全30件 (30件中 1-30件目)
1

加賀美、「これより、新婦の睦美さんが所属するミュージックユニット、ココルキーの皆様です。」清水、目を真ん丸に、「え…???…新婦の睦美さんが所属するミュージック…。」ステージに上がるメンバーたち。途端に会場内から、「凄ぇ~~~。」「わ~~~。」「かっこいい~~。」メンバーたち、それぞれのコスチュームで。景織子たち、芙美花に、「え…???…何々…???」麹屋たちも、「おぃおぃ。高井戸から、何も聞いてねぇぞ。」壮一郎も陽平も、「一体…。」諒子、「なんともまぁ。」香奈枝、「ふふふふ。いいねぇ~~。」勝臣、頷きながら、「はは。うん」加賀美が続ける。「元々、ココルキーは、アマチュアバンドで、そのバンドに所属していた矢島孔太さんから、ヨシカワ音楽教室の今や、新婦の高井戸睦美さんと望月優茉さんに曲を依頼した事からの発展です。」清水、芙美花に、「あ~~。うんうんうん。芙美花さんから話があった~~。」景織子たちも、「あ。なるほど~~。」芙美花、ニッコリと。「そういう事~~。」加賀美、「そして…。そんなココルキーが、とあるレコード会社の目に留まり、その音楽性と楽曲。特に、新婦の高井戸睦美さんと望月優茉さんが手掛けた楽曲が認められ、晴れて、そのレコード会社と本契約。」一瞬、会場内、騒然。加賀美、続ける。「そして…。そのレコード会社が。株式会社ダイナムズ。」清水、目を真ん丸に、「株式会社ダイナムズって、あの…???…うそでしょ。」壮一郎、「いや。まさか。」陽平も、「ダイナムズと言えば。」加賀美、「そして…。そのレコード会社ダイナムズに所属している社員こそが。新婦、睦美さんの義理の妹さんであり、弟の眞鍋誓さんと眞鍋晄史さん。」加賀美が紹介する。誓と晄史、椅子から立ち上がりお辞儀を。ココルキーのメンバーもふたりに一礼を。会場内、「へぇ~~~。」「いやいやいや。」清水、「凄~~い。」加賀美が、「そして、今回。ふたりが作曲、編曲した曲、君の街へと。披露してくださいます。」麹屋たち、「いやいやいや。あのダイナムズと契約~~。凄ぇなこりゃ。」加賀美、「それでは、お願いします。」善川、「望月さん、凄いじゃない~~奇麗~~。」生野も、「えぇ。正に。」珠里たち、「望月さん、頑張って。」ステージ上、センターの、根岸。「こんにちは。ココルキーと言うバンドです。我々、今までアマチュアバンドとして活動して参りました。ただ、何か新しいエッセンス。と、いう事で、私の隣におります、望月優茉さんと、新婦の高井戸睦美さんに曲の提供を。」優茉、チョコンとお辞儀を。そしてニッコリと。根岸、睦美に、「睦美さん、ご結婚、おめでとうございます。」耀司と睦美、バンドに向けてお辞儀を。根岸、「今や、レコード会社ダイナムズ所属となり、邁進しております。聞いてください、新曲、君の街へと。」そして…。演奏されるや否や、あちらこちらで、「素敵~~。」「いいわ~~~。」壮一郎、「へぇ~~~。たまげたなこりゃ。」陽平、「中々じゃないですか~~、高井戸さ~~ん。」その声に壮一郎、「うんうんうん。」清水、「素敵な曲~~~。」芙美花も景織子たちも、「でしょ。」善川たちも、「素敵な曲~~。」生野、「中々ですね~~。」珠里と有紀、「何、凄~~い。望月さんと。」「うん。今や高井戸睦美さんとの。」ボーカルにサックスが重なる。生野、「かかかかか。中々どうして~~。望月さん、やるねぇ~~。」清水も、「サックス、凄~~い。女性で~~。」暁美、「かかかか。やるねぇ~~。昔、シンガーだった頃を思い出すよ。」晄史、母を見て、「ははははは。うんうん。」思わず誓、「え…???…お義母さん、昔、シンガー…???」晄史に、「私、聞いてないよ~~。」晄史、「かかかかか。話してないもん。」暁美、誓に、「昔の事だよ、昔の~~。」聞き入っている出席者たち。耀司と睦美、思いを寄せるように、曲に。「いい曲だ。」「えぇ。うれしい~~。」芙美花、「はは。また、涙、出て来た。いい曲なんだ~~、この曲。」景織子たちも、「うん。ねぇ~~~。」母親たちも、「何だか、癒されますよね。」「うんうんうん。」凡そ、4分少々。演奏は終了する。途端にまた、拍手喝采。小白川、「素晴らしい~~。うんうん。納得。感動は、人のこころをも動かす。これが睦美さんの編曲。新しい人生ね。」そして、隣の暁美に。「ね、おかあさん。暁美さん。」暁美、頷きながら、「全くです。先生も、これまで、睦美の事、ありがとうございました。」小白川、「あの、引っ込み思案の睦美さんが、今、こうして…。」暁美、ニッコリと。そして、自信を持って、「えぇ。…あの子なりに。…あの子なりの。…変わりましたよ~~。いろんな人たちに、恵まれてます。ありがたい限りです。」小白川、ニッコリと。耀司、始終、睦美に優しい目で。そんな耀司に睦美も朗らかに。汐梨、「さ~~て。そろそろ、エンディングだわ~~~。オシ。」全ての人に絶賛されながらの耀司と睦美。会場内は歓喜で溢れかえる。カメラマンはシャッターを押す。そして、ビデオマンはしっかりと撮影。胴上げはされずとも全員からのハグ。睦美は笑顔満載。拍手が絶えない。そして…。最後に…。コンフェッティシャワー。睦美、女性陣からのハグ。そして…。最後に。芙美花、睦美の前に、そして睦美目掛けてのコンフェッティシャワー。睦美、笑顔満面に、「わぁ~~。」芙美花、睦美に、ニッコリと。「ママ~~。」そう言いながら睦美をハグ。そんな芙美花を睦美もハグして、「うん。ママ、ありがとうだよ。」芙美花、睦美を抱き締めながら、「ず~~っと、ママでいい~~~。はははは。」 ―――― Fin ――――ママでいい…。 vol,342. 芙美花、睦美を抱き締めながら、「ず~~っと、ママでいい~~~。はははは。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.30
コメント(0)

そして、睦美もドレス姿のままピアノに。そんな睦美を優しい目で見つめながら。耀司を見て睦美、笑顔で頷いて。壮一郎、「いやいやいやいや。何と。」香奈枝、「凄いのね~~。ふたりでピアノ~~。」汐梨、ニコニコと、「はははは。」晄史、「こういう事が、出来る~~。」暁美、「小白川さん。」静まり返る会場内。麹屋たち、「こりゃ、中々どうして~~。」やがて…。小白川から…。神林、「おほ、この曲。」清水、「凄い。」芙美花、「あは。」陽平、「何とも。」壮一郎、「これまた。」そして…、睦美のピアノが…。善川と生野、「チャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番。」「しかも…、アンサンプル。」彩未と万智、両手を顔の前で、組みながら、「凄~~い。」正に、2台のピアノが奏でるチャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番のアンサンブル。清水、「何とも。…芸術。」景織子たち、「涙、出て来た~~。」ドレス姿の睦美。そして、礼服の小白川。正にアート。生野も珠里も有紀も奈織も彩未も万智も、「素晴らしい。」「素敵~~。」望月、「完璧だわ。」孔太、「凄ぇ~~~。」聞き入る主席者たち。麹屋に酒巻、「迫力、だ~~ねぇ~~。」「あぁ。」酒巻、「それにしても、高井戸さん、凄ぇや。こんな人を。」永光、「あぁ。まさかねぇ~~。」根岸、「感動しかねぇなぁ~~。なぁ、神林~~。」その声に神林、「あぁ~~。全く。」香奈枝と諒子、「はは。涙が出て来る。香奈枝さん。」「えぇ。えぇ。ほんと。凄い。」善川、「これほどまでに出来る。さすがは眞鍋さん、はは。」生野、ニッコリと、「全くです。」入瀬景波留美。景織子の母親である。「高井戸さん、凄い方とご結婚。」森崎麻里。こちらは千愛の母親。「ほんと、素晴らしい。」酒部由紀奈。こちらは詩乃の母親。「こういう人、いらっしゃるんですね~~。」顔を傾げながら、「羨ましい~~。」そして、「芙美花ちゃん、本当に良かった~~。ねぇ~~。先生~。」その声に清水、コクリと。そして笑顔で、「えぇ~、本当です。」景織子、芙美花に、「羨ましいぞこんにゃろ~~。」千愛も、「あ~~~ん。涙、止まんな~~い。」詩乃、「うんうんうん。」耀司、演奏を聴きながらに頭の中で。「…さすがに睦美さん、凄いや。」こちらも演奏を聴きながらに、芙美花、始終笑顔で。そして、頭の中で、「…うれしい~~。うれしい~~。私のママだ~~~。」そして…。思い出す、インフルの時の事。……芙美花、「私の…。…おかあさん、じゃなくって…。ママになってくれる…???」睦美も顔が火照っている。そして、鼓動が高鳴っている。睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」睦美、芙美花を見つめて、「分かった。」その声に芙美花、自然に睦美の体に。睦美、その体を受け止めて。芙美花を抱き締める。ピアノ演奏を聴きながら芙美花、小さな声で、「…ママ。」演奏終了。途端に大歓声。「イェ~~イ。」そして、拍手喝采。「凄~~い。」ピアノ演奏が終了して、睦美と小白川、握手。ニッコリと。そして、出席者たちに一礼。再びの拍手喝采。「素晴らしい。」小白川、睦美に、「圧巻だったわ。さすが睦美。」睦美も笑顔で、「ありがとうございます。先生。」会場内からは、「ブラボ~~~。」穏やかになる会場内。そして…、再びバセット、睦美に2本足でダイブ。睦美、「はははは~~。バセット~~。ありがとう~~。」耀司もバセットの頭を撫でながら、「ははは。ありがと、バセット~~。」勝臣、「大絶賛。はははは。」MCの加賀美が、「それでは、次の準備まで、しばらくの歓談を…。お楽しみ、くださいませ。」神林、「さてと。」根岸、「だ~~な。」ひとつのテーブルの男性陣が…。壮一郎、「ん~~???」陽平、「なんでしょうか…。」香奈枝も諒子も、「あの方たち。」望月も、「ちょっと、私も。」万智と彩未、「え…???…望月さん…???」清水、「何…???」景織子たち、「ねね。芙美花~~。」その声に芙美花、口を真一文字に。そして目を真ん丸に、「うん…???…へへぇ~~。」これは、立っての芙美花のお願い。なのであった。結婚式の2週間前…。芙美花、睦美に、「ねね、お願~~い。」汐梨、「うん。いいんじゃない。」耀司も、「はは。いいかも~~。」睦美、「…ですね。」で…。会場内、ステージに運ばれてきた楽器と機材。清水、「え…???」景織子たちも、「うそ。」善川、生野に、「もしかして…。」生野、ニッコリと。「…かも、知れないですね~~。望月さんもいませんから。」珠里も有紀も、「あは。」事務局員たち、「まさか…。あは。cocolkyee~~。」そして…。楽器と機材のセットが整い…。晄史も、「いいねぇ~~。」誓、ニコニコと。「うんうん。」そして、晄史に耳打ちするように、「メンバーには言ってるんだけど~~。望月さんとお義姉さんにはまだ内緒。」真梨邑が加賀美に耳打ち。そして、MCの加賀美が…。「お待たせしました。」 ママでいい…。 vol,342. 2台のピアノが奏でるチャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番のアンサンブル。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.29
コメント(0)

一番はしゃいだのが、さすがに芙美花の友達の景織子たち。「す~~ご~~。」「おっきぃ~~。」「おっきくて可愛い~~。」清水、「ふふ。久し振りに見たわ~~。」ヨシカワ音楽教室の面々も。生野、「いやいや、驚いた、中型犬ですか~~。」善川、「立派だわ~~。」珠里、「何とも、風格、ありね~~。」晄史と誓もニコニコと。暁美、「ほんとに凄いのね~~。しかも、大人しい~~。」「いやいや。中々どうして~~。」麹屋。小白川とココルキーの面々は、この時点ではまだセレモニーに到着はしておらず…。そして…。やがて挙式。バージンロードを今。出席者、見た瞬間に。「…奇麗。」「…ほぉ~~。」「…はは。」「…な~~るほどね~~。」「…うんうん。眞鍋さん、父親、いないから~~。」「…納得。」「…お兄さん…???…それとも、弟さん…???」様々に、印象が…。睦美とバージンロードで手を組んで歩いたのが…。晄史。壮一郎が、「ヨッ。はははは。」香奈枝、「おとうさん、シッ。」陽平も、「はは。天晴れ。」勝臣と麻沙美、そして芙美花。そして、芙美花の隣でバセット。芙美花、「奇麗だよね~~、バセット~~。」そんな芙美花の声にバセット、「クゥ~~ン。」そして…。披露宴。出席者、総勢35名。そして…、披露宴のMCを担当するのが、この人。睦美が初めて花柳での生ピアノ演奏の時の披露宴のMCを担当したフリーアナウンサー、加賀美結子(かがみゆうこ)。「それでは、新郎新婦、入場です。」そして…、ひと際、歓声とスマホが注がれたのが…。新郎新婦への花束贈呈。麻沙美とバセット。堂々たる風格のバセット。首には花の首輪が。麻沙美、叔父に、マイクに。「おじちゃん、結婚、おめでとう~~。」耀司、麻沙美にニッコリと、「ありがとう~~。」そしてマイクがバセットに。バセット、口に銜えた花束が入ったカゴを睦美に。睦美、バセットから受け取り、「ありがとう~~。」その瞬間、バセット。「ワン。」そしてまた2本足になって睦美にダイブ。睦美、そんなバセットを受けて止めて、「バセット~~。」その瞬間、会場内、「きゃ~~~。可愛い~~。」「おぉ~~~。」拍手喝采。芙美花、思わず、ガッツポーズで、「やった~~~。」景織子たちも、「凄~~い。」壮一郎、「ははは。大したもんだ。」汐梨も、「ヨシ。オッケー。さすがパセット。」暁美、「凄いのねぇ~~。」晄史も誓も、ニコニコと、「うんうん。」「さすがだわ。」善川と生野も、「凄いのね~~。」小白川、「話には聞いてたけど、凄い。」神林、「犬がここまで…。」麹屋、「はははは。うんうん。」そして…、その後はバセット、しっかりと睦美の傍で…。芙美花がバセットに、「よろしくね。」バセット、そんな芙美花に、敬礼するかのように、「ワン。」そして…。乾杯。祝宴。とにかく、ひっきりなしに睦美とバセットが絶賛。汐梨、「はははは。うんうん、いいぞぉ~~、バセット~~。」真梨邑も、「凄いんですね~~。圧倒だわ~~。」真梨邑にドヤ顔で、「でっしょう~~。ふふ。」景織子たち、「もぅ~~、感激の結婚式~~。」清水も感激で、「こんな結婚式、初めて~~。」芙美花、「はははは。先生、最初っから、スマホ~~。」そんな芙美花に清水、「だって、こんなの凄過ぎる~~。」清水、最初っからスマホでカメラのアプリを。プロのカメラマンも、随所で、「いいねぇ~~。」同じく、ビデオ撮影も、「中々~~~。」竹澤、「これも、ヒットねぇ~~。犬と一緒~~。」汐梨、竹澤に、「でしょ~~。ふふ。」そして…。結婚式恒例の…、余興であるが…。今回の結婚式では、特に出席者たちからのカラオケなどはなく…。しかも、リクエストもない…。けれども…。小規模の…、30数名の披露宴としての会場の広さとは異なり、誰もが会場入りの時に気付いた印象。…なのだが…。それに気付いたのがヨシカワ音楽教室の出席者の面々。「もしかしたら…。」ツインのピアノと、広いステージの設え。祝宴が盛り上がる中で、MCの加賀美、「それでは、これより、みなさま、初めから、この会場に入った瞬間に、あるインパクトが…。そういうのも、実は、会場にありますツインのピアノと広いステージ。まずは…。ご紹介します。新婦の睦美さんが幼少の頃からのピアノの恩師に当たります小白川亜耶乃先生。そして、新婦ご本人とのセッションのご披露となります。」会場からは拍手喝采。「凄ぇ~~。」「凄~~い。」「それでツインのピアノ~~。」景織子たちも、「うそ~~~。」その母親たちも、「凄~~い。」珠里に有紀、「んもぅ~~。ワクワク~~。」小白川、会場内に一礼をしてピアノに…。 ママでいい…。 vol,340. 花束贈呈。麻沙美とバセットである。堂々たる風格のバセット。首には花の首輪。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.28
コメント(0)

「きゃ~~~。晴れた~~~。」部屋で芙美花。「良かった~~。雨だったら、つまんな~~いって思ってたも~~ん。」リビングで耀司、コーヒーを飲みながら、「まっ。6月、梅雨入りだからって、覚悟はしてたからね~~。」豪雨になったり、真夏日になったりの繰り返しが、この2週間は続いていた。そして…。本日、2025年、6月8日。高井戸耀司と眞鍋睦美の結婚披露宴。で、ある。耀司は2回目でもあるし、披露宴は…。…なのだが、肝心の花嫁、耀司の妻となる睦美は初婚である。内心、40前に結婚式なんて…。…と言う気持ちでもあったのだが…。そこは耀司の妹、汐梨。ブライダルプランナーである。「冗談じゃない、やるに決まってんじゃない。」と、なるのである。高井戸家、キッチンでは耀司の母、香奈枝が朝食の準備中。耀司の父、壮一郎はソファにどっぷりと浸かって、胡坐を掻きながらの新聞を大判振舞えで。「いやいやいや。朝から、とんでもねぇ暑さだ。」耀司、その声に、「とにかくも、異常気象だ。」「でもね~~。かかかかか。」香奈枝、キッチンから。「私はもぅ~~。眞鍋さん…???…睦美さん、見てびっくり。本当に、奇麗で可愛い人~~。」目を真ん丸に。壮一郎もその声には、ニコニコと。「あぁ。俺だって、うそだろって、思ったくれぇだから。ははははは。」そして、テーブルの、椅子に座っている耀司に、「おぃ。…大切にしろよ~~~。…んじゃないと、祐里子さんに申し訳立たねぇ。」そして、壮一郎、新聞のページを繰りながら、「これで、祐里子さんにも、良い報告、出来るな~~。えぇ~~~…???…ははははは。」耀司、テレビを見ながら、「あぁ。」壮一郎、「けど、おま。」耀司に。「祐里子さんもべっぴんさんだが、え~~???…眞鍋さんも、とにかくぺっぴん。はははは。大したもんだ。」芙美花、リビングに。「おはよう~~。」香奈枝、「おはよう~~。」壮一郎も、「おぅ、芙美花~~。ははははは。おはよう~~。」芙美花、キッチンの祖母に抱き着いて、「おはよう~~。」香奈枝、芙美花を抱き締めながら、「おはよう~~。」こちらでは。2日前からホテルに滞在の、宇喜多陽平、諒子夫妻。凡そ、2年振りの東京である。結婚式の前日の昨日、ホテルで、祐里子の両親の提案でホームパーティが開かれた。諒子、ホテルのレストランで朝食を摂りながら、「睦美さん、とにかく奇麗で~~。」陽平も、「あぁ。」頷きながら、「いやいやいや。とにかく。縁と言うものは分からん。それに、耀司君とは7歳も年下。かかかかか。いやはや。」諒子、「芙美花、おかあさんじゃなくって、ママになるの。って。もぅ~~、はしゃいじゃって~~。」その声に陽平、「まぁな。芙美花にとっては、ママになる年齢なんだろ。いい人みたいじゃないか、睦美さん。」諒子、ニッコリと。「えぇ。」そして…。耀司の両親。祐里子の両親。睦美の家族。芙美花。汐梨の家族。それに。ヨシカワ音楽教室から、教室長の善川始め事務局員たち。そして、ココルキーのメンバーたち。株式会社ウェルストンの社員。そして、芙美花の立ってのお願い。と、いう事で、博楼高校から芙美花の担任の清水。他にも芙美花の友達の景織子、千愛、詩乃。そして、その3人の母親たち。そして、海外から、睦美の結婚という事で是非出席という事で、小白川亜耶乃。それぞれが出席しての高井戸家、眞鍋家の結婚式が汐梨の勤務先である、ブライダルセレモニーhanayagi~花柳~にて執り行われた。汐梨のブライダルプランナーとして、耀司は、ある意味、汐梨と睦美に全て任せる事に。そこに、僅かながらの芙美花も参戦。出席者全員、挙式から披露宴まで。それぞれが初対面という事もあり、最初は緊張ムードではあったが、そんな中で、このふたりの存在が挙式から披露宴を和やかにしたのであった。その存在と言うのが、芙美花と麻沙美。そしてバセットである。芙美花の方から、お願いだからバセットも一緒に結婚式と懇願されての汐梨。一言返事だった。「了解。分かった。」斯くして。出席者たちが初対面同士の待合ロビーにて。新郎の控室から出て来た芙美花と麻沙美、そしてバセットに待合ロビー、いきなり、「可愛い――――――っ!!!」「凄ぇ~~。犬~~???」で、一気に場が盛り上がったのだった。中型犬のバセットが、そのまま、場の人気者に。すぐさまバセットに出席者たち。壮一郎、「ハハハハ。さすがにバセットも来たか~~。」陽平、「来ない訳には行かないか~~。なぁ~~、バセット~~。高井戸家の守護神。はははは。」 ママでいい…。 vol,339. 「芙美花にとっては、ママになる年齢なんだろ。いい人みたいじゃないか、睦美さん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.27
コメント(0)

芙美花、父にご飯をよそい、「はい。」耀司、「お、サンキュ。」芙美花、「ねね、おとうさん。岡山のおじいちゃんとおばあちゃんにも睦美さんとの事、教えないと。」瞬間、耀司、「おっと、あっぶねぇ~~。なんだかんだあってすっかり忘れてた~~。」そんな父に芙美花、ブスッとした顔して、「もぅ~~~。」椅子から立ち上がろうと。芙美花、「もぅ~~。」自分のスマホを部屋着のポケットから出して、「私から電話する~~。」そして…。「お味噌汁冷めちゃうから食べて~~。」耀司、椅子に座って、「あ~~い。」芙美花、「あ、もしもし、おばあちゃん。」スマホから女性の声、「何、芙美花~~。いきなりだからびっくりした~~。」相手は祐里子の母親の宇喜多諒子(うきたりょうこ)である。スマホで芙美花、「あのね。突然なんですけど~~。おとうさん、再婚する事になりました~~。」いきなり耀司、ご飯を口に入れたのを、「ぶっ。…って、やばい、やばい。」そして芙美花を見て、「てか、そんな、どストライクに。」スマホから、「え…???…え―――――――っ!!!」遠くから、「おぃおぃ。どうした…???…芙美花って。」この声は祐里子の父親の声、宇喜多陽平(うきたようへい)、72歳。諒子同様に現在、年金暮らしである。諒子、受話器を持ちながら、「耀司さん、再婚するんですって。」陽平、台所から駆けつけて、「おぃおぃ。」受話器から芙美花の声、「もしもし。もしもし。」諒子、「芙美花、あぁ、うん。はいはい。おばあちゃん。」受話器から、「あのね、おばあちゃん。」陽平、女房の持つ受話器に耳を近づけるように。受話器から芙美花の声、「おとうさん。今度~~、再婚する事になったの。…でね。式は来月の8日。日曜日。」諒子、「いや。今聞いてび~~っくり~~。」受話器から、「ごめんね。おとうさん、おばあちゃんたちに知らせてるかな~~って思ってたらまだだって。だから今、私が~~。おかあさんスマホ、捨ててなかったから、それから電話番号~~。」スマホから、「そぅかぃ、そぅかぃ。わざわざ~~。」耀司はもぐもぐとご飯を食べている。芙美花、「あ、おじいちゃん。今、おばあちゃんにも言ったけど~~、おとうさん、再婚する~~。と~~っても奇麗な人~~。」耀司、その声に両眉を上下に2度程。芙美花、「うん。その人は~、今、ピアノ講師してる人~~。でぇ~、もしかしたら、テレビに出るかも、知れない人~~。」耀司、またいきなり、「ぶっ。」そして、「おぃ、芙美花~~。それはまだ分かんねえだろ~~。」スマホから、祖父の声、「一体、何がどうやって、そんな風に…。」芙美花、「う~~ん。…つまりは~~。……。」芙美花、朝食そっちのけで母の実家の祖父と電話での話は続く。「どうせ電話料金はおとうさんの銀行口座からだもんね~~。」そういう事である。「いやいやいや。高井戸~~。いつの間に~~。…って言うか、この前会った時には~~。」この声は耀司の共同経営者の麹屋。耀司、パソコン画面に。「悪ぃ、悪ぃ。2億円問題でな。頭がそっちの方に。…それに…。まっ。こっちの方も、ああだのこうだので…。まっ。…で。…さっきも言ったように。」パソコン画面の麹屋、「何…???…その、音楽教室の。…って言うか、今はピアノ講師。」「あぁ。」「いや。何か、先ず有り得ねぇ話だよな~~。」「ん~~~。まぁな~~。」「…って言うか~~。まっ。実際の話し~~。高井戸家自体、ある意味、やべぇもんな~~。」麹屋、少し、可笑しがりながら、「おま、家事一切出来ずに、芙美花ちゃん大学受験。やっべぇだろ。家事やりながら受験勉強~~???…おぃおぃ、そりゃないだろって。…確かに。心配はしていた。」耀司、「まぁな~~。…で、切っ掛けは~~去年の芙美花の修学旅行~。…実際、芙美花自身、後で聞いた話だけどな。家事の事で、修学旅行、諦めてたようだったんだ。」いきなり麹屋、「そりゃ、おま。可哀そ過ぎるだろ。幾ら何でも。」「まっ。俺は、そんなの関係ないから、行って来い。的、感覚で。」「しっかりしてるわ、芙美花ちゃん。…んなおま。毎日、家事やってる人の身にもなってみろ~~。人にゃ、生活のリズムってもん、あんだろうが~~。」耀司、その声に、申し訳なさそうに、「ま、まぁな。」「修学旅行中に家の事~~って、思っちゃうって事だろ~~。」「…ま。まぁな…。」「家の事、考えてんのに。それに、家事一切出来ない父親~~。修学旅行から帰ったら、疲れがどっと。」耀司、またまた申し訳なさそうに、「はいはい。その通りです~~。」麹屋、「…で、おま。その…???…妹さん。」「あぁ。」「大したもんだ。…んじゃ、高井戸~~。妹さんに、天晴れ、やんなきゃ~~。」「そういうこった。」 ママでいい…。 vol,338. 「大したもんだ。…んじゃ、高井戸~~。妹さんに、天晴れ、やんなきゃ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.26
コメント(0)

自室でレッスンの構成の準備中、睦美に神林からライン。「あら…???…神林さん。」そして、「あは。」ニッコリと。「結婚おめでとう。」その文字に睦美、小声で、「ありがとうございます。」メッセージには、「孔太から知らされてみんな驚いて。しかも、相手が高井戸さんと聞いて。まっ。中には、な~~るほどね~~って感じてた者もいるけど…。とにかく、こんなに早く。って言うのが事実、驚き。是非、しあわせになって欲しい。それに。これが一番なんだけど。眞鍋ちゃんと望月さんのお蔭で新しいココルキーの誕生。メンバー全員、張り切ってる。ダイナムズの青畑さんも勢いづいてるから、俺たちも頑張れる。もしかしたら、今月中にも、新曲でライブ配信されるかも。」瞬間、睦美、「うそ。」「当然、孔太の彼女のファッションでね。今は、ココルキーの今までの曲と、新しい曲で、とにかくミーティングに忙しい。また、連絡するね。じゃ。あらためて、結婚、おめでとう。」睦美、思わず目頭が熱く、「あ~~~~。ははははは。」望月家の玄関のチャイム。モニターを見て…。スピーカーから、「すみません、ご連絡した寛原と申します。」優茉、「あ、は~~い。」玄関で…。女性、丁寧にお辞儀を。「寛原莉々(かんばらりり)と言います。」優茉、ニッコリと。「あは。孔太さんの~~。」莉々もニッコリと。「あ、はい。」「じゃ、上がって。」「失礼しま~~す。」寛原莉々、矢島孔太の彼女である。所謂、ココルキーのコスチュームとなる、メンバーファッションの採寸を取りに来たのである。現在、孔太と共にアパートで同棲をしている。彼女は都内のアパレルブランド「Luce~ルーチェ~」のスタッフ。入社4年目。デザイナーを目指している。優茉、採寸と取ってもらいながら、「もぅ~、び~~っくりしちゃって~~。」莉々、「はははは。いえいえ。私の方から申し出たくらいですから~~。」「孔太さんとはお付き合いして、どのくらい…???」「5年に…、なりますか。うん。同じ大学で、居酒屋で…???…うん。はは。席を立ちあがった瞬間に、ぶつかっちゃって。それからです。ふふ。私から一目惚れです。」優茉、思わず、「うそ―――――――っ!!!」そして優茉、「孔太さん、羨ましい~~。」「ぶつかった瞬間に、あ~~すみません、大丈夫ですか、洋服、どこか、濡れたところ。どこか、怪我は。って。もぅ~~、最初っから、親身で。」優茉、その声に、ニッコリと。「うんうんうん。何だか、分かる気がする。孔太さん、仕事でも、物凄い心配り、凄いですから。」莉々、「何だか、物凄い、細かいところまで気が利いてて、それでいて、とにかくマメで優しい。」「まっ。キーボード弾いてますからね~~。それは納得。はははは。」「でも、望月さんも凄いです~~。物凄いサックス、上手~~~。」優茉、その声に、お辞儀をしながら、「ありがとうございます。」そして莉々、辺りを見て、表札を見て、「高井戸耀司、芙美花。…ここだわ。」チャイムを。すると、「は~~い。どうぞ~~、開いてま~~す。」ドアを開けて、「こんにちは~~。」すると、犬と小さな女の子が。犬が、「ワン。」いきなり莉々、「わっ。びっくりした~~。」女の子が、フロアに正座になって、ペコリと、「いらっしゃいませ。」汐梨と睦美、「いらっしゃ~~い。」睦美、「望月さんから聞いてます。寛原さん。」莉々、ペコリと。「あ、はい。」汐梨、リビングで睦美の採寸を見ながら、「いやいや。あの孔太さんの彼女さ~~ん。」語尾を強めて。「とにかく、奇麗な人だよね~~。」莉々、恐縮しながらも、「いえいえ。そんな…。望月さんも物凄い奇麗な方で~~。」汐梨も睦美も頷きながら、「うんうんうん。それは言える。」汐梨、「で、こちらの眞鍋睦美様も同じように、お奇麗~~。」その声に照れながらも睦美、「もぅ~~。汐梨さ~~ん。」汐梨、「はははは。」莉々、「はい。もぅ、玄関でお会いした瞬間に、凄い奇麗って。」笑顔で莉々。汐梨、お辞儀をして、「ありがとうございます。」耀司、自室から出て来て。「あ、はい。こんにちは~~。」莉々、思わず、「あ。」採寸の途中で、「お邪魔してま~~す。」汐梨、「兄の高井戸耀司。睦美さんの旦那になる方。」莉々、いきなり手を止めて丁寧にお辞儀を。「は、初めまして、寛原莉々と言います。」耀司、両手を差し出して、「あ~~、いやいやいや。そんなに。」頷きながらも、「うんうん。うん。ははははは。」キッチンに。「そっか~~。採寸かぁ~~。ははは。どんな感じになるのか、待ち遠しいね~~。」汐梨も睦美も、そんな耀司に、ホッコリと。汐梨、「だ~~ね。」睦美も、「ですね。」耀司、ウーロン茶の入ったコップをかざして、「これからに、乾杯ってねぇ~~。」ニッコリと。 ママでいい…。 vol,337. 耀司、ウーロン茶の入ったコップをかざして、「これからに、乾杯ってねぇ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.25
コメント(0)

芙美花、「…で…???…睦美さんの声…。」3人を見て。汐梨、「あ。」睦美を見て、「睦美さん…???」睦美、耀司を見て、「耀司さん、ほら。階段から落ちた。」瞬間、耀司、「あっ。」思わずフィンガースナップ。そして、「はいはいはいはい。あの時ね~~~。うんうんうんうん。河原崎栄伍~~。その人~~。」睦美、「でぇ~~。河原崎栄伍さんマネージャーがぁ~、救急車、呼んでくれて~~。その救急車の後を~、晄史と誓が、タクシー捕まえるのに、自分たちの車でねぇ~~。病院まで~~。…確か、あの時の、晄史が貰った名刺の名前が~~、マネージャーの辻元香世子さん。完璧に覚えてる。」耀司、その話に、「うんうんうん。確かに。…って、睦美さん、凄いや。かかかか。俺なんて、今、言われて、やっと思い出した。」汐梨、「まっ。このでくの坊だからね~~。」いきなりムカッとした顔で耀司、汐梨に、「うるさいわぃ。」思わず睦美、クスッと。汐梨、睦美に、「…って言うか。…そうだったんだ~~。…私は…、電話で病院に行って、まま、事情を聞いただけだけどね~~。」芙美花、「…で、おとうさんは、左肩と右足ね~~。」睦美、3人に、「その節は、たいへん申し訳ありませんでした。」申し訳なさそうな顔でペコリと。耀司、思わず睦美に、「おぃおぃおぃ。」汐梨、「かかかかか。な~~んで~~???…でもさ、あの時の事があったから~~。尚の事、兄さんと~~。」そんなふたりに睦美、思わず両肩をチョコンと上下に。僅かに顔を引込めるような感じで。そしてニッコリと。汐梨、思わず睦美に、「やだ~~~。」目を真ん丸して大声で、「睦美さん、可愛い~~~。もぅ~~~。」耀司もニコニコと。「ははははは。」そんな3人を見て芙美花も、ホッコリと。睦美、汐梨に、「…で、汐梨さん。…その、辻元さんのお相手の方って。」耀司も、「あ。うんうんうん。」すると。汐梨、ふたりにニンマリとした顔で。「ニシシシシ~~~。」耀司、眉間に皺を。そして右目を歪めて、「なんだよ、そのニシシシシ~~。」汐梨、「まま。とにかく芸能関係だから、とにかくびっくり。でぇ~~。当然、睦美さんのピアノ生演奏~~。決まりました~~。かかかか。」いきなり睦美と芙美花、仰天した顔で、「え―――――――っ!!!」睦美も芙美花も口に両手を。芙美花、「凄~~~い。」耀司、「かかかかかか。うんうんうん。」睦美、嬉しさ満面で、「あ~~~ん。」汐梨、「…って事でぇ~~。そのお相手。まぁ~、一般企業の社員さんなんだけど~~。兼倉(かねくら)損害保険の結城光也(ゆうきみつや)さんって方。何でもフレックス制の社員さんなんだって。」耀司、「ふ~~ん。」睦美も芙美花も汐梨と耀司に、「フレックスって…???」「あん。つまりは、自分が働きたいときだけ、会社に来て仕事をするって。簡単に言えば、そんな社員。」芙美花、「うそ。そんなのあり…???」耀司、そんな芙美花に、「うん。あるよ。ただ。一定の労働時間は定められているから~~。労働時間、つまりは~~。自分の働く始業、働き始めた時間と~~、終業時間。仕事を終える時間、この時間を自分が決められるって訳。世の中、いろいろとあるからね~~。自分のライフワークで、この時間は忙しい、家庭の事情もあるから。」芙美花、「へぇ~~ぇえ~~。」汐梨、「…で。辻元さん。この方は元々は、元編集者さん。引き抜きで芸能プロダクション創健社に入社したんだって~~。でぇ、その理由がぁ、編集者時代の年収400万より増額の650万で決めたらしいんだけど~~、現在の年収は800万。超ベテランマネージャー。」耀司、思わず、「凄ぇな。マネージャーって、そんなに所得。」汐梨、「あん。でも…そうでもないらしいわよ~~。だから~、超ベテランマネージャー。今の河原崎栄伍、見てれば、納得でしょう~~。」語尾を上げて。耀司、「あ、そっか~~。」「で。」汐梨。「河原崎栄伍との番組の打ち合わせで一緒になった人が、その結城光也さん。損害保険のコーナーでの打ち合わせ。…で、思わず、インプレッションで気に入り、「この人」と、思い付いて~~、付き合い始めて~~。辻元さんからプロポーズ。光也さんは30歳。あ。そして~~、その、辻元さん。睦美さんと同い年の38~~。」瞬間、睦美、目を真ん丸にして、口に両手を。「わっ。凄い。」汐梨、ニッコリと。「でぇ。ピアノ生演奏と評判になっている~~、セレモニー花柳を~、友人から紹介されての結婚式の申し込み~~~。」耀司、「へぇ~~。凄ぇや。」「挙式は6月の20日。まっ。平日だけどね~~。ごくごく内輪での挙式でって。」「な~~るほどね~~。まっ。芸能人、忙しいから。」 ママでいい…。 vol,336. 「編集者時代の年収400万より増額の650万で決めたらしいんだけど…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.24
コメント(0)

眞鍋、望月に、「え…???…全部。」生野、「それはそうです。とにかく、孔太君、そのバンドが大手レコード会社の、ダイナムズと契約。しかも、望月さんと眞鍋さんもそのバンドに関わってる訳ですから、我がヨシカワ音楽教室も、一丸となって応援する事になりますから~~。」そんな生野の声に眞鍋、目を大きく、「わぁ~~~。」望月もニッコリと。眞鍋、みんなに丁寧にお辞儀をして、「ありがとうございます。」珠里、「はははは。望月さんからも、そんな風にお辞儀されちゃったもんね~~。」望月、「当たり前です。本当に嬉しかったから~~。」生野、「でも。」笑顔満面に、「望月さんの作曲、で、眞鍋さんの編曲した曲が、世に出る。こんなに喜ばしい事はない。うん。」望月、ポツリと。「まだ…。分かんないですけど…。でも。」望月、みんなに丁寧に頭を。「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」眞鍋も同じく、再び頭を…。万智、「どんな曲なのか、聞いてみた~~い。」そんな万智にみんなが頷いて。珠里、眞鍋に、受け取った招待状を顔の前で。「とにかく。眞鍋さん、ご結婚、おめでとう~~。喜んで出席させて頂きます。」生野も、「えぇ。」みなが、「うん。」「もちろん。」「待ち遠しい~~。」「あ~~ん、結婚~~。」そして…。5月に近いある日。耀司、仕事をしながら…。「うん…???…おっと。」そして…。「ホームぺージの依頼…か。…河原崎栄伍。…って、あの河原崎栄伍っ???…芸能人のっ。」そして…。こちらでは…。ある男女が、汐梨と真梨邑の前で。男女が名刺を汐梨と真梨邑に。「芸能プロダクション創健社(そうけんしゃ)、マネージャー、辻元香世子(つじもとかよこ)さん。…それから、兼倉(かねくら)損害保険…、結城光也(ゆうきみつや)さん。」汐梨、ふたりを見て、「よろしくお願い致します。」お辞儀を。真梨邑も同様に。高井戸家にて。汐梨、レッスンが終了してそのまま高井戸家に来ている睦美に。そして、仕事に一息入れた耀司に。「ねね。芸能人のマネージャーの結婚、決まった。」その声に睦美も耀司も、「え…???」耀司、コーヒーを飲みながらに、「へぇ~~~、凄ぇや~~。」そして耀司、「…って言うか~~。俺んとこにも芸能人からホームぺージの依頼~~ぃ。」睦美、耀司を見て、「え…???…そうなんですか…???」汐梨も、「うそ。」耀司、キョトンとした顔で、「ふん。…いや、凄ぇなって思って。」汐梨、思わず、「へぇ~~~。」そして耀司に、「…で、誰…???…その芸能人って。」耀司、コーヒーカップを口に持って行きながら、「河原崎栄伍。」いきなり汐梨、仰天した顔で、「え゛っ!!!…河原崎栄伍…???…すっごぉ~~~。え~~~???」耀司、「だろ。」そして汐梨に。「…で…???おまえんとこは。」汐梨、「芸能プロダクション創健社、マネージャーの~~、辻元香世子(つじもとかよこ)さんと言う人。」思わず睦美、眉間に皺を。そして顔を傾げて。「うん…???…あれ…???」そして…、「確か…。その、名前…。芸能人。そして、マネージャー。」すると、いきなり、「あ~~~~。」口を大きく、大きな声で。その声に。2階で勉強をしていた芙美花も、「うん…???…睦美さんの声…???」汐梨と耀司、「睦美さん…???」睦美、ふたりに、「その人、その人、その人。芸能人の河原崎栄伍さん。そして、マネージャーの辻元香世子さん。」耀司を見て、「私たち、お世話になった~~。」芙美花、2階から降りて来て、「どうかした~~???…睦美さんの声、聞こえたけど。」その瞬間、汐梨、「ぷっ。」そして、「かかかかか。聞こえたか~~。」いきなり睦美、芙美花に顔の前で両手を合わせて、「ごめんなさ~~い。」芙美花、キョトンとして、「あ、ううん。別に、何でもないなら、良いんだけど。」汐梨、芙美花に、「兄さんにぃ~~。芸能人からホームぺージの依頼~~。…で、私のとこにも、芸能人のマネージャーからの結婚式の申し込み~~。」芙美花、「へぇ~~。凄いじゃ~~ん。…で、誰なの…???…その芸能人って。」耀司、ポツリと。「河原崎栄伍。」いきなり芙美花、目を真ん丸にして、慌てて、「うそ。」3人を見ながら自分の椅子に勢いで座るように、「あの、河原崎栄伍…???…凄~~い。」汐梨、「今や、売れに売れまくっている芸能人だからどねぇ~~。まま。タレントだよね~~。ドラマや映画には。出てないけど~~。バラエティじゃもぅ~~。何本…???…MCだって。物凄いよね~~。」「うん~~。確かに。他にも、ニュース番組だって~~。朝の、顔でもあるもんね~~。凄ぇよ。」耀司。芙美花も、「うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,335. 「望月さんの作曲、で、眞鍋さんの編曲した曲が、世に出る。こんなに喜ばしい事はない。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.23
コメント(0)

そして芙美花、父に、「はぁ~~ぁあ~~???…私が、堂真あみに~~。」目を真ん丸にして芙美花、「かかかかか、冗~~談~。私が堂真あみに、似てる訳ないじゃ~~ん。」耀司、眉間に皺を。そして顔を傾げて、「ふん…???…そうかな~~。」汐梨、睦美に、「はは。楽しんで来た…???」睦美、ニッコリと、「う~~ん。久し振りに~~。」「そぅ~~。良かった~~。」買い置き用のビールとジュースをキッチンの棚に汐梨。「これで良し。」睦美、「でね、汐梨さん。」汐梨、睦美に、「うん…???」「音楽教室の黒川さんに会っちゃった~~。もぅ~~、パッタリ。」椅子に座っての耀司、「そうそう、デリスタでね~~。」ふたりの声に汐梨、思わず目を真ん丸に、「うそ。黒川さんに~~???…デパートのデリスタで。」睦美、目を瞑りながら頷いて、「えぇ。」耀司、「いやいやいや。び~~っくり~~。」汐梨、「わ~~お~~。」芙美花、父と睦美に、「何々…???…じゃあ、おとうさんと睦美さんの事、音楽教室にバレたって…。」汐梨、右目を瞑って、「あっちゃ~~~。」睦美、またまた頷いて。耀司、「まぁ…、別に、隠しているつもりじゃなかったんだけど~~。」睦美、「犯人は孔太さん。」汐梨、「あ~~ん。な~~るほどね~~。」そして汐梨、「まま。確かに。頷けるよね~~。コスチュームの事で。」そして汐梨、「…ってか。孔太さんも、話したくってウズウズしてたんじゃない~~…???…はははは。」睦美、「本当は、結婚式の招待状で、知らせるつもりだったんですけどね~~~。」汐梨、「かかかかか。」そして耀司を見て、「じゃあ兄さん。明後日、ヨシカワに行ったら、思わず。」耀司困ったような笑顔で、「あぁ。まっ。覚悟は出来てるけど~~。」けれども…。その予測に反して…。ヨシカワでは、その反応はなし。それもそのはずである。事務局に行けば、必ずは誰かレッスン生とその親御さんと一緒になるからである。そして…。眞鍋からの結婚式の招待状でようやく…。誰も彼もが…。教室長の善川、眞鍋からの招待状を受け取って、「もぅ~~、とにかくび~~っくりよ~~。え~~、いつの間に~~って。しかも、お相手が…???…麻沙美ちゃんの叔父さん…???…高井戸さんって。…私、まだお会いしてないから~~。もぅ~~。」眞鍋、「はい。あれこれとありまして。高井戸耀司さんと、一緒になる事に。」「もぅ~~~。はははは。良かった~~。うんうんうん。おめでとう~~。喜んで、出席させていただくわ。」そして善川、「あ、じゃあ~~、小白川先生には…???」眞鍋、笑顔で、「はい。もう知らせてあります。先生もビックリされて~~。喜んでました。」「そう~~うんうんうん。おめでとう~~。」そして…。事務局に久し振りに顔を出した眞鍋にいきなり、「眞鍋さ~~~ん。」全員から。生野、「いやいやいや。もぅ~~。全員びっくりですよ~~。ははははは。」珠里、「まさか…、相手が高井戸さんとは。好きな人が出来た~~、なんてのは、予感はあったけどね~~。」奈織、「まさか。だよ~~もぅ~~~。」彩未は、「私なんてまだ恋愛中なのに~~、眞鍋さんの方はもぅ。」万智はブスッとした顔で、「もぅ~~。ラインしてても、全然、そんな事、教えてくれないんですも~~ん。」奈織、「ばか万智。…んな事、出来る訳ないでしょう~~。じゃなくても、高井戸さん来ても、それにはタブーって、珠里さんと有紀さんから~~。」眞鍋、「あ。それで~~。高井戸さんも、全然、反応なかったよ~~って。」生野、「ははははは。ある訳ありませんよ~~。他のレッスン生の親御さんもいるんですから~~。おいそれと個人の情報は~~。まっ。こういう事は、そう、自然に。…と、いう事で~~。」そして生野、「だって、望月さんなんか、全く~~。物凄い秘密主義。全然、そんな素振りも~~。」その声に望月、「あ、いや…。でも、私も実は、孔太さんの話しで、決まったかって、思いましたから~~。ココルキーの事で、高井戸さんとは、2度程~~。」奈織、「でも、凄いよね~~。聞けば、孔太のバンド~~。」彩未も、「うんうんうん。私なんて、何、望月さんが作曲~~って聞いて、び~~っくり~~。しかも、眞鍋さんの編曲って~~。それでココルキー、レコード会社と契約って。どういう事…???」生野、「とにかく、縁ですね~。そして、才能です。天晴です。望月さんも眞鍋さんも。」「…って事は。」万智。「望月さんも、眞鍋さんも、音楽家…???」望月、すぐさま右手を振りながら、「いやいやいや。…そんな…。」奈織、望月に、「いや。分かんないよ~~。大手レコード会社の、ダイナムズだから~~。」眞鍋、「あ。でも…、孔太さんからみなさん、どこまで話…???」珠里、「全部。」望月、「みたいですね~~。」 ママでいい…。 vol,334. 生野、「とにかく、縁ですね~。そして、才能です。天晴です。望月さんも眞鍋さんも。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.22
コメント(0)

睦美、黒川に、「私も、ココルキーがダイナムズとの契約にはうそ――――っ!!!…って。」黒川、「聞けば、眞鍋さんの弟さんのお嫁さんがって。…これがまた凄いよね~~。弟さんもそのお嫁さんもダイナムズの社員なんて~~。大手レコード会社。いやいやいや~~。」睦美、またまた、黒川にお辞儀をして、「ありがとうございます。」有紀の隣の女性、始終、朗らかに。有紀、眞鍋と高井戸に、「あ。ごめんなさい。姉のまき。来週、結婚式なの。でぇ、あれこれとね。揃えるものも揃えなきゃって。」瞬間、睦美、「あん。そう言えば~~。確かに、あの時、来春って。あ、そっか~~。」女性を見て、「眞鍋と申します。」丁寧にお辞儀を。真紀(まき)、ふたりにお辞儀を。「有紀がいつもお世話になっております。」耀司もお辞儀をして、「いえいえ。こちらこそ。黒川さんには姪がいつも。高井戸と言います。」有紀、姉に、「うんうんうん。」真紀に、「音楽教室のレッスン生のおじさまなの、高井戸さん。」そして高井戸に、「もぅ~~~。何度も言いますけど、高井戸さんも絶~~~対に、秘密主義者。な~~んにも言ってくれないから~~。」その声に睦美の顔がシュンと。そして耀司、面目なさそうに、「申し訳ありません。」有紀、「でも。まっ。言えませんよね~~。…って言うか。かかかかか。音楽教室で、そんな、大それた事って。かかかか、言えるはずもない。しかも。」眞鍋を見て、「眞鍋さんだって、もぅ~~。事務局員からピアノ講師になっちゃって、事務局にはまず、顔。」黒川に睦美、申し訳なさそうに、「えぇ~~。まず、顔を出すって事。」耀司、睦美を見て、「え…???…そうなんだ。」黒川、「時間的に、まず。しかも…、教室と事務局では、別棟になりますから~~。」耀司、「あ、そっか~~。…確かに。」睦美も黒川も頷きながら…。有紀、「ん~~。でも~~。…こんな風に、眞鍋さんと高井戸さんを見てると、とにかく、物凄いお似合い。眞鍋さんなんて、38になんて見えないし、とにかく奇麗で可愛い。しかも、高井戸さんなんて、確実にイケオジですもん~~。今でさえ、見慣れた顔なんだけど、もぅ~~。初めて高井戸さんが音楽教室来た時には、みんなで、凄っ。イケてる~~。な~~んて言ってたから~~。」その話には睦美、耀司を見てニッコリと。耀司、照れて、「あ、いや…。…でも、それほどでは。」睦美、「でも、娘さんには、イケオジって言われてますけど。」有紀、ニコニコしながらも、「あらあらあら。」耀司、頭の後ろを撫でながら、「あは。ははははは。いやいや。」ニコニコ顔の有紀、姉をチラリと見て、「じゃあ~~、私たち、これで。」睦美、「あぁ、うん。はは。じゃあ。」有紀、高井戸に。「高井戸さんも。それでは。」耀司、ニコリと。「はい。では。」睦美、「あ、黒川さん、結婚式、招待状、近々。」有紀、左手を挙げて、「あぁ、う~~ん、待ってる~~。」黒川と別れて睦美、耀司に、「び~~っくり~~。」目を真ん丸に。耀司も右目を歪めて、「うそだろって。いやいや、いきなりだからさ~~。一瞬、ヤバイって、思ったけど。」睦美、「私だって~~。」そして睦美、「あぁ~~。とうとうバレた~~。犯人は孔太さん。」耀司、思わず可笑しくなって、「かかかかか。まま、そうなるでしょ。若者ですから。」睦美、耀司に寄り添うように、「ねぇ~~~え。はははは。」そして…、あちらこちらに足を。耀司、「では。そろそろ。」睦美、「ですね~~。はは。楽しかった~~。もぅ~~。久し振りに歩きました。…で、いろいろ見ました~~。」運転しながら耀司も、「はは。右に同じ。」睦美、助手席でスマホに。「あ、もしもし、汐梨さん。これから帰りますけど、何か必要なもの~~。」そして…。「……。あ、は~~い。」そして、通話は切れる。睦美、耀司に、「マヨネーズって言ってました。」耀司、途端に、「またかよ。」睦美、思わず、「ははははは。冗談です。みんなで乾杯しましょう~って、お酒、ビールでも買ってきてください~~って。」耀司、頷きながら、「まま。俺、家では飲まないから、買い置き、ないんだよね~~。」睦美も、「確かに。冷蔵庫の中にはまずない。」耀司、「ご存じで。」睦美、耀司を見て、「はい。」そして睦美、「あ、でも…。これからはビール、冷蔵庫に買い置きしましょうか。ふたりで飲むの。」耀司、そんな睦美にニッコリと、「いいかも…。ですよね~~。」芙美花、睦美と父に、「何々…???…何観て来たの…???…おいしくて泣く時、観た~~???」睦美、「はい。観ました。」耀司、「うん。良かったよ、その映画。おまえのお薦め通りに。」芙美花、「うんうんうん。長尾謙杜と堂真あみが出てんの。」「うん。けど。」芙美花を見て、「おま、堂真あみに似てない…???」その声に芙美花、「…はい…???」 ママでいい…。 vol,333. 「これからはビール、冷蔵庫に買い置きしましょうか。ふたりで飲むの。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.21
コメント(0)

壮一郎、電話で汐梨の話しを聞きながら、ボォ~~~ッと。受話器から、「もしもし…???…もしもし…???…ねぇ、ちょっと~~、聞いてる~~???」壮一郎、ボォ~~ッとしながら、「…あ、あぁ~~。」そして、耳から受話器を外して…。香奈枝、そんな亭主に、「お、おとうさん…???…電話…。」壮一郎、また、「…あ、あぁ~~。」そう言いながら、受話器をそのまま女房に。香奈枝、そのまま受話器を持って、耳に。亭主を見ながら、「もしもし。」受話器から汐梨の声。「あぁ、かあさん。」すると香奈枝、ニッコリとして、汐梨に、「ふふふ。おとうさん、ボォ~~ッとして、受話器を私に。」受話器から、「え~~~ぇえ~~~???」壮一郎、未だにボォ~~ッとして、ふらりふらりと廊下に。そのまま、胡坐を掻くように、床にズデン。そのまま、遠くを見るように、「あんの野郎~~。嫁、もらう~~~???…再婚~~~。」香奈枝、受話器を耳に、「うんうんうん。へぇ~~~。あ~~~。うんうんうん。確かに~~。麻沙美が通ってる音楽教師~~。うんうんうん。近くだもんね~~。そぅ~~~。え…???…うそ。韓国人。うんうんうん。へぇ~~~~。」香奈枝と汐梨の話しは、まだまだ続く。そして…。「さてと。」耀司、運転席で。睦美、助手席で。「はい。」耀司、「行きましょうか。」睦美、「ですね。」耀司と睦美、初めての…、デート。電車でもいいのだが、ふたりだけの時間を。と、いう事で、汐梨が提案。「それに、折~~っ角、車があるのに、走らないなんて勿体な~~い。」との事である。耀司、過去の記憶を辿り寄せながら…。そして…、汐梨や芙美花の映画情報を当てに。そして、既に助手席の睦美も、あれこれとスマホで映画情報を。要するに耀司も睦美も、ここ、数年来、映画自体、観たことがない。運転しながら耀司、睦美に。「どんな感じ…???」睦美、「ん~~。汐梨さんと芙美花さんのお薦め…???…でも~~。結~~局は~、映画館に行って、その時に。」その声に耀司、「まぁ。そんな感じだろうね~~。…ってか、汐梨も芙美花も、実際には観た事がないんだから。」「そうなんですよね~~。今、公開中の映画ですから~~。」「まっ。行ってから決めちゃお。…ただ。一応、お目当ては決めといて。」「ですね~~。」そして…。結局、映画、3本を観て、現在は、とあるデパートのレストラン。和やかな雰囲気のふたり。会話は弾んでいる。そして…。デパートの中をあれこれと。すると…。遠くの方で、手を振る女性。睦美、顔を傾げて…。思わず、「え――――――っ!!!」そんな睦美に傍の耀司、「うん…???」睦美、ニコニコしながらも、「耀司さん、黒川さん、黒川さん。」耀司、眉間に皺を。顔を傾げながら、「黒川さん…???」すると、急ぎ足でふたりに近づいてくる女性。思わず耀司、「あ~~~、はははははははは~~。」有紀、息せき切りながら、「見つけてび~~っくり~~。え~~~~~っ!!!」そんな黒川に睦美、ニコニコしながらも、「あは。バレちゃいました~~。」有紀、睦美に、「もぅ~~~。」耀司、黒川を見て、照れ臭くなって、「ど~~もです~~。」有紀、そんな高井戸にも、「もぅ~~。高井戸さんも~~。全然、何も言ってくれてないから~~。」照れ臭さの絶頂の耀司、後ろ頭を撫でながら。有紀、「…って言うか~~。薄々、予感はしてたけどね~~。ま、相手は誰か…、までは分かんなかったけどさ~~。…それがまさか。もぅ~~、びっくり~~。」睦美、「もしかして…、孔太さん。」「ビンゴ~~~。かかかかか。もぅ~~。事務局内で大騒ぎ、みんなで、え――――――――――っ!!!」睦美、耀司に、「ほら。ココルキーのコスチューム。」耀司、「あ~~~、はいはいはい。うんうんうん。」有紀、「…って言うか、凄~~い、眞鍋さ~~ん。ピアノ講師になったと思ったら、いきなりセレモニーの生ピアノ演奏。それに、バンドの編曲~~。望月さんからも聞いてび~~っくり~~。あの人もあれで、かなりの秘密主義者だから、もぅ~~。ま~~ったく~~。何も言わないから~~。」その声に睦美、「わお。望月さん、そんななんだ~~。全然そんな風には見えないけど。」耀司に、「ねぇ~~。」耀司、「ん~~。はは。」チラリと睦美を見て、「なのかな~~。」有紀、「え…???…高井戸さん、望月さん。」その声に耀司、「えぇ。2度程、お会いしてます。ココルキーの件で。いやいや。中々どうして、素敵な方で。」有紀、その声にコクリと。「えぇ。眞鍋さん同様に、奇麗で素敵な女性~~。」思わず睦美、赤面に。けれども素直に受け止めて、「ありがとうございます。」有紀、「…で~~、その、孔太のバンドも大手レコード会社と契約って、凄いったらありゃしない。」睦美、ニコニコと笑顔で、「はい。」 ママでいい…。 vol,332. 「あんの野郎~~。嫁、もらう~~~???…再婚~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.20
コメント(0)

耀司もそれには驚いて。「いやいやいや。しっかし。…たまげたな~~。えへ~~???」画像を見て。「しかも、みんな、凄い個性的に出来ちゃってるし~~。」睦美も汐梨も、「うんうんうん。」汐梨、「それに。望月さんと睦美さんのまで作っちゃうなんて~~。」睦美、「望月さんも電話でびっくりしてて。…でも、私たち、別にステージには…。…って、考えてないし。」その声に汐梨、口を噤んで、眉間に皺を。そして顔を傾げて、「ん~~んん~~???」語尾を上げて。そして、腕組みまでして、「でも…。…分かんないわよ~~。あの青畑部長なら~~。」睦美、「でも…。…誓も何も言ってないけど…。…それに…。ダイナムスとココルキーが契約したって事も、誓からは聞いてないし~~。」汐梨、そんな睦美に目を閉じてかおを左右に。そして顔の前で右手を振りながら、「いやいやいや。あの誓さんだったら言わない、そんな事。」いきなり睦美、キョトンとしながらも、「へ…???」耀司も、口をへの字にしてニッコリと。「ふん。確かにね~~。」そんな耀司を見てまた睦美、「え…???…耀司さんも…。」汐梨、コーヒーを飲みながら、「…って言うか~~。あぁ見えて、誓さん、かなり、賢い人よ~~。」「俺も、そう思う。」汐梨、「まっ。すんなりさぁ~~。…って言うか、実際、会社の中で~~、ここと契約決定~~、なんて、そんな事、上司なら部下に伝達するでしょう~~。それなのに誓さん、何も言わない、なんて有り得ない。…ってぇ事は~~、つまりは、後は内輪でって奴~~。」耀司、「はははは。」睦美を見て、「つまりは。ココルキーのみんなでダイナムスとの契約を分かち合ってくださいって事。だから~~。望月さんも睦美さんも、言うなれば~~、今やココルキーのメンバーになっている訳だから~~。幾ら、自分の義理の姉であろうとも、言うべきではない。メンバーとしての伝わり方もあるからって。」汐梨、コクリと。「そういう事。」耀司、「まぁ~~。汐梨の言う通りに、誓さん、賢いって言うのも、あるとは思うんだけど~~。とにかく、誓さん、思いやりのある人、周りの人を大切にする人。だと、俺は思うけどな~~。」汐梨、そんな耀司に、ニコリと、「はは。言い得て妙。」耀司、椅子から立ち上がりながら、「お褒めに預かり恐縮~~。」睦美、耀司に、「え…???」耀司、「言い得て妙。つまりは正にぴったりな表現。あとは~~。うまいことを言うもんだ。…と、いう事。」睦美、納得しながら、「へぇ~~~。」けれどもクシュンして、「日本語難しい~~。」「…って言うか。」汐梨。「まっ。今の現代っ子も、あんまり使わない言葉、だけどね~~。まっ。中には、そんなの知らないけど…。って、現代っ子も、いるはず~~。」口を尖らせて。そして、「はははは。」耀司、睦美と汐梨に、「あ、俺、仕事な。」汐梨、「了解。」睦美も、「はい。お疲れ様です。」そして耀司、部屋に入って、「へぇ~~ぇえ~~。コスチュームかぁ~~。」そして、「はは。…もしかして、望月さんも睦美さんも、コスチューム着て、ステージに立つなんて。」椅子に座りながら、「…あったり、なんか、したりしてね~~~。」そして…。4月。芙美花、高校3年生。そして汐梨、ここに来て、高井戸家にてスマホで、「もしも~~し。」その電話に、「あら、汐梨~~。元気か~~ぃ。」「うん、元気。あのね。」電話の相手は母、香奈枝である。つまりは汐梨と耀司の実家、和歌山の母である。香奈枝、電話で話を聞きながら、「え―――――――っ!!!」廊下で足の爪を切りながらの壮一郎、ビクン「…つ。」右目を歪めて。そして、後ろに顔を、「何だぃ、いきなり~~。」香奈枝、受話器を持って、「おとうさん、おとうさん。大変。」右腕を大きく手招きで亭主を。「耀司が再婚。」その声に壮一郎、驚きながらも、「え、え~~~ぇえ~~っ!!!」女房を見て、「何々、何も聞いてねぇぞ。」香奈枝、受話器を亭主に。壮一郎、受話器を耳に、瞬きしながら、「もしもし。」受話器から、「あ、とうさん。」汐梨の声。「あのね。兄さん、6月に、結婚する。つまりは~~。再婚。」眉間に皺を寄せての壮一郎、「な、何じゃ、そりゃ。耀司が結婚、再婚…???」受話器から、「うん。あのね。本当はさ。この1年近く、何だかんだあってさ。ん~~。つまりは~~。去年の、芙美花の修学旅行辺りからね~~。私が、兄さん家に家事の手伝いするようになってからさ~~。………。」壮一郎、まだまだ眉間に皺を。「うんうんうん。」そして…。話を聞きながらに…。壮一郎、「へぇ~~~。」顔を小刻みに振りながら。「いやいやいや。…そういう…。」 ママでいい…。 vol,331. 「誓さん、思いやりのある人、周りの人を大切にする人。だと、俺は思うけどな~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.19
コメント(0)

「うそ。へ…???」景織子、そして千愛も詩乃も口に手を。そして3人共に、「え――――――っ!!!」「奇麗~~、」「可愛い~~。」「凄~~~い。」芙美花、笑顔で自慢げに、「へっへっへ~~~。」景織子、「うそうそうそ。38歳って…。全然そんな風に見えな~~~い。凄ぇ~~~。」芙美花、ニコニコ顔で、「でっしょう~~~。」千愛、「何々、なんで、こんな奇麗な人が~~。」詩乃も、「わ~~お、とにかく凄い。」そこに清水が…。4人に、「な~~~にぃ~~???…ふふふ。」いきなり千愛、「先生、先生。ちょっと、ちょっと。」清水、キョトンとしながらも、「???」千愛、いきなり芙美花からスマホを取り上げて。芙美花、「わお。」千愛、清水に。そして3人の背中に両腕を。渡り場の方に。芙美花、「ははは。やれやれ。」千愛、清水に、「これ~~~。」見れば、芙美花と睦美が高井戸家のリビングでのツーショット。千愛、「芙美花のママになる人、この人です。」画像を見て清水、いきなり目を真ん丸にして、口に手を。「え…???…うそっ。」すぐさま芙美花を見て、「え…???…芙美花さん…???」芙美花、清水に真っ赤な顔で、「えへへへへ。あ、はい。私の、ママになる人です。」清水、まだまだ目を真ん丸にして、「え…???え…???…凄い、奇麗~~~。…と、言うか、可愛い~~。え~~~~っ!!!」景織子も詩乃もニコニコと、「でっしょう~~。私たちも、今、見て、驚いたんです。」芙美花、「昨日、撮ったばっかり。インフルもあったし。それに、その後も何だかんだで、ゴタゴタと~~。それに…。ははははは。家に帰れば、今度は、あなたは勉強に集中って、すぐに2階に追いやられるし~~。キッチンはおばちゃんと睦美さんに占領されてるから~~。」景織子、「むつみさんって、言うんだ~~。名前。」芙美花、コクリと。「うん。まなべむつみさん。」清水、「へぇ~~ぇえ~~。」そして、未だに画像を見ながら、「それにしても、奇麗だわ~~。」千愛、画像をスワイプして、「あ、あれ…???」芙美花に、「じゃあ~~。この人が…、その、おばさん…???」芙美花、「あぁ、うん。うんうんうん。」景織子も詩乃も、清水も、「へぇ~~ぇえ~~。」千愛、「…ってぇ、事は~~。」またスワイプして、「おっと。これ、おとうさん。」清水、「うん。確かに。これ、芙美花さんのおとうさん。見た事、ある。」千愛、清水に、「へ…???…先生。」清水、「あん。それこそ、おかあさんのお葬式の後に~~。お家にお伺いしてね~~。」芙美花、「あ、はい。」清水、芙美花に、「もぅ~~~。安心だよね~~。良かった~~。先生も嬉しい~~。」そして芙美花に、「じゃあ、これで、亡くなったおかあさんに言い報告、出来ちゃうね。」芙美花、清水にお辞儀をして、「はい。ありがとうございます。」「はい。ホームルームの時間。教室に入って、入って~~。」4人共に、「は~~~い。」「ジャ~~~ン。これってどぉよ。」と、孔太から送られてきた1枚の写真。睦美、目を真ん丸にして口に手を、「え――――――っ!!!…凄~~い。」トイレから戻った汐梨。睦美が、「汐梨さん、汐梨さん。これ。」「うん…???…何これ…???…へっ…???…ココルキーメンバーのコスチューム…???」すぐに孔太に通話。2回のコールで、「はいは~~い、眞鍋さん、見てくれた~~???」すぐさま睦美、スピーカーで、「孔太さん、凄い、これ…。かっこいい~~。」スピーカーから孔太の声、「でっしょう~~。実は~~、俺の彼女、仕事がアパレルなんだ。」汐梨も、睦美も、「アパレル。」「あは。その声、木守さんも一緒。」汐梨、「あん、うん。孔太君、お疲れ様~~。」孔太の声、「お疲れ様です。…え…???…って、眞鍋さん、今、何処…???」睦美、「あ、はい。高井戸家です。」「高井戸家…???」汐梨、「あん。睦美さん、高井戸耀司、私の兄さんと結婚すんのよ。」いきなり孔太、「え――――――――っ!!!」汐梨、そんな孔太の驚きに、「あれ…???…言ってなかったっけ…???」スピーカーから孔太、「いえいえいえいえいえ。全然。全然、全然。うそ~~~。知らなかった~~~。ひぇ~~~~。」その声に睦美と汐梨、ニコニコと。孔太の声、「聞いてないっすよ~~~。かぁ~~~、知らなかった~~~。あ、おめでとうございま~~す。」そんな孔太の声に、睦美、汐梨、「はは。ありがとう。」汐梨、「…で、このコスチューム。」孔太、小型のワゴン車の荷台に腰を下ろして、「バンドが~~、ダイナムスと契約したって彼女に言ったら、いきなり、みんなのコスチューム作るって言い出して、みんなの採寸取って、作っちゃったんすよ~~。みんな、遠慮してましたけど、折角だしって。だから~~。今度、望月さんと眞鍋さんの採寸もお願いって事で。」睦美、いきなり、「え――――――――っ!!!」汐梨、「かかかかか。な~~るほどね~~。そっか~~。」 ママでいい…。 vol,330. 「じゃあ、これで、亡くなったおかあさんに良い報告、出来ちゃうね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.18
コメント(0)

「…で…???」耀司。「いつよ、結婚式。」汐梨、耀司に、「あ、うん。6月8日~~。大安なのよ~~。」耀司、「6月8日…???…ってぇと…。」壁のカレンダーを見て、「日曜日。」芙美花、大喜びの顔で、「わぁ~~~、はははは。うっれしい~~~。」そして…。眞鍋家では…。暁美、「はははは。おやおや。式場も日取りも…。かかかかか。そうかぃ。」晄史、「かかかか。さっすが~~、木守さん。なんたって、セレモニー勤務だから~~。」誓も、ニコニコと、「うんうんうん。」勝臣も汐梨から、「6月8日~~。」汐梨、「パパ、しっかりと有休ね。」その声に勝臣、ニコニコと、「OK~~。」睦美、ピアノ演奏を終えて。既にピアノの周りには新郎新婦と出席者たちが、大きな拍手。セレモニー花柳での3回目の結婚披露宴ピアノ生演奏。これも恒例となっている写真撮影。既にセレモニーのエントランスには過去の結婚披露宴ピアノ生演奏の写真も…。眞鍋睦美による結婚披露宴ピアノ生演奏、評判になっていた。スタッフからも激励を。そして、竹澤からも激励を受けていた。「眞鍋さん、ありがとう~~。ホントに感謝。うん。はははは。」時には、竹澤から汐梨も同伴での食事の誘いなども…。そして、スタッフ始め、竹澤からも、眞鍋の結婚の知らせに大絶賛。「羨ましい~~。眞鍋さんみたいな奇麗で可愛い人の旦那様になる人って…???」その声に汐梨、「私の兄。」これにはスタッフも竹澤もビックリ。「うそ―――――っ!!!」そして汐梨、ふたりのなり染めを話すのだった。それにスタッフも竹澤も、「へ~~~~。」そして、芙美花は春休み。当然ながら、「芙美花~~。しっかりと勉強~~。家事は私らに任せな。」と、尻を叩かれる日々。既に春休み前から午後からの高井戸家のキッチンは汐梨と睦美が占領していた。そして…、いつものようにふたりで高井戸家のリビングでお茶しながら、「本当はね~~。」汐梨。「私も、そろそろ、高井戸家の家事代行、引退しようとは、思ってるんだけどね~~。」なのだが。睦美から、「え~~~。お願いですから、もう少しだけ。」意地悪そうな顔をしての汐梨、「なんだ、けど~~。パパから言われちゃった~~。何言ってんの~~。この際、姑みたいにやっちゃった方が、いいんじゃない~~???…ですって~~。」その声に睦美、目を真ん丸に、「へ…???」目をキョロキョロとして、「しゅう…とめ。って…。あの…、お姑さんの事…???」汐梨、睦美に、「あん。まっ。そういう事。つまりは~~、ほら。誓さんの場合~~。睦美さんのおかあさんが姑になるでしょう~~???」「ぁあ~~~。うんうんうん。なるほど~~。」すると、思わず睦美、「ぷっ。」その笑顔に汐梨、「うん…???」睦美、「じゃあ~。汐梨さんは~、私にとっては、可愛い姑さ~~ん。」そんな声に汐梨、「は…???…か。かかかかかかか。はは。そっか~~。そうなるか~~。」耀司、廊下を。「うん…???…何の話し…???」睦美、「あん。汐梨さん、私にとっては可愛い姑さんって話、してたんです。」その声に耀司、眉間に皺を寄せて、「姑…???…汐梨が…???」僅かに顔を傾げて…。「あん。まっ。確かに。そういう風にも、言えるか~~。はははは。うんうんうん。」けれども。「まっ。ただ~~。可愛いって言うのは…。」すかさず汐梨、ぶすっとしながらも、「何よ。」一気に耀司、鼻の下を伸ばして目を真ん丸にして冷蔵庫に向かって、「しゅみませ~~ん。聞かなかった事にしてくださ~~い。」そんな耀司を見ないがままに汐梨、ぶすっとコーヒーを啜って、「何だかね~~。」睦美は申し訳なさそうな顔でニコニコと。「すみませ~~ん。」汐梨、「でも~~。本音、言っちゃうとね~~。毎日、睦美さんに会えるのが嬉しくって。そっちの方かな~~。ここに来るのって。」麻沙美は床にうつ伏せになってバセットの顔を見ながらのお絵描きをしている。そして…。3月も終わりに近づこうとしているある日。神林から望月にライン。新曲の依頼である。望月、神林に、「ありがとうございます。すぐにでも掛かります。」そして、その報せに睦美も快諾。どうやらココルキー、ダイナムスとの契約に漕ぎ付けたようである。耀司、汐梨と睦美に、「凄ぇな~~、ココルキー。ダイナムスと契約かぁ~~。」汐梨、「うんうんうん。いよいよ、走り始めたみたい。今、望月さん、次の曲、作ってるみたいだから。それに~~、睦美さんの編曲。」睦美も、「はい。たのしみです。」そして…、こちらでは…。教室の廊下で景織子たち、芙美花に、「あ~~ん、どんな人よ~~、芙美花のおとうさんの結婚相手~~。気になるじゃんよ~~。」その声に芙美花、「へっへ~~。」 ママでいい…。 vol,329. 睦美、「じゃあ~。汐梨さんは~、私にとっては、可愛い姑さ~~ん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.17
コメント(0)

そして…。それぞれ、帰路を。晄史、歩きながら、「青畑部長のあの顔、さすがだよね~~。」誓、「うんうんうん。全然、見る目、違ってたから~~。」晄史、望月に、「でも、望月さん、凄いですよ。素敵な曲ですよね~~。」望月、その声に嬉しそうに、「ありがとうございます。…でも~~。詞を書いてくれた神林さん、もぅ~~、とにかく最高~~。」睦美、「うんうん。私もそれは感じたな~~。…まぁ、確かに…???…奥様からダメ出しされた~~って言うのは聞いたけど~~。それでも、あんな風に詞が出来るなんて。」誓、「詞的センス…???…書き続けているって言うのは、やっぱり、凄いんですね~~。」そして…、望月を見て、「望月さんも今まで…。」望月、「あ、えぇ。100曲は、ありますね。家に帰ったら、青畑部長にメールで送りますけど。」誓、頷きながら、「うんうんうん。お願いします。彼らの存在だけで、大きな力が表現できるって感じのって聞いて、これは、来た~~~。ってなっちゃったから~~。」そして、こちらでは…。運転しながらの耀司、「とにかく、感動だね~~。」助手席の汐梨、「うんうんうん。はは。」耀司を見て、「もしかしたら、CDデビュ~~???」耀司、ニタリとして、「有り得るかも…。ただ…、業界…的には、かなり、大変ではあるとは、思うんだけどね~~。売れるか売れないかの、世界だから。」後部座席から前に繰り出しての芙美花、「でもさ。やっぱり凄いよ。当然、曲もそうだけど、詞…???…凄い、素直に耳に入ってくるの。」汐梨、「確かに。自然に、いいな、これ。…って感じるからね~~。」「うんうんうん。確かに。それは言える。」耀司。「でも、凄いよ。」汐梨、耀司を見て。「…で、仮にCDデビューなんてなったら、どうなるの…???…あの曲でのCDデビュー…???」そこまで言って汐梨、「かっかかかかかか。凄い、凄い。ある意味、睦美さんも…???…もしかして、メジャー…???…デビュー…???」芙美花、目を見開いて、「うそっ。」汐梨、「いやいやいや。」耀司を見て、「だって、あの流れだと、そうだよね~~。長い付き合いになるって。」運転しながらもニヤニヤしながらの耀司。「ま、まぁ~~。そんな、感じだったよな~~。」芙美花、目を真ん丸に、そして父に、「凄い、凄いじゃん、おとうさ~~ん。奥さんになる睦美さんがメジャーデビュ~~。ヒュ~ヒュ~~。ははは。」耀司、またまたニンマリとして。汐梨、そんな耀司を見て、「ふふふふ。うん。確かに。」眞鍋家。ソファでコーヒーを飲みながらの暁美、「へぇ~~え~~。凄いじゃないかぃ~~。長い付き合いになると思います、か~~。」晄史、「うんうんうん。いい流れだよね~~。」誓、「あ~~ん、もぅ~~、最っ高~。」そして、義姉を見て、「お義姉さん、良かった~~。」睦美も、ニコニコと、「うんうんうん。」暁美、「それはそうと、睦美~~。」睦美、母に、「うん…???」「おまえたち、結婚式、どうするんだい。」いきなり晄史も誓も、「あ~~~~~。」睦美、それぞれを見て、「え…???…あ。…いや…。それ…は~~。」晄史、誓を見て、「どぅ…。」「任せなさい。…と、言うか。…やる。うん。」汐梨。思わず、睦美、「え…???」耀司、そんな汐梨を見て、「ん~~~~~。ん~~。…確かに。」語尾を強めて。睦美、耀司を見て、「耀司…さん。」耀司、汐梨を見て、睦美を見て、「うん。まぁ~~。俺の場合…???…だったらさ。結婚式。もぅ、一度、やってるから…。その…、あれなんだけど~~。でも…。」また、汐梨を見て。汐梨、そんな耀司にコクリと。耀司、「睦美さんは~~。…当然ながら~~。初めてなんだし。…って言うか、子連れの…、男性で。」いきなり汐梨、「スト~~ップ。それ、芙美花の前で行ったら~~。」右手拳を振り翳して。耀司、「あ、あ、あ、あ…。…確かに。うんうんうん。悪かった。悪かった。」汐梨、「それは~、芙美花に言うセリフ~~。」「うんうんうん。はいはい。俺の失言。」「どんだけ睦美さんと兄さんが結婚するの、芙美花、嬉しいと思ってるか~~。」耀司、汐梨に頷きながら、「はいはい。はいはいはい。分かりました~~。」そして、睦美を見て、「そういう事だから~~。しっかりと、結婚式は、しましょう~~。」汐梨、睦美に、ニッコリと。「うんうんうん。しっかりと。私に。お任せ、あれ。」学校から帰っての芙美花、「あ~~~ん、絶対よ~~。絶対にやろう~~、結婚式~~。…私、睦美さんのウェディングドレス、見たい~~~。」そんな芙美花に睦美、ニコニコと。「ふふふふ。」汐梨、「…でもって~~。日取りはもぅ、決まりました~~。」耀司も芙美花も、目を真ん丸に、「うそ~~~。」睦美、「汐梨さん、セレモニーに電話してたんです。」耀司、「ぬかりな~~~。」汐梨、ムスッとして耀司に、「あったりまえでしょ、そんな事。」 ママでいい…。 vol,328. 「おまえたち、結婚式、どうするんだい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.16
コメント(0)

緊張を隠し切れないココルキーのメンバーたち。けれども…。望月、そして睦美。他にも晄史や誓を始めとする広報部長、そして、耀司と汐梨、芙美花と言う数名の観客を目の前に。そして…、スタジオ内は静かに…。やがて…。キーボードから…。やさしい旋律が…。やがて、ボーカル。何やら誓とその部長が話し掛けている。晄史は曲を聴きながらにニッコリと。芙美花、聴きながらに、「はは。また、涙、出て来る~~。」もう既に睦美の左腕を占領している。そんな芙美花を見ながらに、汐梨と耀司、顔を見ながらニッコリと。望月、右腕を胸に。そして左腕は肘を曲げて頬杖を就くような姿勢で。何ともゆったりと。ドラムでサビに。そして、ギターの間奏。耀司、聴きながらに、「中々どうして~~。」汐梨も、「うんうん。納得~~。」盛り上がるサビのリピート。そして…、エンディングは堂々と。余韻を残しながらの…、演奏終了。大きな拍手。「凄い、凄~~い。」「いや。実にいいよ~~。」ダイナムズの広報部長の青畑も、頷きながら…。芙美花、目にハンカチを。耀司、そんな芙美花を見ながら、「はははは。」芙美花、そんな父に、「だって、凄いんだもん。」そして、望月を見て、「これ、望月さんが作曲した曲。」望月、芙美花にニッコリと、「うん。でも、原曲だけだから。」そして、眞鍋を見て、「こんな感じにアレンジしてくれた眞鍋さん、凄いよ。」眞鍋に、「眞鍋さん、ありがとうございました。」睦美、その声に、「いえいえ。どういたしまして。」青畑が、神林に駆け寄り握手を。「どうもありがとう。素晴らしかった。」神林、青畑と握手をして、「ありがとうございます。」そして青畑、メンバーたちを見て、「どお…???…ウチでやってみる気、ない…???」いきなりの言葉に神林、「え…???」青畑、「やる気があるなら、考えてみて欲しい。面倒、みたいけど…。育ててみたいって、いうのはある。」その声にメンバーたち、顔を見合わせて、「おぉ~~。」望月も驚いて、「凄~~~。」睦美も音の出ない拍手。そして、誓に、「凄い、凄~~い。」耀司も、「おほ。凄い事になってきた~~。」芙美花、頷きながら、「うんうんうん。」青畑、「音もいい感じで出ていると思うの。それに、今の曲。」すかさず誓、望月と睦美に手を。「ふたりが手掛けた曲です。」青畑、ふたりを見て、「あなたが、望月さん。名前は…???」望月、「あ、はい。望月優茉(もちづきゆま)と言います。」青畑、望月を見てニッコリと。「うん。そして…。」睦美、一礼をして、「眞鍋睦美(まなべむつみ)と言います。」「誓さんの義理の。そして、晄史さんのお姉さん。」睦美、「あ、はい。」青畑、ニッコリとして、「はは。いいセンスしてる~~。聞けば、このメンバーに新しい楽曲って~~。うんうんうん。中々素敵な曲~~。聞かせてもらった。ありがとう。…ふふ。もしかして~~。行けるかも。…と、言うか、聴いてて、何だか、新鮮なのよね~~。…で、ス~~ッと入って行ける。曲もそうだけど、詞的センスも。耳に心地よく入って来る。」そして青畑、「出来れば、もっと聞きたいけど。」孔太、「あ、はい。」タブレットを持って、「これに…、僕たちの全部の曲が収録してあるんですけど。」青畑、ニッコリと。「うん。ありがとう。じゃ、後で送ってくれる…???」孔太、ニコニコと、「喜んで。」「それと~~。」青畑、望月に。「あなたの…。」望月、「あ、はい。」戸惑いながらも、「わ、私も、あ、はい。送らせて頂きます。」ニッコリと青畑、「えぇ。お願い。まだ、ココルキーの曲、2曲しか聞いてなくって。だから、今、初めて違う曲聞いて、全く違うエッセンスだから、すぐに興味がねぇ~~。」青畑、誓を見て、「誓さ~~ん。」思わず誓、青畑にニッコリと。「でしょう~~、部長~~。」青畑、誓を見て、両眉を上下に、「はは。やられた。…そして…。面白くなってきた…かな…???」耀司、汐梨に、「何だか…。」汐梨も、頷きながら、「うんうんうん。」青畑、メンバーたちを見て。そして、望月と眞鍋を見て、「長い付き合いに、なりそうね。」この時、既に青畑にはある青写真が…、出来上がってはいた。誓、青畑に、「部長、ありがとうございました。」そんな誓に青畑、顔を左右に、「ううん。私の方こそ。新しいものを持ってる。育ててみたい。そう感じたのよ。」そして青畑、メンバーたちを見て、「ただ…。原石…と、言う訳じゃないんだけど~~。それに…。…磨きたいって感じじゃないのよね~~。何かしら。…沈黙を持つ心を信じたい。的な…。彼らの存在だけで、大きな力が表現できるって感じの…。」誓に青畑、「ふふ。分かるかしら…???」誓、青畑に、苦しそうな笑顔で、「あはははは~~。勉強させて頂きます。」ペコリと。青畑、そんな誓に微笑みを。 ママでいい…。 vol,327. 「彼らの存在だけで、大きな力が表現できるって感じの…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.15
コメント(0)

養護室から出て芙美花、清水にまたお辞儀をして、ドアを閉める。待ち構えていた景織子に千愛、詩乃、芙美花を取り囲んで、「やった、やった。」「うんうんうん。」「ははははは。」そんな、養護室の外から聞こえる賑やかな声を聞きながらの清水、腕組みをしながらも顔を左右に緩やかに振りながら、「いやいやいや。何と。高井戸さん、凄い事。結婚する相手の女性が、元ピアニスト。で、今はピアノ講師。…で、今度は、曲の編曲。…何とも、凄過ぎない…???…しかも、38歳って。…芙美花さんの、ママ。」そして…、この件に関しては、学校長の舘脇、そして教頭の季久美、兼高、養護教諭の神代と言う風に、極々僅かの教職員のみの情報として極秘扱いに。舘脇、ニコニコとしながらも。そして、顔を傾げながらも、「いやいやいや。何とも…。」そして、両手を伸ばしてガッシリと組みながら、可笑しくて、嬉しくてならない顔で、清水を覗き込むように。そして、季久美をも覗き込むように見ながら。教頭の季久美も唖然としながらも戸惑いも隠せず、「ん、ん~~。何とも。」清水、舘脇の前で、笑顔で、「はい。」舘脇、顔を右に左に。「いやいや。驚きましたね~~。いやいやいや。…元ピアニストで、今はピアノ講師。…で、曲の編曲で、38歳。…高井戸さんの7つ下。…でもって、奇麗に可愛い。芙美花さんのママになる人。」そして季久美に、「いやいや、教頭~~。」季久美も、不思議なような顔でも、笑顔で、「はい。」コクリと。「でも、嬉しい限りです。」舘脇、清水に、可笑しがりながら、「いや…。」まだ両手を伸ばしてガッシリと組みながらの姿勢で、そして、額に皺を寄せながらの笑顔で、「どんな人なんですかね。」清水も、「私も…、気になるところですが、それ以上は…。」数回頷きながらの舘脇、「確かに。うんうんうん。」…そして…。3月。博楼高校は、無事にひとりの欠席者もなく、卒業式を迎えるのだった。各々のスケジュールを調整しながらの…。ココルキーの、望月と睦美の作曲、編曲で完成された、「君の街へと」の初披露を、スタジオ兼アパートの一室で聞いてもらいたいと孔太からの望月への連絡。その予定日の3日前に、誓から睦美にライン。「え…???…うそ。…広報部長が、ココルキーを直に見て聞きたいって…。」高井戸家で。すぐさま汐梨に。「汐梨さん、これって…。」汐梨にラインの画面を見せて。汐梨も、「広報部長が、ココルキーを直に見て聞きたい。うそ。」睦美を見て目を真ん丸に。そして、「兄さ~~ん。」耀司の部屋に大声で。そして、ドアをコンコン。ドアを開いて、「兄さん。」耀司、ドアの方に。汐梨を見て、「あん…???」汐梨の後から睦美も。汐梨、睦美のライン画面を耀司に。「これって。」耀司、「うん…???…広報部長が、ココルキーを直に見て聞きたい。」汐梨、「…って事は~~。」耀司、口を尖らせて。目をキョロキョロと。「ふん。…もしかして…。ココルキー、気になる…???」汐梨、間髪入れずに、「だよね。」そして、また、「だよね。だよね。だよね。」耀司もニコニコと。「うんうんうん。…多分。」汐梨、睦美に、「もしかして、ダイナムズも気になる~~???…ココルキー。」思わず睦美、笑顔に、「え――――――っ!!!」耀司、睦美に、「誓さんに確認してみたら。」睦美、「あ、あ。…はい。」汐梨からスマホを受け取り、そのまま誓に。そして、リビングに。3回のコールで誓の声、「もしも~~し、お義姉さん…???」睦美、「誓…???…今のラインって。」スマホから、「うんうんうん。…もしかして、ココルキー、化けちゃうかも。部長が、いいね、これ~~って~~。」睦美、途端に、「うそ~~~~。」誓の声、「うん。…で、ほら。お義姉さんたちの作った曲の初披露…???…スタジオ兼アパートでって。是非、同席させてもらえたらって~~。」椅子に座ったままで睦美、「え~~~~???」そんな睦美をキッチンから見て、ニコニコ顔の汐梨。そして…。芙美花も学校から帰ってその話を。ますます、その話で盛り上がる高井戸家のリビング。睦美、芙美花に、「うんうんうん。…で、望月さんと神林さんにはすぐにライン。どちらもOK。信じられないって。」芙美花、「え~~~???…じゃ、もしかして、気に入ってもらえたら、CDデビュー…???…凄~~~。」耀司も、「まさかね~~。」そして、「ダイナムズ。うんうんうん。大手レーベル~~。」睦美、「晄史も、もしかしたら、もしかして。かも。ははは。って。」汐梨、「うんうんうん。」そして…。当日。ココルキーのメンバーたちと直接の対面。ダイナムズの広報部長の青畑乃梨子(あおはたのりこ)。メンバーたちに名刺を渡しながら。汐梨たち。「何度も言うけど。女性の部長さんだったんだね~~。」誓と晄史、「うん。」 ママでいい…。 vol,326. 「…じゃ、もしかして、気に入ってもらえたら、CDデビュー…???…凄~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.14
コメント(0)

「もぅ~~。何とも嬉しい限り~~。ラインで、耀司さんと結婚します。な~~んてメッセージ来るんだも~~ん。いきなり、え――――――っ!!!って~~。」ニコニコ顔で。睦美、「ははは。」けれども僅かに申し訳なさそうな顔で、「ほんとうに、突然で申し訳ありませんでした。」「ううん。」汐梨、笑顔満面の顔で。「と~~んでもな~~い。もぅいきなり心臓がバックン状態。パパ~~~、兄さんと睦美さん、結婚決めた――――――っ!!!…って、大声で。かかかか。パパもいきなり寝室に入って来てびっくり~~。」ますます顔を崩しての睦美、「本当にいきなりでごめんなさい。」睦美に右を招き猫して、「な~~に言ってる~~。んもぅ~~。これが喜ばずにいられますかって~~。はははは。」睦美、「あ、ちょっと耀司さんに。」汐梨、「うんうんうん。」睦美、耀司の部屋のドアをノック。「睦美で~~す。今、来ました~~。」部屋の中から、「あ~、は~~い、おかえり~~。」ドアの外から、「ただいま。です。」「これ、片付けてから行く~~。」「は~~い。」ニコニコと睦美、リビングに。汐梨、キッチンから、「何から何までありがとうねぇ~~。かかかか。さすがに睦美さん、シンクから冷蔵庫、キャビネットまで完璧。はは。」睦美、椅子に座って、キッチンに向かって顔をコクリと。「恐れ入ります。」そして汐梨、僅かに顔を傾げて、「うん…???」そして、「ふふふふ。」すぐさま睦美に振り向いて、「ねね、睦美さん。」睦美、目を大きく、汐梨に、「うん…???」汐梨、ニッタリとして、「ニシシシシ。この際、料理は後で、ふたりでやるとして~~。こんな家だけど、ふたりでお茶、しようか。」その声に睦美もニコニコと。「え~~。うんうんうん。いいですね~~。」「そうとなれば~~。コーヒーっと~~。」睦美、そんな汐梨に、「ふふふふ。」そして…。こちらでは…。博楼高校。岬、「あれ…???…どうしたんすか、神代先生、この時間…。…もしかして…、またインフルで誰か~~???」職員室の自分の席で神代。そこに兼高、「何やら、2年B組と他の仲良しカルテット。3人で養護室の外で。何かしら。」岬、兼高の声に、「は…???」神代、白衣姿で、「ふふふふ。な~~にかしらね~~。」ニコニコと。岬、顔を歪めて、「はぁ~~ぁあ~~???…2年B組と他の仲良しカルテット…、3人。……、…って、事は…。清水先生…???」清水、芙美花に、「うんうんうん。大変だったよね~~。」その声に芙美花、清水にコクリと。「ご心配、お掛けしました。」清水、芙美花を見て笑顔で。「…で…???…今度は…???」笑顔のままで僅かに顔を傾げて。芙美花、僅かにもぞもぞと。「あの…、ですね~~。」養護室の外で聞き耳するように景織子、そして千愛と詩乃。詩乃はインフル罹患時、常に芙美花とラインしながら、「頑張ろ、ふたりでしっかりと1週間で学校、復帰。」「うんうん。了解。」千愛、「あん。でも、嬉し過ぎ~~。芙美花~~。ようやく~~。」また、目を潤ませて。景織子も同様に、「うんうん。だ~~ねぇ。」詩乃、音の出ないバタバタ。「あ~~ん、もぅ~~。かかかか。最高だよ~~。」養護室の中から、「え…???…ほんと…???」清水の声。養護室の外では3人、ガッツポーズで、「や~~った~~。はははは。」清水、芙美花からの言葉に、目を真ん丸にして笑顔で、「凄いじゃない~~。え~~~???…いつの間に~~???…はははは。」芙美花、「私が…、インフルに罹った時です。…おとうさん、決めたって。で、その人も私に。うん、分かったって。」清水、顔を傾げて、「え…???…芙美花さんに、うん、分かったって…。おとうさんと結婚する人って、芙美花さん、会った時。」「うん。」コクリと芙美花。「いつも、家には来ているので…。」清水、目を真ん丸に、「へぇ~~~。そうだったんだ~~。それも凄~~い。…って、言うか、その人が、前に話のあった…???」芙美花、その声にコクリと。「はい。…でも、結婚という事まで、中々。…で、おばちゃんが、中に入って。」清水、「うんうんうん。そっか~~。」そしてまた、「うんうんうん。おめでとうだよ~~。…で…???」僅かに顔を傾げて、「こんな事、教師が生徒に…。プライバシーな。…どんな人なのかな…って。」「私のママになる人、元ピアニストで、今、ピアノ講師です。」いきなりの声に清水、瞬きしながら、「ママ。…元ピアニスト…。今、ピアノ講師…。……。…って、凄い。」思わず芙美花、ニッコリと。「…で、最近から、曲の編曲…???…始めました。凄い素敵な曲。」清水、ますます驚かされて、「わ~~お、凄~~い。いやいやいや。」すぐさま芙美花、「今、38歳です。」「38。えっ。」またまた清水、目を真ん丸に。ニコニコと芙美花。 ママでいい…。 vol,325. 「私のママになる人、元ピアニストで、今、ピアノ講師です。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.13
コメント(0)

インフルエンザ感染から4日目。ここまで来ると既に。芙美花の熱は落ち着き、部屋着で家の中を。「動いていないとやっぱり、しっくりこないや。」耀司、テーブルでコーヒーブレイク中にそんな芙美花を見ながら、「まぁなぁ~~。…って言うか、おま、今年からは受験勉強。」そんな父に、こちらもコーヒーを作りながらの芙美花。「うん。」ニコニコと。そんな笑顔の芙美花を見ての耀司。「うん…???…随分と嬉しそうに。」「だ~~って~~。毎日、睦美さん、来るんだも~~ん。はは。」「まっ。確かにな~~~。」「…ってか、おとうさん。たまには睦美さん、どっかに連れて、本当にデート~~。毎日、家の中でじゃ、つまんないでしょう~~。」そこまで言って芙美花、キョトンと顔を傾げて、「あ、そっか。おかあさんとのデートで行ったとこだっけ。」耀司、コクリと。「あぁ。睦美さんからの提案でね。その方が自然だって。まっ。そうすりゃ~~。途中で行きたいところなんて、いろいろと出て来ると思うからって。」「な~~るほどね~~。」すると、芙美花のスマホにラインの受信音。「おっと、詩乃。…うん…???…あは。曲聞いた~~~。凄~~い。うんうんうん。これどうしたの…???…初めて聞くけど~~、かぁ~~。」耀司、そんな芙美花を見て、「うん…???」芙美花、ニンマリしながら、「へへへへ~~。君の街へと。詩乃に動画、送っちゃった~~。…てか、景織子と千愛にも。」いきなり耀司、「うそ。」「ほんと。」耀司、コーヒーを飲みながら、僅かに顔を傾げて、「まぁ。うん。…でも。…何れにしても、多くの人に、聞いてもらいたいしね。」芙美花、ニコニコと、「うん。」そして、芙美花、「でもさ~~。」「うん…???」耀司。「この曲、聞いてるとさ~~。なんか、聞くたびに、涙が出るんだけど。物凄い、温かくって、もの凄い、優しい。…でもって、胸にキュンと来る。でぇ~~。物凄い、大事にしたいって感じになれる。ん、だけど。」耀司、そんな芙美花に、「はは。うん。…確かにね~~。おとうさんは、この曲聞いて、とにかく新鮮。…って、思ったね~~。」「新鮮。」芙美花。「あぁ。」耀司。「何か、新しい芽が芽生えるって感じで。」「ふ~~ん~~。」芙美花、スマホの画面に指で。耀司、「さて。そろそろやるか~~。」芙美花、「あん。うん。あ。お昼、私、作るから。睦美さんにもそう言ってあるから。夕食と、明日の朝食の作り置きだけお願いって。」耀司、「おぅ。」汐梨が高井戸家に来れなくなっている1週間。逆に睦美、耀司との結婚の決意をして以来、嬉しそうに高井戸家に毎日。玄関を開けると、待ち構えているバセット。そしてスキンシップ。いつも通りに睦美に甘えるバセット。そんなバセットを愛らしく抱き締める睦美。「ん~~~。バセット~~。あはははは。可愛い~~。」ただ、極力、芙美花の出入りは、トイレ。そして風呂は耀司が入った後。そして、キッチンにも可能な限り控えるように。そして…、芙美花の部屋に入るときはとにかく、感染対策。マスクとグローブは必須。芙美花もそれを徹底している。実に。インフルエンザに罹患している家庭に何故他人が出入り出来る…???…と、いう事になるからである。いつも、朝と午後には見掛ける芙美花の姿がない。それに、高井戸家に出入りする若い女性。つまりは近所の目がある。しかも、いつものバセットの散歩に芙美花の姿がない。結局、耀司、近所のおばさんから尋ねられて、「いや~~。芙美花、今、インフルで。1週間、学校、休みなんすよ~~。…で、僕がバセットの散歩に。」「あらまぁ~~。芙美花ちゃん、インフル。いやいやいや。お大事に~~。今、流行ってるらしいものね~~。うんうんうん。高井戸さんも気を付けて~~。」と、なるが、実に、このやり取りだけでも、おばちゃん界隈では、なにやら、想像が…、膨らむので、ある。そして…。遂に、インフルエンザ罹患より1週間。高井戸家、木守家同様に、待機期間終了。既に、汐梨が、翌日から高井戸家に出入り解禁となる日に睦美にライン。…と、言うより、結婚の決意が決まった日から、睦美は既に汐梨にはラインと電話で。それからである、耀司とのラインと電話より、汐梨とのラインと電話の方が格段に時間は長くなっていた。睦美、インターホンから汐梨の声。「あは。」そして、相変わらずのバセットとのスキンシップでリビングに。汐梨、キッチンから睦美に。「は~~い。睦美さ~~ん。」睦美もそんな汐梨の体を受け止めて、「汐梨さ~~ん。」汐梨、抱き締めながらも、「おめでとう~~。」睦美、その声に、「あは。ありがとうございま~~す。」汐梨、ニコニコと、「うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,324. 「この曲、聞いてるとさ~~。なんか、聞くたびに、涙が出るんだけど。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.12
コメント(0)

そして…。眞鍋家では…。暁美が既に朝食の準備。起きて来た睦美。「かあさん、おはよ~~。」キッチンで暁美、「あん、おはよ。どうだぃ。芙美花さん。」エプロンを着用しながら睦美、「うん。昨日、病院に行ったって。」「ふん、そぅ~~。…んじゃ、1週間は、学校、休みだね~~。」「うん。」カウンター越しに睦美、「ねぇ、かあさん。」暁美、チラリと睦美を見て、「なんだぃ。」「私、耀司さんと結婚する。」そんな睦美を見て暁美、微笑みながら、「そうかぃ。うん。おめでと。」「え…???…驚かないの…???」そんな睦美に暁美、「はははは。物凄~~く、驚いた。はははは。」「は…???」「嬉しいに決まってるじゃないか~~。本音を言えば、いつまで待たせるんだぃって、思ったくらいだから~~。こっちはもぅ~~。いつか、いつかって~~。」そんな母に睦美、思わず口を尖らせて、「…ご、めん。」暁美、ニコニコと。「まぁねぇ~~。考えてみれば。」遠くを見るような目で暁美。「高井戸さんも、中々ね~~。ここまで来るのには、あれこれと。…まま。ようやっと、踏ん切りが着いたって言うか。まっ。今回の芙美花さんのインフルがそもそものタイミングだったんじゃないかね~~~。聞けば、高井戸さんの妹さんも、インフルって話だし。」睦美、「う、うん。」「まっ。頑張んな。どっちにしたって、レッスンの帰りは、高井戸経由なんだろ…???」「う、うん。」お味噌汁を作りながら暁美、「昨夜は、仕事がひと段落したから、早めに休んだのさ。そうしたら、下から誓の、やった~~~。お義姉さん、遂に、結婚~~~。ひゃ~~~。ってのが聞こえてきてねぇ~~。いきなり、布団の中で、ヨシッて。」暁美、ニッコリと。睦美、「な~~んだ、かあさん、誓のあの声、聞こえたんだ~~。」「…と、言うより、誓の、やった~~で、起こされちまったね~~。かかかかか。」睦美、自分の弁当を作りながら母を見て微笑んで。暁美、睦美に体を向けて、「睦美。本当におめでとう。」いきなり睦美、母のそんな姿に目が潤んで、「うん。」そして、涙声に、「ありがと。」暁美、そんな睦美を抱き締めて、「はは。おめでと、おめでと。」「かあさん…。」そして…。こちらでも。「ほいさ。」勝臣。汐梨、「あ、ありがとう~~。」布団から起きて。勝臣、「今日の朝食は~~。梅干しと豆腐のスープ~~。」汐梨、「ん~~。いい匂~~い。」「はは。まぁ、何とか、だるさも、ひと段落、したかな…???…熱も37度2。」汐梨、スープを啜りながら、「うんうん。何とかね~~。…とは言っても、1週間はねぇ~~。…それに、パパも出勤停止なんだもん。申し訳なくって~~。」その声に勝臣、「あ、いや。でも、しっかりと特別休暇、取得、しちゃってますから~~。」汐梨も、「まね~~。それ、言ったら、私も、同じなんだけど。かかかか。…但し。家の中だけって、言うのが…。かかかかか。慣れてないせいで…。」勝臣も、「確かに。」「パパなんてそれ相応でしょう~~。感染してなくって、1週間家の中で。待期期間。…って言うか、パパも気を付けてよ~~。この上、パパもインフル罹ったら麻沙美~~。」「あん。それはもぅ~~。心得ております。だから~~。マスクに、手袋。ディスポを使っております~~。」当然であるが、汐梨は夫婦の寝室で隔離状態。勝臣と麻沙美は別室にて。汐梨のインフルエンザ罹患時の状況である。勝臣、「でも、まぁ~~。ははは。ようやっとだね~~。お義兄さん。」汐梨、そんな勝臣を見て、「うん。…はは。思えば…、ナイス、タイミング。なのかも、知れない。…って言うか~~。」勝臣、妻を見て、「うん…???」汐梨、夫を見て、「芙美花の、ファインプレイ~~。」「あぁ。宮前師長に…???」コクリと汐梨。「兄さんのスマホで、泣きながらの訴え。…しかも…、インフルで、体もだるくっての…。」前を見て、「夢の中でね~~。…兄さんにも言ったんだけど、体が弱っている時の、その時の気持ちって、余程だよって。…芙美花、こころの声、だよね~~。芙美花、泣きながらだもん。そんな娘の声だもん。…覚悟が、決まったって…、事なんだろうね~~。」そして…。睦美、レッスン終了後は真っすぐに、高井戸家に。その、2日後だった。睦美に、望月からのライン。「ココルキー、歌詞が完成しました。」そのメッセージに睦美、目を真ん丸にして、「凄~~~い。はははは。」既に曲は、ココルキーのメンバーたちから、睦美の編曲を基にされて、楽曲として完成されていた。その動画がメッセージの下に…。睦美、「あ~~~。素敵~~。」そして…。「耀司さん。」バセットを抱き締めて頭を撫でながらの睦美。耀司、「うん…???」「曲、完成しました。」瞬間、耀司、「おっと~~~。」 ママでいい…。 vol,323. 暁美、睦美に体を向けて、「睦美。本当におめでとう。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.11
コメント(0)

「芙美花さん。夢の中で私がピアノを弾いてたんですって。そして、芙美花さん自身はクラリネットを…。演奏し終わったらみんなが拍手で。」睦美。晄史、「うんうんうん。」「耀司さんに汐梨さん。汐梨さんの多旦那様に麻沙美ちゃん。そして晄史に誓。」誓、目を丸く、そしてニッコリと、「わお。」「そして、耀司さんと汐梨さんの実家の、和歌山のおじいちゃんとおばあちゃん。みんなで拍手。」誓、「うんうんうん。」「そしたらね。そんな中で、いきなりみんなの中からバセットが芙美花さんに抱き着いてきたんですって。」晄史、「へぇ~~~。」「夢の中でおかあさんがいっぱい出て来て。…でも…。そこからはおかあさんが段々消えて行った。…夢の中で…。芙美花さん、物凄い、心細かったんじゃないかな~~。」晄史、黙って前を。「そっか~~。」誓、義姉を見て、「…だよね~~。…まだ、高校生。」その声に睦美、頷いて、「うん。…その時の事を、最初は、耀司さんから、夕飯食べる前に、話を聞いて。芙美花が、師長に言うんだ。涙声になって。…宮前さんに電話してた時に、芙美花さん、感極まって、宮前さんに、おかあさん、欲しい、欲しいよ~~って言ったらしいの。そして…、睦美さんと一緒にいたい。おかあさんじゃなくって、ママでいいから、ママになって欲しいって。」晄史と誓、「ママ。」睦美、コクリと。「うん。ママ。…耀司さん、言ってた。宮前さんに、俺、睦美さんと結婚しますって。だから、耀司さん。私にも。俺と、結婚してくださいって。…私も…、体、震えちゃったけど…。」そんな睦美を優しく見つめるように晄史。誓も。そして誓、「お義姉さん。」「そして…。2階に行って、お粥を芙美花さんに。全部食べてくれて…。…そして、芙美花さんからも、夢の話し。」誓、優しく、「うん。」誓、僅かに目を潤ませて。睦美も僅かに目を潤ませている。バッグからハンカチを取って。「芙美花さん、泣きながら、私の…。…おかあさん、じゃなくって…。ママになってくれる…???…って。」鼻の下をハンカチで押さえながら、「私も…、芙美花さんに、ママでいいのって…、聞いたら、うん。ママでいいって。…私、芙美花さんに、分かったって。芙美花さん、自然に…、私に自分の体を。」晄史、姉に笑みを。「姉さん。」ニッコリと。誓、両の頬の涙を両手で拭いながら、「…おめでと。」睦美、ふたりに嬉しい笑みを。目は涙で濡れているが…。ハンカチで鼻を押さえ、目の下を押さえながらにして、ふたりにニッコリと。そんな姉を見て晄史も誓も、微笑みを。睦美、「ふぅ~~。何か、ホッとした。ははは。」晄史、「はは。」誓、「ふふ。」「着替えて、お風呂入っちゃおう~~~。」オットマンから立ち上がり、そのままリビングから…。数秒後…。誓、両手をめい一杯天井に向けて、「やった~~~。お義姉さん、遂に、結婚~~~。ひゃ~~~。」そのまま晄史に体をドン。そんな誓の体を受け止める晄史、誓を抱き締めながら、「はははは。うん。」そんな誓の声を廊下で聞いて睦美、再び目を潤ませて…、「はは。誓~~。」翌日、まだ芙美花の熱は37度台。耀司、「まっ。そんなに簡単には…。インフルエンザ、ねぇ~~~。」芙美花、「おとうさん。」「ん~~~???…睦美さんのメモの通りに。っと~~。お粥、温めてきた。少し、熱いかも…。」芙美花、今度は自分でベッドから。耀司、「おっと~~。ひとりで、起きれたか。」芙美花、まだ、弱々しい声だが、「…なんとか…、ね。…まだ、体は、だるいけど…。」耀司、そんな芙美花に、「おっ。」トレイのまま。「言っとくけど、レンチンじゃないからね。ちゃんとメモの通りに、火は通した。」芙美花、「はいはい。コホッ。」耀司、睦美の書いたメモ書きを芙美花の目の前に、「はい、この通り。」芙美花、メモを見て。すると、急に、鼻がツンとして、目頭が。「おとうさん。」急に涙声になって。耀司、芙美花に、「うん…???」「私ね…。昨日、睦美さんに。」その声に耀司、「うん。話は聞いた。」「え…???」「…って言うか、その前におとうさんが、睦美さんには、結婚してくださいって、言ったから。」すると芙美花、みるみる内に、涙声でも笑顔になって、「うそ~~~~。」耀司、そんな芙美花を見ながら、「はははは。あぁ。」「おとうさ。」いきなり芙美花、父に体を。耀司、「お~~~っと~~。お粥、零れる~~~。」芙美花、「ハッ。やば。」耀司、笑いながら、「かかかかか。うんうんうん。何とか、大丈夫…、かな…???」芙美花、「うん。」コクリと。「しっかりと治す。」 ママでいい…。 vol,322. 誓、両手をめい一杯天井に向けて、「やった~~~。お義姉さん、遂に、結婚~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.10
コメント(0)

「汐梨さんには、背中を押された。そして。…耀司さんには、受け止めてもらえた。」睦美。「私の方こそ。です。」その声に耀司、微笑みながらニッコリ。…そして…。睦美、腕時計を見ながら。耀司に、「あ、耀司さん。」耀司、ソファから後ろに顔を。「うん…???」「そろそろ、私。」耀司、壁掛け時計を見て、「あ、おっと。こんな時間。」睦美、「明日の朝の耀司さんの食事。冷蔵庫の中です。そして。」耀司を手招きして。耀司、ソファから…。睦美から渡されたメモを見て耀司、ニコリと。「うん。了解。」睦美もニコリと。「お願いします。」耀司に一礼をして。耀司も同じく、一礼をして。「じゃ、行こうか。」睦美、「あ、はい。」そして、バセットに手を振りながら、「バセット~~、また明日~~。」バセット、すぐに立ち上がり、ふたりの後を。耀司、いつもながらに、「バセット、留守番、頼む。」バセット、「ワン。」睦美も、「お留守番、お願い。」バセット、「クゥ~~ン。」道路に出て耀司、「何だあいつ。俺にはワンで、睦美さんには、クゥ~~ン。」思わず可笑しくなる睦美。駅前で耀司と別れて睦美、駅のホーム。腕時計は、夜の9時25分。スマホを取り出し指をトン。ラインの画面。まずは汐梨のアイコン。可愛らしい洋服を来た麻沙美のアイコン。睦美、「かっわいい~~。」そして耀司のアイコン。サックスを吹いている外国人のアイコン。睦美、ポツリと。「耀司さん。」そして、ホームの天井を向いて、「はぁ~~~。結婚…、するんだ~~。」物思いに耽る睦美。その時、「もしもし、姉さん…???」いきなり晄史の声が。いきなり小刻みに顔を左右に、「い。え…???…何…???…どこ…???」すぐさまスマホを見て、「うそ~~~~。びっくりした~~~。」スマホから、「もしもし、姉さん…???」咄嗟に睦美、「あ、あ、あ~~~。はい。うん。私。」遠くから電車が。スマホに、「今、電車が来た、これから帰る。切るね。」プツリと通話は切れる。「びっくりした~~~。何で…???…晄史に電話…。…おかしい。」顔を傾げながら。画面を閉じた、つもりで、物思いに耽け、そしてスマホに、指で何やら、なぞっていたのだろう。いきなりの晄史の声に、まだ心臓が高鳴っている。電車の入り口に歩きながら、「はははは。」眞鍋家の玄関。「ただいま~~。」リビングに入って…。晄史、「おっと、帰って来た~~。何、姉さん、さっきの電話。」睦美、思わず、「あ…、え…。え、え~~。」思いっきり焦り顔で…。「あ、あ、あ~~。う、うん。…ははははは。いや…。何、どうしちゃったのかな~~~。ははははは。」「電話が来たから、もしもし、姉さん。って言ったら、いきなり、い。え…???…何…???…どこ…???…うそ~~~~。びっくりした~~~。って。意味不明。何が何なのか。」睦美、「あは。ははははは。」精一杯の誤魔化し笑い。誓、ソファに座ったままで、「芙美花さん、どうなの…???…インフルエンザ。」キッチンで睦美、手を洗って。「あ~~。うん。今日、午前中に病院、行って来たみたい。」誓、「あん、そう~~。そっか~~。じゃあ、1週間は、やっぱり、学校、お休みだね~~。」晄史、カウンターのメーカーからカップにコーヒーを。「じゃあ、姉さん、1週間は、高井戸家に。…ってか、汐梨さんもインフルじゃ、何々、大変じゃん。」誓も、「まさかね~~。あの汐梨さんまで…。」睦美、「うん。」そして…。睦美、オットマンに座って、「あのね。」晄史と誓、そんな睦美に、「うん。」睦美、「私…。耀司さんと結婚する事にした。」その瞬間、晄史も誓も、目をパチクリと。「うそ。」「わあ。」「今日、決めて来た。」晄史、目を閉じて、顔を上に、両手を握り締めて、「や…った~~。」誓も、「良かった~~~。」「耀司さんから、正式に、結婚してくださいって。」晄史、「うほほほほほ。」「私も、お願いします。って。」誓、ニコニコと、「うんうんうん。」晄史、「やっぱ…。タイミングかな~~。芙美花さんも、汐梨さんもインフルエンザに。」睦美、僅かに顔を傾げて、「うん~~。まぁ、多分…」語尾を強めて。「芙美花さん、物凄い体、弱ってた。」誓、「確かに。私だって~~、インフルの時は、酷かったもん。お義姉さんだって去年。」睦美、コクリと。「うん。最悪だった。」晄史、「だよな~~。」「耀司さん、芙美花さんに今日、午前中に病院連れて行って、帰りに薬局に寄って、その後、宮前さんに電話したんだって。」晄史、「宮前さんって、看護師長の…???」コクリと睦美。「そして、耀司さん、スマホを芙美花さんに渡したんですって。そうしたら、芙美花さん、宮前さんに、夢の中でおかあさん、何度も見たって。」誓、「あ~~~。」「そして、そのおかあさんが段々いなくなって。そしたら、何処からかピアノの音が。」晄史、「わお。」 ママでいい…。 vol,321. 睦美、「私…。耀司さんと結婚する事にした。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.09
コメント(0)

3月。博楼高校卒業式。体育館の壇上では校長の舘脇が卒業生ひとりひとりに卒業証書を。神代、「さすがは校長、どうみても、様になってるわよね~~。」「渋さもあれだけ徹底していると、もはや、憧れになっちゃうかしらねぇ。」兼高。岬、そんな兼高の声に、「おや、兼高先生、素敵なフレーズ。」犬養、「ともかく、何とか、ひとりの欠席者も出さずに、卒業式。ふぅ~~。」鶴来、「うんうんうん。それが何よりよ~~。ギリギリセーフ。」博楼高校、一時は欠席者も致し方なし。と、危ぶまれたのではあるが、動きが早かった。2月も前半が終わるか…、の状況でのインフルエンザでの欠席者。とにかく、卒業式を優先したのであった。インフルエンザ関連の書面を作成して全生徒よりその家族に。仮に37度5分以上の発熱の場合は学校を休む事の徹底。それは、その生徒のみならずも、他の生徒に至るまでのケアとして…。その甲斐あって、3月の初めには全校生徒、欠席者なし。晴れ晴れとしている卒業生。壇上で校長の舘脇から卒業証書を受け取っている。そんな卒業生たちを見守るように在校生。芙美花、景織子、千愛、詩乃。いつまでも壇上を見つめている。…そして…。「終わったか~~~。」千愛。詩乃、「ん~~~。天気もいいし~~。」芙美花、「だよね~~~。あ~~~。来年は私たち~~。」景織子、「あと、一年か~~~。でも、あっという間かも。」千愛、「うんうんうん。…って言うか~~。受験勉強…、嫌だ~~~。」「ははは。確かにね~~。」景織子。「まっ。でも、仕方がないじゃあ~、ないの。将来の為に。自分の為に。」そんな景織子に詩乃、「景織子はいいよ~~。楽々受験~~。」景織子、詩乃に、「もぅ~~。そういう事、言わない~~。」千愛、芙美花、「キャハハハハハハ。」耀司、麻沙美と一緒にヨシカワからの帰宅。いつもながらパセットが玄関までのお迎え。「ただいま、バセット~~。」そして、バセットが定位置に収まる。と、同時に、麻沙美もバセットにダイブするように。そして…。汐梨が…。「ただいま~~。」麻沙美とパセット。「おかえり、ママ。」「ワン。」一仕事片付けての耀司、リビングに。「おぅ~~。おかえり。」キッチンの汐梨、「うん。はい、ただいま~~。芙美花は今日、友達とって、言ってたよね~~。」「あぁ。卒業式だからね~~。」「いやいやいや。でも、凄いよね~~。あんな風になるなんて。」そんな汐梨の声に耀司、「うん…???…あぁ。君の街へと。」汐梨、数回の頷き、「うんうんうん。CD出ないのかな~~。」耀司、いきなり、「かかかかかか。出る訳ないでしょ。プロじゃないんだから~~。」そこまで言って、「まっ。メンバーたちがそれぞれ、自費でって言うんなら、話は別だけど。」「…って言うかさ、兄さん。自分の奥さんになる人が編曲した曲だよ。しかも、これからも、それ、続くんだよ。」耀司、「まっ。そりゃそうだけどさ~~。メンバーたちからも、睦美さんからも、そういうの、言われてないし~~。」「芙美花なんか、滅茶苦茶気に入ってるみたいだけど~~。」「…んな事、俺に言われても~~。」話は、ココルキーの事である。2月の二週くらいに、睦美と望月がココルキーに自分たちの演奏を披露した際に、望月が作曲した曲に睦美がアレンジ。作詞を担当している神林が、自身で、「自然に言葉が浮かんでくる。」とは言っていたのだが…。確かに。すぐに作詞は完成した。しかも、一晩で。で、ある。…ところが、曲に合わせて歌ったデモテープを、妻に聞かせたのだが。ここで、「ダメ出し」が、出たのである。「女性が作って、女性がアレンジした曲だよ。今までにない発想の曲だよ。もっと考えて~~。」結局、妻からOKサインが出たのがそれから2週間後。それまでは、ダメ出しのオンパレードであったらしい。一方、その頃…。芙美花から、ママになって欲しいと言われて返事をした睦美。リビングに下りて、耀司に。「全部、食べてくれた。」耀司、ニッコリと。「おぅ~~~。」食器を洗って、片づけて。コーヒーを飲んでいる耀司に。椅子に座っての睦美。「芙美花さんから…、ママになって欲しいって、言われた。分かったって答えた。…芙美花さん、泣いてくれて。」耀司、納得したような顔で、「そっか~~~。」そして、睦美に、「睦美さん。」目を閉じて、開いて、ゆっくりとした口調で、「ありがとう。」睦美も嬉しさの表情で、「ありがとうと言いたいのは私です。耀司さんと汐梨さん、私を変えてくれたから。」その声に耀司、「え…???」 ママでいい…。 vol,320. 「ありがとうと言いたいのは私です。耀司さんと汐梨さん、私を変えてくれたから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.08
コメント(0)

芙美花、睦美の作ったお粥を。睦美を見て芙美花、「…おいしい…。」睦美、そんな芙美花を見てニッコリと。「うん。良かった。」ゆっくりと食べる芙美花、時折、お粥に入っている梅干しを口に。そして、睦美に顔を崩して、「酸~~っぱ。」そんな芙美花を見て睦美、微笑みながら、「ふふ。」睦美、「今日…、病院に行って来た…???」その声に芙美花、お粥を食べながら睦美を見てコクリと。「…うん。」テーブルを見て、「テーブルに、薬局から貰ってきた薬あるから。」そして睦美、芙美花に、「やっぱり、インフルエンザ。」芙美花、顔をコクリと。「うん。」そして…。「友達も、インフルって。…詩乃って言うんだけど…。」お粥を全部食べ切っての芙美花、「詩乃…、大丈夫かな~~。」睦美、「耀司さん、夕食前に、電話で、話してました。」芙美花、口の中の物を飲み込むような感じで。「詩乃のおかあさんと…???」睦美、コクリと、「えぇ。…女の人との会話で、勘弁してくれ~~って。かなりへこんでましたけど…。おかあさんたちの話しって、おとうさま方には、分からない事、多いですから。」その話に芙美花、苦笑いで、「…はは。うんうん。コホッ。…確かに。」また口の中の物を飲み込んだ感じで。「おかあさんなら、すぐに話の中に入っちゃうけどね~~。んん。」そして芙美花、口を噤んで。そして、「インフルエンザかぁ~~。私も…。」そして芙美花、マスクをしている睦美に、掠れた声で、「あ。…睦美さん。インフルエンザに。」その話に睦美はニッコリと。「えぇ。…私は去年にインフルエンザ、罹って。…かなり、酷かった。…だから…、去年の11月には、もぅ、しっかりと予防接種。」芙美花、「そうだったんだ~~。」睦美、「芙美花さんは…。…だから…、学校は…。1週間は…。」芙美花、顔をコクリと。「うん。」そして、「何とか、卒業式には…。」睦美、「来月…、だよね~~。」そして芙美花、「あ。おばちゃんも…、今、インフル。」睦美、またコクリと。「えぇ。耀司さん、話してました。」「1週間は…、おばちゃん。」頷きながら睦美、「えぇ。」「じゃあ…。」芙美花。「1週間…、おとうさん…。」「いいえ。」首を振って睦美。芙美花、そんな睦美を見て、「え…???…睦美さん。」睦美、コクリと。「はい。私が来ます。」芙美花、目を真ん丸にして、「いいの…???…大丈夫なの。コホッ。」睦美、そんな芙美花に、ニッコリと。「えぇ。」そして…。「だって…。耀司さんに、私、レッスン終わったら行きますって言ったんだけど、耀司さん、インフルうつるからダメだって。でも、私、インフルエンザ、罹っちゃったから。だから~~。来るなって言われても、行きますって。言っちゃったの。」その話に芙美花、「…睦美さん。」みるみる内に芙美花、目が潤んで。掠れた声で、「ありがとう…。」芙美花、安心したのか、目を閉じて両肩の力を落として。「あ~~ん。ははははは。」そして…。目尻から頬に伝って流れた涙を両の手で拭うようにして、「良かった~~~。」そんな芙美花を見て睦美、ニッコリと。睦美、「まだ、体、だるい…???」その声に芙美花、コクリと。「うん。」「じゃあ~~。とにかく、ゆっくりと休んで。」そして、芙美花の体を…。その時、芙美花、「睦美さん…???」睦美、「うん…???」「昨日の夜ね。」「うん。」「…私…。いっぱい…、夢を見た。」その声に睦美、優しそうに、「うん。」「夢の中に、おかあさん、いっぱい出て来た。…博楼の合格の時の…。そして…、入学式の…。…おかあさんと一緒に料理作ったり。」「うん。」「…でも。段々、おかあさんが夢の中から…。夢の中で私、おかあさん、探してるのね。…そしたら…。…何処からか、ピアノの音が…。…気づいたら、私、そのピアノの音に合わせて、クラリネット吹いてる。ピアノは…、睦美さんが弾いてて。ピアノのメロディに包まれるようにクラリネットを吹いてる。…そして…。演奏が終わるとみんなが、拍手してくれて…。おとうさんもおばちゃんも。勝臣おじちゃんも。麻沙美も。そして、晄史さん、誓さん。それに、おじいちゃんとおばあちゃん。みんな、拍手してくれてる。みんなピアノの傍にいて、囲んでくれて。そしたら、いきなりその中から、バセットが…。抱き付いてくれて。…睦美さんが、私を優しく抱き締めて。」そこまで言って芙美花、また目を潤ませて…。睦美を見て、「…睦美さん…???」涙声で…。睦美、そんな芙美花を見て、「うん…???」「私の…。…おかあさん、じゃなくって…。ママになってくれる…???」睦美も顔が火照っている。そして、鼓動が高鳴っている。睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」睦美、芙美花を見つめて、「分かった。」その声に芙美花、自然に睦美の体に。睦美、その体を受け止めて。芙美花を抱き締める。 ママでいい…。 vol,319. 睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.07
コメント(0)

耀司、睦美に、「芙美花、師長にさ。」睦美の頭の少し上を見ながら、「熱があって、寝てた時にね。」「はい。」「いっぱい、夢を見たって。」睦美、微笑むように、そして頷きながら、「えぇ。」耀司、テーブルを見ながら、「博楼の合格の時とか、入学式の時。」睦美を見て、「とにかく、祐里子との夢。」「うんうん。」「そしたらね。段々、祐里子の。おかあさんの姿がなくなって。…今度は、何処かから、ピアノの音が。」睦美、思わず、「え…???」耀司を見て。耀司、「そうしたらさ。」テーブルを見ながらも、そして睦美を見て、「芙美花、掠れた声で、涙声になっている訳よ。」途端に睦美、「え…???」そのまま耀司は話す。「ピアノの音がして…。今度はピアノを弾いている睦美さん。そして、自分もそのピアノに合わせてクラリネットを吹いてるって。」睦美、「……。」「演奏が終わった瞬間、周りの人の拍手。みんながいるって。俺や汐梨、そして汐梨の旦那さん、勝臣君。そして麻沙美。そして…、晄史さんも誓さんも。」口を噤みながらの睦美。耀司、「それに、俺の親父やお袋も。みんな芙美花と睦美さんに拍手してるって。」耀司、目を下に落としながら。「…で、そんな中に、いきなりみんなの中にバセットが。」後ろに体を斜めに振り返りパセットを見て。「バセットが、私に抱き着くのって。…でね。」そこまで言って耀司、思わず、「はぁ。…そしたらさ。俺、そんな芙美花を見たら、芙美花。…涙、流してる訳よ。」睦美、目をパチクリと。「宮さん。…おかあさん、欲しい。…欲しいよ~~。…体を屈ませるようにしてる訳ね。…で。おかあさん。おかあさん。欲しい。…睦美さんと、一緒にいたい。…睦美さん。ママでいいから、欲しいよ~~。」いきなり睦美、顔を小刻みに左右に振りながら顔を上げて、僅かに髪が揺れる。頬に流れる涙。「はぁ~~~。」下を見ながら耀司。そして僅かに顔を傾げて、「俺。…娘にさ。…芙美花に。生まれて初めて、病気になって。…体がだるい。…そんな体で…。そんな風に言われて…。」睦美、瞬きをして。鼻を啜って。右見て、左見て。テーブルでは腕を組んでいる。耀司、「そのまま。体を前に屈めたままで芙美花、泣いてる訳ね。」耀司、キッチンを見て。「運転しながら俺、スマホをスピーカーにしてさ。…師長に。俺。睦美さんと、結婚します。」今度は睦美を見て。「…で、芙美花に…、おとうさん、再婚するわ。って。」睦美、みるみる内に、目から涙が…。そして睦美、口を思いっきり噤んで。そんな睦美を見て耀司、「睦美さん。」声にならない声で睦美、「あい。」耀司、「俺と、結婚。」すぐさま睦美、涙ながらに、そして大きく顔を頷かせて。耀司、口から、「…してください。」睦美、また頷きながら、「あい。」そして顔を両手で覆って。そのまままた頷いて、「あ~~~~~。」そして…。今度は、体を大きく動かして、カウンターにある自分のバッグからハンカチを。すぐさまそのハンカチで顔を覆って。凡そ1分。睦美。耀司の顔は見ずに。ようやく。耀司に頷くように、「…よろしく。…お願いします。」そう言って、また、涙が…。そして、また、ハンカチを顔に。そんな睦美を見て耀司、優しそうに見つめながら…。睦美、体は萎えていた。耀司、睦美に、「…ごめんね。…いきなりこんな話をして。」その声に睦美、ハンカチで顔を覆いながらも左右に振って。そのまま耀司、睦美を見守りながら…。「芙美花、睦美さんに。…ママになって欲しいって。…おかあさんって…、感じじゃないから。…ママになってって。」ハンカチで顔を覆いながらの睦美、頷きながら、「うんうん。」そして…、ようやくハンカチを顔から。…既に目は涙で真っ赤。そして頬も赤く。そして、耀司に、また泣きそうな顔で、「ありがとうございます。…私なんかで…。」そんな睦美を見て、耀司、優しそうな顔で、「何を仰います。」また睦美、顔を崩すように、「う~~~。」いきなり耀司、椅子から立ち上がり、「はは。」睦美の傍に。睦美、泣き崩れるように手を差し伸べる耀司に、縋るように。耀司、そんな睦美を優しく、抱き締めて、「うん。うんうんうん。…お願いします。」睦美、耀司に捕まるように、「う~~~ん。」耀司、そんな睦美の背中を、左手で、「パンパン。」睦美、2階に。…そして、「芙美花さ~~ん。」声を掛けて。そして左手で芙美花の額に。すると芙美花、ゆっくりと目を…。「…睦美…、さん。」睦美、コクリと。「うん。…お粥、持ってきた。食べて欲しいな。」芙美花、頷いて。そして体を…。睦美、そんな芙美花を支えるように。…ようやく…芙美花にトレイのままお粥を。芙美花、「ありがとう。」そんな芙美花に睦美、優しく、「ううん。」 ママでいい…。 vol,318. 耀司、「俺と、結婚。」すぐさま睦美、涙ながらに、そして大きく顔を頷かせて。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.06
コメント(0)

睦美、階段からリビングに。耀司、まだスマホを耳に。「えぇ。僕もそんな風に聞いてます。はい。」睦美の顔を見て眉間に皺を寄せて下唇をビロン。そんな耀司を見て睦美、クスクスと。カウンターに置いておいてくれた買い物袋を持ってキッチンに。耀司、「あ~~、えぇ。はい。…とにかく、ほんと、流行ってますよね~~。午前中に行った病院の先生からも。……えぇ。はい。」そして…。ようやく1分後に。「はい。失礼しま~~す。」通話は切れる。途端に耀司、テーブルにガックンと。「勘弁してくれ。あぁだの、こぅだの。あ~~。」テーブルの上に前のめりで。睦美、蛇口から水を。そして、手を洗って。「もしかして…、芙美花さんの友達の…。」前のめりのママで耀司、「あぁ…、うん。」そして、顔を上げて、「詩乃ちゃんって子がいるんだけど、芙美花同様に、今、インフルなんだ。それでね~~、芙美花ちゃんの具合どぉ…???…って。それから永遠に20分。いや。俺にママさんたちの話し、言われても困るって。」睦美、「えへ…???」「他に、景織子ちゃんと千愛ちゃんって子いるんだけど、そのふたりのおかあさんの話まで…。いやいや。分かんないって。」睦美、可笑しがりながら、「そうでしょうね~~。」前のめりのままの耀司、ようやく体を戻して睦美に、「うん…???」そんな耀司に睦美、「あん。女性同士の会話ならともかく、その相手が女性。それに、殆ど会う事がない。…けど、おかあさん同士ではしょっちゅう電話で話をしている。そういう時と同じように男性に話しても、男性からすれば、ある意味、話に付き合わされてるっていう事になりますから。」途端に耀司、「そぅっ!!!…そうなの。そうだよね~~。そういう事~~。うんうんうん。」と、そこまで言って、「うん…???」顔を僅かに傾げて、「睦美さん。…良く分かるね。そういうの…???」睦美、まな板を出して包丁を出して、「えぇ。」そして、僅かに顔を傾げて、「私も、音楽教室に通っているママさんたちと、月に2回程度、ランチ、してますから。」いきなり耀司、目を真ん丸にして、「へぇ~~。そうだったんだ~~。」「えぇ。向こうから誘ってくれたんですけど。…でも。…それがなかったら、本当に私、音楽教室と家の往復だけ。だったんです。」耀司、睦美を見て、「ふ~~ん~~。」睦美、「今日は、メインは天婦羅。」耀司、ニッコリと。「わお。」睦美、「芙美花さん、病院。」そして、耀司を見て。耀司、ニッコリと、「うん。午前中に行って来た。」ニコリと睦美。耀司、「ははは。まっ。本人も行かなきゃって感じだったから。」「うんうん。」「とにかくも今も、しっかりと休んで。」「そうですねぇ。」「ニット帽に、ダウンジャケット。そしてマフラーして手袋。それにマスクと。完全防備。」思わず睦美、「はははは。何だか可愛らしい~~。」耀司を見て、「それでなくとも芙美花さん、可愛いから~~。」耀司、微笑みながら、「でさ。病院に行ったら、何々、30分程度で全て終了~~。」いきなり睦美、耀司を見て、目を真ん丸にして、「うそ。普通、1時間は待たせ。」耀司、目を瞑って顔を左右に。そして…。「保険証とマイナンバーカード出して、お願いしますって言ったら、それだけで、宮前から聞いてますって言われて、それからは10分も待たないで名前呼ばれて。」睦美、目を真ん丸にしたままで、「凄っ。」「診察室に入ったら、今度は。」ニコニコと。「高井戸君にはお世話になりましたって、先生も看護師も、俺と芙美花にお辞儀してくれて。」睦美、「あぁ~~。亡くなった奥様の~~。」耀司、にこやかにしながら頷いて、「うん。なんだろうね~~。」「亡くなった奥様の影響力、凄ったんですね~~。」耀司、唇を締めて、「うん。ありがたかった。先生や看護師さんからもあんな風に言われて。祐里子、みんなに愛されてたんだって。つくづく感じたわ。」その声に睦美、ニッコリと。すると、僅かに沈黙。何かしら耀司、その時の余韻に浸るように…。…そして、チラリと睦美を…。そして、睦美に、「…でね。」睦美、素材に包丁を入れながら耀司を見て、「あ、はい。」耀司、睦美に手招き、「ちょっといい…???」また睦美、「あ、はい。」エプロンで手を拭きながらキッチンを。そしてテーブルに。耀司、睦美に椅子に座るように手を。「病院から出て薬局に。」睦美、コクリと。「うん。」椅子に座って。耀司、「…で。一応、師長に報告。」睦美、「あ~~。宮前師長。」耀司、コクリコクリと、「うんうんうん。芙美花、受診、終了しました~~って。」睦美もコクリコクリと。「うんうんうん。」「でね。」耀司。「そのまま、スマホを芙美花に渡したのよ。」睦美、「あぁ。えぇ。はい。」「そしたらさ。」耀司、途端に顔をあちらこちらに。唇も搾ったり、噤んだようにしたり、何となくぎこちなく…。…思わず、クスッ。と噴き出したように、「…そしたら…。」睦美、僅かに眉間に皺を、顔を傾げて、「うん…???」 ママでいい…。 vol,317. 「祐里子、みんなに愛されてたんだって。つくづく感じたわ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.05
コメント(0)

帰宅しての耀司。スマホで…。5回のコールで相手が出る。「はい、私…。」汐梨である。耀司、「芙美花、今、帰って来た~~。受診終了~~。」「あん、了解……ぃ。私は最寄りのクリニック……。内科小児科があるからね……。万が一の麻沙美もここだし……。」「おぅ、分かった~~。…それにしても、さすがに酷いな、その声。」汐梨、スマホら、「仕方がないでしょ。ううん。」耀司、スマホに、「ま、確かにね~~。…かかかかか。それにしても、病院、30分程度で終わったよ。」スマホから汐梨、「うっそ………。コホッ。」「いやいやいや。」耀司。「受付で、宮前から聞いてますって。そうしたら、今度は診察室で、医師と看護師から高井戸君の旦那様とお嬢さんって言われてお辞儀までされちゃって。」汐梨、「うそ。マジ…???…わ~~お。」「待ち時間、凡そ10分、掛かんなかったし、会計も早くて、こっちが驚いた。」「凄いよね~~。…で…???…結局は芙美花、インフル。」耀司、「あぁ。」「今、芙美花。」「部屋で休んでる。処方してもらった薬飲んで。防寒着バッチリで行ったからね~~。ニット帽とダウンジャケット。その上にマフラーだから。そしてマスクして手袋。」「うんうんうん。…でも、ごめんね~~。私、この1週間は、そっち。」耀司、その声に、「あぁ。分かってる。」「睦美さんに、迷惑掛かるけどさ~~。この際。頼れる。」「汐梨~~。」瞬間、汐梨、瞬きをしながら顔を傾げて、「うん…???」「……。多分…、睦美さん。俺が言わなくとも、来るよ。…来るなと言われても、来ます。…なんて言ってる人だから。…それに…。迷惑だなんて、思ってませんって、言うよ、睦美さん。…じゃなかったら、あんなに食材、買い込んで、しかも、芙美花のためにも食べられるもの。」スマホから汐梨の声、「うんうん。」「でさ。」耀司。「さっき、薬局を出てから、師長に電話したんだ。」汐梨、「うん。」「で、芙美花にスマホ渡したらさ。」「うん。」耀司、自室の椅子に座りながら、「やられたよ。」その声に汐梨、僅かに顔を傾げて、「やられた…???」「芙美花、泣きながら、師長に…。」その時の事を汐梨に話す耀司。話を聞いて汐梨、「…兄さん。」「あぁ。…娘に、そんな風に言われたら。なぁ~~~。」「…兄さん。」耀司、スマホに、「うん…???」汐梨の声、「余程だよ。芙美花。」一拍置いて、「体が弱っている時の気持ちって、それだけ余程の事なのよ。」「感じたね~~。…俺、ほんとに…、仕事以外に…。まっ。機会や電気は得意だけど…。家の事なんて…。まっ。確かに。」語尾を強めて、「頭の中では何とかなる。なんて、他人事みたいに言ってたけど…。娘が、風邪を引いただけでパニクッてるんだから。…痛感させられたよ。とにかく、何にも出来ない。」「…まっ。いいんじゃない…???」汐梨。「…って言うか、コホッ。宮前さんに言ったって事は~~。」耀司、「あぁ。決めた事だ。」「うん。ありがと。」「どういたしまして。」遠くから、「木守さ~~ん。木守汐梨さ~~ん。」汐梨、「あ、はい。」そして、スマホに、「じゃあ。」「おぅ。分かった。」通話は切れる。汐梨、ベンチから立ち上がり、「ふぅ~~~。」そして、自分に、「ヨシ。」午後からは耀司、ひとりで…。せっせと。トイレ掃除からお風呂掃除。「…こんな…、感じで…。」顔を傾げながらも…。そして。洗濯物を…。「こんな感じで…。」そして、自室にて仕事。夕方前に、スマホに着電。詩乃の母からである。丁度、氷枕の氷を交換の途中。スマホに耀司、「えぇ。え~~。はい。そうですね~~。ウチの芙美花も、午前中に。」玄関のチャイム。いきなり耀司、「わっ。とっとっと。」スマホから、「高井戸さん、どうしました…???」バセットがいきなり玄関の方に。耀司、スマホに、「かかかかか。氷枕に水入れ過ぎて。」玄関でバセットが、「ワン。」ドアが開いて、睦美、バセットにニッコリと。「バセット~~。」バセットいきなり2本立ちになり睦美に抱き着くように。睦美、「はははは。こんにちは~~。」耀司、左肩にはスマホで話しながら。そして両手で氷枕を持って。玄関の睦美に両眉を上下に。すぐさま睦美、シューズを脱いで、買い物袋をフロアに。耀司から氷枕を。耀司、そのまま氷枕を睦美に預けて。睦美、階段を。耀司、スマホに、「あ、はい。えぇ。分かります、分かります。」フロアに置かれた買い物袋を持ってリビングに。睦美、ドアをノックして、「お邪魔しま~~す。」芙美花は寝ている。睦美、「ちょっと、ごめんね~~。」氷枕を芙美花の頭の下に。テーブルにある薬と体温計を見てコクリと。「病院、行ったんだ。うん。」そして芙美花に、「熱、測るね~~。」 ママでいい…。 vol,316. 「睦美さん。俺が言わなくとも、来るよ。…来るなと言われても、来ます。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.04
コメント(0)

診察が終わって。医師の矢吹壮一(やぶきそういち)、「祐里ちゃんの、旦那さんか~~。確か、Webデザイナー。…で…???…あのお嬢さんが、芙美花さん。」看護師の九季紘奈(くきひろな)、ニッコリと。「えぇ。はい。」矢吹、「思い出すね~~。祐里ちゃんの看護師姿。かかかかか。」会計を済ませて、病院のエントランスで。耀司、「かかかかか。それにしても、早い。あっと言う間に。」芙美花も、「うんうんうん。」「師長だよね~~。」「うん。宮さんだよね~~。」薬局で薬も受け取って、耀司、「師長、出るかな~~。」スマホの画面でタップ。「二晩連続での夜勤って言ってたから。おっと出た。もしもし。耀司です。師長…???」スマホから宮前の声。「あん、耀司~~。芙美花の具合。」すぐさま耀司、「あ、はい。今、薬局で処方された薬もらって、これから家に帰るところです。」「あ~~、そう~~。じゃ、芙美花、受診出来たのね~~。」耀司、隣で歩くニット帽子にダウンジャケット、しっかりとマスクをしての芙美花を見ながら、「えぇ。お蔭様で。」そして、「いやいや、何々、受付したら10分もしないで診察。診察室に入ったと思ったら、先生と看護師さんか立ってお辞儀までされてびっくりしました。高井戸君の旦那様。そしてお嬢さんって。」「はははは。」宮前の声。「帰る時に受付に、高井戸祐里子の旦那と娘が来るからお願い。娘がインフルで。昨日から熱が出て学校休んで、今日あたり受診に来ると思うからって。それでだね~~。多分、先生は矢吹先生だと思うから~~。」耀司、スマホに、「俺と、そんなに変わらない年齢…???」「バカね~~。50代の先生よ~~。」「うそ。俺より年上…???…そんな風には。」「ははは。まぁねぇ~~。…でも、安心した。芙美花、受診出来て~~。…でも、まだ熱は…。」「あ、はい。」ふたり、車のドアを。「まだ、熱は37度。」「あ、そぅ~~。とにかく、帰ったら温かくして、休むのよ~~。」耀司、助手席の芙美花にスマホを。芙美花、「もしもし、宮さん。」その声に宮前、「あん。しっかりと風邪声ねぇ~~~。もぅ~~。大丈夫なの~~???」そんな宮前の声に芙美花、上体を屈めるように、「意識はあるけど、まだだるい。」「当然よ~~。インフルエンザ。…それに、芙美花、あなた、生まれてこの方、病気のひとつもしてないから~~。病気に体が慣れてないもの~~。」芙美花、「うん。…だから、悔しい。」その、「だから、悔しい。」の声に宮前、「うんうん。だよね~~。おかあさんも、病気で勤務、休んだ事、なかったから~~。」芙美花、コクリと、「うん。」そして芙美花、「あのね、宮さん。」その声に宮前、「うん…???」既に車は走っている。「夢で、おかあさん、何度も見た。」宮前の声、「うん。そっか。」「高校受験合格した時の事。そして、入学式の事。」「うんうん。」「いっぱい、おかあさん、出て来た。」「うんうん。」「そしたらね。」芙美花、そこから声が、枯れた声でも、涙声に。すぐさま耀司、芙美花を見て、「うん…???」芙美花、鼻水を啜る音。「夢の中でね。おかあさんが、いなくなって…。そしたら…、今度はピアノの音がして…。…そしたら、睦美さんがピアノ、弾いてて。グス。私が、クラリネット、吹いてて。」宮前、「……。」運転しながら耀司、「芙美花…。」また、鼻水を啜る音。芙美花の頬が僅かに光る。涙声で話す芙美花。「演奏して、終わったら、みんなが拍手してくれて。」宮前、「うんうん。」「みんなが拍手してくれて、バセットが、その中から私に抱き着いて来て。」宮前、また、「うんうん。」芙美花、涙声のままで、掠れながら、「宮さん。…おかあさん、欲しい。…欲しいよ~~。」上体を屈ませるように芙美花。「おかあさん。おかあさん。欲しい。…睦美さんと、一緒にいたい。…睦美さん。ママでいいから、欲しいよ~~。」宮前、いつの間にか目尻から零れる涙。「うんうん。うんうん。…そうだね~~。」芙美花、シートベルトを絞めながらも上体は前屈みに。そして、手袋をしてスマホを持ちながら、マスクの下で、「う~~~~。」耀司、芙美花の手からスマホを。そして、スピーカーにしてフォルダーに。「師長。」スマホから、「うん…???…耀司。」その声に耀司、「はい。」「あなた。」運転しながら耀司、「はい。分かってます。昨日も睦美さん、眞鍋さん。」「うん。」「夕食作ってくれて。今日も、レッスン終わったら、ウチに。」また宮前、「うん。」「俺。」耀司。「睦美さんに。…これからもよろしくお願いしますって。」「うん。」「睦美さんも、これからもよろしくお願いしますって。」宮前、「……。」耀司、「俺。睦美さんと、結婚します。」芙美花、父を見て。宮前の声が、「そう。…うん。分かった。」芙美花、「おとうさん。」耀司、芙美花に、「おとうさん、再婚するわ。」 ママでいい…。 vol,315. 芙美花。「おかあさん。おかあさん。欲しい。…睦美さんと、一緒にいたい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.03
コメント(0)

朝の7時30分。耀司、トレイにヨーグルト、そしてゼリーとプリンを。そして2階に。「芙美花~~。入るぞ~~。」ベッドの中、芙美花、「あ、うん。」そして耀司、芙美花をゆっくりと。そして、トレイのまま。「睦美さんが昨日、買ってきてくれてたんだ。少しでも、食べられれば。」そこまで言って、「…と、言うか、逆に、少しでも体にいい。」芙美花、「うん。だ~~ね。…じゃあ~~、ヨーグルト。」耀司、「うん。」スマホに着電。耀司、「おっと~~。」見ると、「汐梨。もしもし、おはよう。どんな感じ…???」スマホから、「あん、おはよう~~。ようやっと、37度台。芙美花は~~???」芙美花、「おばちゃん…???」耀司、コクリと。「あぁ。」そして、芙美花にスマホを…。芙美花、スマホに、「もしもし、おばちゃん…???」スマホから、「あん、芙美花~~。どお…???」「うん。何だか、凄いぼぉ~~っとしてる。…けど、意識はある。でも、喉は痛いし、体はだるいし、最悪だよ~~。時々、咳も出る~~。」「だよね~~。私も今朝、熱測って、ようやく37度台、全くもぅ~~。コホッ。どっかからうつされたのか~~。」芙美花、「うん。私も分かんない。友達のひとりもインフルっておとうさんが。」「うんうんうん。聞いた~~。」「今ね。これから、ヨーグルトとゼリー、食べようかと思って~~。昨日、睦美さんが買って来てくれたんだって。」「うんうんうん。私も昨日、電話で話した。ありがたいよ。……。…私はこれからパパが今作ってくれてるお粥~~。」芙美花、「はは。コホッ。うん。勝臣おじちゃん、料理、出来るから。」いきなり耀司、「出来なくって申し訳ありませんねぇ。」ムスリと。そんな父を見て芙美花、笑いながらも、咳をして、掠れた声で、「はは。おとうさん、拗ねてるよ。」汐梨、寝室で、いつものモフモフカーディガンを羽織って、「あん、芙美花~~。もし、体、動けるんだったら、出来るだけ早く、病院、行きなよ~~。」その声に芙美花、「うん、分かった。」「まっ、多分、今日も睦美さん、来てくれるとは思うけど。ありがたいよ。ダウンした時に、身の回りの世話をしてくれる人がいるって事は。その人の存在。」そして汐梨、「だ~~ってさ~~。今まで病気のひとつ、した事がなかったから~~。尚更。」芙美花、その話にコクリ。「うん。だよね~~。コホッ。」「おっと、長話は。じゃあ~~、とにかく、大事にね~~。」「は~~い。」スマホを父に。耀司、「おぅ。」そして、スマホに、「汐梨~~、おま。」「プー、プー。」耀司、耳からスマホを外して、「…って、切れてるし。おぃ。」芙美花、思わず、「かかかかか。コホッ。コホッ。」耀司、芙美花に、「とにかく、食べられるだけ食べて。薬飲んで、また少し休め。動けるようなら、車で病院。」芙美花、「うん。分かった。」「枕元にスマホ、置いときな。何かあったら、ラインくれ。部屋で仕事、してるから。」芙美花、コクリと。「うん。」そして…。父に付き添われて、杉並総合病院、外来へ。受付で、「高井戸芙美花さん。はい。宮前から話は聞いております。」そして、用紙を渡されて、「これにそれぞれ、当て嵌まる箇所に記入して。お待ちください。」そして待合ロビーで。…すると…。10分もしない内に、「高井戸芙美花さん。」耀司、思わず、「早っや。」芙美花も父に、「うん。」看護師が、「こちらにどうぞ。」耀司も一緒に。診察室に入って。すると、いきなり、医師が椅子から立ち上がり、看護師も姿勢正しくふたりに一礼。耀司、「え…???」芙美花も目を真ん丸にして。医師、「高井戸君には、お世話になりました。」看護師も、「高井戸主任にはお世話になりました。」思わず耀司、「あ、あ~~~。」いきなり右手を頭の後ろに。医師、女子高生らしき女子に、「高井戸君のお嬢さん。」芙美花、「あぁ、あ、はい。」看護師、ニッコリと。「芙美花さん。」芙美花、看護師を見て、「あ、はい。」医師、「では。」耀司、「よろしく、お願いします。」芙美花、椅子に。…そして…。医師、「うん。インフルエンザですね。熱、上がったでしょう。」耀司、芙美花の後ろで。「はい。昨日の朝、38度6。」「お薬、出しておきます。とにかく安静に。そして、動ける時は、可能な限り動いて。体に優しい食べ物。そして、しっかりと睡眠。…と、それから、衛生面にも気を付けて。まっ。学校は~~、1週間は~~。」芙美花、コクリと。耀司、「学校には既に連絡は。」医師、頷いて、「はい。分かりました。うん。とにかく安静に。…それと。…お顔、拝見できて、嬉しいです。祐里ちゃんの旦那さんに、お嬢さん。」ニコニコと。耀司、そんな風に医師から言われて、「えへ。はははは。えぇ。ありがとうございます。」看護師もニコニコと。「はい。終わりました。どうぞ。」芙美花、椅子から立ち上がり、ペコリと。「ありがとうございました。」医師、ニコニコと、「うんうん。」 ママでいい…。 vol,314. 「ありがたいよ。ダウンした時に、身の回りの世話をしてくれる人がいるって事は。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.02
コメント(0)

今度は耀司、睦美を車で。…そして、駅まで。睦美、車から降りて。耀司、助手席の窓を開けて。睦美、耀司に、「じゃあ、芙美花さんの事、お願いします。」その声に耀司、頷きながら、「うん、分かった。ありがとうね。」睦美、「じゃあ、また、明日。あ、カレー、まだ残ってますから、明日の朝には、鍋ごと、温めて食べてください。もし残ってもまだこの時期なら昼まで大丈夫ですから。」耀司、コクリと。「うん。分かった。」「じゃ、おやすみなさい。」耀司、ニッコリと。「おやすみ~~。」睦美、手を振りながら駅に。耀司、その姿を見送って車を…。耀司、家に帰って、すぐさま日中に宮前から言われた事を…。既に芙美花の氷枕は…。そして…。宮前から言われた通りに氷枕を。…深夜1時。まだ、この時点では芙美花、体温、38度2分。「まだ…、38度…かぁ~~。」その後、2時間毎に…。枕元でスマホにラインの通話音。耀司、「うん…???」そして、「おっと~~~。」すぐさまベッドから起きて、スマホを片手に、そのままスワイプ、「あ、はい。」スマホから、「もしもし、耀司さん。」耀司、「あ、あ~~。…睦美さん。あ~~。…寝てた。」「芙美花さん。」耀司、すぐさま、「おっと。」スマホを耳にしたままで部屋のドアを。そして、自分もマスク。そして、グローブを。2階に。そして、芙美花の額に左手を。「ん…???」暁美はキッチンで朝食の準備。睦美、リビングのテーブル。椅子に座ったままで耳にはスマホを。耀司、「芙美花~~。」そして、体温計の…。「お~~。37度3。」そして、スマホに、「37度3。下がってるぅ~~。」睦美、声を聞きながら、「うんうんうん。下がってる。」暁美、「芙美花さん。何度だぃ。」睦美、「37度3。」「そうかぃ。」ニッコリと。「じゃあ、このままなら、病院。」睦美、その声に、「うん。」そして、「耀司さん。氷枕、溶けてたら、また、新しいのに交換してください。そして…。7時過ぎに、一度、冷蔵庫からヨーグルトとゼリーを。そして、プリンも。冷蔵庫に入ってます。」耀司、スマホに、「了解。」そして、そのまま階段を。芙美花、「ん、ん~~~~。」頭を動かし、「…ん~~。朝…???」既に辺りは明るい。そして、芙美花、「寝~~た~~~。」耀司、冷蔵庫を開けて、「おほ。うんうんうん。」睦美、「それを。芙美花さんの好みに合わせて。」耀司、「了解。」そして、再び、2階に。ベッドに。「芙美花。」芙美花、目を開けて、「…おとう…さん。」「はは。熱、下がったぞ。ただ。まだ、37度はあるけど…。」芙美花、「う、うん~~。」「…で、どんな感じ…???」「う、うん。…とにかく、寝てた~~~。…意識は、あるけど…。まだ、とにかく。…体…、だるい。」耀司、「うん。確かにな。」通話は、まだ、繋がっている。ボソボソと聞こえてくる声。睦美、黙ったままでスマホを耳に。芙美花の声を聞きながら。そして、頷きながら。芙美花、父に、「おとうさん、スマホ。」耀司、テーブルに置いてある芙美花のスマホを。芙美花、布団から両手を。左手で持って、一度、右手で鼻の下を撫でて、そして画面に。景織子から。そして、千愛から。芙美花、「…え…???…詩乃も…???」耀司、「あぁ。詩乃ちゃんのおかあさんから昨日、電話で、詩乃ちゃん、インフルって。」布団の中で芙美花、「そっかぁ~~。詩乃も…、インフル。」耀司、「おっと。」そして…、テーブルに置いた自分のスマホ。スピーカーにして、「睦美さん。」芙美花、瞬きして、「え…???」スマホから、睦美の声、「芙美花さん…???」芙美花、「あ、睦美さん。」睦美の声、「おはようございます。」まだ弱々しい声の芙美花。スマホに、「おはようございます。」耀司、「昨日、芙美花にお粥とヨーグルト。そして食事の準備から何までやってくれた。」芙美花、「そうなんだ~~。」スマホから睦美、「芙美花さん。朝、もし、食べれたら、昨日と同じ、ヨーグルトかゼリー、それに、プリン。…食べたいもの、食べて~~。耀司さんには言ってあるから。」芙美花、その声に、「うん。あ、ありがとう。」「どういたしまして。あ。…それから。出来れば、今日、病院に受診。」耀司、「あ、そうだ。師長からもそれは言われた。」芙美花、「あ、うん。」睦美の声、「ゆっくりとでいいです。少しずつ、体、動かしてみてください。」芙美花、布団の中で…。ただ、体…、未だにだるい。スマホのデジタルを見て、「6時…、45分。かぁ。…って言うか、おとうさん…???」耀司、「うん…???」「おとうさんのマスク、久し振りに見た。」耀司、その声に、「仕方、ないだろ。」睦美の声、「あは。」「おまえがインフルになって、俺にまで。」そして、一拍置いて、芙美花に、「なぁ。…それに、今や汐梨までインフル。」芙美花、可笑しがりながら、「…だよね~~。」 ママでいい…。 vol,313. 「冷蔵庫からヨーグルトとゼリーを。そして、プリンも。冷蔵庫に入ってます。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.06.01
コメント(0)
全30件 (30件中 1-30件目)
1