わたしのこだわりブログ(仮)

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2014年03月17日
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今回は鐘楼と広場の予定でしたが、カリヨン(carillon)中心になってしまいました。しょんぼり

何しろ この鐘楼は1999年に「フランドル地方とワロン地方の鐘楼群(Belfries of Flanders and Walloni)」としてユネスコの世界文化遺産に登録されている からです。
(この認定ではベルギーとフランス両国合わせて56の鐘楼が登録。)

ブルージュ(Brugge) 3 (鐘楼とカリヨン)

鐘楼(Belfort)
カリヨン(carillon)
ドラム式カリヨン自動演奏装置

ブルージュの鐘楼は単一の鐘ではなく、複数の鐘によるカリヨン (carillon)と呼ばれる楽器になって いる。

遡れば14世紀時を告げる塔の大鐘はその前哨の小さな鐘と対になって役割をになっていた。
それは15世紀~16世紀になると小さな前打ちの鐘の方は数を増し、競うように数が増えリズムを刻み、奏者があらわれ音楽になった。その カリヨン文化は17世紀に全盛を迎える。

だから カリヨン(carillon)はフランドル地方(ベルギー、オランダ)の伝統楽器 に入るのだそうだ。


pict-鐘楼 14.jpg
書き込み忘れだが、大きな鐘はDrumの部屋の下方の窓のあたり

前回も紹介したが高さ88mの3層の鐘楼には展望まで366段の螺旋(らせん)階段。
大鐘の上にドラム室があり、その上にカリヨン・ルーム、その上にパノラマを楽しむ展望テラスがある。

カリヨン (carillon)
pict-鐘楼 6.jpg

(株)カリヨン・センターの出している世界の名鐘物語によればこのブルージュの鐘楼は14世紀始めに4鐘。
1528年には11鐘となり1603年には20鐘。1631年には26鐘、1673年には39鐘と増えて行くが、
1741年に鐘楼自体がは落雷で崩壊しているそうだ。

現在のベースは1748年にブルージュで鋳造された26鐘と1969年にオランダで鋳造された21鐘が加わり47鐘のカリヨンになっているらしい

鐘(bell)の打点の玉の部分クラッパー(clapper)には金属線がついている。
pict-鐘楼 8.jpg

pict-鐘楼 7.jpg
鐘から続く金属線は音階となる? あるいは増幅器か?
とにかくたくさんの金属パイプにつながっているようだし、さらに金属線は階下のドラム室に引き継がれている。

カリヨン (carillon)
現在のカリヨン (carillon)の定義は23鐘2オクターブ以上で鍵盤で操作演奏 する。・・と言う事で楽器とされる。

しかしカリヨンの歴史を遡ると最初は人が鐘を押したりぶら下がって鐘をたたいたり・・の完全人力の手動式で始まっている。
それが 奏者が鍵盤(けんばん)(バトン)を使い、バトンを拳(こぶし)で叩いて、鉄線に繋がれたハンマーを引っ張り打鐘する バトン式カリヨン に発展してカリヨンは楽器となった
(16世紀にバトン式カリヨンはフランダースで急速に普及)

さらに時がたつと 人が拳(こぶし)でバトンをたたく部分が機械にとって変わる自動演奏型のカリヨンが誕生
原理はオルゴールのシリンダーと同じ。
ドラムについた爪がドラムが回転すると同時にレバーを押し上げ、鉄線を引っ張ってクラッパー(clapper)が鐘を打つ・・と言う ドラム式カリヨン自動演奏装置 である。

この ドラム式カリヨン自動演奏装置の開発は時計の発展にともなって誕生 している。
時計と連動して設定時間にドラムが回転して自動演奏するシステム だからである。

ちょっとわからないのはその動力源であるが・・。(見てこなかった)
時計だけの動力源なら17世紀には分銅(ふんどう)型から振り子(ふりこ)型の時計に変わってきているが、こんな大きな重そうなドラムを回転させる動力源には足り無いような気がするからだ。
(まさかドラム自体を手動で回していた? もちろん現在は電気だろうが・・。)

いずれにせよこのブルージュの鐘楼はどうやらバトン式カリヨンとドラム式カリヨン自動演奏装置の二つを併せ持っているようだ
それだけ時代が古い・・と言う事と、うまくメンテして今に残されている・・と言う意味で貴重なのである。

カリヨン自体の進化で言えばこの後動力が電気に代わり、 ロールテープ式自動演奏装置 と言う機械に代わり、さらに現在ではコンピューター制御の カリヨン・コンピューター と言う形式が生まれている。

ドラム式カリヨン自動演奏装置
pict-鐘楼 11.jpg

カーテンか? すだれに見える金属線の先がドラム頭上に・・。それはオルゴールの櫛歯(コーム)にあたる。
pict-鐘楼 9.jpg
このドラムはオルゴールのシリンダーにあたる部分と同じである。

因みに オルゴールはカリヨンから誕生 したそうだ。
17世紀頃のスイスの時計職人がカリヨンのドラムを小型化したシリンダーを造り、鐘の代わりに金属片のピン(コーム)に変えた。
(動力はゼンマイ。)

pict-鐘楼 10.jpg

巨大な歯車は時計と連動
pict-鐘楼 18.jpg

時々バトン式カリヨンはカリヨネア(carilloner)により演奏される。
pict-鐘楼 12.jpg
昨年撮影分には演奏写真が無かったので数年前の演奏写真を持って来ました。
「Schenking」は寄付の意

手動演奏のキーボードには手鍵盤(てけんばん)と足鍵盤(あしけんばん)があり、それらはワイヤーで鐘まで繋がっている。 ピアノなどの鍵盤と違い1音にかなりの力を込めてたたかなければならないらしい

オランダとベルギーには演奏者、カリヨネア(carilloner)を育てるカリヨン学校もあるそうだ。

pict-鐘楼 19.jpg

ところでカリヨンは鐘。金属である。かつては青銅?
ナポレオン占領下にはフランスの貨幣鋳造用に鐘を供出(きょうしゅつ)させられ、 鐘(かね)が金(かね)になった時代が ある そうだ
(その時、フランダース地方の7割近くの鐘が取り上げられ、フランス硬貨300万枚になったとか・・。)

侵略戦争などの影響もあり、17世紀に全盛を迎えたカリヨンは幾度も危機が訪れる。
特に供出でカリヨンが消えた時代にはカリヨンの鋳造の技術も途絶え、カリヨン文化は絶滅の危機 に瀕したと言う。
(ただの鐘ではない。 音階がそれぞれあるので鋳造の技がいるそうなのだ 。)

現在あるのは近年のカリヨン文化再興のたまものらしい。

Panorama(展望)
pict-鐘楼 13.jpg
落下物防止の為? 金網がかかりどうしても撮影のジャマになっている。

すぐ真下のマルクト広場は見えないが隣、市庁舎のあるブルグ広場が見える。
pict-鐘楼 15.jpg
市庁舎の裏側に運河が流れている。

上の写真を少し右に・・。
pict-鐘楼 17.jpg
観光船の出ている縁。観光客が真っ先に訪れ写真を撮る場所である。
運河はそこから右に曲がっている。(運河についてはまたクルーズで紹介予定。)

さらに右。調度南の方角
pict-鐘楼 16.jpg
左が聖母教会
矢印・・・ペギン会修道院
右が救世主教会

ブルージュ(Brugge) つづく
リンク ​ ブルージュ(Brugge) 4 (マルクト広場)

番外、ブルージュ(Brugge)の高級レストラン
リンク ​ デュック・ドゥ・ブルゴーニュ(Duc de Bourgogne)






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Last updated  2020年09月24日 22時14分01秒
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