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読者の皆様へ。日々、本ブログ記事をお読み頂き誠にありがとうございます。この度、作者、病気療養につき、しばらく本ブログを休載する事となりました。次回作、『ツインズ』は、作者、病気療養後に連載開始とさせて頂きます。ご了承の程、よろしくお願い申し上げます。(__)
2025.07.01
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加賀美、「これより、新婦の睦美さんが所属するミュージックユニット、ココルキーの皆様です。」清水、目を真ん丸に、「え…???…新婦の睦美さんが所属するミュージック…。」ステージに上がるメンバーたち。途端に会場内から、「凄ぇ~~~。」「わ~~~。」「かっこいい~~。」メンバーたち、それぞれのコスチュームで。景織子たち、芙美花に、「え…???…何々…???」麹屋たちも、「おぃおぃ。高井戸から、何も聞いてねぇぞ。」壮一郎も陽平も、「一体…。」諒子、「なんともまぁ。」香奈枝、「ふふふふ。いいねぇ~~。」勝臣、頷きながら、「はは。うん」加賀美が続ける。「元々、ココルキーは、アマチュアバンドで、そのバンドに所属していた矢島孔太さんから、ヨシカワ音楽教室の今や、新婦の高井戸睦美さんと望月優茉さんに曲を依頼した事からの発展です。」清水、芙美花に、「あ~~。うんうんうん。芙美花さんから話があった~~。」景織子たちも、「あ。なるほど~~。」芙美花、ニッコリと。「そういう事~~。」加賀美、「そして…。そんなココルキーが、とあるレコード会社の目に留まり、その音楽性と楽曲。特に、新婦の高井戸睦美さんと望月優茉さんが手掛けた楽曲が認められ、晴れて、そのレコード会社と本契約。」一瞬、会場内、騒然。加賀美、続ける。「そして…。そのレコード会社が。株式会社ダイナムズ。」清水、目を真ん丸に、「株式会社ダイナムズって、あの…???…うそでしょ。」壮一郎、「いや。まさか。」陽平も、「ダイナムズと言えば。」加賀美、「そして…。そのレコード会社ダイナムズに所属している社員こそが。新婦、睦美さんの義理の妹さんであり、弟の眞鍋誓さんと眞鍋晄史さん。」加賀美が紹介する。誓と晄史、椅子から立ち上がりお辞儀を。ココルキーのメンバーもふたりに一礼を。会場内、「へぇ~~~。」「いやいやいや。」清水、「凄~~い。」加賀美が、「そして、今回。ふたりが作曲、編曲した曲、君の街へと。披露してくださいます。」麹屋たち、「いやいやいや。あのダイナムズと契約~~。凄ぇなこりゃ。」加賀美、「それでは、お願いします。」善川、「望月さん、凄いじゃない~~奇麗~~。」生野も、「えぇ。正に。」珠里たち、「望月さん、頑張って。」ステージ上、センターの、根岸。「こんにちは。ココルキーと言うバンドです。我々、今までアマチュアバンドとして活動して参りました。ただ、何か新しいエッセンス。と、いう事で、私の隣におります、望月優茉さんと、新婦の高井戸睦美さんに曲の提供を。」優茉、チョコンとお辞儀を。そしてニッコリと。根岸、睦美に、「睦美さん、ご結婚、おめでとうございます。」耀司と睦美、バンドに向けてお辞儀を。根岸、「今や、レコード会社ダイナムズ所属となり、邁進しております。聞いてください、新曲、君の街へと。」そして…。演奏されるや否や、あちらこちらで、「素敵~~。」「いいわ~~~。」壮一郎、「へぇ~~~。たまげたなこりゃ。」陽平、「中々じゃないですか~~、高井戸さ~~ん。」その声に壮一郎、「うんうんうん。」清水、「素敵な曲~~~。」芙美花も景織子たちも、「でしょ。」善川たちも、「素敵な曲~~。」生野、「中々ですね~~。」珠里と有紀、「何、凄~~い。望月さんと。」「うん。今や高井戸睦美さんとの。」ボーカルにサックスが重なる。生野、「かかかかか。中々どうして~~。望月さん、やるねぇ~~。」清水も、「サックス、凄~~い。女性で~~。」暁美、「かかかか。やるねぇ~~。昔、シンガーだった頃を思い出すよ。」晄史、母を見て、「ははははは。うんうん。」思わず誓、「え…???…お義母さん、昔、シンガー…???」晄史に、「私、聞いてないよ~~。」晄史、「かかかかか。話してないもん。」暁美、誓に、「昔の事だよ、昔の~~。」聞き入っている出席者たち。耀司と睦美、思いを寄せるように、曲に。「いい曲だ。」「えぇ。うれしい~~。」芙美花、「はは。また、涙、出て来た。いい曲なんだ~~、この曲。」景織子たちも、「うん。ねぇ~~~。」母親たちも、「何だか、癒されますよね。」「うんうんうん。」凡そ、4分少々。演奏は終了する。途端にまた、拍手喝采。小白川、「素晴らしい~~。うんうん。納得。感動は、人のこころをも動かす。これが睦美さんの編曲。新しい人生ね。」そして、隣の暁美に。「ね、おかあさん。暁美さん。」暁美、頷きながら、「全くです。先生も、これまで、睦美の事、ありがとうございました。」小白川、「あの、引っ込み思案の睦美さんが、今、こうして…。」暁美、ニッコリと。そして、自信を持って、「えぇ。…あの子なりに。…あの子なりの。…変わりましたよ~~。いろんな人たちに、恵まれてます。ありがたい限りです。」小白川、ニッコリと。耀司、始終、睦美に優しい目で。そんな耀司に睦美も朗らかに。汐梨、「さ~~て。そろそろ、エンディングだわ~~~。オシ。」全ての人に絶賛されながらの耀司と睦美。会場内は歓喜で溢れかえる。カメラマンはシャッターを押す。そして、ビデオマンはしっかりと撮影。胴上げはされずとも全員からのハグ。睦美は笑顔満載。拍手が絶えない。そして…。最後に…。コンフェッティシャワー。睦美、女性陣からのハグ。そして…。最後に。芙美花、睦美の前に、そして睦美目掛けてのコンフェッティシャワー。睦美、笑顔満面に、「わぁ~~。」芙美花、睦美に、ニッコリと。「ママ~~。」そう言いながら睦美をハグ。そんな芙美花を睦美もハグして、「うん。ママ、ありがとうだよ。」芙美花、睦美を抱き締めながら、「ず~~っと、ママでいい~~~。はははは。」 ―――― Fin ――――ママでいい…。 vol,342. 芙美花、睦美を抱き締めながら、「ず~~っと、ママでいい~~~。はははは。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.30
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そして、睦美もドレス姿のままピアノに。そんな睦美を優しい目で見つめながら。耀司を見て睦美、笑顔で頷いて。壮一郎、「いやいやいやいや。何と。」香奈枝、「凄いのね~~。ふたりでピアノ~~。」汐梨、ニコニコと、「はははは。」晄史、「こういう事が、出来る~~。」暁美、「小白川さん。」静まり返る会場内。麹屋たち、「こりゃ、中々どうして~~。」やがて…。小白川から…。神林、「おほ、この曲。」清水、「凄い。」芙美花、「あは。」陽平、「何とも。」壮一郎、「これまた。」そして…、睦美のピアノが…。善川と生野、「チャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番。」「しかも…、アンサンプル。」彩未と万智、両手を顔の前で、組みながら、「凄~~い。」正に、2台のピアノが奏でるチャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番のアンサンブル。清水、「何とも。…芸術。」景織子たち、「涙、出て来た~~。」ドレス姿の睦美。そして、礼服の小白川。正にアート。生野も珠里も有紀も奈織も彩未も万智も、「素晴らしい。」「素敵~~。」望月、「完璧だわ。」孔太、「凄ぇ~~~。」聞き入る主席者たち。麹屋に酒巻、「迫力、だ~~ねぇ~~。」「あぁ。」酒巻、「それにしても、高井戸さん、凄ぇや。こんな人を。」永光、「あぁ。まさかねぇ~~。」根岸、「感動しかねぇなぁ~~。なぁ、神林~~。」その声に神林、「あぁ~~。全く。」香奈枝と諒子、「はは。涙が出て来る。香奈枝さん。」「えぇ。えぇ。ほんと。凄い。」善川、「これほどまでに出来る。さすがは眞鍋さん、はは。」生野、ニッコリと、「全くです。」入瀬景波留美。景織子の母親である。「高井戸さん、凄い方とご結婚。」森崎麻里。こちらは千愛の母親。「ほんと、素晴らしい。」酒部由紀奈。こちらは詩乃の母親。「こういう人、いらっしゃるんですね~~。」顔を傾げながら、「羨ましい~~。」そして、「芙美花ちゃん、本当に良かった~~。ねぇ~~。先生~。」その声に清水、コクリと。そして笑顔で、「えぇ~、本当です。」景織子、芙美花に、「羨ましいぞこんにゃろ~~。」千愛も、「あ~~~ん。涙、止まんな~~い。」詩乃、「うんうんうん。」耀司、演奏を聴きながらに頭の中で。「…さすがに睦美さん、凄いや。」こちらも演奏を聴きながらに、芙美花、始終笑顔で。そして、頭の中で、「…うれしい~~。うれしい~~。私のママだ~~~。」そして…。思い出す、インフルの時の事。……芙美花、「私の…。…おかあさん、じゃなくって…。ママになってくれる…???」睦美も顔が火照っている。そして、鼓動が高鳴っている。睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」睦美、芙美花を見つめて、「分かった。」その声に芙美花、自然に睦美の体に。睦美、その体を受け止めて。芙美花を抱き締める。ピアノ演奏を聴きながら芙美花、小さな声で、「…ママ。」演奏終了。途端に大歓声。「イェ~~イ。」そして、拍手喝采。「凄~~い。」ピアノ演奏が終了して、睦美と小白川、握手。ニッコリと。そして、出席者たちに一礼。再びの拍手喝采。「素晴らしい。」小白川、睦美に、「圧巻だったわ。さすが睦美。」睦美も笑顔で、「ありがとうございます。先生。」会場内からは、「ブラボ~~~。」穏やかになる会場内。そして…、再びバセット、睦美に2本足でダイブ。睦美、「はははは~~。バセット~~。ありがとう~~。」耀司もバセットの頭を撫でながら、「ははは。ありがと、バセット~~。」勝臣、「大絶賛。はははは。」MCの加賀美が、「それでは、次の準備まで、しばらくの歓談を…。お楽しみ、くださいませ。」神林、「さてと。」根岸、「だ~~な。」ひとつのテーブルの男性陣が…。壮一郎、「ん~~???」陽平、「なんでしょうか…。」香奈枝も諒子も、「あの方たち。」望月も、「ちょっと、私も。」万智と彩未、「え…???…望月さん…???」清水、「何…???」景織子たち、「ねね。芙美花~~。」その声に芙美花、口を真一文字に。そして目を真ん丸に、「うん…???…へへぇ~~。」これは、立っての芙美花のお願い。なのであった。結婚式の2週間前…。芙美花、睦美に、「ねね、お願~~い。」汐梨、「うん。いいんじゃない。」耀司も、「はは。いいかも~~。」睦美、「…ですね。」で…。会場内、ステージに運ばれてきた楽器と機材。清水、「え…???」景織子たちも、「うそ。」善川、生野に、「もしかして…。」生野、ニッコリと。「…かも、知れないですね~~。望月さんもいませんから。」珠里も有紀も、「あは。」事務局員たち、「まさか…。あは。cocolkyee~~。」そして…。楽器と機材のセットが整い…。晄史も、「いいねぇ~~。」誓、ニコニコと。「うんうん。」そして、晄史に耳打ちするように、「メンバーには言ってるんだけど~~。望月さんとお義姉さんにはまだ内緒。」真梨邑が加賀美に耳打ち。そして、MCの加賀美が…。「お待たせしました。」 ママでいい…。 vol,342. 2台のピアノが奏でるチャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番のアンサンブル。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.29
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一番はしゃいだのが、さすがに芙美花の友達の景織子たち。「す~~ご~~。」「おっきぃ~~。」「おっきくて可愛い~~。」清水、「ふふ。久し振りに見たわ~~。」ヨシカワ音楽教室の面々も。生野、「いやいや、驚いた、中型犬ですか~~。」善川、「立派だわ~~。」珠里、「何とも、風格、ありね~~。」晄史と誓もニコニコと。暁美、「ほんとに凄いのね~~。しかも、大人しい~~。」「いやいや。中々どうして~~。」麹屋。小白川とココルキーの面々は、この時点ではまだセレモニーに到着はしておらず…。そして…。やがて挙式。バージンロードを今。出席者、見た瞬間に。「…奇麗。」「…ほぉ~~。」「…はは。」「…な~~るほどね~~。」「…うんうん。眞鍋さん、父親、いないから~~。」「…納得。」「…お兄さん…???…それとも、弟さん…???」様々に、印象が…。睦美とバージンロードで手を組んで歩いたのが…。晄史。壮一郎が、「ヨッ。はははは。」香奈枝、「おとうさん、シッ。」陽平も、「はは。天晴れ。」勝臣と麻沙美、そして芙美花。そして、芙美花の隣でバセット。芙美花、「奇麗だよね~~、バセット~~。」そんな芙美花の声にバセット、「クゥ~~ン。」そして…。披露宴。出席者、総勢35名。そして…、披露宴のMCを担当するのが、この人。睦美が初めて花柳での生ピアノ演奏の時の披露宴のMCを担当したフリーアナウンサー、加賀美結子(かがみゆうこ)。「それでは、新郎新婦、入場です。」そして…、ひと際、歓声とスマホが注がれたのが…。新郎新婦への花束贈呈。麻沙美とバセット。堂々たる風格のバセット。首には花の首輪が。麻沙美、叔父に、マイクに。「おじちゃん、結婚、おめでとう~~。」耀司、麻沙美にニッコリと、「ありがとう~~。」そしてマイクがバセットに。バセット、口に銜えた花束が入ったカゴを睦美に。睦美、バセットから受け取り、「ありがとう~~。」その瞬間、バセット。「ワン。」そしてまた2本足になって睦美にダイブ。睦美、そんなバセットを受けて止めて、「バセット~~。」その瞬間、会場内、「きゃ~~~。可愛い~~。」「おぉ~~~。」拍手喝采。芙美花、思わず、ガッツポーズで、「やった~~~。」景織子たちも、「凄~~い。」壮一郎、「ははは。大したもんだ。」汐梨も、「ヨシ。オッケー。さすがパセット。」暁美、「凄いのねぇ~~。」晄史も誓も、ニコニコと、「うんうん。」「さすがだわ。」善川と生野も、「凄いのね~~。」小白川、「話には聞いてたけど、凄い。」神林、「犬がここまで…。」麹屋、「はははは。うんうん。」そして…、その後はバセット、しっかりと睦美の傍で…。芙美花がバセットに、「よろしくね。」バセット、そんな芙美花に、敬礼するかのように、「ワン。」そして…。乾杯。祝宴。とにかく、ひっきりなしに睦美とバセットが絶賛。汐梨、「はははは。うんうん、いいぞぉ~~、バセット~~。」真梨邑も、「凄いんですね~~。圧倒だわ~~。」真梨邑にドヤ顔で、「でっしょう~~。ふふ。」景織子たち、「もぅ~~、感激の結婚式~~。」清水も感激で、「こんな結婚式、初めて~~。」芙美花、「はははは。先生、最初っから、スマホ~~。」そんな芙美花に清水、「だって、こんなの凄過ぎる~~。」清水、最初っからスマホでカメラのアプリを。プロのカメラマンも、随所で、「いいねぇ~~。」同じく、ビデオ撮影も、「中々~~~。」竹澤、「これも、ヒットねぇ~~。犬と一緒~~。」汐梨、竹澤に、「でしょ~~。ふふ。」そして…。結婚式恒例の…、余興であるが…。今回の結婚式では、特に出席者たちからのカラオケなどはなく…。しかも、リクエストもない…。けれども…。小規模の…、30数名の披露宴としての会場の広さとは異なり、誰もが会場入りの時に気付いた印象。…なのだが…。それに気付いたのがヨシカワ音楽教室の出席者の面々。「もしかしたら…。」ツインのピアノと、広いステージの設え。祝宴が盛り上がる中で、MCの加賀美、「それでは、これより、みなさま、初めから、この会場に入った瞬間に、あるインパクトが…。そういうのも、実は、会場にありますツインのピアノと広いステージ。まずは…。ご紹介します。新婦の睦美さんが幼少の頃からのピアノの恩師に当たります小白川亜耶乃先生。そして、新婦ご本人とのセッションのご披露となります。」会場からは拍手喝采。「凄ぇ~~。」「凄~~い。」「それでツインのピアノ~~。」景織子たちも、「うそ~~~。」その母親たちも、「凄~~い。」珠里に有紀、「んもぅ~~。ワクワク~~。」小白川、会場内に一礼をしてピアノに…。 ママでいい…。 vol,340. 花束贈呈。麻沙美とバセットである。堂々たる風格のバセット。首には花の首輪。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.28
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「きゃ~~~。晴れた~~~。」部屋で芙美花。「良かった~~。雨だったら、つまんな~~いって思ってたも~~ん。」リビングで耀司、コーヒーを飲みながら、「まっ。6月、梅雨入りだからって、覚悟はしてたからね~~。」豪雨になったり、真夏日になったりの繰り返しが、この2週間は続いていた。そして…。本日、2025年、6月8日。高井戸耀司と眞鍋睦美の結婚披露宴。で、ある。耀司は2回目でもあるし、披露宴は…。…なのだが、肝心の花嫁、耀司の妻となる睦美は初婚である。内心、40前に結婚式なんて…。…と言う気持ちでもあったのだが…。そこは耀司の妹、汐梨。ブライダルプランナーである。「冗談じゃない、やるに決まってんじゃない。」と、なるのである。高井戸家、キッチンでは耀司の母、香奈枝が朝食の準備中。耀司の父、壮一郎はソファにどっぷりと浸かって、胡坐を掻きながらの新聞を大判振舞えで。「いやいやいや。朝から、とんでもねぇ暑さだ。」耀司、その声に、「とにかくも、異常気象だ。」「でもね~~。かかかかか。」香奈枝、キッチンから。「私はもぅ~~。眞鍋さん…???…睦美さん、見てびっくり。本当に、奇麗で可愛い人~~。」目を真ん丸に。壮一郎もその声には、ニコニコと。「あぁ。俺だって、うそだろって、思ったくれぇだから。ははははは。」そして、テーブルの、椅子に座っている耀司に、「おぃ。…大切にしろよ~~~。…んじゃないと、祐里子さんに申し訳立たねぇ。」そして、壮一郎、新聞のページを繰りながら、「これで、祐里子さんにも、良い報告、出来るな~~。えぇ~~~…???…ははははは。」耀司、テレビを見ながら、「あぁ。」壮一郎、「けど、おま。」耀司に。「祐里子さんもべっぴんさんだが、え~~???…眞鍋さんも、とにかくぺっぴん。はははは。大したもんだ。」芙美花、リビングに。「おはよう~~。」香奈枝、「おはよう~~。」壮一郎も、「おぅ、芙美花~~。ははははは。おはよう~~。」芙美花、キッチンの祖母に抱き着いて、「おはよう~~。」香奈枝、芙美花を抱き締めながら、「おはよう~~。」こちらでは。2日前からホテルに滞在の、宇喜多陽平、諒子夫妻。凡そ、2年振りの東京である。結婚式の前日の昨日、ホテルで、祐里子の両親の提案でホームパーティが開かれた。諒子、ホテルのレストランで朝食を摂りながら、「睦美さん、とにかく奇麗で~~。」陽平も、「あぁ。」頷きながら、「いやいやいや。とにかく。縁と言うものは分からん。それに、耀司君とは7歳も年下。かかかかか。いやはや。」諒子、「芙美花、おかあさんじゃなくって、ママになるの。って。もぅ~~、はしゃいじゃって~~。」その声に陽平、「まぁな。芙美花にとっては、ママになる年齢なんだろ。いい人みたいじゃないか、睦美さん。」諒子、ニッコリと。「えぇ。」そして…。耀司の両親。祐里子の両親。睦美の家族。芙美花。汐梨の家族。それに。ヨシカワ音楽教室から、教室長の善川始め事務局員たち。そして、ココルキーのメンバーたち。株式会社ウェルストンの社員。そして、芙美花の立ってのお願い。と、いう事で、博楼高校から芙美花の担任の清水。他にも芙美花の友達の景織子、千愛、詩乃。そして、その3人の母親たち。そして、海外から、睦美の結婚という事で是非出席という事で、小白川亜耶乃。それぞれが出席しての高井戸家、眞鍋家の結婚式が汐梨の勤務先である、ブライダルセレモニーhanayagi~花柳~にて執り行われた。汐梨のブライダルプランナーとして、耀司は、ある意味、汐梨と睦美に全て任せる事に。そこに、僅かながらの芙美花も参戦。出席者全員、挙式から披露宴まで。それぞれが初対面という事もあり、最初は緊張ムードではあったが、そんな中で、このふたりの存在が挙式から披露宴を和やかにしたのであった。その存在と言うのが、芙美花と麻沙美。そしてバセットである。芙美花の方から、お願いだからバセットも一緒に結婚式と懇願されての汐梨。一言返事だった。「了解。分かった。」斯くして。出席者たちが初対面同士の待合ロビーにて。新郎の控室から出て来た芙美花と麻沙美、そしてバセットに待合ロビー、いきなり、「可愛い――――――っ!!!」「凄ぇ~~。犬~~???」で、一気に場が盛り上がったのだった。中型犬のバセットが、そのまま、場の人気者に。すぐさまバセットに出席者たち。壮一郎、「ハハハハ。さすがにバセットも来たか~~。」陽平、「来ない訳には行かないか~~。なぁ~~、バセット~~。高井戸家の守護神。はははは。」 ママでいい…。 vol,339. 「芙美花にとっては、ママになる年齢なんだろ。いい人みたいじゃないか、睦美さん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.27
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芙美花、父にご飯をよそい、「はい。」耀司、「お、サンキュ。」芙美花、「ねね、おとうさん。岡山のおじいちゃんとおばあちゃんにも睦美さんとの事、教えないと。」瞬間、耀司、「おっと、あっぶねぇ~~。なんだかんだあってすっかり忘れてた~~。」そんな父に芙美花、ブスッとした顔して、「もぅ~~~。」椅子から立ち上がろうと。芙美花、「もぅ~~。」自分のスマホを部屋着のポケットから出して、「私から電話する~~。」そして…。「お味噌汁冷めちゃうから食べて~~。」耀司、椅子に座って、「あ~~い。」芙美花、「あ、もしもし、おばあちゃん。」スマホから女性の声、「何、芙美花~~。いきなりだからびっくりした~~。」相手は祐里子の母親の宇喜多諒子(うきたりょうこ)である。スマホで芙美花、「あのね。突然なんですけど~~。おとうさん、再婚する事になりました~~。」いきなり耀司、ご飯を口に入れたのを、「ぶっ。…って、やばい、やばい。」そして芙美花を見て、「てか、そんな、どストライクに。」スマホから、「え…???…え―――――――っ!!!」遠くから、「おぃおぃ。どうした…???…芙美花って。」この声は祐里子の父親の声、宇喜多陽平(うきたようへい)、72歳。諒子同様に現在、年金暮らしである。諒子、受話器を持ちながら、「耀司さん、再婚するんですって。」陽平、台所から駆けつけて、「おぃおぃ。」受話器から芙美花の声、「もしもし。もしもし。」諒子、「芙美花、あぁ、うん。はいはい。おばあちゃん。」受話器から、「あのね、おばあちゃん。」陽平、女房の持つ受話器に耳を近づけるように。受話器から芙美花の声、「おとうさん。今度~~、再婚する事になったの。…でね。式は来月の8日。日曜日。」諒子、「いや。今聞いてび~~っくり~~。」受話器から、「ごめんね。おとうさん、おばあちゃんたちに知らせてるかな~~って思ってたらまだだって。だから今、私が~~。おかあさんスマホ、捨ててなかったから、それから電話番号~~。」スマホから、「そぅかぃ、そぅかぃ。わざわざ~~。」耀司はもぐもぐとご飯を食べている。芙美花、「あ、おじいちゃん。今、おばあちゃんにも言ったけど~~、おとうさん、再婚する~~。と~~っても奇麗な人~~。」耀司、その声に両眉を上下に2度程。芙美花、「うん。その人は~、今、ピアノ講師してる人~~。でぇ~、もしかしたら、テレビに出るかも、知れない人~~。」耀司、またいきなり、「ぶっ。」そして、「おぃ、芙美花~~。それはまだ分かんねえだろ~~。」スマホから、祖父の声、「一体、何がどうやって、そんな風に…。」芙美花、「う~~ん。…つまりは~~。……。」芙美花、朝食そっちのけで母の実家の祖父と電話での話は続く。「どうせ電話料金はおとうさんの銀行口座からだもんね~~。」そういう事である。「いやいやいや。高井戸~~。いつの間に~~。…って言うか、この前会った時には~~。」この声は耀司の共同経営者の麹屋。耀司、パソコン画面に。「悪ぃ、悪ぃ。2億円問題でな。頭がそっちの方に。…それに…。まっ。こっちの方も、ああだのこうだので…。まっ。…で。…さっきも言ったように。」パソコン画面の麹屋、「何…???…その、音楽教室の。…って言うか、今はピアノ講師。」「あぁ。」「いや。何か、先ず有り得ねぇ話だよな~~。」「ん~~~。まぁな~~。」「…って言うか~~。まっ。実際の話し~~。高井戸家自体、ある意味、やべぇもんな~~。」麹屋、少し、可笑しがりながら、「おま、家事一切出来ずに、芙美花ちゃん大学受験。やっべぇだろ。家事やりながら受験勉強~~???…おぃおぃ、そりゃないだろって。…確かに。心配はしていた。」耀司、「まぁな~~。…で、切っ掛けは~~去年の芙美花の修学旅行~。…実際、芙美花自身、後で聞いた話だけどな。家事の事で、修学旅行、諦めてたようだったんだ。」いきなり麹屋、「そりゃ、おま。可哀そ過ぎるだろ。幾ら何でも。」「まっ。俺は、そんなの関係ないから、行って来い。的、感覚で。」「しっかりしてるわ、芙美花ちゃん。…んなおま。毎日、家事やってる人の身にもなってみろ~~。人にゃ、生活のリズムってもん、あんだろうが~~。」耀司、その声に、申し訳なさそうに、「ま、まぁな。」「修学旅行中に家の事~~って、思っちゃうって事だろ~~。」「…ま。まぁな…。」「家の事、考えてんのに。それに、家事一切出来ない父親~~。修学旅行から帰ったら、疲れがどっと。」耀司、またまた申し訳なさそうに、「はいはい。その通りです~~。」麹屋、「…で、おま。その…???…妹さん。」「あぁ。」「大したもんだ。…んじゃ、高井戸~~。妹さんに、天晴れ、やんなきゃ~~。」「そういうこった。」 ママでいい…。 vol,338. 「大したもんだ。…んじゃ、高井戸~~。妹さんに、天晴れ、やんなきゃ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.26
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自室でレッスンの構成の準備中、睦美に神林からライン。「あら…???…神林さん。」そして、「あは。」ニッコリと。「結婚おめでとう。」その文字に睦美、小声で、「ありがとうございます。」メッセージには、「孔太から知らされてみんな驚いて。しかも、相手が高井戸さんと聞いて。まっ。中には、な~~るほどね~~って感じてた者もいるけど…。とにかく、こんなに早く。って言うのが事実、驚き。是非、しあわせになって欲しい。それに。これが一番なんだけど。眞鍋ちゃんと望月さんのお蔭で新しいココルキーの誕生。メンバー全員、張り切ってる。ダイナムズの青畑さんも勢いづいてるから、俺たちも頑張れる。もしかしたら、今月中にも、新曲でライブ配信されるかも。」瞬間、睦美、「うそ。」「当然、孔太の彼女のファッションでね。今は、ココルキーの今までの曲と、新しい曲で、とにかくミーティングに忙しい。また、連絡するね。じゃ。あらためて、結婚、おめでとう。」睦美、思わず目頭が熱く、「あ~~~~。ははははは。」望月家の玄関のチャイム。モニターを見て…。スピーカーから、「すみません、ご連絡した寛原と申します。」優茉、「あ、は~~い。」玄関で…。女性、丁寧にお辞儀を。「寛原莉々(かんばらりり)と言います。」優茉、ニッコリと。「あは。孔太さんの~~。」莉々もニッコリと。「あ、はい。」「じゃ、上がって。」「失礼しま~~す。」寛原莉々、矢島孔太の彼女である。所謂、ココルキーのコスチュームとなる、メンバーファッションの採寸を取りに来たのである。現在、孔太と共にアパートで同棲をしている。彼女は都内のアパレルブランド「Luce~ルーチェ~」のスタッフ。入社4年目。デザイナーを目指している。優茉、採寸と取ってもらいながら、「もぅ~、び~~っくりしちゃって~~。」莉々、「はははは。いえいえ。私の方から申し出たくらいですから~~。」「孔太さんとはお付き合いして、どのくらい…???」「5年に…、なりますか。うん。同じ大学で、居酒屋で…???…うん。はは。席を立ちあがった瞬間に、ぶつかっちゃって。それからです。ふふ。私から一目惚れです。」優茉、思わず、「うそ―――――――っ!!!」そして優茉、「孔太さん、羨ましい~~。」「ぶつかった瞬間に、あ~~すみません、大丈夫ですか、洋服、どこか、濡れたところ。どこか、怪我は。って。もぅ~~、最初っから、親身で。」優茉、その声に、ニッコリと。「うんうんうん。何だか、分かる気がする。孔太さん、仕事でも、物凄い心配り、凄いですから。」莉々、「何だか、物凄い、細かいところまで気が利いてて、それでいて、とにかくマメで優しい。」「まっ。キーボード弾いてますからね~~。それは納得。はははは。」「でも、望月さんも凄いです~~。物凄いサックス、上手~~~。」優茉、その声に、お辞儀をしながら、「ありがとうございます。」そして莉々、辺りを見て、表札を見て、「高井戸耀司、芙美花。…ここだわ。」チャイムを。すると、「は~~い。どうぞ~~、開いてま~~す。」ドアを開けて、「こんにちは~~。」すると、犬と小さな女の子が。犬が、「ワン。」いきなり莉々、「わっ。びっくりした~~。」女の子が、フロアに正座になって、ペコリと、「いらっしゃいませ。」汐梨と睦美、「いらっしゃ~~い。」睦美、「望月さんから聞いてます。寛原さん。」莉々、ペコリと。「あ、はい。」汐梨、リビングで睦美の採寸を見ながら、「いやいや。あの孔太さんの彼女さ~~ん。」語尾を強めて。「とにかく、奇麗な人だよね~~。」莉々、恐縮しながらも、「いえいえ。そんな…。望月さんも物凄い奇麗な方で~~。」汐梨も睦美も頷きながら、「うんうんうん。それは言える。」汐梨、「で、こちらの眞鍋睦美様も同じように、お奇麗~~。」その声に照れながらも睦美、「もぅ~~。汐梨さ~~ん。」汐梨、「はははは。」莉々、「はい。もぅ、玄関でお会いした瞬間に、凄い奇麗って。」笑顔で莉々。汐梨、お辞儀をして、「ありがとうございます。」耀司、自室から出て来て。「あ、はい。こんにちは~~。」莉々、思わず、「あ。」採寸の途中で、「お邪魔してま~~す。」汐梨、「兄の高井戸耀司。睦美さんの旦那になる方。」莉々、いきなり手を止めて丁寧にお辞儀を。「は、初めまして、寛原莉々と言います。」耀司、両手を差し出して、「あ~~、いやいやいや。そんなに。」頷きながらも、「うんうん。うん。ははははは。」キッチンに。「そっか~~。採寸かぁ~~。ははは。どんな感じになるのか、待ち遠しいね~~。」汐梨も睦美も、そんな耀司に、ホッコリと。汐梨、「だ~~ね。」睦美も、「ですね。」耀司、ウーロン茶の入ったコップをかざして、「これからに、乾杯ってねぇ~~。」ニッコリと。 ママでいい…。 vol,337. 耀司、ウーロン茶の入ったコップをかざして、「これからに、乾杯ってねぇ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.25
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芙美花、「…で…???…睦美さんの声…。」3人を見て。汐梨、「あ。」睦美を見て、「睦美さん…???」睦美、耀司を見て、「耀司さん、ほら。階段から落ちた。」瞬間、耀司、「あっ。」思わずフィンガースナップ。そして、「はいはいはいはい。あの時ね~~~。うんうんうんうん。河原崎栄伍~~。その人~~。」睦美、「でぇ~~。河原崎栄伍さんマネージャーがぁ~、救急車、呼んでくれて~~。その救急車の後を~、晄史と誓が、タクシー捕まえるのに、自分たちの車でねぇ~~。病院まで~~。…確か、あの時の、晄史が貰った名刺の名前が~~、マネージャーの辻元香世子さん。完璧に覚えてる。」耀司、その話に、「うんうんうん。確かに。…って、睦美さん、凄いや。かかかか。俺なんて、今、言われて、やっと思い出した。」汐梨、「まっ。このでくの坊だからね~~。」いきなりムカッとした顔で耀司、汐梨に、「うるさいわぃ。」思わず睦美、クスッと。汐梨、睦美に、「…って言うか。…そうだったんだ~~。…私は…、電話で病院に行って、まま、事情を聞いただけだけどね~~。」芙美花、「…で、おとうさんは、左肩と右足ね~~。」睦美、3人に、「その節は、たいへん申し訳ありませんでした。」申し訳なさそうな顔でペコリと。耀司、思わず睦美に、「おぃおぃおぃ。」汐梨、「かかかかか。な~~んで~~???…でもさ、あの時の事があったから~~。尚の事、兄さんと~~。」そんなふたりに睦美、思わず両肩をチョコンと上下に。僅かに顔を引込めるような感じで。そしてニッコリと。汐梨、思わず睦美に、「やだ~~~。」目を真ん丸して大声で、「睦美さん、可愛い~~~。もぅ~~~。」耀司もニコニコと。「ははははは。」そんな3人を見て芙美花も、ホッコリと。睦美、汐梨に、「…で、汐梨さん。…その、辻元さんのお相手の方って。」耀司も、「あ。うんうんうん。」すると。汐梨、ふたりにニンマリとした顔で。「ニシシシシ~~~。」耀司、眉間に皺を。そして右目を歪めて、「なんだよ、そのニシシシシ~~。」汐梨、「まま。とにかく芸能関係だから、とにかくびっくり。でぇ~~。当然、睦美さんのピアノ生演奏~~。決まりました~~。かかかか。」いきなり睦美と芙美花、仰天した顔で、「え―――――――っ!!!」睦美も芙美花も口に両手を。芙美花、「凄~~~い。」耀司、「かかかかかか。うんうんうん。」睦美、嬉しさ満面で、「あ~~~ん。」汐梨、「…って事でぇ~~。そのお相手。まぁ~、一般企業の社員さんなんだけど~~。兼倉(かねくら)損害保険の結城光也(ゆうきみつや)さんって方。何でもフレックス制の社員さんなんだって。」耀司、「ふ~~ん。」睦美も芙美花も汐梨と耀司に、「フレックスって…???」「あん。つまりは、自分が働きたいときだけ、会社に来て仕事をするって。簡単に言えば、そんな社員。」芙美花、「うそ。そんなのあり…???」耀司、そんな芙美花に、「うん。あるよ。ただ。一定の労働時間は定められているから~~。労働時間、つまりは~~。自分の働く始業、働き始めた時間と~~、終業時間。仕事を終える時間、この時間を自分が決められるって訳。世の中、いろいろとあるからね~~。自分のライフワークで、この時間は忙しい、家庭の事情もあるから。」芙美花、「へぇ~~ぇえ~~。」汐梨、「…で。辻元さん。この方は元々は、元編集者さん。引き抜きで芸能プロダクション創健社に入社したんだって~~。でぇ、その理由がぁ、編集者時代の年収400万より増額の650万で決めたらしいんだけど~~、現在の年収は800万。超ベテランマネージャー。」耀司、思わず、「凄ぇな。マネージャーって、そんなに所得。」汐梨、「あん。でも…そうでもないらしいわよ~~。だから~、超ベテランマネージャー。今の河原崎栄伍、見てれば、納得でしょう~~。」語尾を上げて。耀司、「あ、そっか~~。」「で。」汐梨。「河原崎栄伍との番組の打ち合わせで一緒になった人が、その結城光也さん。損害保険のコーナーでの打ち合わせ。…で、思わず、インプレッションで気に入り、「この人」と、思い付いて~~、付き合い始めて~~。辻元さんからプロポーズ。光也さんは30歳。あ。そして~~、その、辻元さん。睦美さんと同い年の38~~。」瞬間、睦美、目を真ん丸にして、口に両手を。「わっ。凄い。」汐梨、ニッコリと。「でぇ。ピアノ生演奏と評判になっている~~、セレモニー花柳を~、友人から紹介されての結婚式の申し込み~~~。」耀司、「へぇ~~。凄ぇや。」「挙式は6月の20日。まっ。平日だけどね~~。ごくごく内輪での挙式でって。」「な~~るほどね~~。まっ。芸能人、忙しいから。」 ママでいい…。 vol,336. 「編集者時代の年収400万より増額の650万で決めたらしいんだけど…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.24
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眞鍋、望月に、「え…???…全部。」生野、「それはそうです。とにかく、孔太君、そのバンドが大手レコード会社の、ダイナムズと契約。しかも、望月さんと眞鍋さんもそのバンドに関わってる訳ですから、我がヨシカワ音楽教室も、一丸となって応援する事になりますから~~。」そんな生野の声に眞鍋、目を大きく、「わぁ~~~。」望月もニッコリと。眞鍋、みんなに丁寧にお辞儀をして、「ありがとうございます。」珠里、「はははは。望月さんからも、そんな風にお辞儀されちゃったもんね~~。」望月、「当たり前です。本当に嬉しかったから~~。」生野、「でも。」笑顔満面に、「望月さんの作曲、で、眞鍋さんの編曲した曲が、世に出る。こんなに喜ばしい事はない。うん。」望月、ポツリと。「まだ…。分かんないですけど…。でも。」望月、みんなに丁寧に頭を。「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」眞鍋も同じく、再び頭を…。万智、「どんな曲なのか、聞いてみた~~い。」そんな万智にみんなが頷いて。珠里、眞鍋に、受け取った招待状を顔の前で。「とにかく。眞鍋さん、ご結婚、おめでとう~~。喜んで出席させて頂きます。」生野も、「えぇ。」みなが、「うん。」「もちろん。」「待ち遠しい~~。」「あ~~ん、結婚~~。」そして…。5月に近いある日。耀司、仕事をしながら…。「うん…???…おっと。」そして…。「ホームぺージの依頼…か。…河原崎栄伍。…って、あの河原崎栄伍っ???…芸能人のっ。」そして…。こちらでは…。ある男女が、汐梨と真梨邑の前で。男女が名刺を汐梨と真梨邑に。「芸能プロダクション創健社(そうけんしゃ)、マネージャー、辻元香世子(つじもとかよこ)さん。…それから、兼倉(かねくら)損害保険…、結城光也(ゆうきみつや)さん。」汐梨、ふたりを見て、「よろしくお願い致します。」お辞儀を。真梨邑も同様に。高井戸家にて。汐梨、レッスンが終了してそのまま高井戸家に来ている睦美に。そして、仕事に一息入れた耀司に。「ねね。芸能人のマネージャーの結婚、決まった。」その声に睦美も耀司も、「え…???」耀司、コーヒーを飲みながらに、「へぇ~~~、凄ぇや~~。」そして耀司、「…って言うか~~。俺んとこにも芸能人からホームぺージの依頼~~ぃ。」睦美、耀司を見て、「え…???…そうなんですか…???」汐梨も、「うそ。」耀司、キョトンとした顔で、「ふん。…いや、凄ぇなって思って。」汐梨、思わず、「へぇ~~~。」そして耀司に、「…で、誰…???…その芸能人って。」耀司、コーヒーカップを口に持って行きながら、「河原崎栄伍。」いきなり汐梨、仰天した顔で、「え゛っ!!!…河原崎栄伍…???…すっごぉ~~~。え~~~???」耀司、「だろ。」そして汐梨に。「…で…???おまえんとこは。」汐梨、「芸能プロダクション創健社、マネージャーの~~、辻元香世子(つじもとかよこ)さんと言う人。」思わず睦美、眉間に皺を。そして顔を傾げて。「うん…???…あれ…???」そして…、「確か…。その、名前…。芸能人。そして、マネージャー。」すると、いきなり、「あ~~~~。」口を大きく、大きな声で。その声に。2階で勉強をしていた芙美花も、「うん…???…睦美さんの声…???」汐梨と耀司、「睦美さん…???」睦美、ふたりに、「その人、その人、その人。芸能人の河原崎栄伍さん。そして、マネージャーの辻元香世子さん。」耀司を見て、「私たち、お世話になった~~。」芙美花、2階から降りて来て、「どうかした~~???…睦美さんの声、聞こえたけど。」その瞬間、汐梨、「ぷっ。」そして、「かかかかか。聞こえたか~~。」いきなり睦美、芙美花に顔の前で両手を合わせて、「ごめんなさ~~い。」芙美花、キョトンとして、「あ、ううん。別に、何でもないなら、良いんだけど。」汐梨、芙美花に、「兄さんにぃ~~。芸能人からホームぺージの依頼~~。…で、私のとこにも、芸能人のマネージャーからの結婚式の申し込み~~。」芙美花、「へぇ~~。凄いじゃ~~ん。…で、誰なの…???…その芸能人って。」耀司、ポツリと。「河原崎栄伍。」いきなり芙美花、目を真ん丸にして、慌てて、「うそ。」3人を見ながら自分の椅子に勢いで座るように、「あの、河原崎栄伍…???…凄~~い。」汐梨、「今や、売れに売れまくっている芸能人だからどねぇ~~。まま。タレントだよね~~。ドラマや映画には。出てないけど~~。バラエティじゃもぅ~~。何本…???…MCだって。物凄いよね~~。」「うん~~。確かに。他にも、ニュース番組だって~~。朝の、顔でもあるもんね~~。凄ぇよ。」耀司。芙美花も、「うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,335. 「望月さんの作曲、で、眞鍋さんの編曲した曲が、世に出る。こんなに喜ばしい事はない。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.23
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そして芙美花、父に、「はぁ~~ぁあ~~???…私が、堂真あみに~~。」目を真ん丸にして芙美花、「かかかかか、冗~~談~。私が堂真あみに、似てる訳ないじゃ~~ん。」耀司、眉間に皺を。そして顔を傾げて、「ふん…???…そうかな~~。」汐梨、睦美に、「はは。楽しんで来た…???」睦美、ニッコリと、「う~~ん。久し振りに~~。」「そぅ~~。良かった~~。」買い置き用のビールとジュースをキッチンの棚に汐梨。「これで良し。」睦美、「でね、汐梨さん。」汐梨、睦美に、「うん…???」「音楽教室の黒川さんに会っちゃった~~。もぅ~~、パッタリ。」椅子に座っての耀司、「そうそう、デリスタでね~~。」ふたりの声に汐梨、思わず目を真ん丸に、「うそ。黒川さんに~~???…デパートのデリスタで。」睦美、目を瞑りながら頷いて、「えぇ。」耀司、「いやいやいや。び~~っくり~~。」汐梨、「わ~~お~~。」芙美花、父と睦美に、「何々…???…じゃあ、おとうさんと睦美さんの事、音楽教室にバレたって…。」汐梨、右目を瞑って、「あっちゃ~~~。」睦美、またまた頷いて。耀司、「まぁ…、別に、隠しているつもりじゃなかったんだけど~~。」睦美、「犯人は孔太さん。」汐梨、「あ~~ん。な~~るほどね~~。」そして汐梨、「まま。確かに。頷けるよね~~。コスチュームの事で。」そして汐梨、「…ってか。孔太さんも、話したくってウズウズしてたんじゃない~~…???…はははは。」睦美、「本当は、結婚式の招待状で、知らせるつもりだったんですけどね~~~。」汐梨、「かかかかか。」そして耀司を見て、「じゃあ兄さん。明後日、ヨシカワに行ったら、思わず。」耀司困ったような笑顔で、「あぁ。まっ。覚悟は出来てるけど~~。」けれども…。その予測に反して…。ヨシカワでは、その反応はなし。それもそのはずである。事務局に行けば、必ずは誰かレッスン生とその親御さんと一緒になるからである。そして…。眞鍋からの結婚式の招待状でようやく…。誰も彼もが…。教室長の善川、眞鍋からの招待状を受け取って、「もぅ~~、とにかくび~~っくりよ~~。え~~、いつの間に~~って。しかも、お相手が…???…麻沙美ちゃんの叔父さん…???…高井戸さんって。…私、まだお会いしてないから~~。もぅ~~。」眞鍋、「はい。あれこれとありまして。高井戸耀司さんと、一緒になる事に。」「もぅ~~~。はははは。良かった~~。うんうんうん。おめでとう~~。喜んで、出席させていただくわ。」そして善川、「あ、じゃあ~~、小白川先生には…???」眞鍋、笑顔で、「はい。もう知らせてあります。先生もビックリされて~~。喜んでました。」「そう~~うんうんうん。おめでとう~~。」そして…。事務局に久し振りに顔を出した眞鍋にいきなり、「眞鍋さ~~~ん。」全員から。生野、「いやいやいや。もぅ~~。全員びっくりですよ~~。ははははは。」珠里、「まさか…、相手が高井戸さんとは。好きな人が出来た~~、なんてのは、予感はあったけどね~~。」奈織、「まさか。だよ~~もぅ~~~。」彩未は、「私なんてまだ恋愛中なのに~~、眞鍋さんの方はもぅ。」万智はブスッとした顔で、「もぅ~~。ラインしてても、全然、そんな事、教えてくれないんですも~~ん。」奈織、「ばか万智。…んな事、出来る訳ないでしょう~~。じゃなくても、高井戸さん来ても、それにはタブーって、珠里さんと有紀さんから~~。」眞鍋、「あ。それで~~。高井戸さんも、全然、反応なかったよ~~って。」生野、「ははははは。ある訳ありませんよ~~。他のレッスン生の親御さんもいるんですから~~。おいそれと個人の情報は~~。まっ。こういう事は、そう、自然に。…と、いう事で~~。」そして生野、「だって、望月さんなんか、全く~~。物凄い秘密主義。全然、そんな素振りも~~。」その声に望月、「あ、いや…。でも、私も実は、孔太さんの話しで、決まったかって、思いましたから~~。ココルキーの事で、高井戸さんとは、2度程~~。」奈織、「でも、凄いよね~~。聞けば、孔太のバンド~~。」彩未も、「うんうんうん。私なんて、何、望月さんが作曲~~って聞いて、び~~っくり~~。しかも、眞鍋さんの編曲って~~。それでココルキー、レコード会社と契約って。どういう事…???」生野、「とにかく、縁ですね~。そして、才能です。天晴です。望月さんも眞鍋さんも。」「…って事は。」万智。「望月さんも、眞鍋さんも、音楽家…???」望月、すぐさま右手を振りながら、「いやいやいや。…そんな…。」奈織、望月に、「いや。分かんないよ~~。大手レコード会社の、ダイナムズだから~~。」眞鍋、「あ。でも…、孔太さんからみなさん、どこまで話…???」珠里、「全部。」望月、「みたいですね~~。」 ママでいい…。 vol,334. 生野、「とにかく、縁ですね~。そして、才能です。天晴です。望月さんも眞鍋さんも。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.22
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睦美、黒川に、「私も、ココルキーがダイナムズとの契約にはうそ――――っ!!!…って。」黒川、「聞けば、眞鍋さんの弟さんのお嫁さんがって。…これがまた凄いよね~~。弟さんもそのお嫁さんもダイナムズの社員なんて~~。大手レコード会社。いやいやいや~~。」睦美、またまた、黒川にお辞儀をして、「ありがとうございます。」有紀の隣の女性、始終、朗らかに。有紀、眞鍋と高井戸に、「あ。ごめんなさい。姉のまき。来週、結婚式なの。でぇ、あれこれとね。揃えるものも揃えなきゃって。」瞬間、睦美、「あん。そう言えば~~。確かに、あの時、来春って。あ、そっか~~。」女性を見て、「眞鍋と申します。」丁寧にお辞儀を。真紀(まき)、ふたりにお辞儀を。「有紀がいつもお世話になっております。」耀司もお辞儀をして、「いえいえ。こちらこそ。黒川さんには姪がいつも。高井戸と言います。」有紀、姉に、「うんうんうん。」真紀に、「音楽教室のレッスン生のおじさまなの、高井戸さん。」そして高井戸に、「もぅ~~~。何度も言いますけど、高井戸さんも絶~~~対に、秘密主義者。な~~んにも言ってくれないから~~。」その声に睦美の顔がシュンと。そして耀司、面目なさそうに、「申し訳ありません。」有紀、「でも。まっ。言えませんよね~~。…って言うか。かかかかか。音楽教室で、そんな、大それた事って。かかかか、言えるはずもない。しかも。」眞鍋を見て、「眞鍋さんだって、もぅ~~。事務局員からピアノ講師になっちゃって、事務局にはまず、顔。」黒川に睦美、申し訳なさそうに、「えぇ~~。まず、顔を出すって事。」耀司、睦美を見て、「え…???…そうなんだ。」黒川、「時間的に、まず。しかも…、教室と事務局では、別棟になりますから~~。」耀司、「あ、そっか~~。…確かに。」睦美も黒川も頷きながら…。有紀、「ん~~。でも~~。…こんな風に、眞鍋さんと高井戸さんを見てると、とにかく、物凄いお似合い。眞鍋さんなんて、38になんて見えないし、とにかく奇麗で可愛い。しかも、高井戸さんなんて、確実にイケオジですもん~~。今でさえ、見慣れた顔なんだけど、もぅ~~。初めて高井戸さんが音楽教室来た時には、みんなで、凄っ。イケてる~~。な~~んて言ってたから~~。」その話には睦美、耀司を見てニッコリと。耀司、照れて、「あ、いや…。…でも、それほどでは。」睦美、「でも、娘さんには、イケオジって言われてますけど。」有紀、ニコニコしながらも、「あらあらあら。」耀司、頭の後ろを撫でながら、「あは。ははははは。いやいや。」ニコニコ顔の有紀、姉をチラリと見て、「じゃあ~~、私たち、これで。」睦美、「あぁ、うん。はは。じゃあ。」有紀、高井戸に。「高井戸さんも。それでは。」耀司、ニコリと。「はい。では。」睦美、「あ、黒川さん、結婚式、招待状、近々。」有紀、左手を挙げて、「あぁ、う~~ん、待ってる~~。」黒川と別れて睦美、耀司に、「び~~っくり~~。」目を真ん丸に。耀司も右目を歪めて、「うそだろって。いやいや、いきなりだからさ~~。一瞬、ヤバイって、思ったけど。」睦美、「私だって~~。」そして睦美、「あぁ~~。とうとうバレた~~。犯人は孔太さん。」耀司、思わず可笑しくなって、「かかかかか。まま、そうなるでしょ。若者ですから。」睦美、耀司に寄り添うように、「ねぇ~~~え。はははは。」そして…、あちらこちらに足を。耀司、「では。そろそろ。」睦美、「ですね~~。はは。楽しかった~~。もぅ~~。久し振りに歩きました。…で、いろいろ見ました~~。」運転しながら耀司も、「はは。右に同じ。」睦美、助手席でスマホに。「あ、もしもし、汐梨さん。これから帰りますけど、何か必要なもの~~。」そして…。「……。あ、は~~い。」そして、通話は切れる。睦美、耀司に、「マヨネーズって言ってました。」耀司、途端に、「またかよ。」睦美、思わず、「ははははは。冗談です。みんなで乾杯しましょう~って、お酒、ビールでも買ってきてください~~って。」耀司、頷きながら、「まま。俺、家では飲まないから、買い置き、ないんだよね~~。」睦美も、「確かに。冷蔵庫の中にはまずない。」耀司、「ご存じで。」睦美、耀司を見て、「はい。」そして睦美、「あ、でも…。これからはビール、冷蔵庫に買い置きしましょうか。ふたりで飲むの。」耀司、そんな睦美にニッコリと、「いいかも…。ですよね~~。」芙美花、睦美と父に、「何々…???…何観て来たの…???…おいしくて泣く時、観た~~???」睦美、「はい。観ました。」耀司、「うん。良かったよ、その映画。おまえのお薦め通りに。」芙美花、「うんうんうん。長尾謙杜と堂真あみが出てんの。」「うん。けど。」芙美花を見て、「おま、堂真あみに似てない…???」その声に芙美花、「…はい…???」 ママでいい…。 vol,333. 「これからはビール、冷蔵庫に買い置きしましょうか。ふたりで飲むの。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.21
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壮一郎、電話で汐梨の話しを聞きながら、ボォ~~~ッと。受話器から、「もしもし…???…もしもし…???…ねぇ、ちょっと~~、聞いてる~~???」壮一郎、ボォ~~ッとしながら、「…あ、あぁ~~。」そして、耳から受話器を外して…。香奈枝、そんな亭主に、「お、おとうさん…???…電話…。」壮一郎、また、「…あ、あぁ~~。」そう言いながら、受話器をそのまま女房に。香奈枝、そのまま受話器を持って、耳に。亭主を見ながら、「もしもし。」受話器から汐梨の声。「あぁ、かあさん。」すると香奈枝、ニッコリとして、汐梨に、「ふふふ。おとうさん、ボォ~~ッとして、受話器を私に。」受話器から、「え~~~ぇえ~~~???」壮一郎、未だにボォ~~ッとして、ふらりふらりと廊下に。そのまま、胡坐を掻くように、床にズデン。そのまま、遠くを見るように、「あんの野郎~~。嫁、もらう~~~???…再婚~~~。」香奈枝、受話器を耳に、「うんうんうん。へぇ~~~。あ~~~。うんうんうん。確かに~~。麻沙美が通ってる音楽教師~~。うんうんうん。近くだもんね~~。そぅ~~~。え…???…うそ。韓国人。うんうんうん。へぇ~~~~。」香奈枝と汐梨の話しは、まだまだ続く。そして…。「さてと。」耀司、運転席で。睦美、助手席で。「はい。」耀司、「行きましょうか。」睦美、「ですね。」耀司と睦美、初めての…、デート。電車でもいいのだが、ふたりだけの時間を。と、いう事で、汐梨が提案。「それに、折~~っ角、車があるのに、走らないなんて勿体な~~い。」との事である。耀司、過去の記憶を辿り寄せながら…。そして…、汐梨や芙美花の映画情報を当てに。そして、既に助手席の睦美も、あれこれとスマホで映画情報を。要するに耀司も睦美も、ここ、数年来、映画自体、観たことがない。運転しながら耀司、睦美に。「どんな感じ…???」睦美、「ん~~。汐梨さんと芙美花さんのお薦め…???…でも~~。結~~局は~、映画館に行って、その時に。」その声に耀司、「まぁ。そんな感じだろうね~~。…ってか、汐梨も芙美花も、実際には観た事がないんだから。」「そうなんですよね~~。今、公開中の映画ですから~~。」「まっ。行ってから決めちゃお。…ただ。一応、お目当ては決めといて。」「ですね~~。」そして…。結局、映画、3本を観て、現在は、とあるデパートのレストラン。和やかな雰囲気のふたり。会話は弾んでいる。そして…。デパートの中をあれこれと。すると…。遠くの方で、手を振る女性。睦美、顔を傾げて…。思わず、「え――――――っ!!!」そんな睦美に傍の耀司、「うん…???」睦美、ニコニコしながらも、「耀司さん、黒川さん、黒川さん。」耀司、眉間に皺を。顔を傾げながら、「黒川さん…???」すると、急ぎ足でふたりに近づいてくる女性。思わず耀司、「あ~~~、はははははははは~~。」有紀、息せき切りながら、「見つけてび~~っくり~~。え~~~~~っ!!!」そんな黒川に睦美、ニコニコしながらも、「あは。バレちゃいました~~。」有紀、睦美に、「もぅ~~~。」耀司、黒川を見て、照れ臭くなって、「ど~~もです~~。」有紀、そんな高井戸にも、「もぅ~~。高井戸さんも~~。全然、何も言ってくれてないから~~。」照れ臭さの絶頂の耀司、後ろ頭を撫でながら。有紀、「…って言うか~~。薄々、予感はしてたけどね~~。ま、相手は誰か…、までは分かんなかったけどさ~~。…それがまさか。もぅ~~、びっくり~~。」睦美、「もしかして…、孔太さん。」「ビンゴ~~~。かかかかか。もぅ~~。事務局内で大騒ぎ、みんなで、え――――――――――っ!!!」睦美、耀司に、「ほら。ココルキーのコスチューム。」耀司、「あ~~~、はいはいはい。うんうんうん。」有紀、「…って言うか、凄~~い、眞鍋さ~~ん。ピアノ講師になったと思ったら、いきなりセレモニーの生ピアノ演奏。それに、バンドの編曲~~。望月さんからも聞いてび~~っくり~~。あの人もあれで、かなりの秘密主義者だから、もぅ~~。ま~~ったく~~。何も言わないから~~。」その声に睦美、「わお。望月さん、そんななんだ~~。全然そんな風には見えないけど。」耀司に、「ねぇ~~。」耀司、「ん~~。はは。」チラリと睦美を見て、「なのかな~~。」有紀、「え…???…高井戸さん、望月さん。」その声に耀司、「えぇ。2度程、お会いしてます。ココルキーの件で。いやいや。中々どうして、素敵な方で。」有紀、その声にコクリと。「えぇ。眞鍋さん同様に、奇麗で素敵な女性~~。」思わず睦美、赤面に。けれども素直に受け止めて、「ありがとうございます。」有紀、「…で~~、その、孔太のバンドも大手レコード会社と契約って、凄いったらありゃしない。」睦美、ニコニコと笑顔で、「はい。」 ママでいい…。 vol,332. 「あんの野郎~~。嫁、もらう~~~???…再婚~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.20
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耀司もそれには驚いて。「いやいやいや。しっかし。…たまげたな~~。えへ~~???」画像を見て。「しかも、みんな、凄い個性的に出来ちゃってるし~~。」睦美も汐梨も、「うんうんうん。」汐梨、「それに。望月さんと睦美さんのまで作っちゃうなんて~~。」睦美、「望月さんも電話でびっくりしてて。…でも、私たち、別にステージには…。…って、考えてないし。」その声に汐梨、口を噤んで、眉間に皺を。そして顔を傾げて、「ん~~んん~~???」語尾を上げて。そして、腕組みまでして、「でも…。…分かんないわよ~~。あの青畑部長なら~~。」睦美、「でも…。…誓も何も言ってないけど…。…それに…。ダイナムスとココルキーが契約したって事も、誓からは聞いてないし~~。」汐梨、そんな睦美に目を閉じてかおを左右に。そして顔の前で右手を振りながら、「いやいやいや。あの誓さんだったら言わない、そんな事。」いきなり睦美、キョトンとしながらも、「へ…???」耀司も、口をへの字にしてニッコリと。「ふん。確かにね~~。」そんな耀司を見てまた睦美、「え…???…耀司さんも…。」汐梨、コーヒーを飲みながら、「…って言うか~~。あぁ見えて、誓さん、かなり、賢い人よ~~。」「俺も、そう思う。」汐梨、「まっ。すんなりさぁ~~。…って言うか、実際、会社の中で~~、ここと契約決定~~、なんて、そんな事、上司なら部下に伝達するでしょう~~。それなのに誓さん、何も言わない、なんて有り得ない。…ってぇ事は~~、つまりは、後は内輪でって奴~~。」耀司、「はははは。」睦美を見て、「つまりは。ココルキーのみんなでダイナムスとの契約を分かち合ってくださいって事。だから~~。望月さんも睦美さんも、言うなれば~~、今やココルキーのメンバーになっている訳だから~~。幾ら、自分の義理の姉であろうとも、言うべきではない。メンバーとしての伝わり方もあるからって。」汐梨、コクリと。「そういう事。」耀司、「まぁ~~。汐梨の言う通りに、誓さん、賢いって言うのも、あるとは思うんだけど~~。とにかく、誓さん、思いやりのある人、周りの人を大切にする人。だと、俺は思うけどな~~。」汐梨、そんな耀司に、ニコリと、「はは。言い得て妙。」耀司、椅子から立ち上がりながら、「お褒めに預かり恐縮~~。」睦美、耀司に、「え…???」耀司、「言い得て妙。つまりは正にぴったりな表現。あとは~~。うまいことを言うもんだ。…と、いう事。」睦美、納得しながら、「へぇ~~~。」けれどもクシュンして、「日本語難しい~~。」「…って言うか。」汐梨。「まっ。今の現代っ子も、あんまり使わない言葉、だけどね~~。まっ。中には、そんなの知らないけど…。って、現代っ子も、いるはず~~。」口を尖らせて。そして、「はははは。」耀司、睦美と汐梨に、「あ、俺、仕事な。」汐梨、「了解。」睦美も、「はい。お疲れ様です。」そして耀司、部屋に入って、「へぇ~~ぇえ~~。コスチュームかぁ~~。」そして、「はは。…もしかして、望月さんも睦美さんも、コスチューム着て、ステージに立つなんて。」椅子に座りながら、「…あったり、なんか、したりしてね~~~。」そして…。4月。芙美花、高校3年生。そして汐梨、ここに来て、高井戸家にてスマホで、「もしも~~し。」その電話に、「あら、汐梨~~。元気か~~ぃ。」「うん、元気。あのね。」電話の相手は母、香奈枝である。つまりは汐梨と耀司の実家、和歌山の母である。香奈枝、電話で話を聞きながら、「え―――――――っ!!!」廊下で足の爪を切りながらの壮一郎、ビクン「…つ。」右目を歪めて。そして、後ろに顔を、「何だぃ、いきなり~~。」香奈枝、受話器を持って、「おとうさん、おとうさん。大変。」右腕を大きく手招きで亭主を。「耀司が再婚。」その声に壮一郎、驚きながらも、「え、え~~~ぇえ~~っ!!!」女房を見て、「何々、何も聞いてねぇぞ。」香奈枝、受話器を亭主に。壮一郎、受話器を耳に、瞬きしながら、「もしもし。」受話器から、「あ、とうさん。」汐梨の声。「あのね。兄さん、6月に、結婚する。つまりは~~。再婚。」眉間に皺を寄せての壮一郎、「な、何じゃ、そりゃ。耀司が結婚、再婚…???」受話器から、「うん。あのね。本当はさ。この1年近く、何だかんだあってさ。ん~~。つまりは~~。去年の、芙美花の修学旅行辺りからね~~。私が、兄さん家に家事の手伝いするようになってからさ~~。………。」壮一郎、まだまだ眉間に皺を。「うんうんうん。」そして…。話を聞きながらに…。壮一郎、「へぇ~~~。」顔を小刻みに振りながら。「いやいやいや。…そういう…。」 ママでいい…。 vol,331. 「誓さん、思いやりのある人、周りの人を大切にする人。だと、俺は思うけどな~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.19
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「うそ。へ…???」景織子、そして千愛も詩乃も口に手を。そして3人共に、「え――――――っ!!!」「奇麗~~、」「可愛い~~。」「凄~~~い。」芙美花、笑顔で自慢げに、「へっへっへ~~~。」景織子、「うそうそうそ。38歳って…。全然そんな風に見えな~~~い。凄ぇ~~~。」芙美花、ニコニコ顔で、「でっしょう~~~。」千愛、「何々、なんで、こんな奇麗な人が~~。」詩乃も、「わ~~お、とにかく凄い。」そこに清水が…。4人に、「な~~~にぃ~~???…ふふふ。」いきなり千愛、「先生、先生。ちょっと、ちょっと。」清水、キョトンとしながらも、「???」千愛、いきなり芙美花からスマホを取り上げて。芙美花、「わお。」千愛、清水に。そして3人の背中に両腕を。渡り場の方に。芙美花、「ははは。やれやれ。」千愛、清水に、「これ~~~。」見れば、芙美花と睦美が高井戸家のリビングでのツーショット。千愛、「芙美花のママになる人、この人です。」画像を見て清水、いきなり目を真ん丸にして、口に手を。「え…???…うそっ。」すぐさま芙美花を見て、「え…???…芙美花さん…???」芙美花、清水に真っ赤な顔で、「えへへへへ。あ、はい。私の、ママになる人です。」清水、まだまだ目を真ん丸にして、「え…???え…???…凄い、奇麗~~~。…と、言うか、可愛い~~。え~~~~っ!!!」景織子も詩乃もニコニコと、「でっしょう~~。私たちも、今、見て、驚いたんです。」芙美花、「昨日、撮ったばっかり。インフルもあったし。それに、その後も何だかんだで、ゴタゴタと~~。それに…。ははははは。家に帰れば、今度は、あなたは勉強に集中って、すぐに2階に追いやられるし~~。キッチンはおばちゃんと睦美さんに占領されてるから~~。」景織子、「むつみさんって、言うんだ~~。名前。」芙美花、コクリと。「うん。まなべむつみさん。」清水、「へぇ~~ぇえ~~。」そして、未だに画像を見ながら、「それにしても、奇麗だわ~~。」千愛、画像をスワイプして、「あ、あれ…???」芙美花に、「じゃあ~~。この人が…、その、おばさん…???」芙美花、「あぁ、うん。うんうんうん。」景織子も詩乃も、清水も、「へぇ~~ぇえ~~。」千愛、「…ってぇ、事は~~。」またスワイプして、「おっと。これ、おとうさん。」清水、「うん。確かに。これ、芙美花さんのおとうさん。見た事、ある。」千愛、清水に、「へ…???…先生。」清水、「あん。それこそ、おかあさんのお葬式の後に~~。お家にお伺いしてね~~。」芙美花、「あ、はい。」清水、芙美花に、「もぅ~~~。安心だよね~~。良かった~~。先生も嬉しい~~。」そして芙美花に、「じゃあ、これで、亡くなったおかあさんに言い報告、出来ちゃうね。」芙美花、清水にお辞儀をして、「はい。ありがとうございます。」「はい。ホームルームの時間。教室に入って、入って~~。」4人共に、「は~~~い。」「ジャ~~~ン。これってどぉよ。」と、孔太から送られてきた1枚の写真。睦美、目を真ん丸にして口に手を、「え――――――っ!!!…凄~~い。」トイレから戻った汐梨。睦美が、「汐梨さん、汐梨さん。これ。」「うん…???…何これ…???…へっ…???…ココルキーメンバーのコスチューム…???」すぐに孔太に通話。2回のコールで、「はいは~~い、眞鍋さん、見てくれた~~???」すぐさま睦美、スピーカーで、「孔太さん、凄い、これ…。かっこいい~~。」スピーカーから孔太の声、「でっしょう~~。実は~~、俺の彼女、仕事がアパレルなんだ。」汐梨も、睦美も、「アパレル。」「あは。その声、木守さんも一緒。」汐梨、「あん、うん。孔太君、お疲れ様~~。」孔太の声、「お疲れ様です。…え…???…って、眞鍋さん、今、何処…???」睦美、「あ、はい。高井戸家です。」「高井戸家…???」汐梨、「あん。睦美さん、高井戸耀司、私の兄さんと結婚すんのよ。」いきなり孔太、「え――――――――っ!!!」汐梨、そんな孔太の驚きに、「あれ…???…言ってなかったっけ…???」スピーカーから孔太、「いえいえいえいえいえ。全然。全然、全然。うそ~~~。知らなかった~~~。ひぇ~~~~。」その声に睦美と汐梨、ニコニコと。孔太の声、「聞いてないっすよ~~~。かぁ~~~、知らなかった~~~。あ、おめでとうございま~~す。」そんな孔太の声に、睦美、汐梨、「はは。ありがとう。」汐梨、「…で、このコスチューム。」孔太、小型のワゴン車の荷台に腰を下ろして、「バンドが~~、ダイナムスと契約したって彼女に言ったら、いきなり、みんなのコスチューム作るって言い出して、みんなの採寸取って、作っちゃったんすよ~~。みんな、遠慮してましたけど、折角だしって。だから~~。今度、望月さんと眞鍋さんの採寸もお願いって事で。」睦美、いきなり、「え――――――――っ!!!」汐梨、「かかかかか。な~~るほどね~~。そっか~~。」 ママでいい…。 vol,330. 「じゃあ、これで、亡くなったおかあさんに良い報告、出来ちゃうね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.18
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「…で…???」耀司。「いつよ、結婚式。」汐梨、耀司に、「あ、うん。6月8日~~。大安なのよ~~。」耀司、「6月8日…???…ってぇと…。」壁のカレンダーを見て、「日曜日。」芙美花、大喜びの顔で、「わぁ~~~、はははは。うっれしい~~~。」そして…。眞鍋家では…。暁美、「はははは。おやおや。式場も日取りも…。かかかかか。そうかぃ。」晄史、「かかかか。さっすが~~、木守さん。なんたって、セレモニー勤務だから~~。」誓も、ニコニコと、「うんうんうん。」勝臣も汐梨から、「6月8日~~。」汐梨、「パパ、しっかりと有休ね。」その声に勝臣、ニコニコと、「OK~~。」睦美、ピアノ演奏を終えて。既にピアノの周りには新郎新婦と出席者たちが、大きな拍手。セレモニー花柳での3回目の結婚披露宴ピアノ生演奏。これも恒例となっている写真撮影。既にセレモニーのエントランスには過去の結婚披露宴ピアノ生演奏の写真も…。眞鍋睦美による結婚披露宴ピアノ生演奏、評判になっていた。スタッフからも激励を。そして、竹澤からも激励を受けていた。「眞鍋さん、ありがとう~~。ホントに感謝。うん。はははは。」時には、竹澤から汐梨も同伴での食事の誘いなども…。そして、スタッフ始め、竹澤からも、眞鍋の結婚の知らせに大絶賛。「羨ましい~~。眞鍋さんみたいな奇麗で可愛い人の旦那様になる人って…???」その声に汐梨、「私の兄。」これにはスタッフも竹澤もビックリ。「うそ―――――っ!!!」そして汐梨、ふたりのなり染めを話すのだった。それにスタッフも竹澤も、「へ~~~~。」そして、芙美花は春休み。当然ながら、「芙美花~~。しっかりと勉強~~。家事は私らに任せな。」と、尻を叩かれる日々。既に春休み前から午後からの高井戸家のキッチンは汐梨と睦美が占領していた。そして…、いつものようにふたりで高井戸家のリビングでお茶しながら、「本当はね~~。」汐梨。「私も、そろそろ、高井戸家の家事代行、引退しようとは、思ってるんだけどね~~。」なのだが。睦美から、「え~~~。お願いですから、もう少しだけ。」意地悪そうな顔をしての汐梨、「なんだ、けど~~。パパから言われちゃった~~。何言ってんの~~。この際、姑みたいにやっちゃった方が、いいんじゃない~~???…ですって~~。」その声に睦美、目を真ん丸に、「へ…???」目をキョロキョロとして、「しゅう…とめ。って…。あの…、お姑さんの事…???」汐梨、睦美に、「あん。まっ。そういう事。つまりは~~、ほら。誓さんの場合~~。睦美さんのおかあさんが姑になるでしょう~~???」「ぁあ~~~。うんうんうん。なるほど~~。」すると、思わず睦美、「ぷっ。」その笑顔に汐梨、「うん…???」睦美、「じゃあ~。汐梨さんは~、私にとっては、可愛い姑さ~~ん。」そんな声に汐梨、「は…???…か。かかかかかかか。はは。そっか~~。そうなるか~~。」耀司、廊下を。「うん…???…何の話し…???」睦美、「あん。汐梨さん、私にとっては可愛い姑さんって話、してたんです。」その声に耀司、眉間に皺を寄せて、「姑…???…汐梨が…???」僅かに顔を傾げて…。「あん。まっ。確かに。そういう風にも、言えるか~~。はははは。うんうんうん。」けれども。「まっ。ただ~~。可愛いって言うのは…。」すかさず汐梨、ぶすっとしながらも、「何よ。」一気に耀司、鼻の下を伸ばして目を真ん丸にして冷蔵庫に向かって、「しゅみませ~~ん。聞かなかった事にしてくださ~~い。」そんな耀司を見ないがままに汐梨、ぶすっとコーヒーを啜って、「何だかね~~。」睦美は申し訳なさそうな顔でニコニコと。「すみませ~~ん。」汐梨、「でも~~。本音、言っちゃうとね~~。毎日、睦美さんに会えるのが嬉しくって。そっちの方かな~~。ここに来るのって。」麻沙美は床にうつ伏せになってバセットの顔を見ながらのお絵描きをしている。そして…。3月も終わりに近づこうとしているある日。神林から望月にライン。新曲の依頼である。望月、神林に、「ありがとうございます。すぐにでも掛かります。」そして、その報せに睦美も快諾。どうやらココルキー、ダイナムスとの契約に漕ぎ付けたようである。耀司、汐梨と睦美に、「凄ぇな~~、ココルキー。ダイナムスと契約かぁ~~。」汐梨、「うんうんうん。いよいよ、走り始めたみたい。今、望月さん、次の曲、作ってるみたいだから。それに~~、睦美さんの編曲。」睦美も、「はい。たのしみです。」そして…、こちらでは…。教室の廊下で景織子たち、芙美花に、「あ~~ん、どんな人よ~~、芙美花のおとうさんの結婚相手~~。気になるじゃんよ~~。」その声に芙美花、「へっへ~~。」 ママでいい…。 vol,329. 睦美、「じゃあ~。汐梨さんは~、私にとっては、可愛い姑さ~~ん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.17
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そして…。それぞれ、帰路を。晄史、歩きながら、「青畑部長のあの顔、さすがだよね~~。」誓、「うんうんうん。全然、見る目、違ってたから~~。」晄史、望月に、「でも、望月さん、凄いですよ。素敵な曲ですよね~~。」望月、その声に嬉しそうに、「ありがとうございます。…でも~~。詞を書いてくれた神林さん、もぅ~~、とにかく最高~~。」睦美、「うんうん。私もそれは感じたな~~。…まぁ、確かに…???…奥様からダメ出しされた~~って言うのは聞いたけど~~。それでも、あんな風に詞が出来るなんて。」誓、「詞的センス…???…書き続けているって言うのは、やっぱり、凄いんですね~~。」そして…、望月を見て、「望月さんも今まで…。」望月、「あ、えぇ。100曲は、ありますね。家に帰ったら、青畑部長にメールで送りますけど。」誓、頷きながら、「うんうんうん。お願いします。彼らの存在だけで、大きな力が表現できるって感じのって聞いて、これは、来た~~~。ってなっちゃったから~~。」そして、こちらでは…。運転しながらの耀司、「とにかく、感動だね~~。」助手席の汐梨、「うんうんうん。はは。」耀司を見て、「もしかしたら、CDデビュ~~???」耀司、ニタリとして、「有り得るかも…。ただ…、業界…的には、かなり、大変ではあるとは、思うんだけどね~~。売れるか売れないかの、世界だから。」後部座席から前に繰り出しての芙美花、「でもさ。やっぱり凄いよ。当然、曲もそうだけど、詞…???…凄い、素直に耳に入ってくるの。」汐梨、「確かに。自然に、いいな、これ。…って感じるからね~~。」「うんうんうん。確かに。それは言える。」耀司。「でも、凄いよ。」汐梨、耀司を見て。「…で、仮にCDデビューなんてなったら、どうなるの…???…あの曲でのCDデビュー…???」そこまで言って汐梨、「かっかかかかかか。凄い、凄い。ある意味、睦美さんも…???…もしかして、メジャー…???…デビュー…???」芙美花、目を見開いて、「うそっ。」汐梨、「いやいやいや。」耀司を見て、「だって、あの流れだと、そうだよね~~。長い付き合いになるって。」運転しながらもニヤニヤしながらの耀司。「ま、まぁ~~。そんな、感じだったよな~~。」芙美花、目を真ん丸に、そして父に、「凄い、凄いじゃん、おとうさ~~ん。奥さんになる睦美さんがメジャーデビュ~~。ヒュ~ヒュ~~。ははは。」耀司、またまたニンマリとして。汐梨、そんな耀司を見て、「ふふふふ。うん。確かに。」眞鍋家。ソファでコーヒーを飲みながらの暁美、「へぇ~~え~~。凄いじゃないかぃ~~。長い付き合いになると思います、か~~。」晄史、「うんうんうん。いい流れだよね~~。」誓、「あ~~ん、もぅ~~、最っ高~。」そして、義姉を見て、「お義姉さん、良かった~~。」睦美も、ニコニコと、「うんうんうん。」暁美、「それはそうと、睦美~~。」睦美、母に、「うん…???」「おまえたち、結婚式、どうするんだい。」いきなり晄史も誓も、「あ~~~~~。」睦美、それぞれを見て、「え…???…あ。…いや…。それ…は~~。」晄史、誓を見て、「どぅ…。」「任せなさい。…と、言うか。…やる。うん。」汐梨。思わず、睦美、「え…???」耀司、そんな汐梨を見て、「ん~~~~~。ん~~。…確かに。」語尾を強めて。睦美、耀司を見て、「耀司…さん。」耀司、汐梨を見て、睦美を見て、「うん。まぁ~~。俺の場合…???…だったらさ。結婚式。もぅ、一度、やってるから…。その…、あれなんだけど~~。でも…。」また、汐梨を見て。汐梨、そんな耀司にコクリと。耀司、「睦美さんは~~。…当然ながら~~。初めてなんだし。…って言うか、子連れの…、男性で。」いきなり汐梨、「スト~~ップ。それ、芙美花の前で行ったら~~。」右手拳を振り翳して。耀司、「あ、あ、あ、あ…。…確かに。うんうんうん。悪かった。悪かった。」汐梨、「それは~、芙美花に言うセリフ~~。」「うんうんうん。はいはい。俺の失言。」「どんだけ睦美さんと兄さんが結婚するの、芙美花、嬉しいと思ってるか~~。」耀司、汐梨に頷きながら、「はいはい。はいはいはい。分かりました~~。」そして、睦美を見て、「そういう事だから~~。しっかりと、結婚式は、しましょう~~。」汐梨、睦美に、ニッコリと。「うんうんうん。しっかりと。私に。お任せ、あれ。」学校から帰っての芙美花、「あ~~~ん、絶対よ~~。絶対にやろう~~、結婚式~~。…私、睦美さんのウェディングドレス、見たい~~~。」そんな芙美花に睦美、ニコニコと。「ふふふふ。」汐梨、「…でもって~~。日取りはもぅ、決まりました~~。」耀司も芙美花も、目を真ん丸に、「うそ~~~。」睦美、「汐梨さん、セレモニーに電話してたんです。」耀司、「ぬかりな~~~。」汐梨、ムスッとして耀司に、「あったりまえでしょ、そんな事。」 ママでいい…。 vol,328. 「おまえたち、結婚式、どうするんだい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.16
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緊張を隠し切れないココルキーのメンバーたち。けれども…。望月、そして睦美。他にも晄史や誓を始めとする広報部長、そして、耀司と汐梨、芙美花と言う数名の観客を目の前に。そして…、スタジオ内は静かに…。やがて…。キーボードから…。やさしい旋律が…。やがて、ボーカル。何やら誓とその部長が話し掛けている。晄史は曲を聴きながらにニッコリと。芙美花、聴きながらに、「はは。また、涙、出て来る~~。」もう既に睦美の左腕を占領している。そんな芙美花を見ながらに、汐梨と耀司、顔を見ながらニッコリと。望月、右腕を胸に。そして左腕は肘を曲げて頬杖を就くような姿勢で。何ともゆったりと。ドラムでサビに。そして、ギターの間奏。耀司、聴きながらに、「中々どうして~~。」汐梨も、「うんうん。納得~~。」盛り上がるサビのリピート。そして…、エンディングは堂々と。余韻を残しながらの…、演奏終了。大きな拍手。「凄い、凄~~い。」「いや。実にいいよ~~。」ダイナムズの広報部長の青畑も、頷きながら…。芙美花、目にハンカチを。耀司、そんな芙美花を見ながら、「はははは。」芙美花、そんな父に、「だって、凄いんだもん。」そして、望月を見て、「これ、望月さんが作曲した曲。」望月、芙美花にニッコリと、「うん。でも、原曲だけだから。」そして、眞鍋を見て、「こんな感じにアレンジしてくれた眞鍋さん、凄いよ。」眞鍋に、「眞鍋さん、ありがとうございました。」睦美、その声に、「いえいえ。どういたしまして。」青畑が、神林に駆け寄り握手を。「どうもありがとう。素晴らしかった。」神林、青畑と握手をして、「ありがとうございます。」そして青畑、メンバーたちを見て、「どお…???…ウチでやってみる気、ない…???」いきなりの言葉に神林、「え…???」青畑、「やる気があるなら、考えてみて欲しい。面倒、みたいけど…。育ててみたいって、いうのはある。」その声にメンバーたち、顔を見合わせて、「おぉ~~。」望月も驚いて、「凄~~~。」睦美も音の出ない拍手。そして、誓に、「凄い、凄~~い。」耀司も、「おほ。凄い事になってきた~~。」芙美花、頷きながら、「うんうんうん。」青畑、「音もいい感じで出ていると思うの。それに、今の曲。」すかさず誓、望月と睦美に手を。「ふたりが手掛けた曲です。」青畑、ふたりを見て、「あなたが、望月さん。名前は…???」望月、「あ、はい。望月優茉(もちづきゆま)と言います。」青畑、望月を見てニッコリと。「うん。そして…。」睦美、一礼をして、「眞鍋睦美(まなべむつみ)と言います。」「誓さんの義理の。そして、晄史さんのお姉さん。」睦美、「あ、はい。」青畑、ニッコリとして、「はは。いいセンスしてる~~。聞けば、このメンバーに新しい楽曲って~~。うんうんうん。中々素敵な曲~~。聞かせてもらった。ありがとう。…ふふ。もしかして~~。行けるかも。…と、言うか、聴いてて、何だか、新鮮なのよね~~。…で、ス~~ッと入って行ける。曲もそうだけど、詞的センスも。耳に心地よく入って来る。」そして青畑、「出来れば、もっと聞きたいけど。」孔太、「あ、はい。」タブレットを持って、「これに…、僕たちの全部の曲が収録してあるんですけど。」青畑、ニッコリと。「うん。ありがとう。じゃ、後で送ってくれる…???」孔太、ニコニコと、「喜んで。」「それと~~。」青畑、望月に。「あなたの…。」望月、「あ、はい。」戸惑いながらも、「わ、私も、あ、はい。送らせて頂きます。」ニッコリと青畑、「えぇ。お願い。まだ、ココルキーの曲、2曲しか聞いてなくって。だから、今、初めて違う曲聞いて、全く違うエッセンスだから、すぐに興味がねぇ~~。」青畑、誓を見て、「誓さ~~ん。」思わず誓、青畑にニッコリと。「でしょう~~、部長~~。」青畑、誓を見て、両眉を上下に、「はは。やられた。…そして…。面白くなってきた…かな…???」耀司、汐梨に、「何だか…。」汐梨も、頷きながら、「うんうんうん。」青畑、メンバーたちを見て。そして、望月と眞鍋を見て、「長い付き合いに、なりそうね。」この時、既に青畑にはある青写真が…、出来上がってはいた。誓、青畑に、「部長、ありがとうございました。」そんな誓に青畑、顔を左右に、「ううん。私の方こそ。新しいものを持ってる。育ててみたい。そう感じたのよ。」そして青畑、メンバーたちを見て、「ただ…。原石…と、言う訳じゃないんだけど~~。それに…。…磨きたいって感じじゃないのよね~~。何かしら。…沈黙を持つ心を信じたい。的な…。彼らの存在だけで、大きな力が表現できるって感じの…。」誓に青畑、「ふふ。分かるかしら…???」誓、青畑に、苦しそうな笑顔で、「あはははは~~。勉強させて頂きます。」ペコリと。青畑、そんな誓に微笑みを。 ママでいい…。 vol,327. 「彼らの存在だけで、大きな力が表現できるって感じの…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.15
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養護室から出て芙美花、清水にまたお辞儀をして、ドアを閉める。待ち構えていた景織子に千愛、詩乃、芙美花を取り囲んで、「やった、やった。」「うんうんうん。」「ははははは。」そんな、養護室の外から聞こえる賑やかな声を聞きながらの清水、腕組みをしながらも顔を左右に緩やかに振りながら、「いやいやいや。何と。高井戸さん、凄い事。結婚する相手の女性が、元ピアニスト。で、今はピアノ講師。…で、今度は、曲の編曲。…何とも、凄過ぎない…???…しかも、38歳って。…芙美花さんの、ママ。」そして…、この件に関しては、学校長の舘脇、そして教頭の季久美、兼高、養護教諭の神代と言う風に、極々僅かの教職員のみの情報として極秘扱いに。舘脇、ニコニコとしながらも。そして、顔を傾げながらも、「いやいやいや。何とも…。」そして、両手を伸ばしてガッシリと組みながら、可笑しくて、嬉しくてならない顔で、清水を覗き込むように。そして、季久美をも覗き込むように見ながら。教頭の季久美も唖然としながらも戸惑いも隠せず、「ん、ん~~。何とも。」清水、舘脇の前で、笑顔で、「はい。」舘脇、顔を右に左に。「いやいや。驚きましたね~~。いやいやいや。…元ピアニストで、今はピアノ講師。…で、曲の編曲で、38歳。…高井戸さんの7つ下。…でもって、奇麗に可愛い。芙美花さんのママになる人。」そして季久美に、「いやいや、教頭~~。」季久美も、不思議なような顔でも、笑顔で、「はい。」コクリと。「でも、嬉しい限りです。」舘脇、清水に、可笑しがりながら、「いや…。」まだ両手を伸ばしてガッシリと組みながらの姿勢で、そして、額に皺を寄せながらの笑顔で、「どんな人なんですかね。」清水も、「私も…、気になるところですが、それ以上は…。」数回頷きながらの舘脇、「確かに。うんうんうん。」…そして…。3月。博楼高校は、無事にひとりの欠席者もなく、卒業式を迎えるのだった。各々のスケジュールを調整しながらの…。ココルキーの、望月と睦美の作曲、編曲で完成された、「君の街へと」の初披露を、スタジオ兼アパートの一室で聞いてもらいたいと孔太からの望月への連絡。その予定日の3日前に、誓から睦美にライン。「え…???…うそ。…広報部長が、ココルキーを直に見て聞きたいって…。」高井戸家で。すぐさま汐梨に。「汐梨さん、これって…。」汐梨にラインの画面を見せて。汐梨も、「広報部長が、ココルキーを直に見て聞きたい。うそ。」睦美を見て目を真ん丸に。そして、「兄さ~~ん。」耀司の部屋に大声で。そして、ドアをコンコン。ドアを開いて、「兄さん。」耀司、ドアの方に。汐梨を見て、「あん…???」汐梨の後から睦美も。汐梨、睦美のライン画面を耀司に。「これって。」耀司、「うん…???…広報部長が、ココルキーを直に見て聞きたい。」汐梨、「…って事は~~。」耀司、口を尖らせて。目をキョロキョロと。「ふん。…もしかして…。ココルキー、気になる…???」汐梨、間髪入れずに、「だよね。」そして、また、「だよね。だよね。だよね。」耀司もニコニコと。「うんうんうん。…多分。」汐梨、睦美に、「もしかして、ダイナムズも気になる~~???…ココルキー。」思わず睦美、笑顔に、「え――――――っ!!!」耀司、睦美に、「誓さんに確認してみたら。」睦美、「あ、あ。…はい。」汐梨からスマホを受け取り、そのまま誓に。そして、リビングに。3回のコールで誓の声、「もしも~~し、お義姉さん…???」睦美、「誓…???…今のラインって。」スマホから、「うんうんうん。…もしかして、ココルキー、化けちゃうかも。部長が、いいね、これ~~って~~。」睦美、途端に、「うそ~~~~。」誓の声、「うん。…で、ほら。お義姉さんたちの作った曲の初披露…???…スタジオ兼アパートでって。是非、同席させてもらえたらって~~。」椅子に座ったままで睦美、「え~~~~???」そんな睦美をキッチンから見て、ニコニコ顔の汐梨。そして…。芙美花も学校から帰ってその話を。ますます、その話で盛り上がる高井戸家のリビング。睦美、芙美花に、「うんうんうん。…で、望月さんと神林さんにはすぐにライン。どちらもOK。信じられないって。」芙美花、「え~~~???…じゃ、もしかして、気に入ってもらえたら、CDデビュー…???…凄~~~。」耀司も、「まさかね~~。」そして、「ダイナムズ。うんうんうん。大手レーベル~~。」睦美、「晄史も、もしかしたら、もしかして。かも。ははは。って。」汐梨、「うんうんうん。」そして…。当日。ココルキーのメンバーたちと直接の対面。ダイナムズの広報部長の青畑乃梨子(あおはたのりこ)。メンバーたちに名刺を渡しながら。汐梨たち。「何度も言うけど。女性の部長さんだったんだね~~。」誓と晄史、「うん。」 ママでいい…。 vol,326. 「…じゃ、もしかして、気に入ってもらえたら、CDデビュー…???…凄~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.14
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「もぅ~~。何とも嬉しい限り~~。ラインで、耀司さんと結婚します。な~~んてメッセージ来るんだも~~ん。いきなり、え――――――っ!!!って~~。」ニコニコ顔で。睦美、「ははは。」けれども僅かに申し訳なさそうな顔で、「ほんとうに、突然で申し訳ありませんでした。」「ううん。」汐梨、笑顔満面の顔で。「と~~んでもな~~い。もぅいきなり心臓がバックン状態。パパ~~~、兄さんと睦美さん、結婚決めた――――――っ!!!…って、大声で。かかかか。パパもいきなり寝室に入って来てびっくり~~。」ますます顔を崩しての睦美、「本当にいきなりでごめんなさい。」睦美に右を招き猫して、「な~~に言ってる~~。んもぅ~~。これが喜ばずにいられますかって~~。はははは。」睦美、「あ、ちょっと耀司さんに。」汐梨、「うんうんうん。」睦美、耀司の部屋のドアをノック。「睦美で~~す。今、来ました~~。」部屋の中から、「あ~、は~~い、おかえり~~。」ドアの外から、「ただいま。です。」「これ、片付けてから行く~~。」「は~~い。」ニコニコと睦美、リビングに。汐梨、キッチンから、「何から何までありがとうねぇ~~。かかかか。さすがに睦美さん、シンクから冷蔵庫、キャビネットまで完璧。はは。」睦美、椅子に座って、キッチンに向かって顔をコクリと。「恐れ入ります。」そして汐梨、僅かに顔を傾げて、「うん…???」そして、「ふふふふ。」すぐさま睦美に振り向いて、「ねね、睦美さん。」睦美、目を大きく、汐梨に、「うん…???」汐梨、ニッタリとして、「ニシシシシ。この際、料理は後で、ふたりでやるとして~~。こんな家だけど、ふたりでお茶、しようか。」その声に睦美もニコニコと。「え~~。うんうんうん。いいですね~~。」「そうとなれば~~。コーヒーっと~~。」睦美、そんな汐梨に、「ふふふふ。」そして…。こちらでは…。博楼高校。岬、「あれ…???…どうしたんすか、神代先生、この時間…。…もしかして…、またインフルで誰か~~???」職員室の自分の席で神代。そこに兼高、「何やら、2年B組と他の仲良しカルテット。3人で養護室の外で。何かしら。」岬、兼高の声に、「は…???」神代、白衣姿で、「ふふふふ。な~~にかしらね~~。」ニコニコと。岬、顔を歪めて、「はぁ~~ぁあ~~???…2年B組と他の仲良しカルテット…、3人。……、…って、事は…。清水先生…???」清水、芙美花に、「うんうんうん。大変だったよね~~。」その声に芙美花、清水にコクリと。「ご心配、お掛けしました。」清水、芙美花を見て笑顔で。「…で…???…今度は…???」笑顔のままで僅かに顔を傾げて。芙美花、僅かにもぞもぞと。「あの…、ですね~~。」養護室の外で聞き耳するように景織子、そして千愛と詩乃。詩乃はインフル罹患時、常に芙美花とラインしながら、「頑張ろ、ふたりでしっかりと1週間で学校、復帰。」「うんうん。了解。」千愛、「あん。でも、嬉し過ぎ~~。芙美花~~。ようやく~~。」また、目を潤ませて。景織子も同様に、「うんうん。だ~~ねぇ。」詩乃、音の出ないバタバタ。「あ~~ん、もぅ~~。かかかか。最高だよ~~。」養護室の中から、「え…???…ほんと…???」清水の声。養護室の外では3人、ガッツポーズで、「や~~った~~。はははは。」清水、芙美花からの言葉に、目を真ん丸にして笑顔で、「凄いじゃない~~。え~~~???…いつの間に~~???…はははは。」芙美花、「私が…、インフルに罹った時です。…おとうさん、決めたって。で、その人も私に。うん、分かったって。」清水、顔を傾げて、「え…???…芙美花さんに、うん、分かったって…。おとうさんと結婚する人って、芙美花さん、会った時。」「うん。」コクリと芙美花。「いつも、家には来ているので…。」清水、目を真ん丸に、「へぇ~~~。そうだったんだ~~。それも凄~~い。…って、言うか、その人が、前に話のあった…???」芙美花、その声にコクリと。「はい。…でも、結婚という事まで、中々。…で、おばちゃんが、中に入って。」清水、「うんうんうん。そっか~~。」そしてまた、「うんうんうん。おめでとうだよ~~。…で…???」僅かに顔を傾げて、「こんな事、教師が生徒に…。プライバシーな。…どんな人なのかな…って。」「私のママになる人、元ピアニストで、今、ピアノ講師です。」いきなりの声に清水、瞬きしながら、「ママ。…元ピアニスト…。今、ピアノ講師…。……。…って、凄い。」思わず芙美花、ニッコリと。「…で、最近から、曲の編曲…???…始めました。凄い素敵な曲。」清水、ますます驚かされて、「わ~~お、凄~~い。いやいやいや。」すぐさま芙美花、「今、38歳です。」「38。えっ。」またまた清水、目を真ん丸に。ニコニコと芙美花。 ママでいい…。 vol,325. 「私のママになる人、元ピアニストで、今、ピアノ講師です。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.13
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インフルエンザ感染から4日目。ここまで来ると既に。芙美花の熱は落ち着き、部屋着で家の中を。「動いていないとやっぱり、しっくりこないや。」耀司、テーブルでコーヒーブレイク中にそんな芙美花を見ながら、「まぁなぁ~~。…って言うか、おま、今年からは受験勉強。」そんな父に、こちらもコーヒーを作りながらの芙美花。「うん。」ニコニコと。そんな笑顔の芙美花を見ての耀司。「うん…???…随分と嬉しそうに。」「だ~~って~~。毎日、睦美さん、来るんだも~~ん。はは。」「まっ。確かにな~~~。」「…ってか、おとうさん。たまには睦美さん、どっかに連れて、本当にデート~~。毎日、家の中でじゃ、つまんないでしょう~~。」そこまで言って芙美花、キョトンと顔を傾げて、「あ、そっか。おかあさんとのデートで行ったとこだっけ。」耀司、コクリと。「あぁ。睦美さんからの提案でね。その方が自然だって。まっ。そうすりゃ~~。途中で行きたいところなんて、いろいろと出て来ると思うからって。」「な~~るほどね~~。」すると、芙美花のスマホにラインの受信音。「おっと、詩乃。…うん…???…あは。曲聞いた~~~。凄~~い。うんうんうん。これどうしたの…???…初めて聞くけど~~、かぁ~~。」耀司、そんな芙美花を見て、「うん…???」芙美花、ニンマリしながら、「へへへへ~~。君の街へと。詩乃に動画、送っちゃった~~。…てか、景織子と千愛にも。」いきなり耀司、「うそ。」「ほんと。」耀司、コーヒーを飲みながら、僅かに顔を傾げて、「まぁ。うん。…でも。…何れにしても、多くの人に、聞いてもらいたいしね。」芙美花、ニコニコと、「うん。」そして、芙美花、「でもさ~~。」「うん…???」耀司。「この曲、聞いてるとさ~~。なんか、聞くたびに、涙が出るんだけど。物凄い、温かくって、もの凄い、優しい。…でもって、胸にキュンと来る。でぇ~~。物凄い、大事にしたいって感じになれる。ん、だけど。」耀司、そんな芙美花に、「はは。うん。…確かにね~~。おとうさんは、この曲聞いて、とにかく新鮮。…って、思ったね~~。」「新鮮。」芙美花。「あぁ。」耀司。「何か、新しい芽が芽生えるって感じで。」「ふ~~ん~~。」芙美花、スマホの画面に指で。耀司、「さて。そろそろやるか~~。」芙美花、「あん。うん。あ。お昼、私、作るから。睦美さんにもそう言ってあるから。夕食と、明日の朝食の作り置きだけお願いって。」耀司、「おぅ。」汐梨が高井戸家に来れなくなっている1週間。逆に睦美、耀司との結婚の決意をして以来、嬉しそうに高井戸家に毎日。玄関を開けると、待ち構えているバセット。そしてスキンシップ。いつも通りに睦美に甘えるバセット。そんなバセットを愛らしく抱き締める睦美。「ん~~~。バセット~~。あはははは。可愛い~~。」ただ、極力、芙美花の出入りは、トイレ。そして風呂は耀司が入った後。そして、キッチンにも可能な限り控えるように。そして…、芙美花の部屋に入るときはとにかく、感染対策。マスクとグローブは必須。芙美花もそれを徹底している。実に。インフルエンザに罹患している家庭に何故他人が出入り出来る…???…と、いう事になるからである。いつも、朝と午後には見掛ける芙美花の姿がない。それに、高井戸家に出入りする若い女性。つまりは近所の目がある。しかも、いつものバセットの散歩に芙美花の姿がない。結局、耀司、近所のおばさんから尋ねられて、「いや~~。芙美花、今、インフルで。1週間、学校、休みなんすよ~~。…で、僕がバセットの散歩に。」「あらまぁ~~。芙美花ちゃん、インフル。いやいやいや。お大事に~~。今、流行ってるらしいものね~~。うんうんうん。高井戸さんも気を付けて~~。」と、なるが、実に、このやり取りだけでも、おばちゃん界隈では、なにやら、想像が…、膨らむので、ある。そして…。遂に、インフルエンザ罹患より1週間。高井戸家、木守家同様に、待機期間終了。既に、汐梨が、翌日から高井戸家に出入り解禁となる日に睦美にライン。…と、言うより、結婚の決意が決まった日から、睦美は既に汐梨にはラインと電話で。それからである、耀司とのラインと電話より、汐梨とのラインと電話の方が格段に時間は長くなっていた。睦美、インターホンから汐梨の声。「あは。」そして、相変わらずのバセットとのスキンシップでリビングに。汐梨、キッチンから睦美に。「は~~い。睦美さ~~ん。」睦美もそんな汐梨の体を受け止めて、「汐梨さ~~ん。」汐梨、抱き締めながらも、「おめでとう~~。」睦美、その声に、「あは。ありがとうございま~~す。」汐梨、ニコニコと、「うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,324. 「この曲、聞いてるとさ~~。なんか、聞くたびに、涙が出るんだけど。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.12
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そして…。眞鍋家では…。暁美が既に朝食の準備。起きて来た睦美。「かあさん、おはよ~~。」キッチンで暁美、「あん、おはよ。どうだぃ。芙美花さん。」エプロンを着用しながら睦美、「うん。昨日、病院に行ったって。」「ふん、そぅ~~。…んじゃ、1週間は、学校、休みだね~~。」「うん。」カウンター越しに睦美、「ねぇ、かあさん。」暁美、チラリと睦美を見て、「なんだぃ。」「私、耀司さんと結婚する。」そんな睦美を見て暁美、微笑みながら、「そうかぃ。うん。おめでと。」「え…???…驚かないの…???」そんな睦美に暁美、「はははは。物凄~~く、驚いた。はははは。」「は…???」「嬉しいに決まってるじゃないか~~。本音を言えば、いつまで待たせるんだぃって、思ったくらいだから~~。こっちはもぅ~~。いつか、いつかって~~。」そんな母に睦美、思わず口を尖らせて、「…ご、めん。」暁美、ニコニコと。「まぁねぇ~~。考えてみれば。」遠くを見るような目で暁美。「高井戸さんも、中々ね~~。ここまで来るのには、あれこれと。…まま。ようやっと、踏ん切りが着いたって言うか。まっ。今回の芙美花さんのインフルがそもそものタイミングだったんじゃないかね~~~。聞けば、高井戸さんの妹さんも、インフルって話だし。」睦美、「う、うん。」「まっ。頑張んな。どっちにしたって、レッスンの帰りは、高井戸経由なんだろ…???」「う、うん。」お味噌汁を作りながら暁美、「昨夜は、仕事がひと段落したから、早めに休んだのさ。そうしたら、下から誓の、やった~~~。お義姉さん、遂に、結婚~~~。ひゃ~~~。ってのが聞こえてきてねぇ~~。いきなり、布団の中で、ヨシッて。」暁美、ニッコリと。睦美、「な~~んだ、かあさん、誓のあの声、聞こえたんだ~~。」「…と、言うより、誓の、やった~~で、起こされちまったね~~。かかかかか。」睦美、自分の弁当を作りながら母を見て微笑んで。暁美、睦美に体を向けて、「睦美。本当におめでとう。」いきなり睦美、母のそんな姿に目が潤んで、「うん。」そして、涙声に、「ありがと。」暁美、そんな睦美を抱き締めて、「はは。おめでと、おめでと。」「かあさん…。」そして…。こちらでも。「ほいさ。」勝臣。汐梨、「あ、ありがとう~~。」布団から起きて。勝臣、「今日の朝食は~~。梅干しと豆腐のスープ~~。」汐梨、「ん~~。いい匂~~い。」「はは。まぁ、何とか、だるさも、ひと段落、したかな…???…熱も37度2。」汐梨、スープを啜りながら、「うんうん。何とかね~~。…とは言っても、1週間はねぇ~~。…それに、パパも出勤停止なんだもん。申し訳なくって~~。」その声に勝臣、「あ、いや。でも、しっかりと特別休暇、取得、しちゃってますから~~。」汐梨も、「まね~~。それ、言ったら、私も、同じなんだけど。かかかか。…但し。家の中だけって、言うのが…。かかかかか。慣れてないせいで…。」勝臣も、「確かに。」「パパなんてそれ相応でしょう~~。感染してなくって、1週間家の中で。待期期間。…って言うか、パパも気を付けてよ~~。この上、パパもインフル罹ったら麻沙美~~。」「あん。それはもぅ~~。心得ております。だから~~。マスクに、手袋。ディスポを使っております~~。」当然であるが、汐梨は夫婦の寝室で隔離状態。勝臣と麻沙美は別室にて。汐梨のインフルエンザ罹患時の状況である。勝臣、「でも、まぁ~~。ははは。ようやっとだね~~。お義兄さん。」汐梨、そんな勝臣を見て、「うん。…はは。思えば…、ナイス、タイミング。なのかも、知れない。…って言うか~~。」勝臣、妻を見て、「うん…???」汐梨、夫を見て、「芙美花の、ファインプレイ~~。」「あぁ。宮前師長に…???」コクリと汐梨。「兄さんのスマホで、泣きながらの訴え。…しかも…、インフルで、体もだるくっての…。」前を見て、「夢の中でね~~。…兄さんにも言ったんだけど、体が弱っている時の、その時の気持ちって、余程だよって。…芙美花、こころの声、だよね~~。芙美花、泣きながらだもん。そんな娘の声だもん。…覚悟が、決まったって…、事なんだろうね~~。」そして…。睦美、レッスン終了後は真っすぐに、高井戸家に。その、2日後だった。睦美に、望月からのライン。「ココルキー、歌詞が完成しました。」そのメッセージに睦美、目を真ん丸にして、「凄~~~い。はははは。」既に曲は、ココルキーのメンバーたちから、睦美の編曲を基にされて、楽曲として完成されていた。その動画がメッセージの下に…。睦美、「あ~~~。素敵~~。」そして…。「耀司さん。」バセットを抱き締めて頭を撫でながらの睦美。耀司、「うん…???」「曲、完成しました。」瞬間、耀司、「おっと~~~。」 ママでいい…。 vol,323. 暁美、睦美に体を向けて、「睦美。本当におめでとう。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.11
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「芙美花さん。夢の中で私がピアノを弾いてたんですって。そして、芙美花さん自身はクラリネットを…。演奏し終わったらみんなが拍手で。」睦美。晄史、「うんうんうん。」「耀司さんに汐梨さん。汐梨さんの多旦那様に麻沙美ちゃん。そして晄史に誓。」誓、目を丸く、そしてニッコリと、「わお。」「そして、耀司さんと汐梨さんの実家の、和歌山のおじいちゃんとおばあちゃん。みんなで拍手。」誓、「うんうんうん。」「そしたらね。そんな中で、いきなりみんなの中からバセットが芙美花さんに抱き着いてきたんですって。」晄史、「へぇ~~~。」「夢の中でおかあさんがいっぱい出て来て。…でも…。そこからはおかあさんが段々消えて行った。…夢の中で…。芙美花さん、物凄い、心細かったんじゃないかな~~。」晄史、黙って前を。「そっか~~。」誓、義姉を見て、「…だよね~~。…まだ、高校生。」その声に睦美、頷いて、「うん。…その時の事を、最初は、耀司さんから、夕飯食べる前に、話を聞いて。芙美花が、師長に言うんだ。涙声になって。…宮前さんに電話してた時に、芙美花さん、感極まって、宮前さんに、おかあさん、欲しい、欲しいよ~~って言ったらしいの。そして…、睦美さんと一緒にいたい。おかあさんじゃなくって、ママでいいから、ママになって欲しいって。」晄史と誓、「ママ。」睦美、コクリと。「うん。ママ。…耀司さん、言ってた。宮前さんに、俺、睦美さんと結婚しますって。だから、耀司さん。私にも。俺と、結婚してくださいって。…私も…、体、震えちゃったけど…。」そんな睦美を優しく見つめるように晄史。誓も。そして誓、「お義姉さん。」「そして…。2階に行って、お粥を芙美花さんに。全部食べてくれて…。…そして、芙美花さんからも、夢の話し。」誓、優しく、「うん。」誓、僅かに目を潤ませて。睦美も僅かに目を潤ませている。バッグからハンカチを取って。「芙美花さん、泣きながら、私の…。…おかあさん、じゃなくって…。ママになってくれる…???…って。」鼻の下をハンカチで押さえながら、「私も…、芙美花さんに、ママでいいのって…、聞いたら、うん。ママでいいって。…私、芙美花さんに、分かったって。芙美花さん、自然に…、私に自分の体を。」晄史、姉に笑みを。「姉さん。」ニッコリと。誓、両の頬の涙を両手で拭いながら、「…おめでと。」睦美、ふたりに嬉しい笑みを。目は涙で濡れているが…。ハンカチで鼻を押さえ、目の下を押さえながらにして、ふたりにニッコリと。そんな姉を見て晄史も誓も、微笑みを。睦美、「ふぅ~~。何か、ホッとした。ははは。」晄史、「はは。」誓、「ふふ。」「着替えて、お風呂入っちゃおう~~~。」オットマンから立ち上がり、そのままリビングから…。数秒後…。誓、両手をめい一杯天井に向けて、「やった~~~。お義姉さん、遂に、結婚~~~。ひゃ~~~。」そのまま晄史に体をドン。そんな誓の体を受け止める晄史、誓を抱き締めながら、「はははは。うん。」そんな誓の声を廊下で聞いて睦美、再び目を潤ませて…、「はは。誓~~。」翌日、まだ芙美花の熱は37度台。耀司、「まっ。そんなに簡単には…。インフルエンザ、ねぇ~~~。」芙美花、「おとうさん。」「ん~~~???…睦美さんのメモの通りに。っと~~。お粥、温めてきた。少し、熱いかも…。」芙美花、今度は自分でベッドから。耀司、「おっと~~。ひとりで、起きれたか。」芙美花、まだ、弱々しい声だが、「…なんとか…、ね。…まだ、体は、だるいけど…。」耀司、そんな芙美花に、「おっ。」トレイのまま。「言っとくけど、レンチンじゃないからね。ちゃんとメモの通りに、火は通した。」芙美花、「はいはい。コホッ。」耀司、睦美の書いたメモ書きを芙美花の目の前に、「はい、この通り。」芙美花、メモを見て。すると、急に、鼻がツンとして、目頭が。「おとうさん。」急に涙声になって。耀司、芙美花に、「うん…???」「私ね…。昨日、睦美さんに。」その声に耀司、「うん。話は聞いた。」「え…???」「…って言うか、その前におとうさんが、睦美さんには、結婚してくださいって、言ったから。」すると芙美花、みるみる内に、涙声でも笑顔になって、「うそ~~~~。」耀司、そんな芙美花を見ながら、「はははは。あぁ。」「おとうさ。」いきなり芙美花、父に体を。耀司、「お~~~っと~~。お粥、零れる~~~。」芙美花、「ハッ。やば。」耀司、笑いながら、「かかかかか。うんうんうん。何とか、大丈夫…、かな…???」芙美花、「うん。」コクリと。「しっかりと治す。」 ママでいい…。 vol,322. 誓、両手をめい一杯天井に向けて、「やった~~~。お義姉さん、遂に、結婚~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.10
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「汐梨さんには、背中を押された。そして。…耀司さんには、受け止めてもらえた。」睦美。「私の方こそ。です。」その声に耀司、微笑みながらニッコリ。…そして…。睦美、腕時計を見ながら。耀司に、「あ、耀司さん。」耀司、ソファから後ろに顔を。「うん…???」「そろそろ、私。」耀司、壁掛け時計を見て、「あ、おっと。こんな時間。」睦美、「明日の朝の耀司さんの食事。冷蔵庫の中です。そして。」耀司を手招きして。耀司、ソファから…。睦美から渡されたメモを見て耀司、ニコリと。「うん。了解。」睦美もニコリと。「お願いします。」耀司に一礼をして。耀司も同じく、一礼をして。「じゃ、行こうか。」睦美、「あ、はい。」そして、バセットに手を振りながら、「バセット~~、また明日~~。」バセット、すぐに立ち上がり、ふたりの後を。耀司、いつもながらに、「バセット、留守番、頼む。」バセット、「ワン。」睦美も、「お留守番、お願い。」バセット、「クゥ~~ン。」道路に出て耀司、「何だあいつ。俺にはワンで、睦美さんには、クゥ~~ン。」思わず可笑しくなる睦美。駅前で耀司と別れて睦美、駅のホーム。腕時計は、夜の9時25分。スマホを取り出し指をトン。ラインの画面。まずは汐梨のアイコン。可愛らしい洋服を来た麻沙美のアイコン。睦美、「かっわいい~~。」そして耀司のアイコン。サックスを吹いている外国人のアイコン。睦美、ポツリと。「耀司さん。」そして、ホームの天井を向いて、「はぁ~~~。結婚…、するんだ~~。」物思いに耽る睦美。その時、「もしもし、姉さん…???」いきなり晄史の声が。いきなり小刻みに顔を左右に、「い。え…???…何…???…どこ…???」すぐさまスマホを見て、「うそ~~~~。びっくりした~~~。」スマホから、「もしもし、姉さん…???」咄嗟に睦美、「あ、あ、あ~~~。はい。うん。私。」遠くから電車が。スマホに、「今、電車が来た、これから帰る。切るね。」プツリと通話は切れる。「びっくりした~~~。何で…???…晄史に電話…。…おかしい。」顔を傾げながら。画面を閉じた、つもりで、物思いに耽け、そしてスマホに、指で何やら、なぞっていたのだろう。いきなりの晄史の声に、まだ心臓が高鳴っている。電車の入り口に歩きながら、「はははは。」眞鍋家の玄関。「ただいま~~。」リビングに入って…。晄史、「おっと、帰って来た~~。何、姉さん、さっきの電話。」睦美、思わず、「あ…、え…。え、え~~。」思いっきり焦り顔で…。「あ、あ、あ~~。う、うん。…ははははは。いや…。何、どうしちゃったのかな~~~。ははははは。」「電話が来たから、もしもし、姉さん。って言ったら、いきなり、い。え…???…何…???…どこ…???…うそ~~~~。びっくりした~~~。って。意味不明。何が何なのか。」睦美、「あは。ははははは。」精一杯の誤魔化し笑い。誓、ソファに座ったままで、「芙美花さん、どうなの…???…インフルエンザ。」キッチンで睦美、手を洗って。「あ~~。うん。今日、午前中に病院、行って来たみたい。」誓、「あん、そう~~。そっか~~。じゃあ、1週間は、やっぱり、学校、お休みだね~~。」晄史、カウンターのメーカーからカップにコーヒーを。「じゃあ、姉さん、1週間は、高井戸家に。…ってか、汐梨さんもインフルじゃ、何々、大変じゃん。」誓も、「まさかね~~。あの汐梨さんまで…。」睦美、「うん。」そして…。睦美、オットマンに座って、「あのね。」晄史と誓、そんな睦美に、「うん。」睦美、「私…。耀司さんと結婚する事にした。」その瞬間、晄史も誓も、目をパチクリと。「うそ。」「わあ。」「今日、決めて来た。」晄史、目を閉じて、顔を上に、両手を握り締めて、「や…った~~。」誓も、「良かった~~~。」「耀司さんから、正式に、結婚してくださいって。」晄史、「うほほほほほ。」「私も、お願いします。って。」誓、ニコニコと、「うんうんうん。」晄史、「やっぱ…。タイミングかな~~。芙美花さんも、汐梨さんもインフルエンザに。」睦美、僅かに顔を傾げて、「うん~~。まぁ、多分…」語尾を強めて。「芙美花さん、物凄い体、弱ってた。」誓、「確かに。私だって~~、インフルの時は、酷かったもん。お義姉さんだって去年。」睦美、コクリと。「うん。最悪だった。」晄史、「だよな~~。」「耀司さん、芙美花さんに今日、午前中に病院連れて行って、帰りに薬局に寄って、その後、宮前さんに電話したんだって。」晄史、「宮前さんって、看護師長の…???」コクリと睦美。「そして、耀司さん、スマホを芙美花さんに渡したんですって。そうしたら、芙美花さん、宮前さんに、夢の中でおかあさん、何度も見たって。」誓、「あ~~~。」「そして、そのおかあさんが段々いなくなって。そしたら、何処からかピアノの音が。」晄史、「わお。」 ママでいい…。 vol,321. 睦美、「私…。耀司さんと結婚する事にした。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.09
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3月。博楼高校卒業式。体育館の壇上では校長の舘脇が卒業生ひとりひとりに卒業証書を。神代、「さすがは校長、どうみても、様になってるわよね~~。」「渋さもあれだけ徹底していると、もはや、憧れになっちゃうかしらねぇ。」兼高。岬、そんな兼高の声に、「おや、兼高先生、素敵なフレーズ。」犬養、「ともかく、何とか、ひとりの欠席者も出さずに、卒業式。ふぅ~~。」鶴来、「うんうんうん。それが何よりよ~~。ギリギリセーフ。」博楼高校、一時は欠席者も致し方なし。と、危ぶまれたのではあるが、動きが早かった。2月も前半が終わるか…、の状況でのインフルエンザでの欠席者。とにかく、卒業式を優先したのであった。インフルエンザ関連の書面を作成して全生徒よりその家族に。仮に37度5分以上の発熱の場合は学校を休む事の徹底。それは、その生徒のみならずも、他の生徒に至るまでのケアとして…。その甲斐あって、3月の初めには全校生徒、欠席者なし。晴れ晴れとしている卒業生。壇上で校長の舘脇から卒業証書を受け取っている。そんな卒業生たちを見守るように在校生。芙美花、景織子、千愛、詩乃。いつまでも壇上を見つめている。…そして…。「終わったか~~~。」千愛。詩乃、「ん~~~。天気もいいし~~。」芙美花、「だよね~~~。あ~~~。来年は私たち~~。」景織子、「あと、一年か~~~。でも、あっという間かも。」千愛、「うんうんうん。…って言うか~~。受験勉強…、嫌だ~~~。」「ははは。確かにね~~。」景織子。「まっ。でも、仕方がないじゃあ~、ないの。将来の為に。自分の為に。」そんな景織子に詩乃、「景織子はいいよ~~。楽々受験~~。」景織子、詩乃に、「もぅ~~。そういう事、言わない~~。」千愛、芙美花、「キャハハハハハハ。」耀司、麻沙美と一緒にヨシカワからの帰宅。いつもながらパセットが玄関までのお迎え。「ただいま、バセット~~。」そして、バセットが定位置に収まる。と、同時に、麻沙美もバセットにダイブするように。そして…。汐梨が…。「ただいま~~。」麻沙美とパセット。「おかえり、ママ。」「ワン。」一仕事片付けての耀司、リビングに。「おぅ~~。おかえり。」キッチンの汐梨、「うん。はい、ただいま~~。芙美花は今日、友達とって、言ってたよね~~。」「あぁ。卒業式だからね~~。」「いやいやいや。でも、凄いよね~~。あんな風になるなんて。」そんな汐梨の声に耀司、「うん…???…あぁ。君の街へと。」汐梨、数回の頷き、「うんうんうん。CD出ないのかな~~。」耀司、いきなり、「かかかかかか。出る訳ないでしょ。プロじゃないんだから~~。」そこまで言って、「まっ。メンバーたちがそれぞれ、自費でって言うんなら、話は別だけど。」「…って言うかさ、兄さん。自分の奥さんになる人が編曲した曲だよ。しかも、これからも、それ、続くんだよ。」耀司、「まっ。そりゃそうだけどさ~~。メンバーたちからも、睦美さんからも、そういうの、言われてないし~~。」「芙美花なんか、滅茶苦茶気に入ってるみたいだけど~~。」「…んな事、俺に言われても~~。」話は、ココルキーの事である。2月の二週くらいに、睦美と望月がココルキーに自分たちの演奏を披露した際に、望月が作曲した曲に睦美がアレンジ。作詞を担当している神林が、自身で、「自然に言葉が浮かんでくる。」とは言っていたのだが…。確かに。すぐに作詞は完成した。しかも、一晩で。で、ある。…ところが、曲に合わせて歌ったデモテープを、妻に聞かせたのだが。ここで、「ダメ出し」が、出たのである。「女性が作って、女性がアレンジした曲だよ。今までにない発想の曲だよ。もっと考えて~~。」結局、妻からOKサインが出たのがそれから2週間後。それまでは、ダメ出しのオンパレードであったらしい。一方、その頃…。芙美花から、ママになって欲しいと言われて返事をした睦美。リビングに下りて、耀司に。「全部、食べてくれた。」耀司、ニッコリと。「おぅ~~~。」食器を洗って、片づけて。コーヒーを飲んでいる耀司に。椅子に座っての睦美。「芙美花さんから…、ママになって欲しいって、言われた。分かったって答えた。…芙美花さん、泣いてくれて。」耀司、納得したような顔で、「そっか~~~。」そして、睦美に、「睦美さん。」目を閉じて、開いて、ゆっくりとした口調で、「ありがとう。」睦美も嬉しさの表情で、「ありがとうと言いたいのは私です。耀司さんと汐梨さん、私を変えてくれたから。」その声に耀司、「え…???」 ママでいい…。 vol,320. 「ありがとうと言いたいのは私です。耀司さんと汐梨さん、私を変えてくれたから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.08
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芙美花、睦美の作ったお粥を。睦美を見て芙美花、「…おいしい…。」睦美、そんな芙美花を見てニッコリと。「うん。良かった。」ゆっくりと食べる芙美花、時折、お粥に入っている梅干しを口に。そして、睦美に顔を崩して、「酸~~っぱ。」そんな芙美花を見て睦美、微笑みながら、「ふふ。」睦美、「今日…、病院に行って来た…???」その声に芙美花、お粥を食べながら睦美を見てコクリと。「…うん。」テーブルを見て、「テーブルに、薬局から貰ってきた薬あるから。」そして睦美、芙美花に、「やっぱり、インフルエンザ。」芙美花、顔をコクリと。「うん。」そして…。「友達も、インフルって。…詩乃って言うんだけど…。」お粥を全部食べ切っての芙美花、「詩乃…、大丈夫かな~~。」睦美、「耀司さん、夕食前に、電話で、話してました。」芙美花、口の中の物を飲み込むような感じで。「詩乃のおかあさんと…???」睦美、コクリと、「えぇ。…女の人との会話で、勘弁してくれ~~って。かなりへこんでましたけど…。おかあさんたちの話しって、おとうさま方には、分からない事、多いですから。」その話に芙美花、苦笑いで、「…はは。うんうん。コホッ。…確かに。」また口の中の物を飲み込んだ感じで。「おかあさんなら、すぐに話の中に入っちゃうけどね~~。んん。」そして芙美花、口を噤んで。そして、「インフルエンザかぁ~~。私も…。」そして芙美花、マスクをしている睦美に、掠れた声で、「あ。…睦美さん。インフルエンザに。」その話に睦美はニッコリと。「えぇ。…私は去年にインフルエンザ、罹って。…かなり、酷かった。…だから…、去年の11月には、もぅ、しっかりと予防接種。」芙美花、「そうだったんだ~~。」睦美、「芙美花さんは…。…だから…、学校は…。1週間は…。」芙美花、顔をコクリと。「うん。」そして、「何とか、卒業式には…。」睦美、「来月…、だよね~~。」そして芙美花、「あ。おばちゃんも…、今、インフル。」睦美、またコクリと。「えぇ。耀司さん、話してました。」「1週間は…、おばちゃん。」頷きながら睦美、「えぇ。」「じゃあ…。」芙美花。「1週間…、おとうさん…。」「いいえ。」首を振って睦美。芙美花、そんな睦美を見て、「え…???…睦美さん。」睦美、コクリと。「はい。私が来ます。」芙美花、目を真ん丸にして、「いいの…???…大丈夫なの。コホッ。」睦美、そんな芙美花に、ニッコリと。「えぇ。」そして…。「だって…。耀司さんに、私、レッスン終わったら行きますって言ったんだけど、耀司さん、インフルうつるからダメだって。でも、私、インフルエンザ、罹っちゃったから。だから~~。来るなって言われても、行きますって。言っちゃったの。」その話に芙美花、「…睦美さん。」みるみる内に芙美花、目が潤んで。掠れた声で、「ありがとう…。」芙美花、安心したのか、目を閉じて両肩の力を落として。「あ~~ん。ははははは。」そして…。目尻から頬に伝って流れた涙を両の手で拭うようにして、「良かった~~~。」そんな芙美花を見て睦美、ニッコリと。睦美、「まだ、体、だるい…???」その声に芙美花、コクリと。「うん。」「じゃあ~~。とにかく、ゆっくりと休んで。」そして、芙美花の体を…。その時、芙美花、「睦美さん…???」睦美、「うん…???」「昨日の夜ね。」「うん。」「…私…。いっぱい…、夢を見た。」その声に睦美、優しそうに、「うん。」「夢の中に、おかあさん、いっぱい出て来た。…博楼の合格の時の…。そして…、入学式の…。…おかあさんと一緒に料理作ったり。」「うん。」「…でも。段々、おかあさんが夢の中から…。夢の中で私、おかあさん、探してるのね。…そしたら…。…何処からか、ピアノの音が…。…気づいたら、私、そのピアノの音に合わせて、クラリネット吹いてる。ピアノは…、睦美さんが弾いてて。ピアノのメロディに包まれるようにクラリネットを吹いてる。…そして…。演奏が終わるとみんなが、拍手してくれて…。おとうさんもおばちゃんも。勝臣おじちゃんも。麻沙美も。そして、晄史さん、誓さん。それに、おじいちゃんとおばあちゃん。みんな、拍手してくれてる。みんなピアノの傍にいて、囲んでくれて。そしたら、いきなりその中から、バセットが…。抱き付いてくれて。…睦美さんが、私を優しく抱き締めて。」そこまで言って芙美花、また目を潤ませて…。睦美を見て、「…睦美さん…???」涙声で…。睦美、そんな芙美花を見て、「うん…???」「私の…。…おかあさん、じゃなくって…。ママになってくれる…???」睦美も顔が火照っている。そして、鼓動が高鳴っている。睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」睦美、芙美花を見つめて、「分かった。」その声に芙美花、自然に睦美の体に。睦美、その体を受け止めて。芙美花を抱き締める。 ママでいい…。 vol,319. 睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.07
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耀司、睦美に、「芙美花、師長にさ。」睦美の頭の少し上を見ながら、「熱があって、寝てた時にね。」「はい。」「いっぱい、夢を見たって。」睦美、微笑むように、そして頷きながら、「えぇ。」耀司、テーブルを見ながら、「博楼の合格の時とか、入学式の時。」睦美を見て、「とにかく、祐里子との夢。」「うんうん。」「そしたらね。段々、祐里子の。おかあさんの姿がなくなって。…今度は、何処かから、ピアノの音が。」睦美、思わず、「え…???」耀司を見て。耀司、「そうしたらさ。」テーブルを見ながらも、そして睦美を見て、「芙美花、掠れた声で、涙声になっている訳よ。」途端に睦美、「え…???」そのまま耀司は話す。「ピアノの音がして…。今度はピアノを弾いている睦美さん。そして、自分もそのピアノに合わせてクラリネットを吹いてるって。」睦美、「……。」「演奏が終わった瞬間、周りの人の拍手。みんながいるって。俺や汐梨、そして汐梨の旦那さん、勝臣君。そして麻沙美。そして…、晄史さんも誓さんも。」口を噤みながらの睦美。耀司、「それに、俺の親父やお袋も。みんな芙美花と睦美さんに拍手してるって。」耀司、目を下に落としながら。「…で、そんな中に、いきなりみんなの中にバセットが。」後ろに体を斜めに振り返りパセットを見て。「バセットが、私に抱き着くのって。…でね。」そこまで言って耀司、思わず、「はぁ。…そしたらさ。俺、そんな芙美花を見たら、芙美花。…涙、流してる訳よ。」睦美、目をパチクリと。「宮さん。…おかあさん、欲しい。…欲しいよ~~。…体を屈ませるようにしてる訳ね。…で。おかあさん。おかあさん。欲しい。…睦美さんと、一緒にいたい。…睦美さん。ママでいいから、欲しいよ~~。」いきなり睦美、顔を小刻みに左右に振りながら顔を上げて、僅かに髪が揺れる。頬に流れる涙。「はぁ~~~。」下を見ながら耀司。そして僅かに顔を傾げて、「俺。…娘にさ。…芙美花に。生まれて初めて、病気になって。…体がだるい。…そんな体で…。そんな風に言われて…。」睦美、瞬きをして。鼻を啜って。右見て、左見て。テーブルでは腕を組んでいる。耀司、「そのまま。体を前に屈めたままで芙美花、泣いてる訳ね。」耀司、キッチンを見て。「運転しながら俺、スマホをスピーカーにしてさ。…師長に。俺。睦美さんと、結婚します。」今度は睦美を見て。「…で、芙美花に…、おとうさん、再婚するわ。って。」睦美、みるみる内に、目から涙が…。そして睦美、口を思いっきり噤んで。そんな睦美を見て耀司、「睦美さん。」声にならない声で睦美、「あい。」耀司、「俺と、結婚。」すぐさま睦美、涙ながらに、そして大きく顔を頷かせて。耀司、口から、「…してください。」睦美、また頷きながら、「あい。」そして顔を両手で覆って。そのまままた頷いて、「あ~~~~~。」そして…。今度は、体を大きく動かして、カウンターにある自分のバッグからハンカチを。すぐさまそのハンカチで顔を覆って。凡そ1分。睦美。耀司の顔は見ずに。ようやく。耀司に頷くように、「…よろしく。…お願いします。」そう言って、また、涙が…。そして、また、ハンカチを顔に。そんな睦美を見て耀司、優しそうに見つめながら…。睦美、体は萎えていた。耀司、睦美に、「…ごめんね。…いきなりこんな話をして。」その声に睦美、ハンカチで顔を覆いながらも左右に振って。そのまま耀司、睦美を見守りながら…。「芙美花、睦美さんに。…ママになって欲しいって。…おかあさんって…、感じじゃないから。…ママになってって。」ハンカチで顔を覆いながらの睦美、頷きながら、「うんうん。」そして…、ようやくハンカチを顔から。…既に目は涙で真っ赤。そして頬も赤く。そして、耀司に、また泣きそうな顔で、「ありがとうございます。…私なんかで…。」そんな睦美を見て、耀司、優しそうな顔で、「何を仰います。」また睦美、顔を崩すように、「う~~~。」いきなり耀司、椅子から立ち上がり、「はは。」睦美の傍に。睦美、泣き崩れるように手を差し伸べる耀司に、縋るように。耀司、そんな睦美を優しく、抱き締めて、「うん。うんうんうん。…お願いします。」睦美、耀司に捕まるように、「う~~~ん。」耀司、そんな睦美の背中を、左手で、「パンパン。」睦美、2階に。…そして、「芙美花さ~~ん。」声を掛けて。そして左手で芙美花の額に。すると芙美花、ゆっくりと目を…。「…睦美…、さん。」睦美、コクリと。「うん。…お粥、持ってきた。食べて欲しいな。」芙美花、頷いて。そして体を…。睦美、そんな芙美花を支えるように。…ようやく…芙美花にトレイのままお粥を。芙美花、「ありがとう。」そんな芙美花に睦美、優しく、「ううん。」 ママでいい…。 vol,318. 耀司、「俺と、結婚。」すぐさま睦美、涙ながらに、そして大きく顔を頷かせて。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.06
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睦美、階段からリビングに。耀司、まだスマホを耳に。「えぇ。僕もそんな風に聞いてます。はい。」睦美の顔を見て眉間に皺を寄せて下唇をビロン。そんな耀司を見て睦美、クスクスと。カウンターに置いておいてくれた買い物袋を持ってキッチンに。耀司、「あ~~、えぇ。はい。…とにかく、ほんと、流行ってますよね~~。午前中に行った病院の先生からも。……えぇ。はい。」そして…。ようやく1分後に。「はい。失礼しま~~す。」通話は切れる。途端に耀司、テーブルにガックンと。「勘弁してくれ。あぁだの、こぅだの。あ~~。」テーブルの上に前のめりで。睦美、蛇口から水を。そして、手を洗って。「もしかして…、芙美花さんの友達の…。」前のめりのママで耀司、「あぁ…、うん。」そして、顔を上げて、「詩乃ちゃんって子がいるんだけど、芙美花同様に、今、インフルなんだ。それでね~~、芙美花ちゃんの具合どぉ…???…って。それから永遠に20分。いや。俺にママさんたちの話し、言われても困るって。」睦美、「えへ…???」「他に、景織子ちゃんと千愛ちゃんって子いるんだけど、そのふたりのおかあさんの話まで…。いやいや。分かんないって。」睦美、可笑しがりながら、「そうでしょうね~~。」前のめりのままの耀司、ようやく体を戻して睦美に、「うん…???」そんな耀司に睦美、「あん。女性同士の会話ならともかく、その相手が女性。それに、殆ど会う事がない。…けど、おかあさん同士ではしょっちゅう電話で話をしている。そういう時と同じように男性に話しても、男性からすれば、ある意味、話に付き合わされてるっていう事になりますから。」途端に耀司、「そぅっ!!!…そうなの。そうだよね~~。そういう事~~。うんうんうん。」と、そこまで言って、「うん…???」顔を僅かに傾げて、「睦美さん。…良く分かるね。そういうの…???」睦美、まな板を出して包丁を出して、「えぇ。」そして、僅かに顔を傾げて、「私も、音楽教室に通っているママさんたちと、月に2回程度、ランチ、してますから。」いきなり耀司、目を真ん丸にして、「へぇ~~。そうだったんだ~~。」「えぇ。向こうから誘ってくれたんですけど。…でも。…それがなかったら、本当に私、音楽教室と家の往復だけ。だったんです。」耀司、睦美を見て、「ふ~~ん~~。」睦美、「今日は、メインは天婦羅。」耀司、ニッコリと。「わお。」睦美、「芙美花さん、病院。」そして、耀司を見て。耀司、ニッコリと、「うん。午前中に行って来た。」ニコリと睦美。耀司、「ははは。まっ。本人も行かなきゃって感じだったから。」「うんうん。」「とにかくも今も、しっかりと休んで。」「そうですねぇ。」「ニット帽に、ダウンジャケット。そしてマフラーして手袋。それにマスクと。完全防備。」思わず睦美、「はははは。何だか可愛らしい~~。」耀司を見て、「それでなくとも芙美花さん、可愛いから~~。」耀司、微笑みながら、「でさ。病院に行ったら、何々、30分程度で全て終了~~。」いきなり睦美、耀司を見て、目を真ん丸にして、「うそ。普通、1時間は待たせ。」耀司、目を瞑って顔を左右に。そして…。「保険証とマイナンバーカード出して、お願いしますって言ったら、それだけで、宮前から聞いてますって言われて、それからは10分も待たないで名前呼ばれて。」睦美、目を真ん丸にしたままで、「凄っ。」「診察室に入ったら、今度は。」ニコニコと。「高井戸君にはお世話になりましたって、先生も看護師も、俺と芙美花にお辞儀してくれて。」睦美、「あぁ~~。亡くなった奥様の~~。」耀司、にこやかにしながら頷いて、「うん。なんだろうね~~。」「亡くなった奥様の影響力、凄ったんですね~~。」耀司、唇を締めて、「うん。ありがたかった。先生や看護師さんからもあんな風に言われて。祐里子、みんなに愛されてたんだって。つくづく感じたわ。」その声に睦美、ニッコリと。すると、僅かに沈黙。何かしら耀司、その時の余韻に浸るように…。…そして、チラリと睦美を…。そして、睦美に、「…でね。」睦美、素材に包丁を入れながら耀司を見て、「あ、はい。」耀司、睦美に手招き、「ちょっといい…???」また睦美、「あ、はい。」エプロンで手を拭きながらキッチンを。そしてテーブルに。耀司、睦美に椅子に座るように手を。「病院から出て薬局に。」睦美、コクリと。「うん。」椅子に座って。耀司、「…で。一応、師長に報告。」睦美、「あ~~。宮前師長。」耀司、コクリコクリと、「うんうんうん。芙美花、受診、終了しました~~って。」睦美もコクリコクリと。「うんうんうん。」「でね。」耀司。「そのまま、スマホを芙美花に渡したのよ。」睦美、「あぁ。えぇ。はい。」「そしたらさ。」耀司、途端に顔をあちらこちらに。唇も搾ったり、噤んだようにしたり、何となくぎこちなく…。…思わず、クスッ。と噴き出したように、「…そしたら…。」睦美、僅かに眉間に皺を、顔を傾げて、「うん…???」 ママでいい…。 vol,317. 「祐里子、みんなに愛されてたんだって。つくづく感じたわ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.05
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帰宅しての耀司。スマホで…。5回のコールで相手が出る。「はい、私…。」汐梨である。耀司、「芙美花、今、帰って来た~~。受診終了~~。」「あん、了解……ぃ。私は最寄りのクリニック……。内科小児科があるからね……。万が一の麻沙美もここだし……。」「おぅ、分かった~~。…それにしても、さすがに酷いな、その声。」汐梨、スマホら、「仕方がないでしょ。ううん。」耀司、スマホに、「ま、確かにね~~。…かかかかか。それにしても、病院、30分程度で終わったよ。」スマホから汐梨、「うっそ………。コホッ。」「いやいやいや。」耀司。「受付で、宮前から聞いてますって。そうしたら、今度は診察室で、医師と看護師から高井戸君の旦那様とお嬢さんって言われてお辞儀までされちゃって。」汐梨、「うそ。マジ…???…わ~~お。」「待ち時間、凡そ10分、掛かんなかったし、会計も早くて、こっちが驚いた。」「凄いよね~~。…で…???…結局は芙美花、インフル。」耀司、「あぁ。」「今、芙美花。」「部屋で休んでる。処方してもらった薬飲んで。防寒着バッチリで行ったからね~~。ニット帽とダウンジャケット。その上にマフラーだから。そしてマスクして手袋。」「うんうんうん。…でも、ごめんね~~。私、この1週間は、そっち。」耀司、その声に、「あぁ。分かってる。」「睦美さんに、迷惑掛かるけどさ~~。この際。頼れる。」「汐梨~~。」瞬間、汐梨、瞬きをしながら顔を傾げて、「うん…???」「……。多分…、睦美さん。俺が言わなくとも、来るよ。…来るなと言われても、来ます。…なんて言ってる人だから。…それに…。迷惑だなんて、思ってませんって、言うよ、睦美さん。…じゃなかったら、あんなに食材、買い込んで、しかも、芙美花のためにも食べられるもの。」スマホから汐梨の声、「うんうん。」「でさ。」耀司。「さっき、薬局を出てから、師長に電話したんだ。」汐梨、「うん。」「で、芙美花にスマホ渡したらさ。」「うん。」耀司、自室の椅子に座りながら、「やられたよ。」その声に汐梨、僅かに顔を傾げて、「やられた…???」「芙美花、泣きながら、師長に…。」その時の事を汐梨に話す耀司。話を聞いて汐梨、「…兄さん。」「あぁ。…娘に、そんな風に言われたら。なぁ~~~。」「…兄さん。」耀司、スマホに、「うん…???」汐梨の声、「余程だよ。芙美花。」一拍置いて、「体が弱っている時の気持ちって、それだけ余程の事なのよ。」「感じたね~~。…俺、ほんとに…、仕事以外に…。まっ。機会や電気は得意だけど…。家の事なんて…。まっ。確かに。」語尾を強めて、「頭の中では何とかなる。なんて、他人事みたいに言ってたけど…。娘が、風邪を引いただけでパニクッてるんだから。…痛感させられたよ。とにかく、何にも出来ない。」「…まっ。いいんじゃない…???」汐梨。「…って言うか、コホッ。宮前さんに言ったって事は~~。」耀司、「あぁ。決めた事だ。」「うん。ありがと。」「どういたしまして。」遠くから、「木守さ~~ん。木守汐梨さ~~ん。」汐梨、「あ、はい。」そして、スマホに、「じゃあ。」「おぅ。分かった。」通話は切れる。汐梨、ベンチから立ち上がり、「ふぅ~~~。」そして、自分に、「ヨシ。」午後からは耀司、ひとりで…。せっせと。トイレ掃除からお風呂掃除。「…こんな…、感じで…。」顔を傾げながらも…。そして。洗濯物を…。「こんな感じで…。」そして、自室にて仕事。夕方前に、スマホに着電。詩乃の母からである。丁度、氷枕の氷を交換の途中。スマホに耀司、「えぇ。え~~。はい。そうですね~~。ウチの芙美花も、午前中に。」玄関のチャイム。いきなり耀司、「わっ。とっとっと。」スマホから、「高井戸さん、どうしました…???」バセットがいきなり玄関の方に。耀司、スマホに、「かかかかか。氷枕に水入れ過ぎて。」玄関でバセットが、「ワン。」ドアが開いて、睦美、バセットにニッコリと。「バセット~~。」バセットいきなり2本立ちになり睦美に抱き着くように。睦美、「はははは。こんにちは~~。」耀司、左肩にはスマホで話しながら。そして両手で氷枕を持って。玄関の睦美に両眉を上下に。すぐさま睦美、シューズを脱いで、買い物袋をフロアに。耀司から氷枕を。耀司、そのまま氷枕を睦美に預けて。睦美、階段を。耀司、スマホに、「あ、はい。えぇ。分かります、分かります。」フロアに置かれた買い物袋を持ってリビングに。睦美、ドアをノックして、「お邪魔しま~~す。」芙美花は寝ている。睦美、「ちょっと、ごめんね~~。」氷枕を芙美花の頭の下に。テーブルにある薬と体温計を見てコクリと。「病院、行ったんだ。うん。」そして芙美花に、「熱、測るね~~。」 ママでいい…。 vol,316. 「睦美さん。俺が言わなくとも、来るよ。…来るなと言われても、来ます。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.04
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診察が終わって。医師の矢吹壮一(やぶきそういち)、「祐里ちゃんの、旦那さんか~~。確か、Webデザイナー。…で…???…あのお嬢さんが、芙美花さん。」看護師の九季紘奈(くきひろな)、ニッコリと。「えぇ。はい。」矢吹、「思い出すね~~。祐里ちゃんの看護師姿。かかかかか。」会計を済ませて、病院のエントランスで。耀司、「かかかかか。それにしても、早い。あっと言う間に。」芙美花も、「うんうんうん。」「師長だよね~~。」「うん。宮さんだよね~~。」薬局で薬も受け取って、耀司、「師長、出るかな~~。」スマホの画面でタップ。「二晩連続での夜勤って言ってたから。おっと出た。もしもし。耀司です。師長…???」スマホから宮前の声。「あん、耀司~~。芙美花の具合。」すぐさま耀司、「あ、はい。今、薬局で処方された薬もらって、これから家に帰るところです。」「あ~~、そう~~。じゃ、芙美花、受診出来たのね~~。」耀司、隣で歩くニット帽子にダウンジャケット、しっかりとマスクをしての芙美花を見ながら、「えぇ。お蔭様で。」そして、「いやいや、何々、受付したら10分もしないで診察。診察室に入ったと思ったら、先生と看護師さんか立ってお辞儀までされてびっくりしました。高井戸君の旦那様。そしてお嬢さんって。」「はははは。」宮前の声。「帰る時に受付に、高井戸祐里子の旦那と娘が来るからお願い。娘がインフルで。昨日から熱が出て学校休んで、今日あたり受診に来ると思うからって。それでだね~~。多分、先生は矢吹先生だと思うから~~。」耀司、スマホに、「俺と、そんなに変わらない年齢…???」「バカね~~。50代の先生よ~~。」「うそ。俺より年上…???…そんな風には。」「ははは。まぁねぇ~~。…でも、安心した。芙美花、受診出来て~~。…でも、まだ熱は…。」「あ、はい。」ふたり、車のドアを。「まだ、熱は37度。」「あ、そぅ~~。とにかく、帰ったら温かくして、休むのよ~~。」耀司、助手席の芙美花にスマホを。芙美花、「もしもし、宮さん。」その声に宮前、「あん。しっかりと風邪声ねぇ~~~。もぅ~~。大丈夫なの~~???」そんな宮前の声に芙美花、上体を屈めるように、「意識はあるけど、まだだるい。」「当然よ~~。インフルエンザ。…それに、芙美花、あなた、生まれてこの方、病気のひとつもしてないから~~。病気に体が慣れてないもの~~。」芙美花、「うん。…だから、悔しい。」その、「だから、悔しい。」の声に宮前、「うんうん。だよね~~。おかあさんも、病気で勤務、休んだ事、なかったから~~。」芙美花、コクリと、「うん。」そして芙美花、「あのね、宮さん。」その声に宮前、「うん…???」既に車は走っている。「夢で、おかあさん、何度も見た。」宮前の声、「うん。そっか。」「高校受験合格した時の事。そして、入学式の事。」「うんうん。」「いっぱい、おかあさん、出て来た。」「うんうん。」「そしたらね。」芙美花、そこから声が、枯れた声でも、涙声に。すぐさま耀司、芙美花を見て、「うん…???」芙美花、鼻水を啜る音。「夢の中でね。おかあさんが、いなくなって…。そしたら…、今度はピアノの音がして…。…そしたら、睦美さんがピアノ、弾いてて。グス。私が、クラリネット、吹いてて。」宮前、「……。」運転しながら耀司、「芙美花…。」また、鼻水を啜る音。芙美花の頬が僅かに光る。涙声で話す芙美花。「演奏して、終わったら、みんなが拍手してくれて。」宮前、「うんうん。」「みんなが拍手してくれて、バセットが、その中から私に抱き着いて来て。」宮前、また、「うんうん。」芙美花、涙声のままで、掠れながら、「宮さん。…おかあさん、欲しい。…欲しいよ~~。」上体を屈ませるように芙美花。「おかあさん。おかあさん。欲しい。…睦美さんと、一緒にいたい。…睦美さん。ママでいいから、欲しいよ~~。」宮前、いつの間にか目尻から零れる涙。「うんうん。うんうん。…そうだね~~。」芙美花、シートベルトを絞めながらも上体は前屈みに。そして、手袋をしてスマホを持ちながら、マスクの下で、「う~~~~。」耀司、芙美花の手からスマホを。そして、スピーカーにしてフォルダーに。「師長。」スマホから、「うん…???…耀司。」その声に耀司、「はい。」「あなた。」運転しながら耀司、「はい。分かってます。昨日も睦美さん、眞鍋さん。」「うん。」「夕食作ってくれて。今日も、レッスン終わったら、ウチに。」また宮前、「うん。」「俺。」耀司。「睦美さんに。…これからもよろしくお願いしますって。」「うん。」「睦美さんも、これからもよろしくお願いしますって。」宮前、「……。」耀司、「俺。睦美さんと、結婚します。」芙美花、父を見て。宮前の声が、「そう。…うん。分かった。」芙美花、「おとうさん。」耀司、芙美花に、「おとうさん、再婚するわ。」 ママでいい…。 vol,315. 芙美花。「おかあさん。おかあさん。欲しい。…睦美さんと、一緒にいたい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.03
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朝の7時30分。耀司、トレイにヨーグルト、そしてゼリーとプリンを。そして2階に。「芙美花~~。入るぞ~~。」ベッドの中、芙美花、「あ、うん。」そして耀司、芙美花をゆっくりと。そして、トレイのまま。「睦美さんが昨日、買ってきてくれてたんだ。少しでも、食べられれば。」そこまで言って、「…と、言うか、逆に、少しでも体にいい。」芙美花、「うん。だ~~ね。…じゃあ~~、ヨーグルト。」耀司、「うん。」スマホに着電。耀司、「おっと~~。」見ると、「汐梨。もしもし、おはよう。どんな感じ…???」スマホから、「あん、おはよう~~。ようやっと、37度台。芙美花は~~???」芙美花、「おばちゃん…???」耀司、コクリと。「あぁ。」そして、芙美花にスマホを…。芙美花、スマホに、「もしもし、おばちゃん…???」スマホから、「あん、芙美花~~。どお…???」「うん。何だか、凄いぼぉ~~っとしてる。…けど、意識はある。でも、喉は痛いし、体はだるいし、最悪だよ~~。時々、咳も出る~~。」「だよね~~。私も今朝、熱測って、ようやく37度台、全くもぅ~~。コホッ。どっかからうつされたのか~~。」芙美花、「うん。私も分かんない。友達のひとりもインフルっておとうさんが。」「うんうんうん。聞いた~~。」「今ね。これから、ヨーグルトとゼリー、食べようかと思って~~。昨日、睦美さんが買って来てくれたんだって。」「うんうんうん。私も昨日、電話で話した。ありがたいよ。……。…私はこれからパパが今作ってくれてるお粥~~。」芙美花、「はは。コホッ。うん。勝臣おじちゃん、料理、出来るから。」いきなり耀司、「出来なくって申し訳ありませんねぇ。」ムスリと。そんな父を見て芙美花、笑いながらも、咳をして、掠れた声で、「はは。おとうさん、拗ねてるよ。」汐梨、寝室で、いつものモフモフカーディガンを羽織って、「あん、芙美花~~。もし、体、動けるんだったら、出来るだけ早く、病院、行きなよ~~。」その声に芙美花、「うん、分かった。」「まっ、多分、今日も睦美さん、来てくれるとは思うけど。ありがたいよ。ダウンした時に、身の回りの世話をしてくれる人がいるって事は。その人の存在。」そして汐梨、「だ~~ってさ~~。今まで病気のひとつ、した事がなかったから~~。尚更。」芙美花、その話にコクリ。「うん。だよね~~。コホッ。」「おっと、長話は。じゃあ~~、とにかく、大事にね~~。」「は~~い。」スマホを父に。耀司、「おぅ。」そして、スマホに、「汐梨~~、おま。」「プー、プー。」耀司、耳からスマホを外して、「…って、切れてるし。おぃ。」芙美花、思わず、「かかかかか。コホッ。コホッ。」耀司、芙美花に、「とにかく、食べられるだけ食べて。薬飲んで、また少し休め。動けるようなら、車で病院。」芙美花、「うん。分かった。」「枕元にスマホ、置いときな。何かあったら、ラインくれ。部屋で仕事、してるから。」芙美花、コクリと。「うん。」そして…。父に付き添われて、杉並総合病院、外来へ。受付で、「高井戸芙美花さん。はい。宮前から話は聞いております。」そして、用紙を渡されて、「これにそれぞれ、当て嵌まる箇所に記入して。お待ちください。」そして待合ロビーで。…すると…。10分もしない内に、「高井戸芙美花さん。」耀司、思わず、「早っや。」芙美花も父に、「うん。」看護師が、「こちらにどうぞ。」耀司も一緒に。診察室に入って。すると、いきなり、医師が椅子から立ち上がり、看護師も姿勢正しくふたりに一礼。耀司、「え…???」芙美花も目を真ん丸にして。医師、「高井戸君には、お世話になりました。」看護師も、「高井戸主任にはお世話になりました。」思わず耀司、「あ、あ~~~。」いきなり右手を頭の後ろに。医師、女子高生らしき女子に、「高井戸君のお嬢さん。」芙美花、「あぁ、あ、はい。」看護師、ニッコリと。「芙美花さん。」芙美花、看護師を見て、「あ、はい。」医師、「では。」耀司、「よろしく、お願いします。」芙美花、椅子に。…そして…。医師、「うん。インフルエンザですね。熱、上がったでしょう。」耀司、芙美花の後ろで。「はい。昨日の朝、38度6。」「お薬、出しておきます。とにかく安静に。そして、動ける時は、可能な限り動いて。体に優しい食べ物。そして、しっかりと睡眠。…と、それから、衛生面にも気を付けて。まっ。学校は~~、1週間は~~。」芙美花、コクリと。耀司、「学校には既に連絡は。」医師、頷いて、「はい。分かりました。うん。とにかく安静に。…それと。…お顔、拝見できて、嬉しいです。祐里ちゃんの旦那さんに、お嬢さん。」ニコニコと。耀司、そんな風に医師から言われて、「えへ。はははは。えぇ。ありがとうございます。」看護師もニコニコと。「はい。終わりました。どうぞ。」芙美花、椅子から立ち上がり、ペコリと。「ありがとうございました。」医師、ニコニコと、「うんうん。」 ママでいい…。 vol,314. 「ありがたいよ。ダウンした時に、身の回りの世話をしてくれる人がいるって事は。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.02
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今度は耀司、睦美を車で。…そして、駅まで。睦美、車から降りて。耀司、助手席の窓を開けて。睦美、耀司に、「じゃあ、芙美花さんの事、お願いします。」その声に耀司、頷きながら、「うん、分かった。ありがとうね。」睦美、「じゃあ、また、明日。あ、カレー、まだ残ってますから、明日の朝には、鍋ごと、温めて食べてください。もし残ってもまだこの時期なら昼まで大丈夫ですから。」耀司、コクリと。「うん。分かった。」「じゃ、おやすみなさい。」耀司、ニッコリと。「おやすみ~~。」睦美、手を振りながら駅に。耀司、その姿を見送って車を…。耀司、家に帰って、すぐさま日中に宮前から言われた事を…。既に芙美花の氷枕は…。そして…。宮前から言われた通りに氷枕を。…深夜1時。まだ、この時点では芙美花、体温、38度2分。「まだ…、38度…かぁ~~。」その後、2時間毎に…。枕元でスマホにラインの通話音。耀司、「うん…???」そして、「おっと~~~。」すぐさまベッドから起きて、スマホを片手に、そのままスワイプ、「あ、はい。」スマホから、「もしもし、耀司さん。」耀司、「あ、あ~~。…睦美さん。あ~~。…寝てた。」「芙美花さん。」耀司、すぐさま、「おっと。」スマホを耳にしたままで部屋のドアを。そして、自分もマスク。そして、グローブを。2階に。そして、芙美花の額に左手を。「ん…???」暁美はキッチンで朝食の準備。睦美、リビングのテーブル。椅子に座ったままで耳にはスマホを。耀司、「芙美花~~。」そして、体温計の…。「お~~。37度3。」そして、スマホに、「37度3。下がってるぅ~~。」睦美、声を聞きながら、「うんうんうん。下がってる。」暁美、「芙美花さん。何度だぃ。」睦美、「37度3。」「そうかぃ。」ニッコリと。「じゃあ、このままなら、病院。」睦美、その声に、「うん。」そして、「耀司さん。氷枕、溶けてたら、また、新しいのに交換してください。そして…。7時過ぎに、一度、冷蔵庫からヨーグルトとゼリーを。そして、プリンも。冷蔵庫に入ってます。」耀司、スマホに、「了解。」そして、そのまま階段を。芙美花、「ん、ん~~~~。」頭を動かし、「…ん~~。朝…???」既に辺りは明るい。そして、芙美花、「寝~~た~~~。」耀司、冷蔵庫を開けて、「おほ。うんうんうん。」睦美、「それを。芙美花さんの好みに合わせて。」耀司、「了解。」そして、再び、2階に。ベッドに。「芙美花。」芙美花、目を開けて、「…おとう…さん。」「はは。熱、下がったぞ。ただ。まだ、37度はあるけど…。」芙美花、「う、うん~~。」「…で、どんな感じ…???」「う、うん。…とにかく、寝てた~~~。…意識は、あるけど…。まだ、とにかく。…体…、だるい。」耀司、「うん。確かにな。」通話は、まだ、繋がっている。ボソボソと聞こえてくる声。睦美、黙ったままでスマホを耳に。芙美花の声を聞きながら。そして、頷きながら。芙美花、父に、「おとうさん、スマホ。」耀司、テーブルに置いてある芙美花のスマホを。芙美花、布団から両手を。左手で持って、一度、右手で鼻の下を撫でて、そして画面に。景織子から。そして、千愛から。芙美花、「…え…???…詩乃も…???」耀司、「あぁ。詩乃ちゃんのおかあさんから昨日、電話で、詩乃ちゃん、インフルって。」布団の中で芙美花、「そっかぁ~~。詩乃も…、インフル。」耀司、「おっと。」そして…、テーブルに置いた自分のスマホ。スピーカーにして、「睦美さん。」芙美花、瞬きして、「え…???」スマホから、睦美の声、「芙美花さん…???」芙美花、「あ、睦美さん。」睦美の声、「おはようございます。」まだ弱々しい声の芙美花。スマホに、「おはようございます。」耀司、「昨日、芙美花にお粥とヨーグルト。そして食事の準備から何までやってくれた。」芙美花、「そうなんだ~~。」スマホから睦美、「芙美花さん。朝、もし、食べれたら、昨日と同じ、ヨーグルトかゼリー、それに、プリン。…食べたいもの、食べて~~。耀司さんには言ってあるから。」芙美花、その声に、「うん。あ、ありがとう。」「どういたしまして。あ。…それから。出来れば、今日、病院に受診。」耀司、「あ、そうだ。師長からもそれは言われた。」芙美花、「あ、うん。」睦美の声、「ゆっくりとでいいです。少しずつ、体、動かしてみてください。」芙美花、布団の中で…。ただ、体…、未だにだるい。スマホのデジタルを見て、「6時…、45分。かぁ。…って言うか、おとうさん…???」耀司、「うん…???」「おとうさんのマスク、久し振りに見た。」耀司、その声に、「仕方、ないだろ。」睦美の声、「あは。」「おまえがインフルになって、俺にまで。」そして、一拍置いて、芙美花に、「なぁ。…それに、今や汐梨までインフル。」芙美花、可笑しがりながら、「…だよね~~。」 ママでいい…。 vol,313. 「冷蔵庫からヨーグルトとゼリーを。そして、プリンも。冷蔵庫に入ってます。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.01
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「まぁねぇ~~。死んだ人との思い出の場所に、新しい人と。な~~んて。…その人、可哀想だと思わない…???…と、言う人も、いるかも、知れないけど…???」耀司。「…ってか、俺だったら、な~~んか、懐かしい~~、な~~んて、思っちゃうけど…。ま。俺自身、ステレオタイプな人間じゃ~、ないからね~~。固定概念なんてまっぴら。」睦美、「ステレオタイプ…。」「あぁ。ん~~つまりは~~。思い込み。世の中の人が一般的に、思い込んでいる。とか~~。これはこうなんだ。って言う、決まりきった概念。昔から、こういう事なんですって言う。」睦美、頷いて、「あぁ~~。うんうんうん。分かります。」「と~~。汐梨も同じ事を言うだろうけどね~~。何、そんな20代の未練がましい恋愛感情丸出しの事、言ってんのよ~~。歳、考えなさいよ。兄さん、あんた、何歳だと思ってんのよ~~。恋愛なんて、ある意味、傲慢でもいいのよ。我儘だっていい時もあんのよ~~って。イジイジ、ウジウジしてる人を本当に好きになったらどうすんの。…でも、私は、あなたが、そんな人でも。むしろ、そんな人でも、他の人とは違うから。…そんなあなたを好きになったの~~。だから私を失望させないでって。」耀司。顔を傾げて、「汐梨だったら…。はは。言うんだろうね~~。」そんな耀司を見て睦美、口を噤んで…。すると耀司、思わずにやけて、「はは。俺、何言ってるんだか。」話を聞きながら睦美、思わず顔を左右に。そして、「ううん。…耀司さん、凄い。」途端に耀司、睦美を見て、「へ…???」睦美、「何だか…、感動した。」そしてまた睦美、「ううん。…むしろ、説得力、凄~~い。…私なんて。」途端に下を向いて。「以前の事を、いつまでも…。…いつまでも引き摺って。」すぐさま耀司、目を真ん丸にして、「あ、いや…。…そういう訳じゃ。」そして耀司、「…って言うか、俺だって。…って。」そこまで言って耀司、思いっきり、意気消沈したように。「まま。確かに、俺、ステレオタイプじゃないん…。…ん…???」右目を歪めて顔を傾げて、「…あれ…???」すると、思わず、睦美に対して下唇をビロンと。両眉をへの字にして、「イジイジ、ウジウジしてる人っ、実は…。…俺だったんだよね~~。」その声に睦美、いきなり目をキョトンとさせて。そして、瞬きをして。僅かに3秒。すると睦美、今度は、「ぷっ。」そして、笑いながらニッコリと。「はははは。耀司さ~~ん。」耀司、思わず体を縮こまらせるようにして、「すみませ~~ん。だらしない男で。」睦美、笑いながら、「はははは。」そして、「ううん。…全然。全然大丈夫です。…私なんて、晄史にガツンと言われても、それでも気付かなくって、前の事を引き摺ったままで。」睦美。一度、唇をきつく締めるよう。そして、「でも、汐梨さんからも…。」目が動く。「…教えられたのかな…???」耀司、そんな睦美を見て、「教えられた…???」「あ。えぇ。晄史から言われて…。私自身、前の事を引き摺って…。けれども、姉さんって言われて~~。…そこに来て、汐梨さんからは、耀司…。」耀司を見つめて、「…さんの、事…。」低い声で。そして、僅かに口を窄ませるような感じで、「…気に掛けてくれないかな。…って。」耀司、その話を聞いて、「あいつ…。」睦美、「…だから…。汐梨さんに、教えられた…???…と、言うか、気付かされた。…感じ。…でぇ~~。」今度はまた、顔を傾げて、「…でも~~。」語尾を上げて、「何て言うの…???…背中を押してくれた…???」耀司、頷きながら、「あ~~。うんうんうん。」睦美、耀司を見ながら、「…それも~~、やさしく。」耀司、「ん~~~。」睦美、「だから…。」耀司、そんな睦美を見て、「うん…???」「だから…。…汐梨さんには…。」耀司、「……。」「感謝。ですね~~。」その声に耀司、思わず、「うん。ん~~~。」そして、「はは。…確かに。」既に空になった皿を見ながらも、「確かに。…うん。確かに。」そして、今度は睦美の頭の上、キッチンを見つめながら、「そうだよな~~~。まっ。確かに。あいつがいなかったら、今、俺。…こんな風には、感じてなかったろうな~~。」そして…。今度は下を向いて、口角を上げて。顔を上げて、また、「確かに。」優しそうに睦美を見て、「出会いに、感謝だ。」睦美、そんな声にニッコリと。「はい。」そして、「あ。」耀司、そんな睦美に、「うん…???」「カレー、お代わり。」瞬間、耀司、「あ、あ~~~。ははははは。はい。お願いします。」睦美、「ふふ。はい。」耀司、玄関で、「んじゃ、バセット~~。少しの間、留守番、頼むな。」バセット、フロアの上で、「ワン。」睦美、バセットに前屈みで、右手を振って、「じゃね。また明日。」パセット、またもや、「ワン。」 ママでいい…。 vol,312. 「俺自身、ステレオタイプな人間じゃ~、ないからね~。固定概念なんてまっぴら。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.31
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「そうですよね~~。」睦美。「会社に行けば、とにかく、時間に縛られる。まっ。確かに、仲間と一緒に仕事が出来るのは楽しいけど、家で仕事が出来るって意味では、俺にとっては芙美花が一番だから。」睦美、その声に頷きながらも、「うんうんうん。」耀司、「…って言うか。」可笑しがりながら、「デートって言われても…。」ニコニコと顔を傾げて、「週の半分は、睦美さん、ここに来てますから、これも。」また顔を傾げて、ニコリと右目を歪ませながらも、「もしかして、デートに…???」瞬間、睦美、スプーンを持った指で鼻に、「あは。もしかしたら、デート…???」耀司、ニコリと。「…に、なりません…???」瞬間、睦美、にこやかに眉間に皺を。可笑しがりながら、「ん~~~。…ははは。」語尾を上げて、「どうなんだろ。」ニコニコと。「まっ。確かに。」耀司。「時間や場所を設定して。」語尾を強く、「恋愛感情を持つ男女が会う。事が、デート。…では、あるけどね~~。…けど。今、こうして、会ってるし~~。…それに、ご飯も一緒食べてる。でぇ~~。何、この1ヶ月近く、ねぇ~~。睦美さん、ウチに来てくれてる。これって、傍から見れば、ちゃ~~んとした、立派なデートだよね~~。」話を聞きながら睦美、嬉しそうに、「はははは。うんうんうん。そうかも~~。」「…って言うか、汐梨から言わせると~~。これで、たまにはふたりでどっか、出掛けたら~~。に、なっちゃう。おまけに、家でばっかり会ってないで~~って。」可笑しがりながら睦美、「うんうんうん。汐梨さん、そんな風に言いそう~~。」耀司、口をへの字にして、「でしょう~~~???…絶対にあいつなら言うよ。」そして耀司。「ま。当然の事ながら、芙美花も、そうだけどね~~。あいつも、そんな風に言う。絶対に。」睦美、「芙美花さんが…???」「あぁ。…とにかく、睦美さんに会いたい、いつも一緒にいたいって、言ってるから。」瞬間、睦美、目頭が熱く。思わず胸が…。そんな睦美を見て耀司、「……。」そして、睦美を見て、「睦美さん。」睦美、耀司を見て、思わず両頬を両手で。「あ、はい。」「今日は。」そして睦美にペコリと。「ありがとうございます。」瞬間、睦美、右手を振って、「あぁ。いえいえ。」耀司、「そして。…これからも。」睦美、耀司を見て。耀司、ニッコリと。「よろしくお願いします。」またペコリと。そんな耀司を見て睦美、瞬きながら、「あ。はい。」そしてペコリと。「こちらこそ。よろしくお願いします。」耀司、ニコニコと。「はは。」そして、「まっ。時間や場所を設定して、恋愛感情を持つ男女が会う。事が、デート。…では、あるけど。いろいろなデートの形も、あるだろうけどね~~。まっ。一概には…。」睦美もニコニコと。「えぇ。100組の恋人同士がいれば、100通りのデートもあるかも。です。」耀司、「あ、それ。その表現、いいね~~。」「誓から聞きました。」「さすがは誓さん。」耀司、「…って言うか。」そこまで言って耀司、「あ、ごめんね。…ただ。俺が知っている、デートと、言われても~~。祐里子から誘われて行った場所しか、分からないからな~~。」すると睦美、「ふん。…私の場合は~~。」顔を傾げて…。「あ。でも…。…もしかして…。私の方こそ、耀司さん以上に、デートの経験…ない。かも。…とにかく、デートと言うかぁ~~。その殆どが~~。スタジオ。」耀司、「あ、あ~~、そっか~~。バンドマン、だったんだもんね~~。」睦美、コクリと。「はい。…出会った頃は、もぅ~~。プロのミュージシャンでしたから~~。休みなんて、もぅ~~、ランダム。自宅とスタジオかステージの往復。自宅と言ってアパート。ううん。もぅ、アパートは、とにかく、寝に行っているだけ。…一度だけ、アパートに行った事、あるんですけど。な~~んにもなくって~~。」耀司、その話に、「うそ。」睦美、頷いて。「だから、本人も、あまりアパートでは会いたくなくって。でも。音楽は続けないと。…だから、会うのはまず、スタジオ。で、バンドの人たちも、気を遣ってくれて、私が行くと、優しく、じゃあな、頑張れよって。スタジオから出て行く。そんな感じ。」耀司、「そうだったんだ~~~。」すぐさま睦美、「あ。でも…。逆に~~。何処行きたいって。だから、逆に私に聞かれても、私も。」眉間に皺を。申し訳なさそうな顔で、「私も知らないし、分からないから…。」耀司、そんな睦美を見て、「かかかかか。…確かに。」睦美、「だから~~~。…もし、ふたりで、何処か、出掛けるのだったら~~。耀司さんの。」耀司、その声に、「うん。」「亡くなった奥様と一緒に、行った場所でも…。」瞬間、耀司、フィンガースナップ。「あ。それだ。」 ママでいい…。 vol,311. 「まっ。時間や場所を設定して、恋愛感情を持つ男女が会う。事が、デート。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.30
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「とにかく、美味しい料理を作ってくれた人に、感謝。それが誰であれ。」ニッコリと耀司。そんな耀司に睦美、ニッコリと。すると、睦美のスマホに着電。カウンターのバッグに。睦美、画面を見て、「晄史。」耀司、「おぅ。久し振り~~。」睦美、スマホを耳に、「もしもし、晄史。」そのまま椅子に。スマホから、「姉さん、芙美花さん、インフルってかあさんから聞いてビックリして。」「あん。」耀司をチラリと見て、「うん。レッスン、終わって、そのまま、買い物して高井戸家に。まだ、38度台。」晄史の声、「え~~~~???…インフル、流行ってるって聞いたから~~。」「うん。」睦美。「…で、今、汐梨さんとも電話したんだけど、汐梨さんもインフルで。」「え~~~!!!」そして晄史、傍にいる誓に、「汐梨さんも、インフルなんだって。」誓、その声に、「うそ。」ふたりは今、正に会社を出ようとしていた。睦美、「誓も一緒。」「あぁ、今から会社出るけど。…雨、降って来た。」睦美、目をパチクリと、「雨。」耀司、「へぇ~~。こっちは…、まだ。」睦美、「こっち来て、すぐに芙美花さん熱測って、着替えして、お粥とヨーグルト。」そして、「うん。みんな、食べてくれて。」相合傘で晄史と誓。晄史、「へぇ~~~。そっか~~。とにかく、芙美花さん、お大事に。だね~~。それから、汐梨さんも~~。」睦美、頷きながら、「うん。」そして、耀司を見て、「あ。ちょっと待ってね~~。」そして、耀司にスマホを。「晄史です。」耀司、「サンキュ~~。」スマホを受け取って、「もしもし、晄史さん。」晄史、「あ。」ニコニコと、「高井戸さん。かかかかか。」耀司、スマホに、「何か、声聞くの、久し振りなんですけど。」ニコニコしながらの晄史。「ですよね~~。ははは。…でも、ほら、この前、ライブハウスで。」耀司、口を大きく、「あぁ。はははは。そうだった、そうだった。」すると、スマホに、「誓もいるよ~~。」晄史、スマホをスピーカーにして、誓に。高井戸に誓、「こんばんは~~。」耀司、誓に、「こんばんは~~。」「今日の夕食は何ですか~~???」耀司、スマホに、「睦美さんが、カレー、作ってくれました~~。凄く、美味しい~~。」誓、「わ~~お。カレー~~。」晄史を見て、「ははは。美味しそう~~。」耀司、「ふたり、今、何処ですか~~???」誓、スマホに、「あ、はい。会社を出たところなんです~~。今から、駅に。」「何やら、雨。」スマホから誓の声、「そうなんですよ~~。だから、私の傘に晄史と一緒に。」耀司、微笑みながら、「相合傘ですか~~。」誓、嬉しそうな声で、「そうですよ~~。」耀司、スマホに、「羨ましそうですね~~。」すると誓、「な~~に言ってるんですか~~。高井戸さんもお義姉さんと~~。」そこまで言って、僅かに顔を傾げて、「あ。でも、ふたりの場合は、車か。はははは。」耀司、その声に、「ははははは。」誓、「しっかりと、お義姉さん、離さないでくださいね~~。ちゃんと、しっかりと、デートしてくださ~~い。」思わず耀司、照れながらも、「いやいやいや。言われてしまいましたね~~。」そんな照れた耀司を見て睦美、ニコリと顔を傾げて、「うん…???」そして誓、「あ。芙美花さん、お大事に~~。インフルって。」耀司、「えぇ。…まっ。でも、明日にでも熱が下がったら、受診、しますんで。」スマホから、「は~~~い。じゃ、お大事に~~。」晄史も、「お大事に~~。」耀司、「ありがとうございま~~す。」そしてスマホを睦美に。睦美、「はい。」そして、スマホに、「じゃね~~。」スマホに、晄史、「うん。分かった。ごゆっくりとどうぞ~~。」その声に睦美、口を尖らせて、「もぅ~~~。」けれどもすぐにニッコリと。「はいはい。」通話は切れる。そして睦美、「ふん。」テーブルにスマホを置いて。耀司、「神宮前は雨か~~。」睦美、「誓に、何か言われました…???」耀司、思わず、「うん…???」そして、「かかかかか。しっかりと、お義姉さん、離さないでくださいね~~。ちゃんと、しっかりと、デートしてくださ~~い。って。」その声にニコニコと睦美、「ははは。」耀司、カレーを食べながら、「まま。…ん~~~。」すると睦美、耀司を見て、「うん…???」耀司、チラリと睦美を見て、「いや。まま。…デートって言われても~~。何て言うか~~。俺の場合、リモートしていると、何て言うか…。…毎日が仕事…???…時間に縛られている訳じゃないから。…だから、汐梨から家事の特訓を受けながらも。…それでいて、仕事が出来ている。…それが、今のライフワーク。」睦美、話を聞きながら、「うんうんうん。」「そういう意味では~~。結局のところ、お客さんにも、恵まれている訳だけど…。」 ママでいい…。 vol,310. 「とにかく、美味しい料理を作ってくれた人に、感謝。それが誰であれ。」ニッコリと耀司。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.29
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咳をしながらも汐梨、「…あ、うん。…何とかね。…けど、全く~~。参った~~。何とも、朦朧としてる。」その声に耀司、「おぃおぃおぃ。」汐梨、「あん。でも、パパがいるから全然、大丈夫だから。」その声に勝臣もニッコリと。「何たって、頼れるからね~~。コホッ。」スマホから耀司の声、「はいはいはい。ご馳走様です。」「まだ、熱は、38度6。」その声に耀司、「うえ…。」「しっかし…。どこから、誰にうつされたのか、全く分かんない。朝、会社に電話したら、スタッフのひとりもダウンして休んじゃったって。」耀司、その話を聞いて、「え~~~???」耀司、パソコンを閉じて椅子から立ち上がり、「いやいやいや。」そしてドアを開けて、「…って言うか、芙美花の学校も。」スマホから、「え~~~???」汐梨、勝臣を見て、「芙美花の学校もだって。」勝臣、途端に顔をぐんにゃりとされて、「わお。」汐梨、「あ。でも、芙美花は…。」耀司、廊下を歩いてリビングに。「あぁ、今は。」睦美を見て、「睦美さん、来てくれている。」汐梨の声、「睦美さん…???…来てるの…???」勝臣を見て。勝臣も目を真ん丸に。そして、口を噤んで。汐梨、「芙美花、インフルなのに…???」睦美、電話をしている耀司を見て、「…???」耀司、「汐梨から。」睦美、瞬きをして。耀司、スマホに、「来るなと言われても、来ますって。」スマホから汐梨の声、「わお。」そして、「かかかかか。コホッ。」耀司、スマホに。「マスクして~~。手には、しっかりと、グローブで。」スマホから、「わお。」睦美、「電話。汐梨さん…???」耀司、睦美に、「うん。」「代わって、いいですか。」耀司、「はいよ。OK~~。」耀司、スマホを睦美に。睦美、スマホを耳に、「もしもし。睦美です。汐梨さん。」その声に汐梨、「あ。睦美さん。コホッ。」勝臣をチラリと見て。「あん。…ごめんね~~、睦美さ~~ん。」声は完全に掠れている。睦美、スマホに、目を真ん丸にして、そして首を振りながら、「あぁ、いえいえ。でも、汐梨さん、物凄、辛そう~~。声が…。」「うん。」汐梨。「完璧に最悪なの。声は枯れるわ、鼻は詰まってるわ、熱はあるわ。咳は出るわ。朝からず~~~っと、寝てたから~~。コホッ。さっき起きて、パパからお粥作ってもらって、それ食べて~~。まっ。意識はハッキリとしてるから~~。」こちらは睦美。スマホに、「私も、こちらに来て、芙美花さん、着替えをして、お粥とヨーグルト。はは。全部食べてくれて~~。今、ぐっすりと休んでる~~。」スマホから汐梨の声、「ありがとう~~。コホッ。…まさか、私もインフルなんて~~。一度も罹った事ないのに~~。」睦美、目を丸く、「え…???…一度も…???…インフルエンザ。」耀司、テーブルの傍で立ったままで。「あ~~。うん。俺の記憶する限り、俺も汐梨も、生まれてこの方、病気らしい病気は一度も。」その話に睦美、「凄~~い。病気に一度も…???」汐梨、コクリと。「うん。そう。だからね~~。最悪~~。」睦美、「お大事になさってくださ~~い。…私は、去年に、しっかりとインフルエンザに。1週間、寝たきり状態。酷かったですから~~。」汐梨、頷きながら、「うんうんうん。コホッ。とにかく、芙美花の事、お願いねぇ~~。」睦美、ニッコリと。「はい。分かりました。」汐梨、「…で。兄さんの事も。」ペコリとして、「お願いします。」睦美、耀司を見て口角を上げて、「はい。畏まりました。今、カレー、作ってますから。」掠れた声で汐梨、ニッコリと。「わお。」そして、「すみませ~~ん。」睦美、微笑みながらもスマホを耀司。耀司、頷いて。そして、「とにかく、ゆっくりと休みな。おま、その感じじゃ、相当~~。」汐梨の声、「あん、兄さん。うん。」そして。「芙美花、悔しがってたでしょう~~。芙美花も一度も病気って。」耀司、「あぁ。悔しがってた。悔しいよ~~、一度も病気、した事なかったのに~~って。」その声に汐梨、「だよね~~。」傍で勝臣、「ママ。」汐梨、その声に頷いて。そして、「じゃ、兄さん。」耀司、「おぅ。任せろ。一晩くらい、寝なくたって俺。芙美花の事は任せろ。」汐梨、コクリと。「うん。じゃあね。」通話は切れる。耀司、カレーの匂いに。「おほ。いい匂~~い。」睦美、「そろそろ。ですね~~。」耀司、睦美に一礼をして、「ありがとうございます。」そして…。初めての…。テーブルを挟んでの、夕食。耀司、カレーを一口。そして、眉間に皺を。「うん。旨い。アチ。」その声に睦美、ニッコリと。「ありがとうございます。」何かしら、耀司、ふっ切れた感があった。そして…。いつも通りに。空腹であった。美味しそうに食べる耀司を見て睦美、「ははは。耀司さん、本当に美味しそうに食べますよね。」その声に耀司、睦美を見て、「うん…???」そして、ニッコリと。「ははは。」そして、「当~~然。」 ママでいい…。 vol,309. 耀司、「おぅ。任せろ。一晩くらい、寝なくたって俺。芙美花の事は任せろ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.28
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コーヒーを飲んでいる耀司に睦美、トレイの上のご飯茶碗と、ヨーグルトらしいものが入っている器も見せて、両眉を上下に。そして、ニッコリと。「空っぽ。」そして。「熱はあるんだけど、食欲はあるみたいで、ひとまず安心。…逆に、何も食べたくないって言われると、困っちゃいますから。」耀司、睦美に、「ありがとうございます。」「洗濯物、干しちゃいますね。」すぐさま耀司、「あぁ、すみません。」睦美、洗濯室のラックに芙美花のパジャマを。今、ベッドの中の芙美花は上下に、ジャージを着ている。睦美、キッチンに戻って、「耀司さん、夕食、カレーでいいですか…???」コーヒーを飲み終えての耀司、睦美に、「あ、あ~~。はい。」睦美、そんな耀司に、「ふふ。分かりました。お任せください。」ニッコリと。耀司、微笑みながら睦美に、「じ、じゃあ…、お願いして、俺、もう少し、部屋で仕事…。」そんな声に睦美、ニッコリと。「あ、はい。」椅子から立ち上がり、自室に歩きながら…。…けれども、僅かに顔を傾げて。頭の中で、「…お、俺…、何やってんだ…???」耀司、実は、かなり照れ臭いのである。芙美花がインフルエンザ…。但し、受診はしていないために定かではないのだが…。朝からバタバタで。けれども、坂下と連絡して坂下が来てくれて。そして、今度は睦美が。そして、今度は宮前が…。そうこうしながらも、何とか…。そして…、ここにきて、ようやく落ち着いて。多分…。今日一日は、芙美花は、発熱は続くであろうが、朝になれば…。そう思うと…。耀司、急に何とか、「…収まるか~~。」と、思った瞬間に。急に、睦美と、話す言葉が出て来ない。片や睦美は…。無心に料理をしている。ただ、頭の中には、芙美花の熱が下がってくれる事と。耀司の為に出来るだけの事をしたい。それだけである。芙美花、一日中の発熱で、かなり体力は消耗していた。当然である。生まれてこの方、一度も病気をした記憶がない。免疫がないのである。一気に押し寄せてきた病。朦朧としながらも睦美からパジャマからジャージに着替えられていた。ただ、芙美花、嬉しくて。睦美には、何も言えなかった。自然に涙が出て来て、ただ、「ありがとう。」それだけ。終始、睦美、芙美花に、優しそうに…。芙美花をベッドに落ち着かせて。そして…。部屋の中、女子高生の部屋の中を見て、微笑みながら…。「可愛い~~。」そして。「はは。女子高生~~。」お粥も…。最初は介助で…。…けれども、途中からは自分で。一口、二口、介助されながらも、体の中に、染み渡ったのか…。そして、何より、美味しかったのだろう、それからは、自分で。そして…、ス~~ッと入っていく、ヨーグルト。芙美花、半ば、満たされていた。そして…。食べ終えて、睦美から、「うん。食べれた~~。良かった~~。うんうんうん。じゃ、休もうか。」その声に安心して芙美花、また体をベッドに。耀司、パソコン画面を見て、「ヨシ、オッケ~~。」すると…。スマホに着電。「師長…。…もしもし。」「あ、耀司。芙美花、どう…???」耀司、「あ、あ~~。はい。…今は…、多分、落ち着いてる、かも。です。」スマホから、「かも…。」「えぇ。…って言うか、今、睦美さん。眞鍋さんが来てくれていて。」瞬間、宮前、「あ、あ~~~。うんうんうん。」「夕方前から来てくれてて。」宮前、廊下のベンチに座りながら、耀司の声に頷いて、「そぉ~~。」スマホから、「まだ、熱は38度台…???…でも、何とか。」「意識は…。」「えぇ。大丈夫です。着替えも眞鍋さん、やってくれて。お粥とヨーグルト、かな…。」宮前、コクリ、コクリと。「うんうんうん。」耀司、スマホを耳に、「…で、今、キッチンで、夕食を。」スマホから宮前の声、「そっか~~~。あ、でも…。夜はお願い。」瞬間、耀司、「え…???…あぁ~~~。」「芙美花、小まめに見て上げて。熱。」「あ、はい。」「木守さんもインフルで、私が見てあげればいいんだけど…。」耀司、途端に、「あ、いや…。そんな…。」「とにかく。夜は耀司、お願いね。眞鍋さん、食事の後に、薬、飲ませてくれたと思うんだけど。熱の方は、お願い。まぁ。一晩くらい寝なくとも…。耀司。」その声に耀司、「あ。ははははは。た、確かに。」「可愛い、愛する一人娘のために、頑張んなさい。」いきなり耀司、スマホに、口を尖らせながらに、「と、当然ですよ。はい。」「じゃ、切るね。」その声に耀司、「分っかりました~~。わざわざ、ありがとうございます。」宮前の声、「うん。じゃね。」通話は切れる。その途端、耀司、「おっと。」そして、「は…???…汐梨…???」スワイプして、「もしもし、おま、大丈夫なの…???」汐梨、傍には勝臣。布団の上で、パジャマの上にモコモコカーディガンを羽織りながら…。 ママでいい…。 vol,308. 自然に涙が出て来て、ただ、「ありがとう。」それだけ。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.27
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その声に耀司、ニコリと。「うん。分かったよ。」芙美花、話疲れたのか、また目を閉じて氷枕の上で。耀司、そんな芙美花のおでこに手を。「うん。まだ…か。」耀司、自室で…。スマホを耳に。スマホから聞こえる勝臣の声、「まだですね~~。中々、熱、下がんなくて~~。38度台で…。」そして勝臣、「はは。僕もバタバタです。アイスノンだけじゃ、どうしようもなくって、氷買ってきたり。」耀司、「やり方、知ってんの…???」勝臣、「はい。検索して、方法は…。」声を聞いて耀司、「あぁ。そっち。」スマホから勝臣の声、「お義兄さんは…???」耀司、思わず、「はは。朝から電話。パソコンで調べるも何も。睦美さんから電話が来り、師長から電話が来りで。で、教えてくれて。」スマホから勝臣、「なるほどね~~~。」そして。「お義兄さん。」語尾を強く。耀司、スマホに、「うん…???」勝臣、しっかりとした滑舌で、「頼れる人がいるという事は、幸せな事です。」その声に耀司、深呼吸をして頷いて、「全く。その通りだよ。」数分後、通話は切れる。お昼は耀司、芙美花がインフルエンザという事で、余り、食欲はなかったが、意外と…。探すとあるもので、戸棚からカップ麵を。「おほ。あるある~~。」そして、バセットには、「はいよ~~。お待たせ~~。バセット~~。芙美花、今、インフルで休んでる。おまえ、早くインフル治れって、祈っててくれな。」その声にバセット、耀司を見て、「ワン。」耀司、そんなバセットに、「ははは。いい子だ。」夕方前になって、高井戸家に…。耀司、玄関に。「はは、」頷いて、「いらっしゃい。」睦美、「来るな。と、言われても来ます。」そんな睦美に耀司、ニコリと。「でしょうね~~。」睦美も、「ふふ。」買い物かごを用意したのだろう、食材が入ってる。「とにかく。」耀司、睦美に一礼するように、「お願いします。」睦美、まずはキッチンに。そして頷いて。買って来たものを冷蔵庫に。そして、耀司とふたり2階に。耀司、ノックをしてドアを開けて、「どうぞ。」睦美、「お邪魔しま~~す。」そして、芙美花の部屋に。「はは。可愛いお部屋~~~。」耀司、「芙美花~~。睦美さん、来てくれた。」睦美、ベッドで眠っている芙美花に、「芙美花さ~~ん。」そして、体温計を…。芙美花に、「ちょっと、ごめんねぇ~~。」ゆっくりと目を開ける芙美花。目の前のマスクをした睦美の顔を見て、「睦美さん。」睦美、芙美花にニッコリと。「こんにちは。ごめんね。熱、測ろうか。」微笑むように芙美花、僅かにコクリと。グローブをした手で睦美、芙美花の脇の下に体温計を。そして…。「38度3。…まだだね~~。」そして、「OK~~。じゃあ、着替えましょうか。結構、熱で汗、搔いてるみたいだから…。」睦美、耀司に、「耀司さん、クローゼット。」耀司、慌てて、「あ、あ~~。はい。そこに。」睦美、指差した方を見て、「あぁ。」そして笑顔で、「はい。」そして耀司に、「じゃあ~~。後は私に任せて、耀司さん。仕事、お願いします。」耀司、その声に、「あ、あ~~。あ、はい。」ペコリと。「お願いします。」そして…。凡そ30分。睦美、階段を降りて耀司の部屋に、ノックをして、「耀司さん、洗濯機、使わせて頂きま~~す。」部屋の中から、「あ、はい。」すぐさまドアに、そして開けて…。すると、「あれ…???」そして、「睦美さ~~ん。」廊下を。そして、洗濯室に。耀司、「あ。ははは。もぅ、いらっしゃった。」睦美、コクリと。「洗濯機、使いますね。芙美花さんのパジャマ。さすがに汗で。」耀司、「あ、あ~~。はい。」ニコリと。「お願いします。」睦美、「それにしても、さすがは芙美花さん。整ってるぅ~~~。」耀司、その声に照れ臭そうに、「ははは。」頭の後ろを撫でながら、「自慢の娘ですから。文句の付けようが…。高校2年の娘から、逆に、父親の俺が、面倒見てもらってます。」その声に睦美、クスクスと。そして、耀司を見て、「ほんと、ですよね。」耀司、睦美にペコリと。「お恥ずかしい限りです。」睦美、「さてと。」耀司に、「ちょっと、すみません。」耀司、洗濯室の入口で睦美を避けるように、「あ、はい。」睦美、キッチンに。「お粥、お粥~~。」耀司、睦美に、「あ、じゃあ~~。俺、また、部屋で。」睦美、耀司に振り返って、ニッコリと。「はい。お願いします。」耀司、廊下で睦美に一礼をして。「こちらこそ、お願いします。」睦美も、そんな耀司に一礼をして、「はい。畏まりました。」既にマスクとグローブは外している。凡そ1時間。耀司、部屋から出て来て、キッチンでコーヒーを。そして、テーブルに。椅子に座ってコーヒーを。2階からエプロンをした睦美が…。そして…。「ふふふ。完食~~。」 ママでいい…。 vol,307. 「高校2年の娘から、逆に、父親の俺が、面倒見てもらってます。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.26
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耀司、睦美から言われたままに…。そして…。今度は、薬箱も持って芙美花の部屋に。「アイスノン、溶けてる~~。」スマホから睦美、「熱…って、どれくらい…???」耀司、スマホに。「朝、測った時には…。」そして…。芙美花に。「芙美花、熱…。」朦朧としている感じの芙美花、虚ろに。「おとうさん。あ。…うん。」体温計から電子音。芙美花、父に体温計を。耀司、「38度6。」スマホから、「耀司さん…???…耀司さん…???」テーブルに置いたスマホ。耀司、スマホを持って、「まだ、38度6。」「そしたら…。取り合えず、溶けたアイスノンを外して氷枕を。タオルか何かで巻いて…。」耀司、「分かりました。」そして…、「芙美花、ごめんな~~。アイスノン、外す。」芙美花の頭を僅かに上げて。そして、氷枕を…。芙美花、まだまだ弱々しい声で。「おとうさん…???」「氷枕だ。」芙美花、目が動く。「…おとうさん…???」耀司、「さて。これから出掛ける。」耀司、そのまま立って、スマホに。「氷…、買ってこないと…。」スマホから、「ですね。」耀司、スマホに、「睦美さん。ありがとう。」睦美、「はい。」「じゃ。」「分かりました。」通話を切った。その途端にまた着信音。耀司、階段を降りながら、「おっと。師長~~。」そして、「もしもし。師長~~。」スマホから宮前、「あっ。もしもし、耀司~~。芙美花~~。もぅ~~。あなたからの着信に、麻友からラインが入っていて、び~~っくり~~。芙美花、インフルなんですって。熱は…???」耀司、自室に入って、「あ、はい。今、測ったら、38度6。」スマホからは、「まだそんな。…で、氷枕は…???」「今、アイスノン外して…。もぅ、すっかり、溶けて。今度は氷枕に。でも、氷、全然、足りなくって。」宮前の声。「そうよね~~。」「だから今、氷を買いに。」すると。「耀司。氷と、アイスノン買ってらっしゃい。どっちみち、足りないから。麻友の話しだと、薬の方はOK。祐里ちゃん、ちゃんとしてあったって。冷蔵庫に保冷剤は…???」耀司、すぐさまキッチンに。そして冷凍庫の…。「保冷剤もあるけど…。でも…。」スマホから宮前、「じゃあ…。ブロックの氷。そしてアイスノン。」「あ、はい。」そして、バセットに。「おとうさん、氷買ってくるから、お留守番。」そんな主にバセット、振り向いて、「ワン。」スマホから宮前の声、「あ、でも…。あなた、氷枕って。やり方、分かるの…???」耀司、玄関に。「あ、いえ…。…でも、さっき、睦美さん。あ、いえ。眞鍋さんから電話が来て。」スマホからの宮前の声、「眞鍋さん…???…あぁ。うん。」「やり方は…、何とか。」「そう。うん。分かった。」「とにかく、氷。…で、買ってきたら、また私に電話頂戴。そっち行きたいけど、私、今日も日直で…。」そこまで言って宮前。「あ。でも…。ほら、あなたの妹の木守さん。」耀司、既に車に。「あぁ。でも…。」口をぐんにゃりとさせて、「妹も今、インフルで…。」スマホから、「え~~~~???」耀司、ドアを閉めてシートベルトを。「あ。はい。今朝電話したら…。」「そぅ~~。あら~~。」耀司、「師長、んじゃあ。行ってきます。」「あ、分かった。じゃあ、後で電話して。」耀司、スマホを耳にコクリと。「分かりました。はい。」通話は切れる。それから凡そ1時間。耀司、宮前からのレクチャーで、何とか氷枕を芙美花に。体温計は、「38度6。」変わらず。耀司、「確かにな~~。にわか仕込みじゃ…。芙美花~~。」芙美花、父の顔を見て。「…うん。ありがと…。おとうさん。…まだ、頭、ボゥ~~っとしてる。」耀司、ニコリとさせて、「当然だよ。まだ38度6。」「夢見てた。」耀司、その声に、「うん…???」「…高校合格の夢や~~。入学式の時の…。…そして…。定期演奏会。そして…。家の事。」思わず耀司、クスクスと。「家の事…???」芙美花、氷枕の上で僅かにコクリと。「うん。…最初は、おかあさんがいっぱい、出て来た。コホッ。…でも…。段々、私だけに…。」耀司、「芙美花…。」芙美花、「…でもね。」耀司、またもや、「うん…???」顔を傾げて…。「何の曲かは分かんないけど…。ピアノの音が…。睦美さんがピアノ弾いてて、私がクラリネットを吹いて。素敵な曲。」耀司、ベッド越しに。そして芙美花を見ながら、笑顔で、「ふ~~ん。」芙美花、「…で。」掠れた声で、「みんな、いるの。おじいちゃんも、おばあちゃんも、おばちゃん、勝臣おじちゃん。麻沙美に。…そして、晄史さん、誓さん。バセットが私に抱き着いて。」耀司、ニコニコと、「ははは。うん。」芙美花、氷枕の上で顔を。父に向けて。「おとうさん。」語尾を強く。耀司、顔を傾げて、「うん…???」芙美花、僅かに目尻から涙が。「私、睦美さんと一緒にいたい。私のママにして…。」また、語尾を強く。 ママでいい…。 vol,306. 芙美花、僅かに目尻から涙が。「私、睦美さんと一緒にいたい。私のママにして…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.25
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「で…。」耀司。「坂下さん、すぐに来てくれて。最初に、検査キッドで。…そしたら陰性で。…恐らく、インフルって。」スマホから睦美の声、「そうでしたか~~。とにかく、メッセージ見てびっくりして。」耀司、「睦美さんには、知らせておかないとって。」瞬間、睦美、胸が熱く…、僅かに目が潤む。「ありがとうございます。」そして…、睦美、「あ。」耀司、その睦美の声に、「え…???…睦美さん…???」睦美、「あ。…え…と。」そして、何かしら安心したような口調で、「…でも。耀司さん、自宅で仕事を。」耀司、瞬間、「あ。あ、あ~~。はははは。」耀司も睦美の声に、「実は俺も…。芙美花がこんな事に…。で、思ったんです。家での仕事で、助かった~~って。」そんな耀司の言葉に睦美、「耀司さん。」慰めにも似た声で。けれども、「あ。耀司さん、朝ご飯。」すぐさま、「あ~~。はははは。それはもぅ、昨夜の残り物を。…で、パセットにもさっき、ご飯を。」「あ~~、うんうんうん。あ。…でも、お昼。」耀司、「もぅ~~。それは…。」僅かに考えて、「コンビニにでも行って、何か。」「あ~~、はい。分かりました。」そして睦美、「じゃあ~~。芙美花さん、熱が下がれば、そのまま受診。」耀司、頷きながらも、「えぇ。そうなります。」睦美、口調を伸ばしながら、「今日は~~。39度もあれば…。受診、難しそうですね。」「ん~~~。何とも…。」「あ。でも。…夕方前には、汐梨さん。」その声に耀司、僅かに目が動く。そして、「…なんだ、けど~~。」瞬間、睦美、目をキョトンとさせて顔を傾げて、「え…???」耀司、スマホに、「実は…。汐梨にも電話したんですが、本人が電話に出なくって。どうしたのかって思ったら、何と、汐梨もインフルでって。」間髪入れずに睦美、「うそ。」スマホを持って、仰天したような顔で。「し、汐梨さんも…???…インフルエンザ…???」耀司、頷きながらも、「えぇ。旦那の勝臣君が、今、まだ休んでますって。汐梨も39度って。」睦美、「うそ。」そして、「わぁ~~~。そんな…。」耀司、スマホに、「今、インフル、流行っているみたいです。学校に休みの電話をしたら、他の生徒の家族からもって、担任の先生が…。…で、さっき、芙美花の友達のおかあさんからも電話があって、芙美花の友達もインフルって。」「そうなんですか~~。」睦美。「じゃあ、私、レッスンが終わり次第、伺います。」瞬間、耀司、「あ。それは、やめて下さい。睦美さんにもインフル、うつっちゃいます。」けれども睦美、「あん。でも…。私は去年の今頃には、罹っちゃってますから。…それに…、去年の11月には、予防接種も、しっかりと。」そして睦美。「大丈夫です。しっかりと整えて伺いますから。…じゃないと。大変でしょう~~???」睦美、語尾を強調するように。「…それに…、芙美花さん。着替えだって~~。お洗濯。…それに。いつまでも同じ氷枕じゃ。」瞬間、耀司、「あっ。」途端に耀司、「いっけねぇ~~。まだ、アイスノンのまま。」すぐさま睦美、「ほら~~~。あ。でも、39度も熱があるのなら、アイスノンより氷枕です。換えてください。」慌てて耀司、「そう…、ですね。」そのまま椅子から立ち上がり、部屋から出て、「氷枕、氷枕。…って、何処…???」スマホから、「キッチンの…、どこか、棚の中に…。」耀司、キッチンの棚を片っ端から開けて、「ない。ないないないない。」そして、「どこだ、どこだ~~???…アイスノンなら、冷凍庫からすぐに。」そして…、アチコチ周囲を見渡しながら。それでもしっかりとスマホを耳に。「ん~~~。どこだ~~???」スマホから、「普段、薬箱って何処に…???」途端に耀司、フィンガースナップ。「あっ。そうだ、」朝、探した薬箱の…。すると…。薬箱の隣に薬箱と同じくらいの大きさの箱が…。「何だこれ…???」と、思い出したように。「あ。これ…。…そうか、これか~~。」スマホから睦美の声。「何ですか…???」耀司、思い出しながらスマホに。「これ…、コロナの検査キッドです。」その声に睦美、「へぇ~~~。」すると…。「奥様、…用意、してらしたんですね~~。」優しそうな声で。耀司、睦美の声に、「えぇ。…そのようです。」そして…。「あった、あった。氷枕。」スマホから、「ありました…???」耀司、「えぇ。四角いケースの中に。…で、新聞が畳まれて入ってます。」「じゃあ~~。それですね。それに氷を入れて。」耀司、言われたままに。「あ、うん。」そのまま氷枕をキッチンに。そして冷凍庫から氷を。「どのくらい…。」間髪入れずに睦美。「全部です。…でも…。家庭用の冷凍庫の氷じゃ。」耀司、氷を入れながら…。「半分も…。」「足りないと思います。でも…。耀司さん。その氷枕に水を入れて下さい。」耀司、スマホに、「分かりました。」 ママでいい…。 vol,305. 「あ。でも、39度も熱があるのなら、アイスノンより氷枕です。換えてください。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.24
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帰宅しての芙美花、バセットを抱き締めながら、「バセット~~。博楼、合格したよ~~。」バセットも芙美花に甘えるように…。祐里子は途中で買い物してきた食材で早速、合格祝いの準備。芙美花、祖母に電話で、「あ、おばあちゃん。」すぐさま香奈枝、「どうだった、博楼高校。」芙美花、その声に、「うん。受かった。合格だよ~~。」いきなり香奈枝、「え――――――――っ!!!…良かった~~~。」その声に祖父の壮一郎、いきなり玄関から茶の間に。「芙美花か。」香奈枝、そんな壮一郎の顔を見てニッコリと。「うん。芙美花、博楼、受かったって。合格したって。」壮一郎、香奈枝に、「どれ。電話、電話。代われ。」香奈枝、受話器にニコニコしながら、「もしもし。今、おじいちゃんに代わる~~。」芙美花、ニコニコと、「うん。」壮一郎、「もしもし、芙美花か。」受話器から芙美花の声。「もしもし、おじいちゃん。高校。博楼、受かったよ。合格した~~。」キッチンで祐里子も、そんな芙美花を見ながら、ニコニコと。スマホから祖父の声、「そうか~~。受かったか~~。うんうんうん。ははは。何よりだ。おめでとう~~。」そして芙美花。夢は、入学式へと…。家族3人で撮った学校の、「入学式式場」の看板の前で。そして…。部活の日々。そして…。いつの間にか、母、祐里子の姿から…。「おかあさん…。」寝言である。芙美花の目尻から、涙が…。一滴。唇が動く。そして…、また、ポツリと。「おかあさん。」夢は…。混沌と…。そして…。やがて…。ピアノのメロディが…。夢の中で…。すると…。クラリネットを吹いている芙美花。「あ。私だ。」その隣でピアノを弾いている睦美。芙美花、「睦美…、さん…。」クラリネットを吹いている芙美花を笑顔のままでピアノを弾いている睦美。やがて…。演奏が終わる。その途端、ピアノに寄り添うように芙美花、「ママ。どうだった、私のクラリネット。」その声に睦美、ニッコリと笑顔で、「うん。良かった。上手だった。」その時、拍手が。見ると、父の耀司。そして叔母の汐梨。そして義理の叔父の勝臣。麻沙美。そして、祖母の香奈枝と祖父の壮一郎。そして、晄史に誓が…。拍手をしながらもピアノの睦美と芙美花の周りに。そして…。バセットがそんなメンバーの中に潜り込んで二本足で芙美花に抱き着く。みなが、「ははははは。バセット~~。」こちらも…。同じように。夢を。場面は…、オーストラリア。勝臣、保育園に。「すみません。妻がインフルエンザみたいで…。…で、麻沙美、今日は保育園。え、え~~。お願いします。すみません。」通話は切れる。そして勝臣、麻沙美に、「麻沙美~~。今日、パパもお仕事、休みだ~~。」いきなり麻沙美、ニッコリと。「やった~~~っ!!!」けれども、「でも。ママは~~~???」勝臣、そんな麻沙美に、「ママね~~。今、お部屋でまだ眠ってる~~。」「どうして~~。」勝臣、麻沙美にニッコリと。「風邪みたい~~。だから~~。麻沙美も、風邪、うつらないようにしなきゃ。気を付けよう~~。」麻沙美の頭を撫でて。麻沙美、父の声に、大きくコクリと。「うん。」「ヨシ。いい子だ。」耀司、残り物で朝食を済ませて、そのまま自室で仕事を。「まっ。こういう時に、家で仕事が出来るの、大助かりだ。」そして…。自然にスマホに手が…。ラインの画面で。ラインの着信音に気付いての睦美、「あれ…???」画面のデジタルを見て、「早い…、けど…。」いきなり、「え…???…芙美花さん、インフル…???」すぐさまラインの無料電話、指でトン。ラインの無料通話の着信音。耀司、スマホに、「やっぱり、来たか~~。」そして、「もしもし。」すぐさま、「もしもし、おはようございます。芙美花さん、インフルって…。」睦美の声。耀司、スマホを耳に、コクリと、「えぇ。」睦美、「大~~ぃ変。…で、熱は…???」「あ、えぇ。さっき、測ったんですけど、今、アイスノンで頭を…。最初は39度だったんですけど…。今は、38度9…。今、ベッドで、眠ってます。」「お医者様…。」その声に耀司、「あ、いえ…。まだ、起きるのも…。ただ、意識は…。」スマホから睦美の声、「そう…、ですか。」耀司、「とにかく、コロナじゃなくって。」睦美、「あぁ。えぇ。」けれども、「あの。耀司さん…。コロナじゃなくってって。」耀司、思わず背中に汗を。「あ。あ、あ~~。…その。…実は。真っ先に。宮前。…師長に。」その声に睦美、「あ、あ~~、宮前…、師長。」耀司、すぐさま、「えぇ。…でも。…その…、師長が電話に出なくって。」途端に睦美、「え…???」「それで…。その…。いちかばちかで…。坂下さんに。」スマホからの声に睦美、顔を傾げて、「坂下…。」スマホから、「えぇ。杉並病院の、師長の姪の。」目をパチクリとさせて睦美、「あ、あ~~。はい。亡くなった奥様と。」耀司、「えぇ。」 ママでいい…。 vol,304. 芙美花の目尻から、涙が…。一滴。唇が動く。そして…、「おかあさん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.23
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博楼高校、朝の職員朝礼。校長の舘脇、「インフルエンザが流行しているようです。今日も何名か生徒が…。それに、進路指導の粟屋先生もインフルエンザで…。」その声に季久美、コクリと。舘脇、「いずれにしろ、衛生面ではしっかり。手洗いの徹底、うがい。お願いします。」そして、舘脇、「神代先生、養護室からひとつ、お願いしたいのですが…。」その声に神代、「あ、はい。」そして教師たちに。「昨日も養護室の方に5名の生徒が…。校長先生も仰ってくださいましたが、手洗い、そしてうがい、とにかく徹底してください。お願いします。」季久美、「現在、今日も含めて、欠席している生徒が10名。その10名が…。…まだ、受診していらっしゃらない生徒もおりますが、恐らくインフルエンザ感染は濃厚かと。もうすぐ卒業式なので、ひとりの欠席者もなしでの卒業式に臨みたいところです。博楼高校、一丸となって、よろしくお願いします。」一礼。その声に、校長も教師たちも、「はい。」そして一礼。濱村、「やれやれ。卒業式まで2週間。ここに来てインフルってね~~。」その声に鶴来、「あんたも気を付けなさいよ~~。」濱村、鶴来を見て、「馬鹿言え~~。俺はひとりもんだから。…って、おまえんとここそ、旦那と子供4人だろ。」鶴来、「まね~~。…でも、ウチは、去年、全員、インフル、罹ってますから~~。そうやすやすとは。」ニッコリと。その声にグニュッと濱村、「そんなもんですかね~~。」臨時で全校朝礼でも同じ呼び掛けが全生徒に向けて…。折しも、インフルエンザが、その猛威を…。耀司、「え…???…詩乃ちゃんも。」スマホに。電話の相手は、詩乃の母親である。由紀奈(ゆきな)「えぇ~~。だから、今日から学校、お休みに~~。…で、景織子ちゃんや千愛ちゃんも気になって電話したら、景織子ちゃんと千愛ちゃんは問題ない、大丈夫だって~~。で、芙美花ちゃんはどうかなって思って電話したら~~。」その話に耀司、スマホを耳に、「あ、あ~~~。何とも…。」スマホから、「…と、いう事は…。まさか。芙美花ちゃん。」耀司、「あ、はい。…実は~~。…その、まさか。…でして…。」由紀奈、「あら~~。やっぱり~~。」耀司、困ったような顔で、「え~~~。今朝、起きたら、キッチンに姿がないので、部屋に行ってみたら、まだベッドで。」由紀奈、「あら~~~。」そして、「それにしても、どこから…。」耀司、その声に、「ん~~~。」「あ。でも、高井戸さん。じゃあ、芙美花ちゃん、インフルで、お食事…。」瞬間、耀司、「あ、あ~~~。」耀司、すぐさま睦美の顔が頭に浮かん…。…だのだが、素早く、「あ、ははははは。…近くに、妹夫婦がいますから。妹にでも、お願い。」思わず嘘を。由紀奈、「あぁ、そうでしたか~~。ははは。それなら安心。」耀司、何とか。頭の中で、「…誤魔化せた~~~。」と、思いきや、「…まさか、あいつまで…。」スマホの向こうで、「それでは、失礼します。」咄嗟に耀司、「あ。はい。…わざわざご連絡、ありがとうございました。」通話は切れる。耀司、「そっか~~~。詩乃ちゃんも…、かぁ~~。」リビングに、いつもだったら芙美花の姿が見えるのに、その姿が見えないのにバセットも、心なしか顔を傾げて、「クゥ~~ン。」耀司、椅子に座って、「やれやれ。」そんな耀司にパセットも何かしら感じたのであろう、ベッドクッションから立ち上がり、耀司の下に。そして、「クゥ~~ン。」耀司、そんなバセット頭を撫でて、「おまえも心配だよな~~。芙美花、インフルだよ~~。」バセット、また顔を傾げて、「クゥ~~ン。」途端に耀司、「お~~っと~~。」そして、バセットを見て、「ははは。バセット~~、おまえの朝ご飯~~。」その頃、芙美花は…。ベッドで眠りながら…。博楼高校の合格発表の当日。母の祐里子と共に。いきなり駆け足になる芙美花、掲示板を見て、「え…とぉ~~。」その後ろで祐里子、「どお…???…あった…???」芙美花、「うん~~。まだ~~。」すると。いきなり目を見開いて、「あったっ!!!あった、あった、あった~~。きゃー―――――――っ!!!おかあさん、あったよ~~。」いきなり飛び跳ねて喜ぶ芙美花。祐里子、掲示板を見ながら、「どこ。どこどごどこ。」そして、芙美花の受験番号を見て、「ハッ。」そして、芙美花を見て、「ははははは。やった~~~、芙美花~~。」芙美花、母を見て、ニコニコと。帰りの車の中で芙美花、スマホで、「おとうさん、おとうさん。博楼、受かった~~。」その知らせに耀司も椅子から立ち上がり、「そうか。やったか。ははははは。イェイ、イェイ、イェ~~イ。」そして、「おめでとう芙美花~~。」助手席でニコニコしながらも運転する母に、「イェ~~イ。」祐里子も左手親指を。「イェ~~イ。」芙美花、夢を見ていた。 ママでいい…。 vol,303. 「もうすぐ卒業式なので、ひとりの欠席者もなしでの卒業式に臨みたいところです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.22
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耀司、胡坐を掻いたままで、「ふぅ~~~。ひゃ~~~。」そして、「ヨイショ。」芙美花、「おとうさん。」耀司、芙美花を見て、「うん…???…はは。寝てな。」芙美花、父に、「もしかして…。コホッ。…おばちゃんも…???…さっき、そんな話。」芙美花、タオルで巻いたアイスノンを枕に。耀司、その声に、コクリと。「あぁ。…どうやら汐梨も…。」芙美花、ダルそうな顔で、「…そっか~~。」そして、父に、「ごめんね。」耀司、そんな芙美花にニッコリと。「はは。な~~に。」「ごはん。」耀司、慰めるような顔して、「心配すんな。残りもんで充分。」そして耀司、「とにかく助かったよ。おとうさんひとりだと、やっぱり。無理だな~~。」耀司、自然に首の後ろで撫でながら…。「坂下さんと連絡取れなかったら、どうなってたか。」その時、すぐさま頭に浮かんだ。「あ。」睦美の顔である。けれどもすぐにそれは消えて、「とにかく。学校に電話しなきゃ。」芙美花、弱々しそうな顔で、そして声で、「…あ、うん。…お願い。…でも、どうして…。…う~~ん。」耀司、ドアを開けて、「じゃな。また来る。」芙美花の声はない。考えてる。耀司、芙美花の部屋のドアを閉めて…。耀司、頭の中で、「…俺ひとりじゃ、こういう時。やっぱり、睦美さん、かぁ…。」「お電話代わりました。おはようございます。博楼高校、清水です。」耀司、スマホを耳に。「あ。清水先生。高井戸芙美花の父の高井戸ですけど。」清水、「あ~、はい。おはようございます。」耀司、スマホに、「すみませんが、芙美花、今日は、ちょっと、学校。」そこまで言って耀司、右目を歪めて、「うん…???」そして再び、「すみません。今日…と、言うか、もしかしたら、1週間程度。学校、休みに…。」「そうですか。はい。分かりました。」耀司の耳に届く声。そして、「芙美花さん、もしかしたら、熱。」耀司、その声に、「あ、はい。最初に測った時は39度。…で、今は…。38度…???」そこまで言って耀司、「あ。でも…、コロナじゃな…。」そして、「あ。…陰性で…。」清水、「そうですか。…恐らく、インフル。」スマホから、「…えぇ。」清水、「お大事になさってください。」耀司、スマホに、「すみません。」スマホから、「いいえ。」そして、「おとうさまも、気を付けてください。」その声に耀司、「え…???」すると、スマホから、「いえ。…実は、先ほど、他の生徒の親御さんからも熱で学校を休むと電話がありまして。」耀司、その声に、「え…???」清水、受話器を耳に、「恐らく、インフルエンザではないかと。」すると、他の教師も。岬、「はい。え…と~~。」周囲を見て、「…まだ、城木先生は~~。あ。私で良ければ…。」清水、受話器に、「インフルエンザ、流行っているみたいなので、おとうさまも。高井戸さん、お仕事、リモートで、ご自宅でって。聞いてますので。」耀司、その声に、「あ、はぁ~~。」そして、「分かりました。」スマホから、「…で。…芙美花さんの今の容態は…。」「寝てるんですが…。熱が下がったら、病院に受診にと。意識はハッキリとしてますが、とにかくダルそうで。」清水、話を聞いて頷いて。「分かりました。とにかく、お大事に。」スマホから、「はい。失礼します。」通話は切れる。すると、また別の教師も電話に。すると城木、岬から、「あぁ、城木先生、おはようございます。今さっき、城木先生のクラスの里見弘江(さとみひろえ)さんのおかあさんから電話で、インフルで休みますって。」その声に城木、鈍い顔をして、「あっちゃ~~。来たか~~。もしかして、うつったか~~???」その声に清水、「え…???」城木、清水に、「いえね。昨日、授業中に熱が出て早退した生徒がいたんです。もしかして…。」犬養、「昨日、楓香と一緒に食事したんだけど~~。インフル、流行ってるらしい。昨日、養護室に具合悪いって5人もって、言ってたもん。楓香、すぐにマスクと手袋で接したって言ってたけどね~~。」清水、「参ったね~~。今、高井戸さんから電話で芙美花さんもインフルって…。」岬、「高井戸さん…???…あのITの。」すると岬、「高井戸芙美花、かぁ~~。…うん…???…今まで、学校休んだ事って。」その声に清水、顔を左右に、「ううん。」岬、途端に、「ですよね~~。…って言うか、清水先生のクラスって、今まで、学校休んだ生徒って。」清水、「はい。私のクラス。過去、1年の時も今まで。欠席した生徒はいません。」岬、「恵まれてるよね~~。凡そ2年。学校を休んだ生徒がいない。凄いよこれ~~。」すると城木、岬に、「あ~~ら吉宗先生~~。それを言うんなら、私のクラスも。ですけど~~。」「はいはい。」岬。「…って言うか、2年のクラス。さすがですよね~~。欠席者、いない。…ってか~~。」 ママでいい…。 vol,302. 耀司、頭の中で、「…俺ひとりじゃ、こういう時。やっぱり、睦美さん、かぁ…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.21
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耀司、「あ。あった。これ。」すぐさま指でトン。…けれども…。耀司、「え…???…うそ。」何度コールしても…。耀司、顔を凹ませて、「師長~~~~。」宮前、電話には…。丁度、朝の…。忙しい時間帯。一度切ってはまた。…けれども…。耀司。天井に頭を。「あ~~~ん。」数秒…。耀司、深呼吸をして。そして…またスマホを。あちらこちらをスワイプ。…けれども。「う~~~ん。」そして、自分自身に、「慌てるな、慌てるな~~。」そして、今度は、ラインを。…すると。目をキョロキョロと。「…あ~~ん。って。いちかばちか~~~。」そして、指をトン。5回のコールで。「…もしもし…???…高井戸さん…???」耀司、いきなり鼓動が。「あ。もしもし。高井戸です。いきなりの電話ですみません。」「どうしました…???」相手は、坂下麻友である。耀司、スマホに、「すみません。…実は。娘が。芙美花が、高熱で…。」すくさまスマホから、「何度あります…???」耀司、スマホに。「39度です。今、師長に電話したんですけど、全然、繋がらなくって。」麻友、「あぁ。師長は今日、夜勤明けなんです。多分、今の時間は。…で。娘さんは…、今。」耀司、「あ。はい。2階の自分の部屋で。動けない状況で…。」「意識は…???」その声に耀司、「あ、はい。意識はしっかりと…。でも、凄くダルそうで。」麻友、「分かりました。すぐに伺います。とにかく、安静に。」スマホを耳に耀司、「あ、はい。分かりました。すみません。」スマホから、「いいえ。」すぐさま通話は切れる。耀司、スマホを手に。「ふぅ~~~。」30分後…。玄関にチャイム。耀司、すぐさま、「すみません。」麻友、マスクをしたまま、「いいえ。」そして、「娘さん、芙美花さん、2階…???」耀司、コクリと。「えぇ。」「お邪魔します。」麻友、すぐさま靴を脱いで、急いで2階に。耀司、玄関のスニーカーを見て、「…スニーカー。」麻友、ドアをノック。「失礼します。」そして、ベッドへ。眠っている芙美花。グローブをしたままで麻友、体温計を…。そして…、検査キッドを。耀司、「どうですか…???」数秒後。結果は…。麻友、「うん。陰性。」高井戸に、「コロナではありません。おそらく、インフル。」芙美花、虚ろな目で。そして…。顔を横に。びっくりしたのだろう、「…おかあさん…。」そんな芙美花に麻友、微笑みながら、「大丈夫、コロナじゃないから。」芙美花、俄かに涙目に。「おかあさん。」麻友、芙美花に、微笑みながら、「安心して。うん。」芙美花、安心したのか涙目のままでニッコリと。「ありがとう。」麻友、「38度9。うん。」高井戸に。「小まめに熱を測ってください。」耀司、「あ、はい。」「熱はありますが、意識はハッキリとしています。」麻友、芙美花に微笑みながら、「薬、飲めそう…???」芙美花、女性にコクリと。麻友、微笑みながら、「うん。OK。」高井戸に、「薬箱は。」耀司、「あ。」芙美花、「体温計が入っている箱。」耀司、思わず、「あ、あ~~。ははは。薬箱の中に、入ってたんだった。」麻友、そんな高井戸にニコリとして。「すみませんが、お願い出来ます…???…あ。それと。水も。」耀司、コクリと。「あ、はい。」麻友、救急箱を受け取り、「お借りします。」そして…、中から。「わお。さすが…。」そして…。「これこれ。」救急箱の中には、万が一の市販薬がズラリと揃っていた。麻友、芙美花を丁寧に、薬を飲める状態にして、「これ飲んで。」芙美花、薬を。そして…、水を。麻友、そのまま芙美花をまた横に。芙美花、「おかあさん…、じゃ、ない…???」その声に麻友、ニッコリと。「ふふ。」耀司、芙美花に、「坂下さん。坂下麻友さん。」すると芙美花、思い出したように、「あ。あぁ。…うん。」そして。「ありがとうございます。」麻友、ニッコリと。「いいえ。」そして麻友、高井戸に。「熱が少し下がって、動けるようでしたら、すぐに受診、お願いします。」その声に耀司、コクリと。「あ、はい。分かりました。」麻友、「じゃ、私はこれで。」麻友、ジャージ姿にコートを着たままで、マスクのまま。グローブをしたままで。耀司、そんな坂下を見て、丁寧にお辞儀を。「わざわざ、ご無理を言って。ありがとうございました。」麻友、高井戸に微笑むように、「いいえ。」耀司、麻友に、「お休みのところ…。」麻友、そんな高井戸に、ニコリと。「ふふ。」顔を傾げて、「確かに。電話で叩き起こされましたけど…。」申し訳なさそうな顔をして耀司、深々と頭を下けて、「申し訳ありません。」すぐさま麻友、「ははははは。ふふ。」高井戸を見て、「冗談よ、冗談。ふふふ。」そして麻友、高井戸にお辞儀をして、「では。失礼致します。」芙美花、坂下に、横になったままで、「ありがとうございました。」そんな芙美花に麻友、振り向いて微笑みながら右手を振り、「じゃあね。」 ママでいい…。 vol,300. 「大丈夫、コロナじゃないから。」芙美花、俄かに涙目に。「おかあさん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.20
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麻友、高井戸家から出て、「ふぅ~~~。」歩きながら、「それにしても、可愛いお嬢さん。旦那様似…???…それとも、奥様似…???…ははははは。」そして…。麻友、コートのポケットからスマホを。「…一応、ライン、しとくか。今頃は…。」…こちらは…。木守家。汐梨、勝臣に、「…え…???…芙美花も…。」勝臣、コクリと。「あぁ。39度だって。」頭の下には氷枕。汐梨、「あ~~~ん。コホッ。んん。」勝臣、「とにかく…、寝てな。コロナじゃ、なかったから。ひとまず安心。」その声に汐梨、両眉を上下に。僅かな沈黙。そして…。汐梨、「参った~~~。」勝臣、汐梨に、「うん…???」「多分…、インフル…???」勝臣、眉間に皺を。そして、微笑みながらも頷いて、「あぁ、多分。陰性だから…、インフルだと。」汐梨、両眉を上下に。「はぁ…。39度なんて…。」上唇をグニュリと。「生まれてこの方、一度も。」事実。和歌山を実家に持つ高井戸家。耀司の記憶にも、汐梨の記憶にも、病気となって、病に伏した景色は、一度として、なかった。勝臣、汐梨に、「今なんて…。まぁ。…いつ何時、どんな事が起きるか…。」汐梨、「悔しい~~。」その声にまた勝臣、眉間に皺を。そして、慰めるように、「うん。…確かに。」「悔しいよ~~。一度も病気になった事、なかったのに~~。何で今。」そして汐梨。「高井戸家…。私や兄さん、知っている限り、病気なんて…。」勝臣、頷きながら、「うんうん。知ってる。」そして…。「とにかく…。薬は飲んだから。…熱、下がったら、病院、行こう。…仕事は…。…まず、一週間は…。」「コホッ。」小さく頷いて汐梨。「…だよね~~。」僅かに掠れた声で。「あ。」勝臣。「電話。…って事は…。」リビングに。「はい。もしもし。お義兄さん。」耀司、芙美花の部屋で。「あぁ、俺。…芙美花、コロナじゃなかった。」その声に勝臣、「へ…???」そして、安心したような顔で。「はは。そうですかぁ~~。」そのままスマホを耳に。そして寝室に。汐梨の傍で、「芙美花ちゃん、コロナじゃなかったって。」汐梨、その声に安堵したような顔で、「うん。」勝臣、スマホに、「はは。良かった~~。じゃ、多分、インフル。」耀司、芙美花を見て、「だと、思うけど…。」汐梨、眉間に皺を。「うん…???…兄さん。」勝臣、汐梨を見て、「うん…???」「兄さん。どうして芙美花がコロナじゃなくって、インフルって…???…検査キッド…???」勝臣、スマホに、「お義兄さん、コロナの検査キッドって…。」耀司、スマホからのその声に、「うん…???」そして、「あ、いや…。多分、あるか…も…???」そして、思わず誤魔化し笑いで、「どこにあるのかは、分かんないけど…。」芙美花は目を閉じて眠っている。勝臣、声を聞きながら、「え…???」汐梨に、「キッドはあるとは思うけど、何処にあるのかは…。」汐梨、瞬きしながらも、「はっ…???…じゃ。」掠れた声で、「じゃ、なんでコロナじゃないって分かんのよ~~。コホッ。」勝臣、「無理しない。」汐梨、また小さく頷いて、「う、うん。」勝臣、スマホに。「お義兄さん…???…コロナじゃなくってインフルって…。どうやって…。」耀司、勝臣のその声に、思わず…、坂下の顔が…。「あ。あ、あぁ~~~。」そして…。「はぁ…。…仕方がない。」スマホは耳から外れている。芙美花の部屋で胡坐を掻きながらの耀司。再びスマホを耳に。「麻友さんに、電話した。坂下麻友さんに。」勝臣、「麻友さん…???…坂下麻友さん…???」その声に汐梨、「あ。」そして、「あ、あ。…コホ。…そっか~~~。坂下。…麻友さん。」勝臣、汐梨に、「誰…、それ…。」汐梨、「あ、あぁ~~。」そして勝臣を見て、「義姉さんの…、そっくりさん。」思わず勝臣、「え…???」そして…、思い出したように、「あ、あ~~~。」そして、頷きながら、「うんうんうん。なるほど。」勝臣、既に汐梨から話は聞いている。「杉並の~~。」汐梨、その声に小さく頷いて。勝臣、すぐさまスマホのスピーカーを。「そうでしたか~~。杉並の~~。」スピーカーから耀司の声。「うん。…俺も、どうしたら分かんなくって。…で、師長に。」弱々しい声で汐梨、「…で、電話したんだ。」耀司、顔を傾げて、「汐梨…???」「パパから、スピーカーに。」耀司、「あ、あ~~。そっか。」スマホから耀司の声、「あ、あ~~。…けど…。全然出なくって。…で、仕方なく、坂下さんに。…で、さっき…。来てくれて…。いろいろと。」汐梨、目をキョロキョロと。「そっかぁ~~。う…。」耀司、「汐梨…???」勝臣、「無理すんな。薬、飲んでるけど、まだ…。」汐梨、「はは。体中、熱っつ。凄い、ぼぉ~~っと。…けど。コホッ。でも、意識はねぇ~~。…はは。寝るわ。」勝臣、ニッコリと。「あぁ。」そして、スマホに、「じゃあ…。お義兄さん。」耀司も、「あ、あ~~。うん。」通話は切れる。 ママでいい…。 vol,301. 「悔しいよ~~。一度も病気になった事、なかったのに~~。何で今。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.19
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汐梨、「え~~~ぇえ~~???…ひったくり~~。」耀司、「あぁ。…俺も、無我夢中で、投げ飛ばしてたよ。」「へぇ~~ぇえ~~。」汐梨。僅かにかおを傾げて。「…て事は。…背負い投げ…???…かぁ~~。一本背負い。」顔を傾げて耀司、「ん~~~。まっ。どっちでも…。」そして耀司、「かかかかか。自然に体が動いてた。とにかく、いきなりだったからな~~。睦美さん、倒れちゃってたから。」汐梨、「だよね~~~。」すると汐梨。「…と、いう事は、投げ飛ばされた男は、そのまま、動けなくなったと。」「いきなり道路に体全身がね~~。叩きつけられたって感じになったからね~~。」「で。警察からの事情聴取。」「そういう訳~~。…ま。そんな訳で。そのまま睦美さんひとりでなんて。物騒だから、家まで送ってった。」「うんうんうん。」汐梨。「そっか~~~。…で、昨日、夕食~~。」その声に耀司、「あぁ。睦美さんと芙美花、ふたりで作ってくれたよ。」「ほぅ。なるほど。」そして、既にバセット背もたれしている麻沙美を見て、「んじゃ、麻沙美、お願~~い。」耀司、「了解~~。」汐梨、車で。そして、運転しながら、「へぇえ~~~。ひったくり。で、背負い投げ。」ニッコリと。「黒帯かぁ~~。…何々、兄さん。やるじゃん。」耀司、カレンダーを見て、「もうすぐ、3月かぁ~~~。」その3日後だった。耀司、「へ…???…うそ。芙美花~~~???」2階の芙美花の部屋に。ドアをノックして、「芙美花~~???」声がない。ドアを開けて、「芙美花~~~???」すると…。ベッドの上で芙美花、「う~~~ん。」耀司、慌てて、「おぃおぃおぃ。大丈夫かぁ~~~???」すると、芙美花、「…凄い。」気弱そうな声で、「頭、痛い。…おとうさん、ごめん。」「おぃおぃおぃおぃ。…って。」耀司、すぐさま芙美花の額に手を。瞬間、「うそ。」そして、「体温計っ。」芙美花、弱々しい声で、「…リビングの…。キャビネットの一番下の…。」いきなり耀司、「あぁ、あぁ、あぁ。…わ、分かった~~。うんうんうんうん。今すぐ。」慌てながらも。そしてリビングに。引き出しを開けて、「どこだ、どこだ、どこだ~~???…と、あった、あった、あった。」駆け足で。…そして…。「ピピピピヒ。ピピピピ。」芙美花、父に体温計を。耀司、数値を見て、「え―――――――っ!!!…39度。うっそ―――――――っ!!!」芙美花、父を見て、「私…。おとうさん。」耀司、慌てながら、「待て。待て待て待て。」そして、「…と。と、とにかく、冷やそう。冷やそう。」芙美花の部屋を出て。すると耀司、顔をぐしゃぐしゃにして、「あ~~~ん、もぅ~~。…芙美花、生まれてこの方、病気なんて、全然。」耀司、階段をドタバタと。そして、冷蔵庫に。「アイスノン、アイスノン。」タオルでアイスノンを巻いて。そのまま2階に。芙美花の頭を僅かに上げて、「とにかく、こうしてろ。」芙美花、弱々しい声で、「う、うん。」耀司、「とにかく、学校は休め。おとうさん電話しておくから。」芙美花、「うん。…はぁ…。」耀司、またまた階段をドタバタと。「やばい。やばい、やばい。」そしてすぐさま汐梨に。…けれども…。「何やってんだよ~~。」再び電話を。…けれども、また…。耀司、「え~~~???…って。どうな。」今度は耀司、勝臣に。ようやく…。「あ。勝臣君、汐梨は。」勝臣、スマホに。「あ。すみませんお義兄さん。汐梨…。ちょっと、やばくって。」耀司、その声に、「やばい…???」「え~~~。」耀司、眉間に皺を。「うん…???…どうしたの…???」勝臣、朝食の準備をしながら、「えぇ。…もしかしたら…。コロナか、インフル…???…熱が39度で。」スマホから、「うそ―――――――っ!!!」耀司、両目を閉じて、「あ~~~~。…なんで~~~。」スマホから勝臣の声、「お義兄さん…???」耀司、「あ~~~ん。なんでこぅ。」スマホから、「お義兄さん…???」耀司、「あぁ。あ、いや…。何とも~~。あん。実は、芙美花も~~。朝起きて、キッチンにいないから、おかしいなって思って芙美花の部屋に。…そうしたらまだベッドで。そしたら熱が。」勝臣、フライパンを繰りながら、「え~~~???」スマホから耀司の声、「39度だよ~~。」勝臣、目を真ん丸にしながら、「え~~~ぇえ~~???…芙美花ちゃんも…。」耀司、スマホに。「と。とにかく分かった。うん。うんうんうん。こっちはこっちで。…で。ででででで。そっちは。…え、えっと~~。汐梨と、麻沙美、よろしく。」勝臣、フライパンの目玉焼きを皿に。「はい。分かりました。芙美花ちゃんも、お義兄さん。」耀司、「あ、あ、あ~~。うん。うんうんうん。じゃ。」通話は切れる。すぐさま耀司、顔をグシャリと。そして頭を両手で掻きむしるように。「あ~~ん。なんで。」けれども、すぐさまスマホで。登録番号を…。 ママでいい…。 vol,299. 「…もしかしたら…。コロナか、インフル…???…熱が39度で。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.18
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耀司、スマホを耳に。相手は芙美花。「あん。いきなりだったから。おとうさんもびっくりして…。」芙美花、ソファに座ったままで、クッションを抱きながら、「で…、警察って。」耀司、「あん。実は。そん時、おとうさん、自然に体が動いてさ。」瞬間、睦美、耀司を見て、「ぷっ。」ニッコリ。耀司、「男を。…その…。」瞬間、睦美を見て、鼻を右人差し指でなぞるように、「投げ飛ばしてた。」芙美花、咄嗟に眉間に皺を。「投げ飛ばしてた…???」すると…。一気に顔が明るく。そして、「あは。投げ飛ばしてた。もしかして、柔道~~。」耀司、その声に、「あぁ。」すると…。睦美がしっかりと。「背負い投げです。」芙美花、「うん…???…今、睦美さんの声…???」耀司、「あぁ。」チラリと睦美を見て。またスマホに。「まっ。背負い投げだかなんだか知んないけど。とにかく、おとうさん、無我夢中で男を投げ飛ばしてた。でぇ~~。その後、おまわりさんが来て。」芙美花、「うんうんうん。そっか~~。ひったくり~~。警察かぁ~~。」耀司、「とにかく。このまま睦美さん、ひとりだと怖いからさぁ。おとうさん、睦美さんの家まで送ってく。」すぐさま芙美花、「あぁ~~。うんうんうん。分かった~~。私、勉強してるから~~。」耀司、「あいあ~~い。」けれども、「…ってか、おま、寝ろよ。」いきなり、「寝れる訳ないでしょ。ひったくり、警察なんて言われて~~。」瞬間、耀司、両目をキョロキョロと。そして、「あ、そっか。分かった。うん。じゃ。」芙美花も、「う~~ん。気を付けて~~。」そして、通話は切れる。スマホをクッションに。「ふぅ~~~。」そして。「…ってか、ひったくり~~???」いきなり唇をピロンと。小刻みに顔を震わせて、「おおぅ。ブルル。」2秒後、眉間に皺を。「…ってか、背負い投げ…???」いきなり芙美花、ニコニコと。「かかかかか。おとうさん。ししししし。黒帯~~。」そして、ソファに座りながらも、両腕をぐるりと。「てや~~~。」耀司と睦美、既に駅の構内。耀司、ポツリと。「いるもんだねぇ~~。ひったくり~~。」睦美も、「ですよね~~。」階段を上りながら、「…ってか、いきなり後ろからだもんな~~。びっくりしたよ~~。」睦美、頷きながら、「私もです。」耀司、その声に睦美を見て、「だよな~~~。」そう言った瞬間。耀司、自身で…。階段を上り切り、「うん…???」そして、睦美にペコリと。睦美、そんな耀司を見て、瞬きしながら、「…???」耀司、思わず頭に手を。「かかかかか。タメ口。」瞬間、睦美、耀司を見て、「タメ口…???」耀司、照れながらもペコリとして、「汐梨や芙美花に話している感じで…、言ってしまった。はは。」睦美、またまた瞬きしながら、「え…???…汐梨や芙美花に話している感じで…???」瞬間、階段の途中で言われた耀司からの言葉を思い出して、目を右に左に。「…だよな~~。」睦美、思わず、「あ。」そして、耀司を見て、「はははは。」耀司、すぐさま睦美を見て、「え…???」睦美、耀司に、「あ、いえ。」ニッコリ。「…でも。…嬉しいです。」思わず耀司、「えへ…???」睦美、耀司に、「耀司さんから。…そんな風に言ってもらえるなんて…。」微笑ましく、「嬉しいです。」いきなり耀司、睦美を見て、「あは。…はははははは。」すぐさま電車は来る。そして…、ドアが開いて。耀司、「行きましょうか。」睦美、コクリと。「えぇ。」晄史と誓、「え―――――――っ!!!ひったくり~~~???」睦美、コクリと。「うん。」晄史、「えへ~~~???」睦美、パンツの膝を。「…で、これ。」擦り切れているパンツの膝の部分に手を。膝の下辺りが僅かに擦り傷。誓、「大丈夫なの~~、お義姉さん。」睦美、「ちょっと、擦り剝いただけって…。」晄史、顔をグシャリとさせて、「え~~~~???」睦美、「でも。耀司さん。しっかりとその男、投げ飛ばしてくれた。」晄史と誓、眉間に皺を。そして、顔を見合わせて、「投げ飛ばしてくれた。」いきなり晄史と誓、目を見開いて、「黒帯~~~。」睦美、コクリと。「うん。…背負い投げ。」晄史、目を真ん丸にして、「かぁ~~~。」誓も、「えへ~~~~???」晄史、「いやいやいや。」誓も両眉を上下に、「うんうんうん。さっすが~~~。柔道、黒帯~~~。」睦美、「倒れた瞬間に見たけど。…凄かった。男が、宙に浮いて、体が、地面に、バン。」晄史、「はははは。高井戸さん、凄ぇ~~~。」睦美、「…で。そこまで送ってくれた。」誓、目をパチクリと。「送ってくれたって。高井戸さん。…え…???…帰ったの…???」晄史、いきなり、「お茶でも…。外。寒いのに。」すぐさま睦美、「芙美花さん。家で待ってるから。」晄史、誓、「あ、あ~~~。」 ママでいい…。 vol,298. 睦美、「でも。耀司さん。しっかりとその男、投げ飛ばしてくれた。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.17
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耀司と睦美の、初めての…。家から駅までの道。睦美はホワイトのロングコートにくすみピンクのストールを首に。耀司は綿のパンツにブルーと黒のダウンジャケット。夜の東京、空には、僅かに…、星が…、見えるか、微妙なところ。但し、月は出ている。耀司、空を見上げながら、「まだまだ、寒いよね~~。」睦美も空を見ながら、「まだ、2月ですもんね~~。…って言うか。」睦美、耀司を見て、「耀司さんって、スキーとかは。」そんな声に耀司、睦美を見て、「俺…???」自分を指差して。そして顔を傾げて、「いや。」首を振り。「ないですね~~。…って言うより、和歌山。うんうんうん。まずない。…って言うか、子供の頃は、まず、柔道。かかかかか。そればっかり。」いきなり睦美、体をまっすぐにして、「あ。」そして、頷きながら、「うんうんうん。ははは。」そして、笑いながら、「確かに。」クルリと耀司を見て、「そうでしたよね~~。子供の時から、柔道。」耀司、「えぇ。」ふたりとも。睦美はコートのポケットに手を。耀司はダウンジャケットのポケットに手を。ゆっくりと歩いて…。コンビニの前。照明が明るい。後ろから何やら。いきなり、「どけ―――――っ!!!」睦美、背中から誰かにぶつけられて、「キャー――――ッ!!!」男性の声、「捕まえてくれ~~。ひったくりだ――――っ!!!」睦美は男からぶつかられて路上に。耀司、いきなり、「睦美さんっ!!!」睦美にぶつかった男は、ぶつかった弾みで路上をふらふらと。捨て台詞のように、「…ったくよ~~。」そして、体勢を何とか立て直した。…かと、思いきや。「え…???」いきなり男性から胸倉をがっしりと掴まれて、「うそうそ。」耀司、眉間に皺を。口を尖らせて歯を食いしばって、「んなろぅ~~。」男性の体が宙に浮く。背負い投げである。そのまま男の体が路上に、「バン。」その瞬間、「痛って―――――――っ!!!」耀司、表情は変えずに、「ふん。」そして、すぐさま睦美に。「睦美さんっ!!!」既に上体を起こしている睦美。耀司、そんな睦美に、「大丈夫ですかっ!!!」男性と女性がその場に駆け付けて。女性、「ありがとうございます。」男性が、「凄ぇ~~。」女性に、「今の見た…???…背負い投げ。はは。かっけぇ~~。」男はまだ路上で…。アスファルトに叩きつけられたショックで起き上がれない。男性、持っていたスマホで、「とにかく警察に。」女性、その男性にコクリと。「ありがとうございます。」睦美、耀司に支えられて、ようやく…。耀司、睦美に、「大丈夫…???」睦美、僅かにコクリと。「ぶつかられて転んだって言うか、倒れて、アチコチ。」耀司、「うんうん。」既に女性のバッグは男から抜き取られ。もはや、コンビニの店員も外に。他の人たちも駆けつけて、倒れている男は囲まれて…。その5分後、警官が…。そして…。そのまま、数人が駐在所に。…それから…。耀司のスマホに。芙美花からである。「あ、おとうさん。中々帰って来ないから。」耀司、芙美花に、困ったような顔で、「芙美花、ごめん。今、警察。」芙美花、驚いて、「うそ。え…???…警察って。え―――――――っ!!!」耀司、スマホで、「…そんな訳だから、後で…。おとうさんの方から電話する。」芙美花、父の声を聞いて、「あ、うん。うん。じゃあ、お願い。」通話は切れる。芙美花、ソファに座って、クッションを抱き締めながら、バセットに、「おとうさん、今、警察だって。」そして、「んもぅ~~。…どういう事~~???」…凡そ45分。…ようやく。耀司、睦美に、「家まで、送るよ。」アスファルトに倒された時に、僅かに左膝を。パンツが僅かに擦り切れている。肌には別に異常は見られない…ようだが…。耀司、「おまわりさんからも言われたけど…、病院…。」けれども睦美、首振り、「ううん。…でも。ある意味、コートを着てて良かった。…ちょっと、ヒリヒリは…、するけど…。…でも。この通り、歩けるし。」その声に耀司、頷きながら、「あぁ。うん。」そして、「とにかく…。」ふたり、駅に向かって。耀司、スマホ…。「あ、おとうさん。」芙美花の声。「あ、うん。」「ごめんね。心配掛けて。」また、「あ、うん。」「コンビニの前、通ったところでさ。後ろからドン。」芙美花、瞬きしながら、「え…???」耀司、「ひったくりだよ。」「ひったくり…???」「あぁ。」「何か、盗まれた。」間髪入れずに耀司、「あ~~、いや。そうじゃなくって、ぶつかってこられたんだよ、後ろから。」「ぶつかってこられた…???」「あ~~、うん。」睦美を見て、「あ、いや…。…でも、おとうさんじゃなくって睦美さん。」芙美花、眉間に皺を。「睦美さん…???」「あぁ、いきなりだったから。後ろから、どけ―――――って、ドンと。睦美さん、そのぶつかられた拍子で道に倒されちゃったんだよ。」芙美花、瞬きしながら、「え…???…え…???…で、どうな…。」 ママでいい…。 vol,297. 「捕まえてくれ~~。ひったくりだ――――っ!!!」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.16
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睦美、バセットにドックフードを。「バセット~~。ごはん~~。」すぐさまバセット、行儀よくドックフードを。そんなバセットの頭を撫でて睦美、「ふふ、お利口さん。」そして…。3人揃って、「いただきます。」芙美花、「酢豚は睦美さんね~~。ご飯も睦美さん、炊いてくれた~~。さすがは完璧。はははは。…でぇ~~。私は~~。大根と小松菜のマヨ和え~~、そして、コンソメスープ~~。」耀司、ニコニコと。「うんうんうん。美味しそう~~。」芙美花、睦美に、「おとうさんは~~。大体、基本的には朝は、ご飯だよね~~。でぇ、お昼は~、私が学校休みの時は~、時々~麺類。そして中華や様々。…でぇ、私の場合~、朝はトースト~~。当然、お昼は弁当。で、おとうさんのお昼も朝、一緒に作っちゃう。でも、今は、おばちゃんが、おとうさんのお昼の分まで作ってくれるから、おまかせにしてる~~。夕食も、今はおばちゃんが作ってくれるからね~~。」耀司、酢豚を食べて、「うん。旨っ。」そしてマヨ和えも食べて、「うんうん。いける、いける。」芙美花、美味しそうに食べている父を見てニコニコと。「まっ。おばちゃんがいるところで私がキッチンに立つと必ず、あんたは勉強~~。何の為に私がいるんだよ。って、怒られちゃう。」睦美、微笑みながら。そして美味しそうに食べている耀司を見て、「でも、本当に耀司さん、美味しそうに食べますよね~~。」その声に耀司、「うん…???…俺…???」すると耀司、笑いながら、「はは。当然。まっ。美味しいものが目の前にあるんだからね~~。美味しそうに食べるでしょ。それに。芙美花にしても、汐梨にしても、食べてもらえるように考えて、愛情込めて料理してくれるから、尚更、旨い。」そんな耀司の声を聞いて睦美、にこやかに。「私の家でもそうでした。耀司さん、どの料理も美味しいって。嬉しかった~~。」芙美花を見て、「作った料理、しっかりと完食。作ったこっちの方が、幸せいっぱいだったから。」芙美花、「基本的におとうさん、食事って、まず残さないよね。」耀司、食べながら、「残して堪るか。こんな旨いもん。」そして耀司、「それに。まっ。朝はサケが定番だけど~~。それ以外は、まず、毎日、同じメニューなんてないだろ。毎日が違う。祐里子もそうだったけど~~、それを芙美花も受け継いでいるから凄い。」睦美、それを聞いて芙美花を見て、驚いたように、「ほんと~~???…凄~~い。」芙美花、照れるよう、「うん。毎日、違う。だって、作る方も、毎日同じだと飽きちゃうし。」睦美、「うんうんうん。」「睦美さんもそうでしょ。」「まっ。確かにね~~。お弁当作るにしても、うん。毎日違うな~~。ははは。確かに、毎日、おかあさんと、今日は何作ろうかって。」芙美花、ニコニコと、「うんうんうん。」睦美、「でも。汐梨さん、凄いですよね~~。ここで家事をやって、家でも。」耀司、話を聞きながら、「う~~ん。…って言うか、汐梨んとこは、旦那の勝臣君がね~~。」芙美花、笑いながら、「うんうんうん。おじちゃん、おとうさんとは正に正反対で、家事大好き人間だから。料理だって上手だし~~。はは。それに、子育ても本格的。しかも、一切、おばちゃんには口出しなし。まま。仕事もそうだけど~~、家の方も本格的~~。だからおばちゃんもおじちゃんには何も口出ししない。とにかく、夫婦、息ピッタリ。」父を見て、「うちで家事やって、家に帰って、おじちゃんから文句言われた事なんて。」耀司、食べながら、「ある訳ねぇだろ。勝臣君は勝臣君で好きにやってるんだから。まぁ~~。確かに…???…仕事は生活の糧って決めてやってるんだろうけど、家の方が完璧に落ち着くって言ってるくらいだからね~~。何てったって、麻沙美がいるし。」睦美も食べながら、「本当に麻沙美ちゃん、可愛いですよね~~。」その声に芙美花も食べながら両眉を上下に。「うん~~~~。」そして…。高井戸家、玄関で。睦美、バセットに、「バセット~~。またね~~。」その声にバセット、「クゥ~~ン。」芙美花、バセットを抱き締めながら、バセットの前足を前にプラプラと。「バイバ~~イ。」耀司、睦美に、「じゃ、行こうか。」そして、芙美花に、「じゃ、送って来る。」芙美花、「うん。じゃあ、睦美さん、おやすみなさい。」睦美、右手をヒラヒラと、「おやすみ~~。」2月、半ばの夜の東京。耀司と睦美、歩きながら…。耀司、睦美に、「車の方が…良かった…???」そんな耀司に睦美、顔を左右に、「いいえ。…って言うか。…耀司さんとこうして一緒に歩く事って、今までなかったから…。」そんな睦美を見て耀司、にこやかに、「ははは。…確かに。」 ママでいい…。 vol,296. 「私の家でもそうでした。耀司さん、どの料理も美味しいって。嬉しかった~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.15
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「じゃあ~~。今日は~~、夕食~~。」芙美花。睦美、「あ。じゃあ~~。私、作りましょうか。」その声に耀司、ひょっとこのような顔して、「おっと。」芙美花、ニコニコと。「あ、じゃあ~~。一緒に作っちゃおうか。」すぐさま睦美、にこやかに、「うん。」芙美花、「はは。うんうんうん。」耀司、「はは。な~~んとも、楽しみ~~。」そして耀司。「では。俺は、もう少し、仕事を~~。」睦美、そんな耀司に、「あ、はい。」芙美花も、「どうぞ~~。」そして…。しばし、芙美花と睦美は、ふたりだけでコーヒーを。芙美花、睦美を見て、「ははは。睦美さんと一緒にこんな風にするのって初めて~~。」睦美もニコニコと。「ほんとだね~~。」すると、バセットが睦美の傍に。睦美、そんなバセットに、「あら。バセット。はは。」バセット、睦美の右側で、何とも睦美に甘えるように。芙美花、そんなバセットと睦美を見て、「何か、凄いね~~。バセットがそんな風に、私や麻沙美以外の人に甘えるなんて~~。」睦美もバセットの頭を撫でながら、「とにかく可愛い~~。こんなに甘えてくれるなんて私が嬉しい~~。」芙美花、「睦美さん、子供の頃。犬に。」その声に睦美、バセットをまだ撫でながらも、「うん。左腕ねぇ~~。」そしてバセット、安心したのか、また定位置の方に。睦美、芙美花に左腕を見せて、「ここ。」芙美花、その傷を見て、「あ、ほんとだ~~。薄っすらと~~。」「うん。今じゃもぅ~~。半袖になっても、全然。」芙美花、その声に、「うんうんうん。」「まっ。中学に入った頃からはね~~。もぅ、気にならなかったけど~~。もぅ、その頃は、もぅ~~。ピアノに夢中だったから~~。」芙美花、「…でも、凄いよね~~。絶対音感って~~。」けれども睦美、「あ。…でも、私自身、その…、絶対音感って意味、全く分かんなくって。」いきなり芙美花、驚いたように、「へ…???」瞬きしながら、「あ。そっか~~。子供の頃だったから~~。」睦美、頷きながら、「うんうんうん。だから~~。子供ごころに、歌、曲を聞いて、すぐに音が分かる。それって、当たり前の事って思ってたのね。まっ。おかあさんやおとうさん。あ。私の韓国の父親ね。」芙美花、コクリと。「あん。うんうんうん。レコード会社の。」睦美、頷いて、「そう。両親も、私が絶対音感って事、別に周りの人にも教えないで。…けど、小学生の頃に、音楽の授業で、初めてオルガン弾いた時に、音楽の先生から眞鍋さん、凄いって褒められて。それから。…そうしたら、今度は音楽の先生が、ピアノ弾けるって聞いて来て…。」睦美、思い出すように、「私、あまり覚えてないんだけど~~。」芙美花、「うんうんうん。」「確か、3歳くらいには、家にある。まっ。それもおとうさんが買ってくれたんだけど~~。エレクトーンは弾いてたのよね~~。」芙美花、「な~~るほどね~~。エレクトーンかぁ~~。」睦美、「でも…、おかあさんとおとうさんが言うには、おまえは2歳の頃から弾いてるよって。だから2歳の時の誕生日のその日から、なんだろうね~~。もぅ、とにかく、小学では完璧にピアノ。だから、先生たちも、演奏、出来るんじゃない…???…って。…そうなると親の方も、私より本格的に。まっ。でも、私も私で、聴く曲はどんな曲でも弾けたから。3歳で…。嬉しかった。」睦美、ニッコリと。芙美花、クシャリとさせて、「そうだよ~~。私なんて、羨ましい限り~~。」そして芙美花、睦美に、「ねね。でさ。睦美さん。」睦美、芙美花に、「うん…???」「学校でさ。友達に、あの曲、聞かせたの。」睦美、思わず瞬きながら、「え…???」けれども芙美花、睦美に、右手の平を出して、「あ。でも、大丈夫。見せて、聞かせただけ。友達にも動画は送ってないから問題なし。」睦美、「あ、うんうんうん。」芙美花、「そうしたら、友達。へぇ~~。良い曲ねぇ~~って~~。」睦美、思わず目を真ん丸にして、「うそ。」芙美花、ニコニコと、「望月さんと睦美さんの作曲した曲~~。好評~~。」睦美、笑顔になって、「え~~~~。」芙美花、ニンマリとさせて、「もしかしたら、叔母ちゃんもおとうさんも。誰かに~~。」睦美、思わず口に手を当てて。「え~~~~。」やがて、ふたりで料理をしながら…。芙美花、睦美の作った酢豚を。「ん~~~。完璧~~。」そして、芙美花は酢豚に合う、コンソメスープを。「睦美さん、どぅ…???」睦美も味見をして、「ん~~。おいし。」ふたり同時に、「ふふふ。」耀司、リビングに、「ん~~~。いい匂いじゃないのぉ~~。はははは。」芙美花、「おとうさん。テーブルに準備、準備~~。」耀司、ニコニコと、「はいはい。」 ママでいい…。 vol,294. 「まっ。でも、私も私で、5歳で聴く曲はどんな曲でもピアノ、弾けたから。…。嬉しかった。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.14
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睦美、晄史と誓に、ラインで、「ごめん、送るの忘れてた~~。」晄史は、そのラインをまだ仕事中で観ていない。…が。誓は、睦美から送られてきた動画を見て、思わずフィンガースナップ。「や~~りぃ~~。」けれども睦美のメッセージで、「これに歌詞が付きます。どんな感じになるのか楽しみ。」誓、そのメッセージを見てニコニコと。「うんうんうん。ははは。」芙美花、駅から自転車で。…ところが…。外は雨。但し、まだ小雨程度。「あん、雨だ~~。まっ。自転車で急げば10分だ。」…ところが…。物の5分も経たないうちに、「ひゃ~~~~。降って来た~~~。あ~~~ん。」耀司、既に2時間前に帰宅。今日は、麻沙美はセレモニーの託児所。耀司が午後から打ち合わせとの事で汐梨とも連絡済み。芙美花、雨に濡れてビショビショに。ガレージに自転車を置いて、駆け足で玄関に。「ひゃ~~~、濡れた、濡れた~~。もぅ~~。びっしょりだよ~~。おとうさ~~ん。」父の部屋の方から、「おかえり~~。」芙美花、父の部屋に、「ただいま~~。」耀司、芙美花を見て、「は…???…何、ビッショリじゃん。早く、シャワー。風邪引くぞ~~。」芙美花、「う~~ん。」耀司、窓を見て、「雨だもんな~~。…確かに。…まっ。雷は~~、今んとこ。」レッスンが終了して睦美、母に、ラインで、「高井戸さんに寄って帰ります。遅くなります。」自室でメガネを掛けての仕事中の暁美、スマホに。「おや。ふふふふ。もはや。日常的に、なって来たもんだね~~。ははは。どうぞ、どうぞ。思う存分。」ニコニコと。…けれども…。外は…。どうやら雨。暁美、窓を見て、「酷くならなきゃいいけど…。」それから10分後には…。雨は…。睦美、高井戸家のチャイムを。いきなりバセット、立ち上がる。丁度シャワーから出ての芙美花、頭をゴシゴシとバスタオルで。インターホンに、「は~~い。あは。睦美さん、どうぞ~~。開いてる~~。」バセット、すぐさま玄関に。睦美、ニッコリと。「お邪魔しま~~す。」そして玄関に。いきなりバセット、睦美に。睦美、バセット抱き抱えて、「ひゃ~~。バセット~~。こんにちは~~。」バセット、睦美の頬を舐める舐める。そして睦美、バセットと一緒にリビングに。バセット、ゆっくりと定位置に。芙美花、椅子に座ってドライヤーで髪を。睦美、「わぁ~~。芙美花さ~~ん。」芙美花、「あん。うん。もぅ、びしょ濡れ。雨。」睦美、「へっ…???…降ってなかった。」その声に芙美花、ムギュッとして、「うそ~~~。あ~~ん。でも、私帰ったの、20分も前だからな~~。凄い、降ってて~~。」睦美、「確かに曇り空ではあったけど~~。」バセットを見て、「あ。今日は、汐梨さん。」芙美花、ようやく乾いた髪からドライヤーを。「あん。うん。帰って来たら麻沙美もいなかったから。」耀司、自室から出て来て睦美に、「はい。おかえり~~。」睦美、耀司にペコリと。「お邪魔しております。汐梨さんは。」その声に耀司、キッチンからグラスを。そして冷蔵庫に。「うん。今日は汐梨、麻沙美を連れてセレモニー。俺が今日、お昼時に会社の奴とミーティングで会う約束だったから~~。セレモニーの託児所で今日は麻沙美~~。」その声に睦美、「今って凄いですよね~~。子供を預けられるところがある会社。」耀司、「まぁね~~。子連れ出勤ができる、働くママには嬉しい限りの企業内託児所だからね~~。まっ。でも。麻沙美の場合は保育園やヨシカワがあるから、ここにね~~。はは。まっ。バセットもいるし。」そこまで言って耀司、「もぅ…、雨、止んでたか。」睦美、「えぇ。」外を見て。耀司、芙美花を見て、「かかかかか。芙美花、かな~~り、降られたみたいだったからな~~。」芙美花、ブスッとした顔で、「もぅ、びしょ濡れだよ~~。駅から5分くらいはそんなんでもなくって~~。…けど、それから一気に、すぐにビショビショ。」睦美、そんな芙美花に、「え~~~???」「お蔭で帰ってすぐにシャワ~~。」睦美、「わぁ~~~。」耀司、ポケットのスマホに着信。「うん…???」そして、「おっと。…もしもし。」汐梨からである。「あん。おぅ~~。了解、分かった~~。うんうんうん。OK~~。」そして、睦美を見て、「今、睦美さん、来てるから。…あぃあぃ、あ~~い。お疲れ~~。」通話は切れる。「汐梨、今日は遅くなるって。仕事、立て込んでるみたい。夜8時過ぎになるみたいだからって。」芙美花、「それまで麻沙美、セレモニーの託児所…???」耀司、「ふん。そうだろうね~~。まっ。そのための託児所だから~~。」「麻沙美、ひとりで…。」「いや。…そこまでは…。」 ママでいい…。 vol,294. 「子連れ出勤ができる、働くママには嬉しい限りの企業内託児所だからね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.13
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