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朝から北西の5m前後の風が吹き抜けていて昼前でも体感温度は5℃前後(気温10℃)のため、寒さを避けて観察可能な松戸市千駄堀の自然観察舎に直行しました。暖房がきいた施設から千駄堀池の鳥たちとの出会いを楽しむことができました。#千駄堀のカモオールスターズ頭部の褐色、体の灰色がシックなオカヨシガモ、光沢のある緑色が素敵なマガモ雄、胸から腹にかけての斑が大きめな雌、チョコレート色で長い首が特徴のオナガガモ、葦原の中で羽をやすめるコガモ、水面を移動するオオバンを目撃しました。到着当初は、カモ類は背中の羽毛に嘴を入れて保温効果を高めているようでした。#千駄堀の冬鳥自然観察舎からは斜面林の木に止まっていたノスリの姿、眼下の池にカワセミ、草の上にホオジロが降り立ち姿を披露してくれました。その後、公園内を探索。厳寒の中でもバシャバシャと水浴びをしているハシブトガラス、水浴びはせず芝生の上を移動し餌探しをしていたハシボソガラスを観察しました。さらに、複数のペアが地面を移動し餌探しをしていたハクセキレイ、同じ場所にかつて河川の中流域に生息していたセグロセキレイの姿があったり、頭が青灰色のシロハラ雄、大雨覆先端がバフ白色で頭が青灰色がかっていたシロハラ第一回冬羽と出会うことができました。(写真)2025年1月31日撮影(シロハラ第一回冬羽のみ2020年12月23日撮影)
2025.01.31
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松戸駅から一番近い江戸川沿いに川の一里塚があります。葦原、アワダチソウが群生しているエリアは、冬鳥たちと出会えるのでお気に入りのところです。現地に到着した10時すぎは、小鳥たちの動きはないのでひたすら陽だまりで待機。その近くのセイタカアワダチソウ、イノコズチなどがあるエリア周辺に注目。もう少しでお昼という頃、ようやく水路沿いの藪の中からピッポとベニマシコの鳴き声が聞こえ、成鳥雄1羽、第一回冬羽1羽が登場。雄の撮影はかないませんでしたが、第一回冬羽の背、胸から腹にかけての黒い縦斑、翼帯のバフ色を観察できました。このほか、眼先が広く黒いアオジ雄成鳥、頭が緑がかったアオジ雌、待機している私の周囲に何度も様子を見に来たジョウビタキ雌を目撃できました。(写真)2025年1月30日撮影
2025.01.30
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ハシビロガモは、氏原巨雄・氏原道昭(2015)が報告しているように「水面に平たく幅広い嘴を浸して進み、取り込んだ水からプランクトンを漉し取る。群れで円を描くように泳ぎ、渦をつくってプランクトンを集める採餌法をよく行う」カモ科の鳥類です。ところが、1月22日吉川美南でハシビロガモが嘴を水中に突っ込み獲物を食べているような光景を目撃しました。今までは小さなサイズの水生生物を摂っていると理解していたのですが、眼の前の光景はそれとは違いがありました。その後、ハシビロガモの食性などを文献で調べてみました。その結果、嶋田(1992)が、千葉県市川市行徳鳥獣保護区でハシビロガモによる小魚の捕食を観察したことを報告しています。その内容では「水面付近を泳ぐ小魚の群れの動きにあわせて、首を水面と平行にのばしながら移動した。さらに川岸へ近づくと、激しく移動しながら首を非常にすばやく動かして1匹1匹つまむように捕まえた」と述べています。また、松原(1996)は、過去にハシビロガモの胃内容物から小型の魚が検出された事例があるとし、かなり大型のサイズの生物まで採餌できる可能性があると指摘しています。そして、常にハシビロガモが動物プランクトンなどの微小な甲殻類を主な餌としているのではないと述べています。さらに、「多くのカモ類が主に利用している水生生物を餌として利用できる能力も維持している。嘴のろ過機構を発達させたハシビロガモはフラミンゴのようにその食性を特殊化したのではなく、むしろ利用可能な餌の幅を広げたと理解するべき」と報告しています。(引用)嶋田哲郎.1992.ハシビロガモAnascjypeatαによる小魚の捕食.Strixl第11巻.p343-344.日本野鳥の会.松原健二.1996.ハシビロガモの嘴の形態と食性および生息地選択性との関係.我孫子市鳥の博物館調査研究報告第5巻.p52-54.氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p103.誠文堂新光社.(写真)一枚目:2025年1月22日吉川市吉川美南で撮影二枚目:2024年10月29日吉川市吉川第一調整池で撮影三枚目:2024年9月26日成田市坂田ケ池で撮影四枚目:2019年12月28日成田市坂田ケ池で撮影
2025.01.29
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昨日、都内水元公園でホンセイインコの亜種ワカケホンセイインコを観察しました。国内での初記録と近年生息している個体群の情報などを文献で確認してみました。(国内初記録と生息地と食性)松永・藤井(2018)は、文献に報告されている知見を整理し報告しています。それによると、1969年に東京都で初記録され、北は新潟県の粟島から南は宮崎県のえびの市まで広がり、特に愛知県の名古屋市、大阪府、東京都などの都市周辺部では集団で生息していることが記録されたと述べています。その後は、東京都、神奈川県、埼玉県の1000 羽を超える個体群と千葉県、群馬県にそれぞれ100 羽に満たない個体群が生息しているのみと記しています。食性を明らかにするために一般者からの情報や調査によって蓄積してきたデータを取りまとめて、「花蜜、種子、果実、葉芽など一年を通して幅広く植物質の餌を採餌していることが分かった」と述べています。注目されるのは、「冬季は種子や果実などの栄養分が高い餌が乏しいこともあり、2 月に早咲きのカンヒザクラが開花するころには、局地的に分布するカンヒザクラの花蜜を求めて集中的に飛来する本種の情報が多く寄せられた」、「様々な種類のサクラの花が時期をずらしながら開花するが、本種はその開花の時期に合わせてサクラに集まっていること」「冬季にカキノキの実を食べている情報が寄せられていることからも、これらの残された果実も餌の少ない冬季を越せる要因になっている」と報告している点です。(ねぐらについて)松永・藤井(2018)は、ワカケホンセイインコのねぐらの環境に注目し、考察し報告しています。それによると、同じオウム目の鳥が集まっており、捕食者対策を行っていることが考えられた。ただし、捕食者カラスとねぐらを共にしていることもあったと述べています。(雌雄の識別)藤井(2011)がオスは頸に黒色とピンク色の輪がありのども黒い。通常この特徴はオスだけであるため雌雄の識別点となるが、幼鳥は頸の輪が見られないため,頸の輪が無いから雌であるという識別はできないと述べています。三枚目、四枚目の写真の個体は、頚の輪はないのですが、雌と決めかねています。(引用)藤井 幹.2011.ホンセイインコ.Bird Research News Vol.8 No.6.p4-5.松永聡美・藤井 幹.2018.東京都周辺における外来種ワカケホンセイインコの食性.FBN研究報 vol.5.p13-16.生物技術者連絡会(FBN).松永聡美・藤井 幹.2018.ワカケホンセイインコのねぐら環境の報告.日本鳥学会2018年大会ポスター発表.(写真)4枚目とも2025年1月27日撮影
2025.01.28
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水元公園に今冬、まだ姿を目撃していないツグミを探しに出かけました。いつもの公園東端のバス停桜土手で下車し、小合溜沿いを探索しました。スタート直後、ツグミが芝生の上で餌を物色している姿、水元大橋手前で1羽、観察舎に向かう途中の芝生広場に1羽を目撃しました。小合溜の水面には、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、ヨシガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ユリカモメといった水鳥たちが羽を休めていました。また、遊歩道、湿地帯ではアカハラ、セグロセキレイ、タヒバリが餌探しに余念がない姿を観察しました。このほか、水生植物園近くでキャラ、キャラと独特の鳴き声がしたので待機していたら、全身黄緑色で尾が長く、赤くて太い嘴が特徴のホンセイインコの亜種ワカケホンセイインコ2羽を見つけました。1960年代に都内南西部で定着して以来、出没しています。インコを観察し、帰路につき水元大橋をすぎたエリアにユリカモメ30羽余りが水際で羽を休めている姿があり、そのうち1羽のお腹の色がピンク色なのに気が付きました。帰宅後、獣医師の鳥友に聞くと、ユリカモメが餌としている甲殻類や魚が取り入れたアスタキサンチン(*)がユリカモメの体内の蓄積しピンク色となったと教えてもらいました。(*)アスタキサンチンを作るプランクト赤色がアスタキサンチンです。 アスタキサンチンを作るプランクトンをオキアミなどが食べ、オキアミをエビ、カニや魚類が食べ、体にアスタキサンチンを取り入れています。鳥類もアスタキサンチンを作ることは出来ませんが、ユリカモメがアスタキサンチンを含む餌を摂取することにより 体にアスタキサンチンをサンチンを含む餌を摂取することにより、体にアスタキサンチンを蓄積し赤色となっているそうです。(写真)2025年1月27日撮影
2025.01.27
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昨日、筑波山でハギマシコを観察をしてきた旨を報告しました。鳥友からハギマシコの越冬環境と後頭から後頚が白い点について質問をもらいました。(越冬環境について)私がハギマシコとはじめて遭遇したのは、1978年冬の千葉県銚子市愛宕山の跡地の斜面で種子をついはんでいた群れでした。(その後は公園、地球の丸く見える丘展望館)現在では姿は見られなくなりましたかが懐かしい思い出です。さて、ハギマシコが越冬する環境については、バードリサーチ(2020)が、2006年から寄せられている観察情報を整理し報告しています。それによると、ハギマシコが観察さけた環境では、森林(樹林・植林・雑木林)が31%、水田・畑が20%、岩場が16%、牧草地が11%、海岸が8%、その他が14%と述べています。注目されるのは、大きな群れは水田・畑、岩場で目撃されることが多かったとしながらも樹林にいて地面で採餌していたという点です。(昨日見かけたハギマシコの後頭から後頚が白っぽい個体)観察した13羽のうち、2羽は 後頭から後頚が白く、頭部は灰黒色でした。ただし、前頚から胸の色は白くは見えませんでした。叶内(2011)は、石川県輪島市で撮影した成鳥夏羽雄、成鳥夏羽雌の写真を掲載し、雄については「後頭から後頚、頚側は白っぽく、前頚から胸の斑は亜種ハギマシコより白っぽい」、雌については「全体に淡黒褐色で各羽の羽縁は白っぽい。後頚は亜種ハギマシコより白っぽい」と報告しています。さらに、亜種について「ハギマシコは北アメリカでほぼ9亜種が繁殖し、ユーラシア大陸には亜種5種が繁殖している」と述べています。しかし、亜種の外観上の違いなどについては記述がなく、その違いは不明です。ハギマシコの後頭から後頚の白い点については、松岡・阿部(1972)が1970年8月に大雪山系で観察した個体について「この時期のハギマシコの成長雄の嘴は、基部がわずかに肉色であるのを除き大部分は黒色で後頸の白色部が非常に顕著」と報告しています。北アメリカのハギマシコは、National Geographic(1986)がハイガシラハギマシコ(Leucosticte tephrocotis)の前頚から後頚が白い個体を掲載しています。ハギマシコ(Leucosticte arctoa)と比べると背の色がこげ茶、前頭がより黒く、前頚から後頚の色は似ているものの、違う羽色に見えます。いくつかの文献に目をとおしてみた結果では、松岡・阿部(1972)が成鳥個体と報告している個体に近似しているという結果でした。(引用)松岡 茂・阿部 卓.1972.大雪山系でハギマシコ繁殖か.山階鳥類研究所報告.第6巻.5-6号 p.569-571.National Geographic Society.1985.Second printing.p438-439.叶内拓哉.2011.日本の野鳥.p594-595.山と渓谷社.(写真)2025年1月25日筑波山にて撮影
2025.01.26
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今冬、はじめて茨城県筑波山に出かけました。山頂の斜面でカヤクグリ4羽、ハギマシコ13羽が種子をつばむ姿を観察できました。カヤクグリは耳羽の部分が茶色と白色の軸斑模様があり、喉から腹部が灰黒色。うち1羽の次列風切がグレーの個体でした。個体識別をするうえで手がかりとなるか確認中。また、ハギマシコは、微妙に羽衣に違いがありました。中雨覆、大雨覆、腹、脇がバラ色が目立つ雄成鳥冬羽、頭部が黒く、中雨覆、大雨覆、腹、脇がバラ色の雄成鳥冬羽、雄より淡くバラ色部分が狭い成鳥雌、写真には記録が叶わなかった全体的に褐色の第一回冬羽個体と実にいろいろな特徴を観察できました。(写真)2025年1月25日撮影
2025.01.25
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2月24日まで国立科学博物館でウグイスの谷渡り鳴きの新仮説についてパネル展示が行われています。その内容は、2024年10月にZoological Science誌でオンライン公開されたものです。国立科学博物館(以下、科博と略)のプレスリリースの一部を紹介します。科博(2024)は、「ウグイスの雄は『ピルルルルルケッキョケッキョ……』などと聞こえる、長く続く『谷渡り鳴き』をすることがあります(谷を渡るときの鳴き声というのは俗説)。この音声は人と遭遇したときなどに発せられることから、捕食者の存在を同種他個体に知らせる「警報」であると長く信じられてきました。しかし、科学的に検証されたことはありませんでした(以下、略)(研究でわかったこと)科博(2024)は、新潟県妙高市、上越市で2017年4月から8月に調査を行い、谷渡り鳴きの回数となわばり内に雌がいるかを記録した結果を報告しています。報告では、「雌がいない4月から5月の初めには谷渡り鳴きはあまり行われず、雌が渡来する5月中旬から繁殖期を通じて谷渡り鳴きが活発に行われる」「雄のなわばりのうち、雌の存在が確認されたなわばりでは雌が確認されなかったなわばりよりも谷渡り鳴きが活発に行われ」と述べています。また、空間的パターンに注目し調査した結果について「営巣中の雌は雄のなわばりのうち巣の周辺のみを行動範囲としますが、雄は巣からはるかに遠いところであっても雌(未婚の非営巣雌と思われる個体)がいると谷渡り鳴きを行いました」と記しています。そして、結論として「よく知られたウグイスの谷渡り鳴きについて、警報ではなく雌へのアピールであることを示唆する成果が得られました」と結んでいます。(引用)国立科学博物館.2024.ウグイスの谷渡り鳴きの新仮説~谷渡り鳴きは警報ではなく雌へのアピールである~.プレスリリース.2024年10月29日.pp5.(写真)2枚とも2022年2月4日都内水元公園で撮影
2025.01.24
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新年になりホオアカと出会えていないので、沼の一角にある葦原で待機しました。ホオアカは、葦原に止まって周囲を見渡し人を含む外敵の存在がないことを確認し水田に移動し餌とする昆虫、植物の種子などを捕食します。2005年以降、冬期に姿を観察するようになり、今シーズンで20年を迎えました。今日は合計4羽の姿を見つけ、近くにホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリンといったホオジロ類、その足元で昆虫類や種子を探して移動するクイナの姿を観察しました。このほか、複数のモズ雌雄が電線にとまり牽制する姿、亜種オオカワラヒワの姿、水田の小動物を狙うチョウゲンボウが電柱に止まっている姿、帰り道、近くの公園内の池でカワセミが小魚を捕食する姿を観察し、現地を後にしました。(写真)2025年1月23日撮影
2025.01.23
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吉川美南駅西口の調整池と近郊の江戸川沿いを猛禽類との出会うべく探索しました。吉川美南の調整池に到着すると全体に赤いベニマシコ成鳥雄、橙色の第一回冬羽が登場し楽しませてもらいました。くわえて、アオジ10羽前後が葦原と堤防沿いに登場。目先の黒い雄、若鳥、雌と思われる個体を見つけました。池の水面には、マガモ、コガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、水面を活発に移動しているカワセミとの出会いを楽しみました。その後、江戸川沿いのフィールドに場所を移し、猛禽類の姿を探索しました。目立つひげ状斑と外側初列風切が黒色で無斑のチョウゲンボウ雄が何度もホバリングして地面に降下し獲物を捕獲する光景や虹彩が黄色っぽいノスリ若鳥と思われる個体が杭に止まって周囲を見渡している姿を観察しました。向かい風を利用して巧みにホバリングするチョウゲンボウは、通りがかった市民の方も見入っていて人気を集めていました。(写真)2025年1月22日撮影
2025.01.22
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昨日、成田市坂田ケ池でトモエガモ、コガモが遊歩道に落ちているドングリの実を食べている光景を目撃しました。印旛沼に羽を休めているトモエガモがどこを餌場としているのかは把握できていませんでしたが、ようやくその一部が把握できました。バードリサーチ(2022)が「トモエガモの食物は、陸上や水中の植物と種子、米や大豆などの穀物、昆虫、そして林内のドングリなどと多様なので、日本での越冬中にもさまざまな環境を餌場に利用しているのかもしれません」と記しています。印旛沼でトモエガモの大群がみられるようになった2021年以来利根川流域、水田地帯を探索すると、下総神崎から佐原の間の利根川では、トモエガモの大群が水面で羽を休めていいる光景を目撃しています。その時は、印旛沼にトモエガモの大群を観察してからで、同程度の群れでした。夜行性がゆえトモエガモの餌場がどこであるかは、なかなか特定しにくいのですが、印旛沼沿岸の水田地帯、隣接する茨城県側の水田、利根川が存在がトモエガモの大群を支えているのかもしれないと思っています。(引用)神山和夫.2022.バードリサーチニュース 2022年11月.https://db3.bird-research.jp/news/202211-no1.(写真)1枚目から3枚目:2025年1月20日撮影4枚目:2025年1月2日印西市で撮影5枚目;2023年12月13日印西市で撮影
2025.01.21
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成田市坂田ヶ池から栄町房総のむらのエリアを冬鳥を探索しました。林では大きな波状飛行をしながらキョッと鳴きながら枝に止まったアカゲラ、林の中からヒッヒッと鳴きながら植え込みに登場したルリビタキ(尾だけ青く雄第一回冬羽と思われました)と遭遇したエリアからスタートとなりました。坂田ヶ池に移動すると水面には、ハシビロガモ、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、マガモが羽を休めていました。このうち、トモエガモとコガモは地面を移動して落ちているドングリの実をついばむ光景を目撃しました。その後、池の縁で枝に止まって水面を移動する魚を狙ってカワセミが何度もダイビングする光景や地面で餌探しに余念のないシロハラを観察しました。トモエガモ雄生殖羽の華麗な羽衣、肩羽の先端が尖っている雌の特徴などをじっくり観察できました。(写真)2025年1月20日撮影
2025.01.20
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昨日1月18日茨城県神栖市神之池でサカツラガンの家禽化個体を2羽観察しました。鳥友から家禽化したガン類のルーツについて質問をもらいました。従来は、ルーツは約3500年前のエジプトに端を発するとされてきましたが、近年の調査によりガン類の家禽化個体のルーツは約7000年前にあったことが判明しています。(1)日本の家禽日本の代表的な家禽は、カモ科のアヒルとガチョウです。アヒルはマガモを、ガチョウはサカツラガン、ハイイロガンを家禽化したものです。(2)家禽のルーツについて北海道大学ほか(2022)は、7000年前の中国長江下流域の遺跡から出土したガン類の骨を調査し結果を報告しています。「組織学的分析によってガン類の骨には越冬地に渡ってきたものとは考えにくい幼鳥の骨が含まれ(中略)成鳥にも渡りを経験していないと考えられる個体が含まれることがわかりました。また、在地性のガン類は渡りをしていたガン類とは異なる食性をしていたことがわかりました」と報告しています。江田ほか(2022)は、「約7000年前にガン類が飼育されており家禽化の初期段階にあった」と結論づけています。上記により、家禽化されたガン類の歴史が約3500年前のエジプトに端を発すると考えられてきたが、従来の考え方を大幅に遡りガン類の歴史がよリ長かったことを示していると結んでいます。(サカツラガン家禽化個体)神之池で観察した個体は、頭から頸まで色がはっきり分かれていました。嘴基部にこぷ状の出っ張りがあり、嘴の色は一羽が真っ黒、別の一羽は黒い部分が多いが基部に黄色がありました。野生のサカツラガンは嘴は黒く、基部の羽毛は細い白帯となっていますが、帰還化個体にはこれらの特徴はありません。(ハイイロガン家禽化個体)全体に灰色味があることと下面にも灰色味があり、脇に縞模様がありました。(若鳥では脇に縞模様がないことから成鳥と思われました)野生のハイイロガンは嘴と足はピンク色ですが、家禽化個体では一羽は野生のものと同様に嘴、足はピンク色、もう一羽は嘴のベースが黄色で黒く汚れたように見えました。(引用)北海道大学・筑波大学・東京大学.2022.プレースリリース.世界最古の家禽はガチョウ.約7000年前の中国の遺跡からガン類の家禽化の証拠を複数発見.pp5.(写真)一枚目、二枚目:サカツラガン家禽化個体、2025年1月18日茨城県神栖市神之池三枚目、四枚目:ハイイロガン家禽化個体、2024年10月31日茨城県常総市菅生沼
2025.01.19
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神栖市神之池は、広さ73ha、幅2キロ、一周5キロの遊歩道が整備されている池です。1400~1200年前に砂州の間の凹地で地表水と湧水によって池が成長したのがルーツとされています。秋から翌年春までの間、カモ科、カイツブリ科、クイナ科、カモメ科の鳥たちが羽を休めるフィールドです。昼過ぎに到着して水面の探索をスタートすると、家禽化したサカツラガン2羽が西端から東端の水面を大移動。嘴が黒色で喉の下に肉だれが垂れ下がる個体と嘴のベースが橙色で黒い模様のある個体の2羽でした。大きな体が水面を移動すると、他のカモたちはすーとエスケープ。このほか、緑と赤紫のナポレオン帽のような形状をした頭のヨシガモ雄、マガモ雄とマガモとカルガモの交雑個体(嘴の先端が黄色で全体は明るい羽衣の個体)、ホシハジロ雌雄、キンクロハジロ、ミコアイサ、ハジロカイツブリ(頭の黒色部が眼より下まであります)、岸辺の芝生を移動しながら餌探しに余念のないオオバン若鳥の群れ、水面で羽を休めていたセグロカモメ、自分で羽の中に空気の層をつくり見た目がふっくらしたスズメ沿岸の木に止まっていたり、冬鳥との出会いを楽しみました。(写真)2025年1月18日撮影
2025.01.18
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北西の風5m前後が吹き抜けて気温8℃よりも体感はもっと低く感じる中、8日にオシドリを見かけたこともあり、千駄堀池を訪ねました。到着した9時すぎは池の水面は波立ちカモの姿は認められずでしたが、11時頃、葦原の中からマガモ、オカヨシガモが登場し、マガモ5羽と一緒にオシドリ1羽が登場。脇の羽の淡色斑が丸く、嘴先端部が黒っぽくその他の部分は角度によっては橙、赤色に見えていました。脇の羽の斑が丸いことから雌個体と思われました。このほか、オカヨシガモ、コガモ、キンクロハジロ(*)、オオバン、コサギ、カワウ、ハクセキレイの姿を観察しました。あわせて、水面ではマガモ雌雄がしばらく向かい合っていたと思ったらペアリングをスタート。雄が首を嘴でくわえてマウントし雌を水中に沈めるまでの場面を目撃。(*)キンクロハジロは、上面に黒みがあり、腹部と脇などに細かい褐色の斑が並ぶ幼羽が残り、雄第一回冬羽と思われました。(写真)2025年1月17日撮影
2025.01.17
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松戸駅から一番近い江戸川沿いに川の一里塚があります。葦原、アワダチソウが群生しているエリアは、冬鳥たちと出会えるフィールドです。昼過ぎに現地に到着すると、水路沿いの藪の中からピッポとベニマシコの鳴き声が聞こえます。ところがなかなか姿を現してくれないのでひたすら待機。待機している間に、芝や青草を食べるヒドリガモ、オオバンの群れ、木々の枝を鳴きながら移動するエナガの小群、上空からケッケッと声が聞こえると枝に複数のツグミが降り立ちました。外側大雨覆先端に羽縁がバフ色の幼羽が残る雌第一回冬羽、風切と雨覆が赤茶色の成鳥雄の姿、近くに眉斑(*)が認められるアカハラの姿も見つけました。その後、ベニマシコが成鳥雄と雌がセイタカアワダチソウのスポットに登場。このほか、オジロビタキのように尾を頻繁に上げていたジョウビタキ雌、12枚の尾羽を広げて披露してくれたカワラヒワ雄、頭部が灰色で全体的に色の淡い雌、地面に落ちている種子をついばむのに余念のないホオジロ、アオジと出会えました。(*)アカハラの眉斑雌第一回冬羽では、眉斑が不明瞭な個体を見かけたことがありますが、雄では初めて観察しました。近似種のマミチャジナイは目の上下に眉斑があります。(写真)2025年1月16日撮影
2025.01.16
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茨城県南西部にある菅生沼にでかけました。2023年2月8日に250羽のカシラダカが葦原の中に降り立った光景が忘れられず、菅生沼だったら出会える可能性が高いと考えたからです。コハクチョウ152羽、オオハクチョウ11羽の姿に出迎えられた後、茨城県立あすなろの里にへの遊歩道の一角でその姿を発見しました。枝から地面に降り種子をついばんいた個体と種子をしごいて食べていた個体を目撃しました。また、そばにはアオジ、ホオジロも地面に落ちている種子をついばむ姿も観察しました。菅生沼の水面にはコハクチョウ152羽、オオハクチョウ11羽の姿があり、複数のバンが草をついばむ姿、小さな池の葦原に止まって獲物を狙うカワセミの姿と出会えたり楽しい時間を過ごしました。(写真)2025年1月15日撮影
2025.01.15
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3週間ぶりに吉川市吉川美南西口の調整池を訪ねました。池に注ぎ込む水路が凍っている箇所が多く、いつも餌を物色しているコガモ、コサギ、ダイサギ、カワセミなどの姿はありませんでした。また、池の水面には若干のコガモ、ハシビロガモの姿を認めただけでした。それでも、池の浅瀬にはイソシギ、コチドリ、ダイサギ、コサギ、堤防の一角で日光浴をしていたハクセキレイ、葦原には30羽前後のスズメ成鳥たちが降り立つ姿を観察。中でもイソシギは、羽縁にまばらに白っぽさが認められ、夏羽の羽が擦れて黒い縞模様がある個体と比べるとかなり違った印象でした。参考として昨年8月28日に観察した折の夏羽の写真もアップします。また、コチドリはアイリングが淡く、羽縁がバフ色で上面に鱗のような模様がある若鳥が浅瀬をところ狭しと歩き回っていました。(写真)2025年1月14日撮影
2025.01.14
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昨日、野田市座王で冬鳥を探索していたら遅まきながらシメの姿を観察しました。図鑑類には、平地から山林に生息し、公園や市街地によく姿を現すと記されています。ところが、千葉県北西部柏市での観察記録を振り返ると、2010年1月24日に柏の葉公園で50羽を観察した以外は、2019年以降では単独での姿を観察するのみです。バードリサーチ(2022)が「20年冬には21年および22年冬より何らかの理由で渡来数が多かった」、「渡来当初から2月にかけて徐々に記録率が変動しながら増加する傾向」と報告しています。2月にかけて記録率が増加する傾向の有無を注視したいと思います。さて、学名Coccothraustes coccothraustesは「穀物を粉砕するもの」というギリシア語に由来しています。石田(2015)が「太い嘴は樹上に残った種子や地上に落ちた種子をすりつぶして食べる」と述べているものに代表されるように多くの図鑑類に同様の解説があります。ところが、穴田・多奈田(2000)が富山県富山市でモウソウチク林内でモウソウチク虫えい内の八チ類の採食している個体を観察した旨を報告しています。イカルの厚い嘴、発達した顎の筋肉を持っていることが、一般的な小鳥が利用できないモウソウチクエダフクレフシを破壊できたことを紹介しています。なお、報告の中に「夏期には鞘迩目、鱗迩目昆虫などの動物質をついばむが、両種とも秋冬には種子や築果などを主な食物としている」との記述もあり、冬と春の採食している時に何を食べているか注目してみたいと思います。(引用)穴田哲・多奈田功.2000.イカルとシメによるモウソウチク虫えい内の八チ類の採食.Strix.第18巻.p111-114.日本野鳥の会.石田光史.2015.野鳥図鑑.p358.ナツメ社.バードリサーチ.2022.ベランダバードウォッチ2022 年冬調査報告.pp4.(写真)2019年2月10日柏市柏の葉公園、2020年1月12日柏市内で撮影
2025.01.13
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かつて座生沼が広がっていた座生川沿岸と清水公園を探索して歩きました。座生川沿いでは、イカルチドリ3羽の姿を見つけました。長い嘴と目立たない黄色のアイリングがあり、1羽は額と眉が白く過眼線が褐色で胸から後頚に黒い頚輪がある雄個体、別の個体は羽色が淡い雌個体でした。このほか、水面にはマガモ、カルガモ、コガモ、オオバンが羽を休めていました。また、川沿いの堤防で小魚を捕獲していたカワセミ、パラの花芽をついばんでいたジョウビタキの姿を観察しました。清水公園内は、例年と違い鳥影は薄く、シメ、アオジ、シロハラを見つけたのみ。公園にある慈光山 金乗院で寒椿を鑑賞し、現地を後にしました。その後、江戸川沿いに広がる水田地帯に移動しタゲリ、チョウゲンボウ、ノスリ、タヒバリの姿を観察し楽しい時間を過ごしました。(写真)2025年1月12日撮影
2025.01.12
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ルリビタキ、フクロウ、冬の小鳥を観察したこともあり鎌倉時代から戦国時代にかけて築かれた城山エリア内を探索し、鎌ケ谷市から柏市、手賀沼に注ぎこむ全長7.9kmの大津川沿いを探索して歩きました。城山エリアでは、カワセミ雌雄1羽ずつ見つけました。雌は行動的で餌探しに余念がなく、水が流れる水路の脇にある岩にとまり、小魚を何度も捕獲。その間、雄は少し離れた木の枝に止まり雌の方向を凝視しており、すでにペアとなっている模様でした。冬の小鳥はメジロ、ヒヨドリ、モズといった限られた種類だけでしたが、全国的に減少していると言われているスズメはここでは田んぼ周辺にあふれかえるほど姿がありました。その後、大津川沿いでは、カルガモ、オオバン、カイツブリ、コサギが思い思いに採餌している光景を観察。あわせて、複数のカワセミが鳴きながら飛翔する姿がありました。水位が高く遊歩道に自転車、歩行者が絶えず餌がほとんどない手賀沼とは違って落ち着いて餌を捕獲でき、営巣場所も確保できる別天地のようです。(写真)2025年1月11日撮影最後の写真は、大津川から手賀沼、我孫子市方向を見た風景です。
2025.01.11
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西北西の風5m前後が吹き抜けて海は荒れ模様でしたが、ホウロクシギが飛来しているとニュースをいただき、葛西臨海公園を訪ねました。強風に負けず西渚、東渚と沿岸を丁寧に探しましたが、姿はみつからず。そのため、水路で羽を休めるカモ科の鳥たちを主体にした観察に切り替えました。潜水採餌のカモの代表であるススガモ、頭だけ水中に入れて泳ぎ回るウミアイサは活発な動きでしたが、水面採餌のカモのオカヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモは寒いのが苦手のようで首をすぼめている個体がほとんど。中でもオカヨシガモ雄は首をあげてくれず、全身灰褐色の色合いと下尾筒の黒色でころうじてそれと識別するのが精一杯でした。一方、潜水採餌のススガモ、ウミアイサは寒さなんてとばかりの水面を移動。ススガモは緑色の光沢が目立つ雄生殖羽、胸が赤茶の雌、上面が黒っぽく嘴基部の白色部が狭い第一回冬羽個体と観察する個体ごと、羽色がいろいろ。ウミアイサは、水面に浮いたまま頭を水中に入れていることが多いシュノーケリングのような餌のとり方が独特でした。このほか、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、水路を活発に歩き回るイソシギ、上面は灰色で黒色部のない雌冬羽の姿も目撃しました。(写真)2025年1月10日撮影
2025.01.10
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西よりの風が強く水辺の探索には向いていないので、比較的風の影響を受けにくい茨城県つくば市高崎自然の森に出かけました。幼稚園生が広場で賑やかに遊んでおり、いつものエリアにルリビタキの姿はなし。そのため、一旦森をあとにし近郊の水田、水路を探索することにしました。森をぬけて水田エリアに至るまでのコースは、案外楽しめました。水路沿いの農道をキジ成鳥雄が登場したり、カワセミが採餌ため枝に止まり水面を凝視していたり、モズが何度も地面に降り立ち獲物を捕獲する光景、農道脇にジョウビタキ雄が「何か御用?」と登場したり、シロハラが餌探しに余念がない姿などを観察できました。その後、再び森に戻ると、さっきまで子どもたちが遊んていたエリアで2羽のルリビタキが出現し、地面に降りて蜘蛛をはじめ小動物を捕獲している姿に遭遇できました。一定間隔で尾を上下にふりリズムをとっているような感じ、愛らしい一杯でした。なお、シロハラですが、頭部が黒っぽく、下腹以外が赤褐色に見えていた雄個体と頭が褐色がかり下面が汚白色の雌個体の両方の姿がありました。腹に白っぽさがあることから和名がつけられた種類ですが、案外そうではないことが発見でした。(写真)2025年1月9日撮影
2025.01.09
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新年はじめて松戸市千駄堀池を訪ねました。到着前後は、水面にマガモ、コガモ、カルガモが少数姿があっただけでしたが、11時すぎに葦原から、オシドリ、オカヨシガモ、ヨシガモ、マガモ、カルガモ、コガモが次々に登場。このほか、ススガモ、キンクロハジロとススガモの交雑と思われる個体が水面を移動する姿を発見。キンクロハジロとススガモの交雑個体は、冠羽がなく、嘴は基部がキンクロハジロよりがっしりとしている印象、嘴先端の黒斑はキンクロハジロに近い広さでした。このほか、カイツブリの生殖羽、複数のカワセミが水面を飛翔する姿を発見しました。(写真)2025年1月8日撮影
2025.01.08
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観察会でリーダーからカワラヒワは種子食に特化した種類ですと説明を受けた方が多いものと思います。中村ら(1996)が「キク科、イネ科、タデ科、マメ科などの種子を食べる」と報告していることからそのような説明となっているものと思います。今朝、オフィス近くの公園を散策していたら、カワラヒワ20羽ほどの向けがアキニレの実をついばむ姿を目撃し、まさにその通りの光景を目撃しました。ところが、中国野菜のチンゲンサイでの摂食、ソメイヨシノ花芽の採食に関する報告があります。参考までに紹介します。(1)チンゲンサイでの食害藤原・白松(2004)は、山口県で「多くのカワラヒワがチンゲンサイの株の上に止まり、葉を食べている」「飛び去った直後の株を確認すると、(中略)葉にはいずれも、鋭利にちぎりとられたような跡や職でつついたと考えられる跡がみられ」と報告しています。あわせて、白菜についても摂食していることが観察されたと記しています。なお、時期は、「カワラヒワは水稲が乳熟期を迎えると水田へと移動し、水稲が加害対象となった。葉野菜が水稲の乳熟を待つあいだの単なる「つなぎ的」な食物だったのか、この時期に葉野菜を食べること自体に意味があるのかは不明」と述べています。(2)ソメイヨシノの花芽の採食鈴木(2020)は、2017年と2018年に千葉県成田市および横芝光町でカワラヒワがソメイヨシノの花芽を採食した結果、開花不良につながった件を報告しています。具体的には、「花芽(又は葉芽)を嘴で枝よりもぎ取り、もぎ取った花芽(又は葉芽)を嘴に咥え暫く上下の嘴に挟んで転がすようにして採食する行動を確認」と記しています。(引用)藤原知美・白松博之.2004.カワラヒワのチンゲンサイ食害.Strix voL22.ppl47-154.日本野鳥の会.鈴木 弘行.2020.カワラヒワによるソメイヨシノ花芽の採食.我孫子市鳥の博物館調査研究報告 Vol.25. No.1.p1-4.(写真)2024年1月7日柏市内で撮影一枚目、二枚目は亜種オオカワラヒワ成鳥雌(雄に比べて全体に淡く、頭部が褐色)三枚目、四枚目は亜種オオカワラヒワ成鳥雄(頭部に緑色味があり、三列風切外縁の白色部が目立つ)
2025.01.07
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新年、はじめて水元公園にカモと冬鳥の小鳥を探しに出かけました。いつもと同じJR金町駅から三郷団地行バスで桜土手で下車し、公園東端に到着。到着時気温3℃と厳しい寒さの中のスタートとなりました。小合溜東端では、コナラと思われる木の中に虹彩が黄色のオオタカ成鳥雌の姿があり、その目は水面で休んでいるホシハジロの300羽をこえる群れ、キンクロハジロ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモの方向を凝視していました。くわえて、ツグミが鳴きながら枝に降り立ちました。その後、メタセコイヤの林をぬけ遊歩道をさらにすすむと、小さな池の一角にヨシガモ雄の姿を見つけました。胸の鱗模様、喉の白い、首輪状の模様、鎌状の三列風切はなく、肩羽と脇の羽に丸みがないことから雄幼羽が生殖羽に換羽中の個体と思われました。また、近くにはオカヨシガモ雄成鳥、雌成鳥、エクリプスから生殖羽に換羽中の個体を観察しました。その後、遊歩道を折り返して、湿地エリアに差しかかると、シギと水浴びしている小鳥を発見。イソシギが尾を振り活発に動き回り虫を捕獲。捕獲後、嘴でくわえて地面にたたきつけて失神させてからパクリと飲み込みました。また、地面にの嘴を突っ込んで餌探しに夢中なタシギの姿も見つけました。(写真)2025年1月6日撮影
2025.01.06
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一昨日、横浜市で観察できたクビワキンクロ雌と近似種キンクロハジロの違いを復習してみました。(後頭部の高い頭の形と目の周囲の白色部)クビワキンクロ雌の特徴について、主な文献には次のように記されており、後頭部の高い頭、目の周囲が眼鏡状の白色部が大きな特徴と言うことができます。写真一枚目は前記2点の特徴をご理解いただけると思います。写真二枚目をご覧になると、クビワキンクロとキンクロハジロの頭の形の違いがご理解いただけると思います。(文献の報告内容)桐原(2000)は、クビワキンクロ雌の特徴として「後頭が盛り上がっている。(中略)全身が褐色だが目の周囲の目立つ。嘴は鉛色で先端付近に白帯があるが基部は雄のように白くなっていない」の報告しています。叶内(2011)は、クビワキンクロ雌の特徴として「頭の形については特徴があり、顔の全面と喉、アイリングは白い。嘴は鉛色で先端は黒く、基部と先端近くは白い」と述べています。氏原(2015)は、クビワキンクロ雌の特徴として「後頭部の高い頭の形と嘴基部周辺の大きな白色部、目の周囲の眼鏡状の白色部」を記しています。(近似種との識別)近似種キンクロハジロ、ホシハジロとの違いを主な文献では次のように報告しています。後頭部の高い頭、眼の周囲の眼鏡状の白色部にくわえて、虹彩の色の違い、冠羽、頭のピークの違いをあげています。桐原(2000)は、近似種のキンクロハジロについて「嘴基部は白くない。頭は額が出ていて後頭は盛り上がらない。後頭に長い冠羽がある。脇は白い。虹彩は黄色」と解説をしています。氏原(2015)は、近似種キンクロハジロとの違いについて「腹部などを除き全身褐色から黒褐色でキンクロハジロに似るが、後頭部の高い頭の形と嘴基部周辺の大きな白色部、目の周囲の眼鏡状の白色部」「虹彩は褐色から黄褐色でキンクロハジロ雌の黄色と異なる」、また、翼帯の色が似ているホシハジロは頭の中央部にピークがある」と記しています。(嘴基部の厚みと先端の細長く伸びている点)氏原(2015)は、「嘴基部は横から見ると基部が厚く、先端がやや細長く伸び」と指摘しています。写真2枚目でその特徴が理解いただけると思います。(近似種キンクロハジロ)五枚目から七枚目の写真はキンクロハジロです。参考としてアップします。五枚目はクビワキンクロが飛来しているフィールドと同じ池で観察した雄一年目と思われる個体、六枚目は水元公園で撮影した雄個体、七枚目は不忍池で撮影したキンクロハジロ雄と思われる個体です。(引用)桐原政志.2000.日本の鳥550水辺の鳥.p135.文一総合出版.叶内拓哉.2011.山渓ハンディ図鑑 日本の野鳥.p79.山と渓谷社.氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p197-202.文一総合出版.
2025.01.05
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暮れに続いて印西市から柏市東端までの手賀沼流域を探索しました。北西の風が吹き抜けていて気温よりも肌寒く、鳥たちも風を避けるように草地、堤防下、遊歩道下、耕起が終わった田んぼで羽をやすめていました。スタート地点でオオハクチョウ9羽(うち若鳥3羽)、コハクチョウ6羽、コブハクチョウ48羽の姿を観察し探索を開始しました。トラクターで田んぼを耕起していた農家の方から、ご覧の通りトラクターの後にダイサギ、アオサギ、タゲリがついてきてね、愛らしいものだよと教えてもらいました。このエリアでは、ジョウビタキ雌、ホオジロ雄、セグロセキレイ、複数のハクセキレイの姿を観察できました。その次、水田沿いの道を使い沼に近いエリアに移動する際、道路沿いの電柱に合計8羽のノスリの姿があり、地面をじっと凝視していました。昨日、天候が急変した関係で餌をとれず周辺から餌を求めて集まってきたようです。その後、沼に近いエリアでは、オカヨシガモ、ヨシガモ、コガモ、タシギ、トビ、チョウゲンボウの姿を見つけました。うち、オカヨシガモ、ヨシガモ、マガモは外来種オオバナミズキンバイと思われる枯れた群落の上で羽を休めていました。北千葉導水路導入以降、沼の水位が高くなり羽を休めてる場所がなくなった代わりとして利用しているようです。半面、葦原がどんどん衰退しているような印象があり、複雑な気持ちで鳥見を終了。(写真)2025年1月4日撮影
2025.01.04
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横浜市の公園にクビワキンクロ雌が飛来し滞在しているとニュースをもらい、訪ねました。89年12月24日の都内台東区不忍池で観察して以来、36年ぶりの再会となりました。その姿は、公園の池にあり、キンクロハジロ、ホシハジロと行動を共にしていました。後頭部の高い頭の形からゴリラのようと称される特徴、嘴基部の大きな白色部、虹彩は褐色で、目の周囲の白い白色部、腹の白い点、脇が褐色であり、成鳥雌冬羽と思われました。珍しい種類だからカメラマンが大勢いるだけろうと思っていたら、意外にクビワキンクロにレンズを向けている方は少なく、池の一角に登場するカワセミ雌雄や水田エリアに登場するルリビタキ、ジヨウビタキ、湿地に出現するアオジにレンズをむけていた方が多いのにびっくり。(写真)2025年1月3日撮影
2025.01.03
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カモ科の鳥たちは越冬期間にペアとなり2羽揃って越冬地に移動すると言われています。今日、印旛沼を訪ねるとトモエガモの水面に羽をやすめている個体数は79827羽。数ペアが一緒に水面を移動したり、見つめあったりしている姿を目撃しました。幼馴染?それとも羽色、鳴き声の相性?今日は、ほとんど無風のため。沼南側にトモエガモの大群が休んでいたので、いつものヨシガモ、マガモ群れは他の水域で休まざるを得ないようでした。カモ科の鳥は、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ミコアイサ、カイツブリ科の鳥はカイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、クイナ科の鳥ではクイナ、ヒクイナ、オオバン、カモメ科ではユリカモメ、猛禽ではトビ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、オオタカ、ノスリ、チドリ科ではタゲリを観察しました。帰り道、近郊のハクチョウの郷に立ち寄り、コハクチョウ129羽、オオハクチョウ9羽、オナガガモ240羽の姿を観察しました。(観察メモ)ハイイロチュウヒは、顔盤の縁取りがはっきりしていてね腰が長方形に白く、風切に青灰色(成鳥雌は褐色)でしたので若鳥と思われました。また、タゲリは長い冠羽、喉から胸が黒く成鳥冬羽と思われました。(写真)2025年1月2日撮影
2025.01.02
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お神酒、雑煮を口にしてから公共交通機関を使って柏の葉公園近郊を探索しました。西よりの5m前後の風が吹き抜けており、強風を避けるようにコガモが草むらで休んでいたのみで、ヨシガモが羽を休める県民プラザ前の第二水辺公園の調整池に移動しました。ただし、3日までは年始休業で閉鎖されているのでフェンスごしに観察し、国道16号隣接の調整池まで足をのばし探索してみました。堆積した土壌の中で餌探しに余念のないタシギ、サギ類をはじめ、浅瀬で休むオカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモの姿をフェンスごしに見つけました。中でもタシギは、水の中にその嘴を突き刺してミミズなどを捕食していました。風よけになるものがないので気温よりもはるかに寒さを感じました。(観察したカモのメモ)・オカヨシガモは雄生殖羽の灰色をベースで落ち着いた配色で、頭部の少し褐色がかった灰色、嘴が黒色、白黒の翼鏡が目立っていました。・ハシビロガモは、脇の羽が丸みが強い雌非生殖羽と緑色の頭と白い胸の目立つ雄生殖羽の姿を観察しました。・ヒドリガモは、雨覆に白い羽縁が目立つ雌非生殖羽でした。・コガモは、強風をさけて小島の影で休んでいましたが、灰色の体と黒くて細かい波状斑がある雄生殖羽でした。(写真)2025年1月1日撮影
2025.01.01
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