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2025.11.15
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印旛沼沿岸、さいたま市にカリガネ幼鳥が飛来し、滞在しています。
鳥友からその動向について質問をもらいました。
(1900年代前半に手賀沼で採取された記録)
我孫子市(1995)は、千葉県手賀沼における鳥類の記録を整理し報告しています。
その中でカリガネについて1903年12月23日および1923年12月3日に1羽が手賀沼で採取された記録があると述べています。あわせて、第二次大戦後に行われた乱獲と環境の変化で生息は認められなくなったと指摘しています。
(2010年以降の越冬個体の増加)
山階(2021)をはじめとして、複数の研究者が2010年以降、主要越冬地である中国長江流域の生息地が劣化した影響で宮城県の越冬地で増加傾向になったことを記しています。
山階(2021)は、増加しているカリガネの繁殖地、渡りルートを明らかにし保全をすすめるために、2020年12月宮城県に飛来した1羽に発信機を装着し調査を実施しました。
(1)春の渡り
2021年2月27日に越冬していた宮城県を出発し、青森県弘前平野、北海道石狩平野を経由し、4月5日に北海道サロベツに到着。5月11日にサロベツからさらにサハリン西海岸を北上した後オホーツク海を横断しカムチャツカ半島西海岸を北上したと述べています。その後、5月28日にロシアチャウン湾の東側に到着し、6月26日まで1 か月ほど滞在した後、7 月8日~8月13日までロシアコリマ低地、8月23日~9月19日までロシアチャウン湾西側の湿地に滞在したと記しています。
(2)秋の渡り
秋の渡りは、繁殖地のロシアチャウン湾西側の湿地を9月19日に出発し、シベリア内陸部をほぼ休息なしに南下し、9月23日には中国ハンカ湖の手前で方向を変え、日本海に出た後日本海を横断し9月24日に秋田県八郎潟に到着、数時間滞在後に出発し24日朝8時に宮城県伊豆沼に移動したと報告しています。
(春と秋の渡りルート)
春の渡りでは異なるルートを通っているが、秋の渡りでは中国ハンカ湖の手前までは非常によく似たルートを通っていたと述べています。
このルート沿いのどこかで繁殖した若鳥が日本に飛来した可能性が考えられます。
太田(2021)は、84例の迷鳥の飛来元とその気象要因を調査した結果を報告しています。
その結果、鳥の渡りに影響を与えそうな気象現象(台風、低気圧、寒冷前線、梅雨前線などの停滞前線、寒気、偏東風)が起きていたものが83%を占めていたと記しています。
カリガネの渡りルートは、2021年にデータを得たのが日本初でしたので、同様の影響を受けたのかは想像の域を出ませんが、今後の解明が期待されます。
(引用)
太田佳似.2021.流跡線解析による鳥の飛行経路推定の検証.
バードリサーチニュース.2021年1月レポート.
https://db3.bird-research.jp/new s/202101-no2/
山階鳥類研究所.2021.絶滅危惧種のガン類、カリガネの渡りルート追跡に日本で初めて成功しました.2021年11月4日プレスリリース.pp3.
(写真)











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最終更新日  2025.11.15 20:10:16
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