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トルコのイスタンブールの地下にとても面白いものがあります。
古代ローマの時代に造られた上水道の地下貯水槽が幾つかあるのだ。
特にイェレバタン通りの地下貯水槽は非常に興味深く美しい存在である。
地下宮殿とメドゥーサ (Medousa)
呼称が幾つかある。
地元では「地下宮殿」 イェレバタン・サラユ (Yerebatan Sarayı)がポピュラー
なのかも。
それは 宮殿ように列柱が並ぶ事から呼ばれる。
実際は昔の貯水槽で 、「地下貯水槽」 イェレバタン・サライ(Yerebatan Sarnici)
である。
そして英語表記では、「 聖堂の貯水槽」バシリカ・シスタン(Basilica Cistern)
である。
東ローマ帝国の皇帝ユスティニアヌス1世(在位、518年~527年)の時代に、もとはパティオを有する集会所に使われていたローマ建築物を解体して、内部を掘り下げて水を張り貯水槽に作り替えられたとされています。その為に神殿跡のような、でも奇妙な不思議な空間がそこに演出されています。
下はイェレバタン・サラユ (Yerebatan Sarayı)
の地上入り口です。
地下に広がる貯水槽は長さ138m・幅65mの空間で、天井高さは9m、1列12本で28列の計336本の円柱でささえられている。(現在は246本しか確認できていない。)
下はその内部。湿度が高く天井から水が滴り落ちるので、柱は緑苔でグリーンに見える。
特筆すべきは、円柱のデザインに一貫性が無いことである。円柱のうち、98本は5世紀に流行したコリント式柱頭を備えたもので、おそらく流行遅れの在庫処分品か、どこかで解体してきた建築物の寄せ集めか? その他にも、目玉のような模様で覆われた焼き物のような柱身や、大理石でできたメドゥーサの顔が彫られた古代の石塊が土台にされているなど、(しかも置かれ方が雑)半端な材料の寄せ集めのような構成である。
でも内部はとても幻想的な空間である。(ライトアップされているし・・)もちろん今は使われていないので見物の観光客が見に来るだけである。音響が良いので、時々コンサートにも使われるそうです。
下は渡り橋が作り付けられて一部歩くコースがある。水は演出の為に少しだけ入れられているのでは? と思う。
円柱は広い空間を柱の数を少なく支える為に煉瓦造の交差ヴォールトを支えられ、壁は、水を通さない特殊なモルタルでおおわれた厚さ4mの耐火レンガの壁に囲まれているということです。
メドゥーサの顔が台座にされた柱です。なぜか正位置に置かれていません。(なぜ横向き? ちょっと気の毒)

下は逆さのメドゥーサの柱です。(写真が反転ではありません)
「なぜ? 逆さ? 」
どこにもその事について書かれていませんが、私が思うに、単純に高さ調節(寸法)の為ではないでしょうか?
顔が横パターンは 高さが欲しいから横に。
顔が逆さパターンは、高さは正位置で良いが、頭が上では上部の面積が小さく、上に乗る四角い柱がのらないので、逆さにしたのでは? と分析しました。
逆さのメドーサの絵ですが、お菓子の「ペッツ」ぽいです。
ギリシャ神話 メドゥーサ
ギリシャ語で女支配者とよばれるメドゥーサはゴルゴン三姉妹の一人で、もとはポセイドンに愛された美女だったうです。(二人の息子はペガサス)それが「自分の髪はアテナイの髪より美しい」と自慢した為に彼女の怒りをかい美しい髪ですら、一本一本を蛇に変えられおぞましい姿の怪物ににされてしまいます。(女の嫉妬です。)
おぞましい姿だけでも問題ですが、彼女の顔を見ると石になるとされ恐れられ、やがてペルセウスによって退治されます。(首を切り落とされて・・・。)
その後アテナイはその首をペルセウスから受け取り自分の山羊皮の楯アイギスにはめ込んでメドゥーサの力(見たものを石に変える力)を取り込むのです。
私達が通常知っている話はこれだけですが・・。
地母神信仰によればギリシャ神話以前のメドゥーサが豊穣の神としてあがめられていたと言う事がわかりました。
この東地中海からエーゲ海ではメデューサは豊穣の女神として、頭に蛇を持っていたのだそうです。そして地母神の頃は、畏敬の対象でメドゥーサは美しく神殿に飾られていたのに、いつしかギリシャの神々によって地母神は怪物扱いされるようになり、追い払われていなくなるのです。
こういった土着の神々を排除する新しい宗教の発生は日本にもあります。例えば八百万の神々も日本神話の中では退治されるべき存在です。
インドでは土着の神様は仏教にうまく融合され、例えば梵天は、もともと土着の信仰の創造神ブラフマー神の事で、(他にヴィシュヌ神、シヴァ神とともに三大神の1人)一番偉い神様が仏の守護者になるという扱いです。
メドゥーサはアテナイ神信仰によって格下げされたのが真実なのでしょう。
地下宮殿のメドゥーサはどこか古い神殿で飾られていたものが壊されて運ばれてきたのでしょう。ユスティニアヌス1世はメドゥーサを地下に閉じ込めたと表現する向きもありますが、メドゥーサにとっては酷い話ですね。
以下でも取り扱っています。
リンク ルーベンス作メドゥーサ(Medousa)の首
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