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麻沙美はベッタリと父親にくっついたまま。眞鍋にペコリと頭を下げて、「眞鍋のお姉ちゃん、いらっしゃ~~い。」そんな麻沙美の頭を撫でて睦美、「こんにちは~~。」汐梨、「さ~~てと~~。役者は揃った。…で、準備は整った。」耀司、部屋の中とテーブルの上の料理たちを見て、「いやいやいや。凄ぇな~~。何、言ってくれれば手伝ったのに~~。」汐梨、その声に、「な~~に言ってくれちゃってます~~。こっちが面倒な事、頼んだんだからさ~~。…んなの当たり前。…って言うか、飾り付けや料理を並べてくれたのは~~、全部、パパ。私は料理を作っただけだけどね~~。」その声に耀司、勝臣に拍手。「さすがは、勝臣君。出来てる。」芙美花も、「おじちゃん、だからね~~。」そして勝臣を見て。勝臣も芙美花を見てニッコリと。そしてふたり同時に、「ねぇ~~~。」場が和む。汐梨、「とにかく、初めよ、初めよ。はい。グラス、グラス~~。」耀司、勝臣、コクリと。「だ~~ねぇ。」男性陣はビールを。女性陣はジュースを。汐梨、「えっ…???…って言うか、睦美さん、ビール。」その声に睦美。恐縮して、「あ、いえ。そんな…。」「あん。いいのよ~~。アルコール、飲めるんだから~~。」その声に勝臣も耀司も芙美花もニッコリと。耀司、「うん。行っちゃえ、行っちゃえ。」睦美、恐縮しまくりながらも、「じゃ、じゃ~~。」そして…。汐梨、「では。」睦美を見てニッコリと。「睦美さん、いらっしゃいませ。そして。本当に、ありがとうね~~。恩に着る。感謝。」両手を合わせてコクリと。睦美、またまた恐縮して、顔を振りながらもコクリと。「あ、いぇ~~。」汐梨、「では、メリークリスマ~~ス。」一同、「メリークリスマ~~ス。」そして…。凡そ30分の…。飲んで食べて。…そして。汐梨。「…では。ここらで…。ヨシカワ音楽教室での、子供合唱団。ビデオだぞ~~。」勝臣、耀司共に、「ヒュ~ヒュ~~。」麻沙美、ニコニコしながらも父に、母にと凭れまくり。芙美花も睦美もニコニコと。勝臣がビデオをセット。そして、「では…。」流れる映像。MCの睦美の声。汐梨、「いやいやいや。ここでビックリ。まさか、睦美さんって。」耀司も、「うんうんうん。思わず、えっ…???…ってなったもんな~~。」睦美、顔を赤く、「恥ずかしい~~。」芙美花、「ううん。良い感じ~~。」汐梨も、「うんうんうん。中々どうして~~。」そして、合唱。耀司、「うんうんうん。何度聞いてもいいよな~~。」勝臣も、「はははは。」汐梨、「うんうんうん。」芙美花、「かっわいい~~。」睦美もニコニコと。「かわいいですよね~~。」そして…。ピアノ講師による演奏。耀司、睦美に、「この人、小白川先生。」睦美、その声に、「えぇ。はい。私をヨシカワ音楽教室に紹介してくれた人です。」汐梨、「へぇ~~。そうなんだ~~。」「と、いうより、この人がぁ~~。私を本格的にピアノに導いてくれた人なんですけどね。」耀司、「へっ…???…そうなんだ。」睦美、コクリと。「えぇ。」汐梨と勝臣、「凄いよね~~。」ビデオで、曲が流れている。勝臣、「定番だよね~~。山下達郎、クリスマスイブ。」汐梨、「うんうんうん。」そして…。汐梨、「…で、最後がこれだよ。もぅ~~。ママさんたち、いきなりだったもん。きゃ――――って。」耀司も、「はははは。うんうんうん。」芙美花、「バックナンバーだもん。」睦美も、コクリと。「ですよね~~~。」そして…。クリスマス恒例の…。汐梨、麻沙美に、「はい。麻沙美~~。」その声に一同ニコニコと。芙美花、「うんうんうん。頑張れ、頑張れ。」僅かに照れるように母にしがみついていた麻沙美だったが、父親から、頭を撫でられて立ち上がる。そして、ピアノの椅子に。蓋を開けて。そして鍵盤を叩く。瞬間、耀司、芙美花、「うそ。これって。」汐梨も勝臣も、「ふふふふ。」ニッコリと。睦美、「上手~~。」芙美花、「白い恋人たち。桑田佳祐。」耀司、「え…???…サザンじゃないの…???」芙美花、父に、「ううん。桑田佳祐のシングルだよ確か~~。」睦美、「丁寧ですよね~~。弾き方~~。うんうん。上手~~。」その声に汐梨、睦美に頭を下げて、「恐悦至極。」瞬間、睦美、何を言っているのか分からず目をパチクリ。耀司、汐梨に、「おま、バカ。」そして睦美に、「この上なく、喜んでいます。と、言う意味。」瞬きしながらも睦美、口を両手で押さえて頭を下げて。そして、「ごめんなさい。何言われているのかさっぱり。」耀司、「だよね~~。」汐梨も、「かかかかか。ごめ~~ん。」耀司、汐梨に、「おま、言い方ってもん、あんだろうよ~~。」勝臣、芙美花は麻沙美の演奏に聞き入っている。そして。演奏し終わって、みんなの拍手。照れ臭くすぐに椅子から離れて父親にダイブ。勝臣、「お~~っほっほっほ~~。はははは。」 ママでいい…。 vol,192. 一同、「メリークリスマ~~ス。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.31
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「まっ。」汐梨。「当日は、多分、その大手製薬メーカーの両親の出席はなしで、執り行う事になるとは思う。本位ではないけどね~~。」耀司、その声に、「何でよ。」「つまりは~~。彼女、新婦さん。誕生日が1月15日。」いきなり耀司、「うそ~~~。」「そう。以前で言えば、成人の日~~。」耀司、目を真ん丸に、「何と。」「そんな。娘の誕生日に結婚式よ~~。それに出席しない両親っている~~???…しかも、大手の製薬会社の社長さんだよ~~。」耀司、「いやいやいや。何々何。…って言うか、何ともまぁ~~。拗れてるよね~~。」その声に汐梨、「そうなの。ん~~。最初はね。ふたりからこの度、結婚する事になりましたって。まぁ、どこでウチのセレモニー、知ったのかは知らないけど。まっ。後で知った事でもあるんだけど~~。話を聞きながらにし、うそって。新婦の両親が未だに結婚を反対…???…なんじゃそりゃって。」耀司、顔をコクリと。「まま。うん。」「なんだけど~~。ふたりの話しを聞いている内に、何かねぇ~~。逆にこっちが、んじゃ、やってやろうじゃないのよ。って。物凄い素敵なふたり。いやいやいや。見事なカップルだわ、あれは。」「へぇ~~~。」「…んな訳で~~。ありがと、兄さん。」「いや。俺に礼を言われても、実際にピアノ弾くのは睦美さんだし。」汐梨、「あん。でも、兄さんが睦美さんと知り合わなかったら、この話、上手く行かずに、ズルズルと~~。に、なってたかも~~。」耀司、スマホに。「…ってかさ。何で結婚式にピアノの生演奏…???」「あん。それは簡単。新婦の彼女さん。大手製薬メーカーのご令嬢。」「うん。」「でぇ~~。何て言うのかな~~。まま、お嬢様育ち~~。でぇ~~。小さい頃から両親から連れられての観劇やら、リサイタルやら。でぇ~~。自然に、生の演奏を聴くのが好き~~ってね~~。だから~、結婚式には~~。生のピアノ演奏。」「な~~るほどね~~。」「まっ。でもね。最初っから、そのプランはなかったの。」「えっ…???」「結婚を許してくれただけでもご令嬢は御の字。我儘は言ってられないって。…って言うか~~。そもそも、1月の結婚式って、どこもかしこも新年で、あれやこれやと忙しい。」耀司、下唇をビロンと。「確かに。」「出席してくれる人たちも、もぅ~~、ほんと。数える程度。なんせ、ご令嬢の父親が未だに。だもん。そんな結婚式に出席してみなさ~~い。後々、何が起こるか~~。」「いやいやいや。恐ぇな~~。」「だから~~。最初は、ほんと、こじんまりとした結婚式でいいってなったの。」「うん。」「なんだ、けど~~。そこに待ったが入った。」耀司、右目を歪めて、「はっ…???」汐梨、「かかかかか。次男坊の父親、老舗そば屋の主人が、…ってやんでぃ、どうせやるんなら、堂々とやりなって。俺はおめぇさんを信用する。おめぇさんって、新婦のご令嬢ね。」「ほほぅ~~。」「おめぇさん、肝が据わっとる。あんだけよ~~。通われちゃあ、こっちだって、そりゃあ、落ちるわ。しかも、全く諦めねぇ。こんな、どこにでもいるようなクソガキを、そりゃあ、何、3年も、諦めずに。慕ってくれてよ~~。おめぇさんの親御さんが何言おうがこっちゃ~~、関係ねぇ。今の世の中、親が反対しても結婚するもんは結婚する。時代は変わったさ。…んなもん、やりたいようにやりゃあねぇ。俺はとにかく、見させてもらうよ。冥途の土産だ~~ね。だってさ。新郎の彼が言うんだけどね。」耀司、口を開けて、「はぁ~~~。かかかか。や~~るねぇ~~。そのそば屋の主人。」「うん。」汐梨。「まっ。話は長くなったけど。とにかくありがと。睦美さんによろしく言っといて。明後日、私、迎えに行くから。」耀司、コクリと。「おぅ。」通話は切れる。そして。「さ~~てと~~。」再びラインから画面に指をトン。「はい。睦美です。」耀司、「あ、僕です。」睦美、ニッコリと、「はい。」「はいはいはい。入って~~。」汐梨。お客様を迎い入れるように。耀司も、「どうぞ、どうぞ。」麻沙美が玄関までお迎え。睦美、初めてのお宅に、「お邪魔しま~~す。」勝臣も玄関に。笑顔で、「どうぞ~~。いらっしゃいませ~~。」睦美、恐縮しながら、「すみませ~~ん。お邪魔しま~~す。」汐梨、睦美、耀司、芙美花の順に。リビングに入って。睦美、「わぁ。凄い。アップライトピアノ。」汐梨、「ははは。ん~~。もぅ~。古いんだけどね。30年以上…???」そして汐梨、睦美に。「あ。一応、調律は問題なし。年季は入っているけど、その辺はぬかりなしで。年に1度は。しっかりと。」耀司、「へぇ~~。さすが。」 ママでいい…。 vol,191. 「彼女、新婦さん。誕生日が1月15日。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.30
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瞬間、耀司、頭の中で、「…嘘だろ…???」けれども、そんな考えはすぐさま消えて、スマホに、「嘘。ほんと…???」スマホから睦美の声、「えぇ。本当です。弾かせて頂きます。」睦美の頭の中には、さっきまでの浦木と小室との会話の事が。すぐさま、「…凄~~い…。」思ったのだった。耀司、「じゃあ、じゃあ、すぐに汐梨に電話して伝えるけどいいかな。」睦美、嬉しそうな声で、「あ、はい。」「多分、また連絡するけど、明後日のクリスマスは、んじゃ~~。お願い。空けておいて。」睦美、「はい。分かりました。連絡待ってます。」耀司、スマホに、「うん。ほんと。ありがとう。」「い~~え。」通話は切れる。父の傍で芙美花、「何々、睦美さん、OK~~???」耀司、チラリと芙美花を。「あ~~。いや、俺の方こそ驚いた。何々、一発サインでOKだよ。やは~~。」すぐさま汐梨に。コールをしてすぐに、「で…???…どうだった…???」耀司、いきなり汐梨が出て、「早ぇ~よ。」汐梨、スマホに、「うんうんうん。」耀司、「不思議に、一発でOK~~。」汐梨、目をガッシリと瞑って、唇をもガッシリと搾って、「んやった~~~~。イェ~~イ。」そしてすぐさま、体の力が抜いたように、「あ~~~。もぅ~~。胃に悪い。」「…って何…???…そんな、胃に悪いだなんて。」「…って言うか~~。」汐梨。「その、お客様なんだけど~~。」つまりはこうである。大手製薬メーカーのご令嬢と老舗そば屋の次男坊の結婚と言う。大手製薬メーカーは、本社は東京。一方の老舗そば屋も東京ではあるが、こちらは家族経営。社員を雇わずパートだけで賄っている。けれども、このパートがそば屋の主人の妹であり次男坊を昔から可愛がり、そろそろ次男坊も結婚の時期と考えた訳である。長男は既に結婚しており、そば屋の跡取りとして修業中。そして、その次男坊はと言えば、一般企業のサラリーマンである。…そして…。大手製薬メーカーのご令嬢。こちら。殆ど遊び感覚での友達と一緒に婚活パーティに参加。滅茶苦茶美味しい料理の揃い踏みとのニュースに踊らされた訳である。まず結婚の意思はない。そしてこちらは、老舗そば屋の次男坊。こちらも結婚の意思は全くないが、子供の頃から可愛がってもらった叔母からの勧めでもあり、渋々と婚活パーティに参加。様々な趣向がある中で、ふと、そのふたりが対面。お互いに、見た瞬間だったという。大手製薬メーカーのご令嬢は彼を見た瞬間に、「この人。」そして、老舗そば屋の次男坊は彼女を見た瞬間に、「うそだろ。」しかも、会話が妙に進んで行く。全く生まれた環境、人間性も掛け離れてはいるのだが、妙に、心の内が分かる。何故か気が合う。…ところが…。双方の両親は猛反対。「たかが、老舗そば屋の次男坊。」「大手製薬メーカーのご令嬢だぁ…???つり合いが取れねぇ。」3年の歳月が掛かったとの事。最初に下りたのが老舗そば屋の主人。理由は次男方だから。…と、言う事、だけではないのだが、この次男坊、とにかく人間性が良い。人となりが良いのである。子供から老人にまで好かれている。何度も何度も、大手製薬メーカーのご令嬢は親の目を盗み、結婚の承諾をもらいにそば屋に足を運んだという。その数、数十回。次男坊も何度もご令嬢の家に訪れては令嬢の両親に一目でも。…けれども、一度も家の中には…。つまりは門前払い。今や、結婚には親の承諾もいらない時代。ご令嬢にはたったひとり、親身になってくれている女性がいた。従姉である。彼女の一言、「あんな分からず屋の糞親父、ほっといて結婚しな。私が保証人になってあげるから。」と、言う訳で、大手製薬メーカーのご令嬢、そして老舗そば屋の次男坊の結婚が、交際してから3年目にしてようやく。但し、お互いの両親同士が対面した事実はない。未だに大手製薬メーカーのご令嬢の両親は反対している。…の、だが…。事実。反対しているのは父親のみ。既に母親は、自分の腹を痛めた子。たったひとりの手塩に掛けた娘である。3年の歳月が母親の心を動かした。けれども、夫の手前、表には…。そんなふたりが結婚への扉を開けたのが、「ブライダルセレモニーhanayagi~花柳~」木守汐梨との出会いだったのである。「…と、言う訳で~~。ふぅ~~。」汐梨。耀司、汐梨の話しを聞きながらに、「凄ぇな、それ…。…って事は~~。何…???…まだ、その、大手製薬メーカーの、父親って。」汐梨、「ゼネックス製薬ねぇ。」「いやいやいや。とんでもねぇ製薬会社。でっけぇよな~~。…てか、そんな…、両家の親がしあわせにって迎い入れる巡り合わせもあったろうけど。」汐梨、「…んなの、私に言われても~~。」耀司、「まっ。確かに。」 ママでいい…。 vol,190. 睦美の声、「えぇ。本当です。弾かせて頂きます。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.29
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丁度、映像が終了した時だった。テーブルの耀司のスマホに着信。耀司、「うん…???」芙美花、その音に父を見て、ニッコリと。「あ、睦美さん。」けれども耀司、顔を傾げて、「うん…???…でも、睦美さんはいつもライン。はて。」そして、ソファから立ち上がりスマホを。「汐梨。」芙美花も、「おばちゃん…???」耀司、電話に出て、「はい。俺。」スマホから、「あ、兄さん…???…私。」「あ、うん。」「ちょっと、お願いしたくって電話したんだけどさ。」「うん。何よ。」「実はね~~。」耀司、話を聞きながらに、「はい…???えぇ~~~???」その声に芙美花、「うん…???」耀司、「うん。うんうんうん。うん。…って。えぇ~~~???…って。まぁ。…そりゃ、そうだけど~~。…いやいやいや。マジ…。」スマホから汐梨の声、「うん~~~。…って言うか、まっ。確かに。私も、そりゃ、弾けるっちゃ~~、弾ける…、ん、だけど~~。そんな…。弾かなくなってから、そりゃ、何年もブランクがあるし~~~。」耀司、「ま。ん~~。確かに。」「それよりだったら~~。断然。元ピアニストの~~。睦美さんの方が~~。今だって。」耀司、話を聞きながらに、「まぁね~~。俺が聞いても、こりゃ凄いってなったから~~。」「でぇ~~。とどのつまりが~~。……。」耀司、顔をコクリと。「まっ。確かに。ギャラねぇ~~。」「ご祝儀程度。とは、思うんだけど~~。…けど、そんな…。ご祝儀程度って言われても~~。私だって、そんな…、弾ける人、知らないし~~。まさか、ヨシカワの講師って…、そこまで。…で。急ピッチでお願い。」耀司、いきなり、「は・あ…???」暁美、カウンターの睦美のスマホにラインの通話の着信音を聞いて、「おや。睦美の。」お風呂場のドアを開けて、「睦美~~。スマホ鳴ってるよ~~。」室内から睦美、「あ、は~~い。後で出る~~。」耀司、スマホを耳に、「出ないね~~。」芙美花、そんな父に、「何々…???…おとうさん。睦美さんが何か…???」耀司、芙美花に、「あぁ。汐梨がね~~。結婚式にBGMに、生のピアノ演奏をクライアントからお願いされたらしい。」その声に芙美花、「へぇ~~~。」「まっ。あいつも、ピアノは弾けるんだけど~~。なんせ、何年もプランクがあるからって。どうせなら、睦美さんに…???…でも、実際、睦美さんのピアノ、聴いた事あるの、俺だけなんだよね~~。…で、汐梨も聞いてみたいって。」芙美花、頷いて、「ふ~~ん。」「でぇ~~。ま。どうせ、クリスマス、去年同様に、汐梨の家で。」芙美花、「うんうんうん。麻沙美のピアノも聞けるし。」「…ってぇ事で~~。睦美さんも今回のクリスマス、呼んでピアノ、弾いてもらえないかって。」芙美花、「な~~るほどね~~。」耀司、「その電話が今の。」「ふ~~~ん。」そして芙美花はコーヒーを。程よくして耀司のスマホにラインの通話の着信音。芙美花、父を。耀司、「おっと~~。」そして指をトン。「もしもし。」スマホから、「もしもし、睦美です。高井戸さん。」「あ~~。僕です。高井戸です。」濡れた髪をタオルで撫でながらの睦美。「ごめんさない。今、お風呂から上がったばかりで。」耀司、「あ、いえ。僕の方こそ、ごめんなさい。ちょっと、用があったものですから。」睦美、瞬きをして、「あ、はい。」耀司、スマホに、「睦美さんって、明後日のクリスマス、何か、用事って…。」その声にいきなり睦美、ドキン。「あ、いえ…。別に…、用事は。」思わず耀司、その声に、「ふぅ。良かった~~。」睦美、「どう…、しました…???」「実は。」耀司。「折り入って、睦美さんに、お願いがあるんだけど。」「お願い…???…あ、はい。なんでしょうか…。」そして睦美、高井戸の話しを聞きながら、「え…???…うそ。」鼓動が高鳴る。「あ、あ、あ~~。」高井戸の声、「いきなりで。で、本当に申し訳なんいだけど。」「あ、いえ…。でも、そんな…。私なんかで。」「いやいやいや。全然。申し分なしで。」芙美花、そんな父の声を聞きながら、「わお。」睦美、思わずときめくように、「えぇ~~~。いや~~~。はははは。」耀司、「睦美さん…???」睦美、「あ、いえ…。ふふ。…嬉しいです。」瞬間、耀司、「えっ…???」ニコニコと睦美、「高井戸さんのお役に立てるのなら、是非。」耀司、いきなり、「ほんとですか。」芙美花に振り向いて、グーサイン。芙美花もそれを見てニッコリと。「やった~~。はは。」耀司、スマホに、「あの、ただ、睦美さん。言いにくいのですが、生のピアノの演奏での…、まま。ご祝儀はあるとは思いますが、その…。何と言うか、ギャラって言うのは。」ニコニコと睦美、「ははは。要りません。汐梨さんと高井戸さんのお役に立てるのなら、それだけで~~。」 ママでいい…。 vol,189. 丁度、映像が終了した時だった。テーブルの耀司のスマホに着信。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.28
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小室、目を真ん丸に。「いや。いやいやいや。…全っ然、気付かなかった~~。」浦木に。浦木も、「うんうんうん。」「まっ。確かに。眞鍋さん、事務局では、いつも奥の方にいるから~~。」小室。「…で、私たちだって、久し振りに会ったもんね~~。」浦木も睦美も、「うんうんうん。」「この前、一緒だったのが~~。発表会…???」浦木、「うんうんうん。そうそう。」小室、「へぇ~~。でも、凄~~い。眞鍋さん、ようやく~~。」その声に浦木も、ニコニコと、「ヒュ~~ヒュ~~。…ってか、心配してんのよ~~。あの事務局で、気軽にこうやって誘って話出来るのって、眞鍋さんくらいしか、いないから~~。他の人は、もぅ~~。既婚者でしょう、それに、若い方が~~。…で、必ず、ドドンと、前に出てるから~~。眞鍋さんみたいに、奥の方で静かにって。」小室を見て。小室も、その話に、コクリと。「うんうんうん。」浦木、「…で、相手の方は…???…どんな人。」そこまで言って、浦木、姿勢正して、「一切、口外しません。神に誓って。…って言うか、ん~~。しあわせになってもらいたいからさ~~。」小室、「うんうんうん。それは言える。まっ。それが本当だもんね~~。」浦木、「まっ。でも。…いつかは、いつかは…。…って。」眞鍋に体を前に、「いつ頃…???…結婚。」いきなり睦美、目を真ん丸に。「へっ…???あ、いや。」小室、可笑しがりながら、浦木の右二の腕を左手でペン。「かかかかか。まだ2週間で…、そんな…。」浦木、「あん。でも、気になるじゃない~~。眞鍋さん、こんなに奇麗で、ん~~。可愛いのに~~。」小室、「ん~~~。確かに~~。それは…、あるよね~~。うんうんうん。韓国人ならではの~~。しかも、日本語も流暢だし~~。」思わず顔を赤らめる睦美。ニコニコと。そして右手を振って、「いえいえ。そんな…。」「あん。」小室、「グラビア雑誌のモデルって感じでもあるよ~~。私たちから比べると~~。」いきなり睦美、「え~~~~っ!!!」浦木、「いやいやいや。マジの話し。」顔を傾げて、「なんでこの人に、男、いないかな~~って、思うくらい。」「いやいやいや。そんな…。」思わず顔を下に。「そんな事、ないってば~~。」小室、「…って言うか、その…、お相手の人…???…年齢は…???」3人の会話はまだまだ続く。耀司、テレビを見ながらコーヒーを。すると。スマホにラインの着信音。画面を見て、「おっと~~~。」すぐさま、「芙美花~~~。」2階にいる芙美花、ドアを開けて、階段をドタドタと。「何~~???」既にスマホからテレビに映すようにケーブルをセットしての耀司。芙美花に、「へっへっへ~~。勝臣君から送られてきたた映像~~。」そして、「ほんとはね~~。向こうで麻沙美とも一緒に観れればいいんだけど~~。」芙美花、「うんうんうん。でも観た~~い。」耀司、そんな芙美花に、「だろ…???」芙美花、父の隣に座って。耀司、「ほいさ。」芙美花、「ふふふふ。」そして、映像を観ながらにして、「へっ…???…おとうさん、これって、睦美さんの声。」いきなり大きな声で耀司、「そうなんだよ~~。いやいやいや。俺たち、びっくりしてさ~~。いやいやいや。」芙美花、「あん、でも、凄~~い。睦美さん、上手~~。」耀司、その声にニコニコと。「だろ。」そして子供たちの合唱。観ながらに芙美花、「あは。かっわいい~~。うんうんうん。上手~~。はははは、麻沙美~~。いいじゃん、いいじゃ~~ん。」またまた耀司、ニコニコと。「だろ…???…へへへへへ。どんなもんだい、我姪っ子~~。はははは。この、コスチュームも~~。みんなで作ったらしい~~。いやいやいや。驚いたね~~。しかも、何とも愛らしい~~。」芙美花、ニコニコと、「うんうんうん。赤鼻のトナカイかぁ~~。はははは。終わっちゃった~~。さすがに、凄い拍手だね~~。」そして…。「へぇ~~~。これが、ピアノの先生~~。」耀司、頷いて、「うん。」そして、「へぇ~~~。さすがにピアノの先生~~。や~~るぅ~~。」そして、次の曲になると、「わお。やっぱり、この曲は、外せないか~~。」耀司も、「そのようで…。」そして芙美花、映像を観ながら、聴きながらにして、「やっぱ、プロだわ~~~。」耀司、観ながらに、「吹奏楽の顧問とは…???」いきなり芙美花、「いや。それは、もぅ~~。幾ら先生でも、プロのピアニストには…。」その声に頷いて耀司、「うん。確かに。」芙美花、「わお。バックナンバー。これ、ラストなんだ~~。…って、かかかかか。さすがはママさんたち、いきなり来るね~~。」背中をソファに深く。そして両手を叩きながら。耀司、「中々どうして~~。」 ママでいい…。 vol,188. 「一切、口外しません。神に誓って。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.27
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睦美、「ムキ。」浦木、顔をコクリと。「うん。…って言うか、いないんなら、いないで、そのまま表情を変えずに…、むしろ、ううん。首を振って。…それだけでいいじゃない。ホントにいないんなら、普通はそんな感じ…???…でも、そんな大袈裟な表情、姿勢。…もしさ、お店に入ってきて席に…。その時、座る前の、その席。ひとつのお皿に小箱にリボンって言うのがあったらどうする…???…心当たりの女性の心境。うそ。うそうそうそ。って、そりゃまあ~~。びっくり仰天だよ~~。次の週の同じ曜日が誕生日。な~~んてね。そういう表情、姿勢と、今の真鍋さん、そっくり。」小室、浦木を見て、「…ってか、凄い想像力。かかかかか。」そして、「…と、言うか、うんうんうん。今のリアクションだと、眞鍋さん。」そして、微笑みながらも、「遂に、好きな人、出来たか~~~。ははははは。」そんなふたりにいきなり顔を両手で覆いながらの睦美、「あ~~~~ん。」浦木、顔をニコニコと崩して、「はははは。はいはい。図星でしたね~~。あん。でも、良かったじゃな~~い。ははは。40前にして、結婚出来る~~。…で…???…お相手の人は…???」小室もニコニコと、「うんうんうん。」「でも。」浦木。「何だか、眞鍋さんって、物凄い素直~~。…って、言うか~。ん~~。何だか、嘘が付けないって言うの…???」志奈子を見て。小室も、コクリと。「うんうんうん。」浦木、眞鍋に、「…で…???」顔を傾げて、「お相手の方は…???」ニッコリと。睦美、多少は観念したようではあるが、「あん。それはだめ。」顔の前、両手で×を作って。途端に浦木、小室、「え~~~ぇえ~~???」そして浦木。「まっ。でも…。その内ね。」志奈子を見て。小室も、「うん。」「当然。」浦木。「その人と、今、お付き合い、している。」瞬間、睦美、また赤くなり、顔をコクリと。浦木、椅子の背もたれに深く、「お~~~。」小室、「じゃあ~~。何度か、デート。な~~んて。」その声に睦美、逆に僅かに両眉に皺を。そして、顔を傾げて、「デート…。…???」そんな眞鍋の表情に、また浦木と小室、「うん…???」小室、「付き合ってるのに、デート、してないんだ…???」キョトンと。睦美、困ったような顔をして、「デート…、って言う、デートは~~。ん~~~。」浦木、小室、「はい…???」睦美、顔をコクリと。「はい。してません。」浦木、小室、同時に、「ません。」小室、「…って…???…はい…???」尚江を見て。浦木も、両眉に皺を、「うん…???…って言うか、それ…、大丈夫なの…???」瞬間、睦美、赤くなった顔で今度はニコニコと。そして両手を前でひらひらひらと。「あ、はい。はい。えぇ。大丈夫です。」「…って、言う…。…その根拠は…???」そこまで言われての睦美、顔を崩しながらにして、「ん~~~。そう…、言われると~~。ん~~~。困るん…、だけど~~。」ふたり同時に、「困る。」またまた睦美、困ったような顔をして、「ん、ん~~~。…と、言うか~~。…まだ、ふたりでは、デート、してない。」瞬間、浦木、小室、「え~~ぇえ~~???」お互いに顔を見せ合いながらも、どちらからともなく、「…て、今、お付き合い。」「う。うん。うんうんうん。」睦美、困った顔のまま、「え、え~~と~~。」顔を傾げて、「お付き合い…って言うか~~。デートって~~。うん。まだ…。してない。」間髪入れずに小室、「いやいやいや。…って。それ…。本当に、大丈夫…なの…???」浦木もその声に、コクリと。「うんうんうん。」睦美、僅かに下唇をビロンと。そして眉間に皺を。そして、顔をコクリと。「だい、じょうぶ、です。はい。」浦木、「…って…。」小室を見て、また眞鍋を見て、「あ、いや…。…だから、その根拠は…。」一拍置いて。「…って言うか~~。何だか、申し訳なくって~~。あ、いや。眞鍋さんを虐めている、訳じゃないんだけど~~。」また小室を見て。小室も、「うんうんうん。」「話の成り行き上…。ねぇ~~。私たちの、結婚を薦める…。そんな…、話しの中で。」睦美、「あん。」ふたりに。「でも、大丈夫です。しっかりと、お付き合い。」小室、「だから。」「もぅ。」睦美、「その方のお宅に何度かお邪魔して、一緒に食事も。」瞬間、小室、浦木、目を真ん丸にして、「うそ。」睦美、顔をコクリと。「はい。ほんとうです。」「凄~~い。デートもなしで、いきな相手の家に。しかも、一緒に食事~~。」ようやく表情が柔和になった睦美。ふたりに、「はい。」小室、いきなり、「…って言うか。」目を真ん丸に。「眞鍋さん、いつの間に、そんな…。お付き合いって…。」その声に睦美、「ん~~。ここ、2週間…、くらい…???」「うそ。」 ママでいい…。 vol,187. 「何だか、眞鍋さんって、物凄い素直~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.26
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その日、睦美は高井戸家には現れなかった。理由は、教室のママたち数名から誘われたのであった。夜の8時。芙美花、「おばちゃん、今日は来ないね~~。」耀司、芙美花の作ったナポリタンを食べながら、「あぁ。…だ~~ねぇ~~。」「何だか、凄い、家の中、静か~~~。はははは。」「確かに。」「必ず、おばちゃんがいて。そして、立て続けに睦美さん、来てたからね~~。」耀司、頷きながら、「うんうんうん。」その頃、汐梨は、仕事が終わって電車の中。そして、こちらは、未だにママさんたちと歓談中の睦美。何やら、結婚話が進んでいる様子。小室志奈子(こむろしなこ)、眞鍋に、「眞鍋さ~~ん、そんな事言ってたら~~。すぐに40になっちゃうよ~~。」隣の席の浦木尚江(うらきなおえ)も、「そぅそぅ。私なんて、ヤバイ、もぅ30~~。な~~んて言いながらに、マッチングアプリで、何とかゲット~~。」ふたり、共に、5歳の子供がいる。ヨシカワ音楽教室のレッスン生の母親たちである。眞鍋、そんなふたりに、「マッチングアプリ。」浦木、「うんうんうん。」そしてスマホで、ササササと。「これなんだけどね。」「…って。尚江さん、まだそのアプリ~~???」小室。「ふん。まだアンインストールしてな~~い。万が一、誰かに相談された時なんて、いいかも~~って思って~~。」睦美、画面を見せてもらって、「へぇ~~。今って、こういうの…、あるんだ~~。」浦木、「わお。雑学の眞鍋さん。こういうの、知らないかぁ~~。」眞鍋、右手を振りながら、「いえいえ。全然。」そして睦美、画面を見ながら、「わお、凄っ。」「かっこいい人、いるでしょう~~。」ニコニコと浦木。小室も、「うんうんうん。いいかも~~。マッチングアプリ、今、人気だもん。」「とにかく。」浦木。「今、日本で一番結婚率が高いって評判なのがマッチングアプリ。4人にひとりが利用して結婚~~ん。…って言うかぁ~~。まっ。確かに。結婚率のダントツは~~、職場の同僚や先輩、後輩が結婚相手って言う場合もあるけど~~。他には友人、知人からの紹介ね。他には学校の同級生や~~。その学校の先輩や後輩が結婚相手~~。そして、後はお見合い。…なんだけど~~。それには全く属さないで~~、の、異性を求めている人が~~、利用しているのがこれ。マッチングアプリ。」眞鍋、「へぇ~~。凄いんだ~~。」けれども浦木、「但し。勧誘はしない。まま、私は~~。実際には自分の為に何とか方法を探して~~。…って、でも、事実、職場の同僚や先輩、後輩には、そういう人、いないし~~。当然、学校の先輩や後輩にも、そういう人はなし。どっちかって言うと~~周りに知られない。って言うか~~。周りの人、誰もが知らない人と結婚したいって言う、ある種の願望…???…あったからね~~。」小室、「うんうんうん。そういう人には、多分、向いてるかも~~。」浦木、「土台、その人に合っているか、合ってないかは、その人が決めればいいんだし。ただ、こういうのも、ある。…と、だけ~~。ただ、国内で登録者数って言うのがあるんだけど~~。多いマッチングアプリは登録者数2000万人。」間髪入れずに睦美、「凄~~い。」浦木、「でも、勧誘はしないわよ。ひとつの方法としてね。眞鍋さん、年齢の割に、奇麗だも~~ん。」その声に睦美、赤らめて、「そんな…。」小室、「はははは、赤くなった~~。」睦美、瞬間、頭の中で、「…でもな~~。私には…。」高井戸の顔が…。そして僅かの間。そして、それを見逃さない浦木。「えっ…???…眞鍋さん…???」僅かなりにも何かを考えていたのだろう。僅か2秒でも。けれども、その間が…。浦木、眞鍋に、「何、今の間…???」小室も、「うんうんうん。なんか、ちょっと間があった。えっ…???」浦木、眞鍋を見て、「眞鍋さん…???」その声に睦美、「えっ…???」僅かにまだ頬を。浦木、眞鍋を見ながら、「えっ…???…って、眞鍋さん。…もしかして…、誰か、好きな人。」いきなり慌てての睦美、体をビクン。そして両手を挙げて、大袈裟に、「いやいやいやいやいや。いない、いない。全然。好きな人なんて。」ただ…。その大袈裟な姿勢が、昔なら、「な~~んだ~~。いないのか~~。」と、なるのだが…。時代は…変わった。大袈裟な姿勢を取れば、取るほど…。浦木、「あ。いる。」真顔で。「こりゃいるな。」瞬間、眞鍋、浦木の顔を見て、キョトンと。「え…???」連動しての小室も、顔を縦に。「うん。いるね。」睦美、今度は小室を見て、またまた両手を振りながら、「いやいやいや。いません。いませんよ、そんな人。」浦木、真鍋に、「だから、それ。」睦美、目を丸く、「え…???」小室、「やたら、ムキになるとこ。」 ママでいい…。 vol,186. こちらは、未だにママさんたちと歓談中の睦美。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.25
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事務局に戻った睦美、事務局員たちから労いを。「お疲れ様~~。」「はは。どうだった~~???」それらの声に睦美、にこやかに、「はい。何とか。でも…、物凄い緊張~~。」珠里、「はははは。まま、当然よね~~。」万智、「あん。私も聞きたかった~~。」有紀、そんな万智に、「仕方ない。私たちには私たちの仕事がある~~。」珠里、にこやかに、「まぁ。そういう事~~。」奈織、「…ってか、誰か、ビデオ、撮ってないのぉ~~。」「しっかりと。撮ってますよ~~。」事務局に入って来てのいきなり生野。その声に事務局員たち、一斉に、「きゃ―――――ーっ!!!…やり~~~。」彩未、両手を叩いて、「うんうんうん。はは。あ、そう言えば、確か。発表会の時も生野さん。」その声に生野、ニッコリと。「はい。みなさんの為に。こればっかりは欠かせませんから。同じ教室の職員として。各々、休憩時間にでも、お昼にでも。」一同、「は~~~い。」そして、生野、「眞鍋さん。MC、お疲れ様でした。上々でした。良かったですよ。」睦美、その声に、照れながらも、立ったままで、「あ、ありがとうございます。」そして睦美、椅子に座り、何気にスマホを。「あっ。高井戸さん。」耀司、汐梨の車の後部座席で、「おっ。既読が付いた。はは。」睦美、そして、メッセージを見てニッコリと。「ふふ。今、買い物し終わって汐梨の車に乗っていて、ラインしろとうるさい。とにかく楽しかった。子供たち、みんな偉い。それに、先生のピアノ、良かったです。そして睦美さん、MCお疲れ様でした。まさか、睦美さんがMCだとは。びっくりしました。」睦美、誰からも気付かれないようにスマホに文字打ち。「私もいきなり司会をさせられてビックリしました。仕方なく受けたのですが、小白川先生からも教室長からも労いを頂きました。」耀司、「おっと~~。」交差点。汐梨、助手席で、「何…???…ライン…???」耀司、画面を見ながら、「あ、うん。」勝臣、「はい着いた~~。」耀司、スマホに。「もぅ、家に着きました。」すぐさま既読。「早い。」そのメッセージを見て耀司、「はははは。」そして車から降りて、「勝臣君、ありがとう。」勝臣、「いえいえ、どういたしまして。」汐梨、「後で来るね~~。」その声に耀司、「おっ。ありがと。」そして、「麻沙美~~。歌、ありがとね~~。」後部座席の麻沙美、その声にコクリと大きな声で。「うん。」そして…。汐梨と勝臣が丁度、自宅に到着した時だった。汐梨のスマホにセレモニーから。汐梨、「あ、あ~~、はいはい。うんうん。…て、事は、私が行かないとダメか。」スマホからはスタッフの声。「うん。弓永(ゆみなが)さん、とにかく、木守汐梨推しの人だから~~。」汐梨、「かかかかか。了解。んじゃ、今、向かうわ。」その声にスマホから、「ごめんね~~。折角の半休に~~。」その声に汐梨、「いえいえ。私の方こそ、いつも先に上ってるから。んじゃ。」玄関を開けて勝臣、汐梨に、「仕事…???」「あ、うんセレモニー、戻らなきゃ。とにもかくにも、お客様第一~~。」そんな汐梨に勝臣、ニッコリと。「はははは。うん。行ってらっしゃい。…あ。んじゃ、お義兄さんち。」「あん。先方の話しの内容に寄るわね。」勝臣、頷いたように、「うん。」麻沙美、駆け足でリビングに。汐梨、「麻沙美~~。ママ、仕事に行くから~~。」「は~~い。」汐梨、勝臣に、「じゃ。」「うん。気を付けて。」「…ってか。」耀司。「汐梨、あいつ、何~~にやってんだ~~~???…あれから、2時間。」腕時計を見ながら…。そして、「まっ。いっか。」けれども気になって、スマホで…。けれども、「あれ…???…電波の…。」顔を傾げながら。そしてまたスマホを。3回のコールで、「あ、はい。勝臣です。お義兄さん…???」耀司、「あぁ、俺だけど、汐梨…???」スマホから、「あ~~。帰り際、セレモニーから電話があったらしく、セレモニーの方に。」「ふ~~ん。な~~るほどね~~。うん。分かった~~。ありがとう。」「どういたしまして~~。」その内、芙美花が帰宅。「あれ…???…おばちゃん。」そして父の部屋に。「おとうさ~~ん。」ドアを開いて。耀司、「おぅ。お帰り~~。」「うん。ただいま~~。おばちゃん。」「あぁ。仕事…、らしい。」芙美花、その声に、「ふ~~ん。…じゃあ、久し振りに。私が…。」耀司、ニヤリと。「おとうさん、手伝おうか…???」けれども、そんな父の顔を見て芙美花、こちらもニヤリと。「大丈夫です。面倒が重なるから。」間髪入れずに耀司、「おい。」芙美花、上下の歯を見せて、「ニシシシシ。」ドアが閉まる。耀司、途端に、膨れっ面になって、「…った~~くぅ~~。」いきなりドアが開いて、「…で…???…どうだった、子供合唱団。」その声に耀司、両眉を上下に、「大絶賛。」芙美花、「や~~るぅ~~。」 ママでいい…。 vol,185. 「眞鍋さん。MC、お疲れ様でした。上々でした。良かったですよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.24
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一番席の端の方、その2番目の席からだろうか、立ちあがったひとりの女性。睦美の声、「小白川亜耶乃からの、クリスマスソングを弾いていただきます。」その紹介に小白川、会場内に向かって丁寧にお辞儀をして。汐梨、「このヨシカワ音楽教室の一番の先生。」耀司、「あれ…???…確か、睦美さん、あの先生からピアノ…。…じゃなかったかな~~。」会場内から拍手。子供たちも、「先生~~。」小白川、子供たちにニコニコとそして、右手を振って。ピアノの椅子に。そして…。最初の曲に、会場内で、「あ~~。ははは。うんうんうん。これこれ~~。」赤鼻のトナカイである。汐梨も勝臣も耀司も、「うんうんうん。いいね。」そして…。次の曲。最初のワンフレーズで、会場内拍手。汐梨、勝臣、耀司、「さすがにこれは、外せないか~~。」山下達郎のクリスマスイブ。前列の子供たちも両肩を揺さぶりながら…。耀司、「さすがは、子供たちも知ってるか~~。」汐梨、「まぁね~~。クリスマス前から流れてるもんね~~。」耀司、聴きながらも、「いやいやいや。さすがに上手い。」そして…。次の曲。会場内からは、「うんうんうん。これだよね~~。」子供たち、体を揺らしながら。ジングルベルである。耀司、「いやいやいや。ほんと、クリスマスだわ。ははは。」…そして…。小白川本人から。会場に向けて、「今日は、本当に、どうもありがとうございます。この子供たちのクリスマス合唱に多くの方々が賛同してくれました。そんなみなさまに、最後の曲をプレゼント致します。聞いてください。」静まり返る会場内。そして…。これもまたワンフレーズ、若いママさんたち、いきなり、「わ~~~~っ!!!」大きな声で。ただ、殆どが若いママさんたちなのだが…。汐梨、頭を揺らしながら、「いやいやいや。これ、来たか~~。」耀司、「back numberねぇ~~。」勝臣、「おやおや。お義兄さん、知ってましたか。」その声に耀司、「いや…。知ってましたかって言っても、テレビやラジオで、聞こえてくるんだもん。」その声に勝臣、ニコニコ、「確かに。」ラストソングはback numberのクリスマスソング。演奏が終わった途端に拍手喝采。小白川、椅子から立ち上がり、丁寧にお辞儀を。会場内の拍手は鳴り止まない。睦美の声、「小白川亜耶乃先生。どうもありがとうございました。」そして、「みなさま、楽しんでいただけたでしょうか。このヨシカワ音楽教室の子供たちによるクリスマス子供合唱団。ありがとうございました。これからも、子供たちの事、よろしくお願い致します。」そんな声に、会場内からも拍手喝采。耀司、「いやいやいや。何とも。勝臣君、ビデオ。」勝臣、そんな耀司、「バッチリです。」「OK~~。はははは。」会場内では、それぞれの子供たちが親御さんたちに。耀司、「いやはや。ビデオを持っている人や、スマホで最期まで動画撮影の人~~。」汐梨、「うんうんうん。はははは。」小白川、教室長の善川と握手を。そして生野とも握手を。そして小白川、会場の隅の司会席に。「睦美~~。」睦美、「ははは。先生~~。お疲れ様でした~~。」そんな睦美に、小白川、「ううん~~。はは。MC良かったじゃな~~い。うん~~???」その声に睦美、恐縮しまくりで、「いえいえいえ。だって~~。いきなりなんですもの~~。本当は有紀さんが司会のはずなのに~~。どうせなら、眞鍋さん、やってみないって。いきなりですよ、いきなり~~。」小白川、その声に、「うんうんうん。でも、結果オーライ。」睦美、思わず右手を出して振りながら、「いえいえ。とにかくビックリで。日本語だって、私。」そんな睦美に小白川、「ううん。逆に、その日本語でいいのよ。日本人にも好まれるイントネーションで。しかも、新鮮。あなた、睦美、いつも事務局で一番奥の方でしょ。あんまり目立たない。でも、他の事務局の人たちは、何かしら、みんな…、声を聞いてるから。親御さんも余り表に出ない。そして、余り聞いたこともない声って、新鮮なのよ。だから、今回、正解よ、睦美~~。」と、ニッコリ。睦美、その話に、丁寧にお辞儀をして。「ありがとうございます。」そして、善川も。「眞鍋さん、MCお疲れ様。ふふふ。良かったじゃない~~。みなさん、気分良く、楽しまれた感じ。ねぇ~~。」そんな善川にも睦美、丁寧にお辞儀をして、「ありがとうございます。」「それに…。来年から、また、心機一転。頑張ってもらうわよ。」と、善川。睦美、その声に、「えっ…???」小白川と善川、そんな睦美にニッコリと。小白川も、「うんうんうん。」子供たちと保護者はそれぞれ事務局員たちに挨拶をして音楽教室のドアを。耀司たちも、「さて。帰るか。」汐梨、「ま~~た~~。他人事~~。睦美さんには~~???」「いや。そんな事、言われても~~。こればっかりは~~。」「ライン、しなさい。」 ママでいい…。 vol,184. ラストソングはback numberのクリスマスソング。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.23
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麻友、初出勤から3日目。看護師たちも医師たちも、「やる。」「おほほほほほほ。」「出来ますね~~。」「こりゃ、たいしたもんだ。」そして…。こちらでは…。ヨシカワ音楽教室の眞鍋睦美。今迄数回の高井戸家への仕事帰りの訪問で。…しかも、毎日、これと言って個人的な内容のラインではないものの、とにかく、あいさつ程度のラインを。そして、耀司からもそれにはしっかりと返信。それだけのコミュニケーションで睦美は、それでも顔には出さずにいつも通りに。そして…。クリスマス前の、子供たちによる子供たち合唱団。この日は、予め有給休暇としての勝臣。以前の発表会同様にビデオカメラを持ってのヨシカワ音楽教室へ。子供たち、事務局員からも、「頑張って~~。」の応援されながらも…。合唱団は午後から。ヨシカワ音楽教室もすっかりとクリスマスのデコレーションで飾り付けが施されている。芙美花も来たがってのではあるが当然の事ながらの学校。耀司、汐梨と勝臣に、「へぇ~~。ウチから帰って。…で、寝る前に歌の練習か~~。」汐梨、その声に、「ふふふ。」勝臣、ニコニコと、「えぇ~~。」汐梨、勝臣を見て、「毎日、パパと一緒に…練習~~。」耀司もニコニコと、「おほほほほ~~。うんうんうん。」勝臣、耀司に、「あ。お義兄さん、拝見しましたよ、眞鍋さん。睦美さんでしたか。」いきなり耀司、「えっ…???」照れ臭そうに。「あ、あ。ははははは。」勝臣、小声で、「うんうんうん。確かに。いましたよね。ママから聞いて韓国人って言われて、へぇ~~。そうなんだ~~って、記憶にはありました。…で…???…その後。」「え…???…あ、うん。うんうんうん。まぁ、まぁ。」「…って言うか、高井戸家に仕事終わってからも。」耀司、また照れ臭そうに、「あ、あ~~。ま。うん。…だ~~ねぇ~。」子供たちの合唱は以前の発表会と同じ会場で。既に会場には子供たちの保護者たちが…。汐梨、「いよいよね。ははは。楽しみ~~。サンタが街にやってくる。うんうんうん。」耀司、「それって、結構難しいんじゃない…???」汐梨、そんな耀司を見て、「な~~に言ってる~~。ふふ。こう見てもね。このヨシカワ音楽教室。子供たちのレベルだって相当なもんなんだから~~。」耀司、目を真ん丸に。「へぇ~~。そうなんだ~~。」そして顔を傾げて、「でも…。まっ。麻沙美のあのピアノを聴けば、確かに。それは納得かぁ~~。」そして…。袖の方から子供たち。その愛らしいコスチュームにも会場からは拍手喝采。誰もが、「可愛い~~~。」汐梨、「あのコスチュームは、みんなの手作り。先生たちも、事務局員たちも、ママさんたちも。」勝臣、「うんうんうん。」耀司、「わ~~お。知らなかった~~。」汐梨、ニッコリと。「知る訳ないでしょ。ある種、サプライズ。」耀司、その声に、「へぇ~~ぇえ~~。なるほど。うんうんうん。」そして…。「みなさま、お待たせしました。」その声に、耀司も汐梨も、「えっ…???」そして、あちらこちらで、司会の方を見るママたち。汐梨、「睦美さん…???」耀司も、「おほ。」勝臣、「眞鍋さん…???」睦美の声、「それでは、これより、ヨシカワ音楽教室の子供たちによるクリスマス合唱を始めたいと思います。」会場内、一斉に拍手。誰も彼もが頷きながら。汐梨、「うんうんうん。睦美さん、良い。良い。」微妙な日本語のアクセントが受けている。勝臣も、「うん。話し方、いいっすね~~。」耀司、「はははは。…ってか、睦美さんが司会するなんて、聞いてないんだけど…。」汐梨も、「うんうんうん。私も…。」睦美、「それでは。お願いします。ピアノ伴奏は、一ノ瀬鈴鹿(いちのせすずか)先生です。先生。お願いします。」会場内、再びの拍手。汐梨、「ここの教室で、一番若手の先生。」勝臣に耀司、「へぇ~~。」「おほほほ。そうなんだ~~。」ピアノ伴奏が始まる。汐梨、「うんうんうん。これこれ。」勝臣、耀司に、「これで毎日、寝る前に練習~~。」耀司、頷きながら、「な~~るほどね~~。確かに。毎日聞いてれば、歌いやすいよね~~。」そして、歌が…。汐梨、「ははは。うんうんうん。良い、良い。」勝臣、「中々~~。」耀司、「いやいや。や~~るね~~。」簡単な振り付けではあるが、それでも子供たち、息がぴったり。僅か3分弱ではあったが、歌が終われば会場内からは拍手喝采。子供たち、一礼をして、袖に。またまた会場内から、「可愛い~~。」「うんうんうん。良かった~~。」「頑張ったよ~~。」そして、一旦は袖に戻った子供たち、着替えて今度は会場の真ん中の一列の席に。会場内ではまたまた拍手。そして、ピアノが中央に。耀司、「おっと~~。」汐梨、「いよいよ先生の。」勝臣、「だ~~ね。」睦美の声。「それでは、これより先生方の方から代表で…。」 ママでいい…。 vol,183. 「毎日、パパと一緒に…練習~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.22
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高井戸家で芙美花、椅子に座ってコーヒーを飲みながら、ソファに座って雑誌を見ている父に、「おとうさん。」芙美花に耀司、「ん~~~???」「結局の話し。私の勝手な想像なんだけど~~。」耀司、その声に、「ふん。」「こういうのも、良いよね。」耀司、「うん…???」「つまりはさぁ~~。ヨシカワ音楽教室が幸いしているって事~~。」耀司、その声に顔を傾げて、「うん…???」芙美花、「だから、私の勝手な想像なんだけど~~。願わくば、睦美さんには、このまま、今日みたいに、音楽教室の仕事が終わったら~~。ウチに来てもらう。」間髪入れずに耀司、「はい…???」「そうすれば~~。デートに誘えないおとうさんも~~。目の前に睦美さんがいる訳だから~~。当然、気軽に話せるよね~~。」その話に耀司、芙美花を見て、「…って、おま…。そんな、簡単に~~。」その声に芙美花、「…ってか、この方が一番自然だと思うんだけど、私個人的には~~。」困ったような顔をして耀司、「まま。まぁ…。…芙美花の気持ちは、分かるんだけど~~。…そんな…。強引に、職場が近いんですから、毎日、寄って下さい。…って、普通、言えるか…???」「じゃあ~~。今度、睦美さんが来た時、私、言っちゃうから~~。」雑誌にまた目を落としながら耀司、「いやいやいや。そんな…、簡単には…。」そして…。その3日後、また睦美、高井戸家に。「こんにちは~~。」そして…。睦美は。汐梨と共に、帰って行った。芙美花、椅子に座ったままで、腕組みしながらもテーブルにうつ伏せになるように、「言えなかった。」耀司、いつも通りにソファで雑誌を。「ほ~~れ見ろ~~。」芙美花、顔傾げて、「…って。…なんで…???…おばちゃんは、あんなにストレートに、しかも、友達感覚で話、出来るのに。」「まっ。そんなもんじゃないのぉ~~。」「…って言うか、おとうさん。おとうさん、睦美さんに電話やラインって…???」耀司、「いや…。してないけど。まっ。この前、ほら。汐梨が睦美さんに言ったから。睦美さんの方から、電話じゃないけど、ラインは毎日、来るよ。」その話に芙美花、ヒョットコのような顔をして、「へぇ~~~~。いやいやいやいや。満更でもないじゃん。」「まぁなぁ~~。汐梨から、あれだけ言われた手前。睦美さんも。」瞬間、芙美花、「…ってか、おとうさん。それって逆。」途端に耀司、顔を傾げて、「はっ…???」芙美花、父を真向に見て、「あれだけ言われた手前は、おとうさん。完璧に、おとうさん、睦美さんに甘えてる。」その声に耀司、口をムニュッとして、「あ。いや…。…て。…そう、言われても…。」暁美、ソファで本を読みながら睦美に、「ははは。また、高井戸さん…???」その声に睦美、恥じらいながらも、「う、うん。」こちらはスマホであれこれと検索。暁美、微笑みながらに、「そぅかい。はは。まっ。あんたがとにかく、その気になってくれたんなら、かあさんは、嬉しいけどね~~。」そして暁美、「それはそうと、晄史たちは、最近、高井戸さんとは。」「あん。忙しいみたい。とにかくヴァリエットが今、絶好調みたいだから~~。マネージャーみたいに付きっ切りって話。誓は誓でぇ、宣伝ならではの忙しさって。だから、晄史も、高井戸さんには最近は連絡も。」暁美、「へぇ~~ぇえ~~。まま。確かに、最近、帰り、遅いから。」事実。ヴァリエットが韓国でも日本でも好調だった。そのために晄史は付きっ切り。とにかく、韓国語が話せるスタッフと言うのがユニットに取っては支えになっていた。当然であるが、マネージャーは、韓国語は話せない。つまりは、晄史がスタッフでもあると同時に、通訳でもあるのだった。当然ながら、ヴァリエットの評判がうなぎ上りになるのと同時に、また新しい日本の女性のユニットが誕生。こちらも好評で、誓も宣伝の分野で時間が足りない状態でもあった。そして…。こちら…。坂下麻友、杉並総合病院、初出勤。師長の宮前から医師と看護師に紹介された。その反響が…。誰も彼もが、「前の主任に似てない…???」「うんうんうん。最初見た時、びっくりしたもん私。高井戸主任…???…って。」医師たちも、宮前に、「おぃおぃ、師長。新しい看護師って。」他の医師たちも、「うんうんうん。」けれども宮前は逆に、「えぇ。私もそう思います。でもねぇ~~。」そしてニッコリと。「逆に、私の方が驚いたくらいだから~~。」医師たち、「えっ…???」「そりゃそうでしょ~~。いきなり目の前に、麻友。あ、いえ、坂下麻友にそっくりって。高井戸祐里子を見た途端に、そう思いましたから。」その声で、看護師たちも医師たちも、「あ、あ~~~。なるほど。」「確かに。」そして…。 ママでいい…。 vol,182. 芙美花、「だから、私の勝手な想像なんだけど~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.21
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そして…。麻沙美、睦美の描いた絵に、「眞鍋のお姉ちゃん、絵、上手~~~。凄~~い。ねぇ、ママ~~。」汐梨、料理をしながら、「ん~~~???」麻沙美、スケッチブックを持って母親に。「ほら~~。」絵を見て汐梨、「へぇ~~~。うんうんうん。凄~~い。」そして睦美を見て、「睦美さん、絵、ほんとに上手いのね~~。…って、言うか、可愛い~~。」そして、「いやいやいや。私は無理だわ~~。絶対に、こんな風には描けない。」睦美の描いた絵は、シリアスでもなく、劇画タイプでもなく、とにかくコミカルな。子供向け。食事をしながら耀司も芙美花も、睦美の描いた絵を見て、「凄ぇ~~。」「凄~~~。」「…って言うか。」耀司。「これ、パソコンで動画にしたら、子供たち、滅茶苦茶喜ぶんじゃない…???」いきなり睦美、真っ赤になって、「そんな~~~。」芙美花、「うんうんうん。でも、それ、ありかも~~。上手~~。それに、色鉛筆の色使いから~~。へぇ~~~。」汐梨、睦美を見て、「睦美さんって、前々から絵を描くのって。」「小学生の頃から…。絵を描くのは、好きでしたね~~。」芙美花、「うんうんうん。」耀司、「いやいやいや、とにかく凄いね~~。」芙美花、父を見て、「あん。何か、こうなっちゃうと~~。滅茶苦茶睦美さんのピアノ、聞きたいよね~~。」すぐさま耀司、「おっと~~。」にこやかに。汐梨も、「うんうんうん。確かに。」そして芙美花を見て、耀司を見て、「ここで、睦美さんの生のピアノ演奏聞いたのが~~。」そして、耀司を見て、「兄さん、だけか~~。」その声に睦美、思わずニッコリとして。汐梨、耀司を見て、「こんちくしょう~~。」すかさず耀司、「おぃおぃ。麻沙美の前で、その、こんちくしょうは戴けないんじゃないのぉ~~。」睦美、可笑しがりながら。汐梨、「あ。」そして、麻沙美を見て、「真似しちゃ、だめよ~~~。」耀司、「良く言うわ。」坂下家で、麻友の転職祝いの食事中。すき焼きを家族で食べながらも…。坂下直弥(さかしたなおや)麻友の弟である。「うんうんうん。やっぱ、格別~~。冬はすき焼きに限る~~。」父親の坂下顕(さかしたあきら)、「まぁな。…けど。久し振りだよな~~。我が家ですき焼きってな。」その声に坂下凌子(さかしたりょうこ)、麻友の母親である。「何言ってんの~~。毎年、食べてますけど…。」顕、「えっ…???…そうだっけ…???」「困りますよ、今から認知症なんて~~。」直弥、「…って言うか、どしたの、姉さん。さっきからだんまりで…???…姉さんの転職祝いじゃん。」その声に上の空の麻友。凌子も顕も、そんな麻友を見て、「うん…???」「……。」恵津子、「麻~~友。」その声に麻友、いきなりビクンと。「えっ…???…あっ。あ、あ。あはははは。うんうんうん。美味しい、美味しい。」直弥、困ったような顔で、「な~~にやってんだか。全然、箸、進んでないんですけど~~。肉、食っちまうぞ~~。」凌子、そんな麻友を見て、「どうしたの~~???…ほんと、さっきから。」麻友、思わず瞬きをして、「えっ…???…いや。うんうんうん。何でもない。ちょっとね~~。考え事~~。杉並病院、さてと。これから。…ってね~~。」凌子、「な~~に言ってんの~~。さんざん恵津子から話、聞いてる癖に~~。それに、病院にも、何度も行ってる癖に~~。」「ままままま。」麻友。「う、うん。うんうんうん。それは。確か…、何だけど~~。あ、ほら。いざ、本格的に、働くとなると~~。ね。あれこれと…。…気持ちの準備とか。ね。ははははは。」「院長に退職願、叩きつけた人が…???」直弥。その声に麻友、「う、うるさいわね。」坂下美優紀(さかしたみゆき)、直弥の妻である。食べながらも、器を持ちながら、「何はともあれ、お義姉さん、転職、おめでとうございます。」ペコリと。麻友、嬉しそうに、「ありがとう、美優紀さん。ふふ。」「本当は、朋子(ともこ)も、一緒に食事。なんですけど。」凌子、「いいの、いいの。とにかく、仕事が忙しいんでしょう~~。出版社~~。」美優紀、「え、えぇ~~~。」顕、「ははは。とにかく、大したもんだよ。我が家の血筋に、編集者が誕生したんだからな。ははは。」顕、口を大きく開けて、「アチアチ。…ってか、仕事キツイ~~なんて、辞めなきゃいいけど~~~。」そしてまた、麻友の手が止まる。恵津子、そんな麻友を見て、頭の中で、「…この子。」睦美、高井戸家の玄関で、「ご馳走様でした。」汐梨も、コートを羽織りながら、「うんうんうん。はは。じゃ、行こか。」「あ、はい。」コクリと。「お願いします。」そして…。駅まで送っての汐梨。窓を開けて、「じゃね~~。」睦美、「あ、はい。ありがとうございました。おやすみなさい。」「うん。おやすみ。」 ママでいい…。 vol,181. 「眞鍋のお姉ちゃん、絵、上手~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.20
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汐梨、耀司に、「いやいやいや。いないって…。」耀司、コーヒーを飲みながら汐梨を見て、「ふん。独身。」途端に汐梨、「はい…???」芙美花、「……。」汐梨、瞬きして、「いや。いやいやいやいや。45歳にして独身。…で、義姉さんに似てる。…って。」そこまで言って汐梨、耀司を見て、「まさか、兄さん。宮前師長に、この人、あんたにどお…???…な~~んて、言われなかったでしょうね~~。」いきなり耀司、慌てて、「えっ…???」顔を引っ込めるように、「あ、いや。いやいやいやいや。全然。」首を振り、左手を振り、「うんうんうん。いやいやいや。全然。」そんな表情を見て汐梨、何かしら、人を軽蔑するような目で、顔で。「あ。言われた~~。」瞬間、睦美、木守を見て、「えっ…???」芙美花、すかさずぶすっとした顔で、「おとうさ~~ん。」汐梨、まだ同じ表情で、「この人の悪い癖。事実を突きつけられても、何とか言い訳をして繕う。しかも、懸命に誤魔化して。はい。そうですって言えない。何とか誤魔化す、逃げる。まぁ…。言っている事は。真面で立派なんだけどね~~。とかく、自分にはね~~。」そこまで言って汐梨、「まぁ~~。凡そ、義姉さんが亡くなって高井戸家、家事、大変でしょ。芙美花も来年は高校3年生。例によって、お受験。そんな中で家事出来ないあんた。どうするの。芙美花に試験勉強も家事も全部~~。とんでもない親だね~~。とか。この人、あんたにどうよっ。とか。」思わず耀司、眉間に皺を。そして口を尖らせて。瞬間、汐梨、「ほ~~ら、見ろ。図星~~。」その頃、車の中では宮前、「はい、着いた~~。」そして麻友を見て、「はは。何、黙ってんのよ~~さっきから~~。…もしかして、高井戸耀司、気に入った~~???」その声に麻友、チョコンと顔を傾げて、「さ~~てね~~。どうかな~~。」そんな麻友を見て宮前、「…と、言う事は~~。満更でも。…あんたが、そういう事を言う時は~~。大概…。」耀司、睦美を見て、「睦美さん、困ってるよ。」その声に思わず睦美、「あ、いえ…。」汐梨、「それはこっちの台詞。ねぇ~~。」睦美に。「こんな、どっちつかずの兄です。睦美さん。」睦美に丁寧に頭を下げて、「よろしくお願いします。」顔を赤らめて睦美、「いえいえいえ。」そして、「はい。こちらこそです。」途端に汐梨、睦美の方に体を伸ばすように、そして両手を。「優しい~~。そして、可愛い~~。」思わず芙美花、「かかかかか。」睦美、差し出された両手を両手で握って、「ありがとうございます。」ペコリと。そして汐梨、睦美に、「あ、睦美さん、また夕飯、食べてって。」その声に芙美花も、「うんうんうん。睦美さん、お願~~い。」汐梨、椅子から立ち上がり、「今日、ハンバーグにポテサラ~~。ふふ。」いきなり麻沙美、「わ~~い。ハンバーグ~~。」その声に睦美、ニッコリと。芙美花、「麻沙美、ハンバーグ大好きだもんね~~。」「う~~ん。」芙美花、「よし。」椅子から立ち上がり、「私も手伝う。」瞬間、汐梨、「あんたは勉強~~。」そして、笑いながら、「かかかかか。何のために私がいるんだよ~~。」芙美花、その声に舌を出して、「へへへへ。…でした~~。」そんな芙美花と汐梨に睦美、「えっ…???」汐梨、キッチンに。「要は~~。今のまんまじゃ、芙美花、家事と勉強でバッタバッタ。」そして、耀司を見て、「そっちのでくの坊のお蔭で~~。来年の試験勉強に大影響。だから~~って。私がここにいる訳~~。その条件として~~。麻沙美の保育園のお迎えと~~。ヨシカワへってね~~。」睦美、その話に、「あ~~。うんうんうん。でしたね~~。」汐梨の声に耀司、ぶすっとして、「良く、目の前にいる人に言えますよね~~。」汐梨、そんな耀司、「はいはい。言えますよ~~。本当の事だから~~。まっ。何とか、洗濯物の畳み方は、以前より上手にはなったけど~~。単にそれだけ~~。」睦美、クスクスと。汐梨、「だから、早く再婚しちゃえ。」瞬間、耀司、汐梨に、「あのな~~~。」「こんな唐変木でも、真面目ですから~~。」思わず赤くなり口に両手を当てる睦美。またまた耀司、汐梨に、「おまえ。」そして睦美を見て、頭を掻いて、照れながら、「申し訳ない。あぁだの、こぅだの。」睦美、まだ可笑しがりながら顔を左右に。そして、「あ。じゃあ、私も何かお手伝い。」汐梨、口を真一文字にしてニッコリと。「睦美さんは~~。お客様~~。ゆっくりとどうぞ~~。」その声に睦美、「あ。え…。」耀司も椅子から立ち上がり、「んじゃ、俺は、もぅひと踏ん張り~~。」汐梨、「頑張れ、頑張れ。」睦美、「じゃあ~~。」そして麻沙美を見て、「麻沙美ちゃん、お絵描きしようっか。」その声に麻沙美、バセットから起き上がりニッコリと。「ほんと…???」 ママでいい…。 vol,180. 瞬間、汐梨、「ほ~~ら、見ろ。図星~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.19
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耀司、マイバッグを自転車のカゴに。その後ろで、車のクラクション。宮前、窓を開けて、「じゃあね~~。」右手をヒラヒラと。耀司、ニッコリと、左手を高く。車はスーパーの駐車場を…。耀司、「いやいやいや。まさか、ここで師長に会う~~???」首を傾げて。「あり得ねぇだろ。」そこまで言って、また首を傾げて、「あれ…???…って事は~~。うん…???…あの人、この近所…???…まっ。確かに、車じゃなきゃ、あの買い物…。…でぇ~~。…転職、祝い~~。」そして、「さて。」高井戸家で睦美、「うん。ねぇ~~。麻沙美ちゃ~~ん。」麻沙美を見て、「子供たちによるクリスマス合唱団。」麻沙美、その声に、ニッコリと。「うん。」3人共ににこやかに。耀司、リビングに。「ほぃ。買って来た~~。」そして、睦美を見て、「ははは。いらっしゃ~~い。」睦美、高井戸を見てペコリと。「お邪魔してま~~す。」耀司、ニコニコと。「どうぞ、どうぞ。」マイバッグを汐梨に。汐梨、「サンキュ~~。」そして、中身を見て、「うん。まぁまぁ、OKねぇ。」瞬間、耀司、「いや。何…???…その、まぁまぁOKねって。」その声に芙美花と睦美を見て舌を。「…って言うかさぁ。」耀司。「スーパーで、まさかの人にバッタリ。」汐梨、キッチンの方に、そして、「う~~ん…???」芙美花、「えっ…???…誰に…???」耀司、顔を傾げて、「いや。嘘だろって…。」椅子に座りながら。芙美花に、「師長~~。」芙美花、いきなり、口に手を。「へっ…???…宮さん…???」汐梨、キッチンから、「宮前さん~~???」耀司、キッチン向きながら、「うん。」芙美花、顔を振り、右手を振り、「いやいやいや。全然、家、違うし。宮さん、品川の方だよ。なんで…。」耀司、「従妹の転職祝いって。」瞬間、芙美花、「いとこ。」瞬き。「…ってぇ~~。」顔を傾げて。汐梨、「どっち…???」コーヒーを淹れながら。芙美花も、「うんうんうん。男、女。」耀司、「女。」芙美花、「おんな。」耀司、両眉を上下に。「…てか、見てビックリ。」汐梨、「何が…???」コーヒーを耀司に。耀司、「おっと、サンキュ。」汐梨は耀司の隣に。「いやいやいや。その人。祐里子そっくり。」途端に芙美花。そして汐梨も。「うそ。」「へぇ~~~。」耀司、「いやいやいや。だって、思わず、口から出たもん、祐里子って。」芙美花、父を見ながら、「へぇ~~~。」覚めたコーヒーを飲みながらの汐梨、「ふ~~ん。いるもんだね。」耀司、目を遠くに、「いや。びっくりしたね~~。しかも、近所にいる。今迄…。」芙美花、「へっ…???…近所。」耀司、両眉を上下に。芙美花、その表情に、「へぇ~~~。」汐梨、「…で、あれこれと、道草。」いきなり耀司、汐梨に、「お~~~い。」睦美、可笑しがりながら、「ふふふふ。」「…って言うかさ。」汐梨。「マヨネーズひとつ、買うだけに、何やってんだか。」途端に耀司、「だから~~。」「睦美さんが来てるって言うのに。」耀司、その声に、「あ、いや…。」すかさず睦美、「いえいえ。…でも。」高井戸を見ながら、「私がお邪魔した時、高井戸さん、もぅ、いらっしゃらなかったから~~。」汐梨、そんな睦美に、「優しいよね~~。」芙美花、その声にニコニコと。汐梨、「…で…???…何、話したのよ。」耀司、コーヒーを飲みながら、「その従妹の転職祝い。」「いや。それはさっき、聞いた~~。」「前の病院を辞めて杉並の内科に転職したんだって。」途端に汐梨、「へぇ~~~。義姉さんと同じトコ~~。何で辞めたんだろ。」「前の病院の院長が変わったんだって。…で、新しい院長が外部からの人~~。巨額投資をして~、患者は富裕層しか見ない~~。」いきなり汐梨、「失礼ねぇ。」耀司、「まぁね~。病院にも、いろいろと、ありますから。俺もそういう病院はやだけどね~~。…そのせいで、患者の質が落ちた。金持ちだけが来る病院。」汐梨、「ふん。すぐに潰れるんじゃないの~~。」「けど、意外と、軌道に乗っている。」「冗談じゃないけどね~~。看護師たちが可哀そう。」「だから~~。次から次へと辞めて行く~~。」「あったりまえでしょ。」「でぇ~~。退職願を院長に叩きつけて~~その病院とさよなら。」いきなり汐梨、耀司を見て、「凄~~い。女だね~~。はははは。」耀司、「ふん。いや…。…って言うか、俺もびっくりして、いや…、師長にじゃなくって、院長に…???…って言ったら、師長、やる時はやる子だからって。」汐梨、「ははは。何か、義姉さんみたい。」その声に耀司、「…ってか、ほんと。びっくりだよ。いやいやいや。あれだけ似るかぁ~~???」汐梨、「…で…???…その人、年齢は…???」「45歳。」「自分から言ったの…???」「んや。師長から。」「ふ~~ん。…で、お子さんは…???」「ふん。いない。」耀司。汐梨、思わず、「はっ…???」 ママでいい…。 vol,179. 汐梨。「マヨネーズひとつ、買うだけに、何やってんだか。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.18
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「な~~んてね。」宮前。子供連れの夫婦が耀司の後ろから。宮前、耀司に、「あっと、耀司。後ろ。」狭い通路。3人共に、子連れを通すように。宮前、「はは。思わず、こんなところで長話。」耀司もその声に、「は。ははははは。」「あ、でも、芙美花、今、高2。」耀司、その声にコクリと、「え、えぇ~~。」「あんた、どうするの~~???…家事、出来なくって、今、高井戸家の家事、芙美花でしょう~~。何々、来年、大学受験~~ん。…まさか、試験勉強、しながらも家事全般…、なんて事…。」僅かに眉間に皺を寄せての宮前。芙美花の事も呼び捨てにしているが、それも当然の事。芙美花が産まれて一番最初に喜んでくれたのが宮前。そして、芙美花自身も宮前には懐いている。子供の頃は、「宮バァ。」そして、今は、「宮さん。」耀司、そんな話に思わず困ったような顔で、頭の中で、「…困ったな~~。いきなりの再会で、こんな話になろうって…。それにしても、この人。何なんだ。祐里子、そのまんまじゃん、似過ぎだろ~~…。」宮前、「あんたねぇ~~。耀司~~。まさか、おっちょこちょいのあんたでも、芙美花、勉強しながらも家事全部なんて、ことはないでしょうね~~。」いきなり耀司、恐縮しながらもニコニコと。そして右手をひらひらひらと。「いえいえいえ。そんな…、そんな、そんな…。」顔をペコリと。「はい。家の事は、今、妹が、芙美花の代わりに、手伝って。」瞬間、宮前、「妹…???」瞳、キョロキョロと。そして、「あ~~。はいはいはい~。祐里ちゃんの義理の妹にもなる~~。」耀司、ニコニコと、「え~~。」「え、と~~。名前…、確か~~。」ふたり、同時に、「汐梨。」「汐梨、です。」宮前、頷きながら、「うんうんうん。汐梨、汐梨さん。木守。」耀司も頷きながら、「えぇ。」「あ、そうっか。妹さん、いたんだ。うんうんうん。確か~~。家も…???」耀司、「えぇ。車で10分と。」「うんうんうん。確かに。近いよね。な~~るほど~~。」何とか誤魔化しの笑いの耀司。「えぇ。…で、今、ウチの家事、芙美花の代わりに、手伝ってくれてます。」宮前、目を真ん丸にして、「へぇ~~。そうなんだ~~。」けれども、「いや。…けど、耀司~~。それじゃあ何…???…その、妹さん、これからもず~~っと、芙美花の代わりに高井戸家…???…家事のお手伝い…???…それもあんまりじゃないの。自分ちのお台所は~~。」思わず困る耀司、「そ、それは~~。」そして、「まま。俺に、家事を教えながら。の。」いきなり宮前、「…って、出来んの、あんたに…???…家事…???」慌てながらも耀司、「あ、いや…。…って。だから~~。今、その、妹から、教えてもらって~~。…あ、ほら。俺、今、自宅で、リモートで。」瞬間、宮前、目を真ん丸に、そしてにこやかに、「あ、そっか~~。うんうんうん。一日中、家ん中~~。」すかさず耀司、「はい~~~。」空を見ての宮前、「ふ~~ん。そう言う事~~。」けれども、「けど…。あんた、そんな…、人を頼ってばかり~~。」瞬間、耀司、「あ、あ、あぁ~~。ははははは。」いきなり宮前、「何、その暢気な、あ、あ、あぁ~~。はははははよ~~。ま。それも、まぁ…。仕方がないとは、思うけど~~。祐里ちゃん、逆にあんたには家事はさせない。耀司は仕事専念でいい。って、豪語したくらいだからね~~。まぁ、そういう意味では、仕方ないっちゃ~~、ないんだけど。さぁ。」その頃、高井戸家では、汐梨、「遅いね~~。兄さん。何処で…???寄り道…???…って、まさか、マヨネーズ、ない。なんて、スーパーは。」芙美花、瞬間、「ぷっ。」そして右手をひらひらと。「ないない。」そんな芙美花を見て睦美も、「ふふふ。」汐梨、下唇をビロンと。「だよね~~。」宮前、「とにかく。こんなとこで立ち話もなんだから。いつでも、ラインよこしな。」その声に耀司、「あ、あ、あ~~。はい~~。分かりました。」宮前、ニッコリとしながら耀司の左肩に左手でトントンと。「じゃあね。」そして、ふたりは歩き出す。耀司、「ふぅ~~~。」そして、カゴの中のマヨネーズを見て、「…って、これだけにカゴ、いるかぃ。」そして、ポケットからスマホを。カゴを左肘に掛けて画面に指をトン。いきなり、「何やってんの~~。マヨネーズ買うだけに~~。」スマホからの声。思わず耀司、スマホを耳から遠ざけて、「いっ…。」そしてまたスマホを耳に。「あの、さ。他に何か…。」スマホの向こう、汐梨。芙美花と睦美を見ながら、「ふ~~。そうね~~。」耀司、話を聞きながらに、「は~~い。了解~~。」汐梨、通話を切って、「ふぅ~~。な~~に、やってんだか~~。」芙美花は睦美に、「でね。」睦美も、話を聞きながら、ニコニコと。「うん。うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,178. 宮前、「はは。思わず、こんなところで長話。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.17
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「…って言うか、会社は…???」宮前。耀司、「あ~~。今、ウチ、リモートに切り替えて~~。」「あ。そうだ~~。確かに。コロナで。」「えぇ。」「だよね~~。じゃなかったら、この時間、こんなとこには。」耀司、またまた照れながらも、「えぇ。」そして耀司。「えっ…???…師長、従妹の転職祝いって、さっき。」隣の女性を見て。麻友、ペコリと、「どうも。」宮前、麻友を見て、「この子、ウチの内科に転職してきたの~~。まっ。私が呼んだんだけどね~~。そのお祝い。」耀司、「へぇ~~~。」「歳は45。ここらが女としては、最後かな~~って~~。それに、とにかく、身が軽い。」そして宮前、「あっ、そうだ。耀司、あんた、祐里ちゃん亡くなって、今。まだ。」その声に耀司、「えっ…???…え、えぇ~~。」宮前、意地悪そうな顔で、「まだ、ひとりでしょう~~。」両眉を上下に。そして、「この子、身軽よ~~。未だにひとり。」瞬間、耀司、目を真ん丸に、「え゛っ!!!…うそっ。」宮前と麻友、同時に、「ほんとよ。」「おばさん。」耀司、ぴっくりした顔で、「いや…。まだ…、ひとりって。…ど、独身…???」その声が麻友にどう聞こえたのかは分からないが、目の前の男性に、ペコリと。「今後共、どうぞ、お見知り置きの程を。」耀司、思わず、またまた、照れながらも、「いえいえいえ。そんな…。はは。ご丁寧に。」麻友、目の前の男性にニッコリと。耀司、「それにしても…。45歳でまだ…。いやはや。奇麗ですね~~。」宮前、「ふふ。でしょう~~。」麻友、またまた、「お褒めに預かり。」ニッコリと顔を傾げて。「まっ。この業界。」宮前。「な~~んて言ったら、誤解を招いちゃうけど、中々ねぇ~~。巡り合わせの良い病院もあれば、その逆もありと。あ、ほら。ウチの病院も…。祐里ちゃん、いた頃、妙に結婚、出産の~~。」耀司、その話に、「えぇ~~。聞いてます。」「この子が勤務していた病院もねぇ~~。ウチと同じ。…では、あったんだけど~~。」その声に耀司、顔を傾げて、「うん…???」「この子、男性には全く目も触れずに。看護勤務に。誰かさんと同じ。」いきなり耀司、「ぷっ。」「でぇ~~。周りはしっかりと~~。ゴールインする中で、この子は~~。」ほくそ笑む麻友。「でぇ~~。看護師歴20数年。未だに。」麻友を見て。「でね。そんな病院が、つい半年前に院長が変わったのよ。」耀司、「あら。」「副院長が院長に就任するならいざ知らず、ある種の副院長の陰謀ねぇ~~。」耀司、瞬間、眉間に皺を、「陰謀…。」「副院長が、外部から院長を推薦しちゃったのよ~~。それからがもぅ大変。金持ち以外の患者はいらない。巨額設備に投資をして、富裕層の患者だけを相手に。」耀司、話を聞きながらに、「わ~~お。」「まま。確かに、富裕層でも病院は何とか経営。…なんだけど~~。逆に、患者の質が落ちて来た。マナーの悪い患者。そして、ルールを守らない患者。金持ってんだ、言う事を聞け。それに耐え兼ねた看護師は辞めて行く。そして、次に入って来る看護師はそんな患者たちにはへつらう。当然、新しい院長にもね~~。」腕組をして宮前、「そういう事を経験して、麻友。」麻友を見て、「もぅ~~、限界。と、言う訳で~~。退職願を…。それもまた、院長に。」耀司、「うそ。師長…、にでは、なく、院長に。」麻友を見て宮前、「まぁね。この子。やる時はとことんやっちゃうタイプだから。そういう意味では、祐里ちゃんに、似てるかな~~。はははは。」普通であれば、自分の事をあれこれ話されて、「辞めてよ~~。そんな話~~。」と、なるのではあるが、この麻友と言う女性、全くそんな感じはおくびにも出さずに、ただ微笑んで…。宮前、また、麻友を見て、「芯が強いんだか、どうなのか。」麻友、話を聞きながらにニッコリと。宮前、「お蔭様で、45になっても、未だに、ひとり。」そして、「あんた、麻友。このまま独身、貫くつもり~~。」その声に麻友、何ともあっけらかんとして、「そうね~~。どうしようか~~。」のほほんと。「まっ。でも…、納まるところが、あるのなら…。納まるんでしょ。うんうんうん。」宮前、クスクスとしながらも、「これだもの…。」耀司、困ったようなにこやかな顔で、「あは、はははははは。」宮前、耀司に、「ね。どうよ、この子。あんた、耀司~~。」耀司、途端に、目を丸く、「あ、いや…。いやいやいやいや。何々。」恐縮するように。宮前、「バツイチでも子持ちでも、今更って…。って、人なんだけど、麻友にしては。」麻友、男性を見てニコリと。そして、「良しなに。」宮前、「仕事は出来る。家事も出来る。車の運転も出来る。最高じゃな~~い。」耀司、顔を小刻みに。そして左手をひらひらと。「いやいやいやいや。いきなり~~。師長~~。」 ママでいい…。 vol,177. 宮前、「お蔭様で、45になっても、未だに、ひとり。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.16
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そして…。高井戸家の玄関のチャイムが…。リビングで雑誌を見ている芙美花。キッチンでは汐梨。「あ、睦美さんだ。芙美花~~。」芙美花、その声に、目を真ん丸に、「うんうんうん。」そしてモニターに。「は~~い。開いてま~~す。」すぐさま玄関に。ドアを開けて睦美、芙美花に、「こんにちは~~。」笑顔で。芙美花も、「こんにちは~~。いらっしゃ~~い。」汐梨、キッチンでニコニコと。睦美、芙美花に、「うんうんうん。期末で友達の家で勉強会。」芙美花、「4人でだよ、4人で。だから、睦美さんに会えなくって~~。」睦美、ニコニコと、「はははは。」汐梨、睦美に、「いらっしゃい。」睦美、汐梨にお辞儀をして、「また、来ちゃいました。」汐梨、顔を横に、「ううん。大歓迎~~。今、兄さん、自転車で近くのスーパーに買い物に行ってるから。」スーパーで耀司、「マヨネーズ、マヨネーズっと~~。お~~っと、これ~~~。へへへへ。」すると…。「耀司。」その声に耀司、ビクッ。「えっ…???」声の方に振り向くと、「えっ…???…うそ。師長~~~???」師長と呼ばれた女性、「ははははは。久し振りねぇ~~。こんなとこで会うなんて~~。」耀司、「いっ…???」顔を傾げて、「…へっ…???…でも、師長、家、全然違うじゃないっすか~~。」「はははは。従妹の転職祝いでね~~。こっちに来ちゃってた~~。ははは。元気~~???」耀司、その声にニコニコと。「はははは。」そして頷いて、「えぇ。元気ですよ~~。」すると、後ろから、「おばさん。」その女性を見た瞬間に耀司、「祐里子っ!!!」耀司の前にいる女性ふたり、ひとりは祐里子の生前、勤務していた杉並総合病院の内科病棟の看護師長、宮前恵津子(みやまええつこ)である。そして宮前の後ろに現れた女性、従妹の坂下麻友(さかしたまゆ)である。耀司、その女性を見ていきなり、「祐里子」と口に出たのもそのはず。とにかく、祐里子に似ているのである。その女性、男性を見て、「こんにちは。」と、ペコリ。そして、「何…???…おばさんの知り合い…???」宮前、「あん。知り合いと言うより、ある種、友達のひとりねぇ~~。」その声に耀司、照れ臭そうに、「またまたまた~~。」けれども、「…っと、言うか。」宮前に近づいて右手を右頬に、「そんな風に言って貰えて、ありがたきしあわせ。」「な~~に、言ってるの~~。一緒にすき焼き、突っついた仲でしょう~~。」耀司、照れ臭そうに、「いやいやいや。ごもっともです。」祐里子の生前、看護師になって、一番面倒を見てくれたのが宮前。同期の看護師も3人いたのだが、勤務して半年、1年で勤務のきつさを理由に勤務離脱。…と、言うより、祐里子の勤務態度が同期のどの看護師よりも勝っていたのだった。当然ながら、そんな祐里子を同期は嫉妬して陰口を叩になるが、それでも祐里子は堂々と、「お構いなく主義」そういう精神を貫いていると、先輩看護師にも愛され、師長の宮前には厳しいながらも看護師の何たるかを仕込まれた。他の看護師たちは、祐里子を教育するのが宮前と考えるようになり祐里子に一目置くことになる。そして、看護師たちの食事会にもちょくちょく誘われ、意気投合。余談ではあるが、祐里子に合コンを誘った同期の看護師は勤務1年で退職している。そんな祐里子が見染めた男性、高井戸耀司を初めて他の人に紹介したのが宮前だったのである。その後は祐里子の誘いとあって、何度も何度も祐里子のアパートで3人で食事をする仲にもなっていった。耀司を呼び捨てにするのもその所以である。宮前、麻友に、「この人、高井戸耀司さん。ほら、あなたにも話したでしょう、ウチの病院の高井戸祐里子。その人の旦那様。」麻友、「あ~~。うんうんうん。」そして、目の前の男性に丁寧にお辞儀をして、「初めまして。坂下麻友と申します。」耀司もペコリと。「初めまして、高井戸耀司と言います。」頭の中で、「…何々。びっくりした~~。祐里子だと思った~~。何とも面影、そっくりじゃん。」宮前、「何…???…耀司、あんたが買い物…???…凄~~い。芙美花ちゃん、元気~~???」その声に耀司ニコニコと。「はい。しっかりと~~、元気です。」麻友、「お嬢さんねぇ~~。」耀司、そんな女性に、「おや。ご存じで。」ニコニコと。宮前、「当たり前じゃない。私と祐里子のあんたの仲だもん。しっかりと教えちゃってます。どお…???…その後、仕事の方。」耀司、またまた照れながら、「えぇ~~。お蔭様で~~。貧乏暇なし。」「な~~に言ってんだか~~。Webデザイナーが~~。はははは。…って言うか。」宮前、キョトンとして、「家事出来ないあんたが、買い物…???」 ママでいい…。 vol,176. その女性を見た瞬間に耀司、「祐里子っ!!!」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.15
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そして…。期末テスト。千愛、詩乃、「終わった~~~~。」芙美花、「だ~~ねぇ~~。」景織子、「さ~~てと~~。何か、食べて帰ろう~~。」その声に3人、「了解~~。」近くのファーストフードのイートインで…。詩乃、「あ~~~。とにかく今回は助かった~~。」芙美花、「ははははは。お姉さんの赤ちゃん…???」詩乃、コクリと。「うん。ま。確かに、静かな時は静かなんだけどね~~。とにかく、良く泣く~~。ウチ、一般住宅でもほら、小さい家だから。…でぇ~~。お蔭様で、期間限定にて、近くで工事までしているから、その音が物凄い。確かに、夜はやんないみたいだけどね~~。」千愛、「うんうんうん。」景織子、「でぇ~~。結果や如何に~~。」千愛、芙美花を見て、「それはそうと、芙美花~~~。あれから、おとうさんって…???」その声に景織子も詩乃も、「あ~~、うんうんうん。」千愛、ストローを口に。「おばちゃんがアシストって。」景織子、その声に、「うんうんうん。」その時。そのファーストフードの店の前を同じ博楼高校2年C組の女子生徒が。詩乃、「あ、C組の子たち~~。」4人に手を振りながらも。芙美花、そんなC組の生徒たちを見て、ニッコリと。「はは。」そして、3人に。「うん。まっ。でも、私も詳しい事は分かんない。景織子ん家で勉強会やってたから、家に帰ればおばちゃん、いないから。でぇ~~、期末だからっておばちゃんも私にはあんまり。」3人、頷きながらも、「ふ~~ん。そっか~~。」千愛、「さ~~てと~~。2週間後は、クッリスマス~~っと~~。みんな~~。今年のクリスマスは~~???」詩乃、「まだ、予定なし~~。」景織子も、「私も同じ~~。芙美花は~~???」芙美花、「ん~~~。あんまり、変わんないかな~~。」「へぇ~~~。子供たちによるクリスマス合唱団。」耀司、生野から話を。生野も、「えぇ。子供たちから親御さん、そして私たち職員に。そして、講師たちに感謝の合唱って事で。但し。その合唱にも、感謝の印に講師たちからクリスマスソングと、好きな曲を予めリクエストしてもらってピアノで演奏って。」耀司、そんな話に、ニコニコと、「いいですね~~。」珠里、「でしょう~~。だから、これから少しずつ、子供たちもレッスン終わってから練習して。1曲だけですから。」耀司、「うんうんうん。」睦美は変わらず、事務局の奥の方で仕事をしている。耀司、麻沙美を連れて帰宅。汐梨に話すと、汐梨も。「うんうんうん。ママ友から聞いてる~~。兄さん、知らなかったんだ~~。」耀司、「あぁ。帰る時、生野さんからその話、聞かされてさ~~。で…。初めて知った~~。へぇ~~。」汐梨、「週に2回。クリスマスまで合計3回。簡単な歌だから…って言うか、これも予め子供たちから好きなクリスマスの歌、選んでもらって。それを練習。」耀司、話を聞きながらに、「そうなんだってね~~。」「…で、どお…???…ヨシカワでの睦美さんとは。」耀司、いきなり、「はっ…???」そして、汐梨に右目を歪めて、ニヤリと、「おまえは、何を期待しているのやら…???」その声に汐梨、いきなり顔を引っ込めて、「おほほほほ~~。聞くだけ、野暮でしたか~~。」「当たり前だろ。」「…って言うか~~。」汐梨。「最近、晄史さんから、連絡あるぅ~~???…久しく、顔、見てないよね~~。」耀司も、「あぁ。…確かに。」そんな声に汐梨、「たく~~。友達になっておいて~~。兄さんから電話もしてないのぉ~~。」耀司、途端に、「あ、あ、あ~~~。いやいやいや。」頭を撫でながら、「あ、いや。…確かに。うんうんうん。」そして…。自室に戻って、耀司、晄史にライン。「忙しいだろうからね~~。ラインで充分。」その1時間後。ラインの着信音。耀司、「おっと~~。」すぐさま、「もしもし。晄史さん…???」スマホから、「高井戸さん、晄史です。こんにちは~~。」何やら遠くから音楽が…。晄史、「ははははは。今、僕、韓国なんです。」瞬間、耀司、目を真ん丸に。「えっ…???…睦美さんから、何も…。」スマホから晄史、「あ~~。別に、姉さんには特に韓国に行くっては言ってません。かあさんにだけで。いつもの事ですから。」耀司、スマホを耳に、「へぇ~~。そうなんだ~~。」晄史の声。「今、ユニットが結構人気あって、忙しいです。こっちでも、かなりのヒットで。お客さんが凄い~~。ははははは。」耀司、その声に、「ははは。そうですか~~。しばらく、声、聞いてなかったですから。それに、顔も見てなかったですから。」「そうですよね。僕も誓も、元気です。」そして晄史、「高井戸さん、姉さんの事、よろしくお願いいます。」その声に耀司、「はい、分かりました~~。お仕事頑張ってぇ。」「あ、はい。ありがとうございます。」「じゃ、切るね~~。」通話は切れる。「そうか。今、韓国。…って。いつもの事。わお。」 ママでいい…。 vol,175. 「へぇ~~~。子供たちによるクリスマス合唱団。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.14
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夜の7時、芙美花、帰宅。「えっ…???…今日も、睦美さん、来たんだ~~。」耀司、「あ~~、うん。まっ。ヨシカワも近いし。」「へぇ~~~。…じゃあ、これからしょっちゅう、ウチに来てくれる。」そこまで言って芙美花。父に、「な~~んてね。」その声に耀司、「ん~~。まっ。それは…、分かんないけど…。」「…ってか、おとうさん。しっかりと、睦美さんの事、大切にしてよね。…って言うか~~、私も正直、睦美さんに、会いたいんだ…けど~~。」そう言って芙美花、顔を傾げて。「まっ。期末、終わるまでは…、無理かな~~。」「そう言う事。とにかく、今は期末に専念。…って言うか、景織子ちゃんの家で、毎日勉強会って、何で急に…???…今までは~~。」芙美花、「あ~~んそれ…???…って言うか、今日はおでん。しっかりと~~。味が沁み込んでおります~~。」温めた鍋の蓋を。「ん~~~。最っ高。」湯気がいきなり。耀司もそれには、「おほほほほほほ~~。良い感じじゃないの~~。食べよ、食べよ。」芙美花、椅子に座って、「うん。」そして、ふたり、共にまた、「いただきます。」芙美花、ちくわぶを一口。「う~~ん。ははははは。おいし。」そして、「つまりは~~。まっ。早い話が、私のため。」耀司、その声に、「うん…???」「今まで、景織子にしても~~、千愛に、詩乃に、私、学校終わったら~~。すぐに家に帰ってきたでしょ。まっ。確かに、部活の場合は別~~。」耀司、コクリと。「うん。」「だから~~。あんまり友達との…、交流。」耀司、卵を食べて、「うほ。旨ぇ~~。」ニコニコと芙美花。「まぁ。だからって今、みんなに、罪滅ぼしって訳じゃないんだけど~~。折~~っ角~~。私自身の時間が持てる。そんな風になって~~。どうせなら、みんなでこの際、勉強会やろうってなって。」耀司、芙美花を見ながら、「うんうんうん。」「…で、ウチ来る…???…って景織子が言い出したの。」「へぇ~~ぇえ~~。」「まっ。」芙美花。「そういう意味では、それが正解なんだよね。」耀司、途端に、「うん…???」「まっ。千愛の家はアパート。」耀司、口を大きく、「へぇ~~。」「でぇ~~。詩乃の家は~~。赤ちゃんがいるんだよね~~。」「赤ちゃん。」芙美花、コクリと。「うん。一番上のお姉さんが結婚して~~。目下、新居検索中~~。…で、詩乃のおかあさんが~~。ある意味、ベビーシッター役。確かに、麻沙美みたいに保育園、預けられればいいんだけど~~。詩乃のおかあさん、私がいるのに何で保育園って。…だからね~~。必然的に~~。景織子の家になった~~。」大根を食べながら耀司、「わお。これもしっかりと味、沁みてる~~。」そして、芙美花に、「へぇ~~。そうなんだ~~。全然知らなかった~~。」「景織子の家はさ。」芙美花。耀司、「うんうんうん。」「おとうさんが~~。高校教師。」「うそ。」「ほんと。…でぇ~~。おばあちゃんが~~。大学教授。」「滅茶苦茶凄ぇじゃん。」「でぇ~~。」芙美花。「おじいちゃんが~~、塾の先生。」耀司、目を真ん丸に、「どうなってる…???」「家も、おっきぃ。ウチの2倍くらい。」「ひぇ~~~~。」「だから、景織子、ウチでやろうって。しかも、景織子の家、静かだし。」耀司、頷きながら、「うんうんうん。父親が高校教師。…で、おばあさんが大学教授。おじいちゃんが塾の先生。まっ。でも、高校教師、忙しいだろ。それに、塾の先生も。」芙美花、お汁を一口。「うん。だから、この前から景織子の家、行ってるけど、おかあさんとおばあちゃん、それに景織子のお兄さんしかいない。…ん、だけど~~。お兄さんは部屋から出て来ないし。とにかく静か。」「そっか~~。」「それに…。景織子がとにかく成績トップクラスだから~~。」耀司、目を真ん丸に、「へぇ~~。」「学年、トップクラスだよ。」「凄ぇな。」「だから、千愛も詩乃も、分かんないとこがあると、すぐに景織子~~って事になる。景織子、子供の頃から、遊び感覚でおとうさんやおばあちゃん、おじいちゃんに勉強見てもらったって言ってたから、楽しく勉強するるコツっての、知ってるからね~~。」話を聞きながらに耀司、「いやいやいや。」そして、少し、考えた風に、「それにしても…。」その声に芙美花、「うん…???」途端に耀司、芙美花を見て右目を歪めて、「おま。友達に恵まれてんじゃん。」両眉を上下に。瞬間、芙美花、目を見開いて、「そぅ。そぅそぅそぅ。その通り。顔を落として、いや~~。ほんと今、私、ある意味、友達がいてくれて助かったって、心底言える。」ニヤニヤとしながら耀司、「うんうんうん。…それに…、景織子ちゃんや千愛ちゃん…???それに、詩乃ちゃん。とにかく祐里子とのつながり…、だよな~~。」芙美花、「うんうんうん。とにかく納得。」 ママでいい…。 vol,174. 「睦美さんの事、大切にしてよね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.13
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「いいぇ~~。」清水。「兼高先生、だからこその偉業ですよ~~~博楼高校吹奏楽~~。数々のコンクールでも凄い栄誉。職員室前の廊下のトロフィや楯。表彰状。生徒たちの心、捉えてますから~~、音楽で~~。しかも、アレンジまで評価されてるんですから~~。」ピアノの椅子に座っている兼高に。兼高、ニッコリと。けれども、口をツンとして、「何も出ませんよ~~。そんなに褒められても~~。」清水、そんな兼高にニコニコと。「はいはい。では、失礼します。」兼高、ニッコリとして、「うん。ありがとうね。わざわざ報告~~。」清水、音楽室の入り口で兼高に右手を振りながら。そして、ドアが閉まる。兼高、譜面にペンで。「…けど…。芙美花さんのおとうさんのお付き合いのお相手、どんな感じの人なのか…。果て…???」事実、この兼高悠月、音楽教師。吹奏楽顧問。博楼高校に赴任以来、クラスを持った事はない。音楽教師一本である。子供の頃に、友達の兄がギターを弾いているのに憧れて、「私もやってみたい。」それが大きな切っ掛けになった。毎日のように友達の家に通いギターの練習。兼高悠月、小学3年生の頃である。友達以上にギターに集中し始め、5年生の頃にはその当時流行っていたニューミュージックなどもギターで弾けるようになっていたが、当時の音楽はギター1本で演奏するよりも様々な楽器での表現を必要すると自分でも理解。その頃からギター以外にも興味を持ち始める。キーボードは元より、女性でもベース。そしてドラム。ポップスからクラッシック。そしてジャズ。中学では既に音楽の専門の学校で学びたい。そういう希望が膨らみ、音楽大学付属の高校を受験、入学している。そして、やがて教員試験を受け、教職の道へと。最初に着任した高校でもその音楽の才能を発揮したのだが、数年後、校長が変わり、女性の校長へと。そこで始まる校長による兼高への嫉妬心。敢え無く兼高自身からの異動届で別の高校へと。その後、転々と高校を回っては吹奏楽顧問として務めたが、残念ながら、自らの技術で音楽を表現。…と、言う生徒たちには巡り合う事が出来ずにいた。どの高校も、流行りのスポーツに一点張り。そして、いつでもどこでも楽しめるスマートフォンの普及により、音楽を奏でる。と、言うよりはむしろ、聴いて楽しむ、の、方が主となっていたのである。やがて、また人事異動となり、兼高の元にもその報せが。異動先は、博楼高校。瞬間、兼高は安堵した。「これでようやく…。」そして、その願いは…。異動してきた教師らの挨拶で生徒たち、この時点で何かしら吹奏楽部に注目が…。…と、言うのも、以前までの吹奏楽顧問は、自身でタクトを振り指揮。確かに音楽の専門家ではあった。但し、齢65。定年の時期だったのである。兼高、赴任してすぐに怒涛の勢いで吹奏楽に入りたい生徒が急増。理由は、女神のような顔立ち。そして、背中まで、胸元まで伸びたまっすぐな黒い髪。そして…、極め付けが音楽センス。元々博楼高校吹奏楽は、歴代の吹奏楽部顧問により注目を浴びていた高校ではある。が…、注目は浴びても、賞賛される部活とまでは…。それを、賞賛まで導いたのが兼高赴任しての事だった。それまでの吹奏楽は、顧問の固執で成り立ってはいたが、兼高は、それを変えた。部員たちの好きなようにと、変えて行ったのである。つまりは、部員たちの個性を引き出した。そして、部員たちの懐にも入るのが実に早かったのである。それが功を奏して、兼高、最初の定期演奏会には客席が満席に埋まった。それを評判にコンクールでも最優秀賞を総なめするなど。都内でも博楼高校は賞賛されて行ったのである。ただ、兼高自身、結婚は早かったのだが子供はいない。25歳でプロのギタリストと知り合い、そのまま結婚。その後、妊娠はしたのだが、敢え無く流産。以後、子供の出来ない体となってしまったのだった。兼高、「Webデザイナー。憧れの職業よね~~~。」そして兼高、微笑みながら、「ふふ。芙美花さん、とにかく良かった~~。おかあさんが亡くなったって話、聞いた時には、とにかく驚いた。心配したもんな~~。これで…、クラリネット、どうしよう…。って、ほんとに悩んだからね~~。あの子はとにかく凄い。」兼高の独り言は続く。「あれで、今まで、家事全般もやって、学校も…。…いやいやいや。凄いわ。普通なら、グレてるよね~~。まっ。でも、芙美花さん、景織子さんや、クラスの友達もいるから、その辺は、安心なんだけどね~~。」そして。「ふふ。これで、ひとつの難関、クリアかしら…???」 ママでいい…。 vol,173. この兼高悠月、音楽教師。吹奏楽顧問。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.12
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汐梨、そんな睦美に、「うんうんうん。気軽に来てくれて大歓迎~~。ただ。芙美花は、今、期末の準備で。毎晩、友達の家で勉強だから、結構遅くなっちゃうけどね~~。私も芙美花とは会わずに家に帰っちゃうから~~。」その声に睦美、「そうなんですね~~。」耀司、仕事の合間、だろうか、リビングに。「おや。いらっしゃい。」そんな高井戸に睦美、丁寧にお辞儀をして、「こんにちは。今日も、お邪魔しました。」照れ臭そうに。耀司も照れ臭そうに、「いえいえ。歓迎です。はい。」ペコリと。汐梨、そんなふたりを見ながら睦美に、「睦美さん、あれから、電話は…???」睦美、「あ、はい。…って言うか、ラインはもぅ。」汐梨、コクリと。「ふ~~ん、そうなんだ~~。兄さん、私には何も言わないけど。」その声に耀司、口を尖らせて、「ん、んなの、イチイチ報告。」そんな耀司に顔を横にして汐梨、「まぁ~~ねぇ~~。」「…って、何だよ、その目ぇ~~。」睦美、「電話。…と、言うより、音楽教室からは、距離近いですから、高井戸さん、在宅ですから直接。」そんな睦美に汐梨、にこやかと感心した風に、「偉~~~ぃ。うんうんうん、その調子。もぅ~~、歩いてすぐだから。」そして耀司を見て、また、「ねぇ~~~。」耀司、眉間に皺を。「だから。」間髪入れずに汐梨、「まっ。その方が、いいか。このでくの坊、どうせ。」その声に椅子に座ってコーヒーを飲みながら麻沙美を見ている耀司、汐梨に、「目の前にいるんですけど…。そう言う事、言う…???」すぐさま汐梨、「あら、聞こえてました…???すみませ~~ん。」ペコリと。睦美、可笑しがりながら口に手を。芙美花、廊下で、「先生~~。」清水、そんな芙美花に、「はい。芙美花さん。」芙美花、丁寧にお辞儀をして、「この前はどうもありがとうございました。」清水、芙美花を見てニッコリと。「うん。…で…???…あれから…???」芙美花ニッコリとして、「はい。帰っておとうさんに話したら、もぅ、おばちゃんが先生の言った通りに、言ってくれたらしいんです。」その声に清水、「あらまぁ~~。ははは。さすがは、ウェディングプランナーって。」芙美花、ニコニコとして、「はい。」そしてもう一度清水にお辞儀をして、「ほんとうに、ありがとうございました。」校長室で舘脇、清水の話に、「そうですか~~~。はは。清水先生。お手柄。」季久美も、「良かった~~。とにかく、期末の時期。…それでなくとも、芙美花さん、家庭事情で…。…でも、今の時代、中々、いませんよね~~。」その声に清水、コクリと。季久美、「勉強もして~~。家事全般。…でも、それが…、このまま。」舘脇、椅子に座ったままで、「えぇ~~。その通りです。母親が亡くなって、それで自暴自棄になる人は多い。しかも、子供なら…。それでいて、父親が…。けれども、思春期なら当然、子供はパニック。そんな子供を男親って、中々~~。けれども、芙美花さんの場合は高校2年生。まっ。おとうさんの仕事も、在宅で…。」季久美、「えぇ。」「最悪であれば、家庭崩壊。不登校もままならない。けれども、芙美花さんは違った。私たち、教育者としては、ある意味、見本としなければならない。そんな感じも、しますけど…。」季久美、舘脇を見て、「仰る通り。」舘脇、「ただ。私たちも、ある意味、感謝です。そういう事を、担任の清水先生に相談してくれた事を。中には、誰にも相談できずに、別の道に…、と、言う場合も、決して少なくはないのですから。」清水、頷いて。季久美、再び、「良かった~~~。」舘脇、机の上で両手を組みながら、「これで…、芙美花さんのおとうさん。これからお付き合いする人と、更に…。しあわせになって貰えるように、お願いしたいところですね。」ニッコリと。そして。「この事は、我々、教育者としても、生徒の個人情報と言った側面もありますが、学校内での、可能な限りの、情報共有として、教職員たちにも。」季久美を見ながら。季久美、舘脇に一礼して、「仰せの通りに。」清水も、「心得ました。」清水、2年の担任たちに。そして…。芙美花の所属する吹奏楽の兼高にも。兼高、清水からその話を聞いて、「えっ…???…はははは。本当~~~。ん~~。良かった~~ははは。うんうんうん。それでなくとも、芙美花さんの場合、もぅ~~。心配してたから~~。はははは。清水先生、グッジョブ。」清水、そんな兼高に、「いえいえ。芙美花さんの方から相談されたから、私があの時、ふと思った事、話してあげただけで。」兼高、「いえいえ。しっかりとお子さんを育てている清水先生だからこその。私なんて、担任も持った事ないんですもの。しかも、子供もいませんし。」 ママでいい…。 vol,172. 「うんうんうん。気軽に来てくれて大歓迎~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.11
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「…って言うか、期末、テスト。それ以前に、私としては、気になっちゃうよ。おとうさんと睦美さん。…これから、付き合うってなって…。…けど…。おとうさんの事だから、これからどうやってって。」芙美花。その話に耀司、申し訳なさそうに、「う、うん。…悪いって、思ってる。」芙美花、「私ね。」そんな芙美花を見て耀司、「うん…???」「先生に相談した。」いきなり眉間に皺を耀司、「先生に相談した…???」そして、顔を捩じらせて、「はっ…???」「だ~~って~~。おばちゃんに言おうって思っても~~。時期が時期で、おばちゃんも期末であんまり神経…。…ん~~。だから~~。いっその事~~。担任に~~。」耀司、すぐさま、「清水先生に…???」芙美花、コクリと。「うん。」そして、「だ~~って~~。友達だって、私の事、気遣ってくれて~~。一緒に勉強しても~~。」耀司、「あ、あ~~~。うんうんうん。確かに。友達ん家でな。」そこまで言って耀司、「へっ…???…と、言う事は、おま、友達に今、ウチの事。」芙美花、コクリと。「話した。」耀司、途端に口を開けて捩じらせて…。「だって。前に進まない。」芙美花。「私だって、頭では期末。…なんだけど~~。…当然、それ以上に、おとうさんの事、気になるでしょう~~。…だから、その事が…。」口を尖らせて芙美花、「あん。もぅ~~。頭の中で、あぁだの、こぅだの…。でぇ~~。そんな事、考えてりゃあ、友達に、芙美花、どうした…???…って言われるじゃん。…だから。」耀司、そんな芙美花を見て、「あ、あ~~。…う、うん。確かに。」すると耀司、頭の中で、汐梨の顔が、「兄さんが悪い。芙美花に、そこまで心配させて~~。」そんな風に言っている顔が…。「だから、私、先生に。」耀司、口を噤んで。芙美花、目を見開いて、「そしたら。」耀司、その声に、「うん…???」「最初、先生にぃ~~。おとうさんはおかあさんをデートに誘った事、ないって、言ったの。そしたら先生。じゃあ、どうやってって、聞くから、おかあさんから一方的におとうさんをデートにって、私言ったら、それなら、今度はその逆をやればいい。」瞬間、耀司、「えっ…???」「けど…。」芙美花。「でも、一度も女性をデートに誘った事がない人に、その逆をやればいいって、これ…、かなりしんどい。って。」耀司、頭の中で、「…凄いな先生。汐梨と同じ事…。」「そしたら先生。」芙美花。「こういうのは、条件が整って、いれば、こそ。なんだけど~~。お見合いってあるでしょ。」耀司、コクリと、「あぁ。」「お見合いの場合~~、誰か、その人を知っている人がいれば~~。その人に頼んでみる。とか。それでおばちゃんの事。」「お、おぅ~~。」芙美花、父に、「だから、さっき、おばちゃんから後押しって。ウェディングプランナーなら申し分なしって。」耀司、話を聞きながら、「凄ぇな、先生~~。芙美花の担任…???…清水先生。」芙美花、コクリコクリと。「うんうんうん。」そして、「でも…。今、おとうさんからその話聞いて、私の方がびっくりした。」「うん…???」耀司。僅かに顔を傾げて。「もぅ、おばちゃん、それ、やってたんだ。」「あぁ。数時間前にな。しかも、俺も本人の睦美さんもここにいて。」「凄いや、おばちゃん。…じゃあ~~。」耀司、「あぁ。…多分…。」芙美花、ニッコリと。「はは。やったね。」そして芙美花、「あ。…でも、この事って、晄史さんには。」間髪入れずに耀司、「あぁ。もぅ話したって。誓さんにも。多分、睦美さんのおかあさんも知ってると思う。」「そっか~~。」そして芙美花、ニコニコと。「あ~~~。」両手を高々と天井に向けて、「な~~んか、スッキリした~~。」耀司、そんな芙美花に、下唇をビロンと。「はいはい。どうも…。心配、お掛けしております~~。…と、ごちそうさま~~。う~~。旨かった~~。」芙美花も空になったお皿を見て、「うん。美味しかった。」耀司、自室に戻りスマホを。いきなり、「わお。来てる。」ラインを見て、「今日は、ありがとうございました。ゆっくりとおやすみください。」そのメッセージに、「いえいえ。こちらこそ、ありがとうございました。よろしくです。送信。」すぐに既読。睦美、ラインの振動に、「来た来た来た~~。」エプロンの中のスマホを見て、「はは。」こちらもエプロンの暁美、「おやおやおや。子供みたいだね~~。高井戸さんかい。」睦美、ニコニコと。「うんうんうん。」それからは、毎日、ラインでのやり取りが…。そして…。耀司の、麻沙美を連れての音楽教室へと。けれども、いつも通りの高井戸と睦美。そして…。その…、2日後だった。睦美、再び音楽教室から高井戸家に。「こんにちは~~。」汐梨、「はは。いらっしゃ~~い。」 ママでいい…。 vol,171. 「先生に相談した。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.10
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そして…。ふたり、共に、「いただきます。」芙美花、「うんうんうん。さすがはおばちゃん、ナイス。…でね、おとうさん。」耀司、一口。「アチ。お~~~。」そして、芙美花に、「うん…???」「おばちゃんにさ。睦美さんの事。後押ししてもらおうよ。」耀司、右目を歪めて、芙美花に、「は、あ…???」芙美花、「だ~~って、だって、だって。おとうさん、睦美さんと付き合うって言っても、これからどうやってって。」食べながら耀司、「あ、それ。汐梨がもぅ、睦美さんに言った。散々言われたよ俺。」芙美花、瞬きして、「へっ…???」「今日ね。」そして耀司、「ははは。いきなり睦美さんから電話があってさ。」「うん。」「今、ケーキ屋さんにいますって。ほら、駅前の蘭子のケーキ屋さん。」芙美花、「うんうんうん。」「いや。俺もビックリしてさ。…で、ケーキ、何が好きですかって電話で聞いて来るのよ。だから~~。何でも好きですよって言ったら。」いきなり、「くふ。それから程よくして、睦美さん、ウチに来てさ。すみません、いきなりお邪魔してって。ケーキ買って来てくれた~~。かかかか。いやいやび~~っくり~~。」その話に芙美花、目を真ん丸に、「え~~~ぇえ~~!!!凄っ!!!」そんな芙美花の顔に耀司、「いやいやいや、ほんと。汐梨もびっくりしてさ。睦美さんが帰った後に、まさかだわ~~って。」芙美花、またまた、「凄~~い。」まだ目を真ん丸に。耀司、ようやく舌が火傷しそうなシチューを美味しそうに。「…でぇ~~。いきなり睦美さんが来たでしょ。だから麻沙美も大喜び。」「うんうんうん。」耀司、今度は顔を傾げて、「それにしても凄いよね。」その声に芙美花、「ふん…???」「バセット。」「バセット…???」芙美花、バセットの方を見て。バセット、既に眠っているような…。「うん。」耀司。「まさか、他所の人にあんなに懐く。…って言うか、ありゃ、正に、甘えてる…って奴だよ。」僅かに眉間に皺を寄せての芙美花、「懐く。甘える…???」そして、「あ~~。うんうんうん。確かに。前もそういうのあったじゃん。」「ん。ま。確かに。…そうなんだけど~~。他所の人にだよ。汐梨にさえも、あんなに甘えた事って…。」芙美花、「どんな感じ…???」耀司、またまた顔を傾げて、「ん~~~。…とにかく~~。その人から離れない。…みたいな…???」瞬間、芙美花、「かはははは。んじゃ、おかあさんや私、麻沙美と一緒じゃ~~ん。」「でさ。」耀司。「俺が来ると自分の定位置に。何食わぬ顔してさ。」芙美花、「かかかかか。」そして、「まぁ~~。男性と女性とじゃ、違うかも知んないけどねぇ~~。」耀司、「でぇ~~。バセットが睦美さんにぃ~~。甘えている時に~~。あぁ。確か、あの時。睦美さん、キャビネットの写真を見て、祐里子を見て、奇麗って言ってくれて。」芙美花、キャビネットの写真を見て、「うんうんうん。」「…で、睦美さんがまたバセットの頭を撫でてくれて。バセットがそれに、胸キュンキュンみたいな。…んで、汐梨がさ。睦美さんに言ったのよ。俺の事、散々滅多切りにして、お願い。このすっとこどっこい、お付き合いしますって言っておいて、連絡なんてしないと思うから、睦美さんからこれでもかってくらいにラインなり電話なりしてって。あいつ、睦美さんの帰り側に、また両手を合わせて、お願い。散々ってくらいにラインして。電話してって。」芙美花、父からそんな話を聞いてキョトンと。耀司、芙美花に、「…と、言う事に。」芙美花、瞬き。声がない。耀司、そのままシチューを口に。食べて。そして…、芙美花を見て、「うん…???」そして、「どした…???」芙美花、目をパチクリと。「あっ。」そして、「あ、あ。…いや…。」耀司、「どしたの…???…あぁ。今朝の…。俺が、どうやればって…。それ。汐梨も言ってた。」芙美花、思わず、「えっ…???」「芙美花にもそう言ったんでしょ。これからどうやればって。…芙美花の事だから、今頃学校でも悩んでんじゃない。って。」シチューを食べながら耀司。またまた芙美花、ポカ~~ンと。耀司、芙美花を見て、「芙美花~~~???」「あ。は。は、はははは。うん。」耀司、すぐさま、「どした~~???…学校で、何か、あったか…???」その声に芙美花、「あ。は、はははははは。」「変な奴だな~~。まっ。とにかく、今は期末に集中。」そこまで言って耀司、「うん…???…おま、おとうさんに話があったんじゃ。…まっ。期末の事もあるし、汐梨も、あんまり刺激しないようにって。」芙美花、「あん。でも…。」そんな芙美花を見て耀司。「うん…???」「…あ、いや…。でも…。ん~~。気になるじゃん。おとうさんの…、これから…。」その言葉に耀司、「あ、あ、あ、うん。…すまない。」 ママでいい…。 vol,170. 「おばちゃんにさ。睦美さんの事。後押ししてもらおうよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.09
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「まっ。確かに。」清水。「お見合いでも、お互いにギクシャクしながらも、辻褄の合わない話でも~~。ファーストインプレッションで~~、何とか、連絡、取れて~~。めでたくゴールイン。な~~んて、言うのがある種のお見合いの醍醐味、なんだけど~~。」そこまで言って清水。「…っと、言うか、先生が芙美花さんにこういう話をするのも、変なんだけど~~。状況が、状況だから。」芙美花、「あ、はい。」「…って言うか、芙美花さんの話しを聞いていると。それだけでも、今、高井戸家、結構シビア。…だからこそ。芙美花さんのこれから。それ全てがおとうさんに掛かってくる。…芙美花さんは、その、おとうさんとお付き合いする人の事って、知ってるの…???」目をパチクリと芙美花、「あ、はい。ウチにも来てくれて、その人の家にもおとうさん。」間髪入れずに清水、「わあ。…それじゃあ、話が早い。…と、言うか~~。」またまた顔を傾げて清水、「ん~~~。これ…、高校生には、余りに、ハードル、高いよね~~。…って言うか。」清水、「ん~~~。」腕組みしながらも、顔を右斜め下に。「誰か、大人の人が~~。あ、ほら。」芙美花、瞬きひとつ。「要は~~。お見合いでもそうなんだけど~~。その、お見合いを進めてくれた人。…そういう人が、いれば~~。…もしか、したら~~。何とか。」瞬間、芙美花、目を見開いて、「います。」ニコニコと。「おばちゃん。」清水、瞬きして、「おばちゃん…???」芙美花、ニコニコとしながら、「はい。」コクリと。「おばちゃんがいるんです。おとうさんの妹。」そして、「ふふ。ウェディングプランナー。その人とも知り合い。…って言うか~~。従妹が…。…と、言うか、まだ5歳なんですけど~~。今、その従妹が音楽教室に通ってて~~。」清水、「ふんふん。」「その音楽教室の事務局の人なんです。そのお付き合いする人。でぇ、おばちゃんもその人、おとうさんにどうかって。最初に私に言ってくれた人なんです。」「な~~んだ~~。」清水。「ははははは。いるじゃない~~。」芙美花、「うんうんうん。」「じゃあ~~、話は早い。その、おばさんに芙美花さん、頼んでみたら。」満面の笑顔で芙美花、「あ、はい。」すぐさま椅子から立ち上がり、担任に深くお辞儀を。「先生、ありがとうございました。」「いいえ。どういたしまして。」そして、「あ。それから。」ニッコリと。「期末、頑張って。」「はい。」「うん。」そして芙美花、養護室の入り口でまた担任に一礼をして。清水、そんな芙美花を見てニッコリと。芙美花、廊下を歩きながら、「ふふ。や~った~~~。」清水、職員室に戻って来て…。書類に書き込みをしている楓香に、「楓香~~。養護室、ありがと。」楓香、「あん。いいえ~~。どういたしまして~~。何…???…何か、困り事~~???」「ふ~~ん。何とかね~~。まっ。後は、結果次第かな~~。」「ふ~~ん。」「何かあったんすか、清水先生~~。」岬。そんな岬に清水、「はい。いろいろとございます。」「養護室を貸して欲しい。進路指導室では…。」清水、「んまぁ~~。…あぁいう、話。…って、言うか~~。ま。大きな声じゃ言えないけど…。男子生徒ならいざ知らず。女子生徒の場合はねぇ~~。あの…、男臭い進路指導室じゃ~~。」岬、「あ、粟屋先生。お疲れ様で~~す。」いきなり清水、楓香、「うそ。」顔を上げる。岬、ニッコリと。「…ってね。かかかか。いる訳ないじゃないっすか~~。進路指導室に缶詰でしょ、どうせ。」清水、楓香、岬に振り向いて、「もぅ~~。」楓香、鬼の形相で、「岬っ!!!」「お~~、恐っ。」芙美花、急いで景織子に家に。芙美花から話を聞いての3人、声を低くして、「や~~った~~~。ははははは。」そして…。今度は帰宅しての芙美花。既に汐梨と麻沙美はいない。自室で仕事中の耀司。芙美花、ドアをコンコン。そしてドアを開けて、「ただいまおとうさん。」耀司、芙美花に顔を向けて、「おぅ。おかえり。」芙美花、満面な笑顔で、「ねぇねぇねぇ。」耀司、そんな芙美花に、「うん…???…あっ、そうだ。冷蔵庫にショートケーキ入ってる。睦美さんが買って来てくれた。」その声に芙美花、キョトンとした顔で、「へっ…???…睦美さん…???」「あぁ。今日、音楽教室の帰りに寄ってくれて~~。みんなにケーキ買って来てくれた~~。ははは。麻沙美なんて大喜び~~~。」芙美花、「ふ~~~ん。」耀司、「さてと。おまえが帰って来たんだ。飯にすっか。」「うんうんうん。」耀司はリビングに。そして、芙美花は2階に。着替えを済ませてリビングに。そしてキッチンに。「おっと。今夜はシチュー。ニシシシシ。温め直しってっと。」耀司はテレビを点けて。「うわっ。エンゼルス、また負けだよ~~。大谷が打っても連敗か~~。」 ママでいい…。 vol,169. 「おばちゃんがいるんです。おとうさんの妹。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.08
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「…で…???…相談事って…???」清水。「今、期末の時期だから、勉強に集中してもらいたいからね~~。」畏まりながらも芙美花、清水に、「実は…。」芙美花の話を聞きながらに清水、「ふ~~ん~~。そっか~~。」そして清水、芙美花に姿勢を正して、「とにかく。おとうさん、良かったじゃない~~。うんうんうん。先生、安心した。」その声に芙美花、「えっ…???」清水、芙美花を見ながら、「いえね。芙美花さんの担任は1年生の頃からなんだけど~~。去年、芙美花さん、おかあさんが亡くなられて~~。芙美花さん、おかあさんと同じように家事全般。」芙美花、その声に、「はい。」「だから、1年の担任やら、校長やら教頭それに兼高先生やら、他の先生たちも、それはそれは芙美花さんの事、あの時から心配で~~。…なんだ、けど~~。それにもめげずに芙美花さん、勉強にも部活にも~~。先生たちみんな、とにかく感心して~~。まっ。芙美花さんの場合、友達もいるから。景織子さんに、詩乃さん。それに、千愛さん。」ニッコリと。そこまで言って清水。「でもね~~。今の芙美花さんの家庭での生活が、いざ、3年にもなって尚も、続くとなると~~。家事でしょう~~。それに、進路。大学受験。」芙美花、途端に清水に頭をペコリと。「すみません。」咄嗟に清水、右手をヒラヒラと。「あ。いや。芙美花さんが謝る事じゃないんだけど…。」顔を傾げて、「そうねぇ~~。…お付き合いする人が出来て~~。…けれども、おとうさん、女性をデートに誘った事がない。…で、おとうさんも、これからどうやって…。…で、悩んでいる。…かぁ~~。」清水、僅かに口を尖らせて、何かしら、空を見る感じで…。「まっ。…多分…、今後、3年ともなれば、それこそ、三者面談。芙美花さんの場合は~~。成績はまず、文句なしと、言っていい。うん。但し。これが3年になっての…、受験勉強だよね~~。」芙美花、清水の話に、「……。」清水、ふと、思いついたように、「あ。…でも。」芙美花に申し訳なさそうに。「こんな事。」顔を傾げて、「芙美花さんに聞くのも、見当違いのような気がするんだけど~~。」芙美花、担任を見て、「あ、はい。」「今までの話しだと~~。芙美花さんのご両親。ご結婚される前。…と、言うか~~。おとうさん、全然おかあさんにはデートのお誘いって、されてなかったんでしょう。」芙美花、コクリと。「はい。」「じゃあ~~。もしかして…。おかあさんの方からは。」すぐさま芙美花、「あ。それは簡単。」その声に清水、「ふん…???」「もぅ~~。おかあさんの方から完全リード。」いきなり清水、瞬き、「あら。」「もぅ~~。完璧におかあさんの方からおとうさんにデートの誘い。したそうです。」その話に清水、「へぇ~~~。」目を真ん丸に。「おかあさん。そんなもん、相手からの誘い待ってたってしょうがない。好きなら自分から~~。だったねぇ~~、って。」またまた清水、話を聞きながらにして、「へぇ~~~。そうなんだ~~。」そして、「凄いね、芙美花さんのおかあさん。」思い出したように、「あん。ご職業、看護師さん。」芙美花、コクリと。「はい。」「…と、言う事は~~。」またまた清水、パッと閃いた感じで、「今、先生の頭の中で閃いたのが~~。何とか、おとうさんに~~。自分たちの時の事…???…おかあさんのやった事をおとうさんにやってもらう。」瞬間、芙美花、「ん…???」清水、腕組みをして、僅かに顔を傾げて、「ん~~~。」そして、「つまりは…、こう。おかあさんがぁ、おとうさんに完全リード。…と言う事は~~。おかあさんから一方的におとうさんにデートのお誘い。なんでしょ。」芙美花、コクリ、コクリと。「はい。」「じゃあ、その逆をおとうさんにしてもらう。」「逆…???」「ふん。…つまりは~~。おとうさんの方からその人にデートのお誘い。一方的に。」そこまで言って、清水。「ただ~~。」天井を見るような顔で、「ん~~。…でも、これは…ちょっと…、ハードルが高いかな~~。女性を誘った事のない人が、やれ今度はあなたから誘え。…って言われても~~。中々ね~~。…でな、ければ~~。…ん~~~。やっぱり、これが一番かな~~。」芙美花、「あ、はい。」「まっ。これは~~。…但し、条件もあるのよね~~。」清水。「つまりは~~。おとうさんとお付き合いす女性の人…???」「あ、はい。」「その人を芙美花さん、全く面識のない人で、あれば~~。絶対不可能。」芙美花、コクリと。「但し~~。面識があって~~。尚、何かしら、コンタクトが、取れそうな…、人なら、可能性あり。かも…。」芙美花、「うん…???」「つまりは。」清水。「その人に、おかあさんと同じ事をやってもらう。」 ママでいい…。 vol,168. 「…で…???…相談事って…???」清水。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.07
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瞬間、景織子、廊下に聞こえるように、「なんでもな~~い。」ドアの外から、「階段まで来たら、凄い声が聞こえて来たから~~。勉強、お疲れ様~~。」景織子、「おばあちゃん。」千愛、詩乃、まだ口に両手を。芙美花、唇を口の中に。そして…。千愛、「いやいやいや。そりゃないでしょ。幾ら何でも。」詩乃も、「うんうんうん。…って、言うか、芙美花のおとうさん、見た事ないから…。写真なんか…。」芙美花、「うん。あるよ。」自分のスマホを。そして、「はい。」景織子、途端に椅子から離れて。千愛も詩乃も、「おっと。」そして、写真を。「へぇ~~。」「わ~~お。」「何と。」3人揃って、「イケオジ~~~。」「…って…、けどさ~~。こんな素敵なおとうさん、何で…???」画像を見て芙美花に、景織子。詩乃も千愛も、「うんうんうん。」そんな声に芙美花、口を尖らせて、「う~~ん~~。つまりは~~。ウチのおとうさんって~~。おかあさんから聞いた話だけど~~。」3人、コクリと。「おかあさんと付き合った時からも~~。その後も~~~。全く結婚願望ってなかった…、らしい。」今度は3人、声を低くしての、「うそ~~~~。」詩乃、「…ってか、芙美花のおかあさんって、どんな感じだっけ…???」千愛も、「うんうんうん、授業参観はあれど、そんな…、マジマジとは…。」景織子、首を振って、「うんうん。分かんな~~い。私と芙美花は中学から同じだけど~~。家が遠かったからね~~。そんな行き来できるぅ~~。」芙美花、「私のおかあさんは~~。こんな感じの人~~。私の誕生日の日のね~~。」3人に。3人、共に、画像を見て、「凄~~~。」「奇麗~~。」「わあ。」「病院の看護師さん。」「うんうんうん。」千愛。詩乃も、「それはみんな知ってる~~。」芙美花、「…って言うか~~。逆にね~~。おかあさんの方がおとうさんを徹底リード。したらしいの。」3人揃って、「へぇ~~~。」詩乃、頭を傾げて、「けど…。見た風には、おとうさんの方が~~。リードするような…、感じ、でもあるけどね~~。」千愛、「あ。私はどっちかって言うと~~。どっちもどっち。…何か、物凄い、相性が合ってると見た。」「私も千愛と一緒~~。」景織子。けれども、「あっ。でも。でもでも~~。おかあさんが看護師なんだから~~。…って事は~~。やっぱ、詩乃の方か~~???」そこまで言って、腕組みしながら景織子、「あ、でも…。」芙美花を見て、「芙美花のおとうさんって、Webデザイナーだよね~~。職業柄、世の中、引く手数多。…と、なると~~~。ん~~~。憧れの職業。絶対に誰か好きな人はいるはず。…と、なれば~~。」そして景織子。「あん。やっぱ、看護師から、リード~~???」「…って。…どこまで話、持って行く…???」芙美花。詩乃、思わず、「ぷっ。」千愛も、「あん。」景織子、思わず舌をチロリと。「でした~~。」けれども芙美花。家に帰っても余り、元気がなく、夕食を食べながらも、父から、「どうした…???…何か、様子、変だけど…。元気。」そんな父に顔を振って、「何でもない。」汐梨も汐梨で、期末テスト時期、余り、神経質にならないように。と。けれども、考えれば考える程に父の事が気になり、遂には…。廊下で、清水に。「先生~。」清水、そんな芙美花に、「うん…???」芙美花、清水に、「すみませんけど…。相談に乗ってもらえますか…???」清水、瞬きして…。「おや。この時間、楓香先生が職員室にいる。珍しいですね~~。」岬。「あん。」楓香。「亜香里がね~~。ちょっと生徒の相談話で養護室、貸して欲しいって頼まれたの~~。」岬、「へぇ~~ぇえ~~。」「まっ。今更始まった事じゃないからね~~。」その声に彩夢、「かかかかか。今じゃ、養護室、ある意味、生徒たちの溜まり場的、存在にまでなってるしね~~。まぁ~~。生徒たちの進路指導でも、進路指導の相談にも養護室~~、な~~んて話も聞くし~~。粟屋(あわや)先生のいる進路指導室では…。無理あるしね~~。」岬、「まぁ~~、当然。トライアングルの楓香先生がいるんですからね~~。」「うるさいよ、岬~~。」岬、頭を下げて、「これは、これは~~。触らぬ神に祟りなし~~。」養護室で清水、芙美花に、「うん…???…で…???…芙美花さん…???」芙美花、畏まった表情で、「えぇ。」清水の方から、「その後…、おとうさん…、どお…???」芙美花、父の事を聞かれて、「あ、はい。大丈夫です。家で仕事。」その声に清水、「ねぇ~~。」にこやかに。「何か、憧れちゃう…って言うか、尊敬しちゃう。」芙美花、思わず、「えっ…???」「だってそうじゃな~~い。今の社会、とにかくネットの時代。Webデザイナー。IT事業、これからも増々伸びるわよ~~。しかも、自宅でお仕事。リモートワークなんて、誰にも縛られない。」芙美花、そんな話にニッコリと。「はい。」 ママでいい…。 vol,167. 3人揃って、「イケオジ~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.06
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その声に睦美、バセットの頭を撫でて、立ち上がり、木守に、お辞儀をするように、「はい。分かりました。」バセット、自分から立ち去る女性を見ながら、「クゥ~~ン。」睦美、席に戻るように、「あ、でも…。高井戸さん、私からそんな、ラインやら電話やら。」すぐさま汐梨、顔を左右に、「全~~んっ然。大丈夫。それは私が保証する。このすっとこどっこい。どうせスマホを片手に、画面を見ながらも、また顔を天井に。…でぇ~~。あ~~。…なんてやってんだから~~。…ライン、出来ない。…電話、出来ない。そう言いながらも、ズルズル、ズルズルとタイミングを逃して…。」睦美、話を聞きながらに、慰めるように高井戸を。耀司、ケーキを一口。「うるさいよ。」汐梨、またまたドヤ顔で、「な~~にさ。付き合う…、は、良いけど、これからどうやって。な~~んて落ち込んでたくせに。」瞬間、睦美、両手を合わせて口を塞ぐように、「うそ。」「どうせ芙美花にも同じように言ってんでしょ。これからどうやってって…。」睦美を見て。「芙美花の事だから、義姉さんにはそういう事、聞かされてるからね~~。当然、自分の父親は女性をデートに誘った事もない。どうしよう~~って。まっ。付き合うって言うのには嬉しいんだけど~~。その反面。…今頃、学校でも悩んでんじゃないの~~。」耀司、コーヒーを飲みながら、「おまえ、読心術でもやってんのか。」汐梨、そんな耀司の声には耳を貸さずに、「あ、芙美花、もぅ、学校は…、終わりか…???」「あん。多分、帰りは遅くなるかも。期末だから、友達の景織子ちゃんの家で4人揃って勉強だって。」睦美、「期末、テスト。」汐梨、その声に、「うんうんうん。」そして、「まま。成績は良い方だよね~~。」そんな芙美花、景織子の部屋で、時折。学校でもそうだったのだが…。溜息。詩乃、そんな芙美花に、「どうした、どうした~~???」千愛も、「何だか、今日は一日、こんな感じだね~~。何かあった~~~???」景織子、椅子に座りながら3人に振り向いて、「まぁ…。溜息の回数までは数えてないけどね~~。ニン。」千愛、そんな景織子に、「ははは。笑ってあげな~~い。」景織子、千愛に向かってグシャリとした顔で、「こんちくしょう。」芙美花、口をムニュっと突き出して、「ふ~~ん。」詩乃、「…って、だから~~~。…こっちが気になっちゃうって~~。」景織子、「言ったんさい。とにかくスッキリと。…じゃないと、身が入らないでしょ。そういうのは…、意外と伝染すんだから。」口をムニュッとしたままで芙美花、「ミュ~~~~。」そして、「あん。」黙って芙美花を見る3人。僅かの沈黙。そんな3人を見て芙美花。「…と、言う訳で~~。」瞬間、千愛と詩乃、ガク。景織子、芙美花に、「おぃ。」千愛、「もぅ~~~~。」詩乃、「芙美花ちゃ~~ん。」芙美花に迫ってくすぐるモーションで。芙美花、「いやいやいやいや。」詩乃、「こちょこちょこ。」「分~~かった。分~~かったって。やだやだやだ、詩乃~~~。」千愛も景織子もニコニコと。詩乃も芙美花も姿勢を正して。芙美花、「おとうさんが~~。ある人と付き合う事になりました。」一斉に3人、「え――――――――――っ!!!」千愛、「…って声、おっきぃって。」詩乃、口を押さえて、「やばっ。」景織子、ニコニコして、「…って、聞こえないって。」詩乃、芙美花に、「で…???…でででで。」景織子、「…ってか、芙美花のおとうさん、そういう人、いたんだ。」芙美花、景織子に、「あ~~、うん。」千愛、「良かった~~~。もぅ~~、ウチのママも心配してるも~~ん。芙美花ちゃんのおとうさん、どうするんだろう~~って。」詩乃も、「うんうんうん。」景織子、「あん。でも、良かったじゃん。良い人。…で、付き合うんなら。誰かに紹介してもらったとか…???」芙美花、「ううん。そういうんじゃない。偶然に、知り合った…???…と言う。」千愛も詩乃も、「へぇ~~。凄~~。」千愛、「まま。芙美花のおとうさん、会った時はないけど、ママたちが芙美花のおかあさんとはしょっちゅうねぇ~~。」景織子も詩乃も、「うんうんうん。」詩乃、「私たちと同じくらいに仲良いもんね。」千愛、芙美花に、「…で…???…何で悩み…???」芙美花、「うん~~~。まっ。おとうさん、その人と付き合うって言うのは、良いんだけどね~~。」3人揃って、「うんうんうん。」「なんだ、けど~~。うちのおとうさん、女性をデートに誘った事が、ない。」3人揃って、「うそ―――――――――っ!!!」千愛と詩乃、またまた口を両手で押さえて。景織子、ニコニコと、「いや、だから、大丈夫。」ドアをコンコン。「景織子~~。どうかした~~???」景織子、途端に、「うそ。」 ママでいい…。 vol,166. 「おとうさんが~~。ある人と付き合う事になりました。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.05
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「…って事は、何…???」汐梨、睦美に。「この事って、もしかして…。晄史さんや誓さん。」睦美、笑顔で、「はい。知ってます。話しました。」途端に汐梨、「ははは。ホント~~。」耀司、「うそ。」汐梨、耀司に、右手を、「何言ってんの~~。兄さんだって私に話したでしょ。と~~っくに芙美花にも。」睦美、「えっ…???芙美花さんにも…???」耀司、ぷ~垂れた顔をして、「ま、まぁ~~。今朝ね…。」汐梨、ドヤ顔のような顔をして、「一番喜んでいたのって、芙美花でしょうから。」その声に睦美、顔を赤らめて。そして汐梨、睦美に、「あ、そうそう。これだけは言っておく。睦美さん。」その声に睦美、目をパチクリと木守を。「あのね。兄さんと付き合うに当たり、これだけ、お願いがあるの。」瞬きしながら睦美、「あ、はい。」汐梨、睦美を見て、両手を合わせて、「一生のお願い。」顔を傾げて睦美、「はい。」「多分。」耀司を見て、「このトンチンカンな男だから~~。付き合う。なんて言っておきながら、兄さんから睦美さんに連絡…???…ラインやら電話なんてまずしないと思う。だからお願い。」途端に耀司、「おぃ。」汐梨、構わず、また両手を合わせて睦美に、「もぅ~~。散々ってくらいに、睦美さんから、これでもか~~って、くらい、兄さんにライン、電話して欲しい。」チラリと耀司を見て、「この、でくの坊、全く女性をデートに誘った事のない人間だから。」瞬間、睦美、目を真ん丸にして、「うそ。」耀司はしっかりと体を縮こまらせたように。睦美、半信半疑な顔で木守に、「あ…。いや…。えっ…???…でも…。全く女性をデートに誘った事のない人間って…。でも、亡くなった奥様とは…。」間髪入れずに汐梨、クシャリとした顔で、「それがさぁ~~。兄さんと、義姉さん。あん、つまりは兄さんの奥さんの事なんだけど~~。祐里子さんって言ってねぇ~~。そりゃもぅ~~。それこそ、これでもか~~って、兄さんをデートに誘った人。なのぉ~~。とにかく連絡を欠かさない人だったの。…ところが、この人。」耀司を見て、「い~~っさい。」目を瞑って、「義姉さんには何一つ、メールも電話も、い~~っさい、なし。」いきなり睦美、ひょっとこのような顔をして、「うそ。」汐梨、頷いて、「ほんと。…でね。肝心の奥さん。義姉さん。この人がまた出来てる。…そんなの、相手からメールないの、電話ないの、そんなの関係ない。私が好きなんだから。その私に~~。耀司がしっかりと着いてきてくれてるんだからそれでいい。一切文句もなし。とにかく私の傍を離れない。お蔭様で、私が耀司から支えられております。な~~んて、人だったの。」シュンとしている耀司。汐梨に、「あのなぁ~~。それ…、睦美さんに言わなくっても…。」ムキになって汐梨、「いいじゃない、本当の事なんだもん。」耀司、思わずキャビネットの夫婦で撮影した写真に顔を。「おぃ。お前からも何とか。」途端に汐梨、「夫の事、よろしくお願いいたします~~って、言ってるでしょ。」思わず睦美、クスリと、「ふふ。」そして、「でも、奇麗な人ですよね~~。奥様。」椅子から立ち上がりキャビネットの写真に一歩ずつ。汐梨、その声に、「まね~~。私も憧れちゃう人だから、どうしようもない。家事に仕事に文句の付けようがない。そんな人~~。まっ。そういう人が兄さんを選んでくれて、私も嬉しかったからね~~。」キャビネットの写真を見て睦美、「奇麗~~。」そして振り返ってバセットを。そしてニッコリと。バセット、その女性を見て顔を上げて、「クゥ~~ン。」そんなパセットの頭を撫でて、鼻先を指で撫でる。そんな指をバセット、舌でぺロリ。睦美、「あは。」耀司、そんな光景を見て耀司、「いや。凄いよ。何なのバセット~~。他の人に、そんな甘える事って、ないんだけどな~~。」汐梨も、「うんうんうん。」睦美、ふたりを見て、「えっ…???…そうなんですか~~???」耀司、「うん。ま。俺にだって、あんまりそういうの…。まっ。芙美花や麻沙美ならいざ知らず。…あとは…。何としても、祐里子だよな~~。もぅ~~。完璧にじゃれ合ってたから~~。ソファで一緒にゴロン。なんてしょっちゅう。」睦美、目を真ん丸に。「ソファで…、一緒にゴロン。凄っ。」「うん。…って言うか、元々、中型犬、飼おうって言い出したのが~~。祐里子。妻だったけどね~~。…で、知り合いのブリーダーから~~。」睦美、「へぇ~~。」バセットの頭を撫でながら。そんな女性に甘えるバセット。汐梨、睦美に、「だから、お願い、睦美さん。このアンポンタン、多分~~。中々、睦美さんにはラインも電話も出来ないと思う。お願い。睦美さんの方から、これでもかってくらい。」 ママでいい…。 vol,165. 「この、でくの坊、全く女性をデートに誘った事のない人間だから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.04
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汐梨、後ろに睦美と。リビングに。汐梨、「兄さ~~ん。睦美さ~~ん。」睦美に、「今、部屋で仕事、してる。」睦美、その声にコクリと。いきなり麻沙美、眞鍋を見て、びっくりして起き上がって、「眞鍋のお姉ちゃん。」立ち上がって眞鍋に。バセットも起き上がり、スタスタと女性の下に。女性にじゃれるように。睦美、「はは。麻沙美ちゃ~~ん。バセット~~。」麻沙美とバセットの頭を撫でる。そんな光景に汐梨すら驚いて、「いやいやいや。凄いわ。バセット~~。」バセット、尻尾をふりふり。まだ女性にじゃれている。洋菓子の箱をテーブルに。睦美、腰を落としてバセットを抱くように、「うんうん。良い子、良い子。」汐梨、そんな睦美とバセットを見て、「いや~~。はははは。」耀司が部屋から。そして睦美とバセットのその光景を見て、「うそ。…まじ。」バセット、耀司の顔が見えたのか、いきなり女性から離れてゆっくりと自分の定位置へと。耀司、バセットに、「いや。俺が来たからって、離れる事、ないんじゃない…???」その声が聞こえたのかとどうかは。バセット、知らんぷりをして自分の定位置でまた落ち着く。そしてサッシの向こうを。麻沙美も同様にまたバセットに背中を。汐梨、思わず、「ぷっ。」耀司、「それにしても、凄いな、バセット。あんな風に…。」汐梨も、「うんうんうん。私なんて、一度もあんな事、された事がない。むしろ、麻沙美にじゃれついてるから~~。はははは。睦美さん、かなりバセットから気に入られたみたい。」その声に睦美、照れるように、「そんな~~。」そして高井戸を見て丁寧にペコリと。「すみません、突然。」耀司、ニコニコと、「いえいえ。」そして睦美、テーブルに置いた洋菓子の箱を高井戸に、「はい、これ。」ふたりを見ながら、「ケーキ。」耀司、「おほほほほほ~~。」汐梨、「わざわざ買って来てくれたんですって。」耀司、「ありがとうございます。」そして、「麻沙美~~。ケーキだぁ~~。」麻沙美、その声に顔を振り向いて、「え~~…???」すぐさまバセットから離れて。耀司、ケーキの箱を開けて麻沙美に。「ほ~~ら~~。」麻沙美、笑顔満面に、「わぁ~~~~。」汐梨、「ははははは。うんうん。麻沙美、良かったね~~。コーヒー淹れますから。」耀司、麻沙美に、「どれにする~~???はは。美味しそうだ~~。」睦美、「あ、後で、芙美花さんにも。」耀司、「うん。」汐梨も、「ありがとう~~。」耀司、麻沙美に、椅子を引いて、「はいはい。ちゃんと座って。」耀司も自分の椅子を。そして麻沙美を椅子に。「睦美さんも、どうぞ。」睦美、「あ、はい。すみません。」そして…。4人、共に、「いただきます。」それぞれがケーキを一口。「う~~ん。おいし~~。」汐梨。睦美も、ニコニコと。「うんうん。ですよね~~。」耀司、麻沙美に、「おいしい…???」麻沙美、ニコニコと、「うん。美味しい~~。」汐梨、「蘭子のケーキ屋さん。とにかく人気よね~~。」耀司、「うんうん。この街には、洋菓子屋、あそこ一件しか、ないからね~~。しかも、老舗。」睦美、「しにせ…。」汐梨、「あん。昔っから続いているって事。」睦美、その話に、「へぇ~~~。」耀司、「多分、昭和から…???」顔を傾げて、「うん…???…もしかして…、もっと…???…って、分かんないけど…。ま。駅の近くだからね~~。ついでに。って人、多いのかも…。」睦美、「もぅ~~。クリスマスの飾り物で~~。」汐梨、「うんうんうん。でしょうね~~。」頷きながらも、「あ。睦美さん。」食べながらの汐梨。口に左人差し指を。そして、ペコリとしながら、「兄さんの事、ありがとうございます。」瞬間、睦美、目を真ん丸にして木守を見て、「えっ…???」いきなり耀司、「お~~い。今、それ。」すかさず汐梨、「いいじゃないよ~~。そんなの。黙ってたって仕方ないし~~。」そして汐梨、また睦美にペコリと。「こんな。どうしようもない兄ですけど。よろしくお願いいたします。」その話に急に畏まりながらの睦美、顔を左右に、そして左手をヒラヒラとさせて。「いえいえ。そんな…。…って、えっ…???」高井戸を見て、木守を見て、「あ。…じゃあ~~。」汐梨、コクリと。「うん。兄さんから聞いた。元々、私から兄さんに、睦美さん、どお…???…って、言っておいた方だから。」瞬間、睦美、以前、木守から車の中で、「…兄さんの事、気に掛けてくれたら、嬉しい。」思い出して、「あ、あ、あ~~。あ、はい~~。」耀司、睦美のそんな表情に、「うん…???」そして汐梨を見て、「どういう事…???」汐梨、耀司は見ずに、睦美に、「ほらね。とにかく、鈍い。」そんな声に睦美もクスリと、「くふ…。」耀司、汐梨に、「だから、何~~???」 ママでいい…。 vol,164. 「睦美さん、かなりバセットから気に入られたみたい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.03
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休憩から戻った眞鍋に珠里、「眞鍋さん、何かあった…???」その声に睦美、目をパチクリと、「えっ…???…あ。ははは。…いえいえいえ。別に…、何も…。」思わず僅かに赤面に。珠里、そんな眞鍋を見て、「そぅお~~。何かしら、いつもとちょっと…、雰囲気、変わった…???…かな…???」そして、「はははは。」奈織、そんな珠里の声に同調するかのように。しかも、眞鍋は見ずに、「好きな人、出来ちゃった~~~、とか…???」そんな話に思わず睦美、顔を小刻みに左右に、「いえいえいえ。とんでもない、そんな私…。全然、全然。」いそいそと自席に…。奈緒、パソコン画面を見ながら、書類に目を通して、「図星…、かな~~。」珠里、そんな奈織の顔を見ずに、「わお。ダイレクト~~~。」奈織、ニッコリと。「なんちゃって~~~。」珠里、「あらら。何ともまぁ…。どストライクな…。」睦美、昨夜の事を思い出しながら、時々のラインのチェック。その度に、頭の中で、「来て…ない。」それもそのはず、完璧にどん詰まりの耀司、昨夜の睦美との事で、仕事をしながらも、仕事になっていない。しかも、汐梨からも散々言われて…。「…って。祐里子との逆って…。そんな、簡単に言われても…。」そして…。睦美、終業時間。他の事務局員に、「お疲れ様で~~す。」職員たちも、「お疲れ様~~。」ロッカー室で睦美、何気にまたスマホの画面を。ラインには何も…。心なしか、「なし…か。」音楽教室の帰り、何か、買って帰りたかった。駅への道。けれどもその逆方向には高井戸の家がある。それでも睦美、足の向かう先は駅の…。そして…。歩きながらも体が自然に、ケーキショップへと…。12月である。店の中に…。結構客で賑わっている。ショーウィンドウに並べられてあるショートケーキたち。そんなケーキを見ながらも…。…無意識だった。すぐにバッグからスマホを取り出して、ラインから指をトン。3回のコールで相手が出る。「もしもし。…睦美さん…???…高井戸ですけど。」瞬間、睦美、「あ、あ、あ~~。」余りのケーキの美味しそうな感じに睦美、高井戸に電話をしていた。「あ、あ~~。」いきなりドキドキ、「高井戸さん。あ、あ、はははは。あの。」こちらもいきなりの電話に鼓動が高鳴る耀司。頭の中で、「…びっくりした~~。」スマホから、「あ、あの。…今、音楽教室、終わって。」耀司、「あ、あ~~、はい。はいはい。うん。うんうんうん。お疲れ様。」「…それで…。…今、近くのケーキ屋さんにいるんです。」耀司、頭の中で、「…ケーキ屋さん…???」そして口に出して、「あ~~。はい。蘭子のケーキ屋さん。」スマホから睦美の声、「え~~。結構、お客さんがいる~~。」スマホから高井戸の声、「はは。」そしてカレンダーを見て、「もぅ…。12月ですからね~~。」賑わっている店内の雰囲気もスマホから聞こえてくる。「あ、あの。」睦美の声。耀司、その声に、「あ、はい。」「た、高井戸さんは、どんなケーキが…。」スマホから、「へっ…???…俺…???…いや、僕…???」「え、え~~~。」耀司、頭を撫でながらも、「あ、いや~~。ケーキ。」顔を傾げて、「いや~~。…特に、これ、好きと言うのは…。まぁ…。どれも食べちゃいますけど。これが…、好き。…と、言うのは…、特に。」「そぅ…ですか。はは。」その声に耀司、「えへ…???」睦美、あれこれとショートケーキを見ながらスマホに、「はい。分かりました。」耀司、スマホに、「え…???…え…???」スマホから睦美の声、「いきなりの電話で、すみません。じゃ。」通話が切れる。耀司、「えっ…???」耳からスマホを。「今のは一体…???」それから、30分もしただろうか。高井戸家の玄関のチャイムが。汐梨、「あ、は~~い。」モニターから見る姿に、「うそ。睦美さん…???」そして、「は~~い、お待ちくださ~~い。」リビングから耀司の部屋に、「兄さん、睦美さん。」その声に部屋の中で耀司、目を真ん丸に、「えっ…???…うそ。」汐梨、すぐさま玄関に。そしてドアを開けて、「睦美さん。」驚いた様子で。けれどもすぐににこやかになって、「はははははは。いらっしゃ~~い。」睦美、汐梨に一礼をして、「いきなり来ちゃった、ごめんなさい。」そんな睦美に汐梨、ニコニコと。そして首を振って、「ううん。どうぞ、どうぞ。私もさっき来たところだから。」睦美、手に提げている洋菓子の箱を持って、「これ。」汐梨、「あ、あ~~~。」「駅の近くのケーキ屋さんで。」汐梨、ニッコリと。「うん。蘭子のケーキ屋さん。あそこ、評判よね~~。」「お店の中も、混んでました。」「うんうんうん。」汐梨。「ささ。どうぞ、どうぞ。」玄関の中に入って睦美、「お邪魔しま~~す。」 ママでいい…。 vol,163. 「好きな人、出来ちゃった~~~、とか…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.02
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椅子に深く。そして背もたれに右肘を。そして頬杖。右脚に左脚を組んで空を見る汐梨。そして…。時折、チラリと耀司に流し目をしながらも…。バセットはいつも通りにサッシから外を…。麻沙美、動物図鑑を見ながらに、「はは。これ、バセット~~。」図鑑の中のバセットバウンドに指差してバセットに。バセット、そんな麻沙美に、「クゥ~~ン。」耀司、テーブルに、右肘を。そして、右手で右頬を当てて、「ん~~~。」汐梨、姿勢を戻して耀司を見て、「…ってかさぁ~~。兄さんの方から、決めた。って、言ったんだからね~~。このままうだうだと~~。な~~んて言っておきながら、何…???…肝心要に、睦美さんからもお付き合いって~~、言われた途端、何々何…???…これからどうすれば…。ある意味、それって、卑怯でしょ。…って言うか、睦美さんにも申し訳ないでしょ。」そのままの姿勢で汐梨を見つめる耀司。汐梨、「んなもん、たかが義姉さんの時の逆をやればいいって話じゃん。…それくらい。」「はいはいはい。分かりました~~。分かりましたよ~~。やればいいんでしょ、やれば~~。」睦美、休憩時間中にまた…、教室でピアノを…。それを見ていた生野、「はははは。うんうん。弾いている、弾いている。」メロディを聞きながら、「これは~~。」顔を傾げて…。そして、「あ~~。」納得したようにフィンガースナップ。「はいはい。リチャードクレイダーマン。ドランの微笑~~。ははは。どうして、どうして~~。」そこに有紀。「あら、事務局長~~。」そして聞こえるピアノのメロディに。「あは。弾いてますね~~。眞鍋さん。」生野、有紀にニッコリと。「えぇ。」「奇麗なメロディですけど、これ…。ん~~~???」「リチャードクレイダーマン。ドランの微笑と言う曲です。」有紀、「リチャードクレイダーマン。」顔を傾げて、「うん…???…クラッシック…???」その声に生野、「あ、いえ…。」そして顔を傾げて、「多分…、黒川さんたち…。いや、事務局のみなさんも知らないと思います。なんせ、まだ生まれてませんから。」その声に有紀、「い~~~ぃ…???」「当時から、イージーリスニングと呼ばれているジャンルの楽曲。この曲が日本で聴かれるようになったのが、リチャードクレイダーマン、20代後半ですよね~~。日本でも一世風靡されたピアニストのひとりです。」有紀、話を聞きながら、「へぇ~~ぇえ~~。…でも、良く、眞鍋さん、この曲。」「まっ。ご存じ、なんでしょうね~~。」そして生野、「はははは。この前もここで、元嶺さんが眞鍋さんのピアノを聞いて、凄い。初めて聞いたって。」瞬間、有紀、「え~~~ぇえ~???…それはない。あの子、私や珠里さんと、眞鍋さんのピアノ聞いて感動してたのに~~。」生野、その声に、「えへ…???…それじゃあ~~。」「多分、完璧に忘れてる。まま。仕方ないかも…。事務の仕事はまぁまぁだけど…。とにかく、友達付き合いが物凄いですから。音楽なんて眼中になしって顔。」生野、すぐさま、「ははははは。まま。ここで一番の若手ですから。しかも…、大卒ですから。まだまだ。」そして生野、「…それにしても…。眞鍋さん、いつもはクラシックですけど…。珍しいですね~~。他のジャンルの…。…しかも…。…ドランの微笑。」すぐさま有紀、生野を見て、「えっ…???」生野、「何かしら…、ありましたか…???…ははは。」有紀を見て笑顔で。そんな生野に有紀、瞬きをして、「何か…って、何…。」すると有紀、途端に、「あ~~~。」生野、「はい…???」有紀、書類封筒を抱き締めながら生野に耳打ち、「もしかしたら~~。」生野、また、「はい…???」…そして…。有紀から…。生野、目を真ん丸にして、「えっ…???…うそ。」有紀、ニコニコとして、「…かも、で~~~す。」そして、「専ら、事務局の、ある種の裏話になってま~~~す。」そして、「では。速達のようですから教室長にお届け~~。」抱き締めた書類封筒をアピールするように。生野、有紀から耳打ちされた話に、「何と。」睦美、実は、音楽教室では、事務局員たちとのプライベートに関しては…、と言うか、コミュニケーションを余り得意とはしていない。…が、それでも、子供たちの母親からは時々、お誘いはある。友達感覚ではないのだが、時にランチなど。そのため、他の事務局員たちよりもむしろ、子供たちの母親たちとのコミュニケーションは良好であるとも言える。逆を正せば、子供たちの母親たちも、同じ日本人同士の事務局員たちよりも眞鍋の方が誘い易いし、お気楽的な部分もあると言う訳だ。睦美の方も、月に2、3回程度ではあるが、それを楽しみにしている風でもある。 ママでいい…。 vol,162. 「事務局の、ある種の裏話になってま~~~す。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.01.01
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