日本産鳥類308種、外国産鳥類201種を対象として尾羽の枚数を調査をした結果を報告しています。(日本産鳥類の尾羽の枚数)風間(2018)は、12枚が一番多く147種、順に10枚(15種)、18枚(14種)、16枚(11種)、14枚(8種)、20枚(2種)、22枚(2種)、8枚(1種)、34枚(1種)と報告しています。(カイツブリの尾羽について)風間(2018)は、カイツブリ科の尾羽について「尾羽と他の体羽との違いが明確に判断できず、その扱いが困難である」と述べています。また、吉井(1988)が「尾羽は退化している」と指摘している点、黒田(1980)が「尾羽は短い綿羽からなり、上尾筒との区別が困難」と記していることをとりあげています。さらに、鳥類標識マニュアル(改訂第11版)(山階鳥類研究所鳥類標識センター 2009)にはカイツブリ目の尾羽の枚数は0と記述している」と記しています。このほか、叶内(2011)は、「ほとんどない」とし、桐原(2000)は、「尾は非常に短い」と記しています。(尾羽が退化しているならばどうやってブレーキをかけるのか)尾羽は、飛行中の安定を保つ、ブレーキをかける働きをしていると言われています。斎藤(2024)がカイツブリについて「高速飛行に適した尖翼で中腕の翼を羽ばたかせて長距離飛行ができる」、「北海道のカイツブリの一部は冬期本州へ南下するが、最近実際に津軽海峡上空を夜間飛行する姿が撮影された」と報告していますが、果たして降り立つときにどうやってブレーキをかけているのかと気になりました。(引用)桐原政志.2000.日本の鳥550水辺の鳥.p22.文一総合出版.叶内拓哉.2011.山渓ハンディ図鑑 日本の野鳥.p22.山と渓谷社.風間辰夫・土田崇重.2018.日本産鳥類308種と外国産鳥類201種の尾羽の枚数について.鳥類標識誌.第30巻.p80-116.斎藤安行.2024.華麗なる野鳥飛翔図鑑.p53.文一総合出版.(写真)1枚目:2023年6月13日都内、2枚目:同左、3枚目:2025年5月9日都内、4枚目:2024年7月22日柏市、5枚目:2016年8月13日都内、6枚目:2014年6月30日都内1枚目から3枚目の写真では短い尾羽が存在していることがわかります。4枚目の雛の写真では成鳥よりも長い尾羽が存在してるのがわかります。5枚目、6枚目の写真では、尾羽の存在がわかりません。
2025.07.14
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6月16日にオフィス近くでコチドリ成鳥ペアの雛(以下幼羽)4羽が孵化しました。19日以降はカラスに襲撃されたのか2羽が見えなくなりましたが、幼鳥は2羽、成鳥雌雄各1羽の4羽が7月13日現在畑地で過ごしています。(アイリングがはっきり)27日齢となり、幼鳥の羽衣に変化が見られます。23日齢からアイリングの黄色が目立つように変化しはじめていましたか、27日齢の今日は成鳥並の立派なアイリングとなっていました。あわせて、幼鳥2羽の羽衣にも違いで出ています。1羽の羽縁がバフ色で翼が鱗模様のように見えますが、もう一羽のほうは褐色と黒色が入り混じった模様が見られます。(尾羽が立派に)21日齢を迎えた7月7日頃から尾羽が成鳥並の形状となりはじめています。尾羽は安定した飛行や方向を変える、ブレーキをかける際にも重要ですから、独立するのにはその発育は重要です。(幼鳥自身の判断で日陰で休憩)21日齢以降は、日中のほとんどを親鳥とは別に畑地を活発に移動する姿が見られるようになっています。それでも、親鳥がピピッと鳴き声を出して招集していました。ところが27日齢の今日は、幼鳥2羽で日陰を探し、自分たちの判断で座り込み休息をとっていました。(独立はさていつ頃)羽衣は成鳥並となりつつありますが、親鳥に促されて畑地を飛翔する姿が複数回見られますが、独立できる能力には達していない模様です。また、成鳥は甲虫類の幼虫を捕食する姿をよく見かけますが、幼鳥2羽はまだサイズの大きなものを捕食する能力が不十分のようです。成長が著しい幼鳥ですが、独立には至らない模様です。(写真)一枚目、三枚目、四枚目、五枚目は2025年7月13日撮影、それ以外は7月12日撮影
2025.07.13
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近頃、手賀沼沿岸の水田でアマサギの姿を観察する機会がないので、水田の中で餌探しをしているその姿を観察しようと茨城県稲敷市の水田、蓮田一帯を探索しました。稲敷市内の水田ではアマサギの餌であるカエル、バッタの数が豊富なのであちこちで餌探しをしている姿を目撃できました。その近郊ではダイサギ、チュウサギ、コサギの姿もあり、サイズの違い、嘴、眼先の色などを観察。その後、蓮田エリアに移動するとコチドリが鳴きながら移動し、セイタカシギが餌探しに余念のない姿、電柱や堤防にはホオジロ成鳥雌雄の姿を見つけました。さらに、甘田干拓地に移動するとコジュリンがあちこちでチュピィチュリチッと囀っていました。気温25度前後と快適な気温で酷暑とは無縁の快適な条件下で楽しい時間を過ごしました。(写真)2025年7月12日撮影
2025.07.12
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昨日7月10日手賀沼沿岸、6月29日柏の葉キャンパス駅近郊で亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)と亜種ツバメ(Hirundo rustica gutturalis)の交雑と思われる個体を観察しました。2021年8月に手賀沼沿岸ではじめて亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)を観察して以来、沿岸では昨シーズンまで4年連続で観察しています。永井(2014)が報告しているように、下面の赤味の濃淡は個体によって様々です。(1)下面の赤味が濃く、下尾筒にも赤味のある個体1枚目の写真は、2021年8月22日に手賀沼沿岸で観察した個体です。2枚目の写真は亜種ツバメですが、この個体と比べると下面の色の違いとアカハラツバメの胸の黒帯が太いのがわかります。3枚目の写真は、2022年8月11日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。1枚目の個体と比べると尾が短く先端に丸みがある印象があり、雌個体ではと思われました。(2)下面の一部が白っぽさがある個体4枚目の写真は、2023年8月8日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。1枚目の個体と比べると、下面に赤味がありますが、一部に白っぽさがあります。(3)下面が換羽中の個体5枚目の写真は、2024年7月29日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。下面の羽根が換羽している最中でした。6枚目の個体は、2024年8月4日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。同じ電線に止まっていたことや胸の黒帯の幅が同様だったなどから5枚目の個体の羽根が整ったものではないかと考えています。(4)亜種アカハラツバメと亜種ツバメの交雑個体7枚目の個体は、2025年6月29日柏の葉キャンパス駅近郊で観察した個体です。脇腹は赤錆色ですが、下面は白い部分が多い個体でした。8枚目の個体は、2025年7月10日手賀沼沿岸で観察した個体です。下面は白い地に赤茶の色がほんのりで、下尾筒が赤茶色でした。(引用)永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑670.p100.文一総合出版.
2025.07.11
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朝から猛烈な夏の光が注ぎ、木陰で観察できる手賀沼沿岸を訪ねました。一ヶ所目の谷津田ではサシバ若鳥が単独で田んぼの縁で餌探しをしている姿、隣接する水田ではダイサギが長い首を伸ばして餌探し、林のてっぺんにはトビの姿がありとそれぞれが谷津田を頼りにして集まってきました。また、小道の脇の草地で子育てをしているセグロセキレイ成鳥が幼鳥たちの行動圏をサポートする姿を見つけました。その後、二ヶ所目の谷津田に移動すると、木のてっぺんのサシバ成鳥雄が周囲を見張っている姿を見つけたと思ったら、近くの上空を成鳥と幼鳥と思われる個体が上空を旋回。巣立った幼鳥が親鳥から飛行術を会得しているような様子でした。このほか、下面の一部と下尾筒が赤茶色の亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)とツバメの交雑と思われる個体が電線に止まっているのを見つけました。(写真)2025年7月10日撮影
2025.07.10
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柏市北部の柏の葉キャンパス駅近くの調整池では例年7月半ばにクサシギが飛来します。羽の摩耗が進行し近似種タカブシギ夏羽の白斑も擦れて小さく見え、クサシギとの識別を白斑の大きさだけで行うには困難です。まずどこに注目したらよいかと質問をもらうことがあります。いくつかのポイントを紹介します。(1)まず眉斑に注目クサシギの眉斑は、目のところで止まっています。これに対して、タカブシギ夏羽では眉斑がぼやけ気味で目の後方まで続いています。(2)上面の色と斑の具合を注目最も出会う確率の高いクサシギ若鳥の上面は暗褐色で小さな不定形の斑が散らばり、成鳥冬羽のように整然とした斑模様には見えません。(3)尾羽に着目クサシギと近似種タカブシギ、イソシギは尾羽の模様に違いがあります。クサシギの尾羽は2から3本の横帯ですが、タカブシギは5から6本、イソシギは尾羽の外縁だけ白いのが特徴です。三枚目の写真は、2021年8月18日に観察した個体です。尾羽に3本の横帯があります。(夏羽と冬羽)1枚目の写真は、夏羽です。顔から胸にかけて縦斑が目立ちます。光線によって上面が明るい褐色に見えたり、黒っぽく見えたりします。いずれも眉斑は目のところで止まり、上面に白斑があります。2枚目の写真は、1枚目の個体と比べると顔から胸にかけての縦斑がなく、胸以外は無斑で白色のため若鳥のような印象がありますが、上面に小さな白斑が点在しており、冬鳥の羽衣と思われます。(近似種タカブシギとクサシギ)四枚目と五枚目の写真は、タカブシギです。クサシギもタカブシギも見かける環境も同じようなところで、止まっている時に尾を上下に降る動作も2種とも見られます。大きさはクサシギが最も大きく全長21-24cm、タカブシギの全長は19-21cmと一緒に姿を観察できればサイズの大きさは参考になりますが、そうでなければ識別の参考にはなりません。眉斑、尾羽などのポイントがどうなっている確認する必要があります。(写真)クサシギ、一枚目:2020年8月15日柏市内、二枚目:2018年9月12日柏市内、三枚目:2021年8月18日柏市内タカブシギ、四枚目:2020年8月29日茨城県稲敷市、五枚目:2020年9月14日茨城県稲敷市
2025.07.09
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柏の葉キャンパス駅近郊の調整池と周辺を探索しました。国道16号の東側にある調整池で複数のコチドリが鳴きながら移動している姿を発見。雄と思われる個体がピッピッと鳴きながら羽毛を膨らませて鳴きながら雌にアピールしている場面、ペアが成立し隣接している土砂集積地に移動していくペアなどを観察しました。その後、国道16号線西側の調整池に移動して観察をはじめるとバンの興味深い動きに立ち会えました。1羽のバンが嘴を開いて熱を発散させながら抱卵しているところに後方からペアの相手が接近。てっきり抱卵り交代かと思ったら、大違い。抱卵個体が下尾筒両側の白色部を上方向にピッと上げてF1のピットストップの際のロリポップのように合図。次の瞬間抱卵個体の左側から後方から入ってきた個体が巣に滑り込み、巣の奥に座り込みました。2羽で約20分ほど巣に座り込んでいました。卵を壊さず、巣に座って休憩をとっていたのでした。はじめて見る行動でした。近くの商業施設の巣で誕生したツバメ若鳥9羽が軒下で羽を休めていました。9羽の幼鳥のうち1羽は、下面の一部が赤茶色で亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)とツバメの交雑個体と思われる個体でした。このほか、巣のある草の上に止まり鳴かずに周囲を見渡していたオオヨシキリ、全体的に緑色味が濃い亜種カワラヒワの風切の黄色帯の幅が冬期の亜種オオカワラヒワに比べて狭い点を観察できました。(写真)2025年7月8日撮影
2025.07.08
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鳥友から教えてもらった上州自慢の遊水地にヨシゴイを観察に出かけました。関東屈指の気温の高さで知られる遊水地のある町の気温36℃、湿度70%前後。ヨシゴイのウオーウォーと鳴き声とあちこちで蓮やカヤツリクサの上を飛翔する姿を観察。頭上が黒っぽく、前頚から胸にかけて黒い縦斑が数本あり、目先がピンク色の成鳥雄の婚姻色個体、後頭部のみ青黒い雌個体を複数観察できました。このほか、遊水地では、餌探しに余念のないバン、幼鳥4羽を連れたオオバン成鳥の姿、葦原で囀っているはずのオオヨシキリがフェンスに止まり行々子と鳴いていたのを観察しました。このほか近くの水田でチュウサギ、アオサギ、電柱の上にカワウが大きく口を開けて熱を発散している姿などを目にしました。小一時間ほど探索していると汗だくの状態となり、現地を退散しました。(写真)2025年7月7日撮影
2025.07.07
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6月16日にオフィス近くでコチドリ成鳥ペアの雛(以下幼羽)4羽が孵化しました。19日以降はカラスに襲撃されたのか2羽が見えなくなりましたが、幼鳥は2羽、成鳥雌雄各1羽の4羽が7月6日現在畑地で過ごしています。コチドリの親子、畑地のオーナー、周囲の住民の皆さんに感謝。(コチドリ幼鳥の羽衣)1日齢:コチドリ成鳥の跗蹠は約25cm程度と聞いていますが、雛も同程度の印象がありました。長い跗蹠の上にボディが乗っているといった印象でした。目の周りに白いアイリングが見えており、外胸に黒襟が見えました。上面は少し羽毛が存在するエリアがあるという印象でした。4日齢:幼鳥単独で畑地を不安定ながら移動する姿が観察されました。成鳥が里芋の葉の日陰に来るように呼び、駆け寄ってきていました。上面の羽毛は1日齢と比べると、増えてきました。側胸の黒襟もよりはっきり、尾羽が少し発達したのがわかりました。5日齢:2羽の幼鳥には生育に差があり、一羽は細身、もう一羽は丸っこい体形です。6枚目は細身の個体(上面の羽毛は成鳥並み、側胸の黒襟は大きく細い過眼線がわかりました。7枚目は丸っこい体形(上面の羽毛は綿状で、頭上の羽毛は僅か)です。6日齢:8枚目の写真は、幼鳥のうち細身の個体です。動きが活発で広範囲を移動していました。15日齢:9枚目から11枚目の写真は幼鳥のうち、まるっこい個体の姿です。6日齢以降その姿が記録できずいきなり15日齢の記録となりました。正面から見ると額周辺からアイリングにかけて白いのが印象的です。後方から見ると、上面の羽毛が増えたこと、尾羽が発育しているのがわかりました。18日齢:12枚目の写真は、まるっこい個体の正面の姿です。下嘴が少し赤くなってきました。(成鳥の行動の変化)里芋の日陰で成鳥がピピピと鳴いて幼鳥を呼び寄せて一緒に休むようになったのは18日齢、20日齢になると幼鳥の行動範囲が広く、成鳥は畑地の中の小高いブロックの上で幼鳥たちの行動を観察、21日齢を迎えた今朝は熱波をさけるために里芋の日陰に入った幼鳥たちを畑地のど真ん中の杭に止まり鳴き声を出して招集する成鳥の姿を観察しました。
2025.07.06
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1990年代と2010年代にほぼ同じルートで行なわれた全国鳥類繁殖分布調査で、農地・住宅地などの森林でない低標高の場所で、ホトトギスの分布が拡がっていたとバードリサーチ(2023)が報告しています。考えられる原因として、「ホトトギスが托卵するウグイスの分布の変化があげられます。(中略)森林率が50%以下の調査地では、ウグイスの個体数が増加している場所が多かったのに対して、50%より高い場所では減少している場所が多い」と述べています。千葉県全体の森林率は28.8%、柏市の森林率は約10%と言われています。日本の森林率67%と比べると、著しく低いレベルにあります。ホトトギスの動向を大づかみに把握するために観察件数の推移を整理してみました。(ホトトギスの記録に変化)我孫子野鳥を守る会(2025)の観察記録によると、1手賀沼とその周辺地域では、1995年以降の月別のホトトギスの観察件数は次の通りです。(下記の総観察件数とは5から7月にかけて観察した件数の合計)1995年から2003年の間では5月、6月に単発の観察記録だったものが、2005年以降で飛躍的に観察件数が増加し、2022年以降再び減少傾向がみられます。(手賀沼沿岸の変化)2001年に開発総面積約49haの宅地造成があり、谷が住宅地となりました。このため、雑木林が消失し、開けた藪の状態となり、一時的にウグイスの繁殖可能な環境となり、個体数に影響を与えた可能性があります。2005年から2008年の間で観察件数が増え、宅地造成が進行したことで藪が減少しウグイスの生息場所が減り、ホトトギスの托卵にも影響を与えた可能性が考えられます。(手賀沼とその周辺地域でのホトトギスの観察件数)1995/6/(1)1998/6(3)、1998/07(1)1999/5(1)、1999/6(1)2001/5(2)、2001/6(2)、2002/5(4)、2002/6(1)2003/5(1)2005/5(12)、2005/6(42)、2005/7(8) 総観察件数62件2006/5(16)、2006/6(43)、2006/7(13) 総観察件数72件2007/5(9)、2007/6(49) 総観察件数58件2008/5(18)、2008/6(34) 総観察件数52件2009/5(2)、2009/6(28)、2009/7(1) 総観察件数31件2010/5(3)、2010/6(2) 総観察件数5件2020/5(7)、2020/6(30)、2020/7(2) 総観察件数39件2021/5(6)、2021/6(17)、2021/7(7) 総観察件数30件2022/5(6)、2022/6(16)、2022/7(3) 総観察件数25件2023/5(3)、2023/6(5)、2023/7(3) 総観察件数11件2024/5(12)、2024/6(21)、2024/7(3)、2024/8(1)総観察件数36件(引用)我孫子野鳥を守る会.2025.会報ほーほーどり.1974年11-12月no1-2025年7-8月no305.植田睦之.2023.日本の森の鳥の変化:ホトトギス.https://db3.bird-research.jp/news/202304-no2/(写真)2枚目とも2023年10月千葉県松戸市で撮影観察した個体は、目の色が暗色で頭から上面が一様に黒く、頭部から上面が黒灰色で淡色の羽縁がありました。下尾筒はバフ色で横斑は見えず、ツツドリの下尾筒がバフ色で横斑が見えるのとは相違しており、ホトトギスと思われました。
2025.07.05
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繁殖期もそろそろ後半のステージに入り、吉川美南駅西口と東口の調整池で子育てしている鳥たちの様子に注目した探索をしました。西口中央公園前の調整池からスタートすると、草地からキジの鳴き声がしたので待機していたら小さな水路をキジ雄が威風堂々登場。その後にはカルガモ幼鳥10羽と成鳥が出現となりました。幼鳥の顔には黒線がありますが、成鳥と比べるとぼやっとした模様で上面の色も黒っぽさがありました。このほか、浅瀬ができているエリアでは、コチドリ成鳥雌雄各1羽が餌探しに余念のない姿、カワセミ2羽が鳴きながら飛翔し、成鳥雄が葦に降り立ち姿を披露。くわえて、隣接するグランド脇のネットの上にモズが止まりキィッキィッと鳴きながら地面の昆虫の動きを注視している姿を観察できました。その後は、東口の第一調整池に移動し、水田地帯の鳥たちを探索。電柱に止まり、行々子と鳴き声を出しているオオヨシキリ、電線に止まってコロコロと鳴き声を出していたカワラヒワ、畔で羽づくろいをしていたアオサギ、チュウサギの姿、水田からダイナミックに飛び立ったダイサギの姿などを楽しみました。(写真)2025年7月4日撮影(メモ)観察したカルガモの幼鳥は、氏原(2015)が孵化後約38日と寿ししている個体と近似していました。(参照)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p93.誠文堂新光社.
2025.07.04
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6月16日に柏市の畑地でコチドリが誕生し、以降その成長ぶりの観察を続けています。誕生してから17日目となりました。気温の高さにくわえて、湿度も高くコチドリ親子にとっては過酷な条件です。しかし、畑地には里芋の葉が日陰をつくっていて日中の気温が高い時間帯は成鳥と共にヒナたちは日陰にいて、幼鳥のみ地面に座り込んで休む姿が見られます。幼鳥(6/27まではヒナしていましたが今回より幼鳥とします)とは見るたびに成長しているのを実感します。孵化直後に最初に生えた幼羽は、体表面の羽区と呼ばれる特定のスペースに生えるのをこの目で観察できました。)。三枚目の写真(6月21日撮影)で幼羽が生えているスペースがおわかりいただけると思います。17日齢では、体が大きくなり、下嘴根元の赤っぽい部分がわかるようになりました。(黒いくちばしの下基部は肉色から朱色まで様々です。6枚目の成鳥の下嘴も赤く見えています)活動範囲はさらに拡大し、成鳥がピピッと鳴き声を出して招集してもなかなか登場しないことが多くなってきました。21日齢で独立生活に入ると研究者が報告していますから、行動を観察できるのも僅か。(写真)2025年7月3日撮影###先日、張(2000)が報告しているコチドリの日齢と各器官のサイズを再録します。観察したサイズは、12日齢とほぼ同じとすると、成鳥比で体重は73%、嘴峰73%、跗蹠89%、尾長39%、翼長38%ということになります。文献では、16日齢で活動範囲が拡大とありますが、今日の様子はまさにそのレベルに達しているような印象です。21日齢で独立生活に入ると言われていますので、観察できるのもあと僅か。(コチドリの日齢とサイズ)1日齢では体重7.4g、体長42mm、嘴峰7.1mm、跗蹠18mm、尾長5.2mm、翼長19mm、2日齢では体重9.8g、体長70mm、嘴峰8.9mm、跗蹠22mm、尾長10mm、翼長20mm、5日齢では体重13.2g、体長82mm、嘴峰9.2mm、跗蹠23mm、尾長16mm、翼長37mm12日齢では体重22g、体長100mm、嘴峰9.5mm、跗蹠25mm、尾長25mm、翼長45mm16日齢では体重27g、体長126mm、嘴峰10mm、跗蹠26mm、尾長31mm、翼長76mm21日齢では体重30g、体長130mm、嘴峰12mm、跗蹠27mm、尾長40mm、翼長90mm成鳥は体重30g、体長172mm、嘴峰13mm、跗蹠28mm、尾長63mm、翼長118mm(*)嘴峰(しほう):嘴の先端から基部、跗蹠(ふせき):鳥の脚のまん中にある後ろ向きの関節から趾が分かれる場所の関節までをつなぐ跗蹠骨の長さ、尾長(一番長い羽の先端)、翼長(たたまれた翼の全長)(引用)張青霞ほか.2000.コチドリの繁殖習性.動物学雑誌.第35巻.第5号.p1-2.
2025.07.03
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印旛沼にアジサシ類やヨシゴイを観察しに印旛沼に出かけました。曇りでありながら気温33℃、湿度70%前後の条件下での観察となりました。お目当てのアジサシ類は、コアジサシ13羽、クロハラアジサシ15羽が飛翔し、時折ダイビングをして魚を捕食する姿を目撃しました。時折、水面の杭に止まり休憩をした時にじっくり姿を観察するのが精一杯。頭上が黒く、頬から後頚が白く、嘴と足が赤い成鳥夏羽が主体ですが、肩羽に褐色の斑がある幼羽から換羽中の個体も1羽見つけました。しかし、距離が遠いので証拠写真の域を出ませんが、アップしました。また、ヨシゴイが何度も葦原の上を飛翔し降り立ちますが、こちらも距離があるので同様に雰囲気だけお伝えできる画像です。このほか、電柱の上にとまり沼の水面を凝視し魚を見つけると急降下を繰り返していたトビ、葦の上に止まり外敵の接近を見張っていたオオヨシキリ、電線に止まり春先と同様に精一杯囀っていたホオジロ雄の姿を観察しました。(写真)2025年7月2日撮影
2025.07.02
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大相模調整池で先月29日にヨシゴイを目撃したと鳥友から知らせをもらい出かけました。2014年までは見田方遺跡に隣接する調節池内に自生していた古代蓮に複数のヨシゴイが飛来し魚を捕食する姿が観察されていました。しかし、行政による除去作業が行われ、群生地は姿を消しました。このため、2015年以降は北側の葦原に単独で飛来することがある程度となっています。JR武蔵野線越谷レイクタウン駅で下車し、徒歩4分程度で調整池南側の岸辺に到着します。ここから北西部の北池にあるビオトープ周辺が湖畔林があり、オオヨシキリ、カルガモ、カワウ、そして近年は単独でヨシゴイと出会える可能性のあるエリアです。今日は、駅から池までの道すがら、上空をチョウゲンボウがホバリングし、ツバメが複数飛翔する姿を目撃しました。池の遊歩道を進むとカルガモ幼鳥12羽の姿、複数のオオヨシキリ、スズメ若鳥が地面で餌探しに余念がありませんでした。残念ながらヨシゴイとは出会えず、次回のお楽しみとなりました。帰りに、イオンレイクタウン内のふわふわかき氷を堪能し、クールダウンしてから家路につきました。(カルガモの羽衣)一枚目から六枚目の写真は、カルガモの写真です。幼羽は胸から腹にかけて細かい斑が縦斑になって連なっているのが特徴です。また、上面は焦げ茶色で、脇の羽に丸みがあるなども成鳥との識別で有効です。三枚目、四枚目の写真は、幼羽と比べると一回り以上体が大きく、全体的に明るい色となっている幼羽から第一回生殖羽に換羽した個体を記録しました。(写真)2025年7月1日撮影(六枚目のカルガモは都内で2017年6月に撮影、ヨシゴイは2014年6月に撮影のもの)
2025.07.01
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