大きく3つの話からなる連作ですが、サブタイトルに小さく― a story of stories ―とあるように、 各作品の中に更にお話が描かれています。 登場人物が作った作中話は、現実社会からの逃避の為でもあり、 新しい何かを現実社会に求め見つける為の話しでもあります。 それはどこかツンとしてギリギリの線で描かれているようで、 それでいてジワッと暖かくなるような(分かり難くてスミマセン)お話です。 字体で現在と作中話の区別がされていますが、 作中話には『お話』だけでなく、登場人物の回想部分も含まれるので、 ちょっと読みにくいと感じる方もいると思います。 私も慣れるまでは前をめくり直したりしながら読みました。