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汐梨、「あ、お茶淹れるわね。」睦美、「あ、すみませ~~ん。」既に、数分前にまでの宮前と麻友とのムードは搔き消されていた。キッチンに汐梨、いきなり、「あ。そうだ。ねね、睦美さん、もしかして、紅茶って好き…???」その声に睦美、「あ、えぇ。たまに飲みますけど。」汐梨、キッチンのカウンターに置いたバッグの中から、「あのね~~。セレモニーの同僚からの頂き物。ダージリンティ。」睦美、「わぁ~~。」汐梨、睦美にニッコリと。「飲んじゃう…???」睦美、ニッコリと。「えぇ。はい。」芙美花、「あん、おばちゃん、私にも~~。」汐梨、「んじゃ、この際、みんなで。で、今日は炒飯だからね~~。睦美さん、食べてかないと駅まで送りませんから。」意地悪そうな声とニッコリとした顔で。睦美、ペコリと頭を下げて、「はい。ご馳走になります。すみません、いつも。」「とんでもない。近い将来は、ここで睦美さんの料理が食べられ条件としてですから。」また睦美、顔を真っ赤にして目をパチクリと。芙美花、睦美を見て、「はははは。」耀司は耀司で、「よぅ、喋るわ。」汐梨、「あ、そうそう。睦美さん。セレモニーのみんなが口を揃えて言うんだけどね~~。」その声に耀司、「ん~~~???」睦美も、キッチンに振り返って、「あ、はい。」芙美花、「うん…???」汐梨、トレイに紅茶のカップを。「ほら、結婚式の時の。」睦美、木守を見ながら、「えぇ、はい。」「まま、睦美さんが元ピアニストって言うのは私が教えて理解したから良いんだけど~~。…それにしても、凄いって。」睦美、瞬いて、「えへ…???」トレイを持ちながら汐梨、リビングに。耀司、汐梨を見て、「どういう事…???」芙美花も、「うんうんうん。」汐梨、「まま。」カップにお湯を注ぎながら、「まままま。元ピアニスト。出身地は韓国。でぇ~~。今は~~。私と兄の家の近くにある音楽教室に勤務している人って、話したのよね。」睦美、コクリと、「えぇ。」耀司、「まぁ。確かに。ある程度の情報は、話しておかないと。なぁ。信用問題に。」芙美花、父を見て、「え…???…そうなの…???」耀司、芙美花に、「まっ。いろいろと社会的に事情が、ある訳で。」汐梨、椅子に座りながら、「まっ。とどのつまりが、良くぞこの短期間でそんな、花嫁の超難問リクエストに応えられた、でぇ~~。話題になったんだけど~~。」そして汐梨、照れながらも、「まま、私の、ある意味の、ファインプレー。」舌をチロリと。途端に耀司、汐梨を見て、「…てか、おま、わざわざそれを言いたくって~~???」僅かに眉間に皺を。汐梨、下唇をビロンと。けれども、「…な訳ないでしょ。…ってか、何。結局は睦美さんのMVP的結婚式だったんだから~~。」いきなり睦美、「え…???…いや、そんな。」間髪入れずに汐梨、「てかさ。睦美さん、物凄い評価よ。セレモニーで。」睦美、目を真ん丸にして、「え…???」「彼女だったら、彼女がOKなら、ウチの専属になってもらっても。って、話まで出て来たんだから~~。音楽教室してても出来るんじゃないのって…。」途端に耀司、「おほほほほほほ~~。…って、専属ピアニスト。」芙美花も、「凄~~い。」睦美、ますます目を丸くして、「うそ~~~。」汐梨、口を明太子みたいにして眉間に皺を。「ううん。ホント。それだけの価値はあるって。まぁ~~。本人からの許可を得て~~。ホームページに、お客様のリクエストにて元ピアニストのピアノ生演奏もご用意しておりますって。支配人が。」いきなり耀司、「いやいやいや。凄ぇなおぃ。」そして睦美に、「何とも。睦美さん。はは。」高井戸の隣で睦美、口に両手を当てて、「そんな、私~~。」汐梨、「いやいやいや。でも、それだけの評価は当然よ。だって、新郎の両親からもあんなに喜ばれて。…で、次の日なんてまた新郎の新婦がわざわざ菓子折りまで持って、支配人に。思い出に残る結婚式。とにかく生のピアノの素晴らしさ、圧巻でしたって。」睦美、「え~~~~。」まだ口に両手を当てながら。「でぇ~~。」汐梨。「そんな話になりながらのみんなからの質問。」思わず睦美。目をパチクリと。「あ、はい。」「どうして、あんなに簡単にピアノが弾けるのか。…でぇ~~。どうして、あんなに古い曲も知っているのか。しかも、あんなに見事に弾けるのか、それが質問。と、言うか、みんな、信じられないって。まっ。それだけ凄かったってのも、あるんだけど。」耀司、「あ、まっ。確かに。うん。そう言われれば、まま。睦美さんが韓国の大学でクラシック。だから、芙美花の定期演奏会の曲も聞いて分かったのは、まっ。当然かと思うけど。で。」顔を傾げながらも、「ジャズが好き。…でも、それだけであんなに…???…とは、思うよね。しかも。ほら、余興のあの、男性ふたりのアレンジ…???」 ママでいい…。 vol,220. 「MVP的結婚式。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.28
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汐梨、ふたりにニッコリと、「睦美さん。」瞬間、耀司、嬉しそうに、「おや。」芙美花もニッコリと、「あは。」汐梨、玄関に、そして、入ってきた睦美を見て、「ふふ、いらっしゃ~~い。」睦美、「こんにちは~~~。」汐梨、「あら、素敵な手袋。」睦美、「あぁ。へへ。おかあさんの手編みなんですけど。」その声にいきなり汐梨、目を真ん丸に。そして口をアルファベッドの「O」の字のように、「へぇ~~。上手~~~。」睦美、ニコニコと、「昔から編み物好きだったみたいで。」汐梨、「凄いよね~~。さささ。どうぞ、どうぞ。」睦美、「あ、はい。」左手に何かしら手提の紙袋を。リビングに。いきなりバセット、「ワン。」その拍子で麻沙美も目覚めて、「へっ…???」そして眞鍋を見るなり、「眞鍋のおねえちゃ~~ん。」いきなり起き上がる。バセットも起き上がり、すぐさま睦美に。そして甘えるように、睦美に二本足になり睦美に凭れるように、「クゥ~~ン。」睦美、「はは。バセット~~。こんにちは~~。」睦美もバセットを抱き抱えるように。耀司も芙美花も汐梨も、そんな睦美とバセットの光景を見て目を真ん丸に。そして、それぞれが、「凄~~い。」睦美、バセットの頭を撫でながら、「うんうんうん。いい子、いい子。」バセット、すぐさま、「ワン。」そして睦美にねだるように睦美の大腿に鼻を擦り付けるように。そして、そのまままた自分の定位置に。耀司、バセットと睦美を見て、「いやいやいや。凄いな~~。」汐梨、「正に。」芙美花も、「うんうんうん。ほんと。いや…。…って、言うか、バセットが、こんな風に人に甘える仕草って、まず有り得ないんだけど。」汐梨、「あん。私になんて全然。」耀司、「まぁな。バセットがここに来た時なんて祐里子の溺愛で、絨毯の上で一緒にじゃれ合っていたくらい…???…けど、あれから10何年も、そんなのって~~。まっ。芙美花と麻沙美にだけだけどね、あんな仕草は。」睦美、持っていた紙袋をテーブルに。「あ、これ…、ドーナッツ。何だか、期間限定で今日までらしくって、衝動的に買っちゃいました。みんなで食べようかなって思って。」紙袋から箱を出して中身を。芙美花、「わぁ~~。はははは。美味しそう~~。」そして、麻沙美に、「麻沙美~~。ほらほら~~。」麻沙美も、「わぁ~~~。」汐梨、「いつも、いつも、ごめんなさいね~~。」ペコリと頭を下げて。そんな汐梨に睦美、両手をヒラヒラと。「いえいえ。私の方こそいつも甘えてばっかりで~~。」汐梨、睦美に睨み付けるように、「いいぇ~~。とことん、甘えちゃってください。その方が私たちには嬉しい限り~~。」そして耀司に、「ねぇ、兄さん。」いきなり振られて耀司、くすぐったいような顔ににやけた表情で、「えっ…???…あ、は。ははははは。まぁ。」いきなり汐梨、「な~~に、照れちゃってるんだか~~。将来の奥様に~~。」瞬間、耀司、汐梨に、「おぃ。」と、言いながらもいきなり赤面。睦美も目を真ん丸にして、「え…???…木守さん、そんな。」そして真っ赤に。汐梨、「あん、だから~~。私の事は汐梨でいいの。そして、兄さんの事は、耀司でいいの。」そして耀司を見て、また、「ね、兄さん。」増々赤くなる睦美。目やり場に困ったような。耀司は耀司で、赤くなったままで、頭を掻きながらも、「あ、いや…。うん。別に。…まっ。俺はいつも、睦美さんって言ってるから。」汐梨、目を丸く、両手をパン。「あ、確かに~~。ん~~。じゃあ、ふたりとも~~、付き合ってるんだから~~。睦美さんも兄さんの事、耀司って呼んでください~~。…ってか、ふたりとも、ライン、してるんでしょ…???」いきなり耀司も睦美も、「あ。」そして、顔を見合わせて…。睦美から、「あ、え、えぇ。…一応…、夜…、とかには…。」いきなり芙美花、目を真ん丸に、「えっ…???…ほんと…???…やってるんだぁ~~。わははははは~~。」ニコニコと口に両手を。睦美、恥ずかしそうに、「え、えぇ~~。」「…って言うか。」いきなり芙美花、「その手袋、超~~可愛いんですけど~~。」バッグにサラリと置かれた手袋を見て。汐梨も芙美花に、「でしょう~~。手編みの手袋なんですって。睦美さんのおかあさんの手編み~~。」芙美花、「え~~~。凄~~い。」そして睦美に、「ねね、見せて、見せて~~。」睦美、ニッコリと、「はい、どうぞ~~。」「へぇ~~。」芙美花、「いいわ~~。」そして睦美に、「ねね、当ててもいい…???」睦美、ニッコリと、「はい。どうぞ。」芙美花、手袋に手を。「わお。良い感じ~~。何だかあったかくって柔らかい。…で、優しい感じ~~。」芙美花、そのまま両頬に当てて、「気持ちいい~~。」汐梨も耀司もニッコリと。 ママでいい…。 vol,219. 「手編みの手袋」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.27
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耀司、コクリと。「そういう事。」「…って、どういう事…???」すぐさま汐梨。「つまりは~~。」耀司。「杉並に転職して来たって訳。」汐梨、いきなり目を真ん丸に。「うそ。」「ほんと。」汐梨、今度は口を大きく開けて仰天するような顔で、「うっそ~~。」「…で~~。それも祐里子そっくり。」芙美花も頷きながら、「うんうんうん。」汐梨、芙美花を見て、「マジ…???」耀司、「…で、それが~~。」話し出す耀司。話を聞きながらの汐梨、口を噤んで眉間に皺を寄せながら、「うんうん。」芙美花は芙美花で、テーブルに左手の上に右手を。そして顎を乗せながらバセットに凭れて眠っている麻沙美を見ながら。汐梨、話を聞きながら、「いや。え~~~ぇえ~~???」耀司、「…でね。」汐梨、「うそ。凄~~~。」耀司、「…でぇ~~。そんな側面もありで~~。」汐梨、聞きながらにして、「あっちゃ~~~。マジ。」耀司、「そぉ。マジ。…でぇ~~。…とどのつまりが、ウチに来た。と。」汐梨、「いやいやいや。え~~~ぇえ~~???」芙美花、叔母を見て、「凄いよ。物凄い、おかあさんそっくり。」その声に汐梨、コクリと。「うんうん。まぁ。確かに、そうでしょう。私だって、チラッとしか顔、見てないけど、うそ、義姉さん…???…って感じだったから。…って言うか、いやいやいや。どういう事~~~???…こういうのってあり…???」耀司、「ふん。まっ。ありなんじゃない…???…って言うか、実際、師長も驚いたくらいだから。」汐梨、いきなり耀を見て、「え…???…どういう事…???」「ふん。つまりは~~。俺も祐里子と付き合うその前の話しね。」汐梨、コクリと。「うん。」「看護学校を卒業して~~、杉並総合で働く事になった訳じゃん。その時点で師長がビックリしたんだって。」汐梨、「はっ…???」「つまりは~~。看護学生だった祐里子の書類、所謂、履歴ってものが病院に渡る訳でしょ。その時点で師長がそれを見てうそって。いや。つまりは、自分の従妹そっくりの人だったからよ祐里子が。」話を聞いて汐梨、口を大きく開けて、「あ、あ、あ~~~。そういう…、事かぁ~~。んんん、まぁ…。確かに。そぅなっちゃうね~~。ん~~~。」芙美花、「もぅ~~凄かった。何かさ、時々、微笑むんだよね。そん時なんかもぅ~~、おかあさんそっくり。私なんて、泣いちゃいそうになって。…なんか、涙が…。」そんな芙美花を見て汐梨、「ん、ん~~。確かに、そうなるか~~。…で…???」今度は耀司を見て、「どうして、いきなり。」その声に耀司、いきなりぷ~~たれた顔をして唇を尖らせて。そんな耀司の顔を見て汐梨、思わず右目を歪めて、「うん…???」耀司、チラリとだけ汐梨を見て、「ふん~~ん。」また汐梨、耀司を見て、「うん…???」そして今度は芙美花を見て、眉間に皺を。顔を傾げて、「うん。」芙美花、思わず僅かに顔をチョコンと前に。汐梨、そんな表情の芙美花にも、顔を傾げて、「うん…???」そして、「はっ…???」僅かに沈黙。…そして…、さすがに汐梨、テーブルを左手で、ペン。「ねっ、ちょっと~~。」耀司、そんな汐梨を見て、また、ぷ~たれた顔をして、「ふん。」「…って言うか、兄さん。」そして芙美花を見て、「芙美花。」耀司、今度は腕組みして、顔を僅かに下に、「ん~~~。」汐梨、途端に、「え…???」また僅かに沈黙。汐梨、耀司と芙美花を見て。そしてまた耀司を見て、またテーブルを左手でペン。「…って、ちょっと~~~。」耀司、いい加減に、「要するに~~。」腕組みしたままで、右見て、左見て、天井を見て、「ん~~~~。…つまりはさ。」芙美花をチラリと見て、「…友達になってくれって。」いきなりの声に汐梨、瞬き、「はっ…???」芙美花も顔をコクリと。「うん。おとうさんと友達になってくれって。で、私にも、おかあさんみたいに接してくれって。」いきなり汐梨、またまた瞬きをして芙美花を見て、「はっ…???…おかあさんみたいに接して…。」耀司、すぐさま、「あ~~。」そして話し出す。「なんでも…???…その人。坂下麻友さん…???…あまり…、って、言うか、殆ど話さなかったけど、師長の方が、その人と、友達になってくれって。まっ。スマホでね。俺と芙美花のライン、交換。」またまた汐梨、「はっ…???」耀司、口を大きく、「要は~~。」そして今度は口を閉じて、「ん~~~~。その人ってさぁ。友達が、いないんだって。」汐梨、途端に目を真ん丸にして、「はっ…???」その時、いきなりチャイムが。その音に3人共に、「うん…???」すぐさま汐梨、モニターに。「は~~い。」そして顔を見て、「あ。」すぐさまニッコリと。「ふふ、うんうんうん。開いてるからどうぞ~~。いらっしゃ~~い。」インターフォンから明るい声が、「お邪魔しま~~す。」 ママでいい…。 vol,218. 「…友達になってくれって。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.26
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「そんなもんですかね~~。」耀司、さっき座った椅子とは別の自分のいつもの椅子に。芙美花もいつもの自分の椅子に。そして、「あん。まだドキドキしてる~~。」汐梨、キッチンの中で冷蔵庫に食品や食材を仕舞いながらも、「女性としてはねぇ~~。ある意味、匂いって言うのは女性には敏感。と、同様に、ある種の武器にもなる。そして。常にアンテナを張っているものでもある。」その声に芙美花、キッチンを見て、「え…???…そうなの…???」「そうよ~~。」冷蔵庫のドアを閉めて芙美花に。「あん。芙美花はまだ分かんないかも、知れないけど~~。旦那様が家に酔っぱらって帰ってきて~~。奥様が旦那様の上着を受け取った瞬間。いや。」汐梨、僅かに顔を傾げて、「旦那様が酔っぱらってきて~~。奥様がおっかえり~~って、旦那様の背中から抱き付く。そん時に旦那様の上着から女性の香水の匂い。奥様が言う、何…???…この香水の匂い。な~~んてね。そんなんでも、旦那様が浮気をしている事に気付く。旦那と酔っぱらってて、気付かないけどさ~~。」芙美花、その話に、「あ~~~、うんうんうん。映画やドラマでもあるよね、そういうシーン。」汐梨、手を洗いながら、「そうだよ。の、反対に~~。男性にわざと自分の匂いを擦り付けて奥様に分かるようにして、浮気をそそのかす。でぇ~~。この人は奥様より私の方を愛している。でぇ~~。家庭崩壊。離婚に突き進んで、その男性は妻と別れて愛人と再婚するって。そういう武器にもなる。」耀司、しかめっ面をしながら、「何を馬鹿な事を。それは~~。映画やドラマの中での話だろ。」汐梨、耀司に、「だから~~、兄さんは鈍感だって~~。映画やドラマでやってるって事は~~。実際に、現実でも起きてる事でしょうが~~。それを映画やドラマではフィクションとして扱ってるって~~。じゃなかったら、法律事務所なんかで、浮気調査なんてやんないでしょう。」そこまで言って汐梨、「まっ。ウチの勝臣、パパの場合はね~~。職業上、いろんな人と~~。だから、とにかく、いろんな匂いがする。キツイ匂いや甘い匂い。」芙美花、「へぇ~~~。」汐梨、自分のコーヒーを淹れながら、「まっ。あれだけ匂いがバラバラだと、逆に、お仕事、ご苦労様って事になるけど。…ん~~。たまには~、うん…???…この匂い、何か上品。ほほ、良いセンスしてんじゃん。な~~んて事も、あるけどね~~。まっ。そん時はパパに、いい匂いねって逆に聞いちゃうけど。そん時はパパ、正直に、当然です。化粧品会社の人だからね~~。って、そこからまた会話が弾む~~。ってね~~。…んで、次が~、今度は、恐ろしくキツイ匂い。完璧に年配のおばさんの匂い。かかかかか。また添乗お願い~~って、抱き付かれた~~。なんてね。」耀司、「いやいやいや。恐れいりました。」冷めたコーヒーを一口。「それにしても、はは、勝臣君も大変だ。とにかく、老若男女。」「まっ。兄さんの場合はね~~。ここに来るときなんて、とにかく、義姉さんの匂いしかしないから。」耀司、「そういうもんですかね~~。」間髪入れずに汐梨、目を真ん丸にして、「呆れた~~。兄さん、義姉さんの匂いって、知らないの…???」いきなり耀司、右手を振って、「いやいやいや。知らないって言うか、本人が目の前にいるんだもん、それだけで。」汐梨、芙美花の隣の椅子に座って、「まぁ、そんなもんでしょ。で…???…何だったの、ふたりで…。」その声に耀司も芙美花も、「あ。」「あ、あ~~~。」少し困ったような…。汐梨、そのふたりの表情を見て、「うん…???」耀司、すぐさま腕組みをして、顔を上げて息を吸って、「な~~んともな~~。」そしてキッチンの方を見る。芙美花は芙美花で、こちらも冷めたコーヒーカップ口を。汐梨、そんなふたりを見て、眉間に皺を。「何…???」耀司、背中をガッシリと椅子に。「友達になってくれって。」芙美花も、「おかあさんそっくりな人の、友達になってくれ。」コーヒーカップを口に付けたままで叔母を向いて。汐梨、キョトンとした顔で、「はっ…???」そして、瞬き。「え…???…何それ…???…友達になってくれって、はい…???…どういう事…???」汐梨、芙美花に、「ねっ、芙美花。」芙美花、叔母のその声に、思わず下唇をビロンと。汐梨、今度は耀司に、「ねっ、兄さん。」耀司、腕組みをした腕を頭の後ろに。「あん…???」汐梨を見て、「あぁ。つまりは~~。」そして耀司、今度は手を放して体をテーブルの方に、「あんな…。つまりは~~。師長と一緒に来たその、坂下さん。麻友さん。今、師長が働いている杉並総合病院で働いているんだって。」その声に汐梨、コクリと、「ふん。」瞬間、「うん…???」目を右に。眉間に皺を。「え…???」そして。「…って事は、義姉さんと同じ、杉並に…???」 ママでいい…。 vol,217. 「匂いって言うのは女性には敏感。と、同様に、ある種の武器にもなる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.25
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ふたりにニコニコとお辞儀をしている耀司。そしてその隣でもお辞儀をしている芙美花。そしてひとりの女性を見て汐梨、車の運転席から、「えっ…???…もしかして、宮前…師長…???…で、何、あの人…???…って、お義姉さん…???…まさか。」瞬きながらも汐梨、ガレージの前まで。そんな車の音に気付いた耀司と芙美花、ふたり同時に車の方を見て、「あ。」宮前と麻友も、そっちの方を。汐梨はガレージの方に車を。少し慌てながらも…。宮前、「あの人って…。確か、運転しているのって、女性。」耀司、「麻沙美の母親です。妹の。仕事が終わってウチに。」芙美花、ニコニコしながら、「それこそ、おばちゃんです。」宮前、頷きながらも、「あ~~。うんうんうん。汐梨さん。木守さん。」耀司、ニコリと、「えぇ。」宮前、コクリと。「じゃあね。また。」麻友、丁寧にお辞儀をして。耀司、「あ、はい。いつでも。」芙美花も、「ありがとうござました。」ペコリと。宮前と麻友が歩き出し、そして遠ざかって行く。バッグを肩に掛けてコンビニの袋を両手に汐梨、息を吐きながら、「ねね、今の人って。」耀司と芙美花、「あぁ。」「おばちゃん、おかえり。」芙美花に汐梨、「うん。ただいま。ねね、今の人。」芙美花、叔母に抱き着きながら、「もぅ~~~、ビックリしたよ~~。」いきなり芙美花に抱き着かれて汐梨、目をパチクリとさせながら、「え…???…え…???」芙美花、また目に涙を溜めて、「おかあさん、そっくり~~~~。」汐梨、瞬きしながらも、「え…???…え…???」そして、耀司を見て、「に、兄さん…???」耀司、口をグンニャリと。そして僅かに顔を傾げて、「ん~~~。」そして、「あ、ほら。前に言ったじゃん。俺がスーパーにマヨネーズを買いに行った時の話し。」芙美花、ようやく叔母から離れて…。汐梨、耀司を見て、「マヨネーズ…???…スーパー…???」汐梨、目をキョロキョロと、そして、また瞬き。顔を傾げて記憶を…。「あ、あ~~。うんうんうん。睦美さんが来て。」耀司、「あぁ。あの時、スーパーでバッタリと師長に会ったんだよ。」汐梨、コクリと。「あぁ、うんうんうん。確かに。マヨネーズひとつ買うのに何時間って…。」耀司、「そん時に、師長と一緒にいた人。いやいやいや。俺だってビックリ。祐里子と瓜二つ。そっくりだったから。」汐梨も、「うんうんうん。運転席から見たけど、うそって。」そして耀司、既に数十メートル離れたふたりの女性の後ろ姿を見ながら、「師長の従妹。麻友さんって言ったかな…。苗字が…。え…と~~。…確か、坂下さん。うんうんうん。」頷きながら、「坂下麻友さん。麻の麻に、友達の友。おっと。」耀司、汐梨の持っているコンビニの袋を持って。汐梨、「あん。うん。」そして、「あ、いや。チラリと見ただけだけど、いや。正にお義姉さん。」耀司、「うん。ありゃ、ほんと、祐里子だわ~~。」芙美花もコンビニの袋を持って、「とにかく、そっり。」汐梨、「あん。ありがと。」そして、「で、何々、どういう事…???」玄関に3人。汐梨、「麻沙美~~。帰ったよ~~。」その声に麻沙美、バセットからバンと起き上がり、「ママ~~~~。」バセットも玄関の方に顔を。そして、「ワン。」ノッソリと起き上がり玄関に、麻沙美の後を。汐梨、耀司から話を聞きながら、「へぇ~~。あん。麻沙美~~。ただいま~~。」麻沙美から体に纏わり付かれながらも。「はははは。」「ママ、おかえり~~。」汐梨、バセットにも、「バセット、ただいま。」バセットも、「ワン。」「で、何々、お義姉さんに、お線香。…しかも、ふたりで。」耀司、コクリと、「そう。」芙美花も、「玄関に来てビックリ。おかあさんって、私、思わず声に出てた。」汐梨、「へぇ~~~。」リビングに入って。「うんうんうん。確かに、違う匂い。」耀司、その声に、汐梨に、「はい…???」汐梨、耀司に、「え…???…って、馬鹿ね~~。」そこまで言って耀司に、顔を傾げて、「あん。兄さんには分かんないか。匂いだよ、あのふたりの。」耀司、思わず、「あ、あ~~。」汐梨、「睦美さんのとは全く違う。」耀司、その声に、両眉を上に。「そうなんだ。」汐梨、右目を歪ませて、「たく。」けれども、また顔を傾げて、「あん。でも、分かんないか、1年も大人の女性がいないから。まっ。芙美花はまだ若いから、香水なんて。石鹸の匂いだもんね~~。」芙美花、その声に椅子に座って、「あはははははは。」汐梨、「睦美さんの匂いは柔らかい感じの匂いで、まだまだ若いって感じがあったけど。今は全然違う。何か落ち着いてる。僅かに病院の匂い…???」耀司、汐梨を見て、「…って。凄ぇな。」間髪入れずに汐梨、耀司に、「当たり前でしょ。…んなもん、普通~~。」 ママでいい…。 vol,216. 「兄さんには分かんないか。匂いだよ、あのふたりの。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.24
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宮前、芙美花を見てにこにこしながら、「うんうんうん。さすがは芙美花、申し分ない。」宮前、麻友を見て、「どぉ…???…芙美花。」いきなり振られての麻友、右側の女子を見て、微笑みながらコクリと。そして、にっこりと、「よろしくね。」その微笑みに芙美花は、いきなり目頭が熱く。思わず、目を瞬いて顔に両手を。そして、目尻から涙が。宮前、そんな芙美花を見て優しそうな目を。「うんうんうん。いいのよ、芙美花。」その声に耀司、「えっ…???」そして芙美花を見て…。そんな芙美花を慰めるように見る耀司。宮前、耀司に、「耀司~~。芙美花のためにも、麻友と。」麻友を見て、「友達になって。仲良しになってくれれば…。」麻友、初めて、体を前に。頭を下げながら、「よろしく、お願いします。」体を元に戻す。耀司、少し困惑したような表情で、右手で頭を撫でて、目をキョロキョロと。そして、「参ったな~~。」芙美花、ようやく顔から両手を放して、目尻から零れた涙を両手で拭って、鼻水を啜って小刻みに顔を左右に、そして父を見て、「ごめん、おとうさん。」そんな芙美花を見て耀司、口を噤んで、「う、うん。あ、いや。」宮前、両目を丸く、そして息を吸って、「ん~~~。いきなり来て、いきなり友達になって、よろしく、お願いねって、こっちの方から、ほんとにゴメンね。しばらくぶりの高井戸家。多分、祐里ちゃんも、全然来ないで何してんのよ~~って、怒ってるかも知れないって思って。本当に申し訳なかった。この通り、謝る。」耀司と芙美花の前で深く頭を下げて。いきなり耀司、左手を出して顔を振って、「あ、いやいやいや。そんな…。師長に頭を下げてなんて、とんでもない。来てくれただけでも、うん。」芙美花を見て、「なぁ~~。」芙美花も、少し顔を落としてコクリと。「う、うん。」宮前、「さてと。」麻友を見て、そして耀司を見て、「私たちは、これで、そろそろ。」耀司、そんな宮前を見て、「あ、師長、ごめんなさい。何もお構いも出来なくって。」その声に微笑みながら宮前、椅子から立ち上がりながら、「あはははは。いいのよ~~。いきなり私たちが押しかけて来たんだから~~。そんな~~。はははは。」そして。「ただ~~。はははは。なんか、意地悪だけど~~。ん~~~。…とにかく、会いたかった。物凄く。でぇ~~。この人、麻友が。」麻友を見て、「ウチの病院に来てくれて~~。ほんとに嬉しくって、有難くって。それに、何よりも~~、耀司と芙美花に紹介したかった。…って言うのが私の本音。」そして、何かしら宮前も薄っすらと目に涙を。「とにかく、麻友をあなたたちふたりに合わせたかった。」グスリと鼻を啜るように。そして、「へへ。」芙美花、宮前にコクリと。そんな芙美花を宮前、「ははは。」そう言って芙美花を抱き締めて。「会いたかった~~。」芙美花も宮前を抱き締めながら、「うん。宮さん、ありがとう~~。」宮前、芙美花を抱き締めながら、「うんうんうん。これから受験勉強、頑張んな。」芙美花から離れて、「まっ。何なら、麻友から勉強見てもらうのもありかな~~、なんて、思えるけど。名門医科大卒だから。」その声に麻友もニッコリと。「お望みであれば、何なりと。」ペコリと女子に。宮前、麻友を見て、「どうせ友達もいないから、オフは完璧にオフになってるし。…とは言え、ひとりで食事しても、飲んでも、何でかな~~。奇麗な割には、近寄り難いって、そんなオーラがあるのかないのか…。そのお蔭で、男っ毛が全くない。」芙美花、女性を見て宮前を見て、「そんな~~。」「まっ。そんな訳で~~。麻友の家に行けばいいけど。アパートではあるけど、結構広いし、しかも奇麗好き。それこそ、祐里ちゃんじゃないけど、家事は当然ながら、料理上手。もし結婚したら良妻賢母間違いなしって。」いきなり麻友、恵理子に、「おばさん。」そんな麻友を見て宮前、クスクスと、「はははははは。ちょっと、喋り過ぎたね~~。」そして、「ま。とにかく、いきなり押し掛けて来て申し訳ない。」立ったままでまた耀司と芙美花に深く頭を下げて。「いやいやいや。」耀司。「だから、それはよしてくださいって~~。そんな~~。」宮前、「ははは。うん。じゃ。今日が良い機会って思ってる。」リビングから歩き出す宮前。それに合わせて麻友もふたりに丁寧にお辞儀を。ふたりの後から耀司、そして芙美花。芙美花、「ごめんね。何も出来なくて。」宮前、右手を挙げて、「ううん。大丈夫。でも、会えて良かった~~。」ふたり共に玄関に。そして、ドアを開けてアプローチを。そして、通りに。その時、車がガレージに。運転席から汐梨、「あれ…???…誰か…。」そして、ふたりの女性を見て、「うそ。あれって…???…お義姉さん…???」 ママでいい…。 vol,215. 「もし結婚したら良妻賢母間違いなしって。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.23
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「あん。…って言うか~~。」宮前、「耀司、芙美花。どっちからでも自由に麻友にライン。いつでもいいからね~~。じゃないと。」麻友を見て、「この人からはまず連絡はないって思うから。そういうのって、全く奥手。特に芙美花、あんたからのラインなんて、とにかくウェルカム。」その声に芙美花、思わず赤くなって、「え…???…あ、あ、あ。…あははははは。」思わず縮こまる。宮前、「おかあさんみたいに接してあげて。ほんと、私からお願い。…って、図々しいとも思うんだけど。」そして宮前、後ろのキャビネットの写真を見ながら、「祐里ちゃんが亡くなって~~。病院もバタバタと~~。とにかく、祐里ちゃん、優秀な看護師で主任だったからね~~。その人がいなくなった途端に、他の看護師たちも意気消沈。」そして宮前、耀司と芙美花を見て、「耀司と芙美花は分かんないかも知れない。そして、知らないかも知れない。」その声に耀司も芙美花も、「えっ…???」「祐里ちゃんね。あれで、相当~~。他の看護師たちの心、物凄い掴んでいる人だったの。私以上に。…だから、私はそんな祐里ちゃん。表現は悪いんだけど、おんぶにだっこ。看護師たちとのコミ力は祐里ちゃんに丸投げ。それだけ祐里ちゃんは、他の看護師からも頼りにされ~、それに良き相談相手。飲み会や女子なんていつも。それに、とにかくお酒も強いでしょう~~。」耀司、「う~~ん。確かに。祐里子、酒は強かったな~~。」芙美花を見て、「まっ。美香が中学に入ってからは、家でもビールは。」芙美花も、「うんうんうん。おとうさんと一緒に。」宮前、「だから~~。祐里ちゃん、いつも他の看護師たちの相談事~~???…悩みや愚痴~~。聞いてあげてて~~。だからこそのコミ力。半端なかったも~~ん。しかも、聞いたら一切、他の人には口外しないの徹底ぶり。」耀司、話を聞きながらに、「確かに。家で仕事の話しがあったとしても、一切固有名詞、出て来なかったし~~。ただ、ネガティブな話だったとしても、まっ。何とか、応援はしちゃうけどね~~。でも、結局は、人、それぞれ。ねぇ~~。芙美花~~って、芙美花に振って。」芙美花も父のその声に、「あん。確かに、そういう事は何度も。ただ私は何が何だか訳分かんなくって、ニコニコして、いつもうんうんうん。だったけど。」宮前、「…なもんで。そんな祐里ちゃんが死んじゃってからは、正に、看護師たちの疲労感、これからどうすれば…感が…。」そして宮前、「…その、ドドドッと、その看護師たちの~~。切なる思いが…。…私の仕事が。お蔭様で~~。あれよあれよという間に、高井戸家にも疎遠になっちゃって。」いきなり耀司、にやけた顔をして左右にゆっくりと振りながら、「いやいやいや。…でも、そんな~~。」宮前、僅かに耀司を眉間に皺を寄せて、「あるのよこれが~~。女の恐い側面て奴~~。」耀司を睨み付けるような顔で。…と、瞬間、「…で。」宮前、にっこりと。「これを機会に是非、芙美花~~。麻友をおかあさんと思って、仲良くなって~~。」その声に麻友、女子を見て微笑んで、「よろしく。」その微笑みに増々顔を赤くする芙美花、「あは。あ、あ~~。はい。」頭をコクリと。宮前、耀司を見て、「あ、そっか~~。まま。耀司は~~。」顔を傾げて、「あん。でも、夫婦の時は、しっかりと、夫婦同士では、連絡。」耀司、その声に、「あ、ま、まぁ~~。それは、それで、家庭がありますから。えぇ。」「なら安心だけど。」宮前、麻友を見て、「本当のところ、耀司。この人、結婚前はまず自分から祐里ちゃんには、一切連絡しない人だったの。」いきなり恵津子を見て麻友、「えっ…???」途端に耀司、宮前に右手を出して振り振りしながら苦笑いしながら、「いやいやいや。いいでしょ、その話は師長~~。」宮前、ツンとした顔になり、「まね。一番は~~。芙美花のために麻友を耀司にも紹介したくって~~。…とにかく、芙美花が可哀そ過ぎる~~。今年からは受験~~。それなのに家事も~~って。そんな。」耀司を見ながら、「自分の家の事もあるのに。例え、自分の姪の事だからって、わざわざ自分ち以外の家庭の家事をする。なんて事すら、ナンセンスよ。…て言うか~~。高井戸家の場合、家政婦雇うなんて~~。」いきなり芙美花、「だめだめだめ。お金勿体ないよ~~。」目をパッチリと宮前、口を一文字に、「に、なっちゃうよね~~。」芙美花、口を尖らせて、「あたりまえだもん。…って。私の毎日の日課だし、家の事。」途端に宮前、「かかかかかかかか。はは。さっすが~~~。芙美花。」芙美花、口を尖らせたままで、「だって、おかあさんとおとうさんと私の家だもん。」宮前、口を大きく、「アッパレ。」 ママでいい…。 vol,214. 「おかあさんとおとうさんと私の家だもん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.22
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耀司と、芙美花、頭の中で、「…どう見ても、祐里子…だよな~~。」「…何か、おかあさん、見てるみたい。…って、どう接していいか…。」僅かに…、数秒の沈黙。そして…。宮前から口火を。耀司と芙美花を見ながら、「…って言うかぁ~~。…まま。一番は…。」隣の麻友を見て、「麻友、この人。驚くほどに、祐里ちゃんにそっくり。」その声に耀司も芙美花も、ドキン。麻友も一度だけ、瞬き。宮前、「それこそ、私なんて、杉並に入ってきた新人の高井戸祐里子って、写真見ていきなりビックリしたほどなんだから~~。うそっ。って。」耀司、目を真ん丸に。「え…???…あ。」芙美花は目をしばたたかせて、「え…???…へ…???…どういう…。」宮前、「あん。芙美花は分かんないかも。つまりは~~、芙美花が産まれる前の事だから~~。」耀司、「要は…、俺も祐里子に出会う前の話し。祐里子が看護師、初めての勤務の時。…って言うか~~。その前に宮さん、祐里子の履歴。」宮前、コクリと。「えぇ。その時ね。…って、言うか。…だからこそ、今まで一度も、祐里ちゃんにすら、この事は話した事はない。…と、言うか~~。私すら、麻友と会う機会なんて…。まず滅多に。」麻友を見ながら、「とにかく、仕事一筋人間だから~~。その甲斐あって。…って言うのも変だけど~~。まずキャリアは充分、申し分なし。ないのはコミュ力と男女関係。…とは言え、患者さんにはもぅ~~。すこぶる人気。…じゃなきゃ~~。…けど、その反面、他の看護師とは、話が…、合わない。常に、仕事の事ばかり。…って言うかぁ~~。」宮前、いきなり麻友の方に左手を。「何で私ばっかり喋ってんのよ~~。」いきなり肩に手をされ、そして話を振られての麻友、ぎこちなく恵津子を見て、前の親子を見て、「あ、あ、あ、あ~~。」そして、クスリと笑顔で。その瞬間、耀司も芙美花も目を真ん丸に。頭の中で、「…祐里子。」「…おかあさん。」確かに。麻友がクスリと笑った笑顔が、亡き妻、亡き母のニコニコと笑う笑顔、そのものだった。麻友、笑顔のままで、深くお辞儀をしながら、「よろしく、お願い致します。」顔を戻しても笑顔のままで。思わず顔が綻ぶ耀司と芙美花。芙美花、頭の中で、「…あ~~~。おかあさ~~ん。」宮前もニコニコと。「まっ。そんな訳で。…って言うか、私と耀司と芙美花の間柄。私からのお願いが、利けないというのは…。」耀司を見て。耀司、いきなり右手をヒラヒラと。「いやいやいや。そんな…、滅相な…。はい。お世話になりっぱなしで。」「…と、言う事で~~。はい。ふたりとも、スマホ。」その声に耀司と芙美花、「あ。」「え。」宮前、「あん。つまりは、ライン。…って言うか~~。」麻友を見て、「前に、耀司の電話番号はメモに書いて渡してはおいたんだけど~~。」耀司、いきなり、「えっ…???…うそ。」「どうせ、この人の事だから~~。電話なんて、してこなかったでしょ~~???」耀司、目を斜め上に、何かしら思い出すように、そして顔を傾げて、「…ん…???…あ。はい…???」宮前、「な~~んか、この人ね~~。最近、何故か上の空って事、多いのよ~~。まっ。仕事の事で上の空。なら良いんだけど~~。それ以外に…???…って言うのが耀司、ホラ、スーパーで耀司とバッタリ遭った時から。」その声に瞬間、耀司、「はっ…???」芙美花はいきなり、「おとうさん…???」耀司、芙美花に、「えっ…???…あ。…って。」何とか思い出すように、「え…と…。…ん…???」両目をキョロキョロと。数秒…。そして、目を丸く、「あ、あ、あ~~~。はいはいはい。あん時~~。」芙美花に、「ほらほらほら。マヨネーズ切れそうになってスーパーに。」芙美花、右目を歪めて、「マヨネーズ…???…スーパー???」芙美花も思い出そう…。「あ。うんうんうん。あった、あった。」宮前、「あの時から、みたいなのよ~~。な~~んか、この人、妙に上の空みたいな…。」そして宮前、「だから、はいはい。ふたりとも、スマホ。」耀司、「あ。」椅子から立ち上がり。僅かに上体を前に、そして右手を前に、「ちょっと待って下さいね。」芙美花はスウェットパンツのポケットからスマホをテーブルの上に。耀司、部屋に戻って、そしてリビングに、「お待たせ。」宮前、麻友にも、「麻~~友っ。あんたもよ。」目をパチクリとさせながらの麻友、仕方なさそうにバッグから自分のスマホを。ふたりを見て微笑みながら。耀司と芙美花、またまた頭の中で、「…祐里子~~。」「…おかあさん。」宮前、ふたりに、「はいはい。ライン。」芙美花、「あ、はい。」耀司、「おっと。」宮前、麻友のスマホを持って。耀司と芙美花のラインのバーコードの上に。そして、「はい、OK~~。あん。取り合えず、今後、共によろしく。と、言う事で~~。」 ママでいい…。 vol,213. 「ないのはコミュ力と男女関係。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.21
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「あ。ところでこの人、麻友。坂下麻友。是非、耀司と芙美花に紹介したくってね~~。」宮前。麻友、ふたりに頭を下げて、「どうぞ、よろしくお願いします。」そんな女性に耀司も、芙美花も、「あ、ぁ~~。」「よ、よろしく、お願いします。」宮前、「…て、言うのも~~。麻友がウチ、杉並に転職したのも~~。ある意味、訳あっての事なんだけど~~。実はこの人、意外にも、友達がいない。」思わず耀司、「はっ…???」芙美花、目を丸く、頭の中で、「…うそ。」宮前、「ん~~。ウチに来て、1ヶ月近く、なるんだけど~~。ん~~。その割に、他の看護師との、ねぇ~~。」耀司、女性をチラリと。「あ、あ~~。」宮前、いきなり今度は恐縮するように、「私の…、口から言うのもなんだけど~~。腕は一流~~。…だから、なのかな~~。」宮前、ニコニコと、そして麻友を見ながら。麻友はその話には単に軽く微笑み、軽く会釈をするのみ。耀司、僅かに顔を傾げて、そして宮前に、「…超…一流と言うと…???」宮前、「あん。実は~~。ほほほほほ。つまりは、私より…。」瞬間、宮前、言葉を切って、そして…、「優秀…。」いきなり耀司、瞬きしながらも、「は…???…え…???」芙美花も瞬きして、「み、宮さんより、優秀…???…って…???」宮前、僅かに顔を傾げて、「まま。病院の看護師って、患者さんを相手にって言うのはまずは当たり前。病棟の看護師。」耀司、宮前を見ながら、「あ、あ~~。はい。」宮前、耀司を見て、「なんだけど~~。この麻友の実績は~~。過去の経歴から…。病棟の看護師は勿論。フライトナース、ヘリに乗って災害現場にって言うの。そしてオペ看。つまりは手術の時に執刀医と一緒にいる看護師の事。そして、災害支援ナース。それから緊急ナース。そして、最後は特定看護師。と。とにかくキャリアが凄い。」聞きながらにして耀司、目を真ん丸に。「す、凄ぇ。」芙美花は芙美花で、瞬きしながらも、顔を傾げて、「……。…って、良く分かんないけど…。」宮前、ニコニコしながらも、「芙美花には、ちょっと、分かんないかも…。つまりは~~。私や祐里ちゃん以上に、いろんな経験をたくさん積んでいるって看護師。」耀司、思わず女性に、「凄いですね~~。」麻友、にっこりと、「ありがとうございます。お蔭様で。」宮前、「なのかな~~。…つまりは。そういう…、つまりは…。過去に積んで来た実績…。どこからどう…、まっ。所謂、噂って言うのは。まっ。物凄いキャリアなんだけど~~。そういう意味でも…。あんまり、他の看護師からも…、一目置かれてるって。まま、ある意味、羨望の眼差しで見られる。…と、いうのもあるとは思うんだけど~~。…なんだ、けど~~。何故か、近寄り難い。」耀司、「なる、ほど。」宮前、「…けど、耀司、あんたの場合は、そういうのって、全然、気にしない性格。祐里ちゃんが、祐里ちゃんだったから~~。耀司はそんなの全然、どっちかって言えば、ウェルカム人間だから~~。それこそ、高井戸家の人間自体が、破天荒だからね~~。かかかかか。和歌山のお義母さんにしても、お義父さんにしても~~。私なんて、この夫婦、どういう夫婦…???…って、思ったくらい、いきなり大笑いしちゃったくらいだから~~。ウチの両親にあぁいう生き方は、まず無理。なんていうくらいだからね~~。」耀司に、「ねっ。そうでしょ。」耀司、下唇をビロンと。「ま、まぁ~~。…て、言うか、人を、上下にって、言うのは、元々、好きじゃないし。…だから、会社、立ち上げたんで。」宮前、何とも耀司を自慢げに、「それが何と、大当たり~~。」芙美花を見て、「ねぇ~~、芙美花~~。」瞬間、芙美花、ニコニコと。「あ、はい。私の、おとうさんですから。」宮前、「…ってぇ、事で。お願い。」耀司にペコリ。「麻友と友達になって。お願い。」いきなり耀司、目を真ん丸にして、「えっ…???…はい…???…って。」芙美花も目をパチクリと。そして口をアヒルのようにして。宮前、耀司に、「いきなりで申し訳ないって、思ってる。…けど、その麻友、とにかく、友達がいない。それだから~~、とにかくもぅ~~。仕事、仕事で、仕事が趣味みたいな人~~。当然、今もって、独身。恋愛経験なし。45歳。耀司、あんたの同い年。」いきなり耀司、「い゛っ!!!」芙美花もびっくり仰天の、頭の中で、「…ゲッ。おとうさんと同い年って…。」宮前、切に願う様な顔をしての、顔の前で両手を合わせて、耀司と芙美花に懇願するように。そんな宮前の隣では笑顔を絶やさない麻友と言われる女性。耀司、思わずふたりを交互に見て、僅かに口を尖らせて、そして瞬き。芙美花も顔を僅かに引っ込めての口を搾りながら…。 ママでいい…。 vol,212. 「独身。恋愛経験なし。45歳。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.20
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「…って言うか。」耀司。「それが現実。その証拠に。」耀司、顎をクィッと、バセットに凭れて絵本を見ている麻沙美に。「あの子がウチに。」瞬間、宮前と麻友が後ろを。耀司、「つまりは、汐梨が家事をやる条件として、俺が麻沙美の保育園の送り迎え。で、麻沙美が通っている音楽教室へも俺が送り迎え。で、汐梨が家事をやってくれるもぅひとつの条件が~~。芙美花が家事から解放されての、友達交流復活~~。でぇ~~。今年からの芙美花の受験勉強にも差し支えないように~~、汐梨が家事を手伝ってくれる。」宮前と麻友、目を真ん丸に。「…って言うか~~。芙美花の受験勉強の場合は~~。汐梨から、私が家事するから芙美花は勉強専念。って言われて。」宮前、耀司に目を見開いて、「それってマジ。」耀司、両眉を上下に。麻友は気付かれないように瞳だけグルリと。芙美花は芙美花で体を縮こまらせながら、ボソリと。「仕方ないもん、叔母ちゃんからそんな風に言われれば。」宮前、「いやいやいや。」背筋を伸ばして、そして腕組みして、「いやいやいや。しっかし…。高井戸家がそういう事になっていたとは。」今度は口を真一文字にして、ゆっくりと顔を左右に。そして深く深呼吸。「ん~~~。」そして…。「まま。確かに。ウェディングプランナーの彼女の事だから~~。もしかしたら。」麻友、思わず恵津子を見て、「え…???…その方って、ウェディングプランナーなの…???」宮前、チラリと麻友を見て、コクリ。「そう。」頭を後ろにチョコンと。「あの子の母親~~。木守汐梨(こもりしおり)さんって言うんだけど~~。これがまた、凄い女性でバイリンガル。海外留学、ワーホリー経験者。しかも、ピアノが弾けてウェディングプランナー。と来たもんだ。」顔をチョコンと傾げて遠くを見るような感じで、「祐里ちゃんのファミリー感では良き話し相手。」耀司、「それを言うんなら、師長だってそうでしょう。何たって、祐里子の恩人~~。」芙美花も、「そうだよ、そうだよ。」宮前、にこやかに、「ふふ~~ん。まぁねぇ~~。芙美花なんて、産まれてからの~~。おばちゃんみたいなもんだからねぇ~~。」耀司、思わずニヒルに笑いながら。けれども宮前、「さてと。それはさておいて、耀司。」耀司、その声に、僅かに眉間に皺を。「うん…???」「まさか。汐梨さんが、芙美花が受験勉強だから~~、私が代わりに家事代行~~。てんでぇ~~、耀司。まさか、あんたはそのまま仕事専念。なんてパカな事、考えてないよね~~~。」いきなり耀司、僅かに頭を後ろに。思わずドキン。芙美花も、目を真ん丸に、唇を窄ませて。そして頭の中で、「…わっ!!!」宮前、腕組みしながらも、「まさか、汐梨さんが~~。真面にあんたに、私が家事代行するから麻沙美の事~~。と、言うはずは~~???」耀司、口を尖らせたままで目をキョロキョロと。すぐさま芙美花、「あん。それは~~。」父を見て。「それも~~。ある意味、条件が…。」宮前、芙美花を見て、「条件…???」麻友も女子を見て目を見開いて僅かに顔を傾げて。芙美花、「うん。」父を見て。「つまりは~~。ただ、単におばちゃん、うちの家事をするって事じゃなくって~~。…その条件としては~~。おとうさん、叔母ちゃんから家事の教育~~。」瞬間、宮前、口を窄めて頭を大きく頷いて、「ほぉ~~~、ほぉほぉ。」芙美花、父を見て、「一日中、家にいる訳だからって~~。」宮前、コクリコクリと、「うんうんうん。なるほど。」そして、「で、耀司。成果、出てるの…???」その時、リビングに入って来た円盤型ルンバ。耀司、「おほ。ルンバ~~。お疲れ~~。」宮前と麻友、「わっ。」「ルンバ~~。」耀司、「まっ。家の中の床はねぇ~~。ルンバが…。」芙美花、「洗濯物の畳も~~。慣れて来たし~~。今は細かい掃除の教育~~。」宮前、芙美花に、「汐梨さんに…???」芙美花、口を真一文字に、「うん。」耀司、「まっ。確かに、仕事が忙しい時は~~。まま。それは、それで。」宮前、「あん。まま、確かに。…で…???…仕事の方は…。」そこまで言って、「…と、言うか、それは問題なしか。」耀司、照れるように頭を掻いて、「あはははは。まま。お陰様で。」「Webデザイナー、ディレクターだもんね~~。」耀司、顔をペコリと。「いやはや。お客様に恵まれてると、言うか~~。」宮前、体を少し楽にして、「コロナ以来、ず~~っと、倒産倒産って話があるのに~~。さすがはWeb。あっ。て、言うか~~。それこそ、コロナで汐梨さん。ウェディングプランナーの仕事。」耀司、目を見開いて、「あ、あ~~。えぇ。確かに。あの頃は、最悪に。…けど、今は順調に。」宮前、頷きながら、「そうなんだ~~。」 ママでいい…。 vol,211. 「叔母ちゃんから家事の教育~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.19
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「ないです。」芙美花。その声に宮前、「えっ…???」そして耀司を見て、また芙美花を見て、「ないです。…って、それ…。どういう…???」芙美花、体を縮こまらせながらも、「じ、実は…。」耀司、恐縮しながらも、そして頭を掻きながら宮前に、「へへ。実はね師長。」宮前、耀司を見て、「うん…???」「祐里子がさ、亡くなったでしょ。」宮前、コクリと。「うん。」耀司、「まぁ…。それからとはいうもの、ほら。俺って家事一切だめ。仮にやったとしても、滅茶苦茶で怒られる。」瞬間麻友、眉間に皺を。そして僅かに顔を傾げて…。宮前は即、「うんうん。」今度は麻友、恵津子を見て眉間に皺を。耀司、「…でね。祐里子が亡くなった後は、もぅ…。必然的に…。」芙美花を見て、「芙美花が家事を。…って言うか。…そうなってしまう。」宮前、その話にもコクリと。「うんうんうん。そうなっちゃうよね~~。」麻友、またまた恵津子に眉間に皺を。耀司、口をおちょぼにしながらも、「…でぇ~~。この1年は~~。芙美花が家事全般。」宮前、またまた、「うんうんうん。そうなる。…って言うか~~。」今度は宮前、麻友に。「この人ね。高井戸耀司。家事は一切ダメ。ダメダメのダメ人間。」その声に麻友、目を見開いて。「耀司が自分でも言うように、料理なんてさせたらキッチンは大戦争、何がどうなっているのか。…でぇ、掃除、洗濯、全くダメ。洗濯物の畳み方なんてまずどうしようもない。…って言うかぁ~~。元々耀司の実家が男子台所に入るべからず。の家系。一切家事は実家のおかあさんの取り仕切。男はすっこんでな。と、言う家系。だからって言うか、耀司自体、家事なんて子供の頃からやってきてない。即ち、出来るはずがない。…なんだけど~~。何故か、どういう訳か~~。亡くなった祐里ちゃん。高井戸祐里子。旧姓、宇喜多祐里子。岡山出身。この家事出来ない人間をトコトン好きになった。耀司は仕事に専念。私が家事するから。って。でぇ~~。ふたりは結婚。そして。」芙美花に両手を。「この子、芙美花が誕生。…でぇ~~。この子がまた凄い。とにかく祐里ちゃん、手塩に育てた娘。…って、言うか、手塩に育ててないかぁ~~。ねっ。芙美花~~。かかかか。」話を聞きながら芙美花、ニコニコと恐縮しながらも。宮前、「芙美花の場合、もぅ、自分から進んで祐里ちゃんに付き纏ってたからね~~。2歳で家事のお手伝い。自分から進んでね~~。でぇ、5歳ではもぅ、しっかりと、一般家庭の料理は作れて当たり前状況。」宮前続ける。「…てな訳で~~。芙美花が小学生時代にはもぅ~~、祐里ちゃん、芙美花いるからおかあさん、夜勤するねぇ~~って。」麻友、恵津子を見て、「小学生で…???」宮前、麻友に目をパチクリと、「そうよ。凄いでしょ。それに。夜にはしっかりと。」後ろに体を反転させて、「バセットいるし~~。ねぇ、バセット~~。とにかく、このバセットが賢い。まっ。玄関はしっかりと施錠してあるから~~。でぇ~~。もし仮に~~。庭に何て不審者が入って来たら~~。物凄い音で吠える。吠える、吠え捲る~~。…でぇ~~。その吠えに驚いて不審者は逃げると。とにかく、尋常じゃない吠え方するから。…ってか、ご近所さんにも聞こえるわな。」耀司、コクリと。「その通りで。」宮前、「いつだったから、余りのバセットの吠える声に驚いて近所のおじさんが、玄関のチャイムを押して、大丈夫かい。ってねぇ~~。芙美花~~。」芙美花、照れるようにして、「あ、はい。」耀司、芙美花を見て、「確かに。そんな時もあったな~~。俺だって、祐里子が夜勤の時に、深夜に大声で吠えられて、バセットのところに。そしたら庭の枝が揺れて、遠くから、痛って~~って。はははは。バセット、ナイスってね~~。」宮前、「そういう家庭が高井戸家。…でぇ~~。どういう訳…???」ふたりを見て、「さっきの芙美花の、ないです。ってのは。」耀司、「要は…、今、汐梨がウチの家事、やってくれてんの。俺の妹。」瞬間、宮前、目を真ん丸に、「はっ…???」「…って言うか~~。ほら。芙美花、高2で修学旅行~~。…でぇ~~。祐里子、亡くなってからとはいうもの、芙美花が家の家事全般。しかも、友達との交流も削って。まっ。芙美花が好きでやっている事だから~~。俺はとにかく仕事に専念。…と、言うか、俺、リモートになっちゃったから、芙美花、家に朝から晩までいる父親がいるほうがよっぽど助かるし、嬉しいって。」宮前、「ま、まぁ~~。確かに。」芙美花を見ながら、「芙美花にしてみれば。」「けど…。」耀司。「修学旅行、3泊4日。家の事が心配。…と言う事で。とどのつまりが、妹が家事をする事に。」いきなり宮前、「うっそ~~~~。」 ママでいい…。 vol,210. 「家事は一切ダメ。ダメダメのダメ人間。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.18
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耀司、頭の中で、「…さかしたまゆさん。」芙美花も頭の中で、「…いとこ。」麻友、ふたりにお辞儀を、「こんにちは、坂下麻友と言います。麻のま、と、友達の友。坂下麻友です。」宮前、終始ニッコリと。耀司も何とか笑顔を。そして、女性にコクリと。「高井戸、耀司。と。言います。ようは。」麻友、にっこりと、「はい。表札、見ましたから分かります。素敵なお名前。」芙美花も、頭をペコリと。「こんにちは。高井戸、芙美花。と、言います。」そして芙美花、淹れ立てのコーヒーをふたりに。宮前、芙美花にニコニコと、そしてお辞儀をして、「ありがとう。」麻友もお辞儀をして、「ありがとうございます。」芙美花、微笑みながらも、「いえ。あ、はい。どうぞ。」宮前、耀司に、そして芙美花に、「ほんと。いきなりで、ごめんね~~。」耀司、その声に、「あ、いえ。あ、はい。…って、いや。」右手を振って、「とんでもない。」宮前、「全然、祐里ちゃんに会いに来れなくって~~。この人、麻友がねぇ~~。ウチの病院、杉並に、看護師として転職して~~。ようやく慣れて~。」芙美花、「えっ…???…杉並…???…おかあさんが前に。」宮前、にっこりと。「うん。そっ。元々、前の病院で看護師やってたんだけど~~。そこ、辞めて~~。ウチ。杉並に来た。で、今、私の下で働いてる~~。」芙美花、口をひょっとこのようにして。「…でぇ~~。いっその事だから~~。祐里ちゃんみたいに~~。ウチでも、育ってくれたら~~って、思って。…で、祐里ちゃんに、ご挨拶、がてら~~。ここに連れて来たって訳。」耀司、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で。「あ。はぁ。」宮前、麻友に、「前にも話したけど~~。こちら。耀司。前のウチの看護主任だった高井戸祐里子の旦那さん。…でぇ~~。娘の芙美花さん。」芙美花、女性に、ペコリと頭を下げて、「ど、どうも。」麻友、そんな芙美花にニッコリと。宮前、続ける。「でぇ~~。耀司はWebデザイナーの会社の今、役員みたいな役職。」耀司を見て、「だよね、耀司~~。」耀司、「あ、はい。は、はははは。」いきなり耀司、「あ。」上体を前に、左手を前に、「ちょ、ちょっと、待ってください。」いそいそと。そして自室に。そして机の引き出しから名刺入れを取り出し、「ご、ごめんなさいね。」名刺を取り出しながら、「私の名刺です。どうぞ。」麻友、「すみません。あ、でも、私、名刺持って。」耀司、右手をヒラヒラと。「いえいえ。」麻友、名刺を見て、「株式会社ウェルストン。Webデザイナー・ディレクター。」そして目の前の男性を見て、「凄いんですね。Webデザイナーのディレクター。」耀司、恐縮しまくって、「いえいえ。そんな…。」宮前、芙美花を見て、「でぇ~~。こっちの芙美花。只今高校2年生。春になれば3年。」そして芙美花を見て、「芙美花、今年からは、もぅ、受験生だよね。大学受験。」芙美花も恐縮して、「は、はぁ~~。」「凄いのよ、この芙美花。家事全般熟す高校2年生~~。まっ。高井戸家の今を見れば分かるけど。おかあさんの祐里子がいなくとも、ほら、この通り。奇麗さっぱり。整ってます。」麻友も、申し訳なさそうにリビングの中を見回し、数回頷いて。宮前、僅かに顔を傾げて。「…と、言うか~~。…残念ながら、おとうさんのこの耀司がぁ~~。」瞬間、耀司、思わず下唇をビロン。右目を僅かに歪ませて。宮前、にっこりと。「家事、一切、ダメ人間。」耀司、「…って。」芙美花、思わず、「ぷっ。」麻友、途端に目をパチクリと。「え…???…家事、一切ダメって。じゃ~~。」宮前、自信を持って、「はい。高井戸家が、こんな風に全て整えられているのは、芙美花のお蔭。高校2年でよ~~。…って言うか、実は、芙美花、幼い頃から家事、やってたの~~。おかあさんの祐里子の元で~~。物心付いた頃からもぅ~~。おかあさんの祐里子の傍で家事をね~~。」芙美花、またまた恐縮しまくって、「は、はぁ…。」「でも、芙美花も、好きだったもんね~~。家事~~。」その声に芙美花照れるように。そして顔を僅かに傾げて、「ま、まぁ…。…て。うん。ま。…確かに。」「だから、祐里ちゃんも~~。安心して病院でも、夜勤~~。」そして宮前。「…でも、例のコロナ。」麻友、「あ、あ~~~。で、乳癌。」耀司、すぐさま、「え…???」宮前、耀司に右手をチョコンと。「何、言ってる~~。病院内、知らない人、いる訳ないでしょ。それに、新しい看護師だって、すぐに耳に。それに。何より対策。」耀司、「あ、あ、あ~~。…確かに。」「それより。」宮前。耀司に、「あんた。これからどうすんの。芙美花の大学受験。まさか…。受験勉強しながら芙美花、家事全般やる。なんて事。」いきなり芙美花、「あ~~~~。それは。」宮前、いきなり芙美花を見て目を丸く、「うん…???」芙美花、再び、口から出た言葉を、飲み込むように、「そ、それは~~。」体を縮こまらせながら…。 ママでいい…。 vol,209. 「まさか…。受験勉強しながら芙美花、家事全般やる。なんて事。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.17
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それから、数日後の事だった。夕方、高井戸家のチャイムが…。汐梨は仕事で遅くなると。耀司は麻沙美を保育園から連れて来て自室で仕事中。麻沙美はいつものようにバセットに凭れ乍ら。キッチンには芙美花が。芙美花がモニターに出る。その途端、瞬く目。「宮さん。」そして、「は~~い。開いてます~~。どうぞ~~~。」芙美花、頭の中で、「…何ヶ月ぶり…???」高井戸家の玄関には、宮前。そして…、もうひとり。宮前、「はははは。芙美花~~。」そして、もうひとりの…に、「耀司の一人娘。芙美花って言うの。」芙美花、キッチンから出て、父の部屋に向かって、「おとうさ~~ん、宮さ~~ん。」その声に部屋で耀司、「はっ…???…宮さん。…って、師長~~???」ドアを開けて宮前。「お邪魔しま~~す。」そして、その後ろから、「入って、いいの…???」宮前、「あ、いいの、いいの、うん。どうぞ、どうぞ。」芙美花、玄関に。そして、「あは。宮さ~~ん。」宮前、芙美花にニコニコと、「芙美花~~。元気だったぁ~~。ははははは。久し振り~~。」芙美花に抱き着く。芙美花もニコニコと、「うん。ははははは。久し振り~~。」と、目の前にいる女性を見て、瞬間、「!!!」そして、「おかあさん。」既に鼓動が…。そして芙美花、いきなり顔を小刻みに左右に。「うそ。おかあさん…???」女性、そんな女子にニッコリと。「こんにちは。」宮前、芙美花を抱き締めながら、「お邪魔するわね~~。祐里ちゃんにお線香~~。」芙美花、リビングに入って宮前と離れて。一緒に来た女性も、丁寧にお辞儀をして、「お邪魔します。」部屋から出て来た耀司、リビングに。「おっと、師長~~。…って。え…???」宮前と一緒にいる女性を見て、「……。」宮前と女性、祐里子の祭壇に正座をして、ひとりひとり、線香を。女性、祭壇の写真を見て、ドキン。そして…。両手を合わせるふたり。耀司、黙って立ったままでふたりを。けれども、絨毯に腰を下ろして正座して、お辞儀をして、「ありがとうございます。」芙美花はキッチンの前に立ち尽くして、父と同じように、お辞儀をして、「ありがとうございます。」そして宮前、祭壇からクルリと体を。「さてと。」そのまま立ち上がり、女性を進めるようにリビングのテーブルに。ポカ~~ンとしている女の子に宮前、「こんにちは~~。麻沙美ちゃんだっけ~~。おっきくなって~~。」麻沙美、まだまだポカ~~ンと、しながらも、「こんにちは~~。」宮前、そして、バセットにも、近づいて頭を撫でて、「バセット~~。ははは。元気してる~~。」バセット、その声に応えるように、「ワン。」そして、宮前の右手を優しく舐める。宮前、そんなバセットに、笑顔で、「うんうんうん。」キッチンの傍で茫然と立ち尽くしている芙美花に宮前。「ははは。芙美花~~。何、立ちっぱなしで~~。ははは。座って~~。」そして、「耀司も~~。」そう言われて耀司、「あ、あ~~~。」芙美花、目をパチクリとさせながら、ゆるゆると椅子に。頭の中で、「…おかあさん…???」僅かに瞼は熱く。耀司、ようやく我が身に戻ったように。「い、いきなりだから、びっくり~~~。」その声に宮前も、「うんうんうん。ごめんね~~。驚かせて~~。」そして宮前、降り向いてバセットの方を見て、「バセット、元気で何より。」耀司、その声に、ニコニコと、「え、え~~~。」いきなり芙美花、ようやく我に返ったように、「あ、ごめんなさい。」すぐさま椅子から立ち上がり、「お茶。宮さん、コーヒーで。」宮前、「あん。芙美花~~。いいよ、いいよ、お構いなく~~。」芙美花、そのままキッチンに。宮前、耀司と芙美花に、「ごめんね~~。中々、来れなくって~~。」その声に耀司、右手を振って、「いえいえ。師長、病院、忙しいから、当然。」芙美花も、コーヒーを淹れながら、「うんうん。」宮前、耀司に、「あ。でも、耀司。」耀司、瞬きをして、「うん…???」宮前、目だけ僅かに後ろの方に。「麻沙美ちゃん、どうして…???」耀司、思わず、「あ、あ~~。はははは。はぁ~~。実は~~。…妹に、頼まれちゃって~~。」その声に宮前、「へっ…???」耀司、恐縮しながら、「今、俺…。仕事、リモートで…。」瞬間、宮前、両手をパン。「あ、そっか~~。うんうんうん。コロナでね~~。そう言えば…。うんうんうん。家で仕事~~。確かに。保育園、近いって言ってたもんね~~。」そして宮前、隣の女性にも、「汐梨さん。この子のおかあさん。つまりは耀司の妹。近くに旦那さんと住んでるのよ。」女性、その声に静かに頷く。芙美花、コーヒーを淹れながら、頭の中で、「…何…???…おかあさんとそっくりなんですけど…。こういうの世の中で、あり…???」宮前、耀司に、そして芙美花に、「あ。ごめんね。紹介遅れて~~。」そして、女性に手を。「この人。私の従妹の坂下麻友(さかしたまゆ)。」ニコニコと。 ママでいい…。 vol,208. 芙美花、その途端、瞬く目。「宮さん。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.16
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「まっ。でも、今の日本は、それほど…って、言っちゃあ失礼だけど…。結構、日本人と外国人の結婚も。」耀司。汐梨も、「うんうんうん。…って言うか、東京で、外国人が生活している数…???55万人だから。」芙美花、「うそ。」目を真ん丸に。耀司、スマホでササササッと。そして、「ふんふん。…でぇ~~。日本に在住している外国人の数が、358万8,956人。」芙美花、体をビクンと。「え―――――――っ!!!」「…と~~。因みに~~。」睦美を見て、「韓国に在住する外国人の数。244万9542人」睦美、「わお。いるんですね~~。」耀司、「まっ。何れにしても、子を思う親って、やつだろうね~~。それと。地位。今や、日本じゃ、それほど。…でも。…って言うか。」そこまで言って思わず可笑しくなって。「離婚するのも、凄い数。」芙美花、「うそ。そうなの…???」汐梨、「凡そ、3組に1組は離婚してる~~。」芙美花、目を真ん丸にして、「3組に1組。」耀司、「まぁな。人それぞれ、その人たちのバックグラウンドがある。…と、同時に、感情。それに、最初は…、だったけど、前は。ほら。良くあるじゃん、成田離婚って。ま、今や、スピード離婚。お互いの関係の悪化ね。新婚旅行で、こんなはずじゃなかった。な~~んてな。まっ。他にも性格の不一致などなど。上げりゃキリがないけど。他にも、家庭の事情と言うのもあるかも知れない。けど、社会の地位。富裕層の家族が極々庶民的な家族と結婚。当然、富裕層の家族は、家柄に泥を塗る。な~~んて、事になるんだろうけど、俺だったら、んなの、好きなら、好きな者同士。それが本当の人間愛って、思うけどね~~。まっ。中には、富裕層だからって。子供の頃から英才教育。…で、結局、鼻っぱしが強くってお嬢様気分ありあり。って人も、いるんだろうけど…。」汐梨、「くくくくく。高嶺の花…的、お嬢様。」「絵に描いたような。なぁ~~。」耀司、汐梨に。汐梨も、「毎日がブランド。そして、高級車。夜はパーティ。男を顎で使う。な~~んてね。」いきなり耀司、体を震わせて、「ゾクっとするね~~。くわばら、くわばら。う~~~。」芙美花、可笑しがって、「かかかかかかかか。確かに~~。ドラマにもあるし~~。」睦美は黙って聞いている。耀司、「まぁね。とにかく、人となりだよ。この結婚式だって、元々は花嫁も新郎も、結婚する気なんてさらさら。」汐梨、「うんうんうん。」芙美花も睦美も、「えっ…???」「そうだったんですか…???」汐梨、両眉を上下に、「でも、どっちも…。花嫁は友達から婚活パーティに誘われて。その理由が、美味しいものがたっくさん。」芙美花と睦美、「わお。」「でぇ~~。新郎の方は~~。おばさんがぁ、子供の頃から新郎を可愛がって~~。そろそろ結婚をって。新郎に兄がいるんだけど~~。その兄は既に結婚してて~~。そば屋の跡継ぎとして~~、修行中~。新郎は一般企業の会社員。結婚なんてさらさら。でも、その婚活パーティで初めて会って~~。お互いにファーストインプレッションで、この人。ってなって~~。そのまま結婚ぱなし。」芙美花、「へぇ~~。そうなんだ~~。」睦美も、「そうなんですね~~。」耀司、「まっ。俺の場合は。…もし仮に、芙美花が将来、結婚なんて、事に。好きな男性と出会って…???…その男性が今回みたいに。大企業の御曹司。」途端に芙美花、可笑しくなって、「ないないないない。」「…って。もしもの場合。仮にあったとして。…でも、俺は、それには反対しない。」芙美花、父を見て、「なんでよ。」「おまえたちが真剣に考えた末に出した結論だろ。おとうさんは、その考えには従う。…って言うか、いいんじゃないって。」いきなり芙美花、「うそ―――――――っ。」「なっ。それ、うそ――――――っ。…けど、それが、結局は、うそじゃない。真剣に恋してみて、真剣にその人を愛してみて…。幾ら境遇が違うにしても、それを乗り越える覚悟があっての、そのふたりなんだったら、何、世間体だの、血筋だの関係ない。…で、結果、もし断念。破綻。なんてな事になれば、その人は、それだけの人でしかなかった。それだけの事、なんじゃない…???…で、もし、芙美花、おまえが妊娠して、シングルマザーになったとして。…けど、おとうさんはおまえを応援する。そこまでの覚悟があるからね。…って言うか、おとうさん、おまえを守る。社会云々、そんなものどうでもあれ、おとうさんの大切な娘だから。」その話に芙美花、「おとうさん。」汐梨、「かかかかか。まぁ、そういうこった。」そして。「睦美さん、夕ご飯ね~~。」その声に睦美、「あん。すみませ~~ん。」耀司、そんな睦美を見て、にっこりと。 ママでいい…。 vol,207. 「社会云々、そんなものどうでもあれ、おとうさんの大切な娘だから。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.15
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芙美花、「あ、この曲は、何となく。俳優さんも知ってそうな…。」汐梨、「あん。もぅ~~。リチャード・ギアとジュリア・ロバーツのダブル主演の映画だからね~~。ちょっと貸して~~。」芙美花のスマホを汐梨。芙美花、「あ、うん。」ササササと検索して、「はい。これ。」芙美花、目を見開いて、「あ~~~。うんうんうん。これこれ~~。」耀司、「かなり有名だよね~~。ゴクゴク普通の女性が、いきなり男性のリードで、ゴージャスなファッションモデルに大変身。当時は大ヒット。」汐梨も、「うんうんうん。」芙美花、「凄い。胴上げまで。」汐梨、「仕方ないっちゃ~~。仕方、ないんだよね。本当はいけないの。怪我する危険性大だから。みんな酔ってるから~~。床に落ちて、脳震盪。そういう実例もあるからねぇ~~。」「うそ。」汐梨、両眉を上下に、「ほんと。」「わお。」そして芙美花、「あは。木村カエラ~~。バタフラ~~イ。イェ~~イ。」汐梨、睦美に、「これも、誓さん…???」睦美、咄嗟に、「あ。いえ。これは、私、検索して。いいかもって。」途端に汐梨、「凄~~い。センスあるぅ~~。」「新郎新婦が退場した後の…、この雰囲気も結構独特だよね~~。」耀司。汐梨、「うん。何だか、終わっちゃったなぁ~~って、感じ、なんだけど~~。」耀司、出席者たちがガヤガヤとし始めて数秒の映像に、「おや。はは。何とも、この雰囲気の中でも、ピアノ。」睦美、「はい。弾かせて頂きました。」流れて来た曲に耀司、「わは。愛と青春の旅立ち。」「凄~~い、高井戸さんビンゴです。」耀司、「…ってか、俺が生まれた時の映画…かな、確か。」そして耀司、映像を見ながら、「中学の時かな~~。テレビのロードショーでこの映画が放送されてて。はは。あの頃、滅っ茶、嵌ってたからね~~。洋画~~。…で、結構古い洋画も観たんだわ。はは。うんうんうん。この映画も良かった~~。」汐梨、「へぇ~~。そうだったんだ~~。」芙美花、「へっ…???…おばちゃんは知らないんだ…???」汐梨、芙美花に、「私は、その頃はしっかりとお店のお手伝い~~。」「あっ。そっか。」芙美花、納得。耀司、「あ、いや。でも…。さすが、ここまでしっかりとビデオ、回してる。」その声に汐梨、「ふふ~~ん。」「…って、あれ…???」耀司。「みんなが…。ピアノに。」汐梨、「あん。それそれ~~。見てて~~。」すると…。耀司、「へぇ~~。…ってぇ事は、睦美さんと記念撮影~~。」睦美も、「私もいきなりでビックリしちゃって、一緒に写真良いですかって来られて。写真撮ってたら、次から次へと~~。」耀司、「はははは。おぅおぅ、集まる、集まる~~。」芙美花も、「す~~ご~~い。」汐梨、「完璧に、睦美さんと一緒の撮影現場になってたねぇ~~。」「…って、何…???MCの人も~~???」耀司。睦美、クスクスと、「そうなんです。」汐梨、「…かと、思えば。」耀司、映像を見ながらも、「はぁ~~~???…何と、新郎新婦まで。えっ…???…引っ張り出された。」汐梨、「うんうんうん。いやいやいや。凡そ20分。」耀司、目を丸く、「20分。凄ぇ。」「これが~~。ピアノ生演奏の~~。醍醐味ってやつよねぇ~~。」睦美、「もぅ~~。凄かったです。みんなが握手って。」耀司、「へぇ~~~。」芙美花も、「凄~~い。」耀司、「何か、嬉しいし、気持ちいいよね~~。みんなが、手を振って、式場、出て行く~~。」汐梨、「うんうんうん。」そして…。映像が式場から外へと切り替わる。耀司、「ゲストとの最後のお別れ。かぁ~~。」汐梨、「うん。…で、この後。あ、これこれ。」「うん…???…端に、黒い車。」その声に汐梨、「うん。」耀司、汐梨に、「これが…???」「もしかしたら、花嫁のご両親、この車の中で…。」瞬間、耀司も睦美も、「えっ…???」「この黒い車、ゆっくりと駐車場から入口へと動いて、出て行くのよ。ビデオ担当の古賀君が、これがまた憎い演出で、出席者たちと新郎新婦を撮りながらも、この黒い車を捉えてんの。…で、ほら。後部座席の窓が半分。」耀司、芙美花、そして睦美も、「あ、ほんとだ~~。」汐梨、「多分ね~~。後ろに花嫁のご両親、乗ってるのね~~。」耀司、「う~~~ん。最後の最後に~~って、やつか~~。」芙美花、「そんなだったら、最初っから、出席すりゃいいのに。」その声に耀司も汐梨も、困ったような笑みで。「はははは。」芙美花、途端に、「えっ…???…どうしてよ~~。」耀司、「まぁ…。な。」汐梨も、コクリと。「うん。」耀司、ポツリと。「大人の…、事情…って、やつで。」汐梨、「そぅ、なるよね~~。」睦美、「何だか、分かる気がします。韓国でも…。」けれども顔を傾げて、「ん~~~。でも、韓国だったら、とにかく、ダメはダメって。なっちゃうかも。物凄い血筋重視ですから~~。」耀司、「そっか~~。」 ママでいい…。 vol,206. 汐梨、「完璧に、睦美さんと一緒の撮影現場になってたねぇ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.14
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芙美花、「一度だけ、そば屋に行った、客として~~。」耀司、「しかも、それを、誰も知らない。ってぇとこが、味噌。」耀司、睦美を見て、「あ。つまり、この、味噌って言うのは肝心要。って言う意味。つまり、お味噌汁には味噌がないと困る。その例え。お汁にならないから。まっ。新婦側の両親、新郎が写真では見た時はあったとしても、全然会ってくれなかったって言うし。それなら、新郎の両親も顔なんて分かんないから、店に来られても、誰が誰なのかさっぱり。」睦美、「あぁ。そういう事~~。」耀司、にっこりと。「そういう事です。」汐梨、「…で、この時、ピアノも止まってたよね~~。」睦美、「ん~~~。なんとなく、分かるような気がして。ちょっとした間だったけど~~。ピアノ、要らないかなって。」汐梨、その声に、「うんうん。…でも、その後が~~。」流れるピアノ曲。芙美花、「わぁ~~。手嶌葵だぁ~~。手紙~~。」耀司、「へぇ~~ぇえ~~。うんうんうん。」汐梨、「何とも、シットリ。だったよね~~。MCの人も声、出さなかったから。」睦美もコクリと。「えぇ。…ですよね~~。」耀司、顔を揺らしながら、「いや。うん。お見事。」そして、子供ふたりによる花束贈呈。芙美花、「かっわいい~~。」そして、麻沙美を見て、「麻沙美みたい。」汐梨、「新郎側からの子供たちねぇ、ふたり共~~。残念ながら、新婦側にはいなくって~~。いたとしてももぅ中学以上だったから~~。」耀司、「曲は、ディズニーだね~~。」睦美、「はい。」芙美花、「あ。Superfly。何だっけ~~。曲のタイトル~~。」睦美、ニコニコと。「愛をこめて花束を。これも教えてくれたのは誓です。」汐梨と耀司、「はは。さすがは誓さん。」芙美花も、「うんうん。」汐梨、「ははは。MCも凄い。しっかりと最後まで聴かせてくれるように声を出さないし。」耀司、「確かに。聞き入ってるよな~~。」芙美花もニコニコと、「うんうんうん。…でも、やっぱり、聴いていたいよ~~。」そして…。汐梨、「さて。ここからが~~。」耀司、「両親への花束贈呈~~、に、なるのかな…???」睦美、「高井戸さん、ビンゴです。」汐梨も、ニコニコと。「ふふふ。」耀司、流れるピアノ曲に。「これは…。え…と~~。」右手を額に。顔を下に、「確か…。」僅か、数秒、「バッハ。G線上のアリア。」汐梨、「偉い。」睦美も、「またまた、ビンゴです。」芙美花、父に拍手を。「凄~~い。おとうさん、言って私、思い出した~~。ははははは。」汐梨、「この、おとうさんの話しも、印象的だったよね~~。」睦美、微笑みながらも、「えぇ。」耀司、聞きながらに、「ふ~~ん、なるほどね~~。感情、籠ってるよね~~。頑固だけど~~。人を見る目があるってねぇ~~。何歳くらいになった人なの…???…この、おとうさん。」汐梨、「84~~。」耀司、目を真ん丸にして、「84。それで、現役…???…凄ぇや。」「私も初対面でビックリ。この人。…って。とにかく、もぅ~~。バリッバリ。変に太ってもないし~~。腰が回っている訳でもない。まっ。頭はこんな感じで丸坊主に白髪が…。」汐梨。「なんだけど~~。物凄い、礼儀正しい。」「へぇ~~~。」そして…。ピアノの曲は、シューベルトの、「アベマリア」に入る。耀司、「これまた奇麗な曲。」汐梨、「シューベルトのアベマリア。」睦美、コクリと。「えぇ。」芙美花、「花嫁さん、奇麗~~。新郎もかっこいいし。」汐梨、「確かに。美人にイケメン。」芙美花、その声に、「うんうんうん。」汐梨、映像を見ながら、「さて。クライマックス。」耀司、「ふん。曲がフェードアウトして。これって…???」睦美に。「リストの愛の夢です。」耀司、頷きながら、「うんうん。シットリ感。」そして、聞きながらにして、「うんうんうん。良い事、言ってる。」汐梨も、「う~~ん。」耀司、ピアノメロディを聞きながら、「あれ…???」すると。「おほ。…へぇ~~。炎のランナー。」汐梨、「はは。さっすが、知ってる~~。」耀司、にっこりと。「この曲は有名だからね~~。はははは。しかし…。新郎の気持ち、そのままの曲だわ。いいねぇ~~。」芙美花、下唇をビロンと。「全然、分かんない。前の2曲は、聞いたこと、あるような…。でも、この曲は分かんない。」耀司、「映画のテーマ曲。芙美花、生まれる20年前の映画だね~~。」汐梨、「この、ふたりの一礼で、曲もエンディングだったから、凄いよ、睦美さん。タイミングとアレンジ。支配人もお見事って。」睦美、口を両手で塞いで、「ほんとですか~~???」汐梨、睦美を見て、「うんうんうん。ほんと、ほんと~~。」睦美、ニコニコと、そして口から両手を放して、「わぁ~~。嬉しい~~。はははは。」そんな睦美の笑顔を見ながらの芙美花もニコニコと。「うんうんうん。」耀司、「おっと。プリティウーマン。」汐梨、にっこりと。「そぅ~~。新郎新婦退場~~。」 ママでいい…。 vol,205. 「凄いよ、睦美さん。タイミングとアレンジ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.13
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「そして…。」睦美。「曲は、美女と野獣。そして~~。カーペンターズのオンリーイエスタディに。です。」汐梨、「うんうんうん。確かに、そんな感じだった。でぇ~~。その後が、また良いのよ~~。」芙美花、「えっ…???…えっ…???…どんな曲弾いたの睦美さん。」耀司、とにかく、聞き入っている。「凄ぇや。はは。」そして…。「うそ。」耀司。「凄ぇや。トップガンのテーマ。」芙美花、「あん。私もこの曲、知ってる~~。」耀司、顔を揺らしながら、「あの曲を、ピアノで~~。」汐梨も、「うんうんうん。何とも、情熱的だった~~。いきなり、おぅ~~って。みんな、知ってるもんね~~、この曲~~。」そして汐梨、「私なんて、いきなりガッツポーズよ~~。ヨシッって~~。」睦美、「ほんとですか~~???」「ほんとよ、ほんと。…だって~~。披露宴もこれからは後半。かなりの見せ場なんだも~~ん。」耀司、頷いて、「確かに。」そして…。新郎新婦が高砂の席に就いたと同時にトップガンのテーマは終了する。耀司、「何と、タイミングピシャリ。」汐梨も、「凄かったよ~~。…でぇ~~。これからは~~。余興に入るんだけど~~。…まずは、見てて~~。」その声に耀司も芙美花も、「うん…???」耀司、「ステージに、男性ふたり。」芙美花、顔を傾げて、「ふん…???」そして…。始まったや否や、耀司、「はい…???」芙美花、「えへ…???」「こんなのあり~~~???」耀司。「いやいやいや。」芙美花も天井まで顔を上げて、「かかかかか。おっかし~~。」耀司、眉間に皺を寄せて、「いやいやいや。…でも、これって…。ピアノがここまで…。あの、ほら。テレビで良くやる芸能人の物まね…???…あれって、結構、芸人と音響、タイミングピッタシだよね。あの感じ。凄ぇ~~。…って、睦美さん…???…この曲って、知ってるの…???」汐梨、ニコニコしながらも。睦美、高井戸の声に、首を振り、「あ、いえ。私も知らないです。」「…って、知らないで、こんな風に…???」睦美、「ん~~。まぁ。ある意味、コード進行ですかね。単純なコード進行とテンポでしたから。…一応~~。リズムも、スローになったり、ハイテンポにもなったりするんですけど、それの繰り返しだったですから、イヤフォンで聴いたら、ふふ~~ん。この感じって。」耀司、聴いたままで、「凄ぇや。」睦美、「でも。考えれば、この曲が、一番簡単。単にコード進行だけですから。あとは、サラリとアレンジするだけで。」芙美花、「凄~ご~。」汐梨、「私もびっくり。まさかって、思ったけど、それが何々、大絶賛。…って、言うか、何て言う曲のタイトル。分かんないんだけどねぇ~~。お笑いだから~~。」芙美花、「うんうんうん。私も分かんな~~い。」耀司、聴きながらにして、「ほぉ。…確かに。見事にズバッと。うんうんうん。」芙美花、「あ~~ん。ドリカム~~。」汐梨、「うんうんうん。しかも…。このふたり、何とも熱唱~~。」耀司、「かかかかか。確かに。上手いね~~。」芙美花、「これだけでも、感動だよね~~。」そして…、新郎側からの福山雅治。耀司、「うんうんうん。家族になろうよ、ねぇ~~。」汐梨、「そして、次がまた凄い。」耀司、汐梨を見て、「次…???」既に麻沙美は母に凭れて熟睡中。「これまた、奇麗にピアノのイントロ~~。」芙美花、聞きながら、「あ。えっと~~。何だっけ、この曲~~。確か、ワンオクロック。」汐梨、「正解。ビンゴ~~。芙美花~~。」耀司、「…ってか、良くこんな曲。」「全部、誓ですね~~。…高井戸さんからこの話、聞いてすぐに誓に。今、結婚式で使う曲教えてって。それと~~。後はネットで検索~~。結構、時間、ありましたから。整理しました。」耀司も汐梨も、「な~~るほどね~~。」汐梨、「いやいやいや。それにしても、この人、新婦の大学時代の教授。まっ。今も教授なんだけど~~。凄くない…???…このキー。」芙美花、叔母に、「私もそう思った。凄い声って。」耀司も、「確かに。」そして…。ピアノは久石譲の、「Summer」に。芙美花、「あ~~ん、この曲、知ってる~~。」汐梨、「うんうんうん。私も、曲だけは知ってる。誰の何の曲かは、知らないけど~~。」睦美、「久石譲のSummerと言う曲です。」芙美花も汐梨も、「あ~~~。うんうんうん久石譲~~。」汐梨、「…って言うか、ここからなんだよね~~。兄さん。」耀司、「ん~~~???」汐梨、「聞いてて。」「ほぉ。」聞きながらにして…。耀司、「うん…???…手紙…???」汐梨、コクリと。「そぅ。」そして耀司、「へぇ~~~。…そういう事~~。」汐梨も、「うんうんうん。」芙美花、「…と、言う事は~~。」耀司、「まぁねぇ~~。鬼の目にも涙…てかな~~。つまりは、どんな頑固な人でも、一滴の涙のような情けもあるって言うか。」睦美、「あ、はい。なんとなく、分かる気がします。」 ママでいい…。 vol,204. 「どんな頑固な人でも、一滴の涙のような情けもある」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.12
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そして…。いきなり芙美花、「わっ!!!!髭男っ!!! I LOVE。」そして、「ヒュ~~~。凄~~い。ハハハハハ。」汐梨、「かかかか。これにはさすがに新婦側も新郎側も、いきなり盛り上がってたね~~。イントロですぐさま。」睦美もニコニコと、「はい。」芙美花、「へぇ~~~。凄~~い。」そして…。次に流れる曲が…。耀司、「おっと~~~。シカゴか~~。」芙美花、父を見て、「おとうさん、知ってる…???」その声に耀司、「あ~~。素直になれなくて。大ヒットした洋楽~~。凄ぇなぁ~~。」汐梨、「奇麗な曲だよね~~。」睦美、にっこりと。耀司、「しっかし、睦美さん、良く知ってますね~~。素晴らしい。」その声に睦美、思わず赤面。そして…、次に流れた曲が…。耀司、「う~~ん。これは、ちょっと…、分かんないかな~~。」睦美、「Maroon 5のSugarと言う曲です。良く結婚式には使われる曲で、この曲の、ミュージックビデオも結婚式にMaroon 5がサプライズで登場して大盛り上がりと言う曲です。」汐梨、「凄~~い。」芙美花、「うんうんうん。ノリの良い曲だよね~~。…それにしても、結婚式って、食事の時って、こんな風なんだね~~。」汐梨、芙美花に微笑みながら、「そうよ~~。」「…って言うか。」耀司。「何だか、物凄いアットホームな感じだよね~~。そこにピアノの生。レストランなんかで聴いているような気分で…。何か、物凄い気楽な感じがしていいよね~~。」睦美、その話に、「えぇ。最初は物凄い緊張してたけど、ここまで来ると結構、自分でもイケルって思って。」汐梨、そんな睦美を見て、「はははは。」耀司、「…で、お次は~~。」芙美花、聞きながらにして、「あ~~ん、これも分かんな~~い。」耀司は、「おっと、ジャズだ~~。この感じは完璧、ジャズ。」汐梨、睦美に、「確か、この曲の時にリズム取っている人もいたようだけど。」睦美、木守と高井戸に、「クレオパトラの夢。と、言う曲です。かなり以前の曲ですけどね~~。」耀司、「しっかし、良く知ってるよね~~。」その声に睦美、ニッコリと、「はい。」汐梨、曲を聴きながらにして、「ふふふ。」そして…。芙美花、「あ、この曲なら聞いたことあるぅ~~。」汐梨も、「うんうんうん。」睦美、「はい。クライスラーの愛の喜びです。」芙美花、舌をチロリと。「曲名は分かんないけどる~~。」ほんのりと顔を赤くして。汐梨、「でぇ~~。この辺で~~。」睦美、「はい。ウェディングケーキ入刀に。」芙美花、「あれ…???…この曲って。」父を見て。耀司、「え…???…いや。俺は知らない。」芙美花、目だけ天井に。そしてケーキ入刀と同時の曲のサビに、「分かった~~。カーリーレイジェプセン、コールミーベイビ~~。」睦美、芙美花にニコニコと拍手で、「正解です。」芙美花、「うんうんうん。ケーキ入刀に、合う合う~~。それにしても、花嫁さん、奇麗~~。」汐梨も睦美も、「うんうんうん。」頷きながら。耀司、「…ってか、やっぱり凄いや。俺たちの時もそうだったけど、スマホでパシャパシャ。」汐梨も、「かかかかか。だよね~~。うんうんうん。分かる分かる。一昔前はガラケー。単なる携帯電話ね。その前がデジカメ~~。」「確かに~~。」汐梨、「とにかく、その時、その時で、スマホでもぅ~~。ねぇ~~。睦美さ~~ん。」睦美、にこやかに、「そうでしたよね。」芙美花、いきなり、「あ、西野カナだ。ダ~~リン。」汐梨、「それにしても、睦美さん、良く知ってるわよね~~。」睦美、「これは、誓に教えてもらいました。」耀司、頷きながら、「なるほど。お色直しでね~~。うんうんうん。はは。でも…。こうやって見ると。さすがだよね~~。カメラマン。…って言うか、ビデオ…???…まるで、プロだよね~~。」汐梨、その声に、「へっへ~~。でしょう~~。…って言うか。まっ。プロのカメラマンも撮影はしてたんだけど。その瞬間、瞬間の。」芙美花、「えっ…???…そうなんだぁ~~。」「うん。当然。」汐梨。「一生に一度の晴れ舞台だもん。」耀司、「だよな~~~。」そして耀司、「…で。お色直ししている時の、この曲。知ら…、ないなぁ~~。睦美さん…???」睦美、可笑しがりながら、「知らない…です。よね。はは。いや。実は私もこの曲がヒットした頃は、まだ生まれてません。」汐梨、「へっ…???」「実はこの曲、フュージョンで、今から40年以上も前に、日本のCМで爆発ヒットした曲なんです。ボブジェームスのマルコポーロって曲です。」耀司も汐梨も、「へぇ~~ぇえ~~。」耀司、「何だか、ノリの良い曲だね~~。」汐梨、「うんうんうん。」そして、次に流れて来た曲が…。汐梨、「あ、な~~んだ、モーツァルトのロンド~~。」睦美、「正解です。」汐梨、にっこりと。「こうやって落ち着いて聴いていると、分かるんだなぁ~~。歓談はねぇ~~。何が起きるか分かんないから~~。」 ママでいい…。 vol,203. いきなり芙美花、「わっ!!!!髭男っ!!! I LOVE。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.11
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眞鍋家の夕食。全員揃っている。晄史、姉に、「…で、どうだったの、結婚式。」誓も暁美も睦美を見て。睦美、ご飯をもぐもぐと。「もぅ~~。緊張した。うんうんうん。とにかく、緊張の連続。でぇ~~。」そして、にっこりと。「物っ凄い、楽しかった~~。」その声に晄史、誓、ニコニコと、「へぇ~~ぇえ~~。」暁美、「何々、帰ったと思ったらもぅ~~、ソファにバン。物っ凄い緊張して、物っ凄い夢中で、物っ凄い、楽しかった~~~って、物凄いはしゃぎよう~~。」晄史と誓、暁美を見て、睦美を見て、「うそ。」暁美、「その食べ方見れば分かるでしょう~~???」晄史、姉を見て、「確かに。」誓、「物凄い、食欲。」睦美、完璧に、空腹状態であった。その翌日。睦美、ヨシカワ音楽教室に出勤。初めて取得した有給休暇に、事務局員たち、何かしら、眞鍋を冷やかしてはいたが、睦美、キッパリと。「結婚式に、出席してました~~。物凄い楽しかったです。」但し、誰の結婚式とは言わず。事務局員たちも、各々、頭の中で、「…韓国人が誰の結婚式…???」とは思いながらも、それ以上の追及は出来なかった。その次の日に。予め高井戸にラインで電話しての睦美、高井戸家に。いきなりバセットが立ち上がり、玄関に。ドアを開けて、「お邪魔しま~~す。」と、玄関に入った瞬間に、バセットが睦美に二本足立ちになって。睦美、瞬間、「バセット~~。」バセットを抱き締める。パセットも睦美の顔を舐めて抱擁感を。芙美花、リビングから、「凄~~い、バセット~~。ははは。」睦美、芙美花に、「こんにちは~~。」芙美花も睦美に笑顔で、「こんにちは~~。ははは。いきなりバセットが立ち上がって玄関に駆けて行くからビックリした~~。睦美さん相当バセットから気に入れられてるぅ~~。はははは。」睦美、靴を脱いで揃えて。笑顔で、「私も今、びっくりしたけど、はは。パセット、物凄いかわいい~~。」バセット、まだ睦美の傍を離れず。芙美花、睦美に、「いらっしゃい。」睦美もニッコリと。「お邪魔します。」ふたり、リビングに。麻沙美、元気に、「こんにちは~~。」睦美も麻沙美に、「こんにちは~~、麻沙美ちゃ~~ん。」汐梨、「はい。いらっしゃ~~い。夕飯の仕込み、してた~~。ははは。」耀司もリビングに。「はい、いらっしゃい。チャイムが聞こえたから。」芙美花、「うんうんうん。で、凄かったよ、バセット~~。」汐梨も、耀司も、「うん…???」「チャイムが鳴ったと思ったら、立ち上がって玄関に。はは。で、睦美さんに二本足立ちでダイブ。」耀司と汐梨、ニコニコと、「へぇ~~~。」耀司、「それまた凄い。いやいやいや。」汐梨、「もぅ少し待ってて~~。仕込んじゃうから。これが済めば、OK。」耀司、睦美に、「これ、結婚式の映像をUSBにダビングしておいたから、家に帰ったら、晄史さんや誓さんに。」睦美、USBを受け取って、「ありがとうございます。晄史も誓も、今、ちょっと、忙しくって。」汐梨、キッチンで、「うんうんうん。OK~~。」芙美花はコーヒーを淹れながら。耀司、睦美の声に、「うんうんうん。忙しくって結構~~。よろしく言っておいて。」睦美、にっこりと、「はい。」芙美花、「はい。コーヒー、淹れたよ~~。麻沙美はジュースね~~。」汐梨も、「さて。見るか。私も、実際、現場にはいたけど、映像は見てないからね~~。」耀司、「では。揃いましたから~~。」5人、ソファに。映像が始まる。芙美花、「わっ。」耀司も、「へぇ~~~。」芙美花、目を真ん丸に、「奇麗~~~。」汐梨、「うんうんうん。」芙美花、「披露宴の前って、こんな感じでドリンクや食べ物~~。」その声に汐梨、「うん。待ち時間まではねぇ~~。こうやっておもてなし~~。」耀司も、「うん。確かに。」すると、芙美花、「わっ。かっこいいし、奇麗だし。」汐梨、「かかかかか。何とも、イケメンの新郎に、美人の花嫁~~~。」芙美花、コクリ、コクリと、「うんうんうん。」睦美、「かっこよくって、奇麗でしたよね~~。」耀司、「確かに。そして…。定番の曲だね~~。それにしても、タイミングバッチリ。凄いね~~。」汐梨、「でしょう~~。メンデルスゾーンの結婚行進曲。ふふ。…で、何だっけ、この曲。」睦美、「バッハの、主よ、人の望みの喜びよ」芙美花、「これも…。定番…???」睦美、汐梨、そして耀司、「だよね~~。」「…と、まぁ。取り合えず~~。ピアノは一旦、ここでストップ。」10数分間、ピアノは待機。そして…。汐梨、「さ~~て~~。ここからが本番~~。」耀司、「乾杯。だ~~ねぇ~~。」汐梨、睦美に、「私もどんな曲だったか分かんないから、睦美さん、お願い。」睦美、にっこりと。「はい。」汐梨、流れるピアノ曲に。「これって…???」睦美、「エルガーの愛の挨拶と言う曲です。」そして…。次の曲が。耀司、「えっ…???…うそ。これ、カサブランカじゃん。As Time Goes By。時の過ぎゆくままに。」睦美、高井戸に、「そうです。さすがです、高井戸さん。ビンゴです。」耀司、「へぇ~~~。ほんと、凄いや。」 ママでいい…。 vol,202. 「結婚式に、出席してました~~。物凄い楽しかったです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.10
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芙美花が帰ってからも、「結婚式のビデオ、どんなの…???…どんなの…???」と、急かすが、耀司も汐梨も、「ダメ~~~。睦美さんと一緒~~。」汐梨、「じゃないと、私が睦美さんに申し訳ないよ~~。ギャラも払ってないんだから~~。」その声に芙美花、「え…???…うそ。」耀司、「逆に睦美さんが断ってきたの~~。要りませんって。」汐梨、「ただ、ご祝儀は老舗そば屋が出してくれてたみたいだけど~~。…とにかく大成功~~。…多分、今までにない結婚式。ナンバーワンじゃないかしら。」芙美花、目を真ん丸に、「うそ~~。凄~~い。」汐梨、ニコニコと、「あん。とにかくダイナミックだったから~~。残念ながら、私、それほど、曲名は分かんなかったけど~~。出席者たちがその曲毎に反応してたから~~。」「へぇ~~。そうなんだ~~。」そして芙美花、父を見て、「…で…???…睦美さんいつ来るの、ウチ…???」その声に耀司、「まっ。それは…。まぁ。明日でも明後日でも。睦美さんの好きな時に。まっ。今日はねぇ~~。とにかく、家で、ゆっくりとさせておこうよ。疲れたと思うよ~~。満足感と達成感って感じだったから。」汐梨、そんな耀司の声に、「えへ…???…なんでそんな事。」「…って。」コーヒーを飲みながら、「おまえから電話が来て、それから1時間後に、睦美さんからも電話来たから。物凄いはしゃいだ声で。」汐梨、「へぇ~~~~。はははは。そっか~~。」「だから。」耀司。「睦美さん。今夜はゆっくりと、眠れるんじゃないかな…。…逆に、昨日の夜は眠れなかったんじゃないかな~~。俺に、日本でこういうの初めてだからって、言ってたから。緊張しました。夢中でした。楽しかったで~~す。って。」汐梨、「はははは。兄さんに睦美さん、そんな事言ったの~~。へぇ~~~。」芙美花も父を見て、「ヒュ~~、ヒュ~~。」「まっ。」耀司。「それまではビデオは我慢。とにかく、睦美さん、優先。」汐梨、コクリと。「確かに。」そして、「私、あれ見ちゃうとね~~。」その声に耀司、「うん…???」「ピアノの上の楽譜。…それに~~。ひとつのバッグがあるの。」耀司と芙美花、「うんうん。」「なんだか。そのバッグの中にも、雑誌みたいな楽譜みたいのがぎっしり。」耀司、「へぇ~~~ぇえ~~。」「な~~んだけど~~。まっ。睦美さん予め、用意はしておいた。…と、思うのよね~~。」芙美花、「うんうんうん。」「けどさ。実際、セレモニーに入ってしまうと、そんな…、調べたり確認する余裕なんて、ないないない。まっ。別室で装置を操作しているんならまだ別。そんなとこ、見る人なんてまずいないから。」耀司、腕組みして、「ふん。確かに。」「しかも…。ピアノが置いてある場所って、結構目立つのよ~~。デデ~~ンと構えてるから~~~。」そして汐梨。「私、何度もセレモニーと睦美さん、交互に見てたけど、そんな、ピアノの上の楽譜もバッグの中も、見ている様子、全くなかったような…。それでいて、あれだけの演出が出来るんだもん。正に、コンサートかリサイタルか~~。」耀司も芙美花その話に、「……。」「多分、一応、準備はするけど、多分、全部、頭の中で整理。それも、ジャンル問わず。」耀司、「うそ。」「ほんと。ほら、うちでもクリスマスの時、言ってたじゃない~~。」芙美花、「うんうんうん。確かに。」汐梨、顔を傾げて、「クラッシックからジャズ、そしてポップスから何から何まで。しかも。」そこで汐梨、笑って、「しかもだよ。出席者からこの曲、お願いしますってさ、余興の時。」耀司、「うん。」「それ、イヤフォンで聞いただけで弾いちゃうんだよ。なにこれ。って思って。しかも、その余興がとにかくバカ受け。なんてったっけな~~、あの曲。何かお笑いの曲みたいだったけど~~。いや。それが妙に見事に息ピッタリ。タイミングもピッタリ。」耀司、聞きながらに、「へぇ~~ぇえ~~。」「そして。」汐梨。「何と言っても、ドリカムの未来予想図Ⅱ~~。」芙美花、「わぁ~~。凄~~い。」「それから、ワンオクロック。」芙美花、目を真ん丸に、「うそ。」「もぅ~~。予め、余興の曲、準備してたんだけど~~。それ、みんなキャンセル。」芙美花、またしても、「うそ。」汐梨、コクリと。「全部、睦美さんが、やってのけた。」耀司、顔を揺らしながら、「いやいやいや。ある意味、凄い、重圧。プレッシャーじゃん。」その声に汐梨、また顔をコクリと。「うん。…だと思う。だから兄さんに、緊張感、そして楽しかった~~。だったんでしょ。あれで睦美さんも、楽しそうだったから。それに。何でも弾ける。そういうプロ意識があったんじゃない…???…相当なものよあれは~~。」「いやいやいや。」耀司。「睦美さんがね~~。結婚式で~~。…そっか~~。」 ママでいい…。 vol,201. 「今までにない結婚式。ナンバーワンじゃないかしら。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.09
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ヨシカワ音楽教室に有休を取っての睦美、帰宅してリビングに。そしてソファにバン。「あ~~~ん。気持ち良い~~~。」キッチンで暁美、「はははは。どうだったぃ、結婚式。」その声に睦美、ソファに寝そべりながらも、「物っ凄い緊張して、物っ凄い夢中で、物っ凄い、楽しかった~~~。あ~~~、はははははは~~。」そんな睦美を見ての暁美、「おやおやおやおや。」睦美、起き上がってすぐさまバッグからスマホを。そして…。3回で相手が出る。「もしもし、睦美さん。」睦美、「高井戸さん、今、家に着きました。物凄い楽しかったで~~す。もぅ夢中でした~~。」そんな睦美の声の抑揚に耀司、「ははははは。うんうんうん。そのようで、汐梨から電話があって、物凄い興奮してましたよ。ありがとうございます。」睦美、体を正して、「日本でのこういうの、初めてでしたから物凄い、緊張しましたけど、物凄い素敵な結婚式でした。無我夢中で、楽しかったです。」「それは良かった。汐梨が、セレモニーの方でビデオ撮影していたようですから、そっちが楽しみです。」睦美、瞬間、「あっ。そうか。そう言えば、カメラ…。」今、気付いて、「え~~~。あはははは。カメラ、撮影してたんだ~~。」「えぇ。バッチリと。見るのが楽しみです。」睦美、満面の笑顔で、「はい。」耀司、優しい声で、「また、みんなで見ましょう。」睦美、ニコニコ顔の声で、「はい。ありがとうございます。」通話は切れる。睦美、すぐさま口を尖らせて、「ふぅ~~~。」そして、両腕を天井に向けて、「あ~~~~~。最っ高~~の気分。チョエゴウイギブン~~~~。」ソファの中で体をバタバタとしている睦美を見て、「あらあら。何ともぁ~~、子供みたいに。」耀司、いつものように麻沙美をヨシカワ音楽教室に。「こんにちは~~。」いつもいるはずの奥の席には誰も。麻沙美、事務局員たちに、「今日も頑張ります。」事務局員たちも、「うんうんうん。頑張ってね。」ニコニコと。そして、帰れば今度は汐梨の結婚式の話し。「とにかく凄かった。ま。最初は一般的に、定番の結婚式行進曲。」耀司、「うんうんうん。」「そして…。あ~~ん。あの曲何だっけ~~。曲を聞けば分かるんだけど~~。とにかく、睦美さん、最後の最後まで、素敵な曲。しかも、あれって…。自分でアレンジしてるのかも…。聞かせてくれたわ~~。」耀司、「へぇ~~~。…で…???…結局、大手製薬メーカーのご両親は。」汐梨、その声には首を横に振り、「ううん。来たのは花嫁の従姉さんだけ。ただ…。その従姉さんの旦那さんと同期の人が大学教授をやってて。その人は来てた。」耀司、またまた、「ふ~~~ん。」「けどさ。」耀司、汐梨を見て、「何さ。」「まっ。覚悟はしてたんだけどさ~~。ほんと。花嫁側の出席者が、6人だけって。何…???」いきなり耀司、目を真ん丸にして、「うそ。たったそれだけ…???」汐梨、両眉を上下に。「でね~~。その、花嫁の~~。両親っていうのが。」顔を傾げて、「もしかしたら、来てたんじゃないかって。黒い車に乗って。」耀司、口を僅かに尖らせながらも、「ふん。」汐梨、「ビデオカメラの古河君っているんだけど~~。ゲストを見送る時にさ。セレモニーの外でなんだけど~~。その時に、黒い車がゆっくりと動いて~~。窓を半分ほど開けて見送りの様子を見てたみたいって。」耀司、「へぇ~~~。」「まっ。祝電でもあったんだけど~~。」「ふん。」「あれって、祝電じゃなくって、つまりは、花嫁の母親からの手紙ね。」「手紙。」「うん。」「結局は、花嫁の両親も、一度、客として老舗そば屋に行った事、あるんだって。」いきなり耀司、「へぇ~~~~。」「まっ。その時は、出席者たち、ざわついてたけど、詳しくは聞いてないけど。」耀司、「そっか~~。」腕組みしながら。「…で。その父親も、今日は朝から書斎から全然出て来ないんですって。花嫁の子供の頃からのアルバムを書斎で見ているみたいって。母親の手紙では。」「ふ~~~ん~~。…何か、映画かドラマみたい。絶対に許さない父親がさ。最後の最後に。隅に隠れてちょっとだけ花嫁を見る。…で、何も言わないで消える。な~~んてね。」汐梨も、「うん。まっ。そんな感じ…???…いや。それにしても、何が何でも睦美さん。物凄い。かかかかか。最後は、出席者もMCも睦美さんを囲んでの写真撮影だったから。かかかかか。」耀司、いきなり嬉しさ満面の顔で、「うそっ。」ニコニコと汐梨、「うんうんうん。とにかくアレンジからタイミングまでバッチリ。支配人すら、これは凄いって、言ってたから。はははは。」耀司、まだまだ顔を変わらせずに、「いやいやいや。凄いね~~。はははは。…で、そのビデオとやら。」「はいはい、しっかりと~~。コピーしてます~~。」「おほ。」 ママでいい…。 vol,200. 「物っ凄い緊張して、物っ凄い夢中で、物っ凄い、楽しかった~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.08
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睦美、その声にニッコリと顔を。花嫁の友達、「すみません。一緒に写真、良いですか。」睦美、思わず、キョトンとして、「え…???」花嫁の友達、「物凄いピアノ、良かったです。一緒に写真、お願いします。」すると他の友達も、「私も、私も~~。」睦美、思わず、「あ、はい。」花嫁の友達のスマホでパシャリ。すると、次から次へと。しかも、新郎の男性陣もピアノに。「おぃ、行こうぜ。一緒に写真。」スタッフも汐梨も、「あら。まぁ。」ビデオカメラも撮影し続ける。もはやピアノをバッグにしてのピアノ演奏者との記念撮影が。しかも、仕舞にはファインダーに入る限りの出席者たちで…。ここまで来ると。「あは。私も入っちゃおう~~。」MCの女性も…。こちらのMCの女性、実は、フリーのアナウンサーである。ピアノの女性に、「物凄い素敵なピアノ演奏~~。しかも、演出がお見事。」そんな景色を見て汐梨、「かかかかか。うんうんうん。OK~~。」スタッフも、「す~~ご~~い。まさか、ピアノ演奏者とも記念撮影。」汐梨、「ははは。うんうん。それだけの価値は充分。」花嫁の友達が、「ねね。真登香も一緒に~~。」「だ~~ねぇ。」そして友達がドアの外に。花嫁、瞬きしながら、「え…???」手を引かれて。そのまま新郎の手を。葉山、にっこりと、「うんうん。行っといで。」新郎の母親、新婦側の女性に、「どうされました…???」葉山、ニコニコと。「ピアノ演奏者と記念撮影だそうです。」母親、頷きながらも、「あぁ~~~。」それを聞いての父親も、「全くだ。あんなピアノ演奏、聞いたこともない。見事だった。」大学教授の佐伯も、葉山の隣で、「な~~るほど。うん。頷ける。」記念撮影は凡そ20分にも及んだ。式場内の殆どの出席者と握手をしたであろう睦美、満面の笑顔で。ビデオカメラ撮影の古河信人(こがのぶと)、「いやいやいや。最初は危ぶまれた結婚式。まさか、これほどまでになるとは。凄ぇよな~~。」そして…。出席者たちは各々式場内から。しかも、ピアノ演奏者に手を振りながら。睦美は何度も何度もお辞儀をして、手を振って。最後の出席者たちがドアの外に。汐梨、そのタイミングで睦美に駆け付ける。睦美、そんな木守を見て笑顔で。いきなり汐梨、睦美を抱き締めて、「や~~った、やった、やった、大感激、凄~~い、睦美さ~~ん。」睦美、呆気に取られて。けれども、汐梨の背中に手を。そしてにこやかに、「はい。はは。でも、夢中でした。そして、楽しかった~~。」スタッフも、「もぅ~~。最高でした。今迄にないです。こういうの。」睦美、スタッフに、「ありがとうございます。」汐梨、「さ~~て。最後の締め括り。」ゲストの、退場である。既に、式場の外では、花嫁と友達たちがハグ。新郎も友人、知人たちとのハグ。ビデオカメラは撮影し続けている。そんな中で、撮影している古河が、ファインダーの中であるものを、「あれ…???」花嫁と新郎がまだまだゲストとの別れを抱きしめながら惜しむ中、セレモニーの駐車場からゆっくりと動く黒いセダン。古賀、「このタイミングで、車が…???」葉山もその黒いセダンを見て、「うん…???…あれって…。」黒いセダンはゆっくりと駐車場からセレモニーの入り口へと。後部座席の窓が半分ほど開く。葉山、「おばさん。」そして…、その向こうにチラリと見える姿。「もしかして…。」後部座席の老いた女性は僅かに頷く。隣に乗っている老いた男性。「その辺で、いいだろう。」老いた女性がそのまま窓を閉める。葉山、「おじさんも…。」車はゆっくりと、セレモニー入り口から離れて行く。大学教授の佐伯、「凌子ちゃん。今のって。」凌子、「あ、うん。…多分、おじさん。真登香の両親。」その声に佐伯、「おや。」新郎の両親からスタッフたちに何度も頭を下げてのお礼。そしてピアノ演奏者の女性にも。「いやいやいや。あんたのピアノ。大したもんだ。ははは。こんな事言うには大変申し訳ないが、良い冥途の土産になりあした。」その妻、夫の背中をバンと。「何言ってます~~。はははは。…でも、本当に素晴らしかった。後でビデオの…。お願いします。」汐梨、新郎の母親の手を握って、「はい。畏まりました。是非お楽しみに。」睦美も両親との握手に、「ありがとうございました。」満面の笑顔。そして…。スタッフたち、セレモニーの中に…。夕暮れが近づいていた。汐梨、耀司に電話。耀司、「おっと~~。待ってました。」そして、「もしもし、俺。」開口一番の汐梨、「んもぅ~~。最高っ!!!…今までにないね、あんな結婚式。涙ボロッ、ボロ。いやいやいや。凄いの何の、睦美さん、完璧にヒットだわ~~。ははははは。」その声の抑揚に耀司、「へぇ~~~~。ははははは。何と、何と~~。」「ビデオ、コピーするから後で。」「あぁ~~~。」そして汐梨、「兄さん。」耀司、顔を傾げて、「うん…???」「睦美さん、とんでもない女性よぉ~~~。ほほほほほほ~~~。」その声に耀司、眉間に皺を。「はい…???」 ママでいい…。 vol,199. 花嫁の友達、「すみません。一緒に写真、良いですか。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.07
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ピアノ演奏に拍手が鳴り止まない内にMCの女性、「それではここで、新郎新婦に記念品、花束贈呈です。」瞬間、ピアノの演奏が、「ディズニー・イッツ・ア・スモール・ワールド」に変わる。男の子と女の子が高砂のふたりに。出席者から、「かわいい~~。」MCの声、「沢村可乃子(さわむらかのこ)ちゃん、そして薮木勇馬(やぶきゆうま)ちゃんのふたりで~~す。」汐梨、「うんうんうん。いいぞぉ~~。可愛い~~。それにしても、睦美さん、イッツ・ア・スモール・ワールド。ふふ。さっすが~~。」MCが続ける。「それでは、ご出席のみなさまからの記念品、花束などありましたら、お願い致します。」「イッツ・ア・スモール・ワールド」がフェードアウトする。そして、曲は、「愛をこめて花束を・Superfly」に変わる。ある住宅のガレージから車が出て走り出す。新郎新婦は喜び満面で記念品、花束を受け取っている。睦美は一切鍵盤を見ることなく、場面を見ながら弾いている。そして…。頃合いを見ながら曲をフェードアウトする。中には、「あん。もっと聴いてた~~い。」の、声もあったが…。MCが、「それでは…。新郎新婦より、両親への手紙になります。」高砂から離れる新郎新婦。式場の入り口に立ち尽くす新郎の両親。そして…。新婦、花嫁の…。従姉の葉山凌子。ピアノは、「バッハのG線上のアリア」新郎から花束を。そして新婦の花嫁から花束を。そして、新郎の父親が出席者に挨拶。「え~~。みなさま。本日は…。……。」車はとある駅を過ぎ、そのまま高速に向かう。ピアノ演奏は、「シューベルトのアヴェ・マリア」葉山、涙ボロボロの顔で、鼻水を啜りながら、「みなさま、本日は真登香、篤志君の為に…。」車の後部座席での年老いた夫婦。式場内では葉山の声。そしてピアノのメロディ。葉山、深くお辞儀をして、「本当に、ありがとうございました。」一斉に拍手。スポットライトが照らし出す。そして…。高砂に向かう新郎新婦。静かに流れるピアノのメロディ。MCの女性。「それでは…、新郎より、本日、お集まりの方々への感謝の言葉をいただきます。」新郎新婦が立ち上がる。そして新郎が手紙を読み始める。スタッフが汐梨に、「この曲、何て言う曲ですか…???」汐梨、その声に、顔を傾げて、「ん~~。私も…、分かんないかな~~。」支配人、「リスト、愛の夢ねぇ~~。…とにかく、奇麗だわ。」けれども、その曲から…。新郎の手紙を読む内容に睦美、リストの愛の夢をフェードアウト。そして、読み進める内容に合わせて…。弾き始めた曲。映画、「炎のランナー・Chariots of Fire 」である。高揚感たっぷりの新郎の声がピアノのメロディと共に。睦美が感情を込めて演奏する。新郎、声を大きく、「本日は、本当にありがとうございました。」ピアノはエンディングに差し掛かる。新郎新婦共に高砂で一礼を。拍手喝采。式場内が拍手に包まれる。新郎側の出席者、「ピアノ、炎のランナー。ヴァンゲリス。」「うんうんうん。」「凄ぇよな~~。」新婦側でも、女性たち、誰もが目にハンカチを。そして、抱き合いながら…。葉山も目に涙。ハンカチで押さえて、「うんうんうん。」大学教授の佐伯、拍手をしながら、「うんうんうん。」そしてピアノの演奏者を見ながらも、「とにかく、見事。素晴らしい~~。」汐梨の隣で支配人、「前以て準備したBGMじゃあ、こうはいかないよね~~。この臨場感は素晴らしい。何と言っても、ピアノの演奏者の演出。」そして、木守を見て、「木守さん。最高っ!!!」汐梨、支配人にお辞儀をして、「ありがとうございます。」「さて。新郎新婦、退場ね。最後まで見させていただくは。」汐梨、「はい。」MCの女性から新郎新婦退場の言葉が続いている。「…それでは、新郎新婦の退場です。」ピアノは、映画、「プリティウーマン」もぅ既に式場内も和気藹々。全員が椅子から立ち上がる。「イェ~~イ。」「ほぉ~~~。」「うんうんうん、プリティウーマンだ~~。」「ヘィ~~~。」高砂から離れる新郎新婦。出席者たちから絶賛されながらも。そして、次に流れる曲が、「木村カエラ・Butterfly」もはや握手が絶えない。思わず出席者数名による新郎の胴上げまで始まる始末。そして…、曲が丁度、終わる頃には新郎新婦は式場の扉で、再び出席者に一礼。拍手喝采。そして…。新郎新婦がドアの外。ドアが閉まる。束の間の静寂。…けれども、またここからピアノはメロディを奏でる。大学教授の佐伯、「おぅ~~。この曲~~。」葉山も、「へぇ~~。懐かしい~~。」新婦の友達、「奇麗~~。」「何の曲。」佐伯、「映画、愛と青春の旅立ちのテーマ曲だ。」葉山、「うんうんうん。」その時。新婦の友達がいきなりピアノ演奏者に。「すみません。」 ママでいい…。 vol,198. MCが、「それでは…。新郎新婦より、両親への手紙になります。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.06
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出席者たち、どこもかしこも目を手で押さえながら…。そして、男性ふたりと、ピアノ演奏者にも、拍手喝采。どこからともなく、「お見事。」「アッパレ~~。」そして…。拍手が鳴り止んで、次には、新婦側から女性たちふたり。「真登香~~。篤志君、ご結婚、おめでとうございます。私たち、4人、この曲が好きでした。」そして、ピアノに向かって、「お願いします。」もうひとりの友達は、「私、歌は絶対にダメ。勘弁して。」と、断られたのだった。睦美、演奏を始める。いきなり出席者たち、「おぅ~~。」曲名は、「未来予想図Ⅱ ・ DREAMS COME TRUE」である。ピアノ演奏も冴えわたると同時に、女性ふたりたちの熱唱振りに静まり返る会場内。歌い終わるとまたまた拍手喝采。スタッフが汐梨に、「とにかく、凄いとしか言いようがありませんね。」と、にっこり。汐梨、顔を傾げて、「いや。それは私の台詞。まさか、ここまでとは…。」耀司、自宅で仕事をしながら、「今頃…。…どんな、かな~~。」そして…。芙美花も授業中に、「今頃、睦美さん。」そして、にっこりと。「私も聞きたかった~~。」式場内での余興は続いている。男性のひとりからは、「福山雅治の家族になろうよ。」これもまた、拍手喝采。そして…。最後のひとりが…。葉山から、「先生、頑張って。」女性たちからも、「先生。」それに頷く佐伯、コクリと。そして…。「え~~。先ほどのゲストスピーチでもお話させて頂きました。池波真登香君在学中にも、そして、今も大学の教授を務めさせて頂いております……。」そして、ピアノに向かって、「では。お願いします。」ピアノから流れるメロディ。新郎側では、「この曲。」汐梨、「えっ…???…この人、こんなにキーが…。」スタッフ、「ONE OK ROCK、WHEREVER YOU ARE。凄い、この人の声。」葉山、ニコニコと。女性たちも、「はは。や~るぅ~~。」歌い終わるや否や、こちらもまた拍手喝采。新郎の母親、「いいもんですね~~。若い人たちの歌。」その声に新郎の父親。「大したもんじゃ。」そして…。場面は祝電披露に移る。MCが紹介する。流れるメロディは…。「久石譲のSummer」紹介されながらも出席者たちは頷きながらも…。そして…、最後の祝電が…。花嫁の母親から。新婦の真登香、「おかあさん。」新郎の篤志も花嫁を見て、「おかあさん。」新郎の母親、聞きながらも、夫に、「あんた。」新郎の父親、「ケッ。そんなに思ってんなら、来てみろってんだ。」MCの女性が続ける。「…真登香、今日は朝から、おとうさん、書斎から一歩も外に出てない。多分、あんたの小さい頃からのアルバムをず~~っと見てるんだろうね~~。あるところにあるアルバム、ないから。…とにかく、許しておくれ。あれでとにかくおとうさん、頑固だから。…でもね。一度だけ、五六庵(ごろくあん)に行った時、あるの。お客としてね。おとうさんが行くぞって言って。」五六庵とは、老舗そば屋の店の名前である。瞬間、出席者たち、「えっ…???」新郎の母親も父親も、顔を見合わせて、「えっ…???」「いや。俺ぁ、知らねえ。顔、見た事もねぇし。」「私もです。」新郎新婦も顔を見合わせて、そのまま顔を左右に。MCが続ける。既にピアノのメロディは止まっている。「お昼時だったから、店内、物凄い混み様で。」新郎の父親、「あったりめぇでぇ。」MC、「でもね。入った時から、凄かった。奇麗に整えられて。そして店員さんの案内の仕方も申し分なし。店内も行き届いていて。そして、食べてみたら美味しいの何の。おとうさん。あの時、多分、涙、出てたみたい。何も言わなかったけど。帰る時に、レジの人に、きちんと。ご馳走様でしたって。そして、良い店ですね。って。羨ましい限りです。老舗、そのものだ。これなら客も来る。って。そのまま、帰ってきたけど。多分、おとうさん、まだ、あなたたちの結婚は反対していると思う。けれども、これだけは分かって欲しい。おとうさん。昨日、寝る前に私に、好きなようにすればいいだろうって。私は許さない。…けれども、おまえたちは、おまえたち自身の、しあわせを掴めって。愛する娘だからこその、反対なんだよ。いつの日か、きっと、あなたたちを、守ってくれると思うから。真登香、篤志さん。ご結婚、おめでとう。」静まり返る式場内。静かに流れるピアノのメロディ。曲名は、「手紙・手嶌葵」聞き入る出席者たち。スタッフ、涙を浮かべて、「はぁ~~~。」汐梨、「睦美さん。」どこからか聞こえる声、「良い曲ね。」「うん。」「手嶌葵」「手紙かぁ~~。」ただ、ただ、出席者はピアノの演奏に聞き入っている。MCの女性も何も言わない。演奏が終わる。パチパチと拍手。その拍手が広がる。新郎新婦が立ち上がる。そして、出席者たちに、一礼。その姿に出席者たち、拍手。そして、ピアノ演奏にも拍手。 ママでいい…。 vol,197. 流れるメロディは…。「久石譲のSummer」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.05
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数少ない新婦の出席者の中で新婦の従姉。目を何度もハンカチで押さえながら、涙声で、「凄い。ピアノの生演奏だけで、こんなにも盛り上がるなんて。」新婦側の席は僅かにひとつのテーブルのみ。僅か6人である。そのために、そのテーブルだけが他のテーブルより大きい。新婦の出席者は新婦の従姉、そしてその従妹も良く知る新婦の友達4名。そして、新婦の大学時代の教授である。しかも、その大学の教授も、いわゆる新婦の従姉の夫の同期。新婦の従姉とも顔馴染みである。「中々どうして~~。一時はどうなるかと思ったが、何々、盛大に盛り上がるじゃないの~~。」大学教授の佐伯和弥(さえきかずや)、新婦の従姉、葉山凌子(はやまりょうこ)を見ながら。葉山も、目を赤くして、「えぇ。もぅ、私なんか、嬉しくって、嬉しくって。」そして、「んもぅ~~。あの頑固親父に見せたいくらい。」「ははは。確かに。まっ。真登香君の両親、ふたりとも、欠席とは。当然、未だに反対…???」「えぇ。殆ど、駆け落ち寸前だったんですけど…。何とか、新郎の篤志君の両親が。認めてくれて、やっちまいなって。」別方向の隅の席の新郎側の席の新婦の両親を見ながら。会場内ではゲストスピーチが始まっている。ここでも睦美の静かに流れるピアノに載せて。そして…。新郎新婦のお色直しの為の退場に。新婦の大学時代の友達、「あは。これ、西野カナだ。」「うんうんうん。ダーリン。」汐梨、聴きながらにして、「凄いわ、睦美さん。ホント、ジャンル問わず。何でもかんでもだわ、ふふふ。」そして…。汐梨、さりげなく隅の方からピアノに近づいて、「ねね、睦美さん、疲れない…???ジュース持ってきた。」睦美、ピアノを弾きながらも、「わぁ~~。ありがとうございます。」そして、にっこりと、「はい。大丈夫です。ははは。楽しいくらい。」その声に汐梨、微笑みながら、「ありがとう。好きな時に、席外して良いから。」笑顔で睦美、「はい。」汐梨、ピアノの上の楽譜を見て、睦美の持ってきたバッグを見て頭の中で、「…凄い量。…けど…、殆ど楽譜見ないで。」その時、ふたりの男性がピアノに。「あの、すみませんが、僕たち、余興で、これ、歌うんですけど。…弾けます…???」そして睦美、渡されたイヤフォンを耳に。すると…。「…うん…???…この曲。」そして男性にニッコリと。「はい。大丈夫です。分かりました。」男性、その声にガッツポーズで、「やったっ!!!…はは。お願いします。」睦美、にっこりと。「お任せください。」そんな睦美を見て汐梨、ニコニコと。汐梨、隅から睦美に、「あのふたり、どんな曲…。」睦美、クスクスと笑いながら、「秘密です。」その声に汐梨、「あ~~ぁあ。ははは。うんうんうん。お願いね。」睦美、にっこりと。「はい。」すると今度は新婦の友達たち。「すみませ~~ん。これ、お願い出来ます…???…余興で…。」睦美、女性の差し出したスマホを見て、聴いて。「あ、はい。大丈夫です。」と、にっこり。女性たち、喜びで、「やった~~。」すると、次から、次へと。元々、余興に関しては予め用意していたカラオケはあるのだが…。凡そ、その曲目をキャンセルしての生ピアノでやってみたい。…と、言うのだろう。スタッフが汐梨に。汐梨も、キョトンとして、「うそ。」スタッフ、「えぇ。元々余興では決まってた曲なんですけど、みんな、キャンセルって…。」汐梨、睦美を見て、「いやいやいや。何と。凄い。」そして…。MCが告げる、「新郎新婦の入場です。」お色直しからの入場である。ドアが開く。その途端にピアノのメロディ。いきなり出席者たち、「おぅ~~~~。」女性たちも男性たちも、「ベルリン、トップガン。」どこからともなく、「凄ぇや。」「涙だぁ~~。」隅で汐梨、拳だけでガッツポーズ、「ヨシッ。」そのピアノに乗って…。不思議に高砂にふたりが就くと同時にピアノの演奏もエンディング。終了する。出席者たち、「凄い。ドンピシャ。」そして…。いよいよ、余興が始まる。まずは新郎の友人たちふたりによる。いきなりひとりの男性が、「真登香さん。篤志君、結婚おめでとう~~。」そう言った瞬間にピアノの音。そしていきなりふたりが躍り出す。その踊りに合わせての睦美の演奏。いきなり出席者たち、爆笑。「うそうそうそ。」「これ。」「テツandトモ~~。」「なんでだろう~~。」会場内、バカ受け。しかも、出席者たち、踊るふたりたちとピアノを交互に見ながら。「凄い。ピッタリ。」「嘘でしょ。」汐梨も、隅で、「マジ…???…うそ。」笑いに盛り上がる出席者たち。「マジで、これ、ピアノでやるぅ~~???」「有り得ない。」しかも…、ふたりの男性の振りの見事さ。完璧に楽しんで睦美。ふたりを見ながら演奏をしている。出席者たち、クスクスと笑いながらも…。しかも、出席者たちも最後は手拍子。そして、拍手喝采。 ママでいい…。 vol,196. 「凄い。ピアノの生演奏だけで、こんなにも盛り上がるなんて。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.04
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結婚式の出席者は凡そ30名。その殆どが新郎の親族、そして友人知人。新婦側の出席者は数名である。それでも…。式場のエントランスには、「沢村(さわむら)家、池波(いけなみ)家、披露宴」披露宴が始まる前は通常の環境音楽が式場内のスピーカーから。ウェルカムドリンクやウェルカムフードが振舞われた。そして…。オープニンムービーまでがそのまま環境音楽で。そして…。いよいよ。結婚式、女性のMCが紹介する。新郎新婦入場。そのタイミングに合わせての睦美のピアノ演奏。既にビデオカメラは回っている。出席者の中からも大きな拍手の中、新郎新婦入場。その中で出席者たち。「へぇ~~。これにピアノの生演奏か~~。」「しかも、これ、定番の曲~~。」「確かに。」新婦側の友人だろう。「うんうんうん。予定道理のピアノ生演奏。私、これが楽しみだったの~~。」の、声。汐梨、「うんうんうん。睦美さん、バッチシ。」スタッフも、「へぇ~~。凄~~い。メンデルスゾーンの結婚行進曲。中々~~。」セレモニーが始まる。そして…、ピアノは、「バッハ 主よ、人の望みの喜びよ」に変わり、そのままフェードアウト。汐梨、静かに丁寧に曲をフェードアウトする睦美に頭の中で、「…凄いわ。」それぞれの挨拶が続き、そして乾杯へと。ここからが凡そのピアノ演奏となる。まず始めが、「エルガー・愛の挨拶」流れるピアノの演奏で歓談が始まる。出席者の中には、「うんうんうん。エルガーねぇ。」そして…。曲が終わればまた次の曲。流れるピアノメロディに。出席者の中から、「いやいや。渋いね~~。はは、カサブランカってか。As Time Goes By。時の過ぎゆくままに。ってね~~。」隣の若い女性、「知ってるの。」「あぁ~~。有名な映画音楽だよ。かかか。実にいいねぇ~~。」そして…。次の曲が。弾かれたかと思いきや、何処からか、「きゃ―――――っ。髭男っ。」その席の出席者たちがピアノに向く。睦美、その声にニコニコと。流れた曲は、「I LOVE・Official髭男dism」である。新郎の友人だろう、「凄ぇ~なぁ。髭男をピアノで。」そして…。次に流れた曲が~~。出席者の中から、「はは。これはいいや。シカゴだ。」「うんうんうん。素直になれなくて。」「いいよね~~。」スタッフの女性、目に指を。「はは。凄~~い。涙、出て来ちゃった~~。」汐梨も、「うん。さすが。プロだね~~。」既に新婦は目に涙。出席者全員が飲んで、食べて、歓談に盛り上がってる。それでも流れるピアノ演奏はしっかり耳に入っている。次に流れた曲が…。睦美の演奏が冴えわたる。聞きながらにして出席者たち。「いやいやいや、これ。Maroon 5。」「うんうんうん。Sugar」「はははは。いいねぇ~~。」出席者の中には両肩を揺らす人も。新郎新婦も、「うんうんうん。これ知ってる~~。」「凄いよな~~。ピアノだけでこれほど。」汐梨の傍で、「いいわね~~。うんうんうん。生のピアノ演奏~~。まさか、ここまで盛り上がるって~~。」汐梨、いきなりビクンとして、「支配人。」「木守さん、どこから見つけて来たの~~???」その声に汐梨、「ははははは。えぇ~~。ちょっとね~~。」そして、支配人の竹澤奈波(たけざわななみ)に耳打ちするように。「あれで、事務局員です。」竹澤、その声に目を真ん丸にして、「事務局員…???…ピアノ講師じゃないの…???」汐梨、首を振りにっこりと、「えぇ~~。現在はしっかりと、事務局員です。」すると、「勿体な~~い。凄い演奏だけど~~。しっかりとピアノアレンジしてるし~~。いやいやいや。」ピアノ演奏が終わる。そして…。次の曲。知っている人は、知っている。「ほほぅ~~。今度はジャズと来たか~~。ははは。うんうんうん。クレオパトラの夢ねぇ~~。」「これって、ジャズ…???」「うんうんうん。そんな感じ。テンポ良いわぁ~~。」肩でリズムを取る人。そして足でリズムを取る人、様々。そして…。流れるメロディが…。新婦側の友人か知人であろう、「クライスラーねぇ~~。」「うんうんうん。愛の喜び。」「ははは。真登香、本当におめでとうだよ。」そして…、演奏が終了するやいなや、出席者からの拍手喝采。いきなり、「ブラボ――――――ッ。」「素敵~~。」新郎の両親も、「何て演奏でぇ。ははは。」「良かった~~。」MCの女性が、「ここで…。ウェディングケーキ入刀に入ります。」それと同時に、静かに流れるピアノの音。出席者たち、「これって…。」そして新郎新婦がケーキに入刀する前から、「あっ。分かった~~。うんうんうん。」「いい、いい。」「カーリーレイジェプセン、コールミーベイビ~~。」ケーキ入刀した瞬間、出席者たち、「イェ~~ィ。」ピアノ演奏も盛り上がる。 ママでいい…。 vol,195. 結婚式の出席者は凡そ30名。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.03
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晄史、韓国でのクリスマスコンサート会場で、「ははは。いいねぇ~~。うんうんうん。」ヴァリエットが好調なのだった。そして…、こちらでも…。誓が新しい女性ユニット「Re-boom(リブーム)」の宣伝スタッフとして、チーフマネージャーに抜擢されていた。「いやいやいや。クリスマス、そっちのけだ~~ねぇ~~。今年はもぅ~~。」そう言いながらも、「まっ。しょうがないかぁ~~。家に帰っても晄史、いないし~~。お義姉さんは今頃。」そんな風に思いながらも、「ふふふふふ。」そして…。こちらは。「何とまあ~~。クリスマスだって言うのに、ひとりなんだよな~~。かかかかか。」眞鍋家、暁美である。「まっ。それぞれが。それぞれで…。忙しいようで…。…こういうのも、たまにはいっか~~。」のんびりな暁美。そして…。もうひと方。杉並総合病院、内科病棟、ナースステーション。麻友の初めての夜勤である。宮前、麻友に、「クリスマスだってぇのに、夜勤、お疲れ様~~。」その声に麻友、「ふん。別~~つに~~。」「まっ。あんたの事だから~~。全く心配してないけど~~。」「はい、どうぞ~~、お気遣いなく~~。」他の看護師は2人、それぞれラウンドに廻っている。宮前、麻友に近づいて、「ねぇっ。どうなのよ…???…高井戸耀司。…あんた、気になってんでしょう~~???」杉並総合病院に看護師として勤務して以来、数日経過している。看護師としての手際よさと、師長の従妹と言う意味からも他の看護師たちからは一目置かれ、看護師としてのコミュニケーションにはまだ時間が掛かりそう。その証拠に、休憩時間は凡そひとり、か、宮前と一緒の時が多い。宮前、「食事の時も、時々、上の空って、時、あるけど。」そんな声に麻友、何とか取り繕おうと、「はは。そんな事は~~。」チラリと恵津子を見て、「ないんじゃ、ない~~、ふん。」と、ニッコリ。けれども、その笑顔を見逃さない恵津子。「ふふ~~ん。まね~~。その作り笑い。何だかなねぇ~~。」麻友、恵津子に、「な、な~~によ~~。そんな…、作り笑いなんて、全然~~。」「はいはい。分かりました~~。…でもね。正直なところ~~。」ポケットから紙切れを出して。「受け取んなさい。あんたに、私からのクリスマスプレゼント。プレゼントだからね~~。捨てるなんて事したら~~。バチが当たるわよ~~。ふふふふ。」麻友、目の前に置かれた紙切れを見て、恵津子に顔をグンニャリと。「んもぅ~~。」恵津子、ニコニコとしながらも、再び、「プレゼントだからね~~。メリークリスマス~~。」そして、「あ。くれぐれも~~。お返しは無用~~。ふふふふふ。」麻友、口をグンニャリと。「た~~くぅ~~。」廊下からふたりの看護師の声。途端に麻友、目の前の髪切れをチラリと中を見て、呟くように、「電話番号…。」そして…、ポケットの中に。…深まりゆく年の瀬…。「明けまして、おめでとうございま~~す。」2025年1月1日。新型コロナが5類へと移行。その年に高井戸祐里子は乳癌の為、死去。それから1年を経て、そして、また新たな1年の始まりである。眞鍋家、暁美を伴い、近くの神社へと、睦美、晄史、誓が初詣。その後、暁美は、今や翻訳の仕事が立て続けに。嬉しい悲鳴で、年越しとなっている。初詣よりすぐに帰宅しての翻訳の仕事。睦美と晄史、そして誓が、高井戸から招待されてのお正月のお年賀。汐梨夫妻と麻沙美も同席で賑やかな元旦を迎えた。そして、その場で晄史と誓の近況報告。…だが…。未だに、かの病院の、かの人からは何も…、ない。もはや、何日に一度の割合で仕事が終わってからは睦美、高井戸家に。但し、お客様扱いとして。汐梨は、そんな睦美に、「ううん。睦美さん、いてくれるだけで嬉しい。…な~~んか、いてくれるだけで、安心するんだよね~~。ふふふふ。」その声に睦美、感情一杯に、「ありがとうございます。」…そして…。1月15日。ブライダルセレモニーhanayagi~花柳~。スタッフから汐梨。「とうとう、この日。来ちゃいましたね~~。」汐梨、頷きながら、「うんうんうん。」スタッフ、「どんな人なんですか、生のピアノ演奏って…???…けど、木守さん。良く、探しましたよね~~。そんな簡単には…。ギャラもいらないなんて…。そんな人。」汐梨、そんな声に、ニコニコと、「まぁ、見てらっしい。聞いてらっしゃ~~い。」スタッフ、既にピアノでスタンバイをしている女性を見て顔を傾げて。「でも…。BGMでなくって、ピアノの生演奏だけ…って。…私なら、やっぱり、今流行りの曲が、嬉しいかな~~。」汐梨、そんなスタッフの声に、にこやかに、「まま。人、それぞれよ。」式場の端にはグランドピアノ。スタンバイOK。 ママでいい…。 vol,194. ブライダルセレモニーhanayagi~花柳~。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.02
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そんな麻沙美を見ての睦美、拍手しながら、「か~~わいい~~。」汐梨も麻沙美の頭を撫でて、「良くできました~~。」芙美花も、「うんうん。良かったよ~~。」麻沙美、思いっきり照れながらも、頭をコクリ。「ありがとうございました~~。」そして…。汐梨。睦美を見て、「では。睦美さん。」両手を合わせて、「お願いしま~~す。」すぐさま耀司、「ヨッ。」芙美花も、「ははははは。」睦美、恥ずかしそうに立ち上がりながら、「あ、はい。」そして、ピアノの椅子に。汐梨、一度顔を捩じるように、「いやはや。さすがは元ピアニスト。貫禄ねぇ~~。」耀司、すぐさま口に人差し指1本。「シ~~~。」ピアノの音。鍵盤から流れるメロディ。いきなり汐梨、「わ~~~。」勝臣も、「うんうんうん。」芙美花、「はは。この曲~~。」耀司、「ショパンだね~~~。」汐梨も、「うんうん。ノクターン9-2。奇麗~~。」勝臣、「凄いや。」静かな室内。ただ、ピアノの音が…。凡そ5分弱。演奏が終わる。いきなり拍手。汐梨、「凄~~い。」勝臣、「いやいやいや。はは。」耀司、「はは。うん。」芙美花、「素敵~~。」そして睦美、また鍵盤を。そして、流れるメロディ。耀司、途端に、「あ。」汐梨も、「あは。うんうんうん。」耀司、芙美花を見て、「これ、ヨシカワで俺が聞いた曲。」芙美花も、「あ~~。うんうんうん。」汐梨、「チャイコフスキーのくるみ割り人形~~。花のワルツ。うんうんうん。いいわぁ~~、はははは。」勝臣、「それにしても、いやいやいや。凄いや~~。」顔を揺らしながら。「ママのピアノなんてもぅ~~、何年も聞いてないもんね~~。」そんな勝臣に汐梨、グニュッとした顔で、「悪ぅ~ござんしたね~~。」耀司と芙美花、笑いながら。汐梨、聞きながらに、「いやいやいや。ほんと。凄いわ。プロのピアニストだよこれ~~。兄さ~~ん。」耀司、ニコニコと、「はははは。」そして演奏が終了して、睦美、みんなに、「最後の曲です。」勝臣、耀司、「ヨッ!!!」汐梨と芙美花、コクリと。「うんうんうん。」そして演奏が始まる。始まったとばかりに一同、「おほ。」芙美花、「何々、この曲~~。」麻沙美はいきなり母から起き上がり、「わっ。ピアノが転がってる~~。」勝臣、「いやいやいやいや。これ~~。」そして、耀司を見て、「お義兄さん、知ってます…???」耀司も顔を傾げて、「いや。聞いた事…。」そして汐梨を見て。汐梨、顔を左右に、「いや。私も知らない。」麻沙美は立ち上がって踊る始末。芙美花、「え~~~???…何、この曲~~。」麻沙美は、踊りながら、「キャハハハハハ~~。」睦美、演奏しながら麻沙美を見てニコニコと。麻沙美、思わずピアノまで駆けて踊る始末。それを見ながら睦美、ニコニコと。勝臣、「凄いや、弾きながら麻沙美を見て。」汐梨も、「うんうんうん。鍵盤、見てないし。」そして。演奏は終わる。睦美、「おしまいで~~す。」一斉に拍手。「凄~~い。」睦美、顔をコクリと。「ありがとうございます。」椅子から離れて、元の芙美花の隣に。勝臣、「いやいやいや。凄いです。…って、最後の曲って…???」それぞれを見て。汐梨も耀司も、「うんうんうん。」芙美花、「私も知らな~~い。」睦美、「あ~~。あれは~~。リチャードクレイダーマンの恋はピンポンと言う曲です。イージーリスニングの。」汐梨、芙美花、「リチャードクレイダーマン。」瞬間、汐梨、「あ~~~。うんうんうん。知ってる~~。渚のアデリーヌ~~。」睦美、その声に顔をコクリ、コクリと。「はいはい。そうです。それです。」芙美花、スマホで、「あ。あった。…1981。」けれども芙美花、顔をグシャリと。「生まれてないよ~~~。」汐梨、「かかかか。当然。」そして、睦美を見て、「…って言うか、そんな…。睦美さん、良く知ってましたね~~。」その声に睦美、チロリと舌を出して、「私、小さな頃から、ある意味、ピアノには貪欲だったんです。あ、貪欲って、誓から教えてもらったんですけど。」汐梨も、耀司も、「うんうんうん。」「とにかく、どんな曲でも弾けないと気が済まなかったって感じで。」耀司、その話に、「凄ぇ~や。」汐梨、「どんな曲でもって…???」睦美、「つまりは、ジャンル問わず、です。」耀司、「ひぇ~~~。」そして頷いて、「あ~~ん。それで~~。ジャズも~~。」睦美、その声に、「はい。」コクリと。汐梨も頷いて、「道理で~~。芙美花の高校の定期演奏会でも曲、みんな知ってたもんね~~。」その声に芙美花、目を真ん丸に、「うそ。」睦美、そんな芙美花を見ながら、「韓国の大学ではクラッシックだったんですけど~~。そんなのばっかりじゃつまんないって。それで。」一同、「へぇ~~~。」汐梨、「あん。食べて食べて~~。残さないでよね~~。」耀司、思わず、「おぅ。」芙美花も、「は~~い。」睦美、「戴きます。」 ママでいい…。 vol,193. 鍵盤から流れるメロディ。いきなり汐梨、「わ~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.02.01
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