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セビーリャ大聖堂(Catedral Sevilla)の受胎告知
セビーリャ大聖堂には何枚かの名画が置かれています。その中で今回はフラ・アンジェリコの受胎告知を紹介です。
多くの画家が受胎告知を描いていますが、一番素朴ながら味わいのあるのがフラ・アンジリコの作品だと思います。
フラ・アンジェリコ(Fra Angelico)(1395年~1455年)
イタリア、ルネサンス期の画家
。本名はグイード・ディ・ピエトロで通称がフラ・アンジェリコ「天使のような」なのだそうです。
フィレンツェのサン・マルコ修道院のフレスコ画の「受胎告知」が特に有名
で、かつて見に行った事がありますが、 彼の名声の主たる部分は教会壁画としてのモニュメンタルな装飾と言う所にあるようです。
セビーリャ大聖堂(Catedral Sevilla)所蔵の受胎告知
こちらは移動可能な祭壇画のようです。
あちこちで見るな・・と思っていたらこの図柄を実は何枚も描いているようです。
(微妙に家の中の背景が異なっています。)
受胎告知
新約聖書において、天使ガブリエルが降臨して未婚のマリアにイエス・キリストを懐胎した事を告げるシーンをさしています。
いわゆる「 処女懐胎」と言う事で神の子を身ごもったとされる話
です。
これによりイエス・キリストの父は神であると言う事になり、誕生と同時に神の子となったわけです。
参考にウキペディアと美術書から写真をもってきました。(解像度もサイズも下げてます)
サンタ・マリア・デレ・グラツィエ修道院所蔵
コルトナー教区美術館
この3点の中ではセビーリャの作品が一番落ち着いている気がします。3点目の家の柱の構図が違うのが気になりますが・・・。
フラ・アンジェリコは、ドミニコ会に入信して、修道士をしながら、写本装飾によって芸術の道に入ったそうです。
彼の人柄を「 宗教そして、芸術以外の世俗事に全く感心を示さない敬虔な人間」とヴァザーリは伝えているようです。(本当にまじめな人だったようです。)
宗教界だけでなく、俗界にも評判が伝わり、 制作依頼に応えるべく旅をして制作
をしていたようです。その中で注文に応えて描いた作品なのでしょう。中には「派手にして」・・とか・・。
フラ・アンジェリコの作品
彼の絵画は、 テンペラ画よりも、フレスコ画と言う淡いぼやけた彩色の中でこそ、やさしさや慎み深さ、神への賛美が伺える気がします。
サン・マルコ修道院の僧坊は狭く息苦しい程の小さな穴にも似た小部屋で、その中で 清貧に甘んじながらただひたすら神の栄光を伝えるべく画業にいそしんだからなのかもしれません
。
(壁画は退色が激しく写真では表現できません。こればかりは実物を見ないと真価がわからない・・と思います。)
番外・・・「処女懐胎」の真実
前述、敢えて私が未婚のマリアと書いたのは、実は彼女は大工のヨセフと婚約中だったからです。
大工ヨセフの本業は修道士です。子孫を残す義務を果たすべく下界にいるときは大工をしていたようです。
業界から怒られるかも知れませんが、婚約中にできた子がイエスのようです。(修道士が婚約中に妊娠させる事は許されなかった。)
ただ、ヨセフはただの修道士ではなく、遡ればダビデ・ソロモン王の系譜に繋がるユダヤの王の血脈なのです。
そう言う意味においてイエスはユダヤの王である事は間違いないのですが・・。
問題はもう一つあります。
婚約中にできた彼を正当なユダヤの王としない一派がいました。弟派です。
何年かに一度下界に降りて子作りをしているのでイエスには弟がいたようです。
弟は正式な結婚の後に生まれた子です。兄派と弟派の対立があり、先に「ユダヤの王は私だ」と宣言したのがイエスのようです。
(発見された死海文書からこのように伝えられています。)
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