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「まぁねぇ~~。死んだ人との思い出の場所に、新しい人と。な~~んて。…その人、可哀想だと思わない…???…と、言う人も、いるかも、知れないけど…???」耀司。「…ってか、俺だったら、な~~んか、懐かしい~~、な~~んて、思っちゃうけど…。ま。俺自身、ステレオタイプな人間じゃ~、ないからね~~。固定概念なんてまっぴら。」睦美、「ステレオタイプ…。」「あぁ。ん~~つまりは~~。思い込み。世の中の人が一般的に、思い込んでいる。とか~~。これはこうなんだ。って言う、決まりきった概念。昔から、こういう事なんですって言う。」睦美、頷いて、「あぁ~~。うんうんうん。分かります。」「と~~。汐梨も同じ事を言うだろうけどね~~。何、そんな20代の未練がましい恋愛感情丸出しの事、言ってんのよ~~。歳、考えなさいよ。兄さん、あんた、何歳だと思ってんのよ~~。恋愛なんて、ある意味、傲慢でもいいのよ。我儘だっていい時もあんのよ~~って。イジイジ、ウジウジしてる人を本当に好きになったらどうすんの。…でも、私は、あなたが、そんな人でも。むしろ、そんな人でも、他の人とは違うから。…そんなあなたを好きになったの~~。だから私を失望させないでって。」耀司。顔を傾げて、「汐梨だったら…。はは。言うんだろうね~~。」そんな耀司を見て睦美、口を噤んで…。すると耀司、思わずにやけて、「はは。俺、何言ってるんだか。」話を聞きながら睦美、思わず顔を左右に。そして、「ううん。…耀司さん、凄い。」途端に耀司、睦美を見て、「へ…???」睦美、「何だか…、感動した。」そしてまた睦美、「ううん。…むしろ、説得力、凄~~い。…私なんて。」途端に下を向いて。「以前の事を、いつまでも…。…いつまでも引き摺って。」すぐさま耀司、目を真ん丸にして、「あ、いや…。…そういう訳じゃ。」そして耀司、「…って言うか、俺だって。…って。」そこまで言って耀司、思いっきり、意気消沈したように。「まま。確かに、俺、ステレオタイプじゃないん…。…ん…???」右目を歪めて顔を傾げて、「…あれ…???」すると、思わず、睦美に対して下唇をビロンと。両眉をへの字にして、「イジイジ、ウジウジしてる人っ、実は…。…俺だったんだよね~~。」その声に睦美、いきなり目をキョトンとさせて。そして、瞬きをして。僅かに3秒。すると睦美、今度は、「ぷっ。」そして、笑いながらニッコリと。「はははは。耀司さ~~ん。」耀司、思わず体を縮こまらせるようにして、「すみませ~~ん。だらしない男で。」睦美、笑いながら、「はははは。」そして、「ううん。…全然。全然大丈夫です。…私なんて、晄史にガツンと言われても、それでも気付かなくって、前の事を引き摺ったままで。」睦美。一度、唇をきつく締めるよう。そして、「でも、汐梨さんからも…。」目が動く。「…教えられたのかな…???」耀司、そんな睦美を見て、「教えられた…???」「あ。えぇ。晄史から言われて…。私自身、前の事を引き摺って…。けれども、姉さんって言われて~~。…そこに来て、汐梨さんからは、耀司…。」耀司を見つめて、「…さんの、事…。」低い声で。そして、僅かに口を窄ませるような感じで、「…気に掛けてくれないかな。…って。」耀司、その話を聞いて、「あいつ…。」睦美、「…だから…。汐梨さんに、教えられた…???…と、言うか、気付かされた。…感じ。…でぇ~~。」今度はまた、顔を傾げて、「…でも~~。」語尾を上げて、「何て言うの…???…背中を押してくれた…???」耀司、頷きながら、「あ~~。うんうんうん。」睦美、耀司を見ながら、「…それも~~、やさしく。」耀司、「ん~~~。」睦美、「だから…。」耀司、そんな睦美を見て、「うん…???」「だから…。…汐梨さんには…。」耀司、「……。」「感謝。ですね~~。」その声に耀司、思わず、「うん。ん~~~。」そして、「はは。…確かに。」既に空になった皿を見ながらも、「確かに。…うん。確かに。」そして、今度は睦美の頭の上、キッチンを見つめながら、「そうだよな~~~。まっ。確かに。あいつがいなかったら、今、俺。…こんな風には、感じてなかったろうな~~。」そして…。今度は下を向いて、口角を上げて。顔を上げて、また、「確かに。」優しそうに睦美を見て、「出会いに、感謝だ。」睦美、そんな声にニッコリと。「はい。」そして、「あ。」耀司、そんな睦美に、「うん…???」「カレー、お代わり。」瞬間、耀司、「あ、あ~~~。ははははは。はい。お願いします。」睦美、「ふふ。はい。」耀司、玄関で、「んじゃ、バセット~~。少しの間、留守番、頼むな。」バセット、フロアの上で、「ワン。」睦美、バセットに前屈みで、右手を振って、「じゃね。また明日。」パセット、またもや、「ワン。」 ママでいい…。 vol,312. 「俺自身、ステレオタイプな人間じゃ~、ないからね~。固定概念なんてまっぴら。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.31
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「そうですよね~~。」睦美。「会社に行けば、とにかく、時間に縛られる。まっ。確かに、仲間と一緒に仕事が出来るのは楽しいけど、家で仕事が出来るって意味では、俺にとっては芙美花が一番だから。」睦美、その声に頷きながらも、「うんうんうん。」耀司、「…って言うか。」可笑しがりながら、「デートって言われても…。」ニコニコと顔を傾げて、「週の半分は、睦美さん、ここに来てますから、これも。」また顔を傾げて、ニコリと右目を歪ませながらも、「もしかして、デートに…???」瞬間、睦美、スプーンを持った指で鼻に、「あは。もしかしたら、デート…???」耀司、ニコリと。「…に、なりません…???」瞬間、睦美、にこやかに眉間に皺を。可笑しがりながら、「ん~~~。…ははは。」語尾を上げて、「どうなんだろ。」ニコニコと。「まっ。確かに。」耀司。「時間や場所を設定して。」語尾を強く、「恋愛感情を持つ男女が会う。事が、デート。…では、あるけどね~~。…けど。今、こうして、会ってるし~~。…それに、ご飯も一緒食べてる。でぇ~~。何、この1ヶ月近く、ねぇ~~。睦美さん、ウチに来てくれてる。これって、傍から見れば、ちゃ~~んとした、立派なデートだよね~~。」話を聞きながら睦美、嬉しそうに、「はははは。うんうんうん。そうかも~~。」「…って言うか、汐梨から言わせると~~。これで、たまにはふたりでどっか、出掛けたら~~。に、なっちゃう。おまけに、家でばっかり会ってないで~~って。」可笑しがりながら睦美、「うんうんうん。汐梨さん、そんな風に言いそう~~。」耀司、口をへの字にして、「でしょう~~~???…絶対にあいつなら言うよ。」そして耀司。「ま。当然の事ながら、芙美花も、そうだけどね~~。あいつも、そんな風に言う。絶対に。」睦美、「芙美花さんが…???」「あぁ。…とにかく、睦美さんに会いたい、いつも一緒にいたいって、言ってるから。」瞬間、睦美、目頭が熱く。思わず胸が…。そんな睦美を見て耀司、「……。」そして、睦美を見て、「睦美さん。」睦美、耀司を見て、思わず両頬を両手で。「あ、はい。」「今日は。」そして睦美にペコリと。「ありがとうございます。」瞬間、睦美、右手を振って、「あぁ。いえいえ。」耀司、「そして。…これからも。」睦美、耀司を見て。耀司、ニッコリと。「よろしくお願いします。」またペコリと。そんな耀司を見て睦美、瞬きながら、「あ。はい。」そしてペコリと。「こちらこそ。よろしくお願いします。」耀司、ニコニコと。「はは。」そして、「まっ。時間や場所を設定して、恋愛感情を持つ男女が会う。事が、デート。…では、あるけど。いろいろなデートの形も、あるだろうけどね~~。まっ。一概には…。」睦美もニコニコと。「えぇ。100組の恋人同士がいれば、100通りのデートもあるかも。です。」耀司、「あ、それ。その表現、いいね~~。」「誓から聞きました。」「さすがは誓さん。」耀司、「…って言うか。」そこまで言って耀司、「あ、ごめんね。…ただ。俺が知っている、デートと、言われても~~。祐里子から誘われて行った場所しか、分からないからな~~。」すると睦美、「ふん。…私の場合は~~。」顔を傾げて…。「あ。でも…。…もしかして…。私の方こそ、耀司さん以上に、デートの経験…ない。かも。…とにかく、デートと言うかぁ~~。その殆どが~~。スタジオ。」耀司、「あ、あ~~、そっか~~。バンドマン、だったんだもんね~~。」睦美、コクリと。「はい。…出会った頃は、もぅ~~。プロのミュージシャンでしたから~~。休みなんて、もぅ~~、ランダム。自宅とスタジオかステージの往復。自宅と言ってアパート。ううん。もぅ、アパートは、とにかく、寝に行っているだけ。…一度だけ、アパートに行った事、あるんですけど。な~~んにもなくって~~。」耀司、その話に、「うそ。」睦美、頷いて。「だから、本人も、あまりアパートでは会いたくなくって。でも。音楽は続けないと。…だから、会うのはまず、スタジオ。で、バンドの人たちも、気を遣ってくれて、私が行くと、優しく、じゃあな、頑張れよって。スタジオから出て行く。そんな感じ。」耀司、「そうだったんだ~~~。」すぐさま睦美、「あ。でも…。逆に~~。何処行きたいって。だから、逆に私に聞かれても、私も。」眉間に皺を。申し訳なさそうな顔で、「私も知らないし、分からないから…。」耀司、そんな睦美を見て、「かかかかか。…確かに。」睦美、「だから~~~。…もし、ふたりで、何処か、出掛けるのだったら~~。耀司さんの。」耀司、その声に、「うん。」「亡くなった奥様と一緒に、行った場所でも…。」瞬間、耀司、フィンガースナップ。「あ。それだ。」 ママでいい…。 vol,311. 「まっ。時間や場所を設定して、恋愛感情を持つ男女が会う。事が、デート。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.30
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「とにかく、美味しい料理を作ってくれた人に、感謝。それが誰であれ。」ニッコリと耀司。そんな耀司に睦美、ニッコリと。すると、睦美のスマホに着電。カウンターのバッグに。睦美、画面を見て、「晄史。」耀司、「おぅ。久し振り~~。」睦美、スマホを耳に、「もしもし、晄史。」そのまま椅子に。スマホから、「姉さん、芙美花さん、インフルってかあさんから聞いてビックリして。」「あん。」耀司をチラリと見て、「うん。レッスン、終わって、そのまま、買い物して高井戸家に。まだ、38度台。」晄史の声、「え~~~~???…インフル、流行ってるって聞いたから~~。」「うん。」睦美。「…で、今、汐梨さんとも電話したんだけど、汐梨さんもインフルで。」「え~~~!!!」そして晄史、傍にいる誓に、「汐梨さんも、インフルなんだって。」誓、その声に、「うそ。」ふたりは今、正に会社を出ようとしていた。睦美、「誓も一緒。」「あぁ、今から会社出るけど。…雨、降って来た。」睦美、目をパチクリと、「雨。」耀司、「へぇ~~。こっちは…、まだ。」睦美、「こっち来て、すぐに芙美花さん熱測って、着替えして、お粥とヨーグルト。」そして、「うん。みんな、食べてくれて。」相合傘で晄史と誓。晄史、「へぇ~~~。そっか~~。とにかく、芙美花さん、お大事に。だね~~。それから、汐梨さんも~~。」睦美、頷きながら、「うん。」そして、耀司を見て、「あ。ちょっと待ってね~~。」そして、耀司にスマホを。「晄史です。」耀司、「サンキュ~~。」スマホを受け取って、「もしもし、晄史さん。」晄史、「あ。」ニコニコと、「高井戸さん。かかかかか。」耀司、スマホに、「何か、声聞くの、久し振りなんですけど。」ニコニコしながらの晄史。「ですよね~~。ははは。…でも、ほら、この前、ライブハウスで。」耀司、口を大きく、「あぁ。はははは。そうだった、そうだった。」すると、スマホに、「誓もいるよ~~。」晄史、スマホをスピーカーにして、誓に。高井戸に誓、「こんばんは~~。」耀司、誓に、「こんばんは~~。」「今日の夕食は何ですか~~???」耀司、スマホに、「睦美さんが、カレー、作ってくれました~~。凄く、美味しい~~。」誓、「わ~~お。カレー~~。」晄史を見て、「ははは。美味しそう~~。」耀司、「ふたり、今、何処ですか~~???」誓、スマホに、「あ、はい。会社を出たところなんです~~。今から、駅に。」「何やら、雨。」スマホから誓の声、「そうなんですよ~~。だから、私の傘に晄史と一緒に。」耀司、微笑みながら、「相合傘ですか~~。」誓、嬉しそうな声で、「そうですよ~~。」耀司、スマホに、「羨ましそうですね~~。」すると誓、「な~~に言ってるんですか~~。高井戸さんもお義姉さんと~~。」そこまで言って、僅かに顔を傾げて、「あ。でも、ふたりの場合は、車か。はははは。」耀司、その声に、「ははははは。」誓、「しっかりと、お義姉さん、離さないでくださいね~~。ちゃんと、しっかりと、デートしてくださ~~い。」思わず耀司、照れながらも、「いやいやいや。言われてしまいましたね~~。」そんな照れた耀司を見て睦美、ニコリと顔を傾げて、「うん…???」そして誓、「あ。芙美花さん、お大事に~~。インフルって。」耀司、「えぇ。…まっ。でも、明日にでも熱が下がったら、受診、しますんで。」スマホから、「は~~~い。じゃ、お大事に~~。」晄史も、「お大事に~~。」耀司、「ありがとうございま~~す。」そしてスマホを睦美に。睦美、「はい。」そして、スマホに、「じゃね~~。」スマホに、晄史、「うん。分かった。ごゆっくりとどうぞ~~。」その声に睦美、口を尖らせて、「もぅ~~~。」けれどもすぐにニッコリと。「はいはい。」通話は切れる。そして睦美、「ふん。」テーブルにスマホを置いて。耀司、「神宮前は雨か~~。」睦美、「誓に、何か言われました…???」耀司、思わず、「うん…???」そして、「かかかかか。しっかりと、お義姉さん、離さないでくださいね~~。ちゃんと、しっかりと、デートしてくださ~~い。って。」その声にニコニコと睦美、「ははは。」耀司、カレーを食べながら、「まま。…ん~~~。」すると睦美、耀司を見て、「うん…???」耀司、チラリと睦美を見て、「いや。まま。…デートって言われても~~。何て言うか~~。俺の場合、リモートしていると、何て言うか…。…毎日が仕事…???…時間に縛られている訳じゃないから。…だから、汐梨から家事の特訓を受けながらも。…それでいて、仕事が出来ている。…それが、今のライフワーク。」睦美、話を聞きながら、「うんうんうん。」「そういう意味では~~。結局のところ、お客さんにも、恵まれている訳だけど…。」 ママでいい…。 vol,310. 「とにかく、美味しい料理を作ってくれた人に、感謝。それが誰であれ。」ニッコリと耀司。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.29
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咳をしながらも汐梨、「…あ、うん。…何とかね。…けど、全く~~。参った~~。何とも、朦朧としてる。」その声に耀司、「おぃおぃおぃ。」汐梨、「あん。でも、パパがいるから全然、大丈夫だから。」その声に勝臣もニッコリと。「何たって、頼れるからね~~。コホッ。」スマホから耀司の声、「はいはいはい。ご馳走様です。」「まだ、熱は、38度6。」その声に耀司、「うえ…。」「しっかし…。どこから、誰にうつされたのか、全く分かんない。朝、会社に電話したら、スタッフのひとりもダウンして休んじゃったって。」耀司、その話を聞いて、「え~~~???」耀司、パソコンを閉じて椅子から立ち上がり、「いやいやいや。」そしてドアを開けて、「…って言うか、芙美花の学校も。」スマホから、「え~~~???」汐梨、勝臣を見て、「芙美花の学校もだって。」勝臣、途端に顔をぐんにゃりとされて、「わお。」汐梨、「あ。でも、芙美花は…。」耀司、廊下を歩いてリビングに。「あぁ、今は。」睦美を見て、「睦美さん、来てくれている。」汐梨の声、「睦美さん…???…来てるの…???」勝臣を見て。勝臣も目を真ん丸に。そして、口を噤んで。汐梨、「芙美花、インフルなのに…???」睦美、電話をしている耀司を見て、「…???」耀司、「汐梨から。」睦美、瞬きをして。耀司、スマホに、「来るなと言われても、来ますって。」スマホから汐梨の声、「わお。」そして、「かかかかか。コホッ。」耀司、スマホに。「マスクして~~。手には、しっかりと、グローブで。」スマホから、「わお。」睦美、「電話。汐梨さん…???」耀司、睦美に、「うん。」「代わって、いいですか。」耀司、「はいよ。OK~~。」耀司、スマホを睦美に。睦美、スマホを耳に、「もしもし。睦美です。汐梨さん。」その声に汐梨、「あ。睦美さん。コホッ。」勝臣をチラリと見て。「あん。…ごめんね~~、睦美さ~~ん。」声は完全に掠れている。睦美、スマホに、目を真ん丸にして、そして首を振りながら、「あぁ、いえいえ。でも、汐梨さん、物凄、辛そう~~。声が…。」「うん。」汐梨。「完璧に最悪なの。声は枯れるわ、鼻は詰まってるわ、熱はあるわ。咳は出るわ。朝からず~~~っと、寝てたから~~。コホッ。さっき起きて、パパからお粥作ってもらって、それ食べて~~。まっ。意識はハッキリとしてるから~~。」こちらは睦美。スマホに、「私も、こちらに来て、芙美花さん、着替えをして、お粥とヨーグルト。はは。全部食べてくれて~~。今、ぐっすりと休んでる~~。」スマホから汐梨の声、「ありがとう~~。コホッ。…まさか、私もインフルなんて~~。一度も罹った事ないのに~~。」睦美、目を丸く、「え…???…一度も…???…インフルエンザ。」耀司、テーブルの傍で立ったままで。「あ~~。うん。俺の記憶する限り、俺も汐梨も、生まれてこの方、病気らしい病気は一度も。」その話に睦美、「凄~~い。病気に一度も…???」汐梨、コクリと。「うん。そう。だからね~~。最悪~~。」睦美、「お大事になさってくださ~~い。…私は、去年に、しっかりとインフルエンザに。1週間、寝たきり状態。酷かったですから~~。」汐梨、頷きながら、「うんうんうん。コホッ。とにかく、芙美花の事、お願いねぇ~~。」睦美、ニッコリと。「はい。分かりました。」汐梨、「…で。兄さんの事も。」ペコリとして、「お願いします。」睦美、耀司を見て口角を上げて、「はい。畏まりました。今、カレー、作ってますから。」掠れた声で汐梨、ニッコリと。「わお。」そして、「すみませ~~ん。」睦美、微笑みながらもスマホを耀司。耀司、頷いて。そして、「とにかく、ゆっくりと休みな。おま、その感じじゃ、相当~~。」汐梨の声、「あん、兄さん。うん。」そして。「芙美花、悔しがってたでしょう~~。芙美花も一度も病気って。」耀司、「あぁ。悔しがってた。悔しいよ~~、一度も病気、した事なかったのに~~って。」その声に汐梨、「だよね~~。」傍で勝臣、「ママ。」汐梨、その声に頷いて。そして、「じゃ、兄さん。」耀司、「おぅ。任せろ。一晩くらい、寝なくたって俺。芙美花の事は任せろ。」汐梨、コクリと。「うん。じゃあね。」通話は切れる。耀司、カレーの匂いに。「おほ。いい匂~~い。」睦美、「そろそろ。ですね~~。」耀司、睦美に一礼をして、「ありがとうございます。」そして…。初めての…。テーブルを挟んでの、夕食。耀司、カレーを一口。そして、眉間に皺を。「うん。旨い。アチ。」その声に睦美、ニッコリと。「ありがとうございます。」何かしら、耀司、ふっ切れた感があった。そして…。いつも通りに。空腹であった。美味しそうに食べる耀司を見て睦美、「ははは。耀司さん、本当に美味しそうに食べますよね。」その声に耀司、睦美を見て、「うん…???」そして、ニッコリと。「ははは。」そして、「当~~然。」 ママでいい…。 vol,309. 耀司、「おぅ。任せろ。一晩くらい、寝なくたって俺。芙美花の事は任せろ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.28
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コーヒーを飲んでいる耀司に睦美、トレイの上のご飯茶碗と、ヨーグルトらしいものが入っている器も見せて、両眉を上下に。そして、ニッコリと。「空っぽ。」そして。「熱はあるんだけど、食欲はあるみたいで、ひとまず安心。…逆に、何も食べたくないって言われると、困っちゃいますから。」耀司、睦美に、「ありがとうございます。」「洗濯物、干しちゃいますね。」すぐさま耀司、「あぁ、すみません。」睦美、洗濯室のラックに芙美花のパジャマを。今、ベッドの中の芙美花は上下に、ジャージを着ている。睦美、キッチンに戻って、「耀司さん、夕食、カレーでいいですか…???」コーヒーを飲み終えての耀司、睦美に、「あ、あ~~。はい。」睦美、そんな耀司に、「ふふ。分かりました。お任せください。」ニッコリと。耀司、微笑みながら睦美に、「じ、じゃあ…、お願いして、俺、もう少し、部屋で仕事…。」そんな声に睦美、ニッコリと。「あ、はい。」椅子から立ち上がり、自室に歩きながら…。…けれども、僅かに顔を傾げて。頭の中で、「…お、俺…、何やってんだ…???」耀司、実は、かなり照れ臭いのである。芙美花がインフルエンザ…。但し、受診はしていないために定かではないのだが…。朝からバタバタで。けれども、坂下と連絡して坂下が来てくれて。そして、今度は睦美が。そして、今度は宮前が…。そうこうしながらも、何とか…。そして…、ここにきて、ようやく落ち着いて。多分…。今日一日は、芙美花は、発熱は続くであろうが、朝になれば…。そう思うと…。耀司、急に何とか、「…収まるか~~。」と、思った瞬間に。急に、睦美と、話す言葉が出て来ない。片や睦美は…。無心に料理をしている。ただ、頭の中には、芙美花の熱が下がってくれる事と。耀司の為に出来るだけの事をしたい。それだけである。芙美花、一日中の発熱で、かなり体力は消耗していた。当然である。生まれてこの方、一度も病気をした記憶がない。免疫がないのである。一気に押し寄せてきた病。朦朧としながらも睦美からパジャマからジャージに着替えられていた。ただ、芙美花、嬉しくて。睦美には、何も言えなかった。自然に涙が出て来て、ただ、「ありがとう。」それだけ。終始、睦美、芙美花に、優しそうに…。芙美花をベッドに落ち着かせて。そして…。部屋の中、女子高生の部屋の中を見て、微笑みながら…。「可愛い~~。」そして。「はは。女子高生~~。」お粥も…。最初は介助で…。…けれども、途中からは自分で。一口、二口、介助されながらも、体の中に、染み渡ったのか…。そして、何より、美味しかったのだろう、それからは、自分で。そして…、ス~~ッと入っていく、ヨーグルト。芙美花、半ば、満たされていた。そして…。食べ終えて、睦美から、「うん。食べれた~~。良かった~~。うんうんうん。じゃ、休もうか。」その声に安心して芙美花、また体をベッドに。耀司、パソコン画面を見て、「ヨシ、オッケ~~。」すると…。スマホに着電。「師長…。…もしもし。」「あ、耀司。芙美花、どう…???」耀司、「あ、あ~~。はい。…今は…、多分、落ち着いてる、かも。です。」スマホから、「かも…。」「えぇ。…って言うか、今、睦美さん。眞鍋さんが来てくれていて。」瞬間、宮前、「あ、あ~~~。うんうんうん。」「夕方前から来てくれてて。」宮前、廊下のベンチに座りながら、耀司の声に頷いて、「そぉ~~。」スマホから、「まだ、熱は38度台…???…でも、何とか。」「意識は…。」「えぇ。大丈夫です。着替えも眞鍋さん、やってくれて。お粥とヨーグルト、かな…。」宮前、コクリ、コクリと。「うんうんうん。」耀司、スマホを耳に、「…で、今、キッチンで、夕食を。」スマホから宮前の声、「そっか~~~。あ、でも…。夜はお願い。」瞬間、耀司、「え…???…あぁ~~~。」「芙美花、小まめに見て上げて。熱。」「あ、はい。」「木守さんもインフルで、私が見てあげればいいんだけど…。」耀司、途端に、「あ、いや…。そんな…。」「とにかく。夜は耀司、お願いね。眞鍋さん、食事の後に、薬、飲ませてくれたと思うんだけど。熱の方は、お願い。まぁ。一晩くらい寝なくとも…。耀司。」その声に耀司、「あ。ははははは。た、確かに。」「可愛い、愛する一人娘のために、頑張んなさい。」いきなり耀司、スマホに、口を尖らせながらに、「と、当然ですよ。はい。」「じゃ、切るね。」その声に耀司、「分っかりました~~。わざわざ、ありがとうございます。」宮前の声、「うん。じゃね。」通話は切れる。その途端、耀司、「おっと。」そして、「は…???…汐梨…???」スワイプして、「もしもし、おま、大丈夫なの…???」汐梨、傍には勝臣。布団の上で、パジャマの上にモコモコカーディガンを羽織りながら…。 ママでいい…。 vol,308. 自然に涙が出て来て、ただ、「ありがとう。」それだけ。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.27
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その声に耀司、ニコリと。「うん。分かったよ。」芙美花、話疲れたのか、また目を閉じて氷枕の上で。耀司、そんな芙美花のおでこに手を。「うん。まだ…か。」耀司、自室で…。スマホを耳に。スマホから聞こえる勝臣の声、「まだですね~~。中々、熱、下がんなくて~~。38度台で…。」そして勝臣、「はは。僕もバタバタです。アイスノンだけじゃ、どうしようもなくって、氷買ってきたり。」耀司、「やり方、知ってんの…???」勝臣、「はい。検索して、方法は…。」声を聞いて耀司、「あぁ。そっち。」スマホから勝臣の声、「お義兄さんは…???」耀司、思わず、「はは。朝から電話。パソコンで調べるも何も。睦美さんから電話が来り、師長から電話が来りで。で、教えてくれて。」スマホから勝臣、「なるほどね~~~。」そして。「お義兄さん。」語尾を強く。耀司、スマホに、「うん…???」勝臣、しっかりとした滑舌で、「頼れる人がいるという事は、幸せな事です。」その声に耀司、深呼吸をして頷いて、「全く。その通りだよ。」数分後、通話は切れる。お昼は耀司、芙美花がインフルエンザという事で、余り、食欲はなかったが、意外と…。探すとあるもので、戸棚からカップ麵を。「おほ。あるある~~。」そして、バセットには、「はいよ~~。お待たせ~~。バセット~~。芙美花、今、インフルで休んでる。おまえ、早くインフル治れって、祈っててくれな。」その声にバセット、耀司を見て、「ワン。」耀司、そんなバセットに、「ははは。いい子だ。」夕方前になって、高井戸家に…。耀司、玄関に。「はは、」頷いて、「いらっしゃい。」睦美、「来るな。と、言われても来ます。」そんな睦美に耀司、ニコリと。「でしょうね~~。」睦美も、「ふふ。」買い物かごを用意したのだろう、食材が入ってる。「とにかく。」耀司、睦美に一礼するように、「お願いします。」睦美、まずはキッチンに。そして頷いて。買って来たものを冷蔵庫に。そして、耀司とふたり2階に。耀司、ノックをしてドアを開けて、「どうぞ。」睦美、「お邪魔しま~~す。」そして、芙美花の部屋に。「はは。可愛いお部屋~~~。」耀司、「芙美花~~。睦美さん、来てくれた。」睦美、ベッドで眠っている芙美花に、「芙美花さ~~ん。」そして、体温計を…。芙美花に、「ちょっと、ごめんねぇ~~。」ゆっくりと目を開ける芙美花。目の前のマスクをした睦美の顔を見て、「睦美さん。」睦美、芙美花にニッコリと。「こんにちは。ごめんね。熱、測ろうか。」微笑むように芙美花、僅かにコクリと。グローブをした手で睦美、芙美花の脇の下に体温計を。そして…。「38度3。…まだだね~~。」そして、「OK~~。じゃあ、着替えましょうか。結構、熱で汗、搔いてるみたいだから…。」睦美、耀司に、「耀司さん、クローゼット。」耀司、慌てて、「あ、あ~~。はい。そこに。」睦美、指差した方を見て、「あぁ。」そして笑顔で、「はい。」そして耀司に、「じゃあ~~。後は私に任せて、耀司さん。仕事、お願いします。」耀司、その声に、「あ、あ~~。あ、はい。」ペコリと。「お願いします。」そして…。凡そ30分。睦美、階段を降りて耀司の部屋に、ノックをして、「耀司さん、洗濯機、使わせて頂きま~~す。」部屋の中から、「あ、はい。」すぐさまドアに、そして開けて…。すると、「あれ…???」そして、「睦美さ~~ん。」廊下を。そして、洗濯室に。耀司、「あ。ははは。もぅ、いらっしゃった。」睦美、コクリと。「洗濯機、使いますね。芙美花さんのパジャマ。さすがに汗で。」耀司、「あ、あ~~。はい。」ニコリと。「お願いします。」睦美、「それにしても、さすがは芙美花さん。整ってるぅ~~~。」耀司、その声に照れ臭そうに、「ははは。」頭の後ろを撫でながら、「自慢の娘ですから。文句の付けようが…。高校2年の娘から、逆に、父親の俺が、面倒見てもらってます。」その声に睦美、クスクスと。そして、耀司を見て、「ほんと、ですよね。」耀司、睦美にペコリと。「お恥ずかしい限りです。」睦美、「さてと。」耀司に、「ちょっと、すみません。」耀司、洗濯室の入口で睦美を避けるように、「あ、はい。」睦美、キッチンに。「お粥、お粥~~。」耀司、睦美に、「あ、じゃあ~~。俺、また、部屋で。」睦美、耀司に振り返って、ニッコリと。「はい。お願いします。」耀司、廊下で睦美に一礼をして。「こちらこそ、お願いします。」睦美も、そんな耀司に一礼をして、「はい。畏まりました。」既にマスクとグローブは外している。凡そ1時間。耀司、部屋から出て来て、キッチンでコーヒーを。そして、テーブルに。椅子に座ってコーヒーを。2階からエプロンをした睦美が…。そして…。「ふふふ。完食~~。」 ママでいい…。 vol,307. 「高校2年の娘から、逆に、父親の俺が、面倒見てもらってます。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.26
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耀司、睦美から言われたままに…。そして…。今度は、薬箱も持って芙美花の部屋に。「アイスノン、溶けてる~~。」スマホから睦美、「熱…って、どれくらい…???」耀司、スマホに。「朝、測った時には…。」そして…。芙美花に。「芙美花、熱…。」朦朧としている感じの芙美花、虚ろに。「おとうさん。あ。…うん。」体温計から電子音。芙美花、父に体温計を。耀司、「38度6。」スマホから、「耀司さん…???…耀司さん…???」テーブルに置いたスマホ。耀司、スマホを持って、「まだ、38度6。」「そしたら…。取り合えず、溶けたアイスノンを外して氷枕を。タオルか何かで巻いて…。」耀司、「分かりました。」そして…、「芙美花、ごめんな~~。アイスノン、外す。」芙美花の頭を僅かに上げて。そして、氷枕を…。芙美花、まだまだ弱々しい声で。「おとうさん…???」「氷枕だ。」芙美花、目が動く。「…おとうさん…???」耀司、「さて。これから出掛ける。」耀司、そのまま立って、スマホに。「氷…、買ってこないと…。」スマホから、「ですね。」耀司、スマホに、「睦美さん。ありがとう。」睦美、「はい。」「じゃ。」「分かりました。」通話を切った。その途端にまた着信音。耀司、階段を降りながら、「おっと。師長~~。」そして、「もしもし。師長~~。」スマホから宮前、「あっ。もしもし、耀司~~。芙美花~~。もぅ~~。あなたからの着信に、麻友からラインが入っていて、び~~っくり~~。芙美花、インフルなんですって。熱は…???」耀司、自室に入って、「あ、はい。今、測ったら、38度6。」スマホからは、「まだそんな。…で、氷枕は…???」「今、アイスノン外して…。もぅ、すっかり、溶けて。今度は氷枕に。でも、氷、全然、足りなくって。」宮前の声。「そうよね~~。」「だから今、氷を買いに。」すると。「耀司。氷と、アイスノン買ってらっしゃい。どっちみち、足りないから。麻友の話しだと、薬の方はOK。祐里ちゃん、ちゃんとしてあったって。冷蔵庫に保冷剤は…???」耀司、すぐさまキッチンに。そして冷凍庫の…。「保冷剤もあるけど…。でも…。」スマホから宮前、「じゃあ…。ブロックの氷。そしてアイスノン。」「あ、はい。」そして、バセットに。「おとうさん、氷買ってくるから、お留守番。」そんな主にバセット、振り向いて、「ワン。」スマホから宮前の声、「あ、でも…。あなた、氷枕って。やり方、分かるの…???」耀司、玄関に。「あ、いえ…。…でも、さっき、睦美さん。あ、いえ。眞鍋さんから電話が来て。」スマホからの宮前の声、「眞鍋さん…???…あぁ。うん。」「やり方は…、何とか。」「そう。うん。分かった。」「とにかく、氷。…で、買ってきたら、また私に電話頂戴。そっち行きたいけど、私、今日も日直で…。」そこまで言って宮前。「あ。でも…。ほら、あなたの妹の木守さん。」耀司、既に車に。「あぁ。でも…。」口をぐんにゃりとさせて、「妹も今、インフルで…。」スマホから、「え~~~~???」耀司、ドアを閉めてシートベルトを。「あ。はい。今朝電話したら…。」「そぅ~~。あら~~。」耀司、「師長、んじゃあ。行ってきます。」「あ、分かった。じゃあ、後で電話して。」耀司、スマホを耳にコクリと。「分かりました。はい。」通話は切れる。それから凡そ1時間。耀司、宮前からのレクチャーで、何とか氷枕を芙美花に。体温計は、「38度6。」変わらず。耀司、「確かにな~~。にわか仕込みじゃ…。芙美花~~。」芙美花、父の顔を見て。「…うん。ありがと…。おとうさん。…まだ、頭、ボゥ~~っとしてる。」耀司、ニコリとさせて、「当然だよ。まだ38度6。」「夢見てた。」耀司、その声に、「うん…???」「…高校合格の夢や~~。入学式の時の…。…そして…。定期演奏会。そして…。家の事。」思わず耀司、クスクスと。「家の事…???」芙美花、氷枕の上で僅かにコクリと。「うん。…最初は、おかあさんがいっぱい、出て来た。コホッ。…でも…。段々、私だけに…。」耀司、「芙美花…。」芙美花、「…でもね。」耀司、またもや、「うん…???」顔を傾げて…。「何の曲かは分かんないけど…。ピアノの音が…。睦美さんがピアノ弾いてて、私がクラリネットを吹いて。素敵な曲。」耀司、ベッド越しに。そして芙美花を見ながら、笑顔で、「ふ~~ん。」芙美花、「…で。」掠れた声で、「みんな、いるの。おじいちゃんも、おばあちゃんも、おばちゃん、勝臣おじちゃん。麻沙美に。…そして、晄史さん、誓さん。バセットが私に抱き着いて。」耀司、ニコニコと、「ははは。うん。」芙美花、氷枕の上で顔を。父に向けて。「おとうさん。」語尾を強く。耀司、顔を傾げて、「うん…???」芙美花、僅かに目尻から涙が。「私、睦美さんと一緒にいたい。私のママにして…。」また、語尾を強く。 ママでいい…。 vol,306. 芙美花、僅かに目尻から涙が。「私、睦美さんと一緒にいたい。私のママにして…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.25
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「で…。」耀司。「坂下さん、すぐに来てくれて。最初に、検査キッドで。…そしたら陰性で。…恐らく、インフルって。」スマホから睦美の声、「そうでしたか~~。とにかく、メッセージ見てびっくりして。」耀司、「睦美さんには、知らせておかないとって。」瞬間、睦美、胸が熱く…、僅かに目が潤む。「ありがとうございます。」そして…、睦美、「あ。」耀司、その睦美の声に、「え…???…睦美さん…???」睦美、「あ。…え…と。」そして、何かしら安心したような口調で、「…でも。耀司さん、自宅で仕事を。」耀司、瞬間、「あ。あ、あ~~。はははは。」耀司も睦美の声に、「実は俺も…。芙美花がこんな事に…。で、思ったんです。家での仕事で、助かった~~って。」そんな耀司の言葉に睦美、「耀司さん。」慰めにも似た声で。けれども、「あ。耀司さん、朝ご飯。」すぐさま、「あ~~。はははは。それはもぅ、昨夜の残り物を。…で、パセットにもさっき、ご飯を。」「あ~~、うんうんうん。あ。…でも、お昼。」耀司、「もぅ~~。それは…。」僅かに考えて、「コンビニにでも行って、何か。」「あ~~、はい。分かりました。」そして睦美、「じゃあ~~。芙美花さん、熱が下がれば、そのまま受診。」耀司、頷きながらも、「えぇ。そうなります。」睦美、口調を伸ばしながら、「今日は~~。39度もあれば…。受診、難しそうですね。」「ん~~~。何とも…。」「あ。でも。…夕方前には、汐梨さん。」その声に耀司、僅かに目が動く。そして、「…なんだ、けど~~。」瞬間、睦美、目をキョトンとさせて顔を傾げて、「え…???」耀司、スマホに、「実は…。汐梨にも電話したんですが、本人が電話に出なくって。どうしたのかって思ったら、何と、汐梨もインフルでって。」間髪入れずに睦美、「うそ。」スマホを持って、仰天したような顔で。「し、汐梨さんも…???…インフルエンザ…???」耀司、頷きながらも、「えぇ。旦那の勝臣君が、今、まだ休んでますって。汐梨も39度って。」睦美、「うそ。」そして、「わぁ~~~。そんな…。」耀司、スマホに、「今、インフル、流行っているみたいです。学校に休みの電話をしたら、他の生徒の家族からもって、担任の先生が…。…で、さっき、芙美花の友達のおかあさんからも電話があって、芙美花の友達もインフルって。」「そうなんですか~~。」睦美。「じゃあ、私、レッスンが終わり次第、伺います。」瞬間、耀司、「あ。それは、やめて下さい。睦美さんにもインフル、うつっちゃいます。」けれども睦美、「あん。でも…。私は去年の今頃には、罹っちゃってますから。…それに…、去年の11月には、予防接種も、しっかりと。」そして睦美。「大丈夫です。しっかりと整えて伺いますから。…じゃないと。大変でしょう~~???」睦美、語尾を強調するように。「…それに…、芙美花さん。着替えだって~~。お洗濯。…それに。いつまでも同じ氷枕じゃ。」瞬間、耀司、「あっ。」途端に耀司、「いっけねぇ~~。まだ、アイスノンのまま。」すぐさま睦美、「ほら~~~。あ。でも、39度も熱があるのなら、アイスノンより氷枕です。換えてください。」慌てて耀司、「そう…、ですね。」そのまま椅子から立ち上がり、部屋から出て、「氷枕、氷枕。…って、何処…???」スマホから、「キッチンの…、どこか、棚の中に…。」耀司、キッチンの棚を片っ端から開けて、「ない。ないないないない。」そして、「どこだ、どこだ~~???…アイスノンなら、冷凍庫からすぐに。」そして…、アチコチ周囲を見渡しながら。それでもしっかりとスマホを耳に。「ん~~~。どこだ~~???」スマホから、「普段、薬箱って何処に…???」途端に耀司、フィンガースナップ。「あっ。そうだ、」朝、探した薬箱の…。すると…。薬箱の隣に薬箱と同じくらいの大きさの箱が…。「何だこれ…???」と、思い出したように。「あ。これ…。…そうか、これか~~。」スマホから睦美の声。「何ですか…???」耀司、思い出しながらスマホに。「これ…、コロナの検査キッドです。」その声に睦美、「へぇ~~~。」すると…。「奥様、…用意、してらしたんですね~~。」優しそうな声で。耀司、睦美の声に、「えぇ。…そのようです。」そして…。「あった、あった。氷枕。」スマホから、「ありました…???」耀司、「えぇ。四角いケースの中に。…で、新聞が畳まれて入ってます。」「じゃあ~~。それですね。それに氷を入れて。」耀司、言われたままに。「あ、うん。」そのまま氷枕をキッチンに。そして冷凍庫から氷を。「どのくらい…。」間髪入れずに睦美。「全部です。…でも…。家庭用の冷凍庫の氷じゃ。」耀司、氷を入れながら…。「半分も…。」「足りないと思います。でも…。耀司さん。その氷枕に水を入れて下さい。」耀司、スマホに、「分かりました。」 ママでいい…。 vol,305. 「あ。でも、39度も熱があるのなら、アイスノンより氷枕です。換えてください。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.24
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帰宅しての芙美花、バセットを抱き締めながら、「バセット~~。博楼、合格したよ~~。」バセットも芙美花に甘えるように…。祐里子は途中で買い物してきた食材で早速、合格祝いの準備。芙美花、祖母に電話で、「あ、おばあちゃん。」すぐさま香奈枝、「どうだった、博楼高校。」芙美花、その声に、「うん。受かった。合格だよ~~。」いきなり香奈枝、「え――――――――っ!!!…良かった~~~。」その声に祖父の壮一郎、いきなり玄関から茶の間に。「芙美花か。」香奈枝、そんな壮一郎の顔を見てニッコリと。「うん。芙美花、博楼、受かったって。合格したって。」壮一郎、香奈枝に、「どれ。電話、電話。代われ。」香奈枝、受話器にニコニコしながら、「もしもし。今、おじいちゃんに代わる~~。」芙美花、ニコニコと、「うん。」壮一郎、「もしもし、芙美花か。」受話器から芙美花の声。「もしもし、おじいちゃん。高校。博楼、受かったよ。合格した~~。」キッチンで祐里子も、そんな芙美花を見ながら、ニコニコと。スマホから祖父の声、「そうか~~。受かったか~~。うんうんうん。ははは。何よりだ。おめでとう~~。」そして芙美花。夢は、入学式へと…。家族3人で撮った学校の、「入学式式場」の看板の前で。そして…。部活の日々。そして…。いつの間にか、母、祐里子の姿から…。「おかあさん…。」寝言である。芙美花の目尻から、涙が…。一滴。唇が動く。そして…、また、ポツリと。「おかあさん。」夢は…。混沌と…。そして…。やがて…。ピアノのメロディが…。夢の中で…。すると…。クラリネットを吹いている芙美花。「あ。私だ。」その隣でピアノを弾いている睦美。芙美花、「睦美…、さん…。」クラリネットを吹いている芙美花を笑顔のままでピアノを弾いている睦美。やがて…。演奏が終わる。その途端、ピアノに寄り添うように芙美花、「ママ。どうだった、私のクラリネット。」その声に睦美、ニッコリと笑顔で、「うん。良かった。上手だった。」その時、拍手が。見ると、父の耀司。そして叔母の汐梨。そして義理の叔父の勝臣。麻沙美。そして、祖母の香奈枝と祖父の壮一郎。そして、晄史に誓が…。拍手をしながらもピアノの睦美と芙美花の周りに。そして…。バセットがそんなメンバーの中に潜り込んで二本足で芙美花に抱き着く。みなが、「ははははは。バセット~~。」こちらも…。同じように。夢を。場面は…、オーストラリア。勝臣、保育園に。「すみません。妻がインフルエンザみたいで…。…で、麻沙美、今日は保育園。え、え~~。お願いします。すみません。」通話は切れる。そして勝臣、麻沙美に、「麻沙美~~。今日、パパもお仕事、休みだ~~。」いきなり麻沙美、ニッコリと。「やった~~~っ!!!」けれども、「でも。ママは~~~???」勝臣、そんな麻沙美に、「ママね~~。今、お部屋でまだ眠ってる~~。」「どうして~~。」勝臣、麻沙美にニッコリと。「風邪みたい~~。だから~~。麻沙美も、風邪、うつらないようにしなきゃ。気を付けよう~~。」麻沙美の頭を撫でて。麻沙美、父の声に、大きくコクリと。「うん。」「ヨシ。いい子だ。」耀司、残り物で朝食を済ませて、そのまま自室で仕事を。「まっ。こういう時に、家で仕事が出来るの、大助かりだ。」そして…。自然にスマホに手が…。ラインの画面で。ラインの着信音に気付いての睦美、「あれ…???」画面のデジタルを見て、「早い…、けど…。」いきなり、「え…???…芙美花さん、インフル…???」すぐさまラインの無料電話、指でトン。ラインの無料通話の着信音。耀司、スマホに、「やっぱり、来たか~~。」そして、「もしもし。」すぐさま、「もしもし、おはようございます。芙美花さん、インフルって…。」睦美の声。耀司、スマホを耳に、コクリと、「えぇ。」睦美、「大~~ぃ変。…で、熱は…???」「あ、えぇ。さっき、測ったんですけど、今、アイスノンで頭を…。最初は39度だったんですけど…。今は、38度9…。今、ベッドで、眠ってます。」「お医者様…。」その声に耀司、「あ、いえ…。まだ、起きるのも…。ただ、意識は…。」スマホから睦美の声、「そう…、ですか。」耀司、「とにかく、コロナじゃなくって。」睦美、「あぁ。えぇ。」けれども、「あの。耀司さん…。コロナじゃなくってって。」耀司、思わず背中に汗を。「あ。あ、あ~~。…その。…実は。真っ先に。宮前。…師長に。」その声に睦美、「あ、あ~~、宮前…、師長。」耀司、すぐさま、「えぇ。…でも。…その…、師長が電話に出なくって。」途端に睦美、「え…???」「それで…。その…。いちかばちかで…。坂下さんに。」スマホからの声に睦美、顔を傾げて、「坂下…。」スマホから、「えぇ。杉並病院の、師長の姪の。」目をパチクリとさせて睦美、「あ、あ~~。はい。亡くなった奥様と。」耀司、「えぇ。」 ママでいい…。 vol,304. 芙美花の目尻から、涙が…。一滴。唇が動く。そして…、「おかあさん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.23
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博楼高校、朝の職員朝礼。校長の舘脇、「インフルエンザが流行しているようです。今日も何名か生徒が…。それに、進路指導の粟屋先生もインフルエンザで…。」その声に季久美、コクリと。舘脇、「いずれにしろ、衛生面ではしっかり。手洗いの徹底、うがい。お願いします。」そして、舘脇、「神代先生、養護室からひとつ、お願いしたいのですが…。」その声に神代、「あ、はい。」そして教師たちに。「昨日も養護室の方に5名の生徒が…。校長先生も仰ってくださいましたが、手洗い、そしてうがい、とにかく徹底してください。お願いします。」季久美、「現在、今日も含めて、欠席している生徒が10名。その10名が…。…まだ、受診していらっしゃらない生徒もおりますが、恐らくインフルエンザ感染は濃厚かと。もうすぐ卒業式なので、ひとりの欠席者もなしでの卒業式に臨みたいところです。博楼高校、一丸となって、よろしくお願いします。」一礼。その声に、校長も教師たちも、「はい。」そして一礼。濱村、「やれやれ。卒業式まで2週間。ここに来てインフルってね~~。」その声に鶴来、「あんたも気を付けなさいよ~~。」濱村、鶴来を見て、「馬鹿言え~~。俺はひとりもんだから。…って、おまえんとここそ、旦那と子供4人だろ。」鶴来、「まね~~。…でも、ウチは、去年、全員、インフル、罹ってますから~~。そうやすやすとは。」ニッコリと。その声にグニュッと濱村、「そんなもんですかね~~。」臨時で全校朝礼でも同じ呼び掛けが全生徒に向けて…。折しも、インフルエンザが、その猛威を…。耀司、「え…???…詩乃ちゃんも。」スマホに。電話の相手は、詩乃の母親である。由紀奈(ゆきな)「えぇ~~。だから、今日から学校、お休みに~~。…で、景織子ちゃんや千愛ちゃんも気になって電話したら、景織子ちゃんと千愛ちゃんは問題ない、大丈夫だって~~。で、芙美花ちゃんはどうかなって思って電話したら~~。」その話に耀司、スマホを耳に、「あ、あ~~~。何とも…。」スマホから、「…と、いう事は…。まさか。芙美花ちゃん。」耀司、「あ、はい。…実は~~。…その、まさか。…でして…。」由紀奈、「あら~~。やっぱり~~。」耀司、困ったような顔で、「え~~~。今朝、起きたら、キッチンに姿がないので、部屋に行ってみたら、まだベッドで。」由紀奈、「あら~~~。」そして、「それにしても、どこから…。」耀司、その声に、「ん~~~。」「あ。でも、高井戸さん。じゃあ、芙美花ちゃん、インフルで、お食事…。」瞬間、耀司、「あ、あ~~~。」耀司、すぐさま睦美の顔が頭に浮かん…。…だのだが、素早く、「あ、ははははは。…近くに、妹夫婦がいますから。妹にでも、お願い。」思わず嘘を。由紀奈、「あぁ、そうでしたか~~。ははは。それなら安心。」耀司、何とか。頭の中で、「…誤魔化せた~~~。」と、思いきや、「…まさか、あいつまで…。」スマホの向こうで、「それでは、失礼します。」咄嗟に耀司、「あ。はい。…わざわざご連絡、ありがとうございました。」通話は切れる。耀司、「そっか~~~。詩乃ちゃんも…、かぁ~~。」リビングに、いつもだったら芙美花の姿が見えるのに、その姿が見えないのにバセットも、心なしか顔を傾げて、「クゥ~~ン。」耀司、椅子に座って、「やれやれ。」そんな耀司にパセットも何かしら感じたのであろう、ベッドクッションから立ち上がり、耀司の下に。そして、「クゥ~~ン。」耀司、そんなバセット頭を撫でて、「おまえも心配だよな~~。芙美花、インフルだよ~~。」バセット、また顔を傾げて、「クゥ~~ン。」途端に耀司、「お~~っと~~。」そして、バセットを見て、「ははは。バセット~~、おまえの朝ご飯~~。」その頃、芙美花は…。ベッドで眠りながら…。博楼高校の合格発表の当日。母の祐里子と共に。いきなり駆け足になる芙美花、掲示板を見て、「え…とぉ~~。」その後ろで祐里子、「どお…???…あった…???」芙美花、「うん~~。まだ~~。」すると。いきなり目を見開いて、「あったっ!!!あった、あった、あった~~。きゃー―――――――っ!!!おかあさん、あったよ~~。」いきなり飛び跳ねて喜ぶ芙美花。祐里子、掲示板を見ながら、「どこ。どこどごどこ。」そして、芙美花の受験番号を見て、「ハッ。」そして、芙美花を見て、「ははははは。やった~~~、芙美花~~。」芙美花、母を見て、ニコニコと。帰りの車の中で芙美花、スマホで、「おとうさん、おとうさん。博楼、受かった~~。」その知らせに耀司も椅子から立ち上がり、「そうか。やったか。ははははは。イェイ、イェイ、イェ~~イ。」そして、「おめでとう芙美花~~。」助手席でニコニコしながらも運転する母に、「イェ~~イ。」祐里子も左手親指を。「イェ~~イ。」芙美花、夢を見ていた。 ママでいい…。 vol,303. 「もうすぐ卒業式なので、ひとりの欠席者もなしでの卒業式に臨みたいところです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.22
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耀司、胡坐を掻いたままで、「ふぅ~~~。ひゃ~~~。」そして、「ヨイショ。」芙美花、「おとうさん。」耀司、芙美花を見て、「うん…???…はは。寝てな。」芙美花、父に、「もしかして…。コホッ。…おばちゃんも…???…さっき、そんな話。」芙美花、タオルで巻いたアイスノンを枕に。耀司、その声に、コクリと。「あぁ。…どうやら汐梨も…。」芙美花、ダルそうな顔で、「…そっか~~。」そして、父に、「ごめんね。」耀司、そんな芙美花にニッコリと。「はは。な~~に。」「ごはん。」耀司、慰めるような顔して、「心配すんな。残りもんで充分。」そして耀司、「とにかく助かったよ。おとうさんひとりだと、やっぱり。無理だな~~。」耀司、自然に首の後ろで撫でながら…。「坂下さんと連絡取れなかったら、どうなってたか。」その時、すぐさま頭に浮かんだ。「あ。」睦美の顔である。けれどもすぐにそれは消えて、「とにかく。学校に電話しなきゃ。」芙美花、弱々しそうな顔で、そして声で、「…あ、うん。…お願い。…でも、どうして…。…う~~ん。」耀司、ドアを開けて、「じゃな。また来る。」芙美花の声はない。考えてる。耀司、芙美花の部屋のドアを閉めて…。耀司、頭の中で、「…俺ひとりじゃ、こういう時。やっぱり、睦美さん、かぁ…。」「お電話代わりました。おはようございます。博楼高校、清水です。」耀司、スマホを耳に。「あ。清水先生。高井戸芙美花の父の高井戸ですけど。」清水、「あ~、はい。おはようございます。」耀司、スマホに、「すみませんが、芙美花、今日は、ちょっと、学校。」そこまで言って耀司、右目を歪めて、「うん…???」そして再び、「すみません。今日…と、言うか、もしかしたら、1週間程度。学校、休みに…。」「そうですか。はい。分かりました。」耀司の耳に届く声。そして、「芙美花さん、もしかしたら、熱。」耀司、その声に、「あ、はい。最初に測った時は39度。…で、今は…。38度…???」そこまで言って耀司、「あ。でも…、コロナじゃな…。」そして、「あ。…陰性で…。」清水、「そうですか。…恐らく、インフル。」スマホから、「…えぇ。」清水、「お大事になさってください。」耀司、スマホに、「すみません。」スマホから、「いいえ。」そして、「おとうさまも、気を付けてください。」その声に耀司、「え…???」すると、スマホから、「いえ。…実は、先ほど、他の生徒の親御さんからも熱で学校を休むと電話がありまして。」耀司、その声に、「え…???」清水、受話器を耳に、「恐らく、インフルエンザではないかと。」すると、他の教師も。岬、「はい。え…と~~。」周囲を見て、「…まだ、城木先生は~~。あ。私で良ければ…。」清水、受話器に、「インフルエンザ、流行っているみたいなので、おとうさまも。高井戸さん、お仕事、リモートで、ご自宅でって。聞いてますので。」耀司、その声に、「あ、はぁ~~。」そして、「分かりました。」スマホから、「…で。…芙美花さんの今の容態は…。」「寝てるんですが…。熱が下がったら、病院に受診にと。意識はハッキリとしてますが、とにかくダルそうで。」清水、話を聞いて頷いて。「分かりました。とにかく、お大事に。」スマホから、「はい。失礼します。」通話は切れる。すると、また別の教師も電話に。すると城木、岬から、「あぁ、城木先生、おはようございます。今さっき、城木先生のクラスの里見弘江(さとみひろえ)さんのおかあさんから電話で、インフルで休みますって。」その声に城木、鈍い顔をして、「あっちゃ~~。来たか~~。もしかして、うつったか~~???」その声に清水、「え…???」城木、清水に、「いえね。昨日、授業中に熱が出て早退した生徒がいたんです。もしかして…。」犬養、「昨日、楓香と一緒に食事したんだけど~~。インフル、流行ってるらしい。昨日、養護室に具合悪いって5人もって、言ってたもん。楓香、すぐにマスクと手袋で接したって言ってたけどね~~。」清水、「参ったね~~。今、高井戸さんから電話で芙美花さんもインフルって…。」岬、「高井戸さん…???…あのITの。」すると岬、「高井戸芙美花、かぁ~~。…うん…???…今まで、学校休んだ事って。」その声に清水、顔を左右に、「ううん。」岬、途端に、「ですよね~~。…って言うか、清水先生のクラスって、今まで、学校休んだ生徒って。」清水、「はい。私のクラス。過去、1年の時も今まで。欠席した生徒はいません。」岬、「恵まれてるよね~~。凡そ2年。学校を休んだ生徒がいない。凄いよこれ~~。」すると城木、岬に、「あ~~ら吉宗先生~~。それを言うんなら、私のクラスも。ですけど~~。」「はいはい。」岬。「…って言うか、2年のクラス。さすがですよね~~。欠席者、いない。…ってか~~。」 ママでいい…。 vol,302. 耀司、頭の中で、「…俺ひとりじゃ、こういう時。やっぱり、睦美さん、かぁ…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.21
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耀司、「あ。あった。これ。」すぐさま指でトン。…けれども…。耀司、「え…???…うそ。」何度コールしても…。耀司、顔を凹ませて、「師長~~~~。」宮前、電話には…。丁度、朝の…。忙しい時間帯。一度切ってはまた。…けれども…。耀司。天井に頭を。「あ~~~ん。」数秒…。耀司、深呼吸をして。そして…またスマホを。あちらこちらをスワイプ。…けれども。「う~~~ん。」そして、自分自身に、「慌てるな、慌てるな~~。」そして、今度は、ラインを。…すると。目をキョロキョロと。「…あ~~ん。って。いちかばちか~~~。」そして、指をトン。5回のコールで。「…もしもし…???…高井戸さん…???」耀司、いきなり鼓動が。「あ。もしもし。高井戸です。いきなりの電話ですみません。」「どうしました…???」相手は、坂下麻友である。耀司、スマホに、「すみません。…実は。娘が。芙美花が、高熱で…。」すくさまスマホから、「何度あります…???」耀司、スマホに。「39度です。今、師長に電話したんですけど、全然、繋がらなくって。」麻友、「あぁ。師長は今日、夜勤明けなんです。多分、今の時間は。…で。娘さんは…、今。」耀司、「あ。はい。2階の自分の部屋で。動けない状況で…。」「意識は…???」その声に耀司、「あ、はい。意識はしっかりと…。でも、凄くダルそうで。」麻友、「分かりました。すぐに伺います。とにかく、安静に。」スマホを耳に耀司、「あ、はい。分かりました。すみません。」スマホから、「いいえ。」すぐさま通話は切れる。耀司、スマホを手に。「ふぅ~~~。」30分後…。玄関にチャイム。耀司、すぐさま、「すみません。」麻友、マスクをしたまま、「いいえ。」そして、「娘さん、芙美花さん、2階…???」耀司、コクリと。「えぇ。」「お邪魔します。」麻友、すぐさま靴を脱いで、急いで2階に。耀司、玄関のスニーカーを見て、「…スニーカー。」麻友、ドアをノック。「失礼します。」そして、ベッドへ。眠っている芙美花。グローブをしたままで麻友、体温計を…。そして…、検査キッドを。耀司、「どうですか…???」数秒後。結果は…。麻友、「うん。陰性。」高井戸に、「コロナではありません。おそらく、インフル。」芙美花、虚ろな目で。そして…。顔を横に。びっくりしたのだろう、「…おかあさん…。」そんな芙美花に麻友、微笑みながら、「大丈夫、コロナじゃないから。」芙美花、俄かに涙目に。「おかあさん。」麻友、芙美花に、微笑みながら、「安心して。うん。」芙美花、安心したのか涙目のままでニッコリと。「ありがとう。」麻友、「38度9。うん。」高井戸に。「小まめに熱を測ってください。」耀司、「あ、はい。」「熱はありますが、意識はハッキリとしています。」麻友、芙美花に微笑みながら、「薬、飲めそう…???」芙美花、女性にコクリと。麻友、微笑みながら、「うん。OK。」高井戸に、「薬箱は。」耀司、「あ。」芙美花、「体温計が入っている箱。」耀司、思わず、「あ、あ~~。ははは。薬箱の中に、入ってたんだった。」麻友、そんな高井戸にニコリとして。「すみませんが、お願い出来ます…???…あ。それと。水も。」耀司、コクリと。「あ、はい。」麻友、救急箱を受け取り、「お借りします。」そして…、中から。「わお。さすが…。」そして…。「これこれ。」救急箱の中には、万が一の市販薬がズラリと揃っていた。麻友、芙美花を丁寧に、薬を飲める状態にして、「これ飲んで。」芙美花、薬を。そして…、水を。麻友、そのまま芙美花をまた横に。芙美花、「おかあさん…、じゃ、ない…???」その声に麻友、ニッコリと。「ふふ。」耀司、芙美花に、「坂下さん。坂下麻友さん。」すると芙美花、思い出したように、「あ。あぁ。…うん。」そして。「ありがとうございます。」麻友、ニッコリと。「いいえ。」そして麻友、高井戸に。「熱が少し下がって、動けるようでしたら、すぐに受診、お願いします。」その声に耀司、コクリと。「あ、はい。分かりました。」麻友、「じゃ、私はこれで。」麻友、ジャージ姿にコートを着たままで、マスクのまま。グローブをしたままで。耀司、そんな坂下を見て、丁寧にお辞儀を。「わざわざ、ご無理を言って。ありがとうございました。」麻友、高井戸に微笑むように、「いいえ。」耀司、麻友に、「お休みのところ…。」麻友、そんな高井戸に、ニコリと。「ふふ。」顔を傾げて、「確かに。電話で叩き起こされましたけど…。」申し訳なさそうな顔をして耀司、深々と頭を下けて、「申し訳ありません。」すぐさま麻友、「ははははは。ふふ。」高井戸を見て、「冗談よ、冗談。ふふふ。」そして麻友、高井戸にお辞儀をして、「では。失礼致します。」芙美花、坂下に、横になったままで、「ありがとうございました。」そんな芙美花に麻友、振り向いて微笑みながら右手を振り、「じゃあね。」 ママでいい…。 vol,300. 「大丈夫、コロナじゃないから。」芙美花、俄かに涙目に。「おかあさん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.20
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麻友、高井戸家から出て、「ふぅ~~~。」歩きながら、「それにしても、可愛いお嬢さん。旦那様似…???…それとも、奥様似…???…ははははは。」そして…。麻友、コートのポケットからスマホを。「…一応、ライン、しとくか。今頃は…。」…こちらは…。木守家。汐梨、勝臣に、「…え…???…芙美花も…。」勝臣、コクリと。「あぁ。39度だって。」頭の下には氷枕。汐梨、「あ~~~ん。コホッ。んん。」勝臣、「とにかく…、寝てな。コロナじゃ、なかったから。ひとまず安心。」その声に汐梨、両眉を上下に。僅かな沈黙。そして…。汐梨、「参った~~~。」勝臣、汐梨に、「うん…???」「多分…、インフル…???」勝臣、眉間に皺を。そして、微笑みながらも頷いて、「あぁ、多分。陰性だから…、インフルだと。」汐梨、両眉を上下に。「はぁ…。39度なんて…。」上唇をグニュリと。「生まれてこの方、一度も。」事実。和歌山を実家に持つ高井戸家。耀司の記憶にも、汐梨の記憶にも、病気となって、病に伏した景色は、一度として、なかった。勝臣、汐梨に、「今なんて…。まぁ。…いつ何時、どんな事が起きるか…。」汐梨、「悔しい~~。」その声にまた勝臣、眉間に皺を。そして、慰めるように、「うん。…確かに。」「悔しいよ~~。一度も病気になった事、なかったのに~~。何で今。」そして汐梨。「高井戸家…。私や兄さん、知っている限り、病気なんて…。」勝臣、頷きながら、「うんうん。知ってる。」そして…。「とにかく…。薬は飲んだから。…熱、下がったら、病院、行こう。…仕事は…。…まず、一週間は…。」「コホッ。」小さく頷いて汐梨。「…だよね~~。」僅かに掠れた声で。「あ。」勝臣。「電話。…って事は…。」リビングに。「はい。もしもし。お義兄さん。」耀司、芙美花の部屋で。「あぁ、俺。…芙美花、コロナじゃなかった。」その声に勝臣、「へ…???」そして、安心したような顔で。「はは。そうですかぁ~~。」そのままスマホを耳に。そして寝室に。汐梨の傍で、「芙美花ちゃん、コロナじゃなかったって。」汐梨、その声に安堵したような顔で、「うん。」勝臣、スマホに、「はは。良かった~~。じゃ、多分、インフル。」耀司、芙美花を見て、「だと、思うけど…。」汐梨、眉間に皺を。「うん…???…兄さん。」勝臣、汐梨を見て、「うん…???」「兄さん。どうして芙美花がコロナじゃなくって、インフルって…???…検査キッド…???」勝臣、スマホに、「お義兄さん、コロナの検査キッドって…。」耀司、スマホからのその声に、「うん…???」そして、「あ、いや…。多分、あるか…も…???」そして、思わず誤魔化し笑いで、「どこにあるのかは、分かんないけど…。」芙美花は目を閉じて眠っている。勝臣、声を聞きながら、「え…???」汐梨に、「キッドはあるとは思うけど、何処にあるのかは…。」汐梨、瞬きしながらも、「はっ…???…じゃ。」掠れた声で、「じゃ、なんでコロナじゃないって分かんのよ~~。コホッ。」勝臣、「無理しない。」汐梨、また小さく頷いて、「う、うん。」勝臣、スマホに。「お義兄さん…???…コロナじゃなくってインフルって…。どうやって…。」耀司、勝臣のその声に、思わず…、坂下の顔が…。「あ。あ、あぁ~~~。」そして…。「はぁ…。…仕方がない。」スマホは耳から外れている。芙美花の部屋で胡坐を掻きながらの耀司。再びスマホを耳に。「麻友さんに、電話した。坂下麻友さんに。」勝臣、「麻友さん…???…坂下麻友さん…???」その声に汐梨、「あ。」そして、「あ、あ。…コホ。…そっか~~~。坂下。…麻友さん。」勝臣、汐梨に、「誰…、それ…。」汐梨、「あ、あぁ~~。」そして勝臣を見て、「義姉さんの…、そっくりさん。」思わず勝臣、「え…???」そして…、思い出したように、「あ、あ~~~。」そして、頷きながら、「うんうんうん。なるほど。」勝臣、既に汐梨から話は聞いている。「杉並の~~。」汐梨、その声に小さく頷いて。勝臣、すぐさまスマホのスピーカーを。「そうでしたか~~。杉並の~~。」スピーカーから耀司の声。「うん。…俺も、どうしたら分かんなくって。…で、師長に。」弱々しい声で汐梨、「…で、電話したんだ。」耀司、顔を傾げて、「汐梨…???」「パパから、スピーカーに。」耀司、「あ、あ~~。そっか。」スマホから耀司の声、「あ、あ~~。…けど…。全然出なくって。…で、仕方なく、坂下さんに。…で、さっき…。来てくれて…。いろいろと。」汐梨、目をキョロキョロと。「そっかぁ~~。う…。」耀司、「汐梨…???」勝臣、「無理すんな。薬、飲んでるけど、まだ…。」汐梨、「はは。体中、熱っつ。凄い、ぼぉ~~っと。…けど。コホッ。でも、意識はねぇ~~。…はは。寝るわ。」勝臣、ニッコリと。「あぁ。」そして、スマホに、「じゃあ…。お義兄さん。」耀司も、「あ、あ~~。うん。」通話は切れる。 ママでいい…。 vol,301. 「悔しいよ~~。一度も病気になった事、なかったのに~~。何で今。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.19
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汐梨、「え~~~ぇえ~~???…ひったくり~~。」耀司、「あぁ。…俺も、無我夢中で、投げ飛ばしてたよ。」「へぇ~~ぇえ~~。」汐梨。僅かにかおを傾げて。「…て事は。…背負い投げ…???…かぁ~~。一本背負い。」顔を傾げて耀司、「ん~~~。まっ。どっちでも…。」そして耀司、「かかかかか。自然に体が動いてた。とにかく、いきなりだったからな~~。睦美さん、倒れちゃってたから。」汐梨、「だよね~~~。」すると汐梨。「…と、いう事は、投げ飛ばされた男は、そのまま、動けなくなったと。」「いきなり道路に体全身がね~~。叩きつけられたって感じになったからね~~。」「で。警察からの事情聴取。」「そういう訳~~。…ま。そんな訳で。そのまま睦美さんひとりでなんて。物騒だから、家まで送ってった。」「うんうんうん。」汐梨。「そっか~~~。…で、昨日、夕食~~。」その声に耀司、「あぁ。睦美さんと芙美花、ふたりで作ってくれたよ。」「ほぅ。なるほど。」そして、既にバセット背もたれしている麻沙美を見て、「んじゃ、麻沙美、お願~~い。」耀司、「了解~~。」汐梨、車で。そして、運転しながら、「へぇえ~~~。ひったくり。で、背負い投げ。」ニッコリと。「黒帯かぁ~~。…何々、兄さん。やるじゃん。」耀司、カレンダーを見て、「もうすぐ、3月かぁ~~~。」その3日後だった。耀司、「へ…???…うそ。芙美花~~~???」2階の芙美花の部屋に。ドアをノックして、「芙美花~~???」声がない。ドアを開けて、「芙美花~~~???」すると…。ベッドの上で芙美花、「う~~~ん。」耀司、慌てて、「おぃおぃおぃ。大丈夫かぁ~~~???」すると、芙美花、「…凄い。」気弱そうな声で、「頭、痛い。…おとうさん、ごめん。」「おぃおぃおぃおぃ。…って。」耀司、すぐさま芙美花の額に手を。瞬間、「うそ。」そして、「体温計っ。」芙美花、弱々しい声で、「…リビングの…。キャビネットの一番下の…。」いきなり耀司、「あぁ、あぁ、あぁ。…わ、分かった~~。うんうんうんうん。今すぐ。」慌てながらも。そしてリビングに。引き出しを開けて、「どこだ、どこだ、どこだ~~???…と、あった、あった、あった。」駆け足で。…そして…。「ピピピピヒ。ピピピピ。」芙美花、父に体温計を。耀司、数値を見て、「え―――――――っ!!!…39度。うっそ―――――――っ!!!」芙美花、父を見て、「私…。おとうさん。」耀司、慌てながら、「待て。待て待て待て。」そして、「…と。と、とにかく、冷やそう。冷やそう。」芙美花の部屋を出て。すると耀司、顔をぐしゃぐしゃにして、「あ~~~ん、もぅ~~。…芙美花、生まれてこの方、病気なんて、全然。」耀司、階段をドタバタと。そして、冷蔵庫に。「アイスノン、アイスノン。」タオルでアイスノンを巻いて。そのまま2階に。芙美花の頭を僅かに上げて、「とにかく、こうしてろ。」芙美花、弱々しい声で、「う、うん。」耀司、「とにかく、学校は休め。おとうさん電話しておくから。」芙美花、「うん。…はぁ…。」耀司、またまた階段をドタバタと。「やばい。やばい、やばい。」そしてすぐさま汐梨に。…けれども…。「何やってんだよ~~。」再び電話を。…けれども、また…。耀司、「え~~~???…って。どうな。」今度は耀司、勝臣に。ようやく…。「あ。勝臣君、汐梨は。」勝臣、スマホに。「あ。すみませんお義兄さん。汐梨…。ちょっと、やばくって。」耀司、その声に、「やばい…???」「え~~~。」耀司、眉間に皺を。「うん…???…どうしたの…???」勝臣、朝食の準備をしながら、「えぇ。…もしかしたら…。コロナか、インフル…???…熱が39度で。」スマホから、「うそ―――――――っ!!!」耀司、両目を閉じて、「あ~~~~。…なんで~~~。」スマホから勝臣の声、「お義兄さん…???」耀司、「あ~~~ん。なんでこぅ。」スマホから、「お義兄さん…???」耀司、「あぁ。あ、いや…。何とも~~。あん。実は、芙美花も~~。朝起きて、キッチンにいないから、おかしいなって思って芙美花の部屋に。…そうしたらまだベッドで。そしたら熱が。」勝臣、フライパンを繰りながら、「え~~~???」スマホから耀司の声、「39度だよ~~。」勝臣、目を真ん丸にしながら、「え~~~ぇえ~~???…芙美花ちゃんも…。」耀司、スマホに。「と。とにかく分かった。うん。うんうんうん。こっちはこっちで。…で。ででででで。そっちは。…え、えっと~~。汐梨と、麻沙美、よろしく。」勝臣、フライパンの目玉焼きを皿に。「はい。分かりました。芙美花ちゃんも、お義兄さん。」耀司、「あ、あ、あ~~。うん。うんうんうん。じゃ。」通話は切れる。すぐさま耀司、顔をグシャリと。そして頭を両手で掻きむしるように。「あ~~ん。なんで。」けれども、すぐさまスマホで。登録番号を…。 ママでいい…。 vol,299. 「…もしかしたら…。コロナか、インフル…???…熱が39度で。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.18
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耀司、スマホを耳に。相手は芙美花。「あん。いきなりだったから。おとうさんもびっくりして…。」芙美花、ソファに座ったままで、クッションを抱きながら、「で…、警察って。」耀司、「あん。実は。そん時、おとうさん、自然に体が動いてさ。」瞬間、睦美、耀司を見て、「ぷっ。」ニッコリ。耀司、「男を。…その…。」瞬間、睦美を見て、鼻を右人差し指でなぞるように、「投げ飛ばしてた。」芙美花、咄嗟に眉間に皺を。「投げ飛ばしてた…???」すると…。一気に顔が明るく。そして、「あは。投げ飛ばしてた。もしかして、柔道~~。」耀司、その声に、「あぁ。」すると…。睦美がしっかりと。「背負い投げです。」芙美花、「うん…???…今、睦美さんの声…???」耀司、「あぁ。」チラリと睦美を見て。またスマホに。「まっ。背負い投げだかなんだか知んないけど。とにかく、おとうさん、無我夢中で男を投げ飛ばしてた。でぇ~~。その後、おまわりさんが来て。」芙美花、「うんうんうん。そっか~~。ひったくり~~。警察かぁ~~。」耀司、「とにかく。このまま睦美さん、ひとりだと怖いからさぁ。おとうさん、睦美さんの家まで送ってく。」すぐさま芙美花、「あぁ~~。うんうんうん。分かった~~。私、勉強してるから~~。」耀司、「あいあ~~い。」けれども、「…ってか、おま、寝ろよ。」いきなり、「寝れる訳ないでしょ。ひったくり、警察なんて言われて~~。」瞬間、耀司、両目をキョロキョロと。そして、「あ、そっか。分かった。うん。じゃ。」芙美花も、「う~~ん。気を付けて~~。」そして、通話は切れる。スマホをクッションに。「ふぅ~~~。」そして。「…ってか、ひったくり~~???」いきなり唇をピロンと。小刻みに顔を震わせて、「おおぅ。ブルル。」2秒後、眉間に皺を。「…ってか、背負い投げ…???」いきなり芙美花、ニコニコと。「かかかかか。おとうさん。ししししし。黒帯~~。」そして、ソファに座りながらも、両腕をぐるりと。「てや~~~。」耀司と睦美、既に駅の構内。耀司、ポツリと。「いるもんだねぇ~~。ひったくり~~。」睦美も、「ですよね~~。」階段を上りながら、「…ってか、いきなり後ろからだもんな~~。びっくりしたよ~~。」睦美、頷きながら、「私もです。」耀司、その声に睦美を見て、「だよな~~~。」そう言った瞬間。耀司、自身で…。階段を上り切り、「うん…???」そして、睦美にペコリと。睦美、そんな耀司を見て、瞬きしながら、「…???」耀司、思わず頭に手を。「かかかかか。タメ口。」瞬間、睦美、耀司を見て、「タメ口…???」耀司、照れながらもペコリとして、「汐梨や芙美花に話している感じで…、言ってしまった。はは。」睦美、またまた瞬きしながら、「え…???…汐梨や芙美花に話している感じで…???」瞬間、階段の途中で言われた耀司からの言葉を思い出して、目を右に左に。「…だよな~~。」睦美、思わず、「あ。」そして、耀司を見て、「はははは。」耀司、すぐさま睦美を見て、「え…???」睦美、耀司に、「あ、いえ。」ニッコリ。「…でも。…嬉しいです。」思わず耀司、「えへ…???」睦美、耀司に、「耀司さんから。…そんな風に言ってもらえるなんて…。」微笑ましく、「嬉しいです。」いきなり耀司、睦美を見て、「あは。…はははははは。」すぐさま電車は来る。そして…、ドアが開いて。耀司、「行きましょうか。」睦美、コクリと。「えぇ。」晄史と誓、「え―――――――っ!!!ひったくり~~~???」睦美、コクリと。「うん。」晄史、「えへ~~~???」睦美、パンツの膝を。「…で、これ。」擦り切れているパンツの膝の部分に手を。膝の下辺りが僅かに擦り傷。誓、「大丈夫なの~~、お義姉さん。」睦美、「ちょっと、擦り剝いただけって…。」晄史、顔をグシャリとさせて、「え~~~~???」睦美、「でも。耀司さん。しっかりとその男、投げ飛ばしてくれた。」晄史と誓、眉間に皺を。そして、顔を見合わせて、「投げ飛ばしてくれた。」いきなり晄史と誓、目を見開いて、「黒帯~~~。」睦美、コクリと。「うん。…背負い投げ。」晄史、目を真ん丸にして、「かぁ~~~。」誓も、「えへ~~~~???」晄史、「いやいやいや。」誓も両眉を上下に、「うんうんうん。さっすが~~~。柔道、黒帯~~~。」睦美、「倒れた瞬間に見たけど。…凄かった。男が、宙に浮いて、体が、地面に、バン。」晄史、「はははは。高井戸さん、凄ぇ~~~。」睦美、「…で。そこまで送ってくれた。」誓、目をパチクリと。「送ってくれたって。高井戸さん。…え…???…帰ったの…???」晄史、いきなり、「お茶でも…。外。寒いのに。」すぐさま睦美、「芙美花さん。家で待ってるから。」晄史、誓、「あ、あ~~~。」 ママでいい…。 vol,298. 睦美、「でも。耀司さん。しっかりとその男、投げ飛ばしてくれた。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.17
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耀司と睦美の、初めての…。家から駅までの道。睦美はホワイトのロングコートにくすみピンクのストールを首に。耀司は綿のパンツにブルーと黒のダウンジャケット。夜の東京、空には、僅かに…、星が…、見えるか、微妙なところ。但し、月は出ている。耀司、空を見上げながら、「まだまだ、寒いよね~~。」睦美も空を見ながら、「まだ、2月ですもんね~~。…って言うか。」睦美、耀司を見て、「耀司さんって、スキーとかは。」そんな声に耀司、睦美を見て、「俺…???」自分を指差して。そして顔を傾げて、「いや。」首を振り。「ないですね~~。…って言うより、和歌山。うんうんうん。まずない。…って言うか、子供の頃は、まず、柔道。かかかかか。そればっかり。」いきなり睦美、体をまっすぐにして、「あ。」そして、頷きながら、「うんうんうん。ははは。」そして、笑いながら、「確かに。」クルリと耀司を見て、「そうでしたよね~~。子供の時から、柔道。」耀司、「えぇ。」ふたりとも。睦美はコートのポケットに手を。耀司はダウンジャケットのポケットに手を。ゆっくりと歩いて…。コンビニの前。照明が明るい。後ろから何やら。いきなり、「どけ―――――っ!!!」睦美、背中から誰かにぶつけられて、「キャー――――ッ!!!」男性の声、「捕まえてくれ~~。ひったくりだ――――っ!!!」睦美は男からぶつかられて路上に。耀司、いきなり、「睦美さんっ!!!」睦美にぶつかった男は、ぶつかった弾みで路上をふらふらと。捨て台詞のように、「…ったくよ~~。」そして、体勢を何とか立て直した。…かと、思いきや。「え…???」いきなり男性から胸倉をがっしりと掴まれて、「うそうそ。」耀司、眉間に皺を。口を尖らせて歯を食いしばって、「んなろぅ~~。」男性の体が宙に浮く。背負い投げである。そのまま男の体が路上に、「バン。」その瞬間、「痛って―――――――っ!!!」耀司、表情は変えずに、「ふん。」そして、すぐさま睦美に。「睦美さんっ!!!」既に上体を起こしている睦美。耀司、そんな睦美に、「大丈夫ですかっ!!!」男性と女性がその場に駆け付けて。女性、「ありがとうございます。」男性が、「凄ぇ~~。」女性に、「今の見た…???…背負い投げ。はは。かっけぇ~~。」男はまだ路上で…。アスファルトに叩きつけられたショックで起き上がれない。男性、持っていたスマホで、「とにかく警察に。」女性、その男性にコクリと。「ありがとうございます。」睦美、耀司に支えられて、ようやく…。耀司、睦美に、「大丈夫…???」睦美、僅かにコクリと。「ぶつかられて転んだって言うか、倒れて、アチコチ。」耀司、「うんうん。」既に女性のバッグは男から抜き取られ。もはや、コンビニの店員も外に。他の人たちも駆けつけて、倒れている男は囲まれて…。その5分後、警官が…。そして…。そのまま、数人が駐在所に。…それから…。耀司のスマホに。芙美花からである。「あ、おとうさん。中々帰って来ないから。」耀司、芙美花に、困ったような顔で、「芙美花、ごめん。今、警察。」芙美花、驚いて、「うそ。え…???…警察って。え―――――――っ!!!」耀司、スマホで、「…そんな訳だから、後で…。おとうさんの方から電話する。」芙美花、父の声を聞いて、「あ、うん。うん。じゃあ、お願い。」通話は切れる。芙美花、ソファに座って、クッションを抱き締めながら、バセットに、「おとうさん、今、警察だって。」そして、「んもぅ~~。…どういう事~~???」…凡そ45分。…ようやく。耀司、睦美に、「家まで、送るよ。」アスファルトに倒された時に、僅かに左膝を。パンツが僅かに擦り切れている。肌には別に異常は見られない…ようだが…。耀司、「おまわりさんからも言われたけど…、病院…。」けれども睦美、首振り、「ううん。…でも。ある意味、コートを着てて良かった。…ちょっと、ヒリヒリは…、するけど…。…でも。この通り、歩けるし。」その声に耀司、頷きながら、「あぁ。うん。」そして、「とにかく…。」ふたり、駅に向かって。耀司、スマホ…。「あ、おとうさん。」芙美花の声。「あ、うん。」「ごめんね。心配掛けて。」また、「あ、うん。」「コンビニの前、通ったところでさ。後ろからドン。」芙美花、瞬きしながら、「え…???」耀司、「ひったくりだよ。」「ひったくり…???」「あぁ。」「何か、盗まれた。」間髪入れずに耀司、「あ~~、いや。そうじゃなくって、ぶつかってこられたんだよ、後ろから。」「ぶつかってこられた…???」「あ~~、うん。」睦美を見て、「あ、いや…。…でも、おとうさんじゃなくって睦美さん。」芙美花、眉間に皺を。「睦美さん…???」「あぁ、いきなりだったから。後ろから、どけ―――――って、ドンと。睦美さん、そのぶつかられた拍子で道に倒されちゃったんだよ。」芙美花、瞬きしながら、「え…???…え…???…で、どうな…。」 ママでいい…。 vol,297. 「捕まえてくれ~~。ひったくりだ――――っ!!!」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.16
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睦美、バセットにドックフードを。「バセット~~。ごはん~~。」すぐさまバセット、行儀よくドックフードを。そんなバセットの頭を撫でて睦美、「ふふ、お利口さん。」そして…。3人揃って、「いただきます。」芙美花、「酢豚は睦美さんね~~。ご飯も睦美さん、炊いてくれた~~。さすがは完璧。はははは。…でぇ~~。私は~~。大根と小松菜のマヨ和え~~、そして、コンソメスープ~~。」耀司、ニコニコと。「うんうんうん。美味しそう~~。」芙美花、睦美に、「おとうさんは~~。大体、基本的には朝は、ご飯だよね~~。でぇ、お昼は~、私が学校休みの時は~、時々~麺類。そして中華や様々。…でぇ、私の場合~、朝はトースト~~。当然、お昼は弁当。で、おとうさんのお昼も朝、一緒に作っちゃう。でも、今は、おばちゃんが、おとうさんのお昼の分まで作ってくれるから、おまかせにしてる~~。夕食も、今はおばちゃんが作ってくれるからね~~。」耀司、酢豚を食べて、「うん。旨っ。」そしてマヨ和えも食べて、「うんうん。いける、いける。」芙美花、美味しそうに食べている父を見てニコニコと。「まっ。おばちゃんがいるところで私がキッチンに立つと必ず、あんたは勉強~~。何の為に私がいるんだよ。って、怒られちゃう。」睦美、微笑みながら。そして美味しそうに食べている耀司を見て、「でも、本当に耀司さん、美味しそうに食べますよね~~。」その声に耀司、「うん…???…俺…???」すると耀司、笑いながら、「はは。当然。まっ。美味しいものが目の前にあるんだからね~~。美味しそうに食べるでしょ。それに。芙美花にしても、汐梨にしても、食べてもらえるように考えて、愛情込めて料理してくれるから、尚更、旨い。」そんな耀司の声を聞いて睦美、にこやかに。「私の家でもそうでした。耀司さん、どの料理も美味しいって。嬉しかった~~。」芙美花を見て、「作った料理、しっかりと完食。作ったこっちの方が、幸せいっぱいだったから。」芙美花、「基本的におとうさん、食事って、まず残さないよね。」耀司、食べながら、「残して堪るか。こんな旨いもん。」そして耀司、「それに。まっ。朝はサケが定番だけど~~。それ以外は、まず、毎日、同じメニューなんてないだろ。毎日が違う。祐里子もそうだったけど~~、それを芙美花も受け継いでいるから凄い。」睦美、それを聞いて芙美花を見て、驚いたように、「ほんと~~???…凄~~い。」芙美花、照れるよう、「うん。毎日、違う。だって、作る方も、毎日同じだと飽きちゃうし。」睦美、「うんうんうん。」「睦美さんもそうでしょ。」「まっ。確かにね~~。お弁当作るにしても、うん。毎日違うな~~。ははは。確かに、毎日、おかあさんと、今日は何作ろうかって。」芙美花、ニコニコと、「うんうんうん。」睦美、「でも。汐梨さん、凄いですよね~~。ここで家事をやって、家でも。」耀司、話を聞きながら、「う~~ん。…って言うか、汐梨んとこは、旦那の勝臣君がね~~。」芙美花、笑いながら、「うんうんうん。おじちゃん、おとうさんとは正に正反対で、家事大好き人間だから。料理だって上手だし~~。はは。それに、子育ても本格的。しかも、一切、おばちゃんには口出しなし。まま。仕事もそうだけど~~、家の方も本格的~~。だからおばちゃんもおじちゃんには何も口出ししない。とにかく、夫婦、息ピッタリ。」父を見て、「うちで家事やって、家に帰って、おじちゃんから文句言われた事なんて。」耀司、食べながら、「ある訳ねぇだろ。勝臣君は勝臣君で好きにやってるんだから。まぁ~~。確かに…???…仕事は生活の糧って決めてやってるんだろうけど、家の方が完璧に落ち着くって言ってるくらいだからね~~。何てったって、麻沙美がいるし。」睦美も食べながら、「本当に麻沙美ちゃん、可愛いですよね~~。」その声に芙美花も食べながら両眉を上下に。「うん~~~~。」そして…。高井戸家、玄関で。睦美、バセットに、「バセット~~。またね~~。」その声にバセット、「クゥ~~ン。」芙美花、バセットを抱き締めながら、バセットの前足を前にプラプラと。「バイバ~~イ。」耀司、睦美に、「じゃ、行こうか。」そして、芙美花に、「じゃ、送って来る。」芙美花、「うん。じゃあ、睦美さん、おやすみなさい。」睦美、右手をヒラヒラと、「おやすみ~~。」2月、半ばの夜の東京。耀司と睦美、歩きながら…。耀司、睦美に、「車の方が…良かった…???」そんな耀司に睦美、顔を左右に、「いいえ。…って言うか。…耀司さんとこうして一緒に歩く事って、今までなかったから…。」そんな睦美を見て耀司、にこやかに、「ははは。…確かに。」 ママでいい…。 vol,296. 「私の家でもそうでした。耀司さん、どの料理も美味しいって。嬉しかった~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.15
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「じゃあ~~。今日は~~、夕食~~。」芙美花。睦美、「あ。じゃあ~~。私、作りましょうか。」その声に耀司、ひょっとこのような顔して、「おっと。」芙美花、ニコニコと。「あ、じゃあ~~。一緒に作っちゃおうか。」すぐさま睦美、にこやかに、「うん。」芙美花、「はは。うんうんうん。」耀司、「はは。な~~んとも、楽しみ~~。」そして耀司。「では。俺は、もう少し、仕事を~~。」睦美、そんな耀司に、「あ、はい。」芙美花も、「どうぞ~~。」そして…。しばし、芙美花と睦美は、ふたりだけでコーヒーを。芙美花、睦美を見て、「ははは。睦美さんと一緒にこんな風にするのって初めて~~。」睦美もニコニコと。「ほんとだね~~。」すると、バセットが睦美の傍に。睦美、そんなバセットに、「あら。バセット。はは。」バセット、睦美の右側で、何とも睦美に甘えるように。芙美花、そんなバセットと睦美を見て、「何か、凄いね~~。バセットがそんな風に、私や麻沙美以外の人に甘えるなんて~~。」睦美もバセットの頭を撫でながら、「とにかく可愛い~~。こんなに甘えてくれるなんて私が嬉しい~~。」芙美花、「睦美さん、子供の頃。犬に。」その声に睦美、バセットをまだ撫でながらも、「うん。左腕ねぇ~~。」そしてバセット、安心したのか、また定位置の方に。睦美、芙美花に左腕を見せて、「ここ。」芙美花、その傷を見て、「あ、ほんとだ~~。薄っすらと~~。」「うん。今じゃもぅ~~。半袖になっても、全然。」芙美花、その声に、「うんうんうん。」「まっ。中学に入った頃からはね~~。もぅ、気にならなかったけど~~。もぅ、その頃は、もぅ~~。ピアノに夢中だったから~~。」芙美花、「…でも、凄いよね~~。絶対音感って~~。」けれども睦美、「あ。…でも、私自身、その…、絶対音感って意味、全く分かんなくって。」いきなり芙美花、驚いたように、「へ…???」瞬きしながら、「あ。そっか~~。子供の頃だったから~~。」睦美、頷きながら、「うんうんうん。だから~~。子供ごころに、歌、曲を聞いて、すぐに音が分かる。それって、当たり前の事って思ってたのね。まっ。おかあさんやおとうさん。あ。私の韓国の父親ね。」芙美花、コクリと。「あん。うんうんうん。レコード会社の。」睦美、頷いて、「そう。両親も、私が絶対音感って事、別に周りの人にも教えないで。…けど、小学生の頃に、音楽の授業で、初めてオルガン弾いた時に、音楽の先生から眞鍋さん、凄いって褒められて。それから。…そうしたら、今度は音楽の先生が、ピアノ弾けるって聞いて来て…。」睦美、思い出すように、「私、あまり覚えてないんだけど~~。」芙美花、「うんうんうん。」「確か、3歳くらいには、家にある。まっ。それもおとうさんが買ってくれたんだけど~~。エレクトーンは弾いてたのよね~~。」芙美花、「な~~るほどね~~。エレクトーンかぁ~~。」睦美、「でも…、おかあさんとおとうさんが言うには、おまえは2歳の頃から弾いてるよって。だから2歳の時の誕生日のその日から、なんだろうね~~。もぅ、とにかく、小学では完璧にピアノ。だから、先生たちも、演奏、出来るんじゃない…???…って。…そうなると親の方も、私より本格的に。まっ。でも、私も私で、聴く曲はどんな曲でも弾けたから。3歳で…。嬉しかった。」睦美、ニッコリと。芙美花、クシャリとさせて、「そうだよ~~。私なんて、羨ましい限り~~。」そして芙美花、睦美に、「ねね。でさ。睦美さん。」睦美、芙美花に、「うん…???」「学校でさ。友達に、あの曲、聞かせたの。」睦美、思わず瞬きながら、「え…???」けれども芙美花、睦美に、右手の平を出して、「あ。でも、大丈夫。見せて、聞かせただけ。友達にも動画は送ってないから問題なし。」睦美、「あ、うんうんうん。」芙美花、「そうしたら、友達。へぇ~~。良い曲ねぇ~~って~~。」睦美、思わず目を真ん丸にして、「うそ。」芙美花、ニコニコと、「望月さんと睦美さんの作曲した曲~~。好評~~。」睦美、笑顔になって、「え~~~~。」芙美花、ニンマリとさせて、「もしかしたら、叔母ちゃんもおとうさんも。誰かに~~。」睦美、思わず口に手を当てて。「え~~~~。」やがて、ふたりで料理をしながら…。芙美花、睦美の作った酢豚を。「ん~~~。完璧~~。」そして、芙美花は酢豚に合う、コンソメスープを。「睦美さん、どぅ…???」睦美も味見をして、「ん~~。おいし。」ふたり同時に、「ふふふ。」耀司、リビングに、「ん~~~。いい匂いじゃないのぉ~~。はははは。」芙美花、「おとうさん。テーブルに準備、準備~~。」耀司、ニコニコと、「はいはい。」 ママでいい…。 vol,294. 「まっ。でも、私も私で、5歳で聴く曲はどんな曲でもピアノ、弾けたから。…。嬉しかった。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.14
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睦美、晄史と誓に、ラインで、「ごめん、送るの忘れてた~~。」晄史は、そのラインをまだ仕事中で観ていない。…が。誓は、睦美から送られてきた動画を見て、思わずフィンガースナップ。「や~~りぃ~~。」けれども睦美のメッセージで、「これに歌詞が付きます。どんな感じになるのか楽しみ。」誓、そのメッセージを見てニコニコと。「うんうんうん。ははは。」芙美花、駅から自転車で。…ところが…。外は雨。但し、まだ小雨程度。「あん、雨だ~~。まっ。自転車で急げば10分だ。」…ところが…。物の5分も経たないうちに、「ひゃ~~~~。降って来た~~~。あ~~~ん。」耀司、既に2時間前に帰宅。今日は、麻沙美はセレモニーの託児所。耀司が午後から打ち合わせとの事で汐梨とも連絡済み。芙美花、雨に濡れてビショビショに。ガレージに自転車を置いて、駆け足で玄関に。「ひゃ~~~、濡れた、濡れた~~。もぅ~~。びっしょりだよ~~。おとうさ~~ん。」父の部屋の方から、「おかえり~~。」芙美花、父の部屋に、「ただいま~~。」耀司、芙美花を見て、「は…???…何、ビッショリじゃん。早く、シャワー。風邪引くぞ~~。」芙美花、「う~~ん。」耀司、窓を見て、「雨だもんな~~。…確かに。…まっ。雷は~~、今んとこ。」レッスンが終了して睦美、母に、ラインで、「高井戸さんに寄って帰ります。遅くなります。」自室でメガネを掛けての仕事中の暁美、スマホに。「おや。ふふふふ。もはや。日常的に、なって来たもんだね~~。ははは。どうぞ、どうぞ。思う存分。」ニコニコと。…けれども…。外は…。どうやら雨。暁美、窓を見て、「酷くならなきゃいいけど…。」それから10分後には…。雨は…。睦美、高井戸家のチャイムを。いきなりバセット、立ち上がる。丁度シャワーから出ての芙美花、頭をゴシゴシとバスタオルで。インターホンに、「は~~い。あは。睦美さん、どうぞ~~。開いてる~~。」バセット、すぐさま玄関に。睦美、ニッコリと。「お邪魔しま~~す。」そして玄関に。いきなりバセット、睦美に。睦美、バセット抱き抱えて、「ひゃ~~。バセット~~。こんにちは~~。」バセット、睦美の頬を舐める舐める。そして睦美、バセットと一緒にリビングに。バセット、ゆっくりと定位置に。芙美花、椅子に座ってドライヤーで髪を。睦美、「わぁ~~。芙美花さ~~ん。」芙美花、「あん。うん。もぅ、びしょ濡れ。雨。」睦美、「へっ…???…降ってなかった。」その声に芙美花、ムギュッとして、「うそ~~~。あ~~ん。でも、私帰ったの、20分も前だからな~~。凄い、降ってて~~。」睦美、「確かに曇り空ではあったけど~~。」バセットを見て、「あ。今日は、汐梨さん。」芙美花、ようやく乾いた髪からドライヤーを。「あん。うん。帰って来たら麻沙美もいなかったから。」耀司、自室から出て来て睦美に、「はい。おかえり~~。」睦美、耀司にペコリと。「お邪魔しております。汐梨さんは。」その声に耀司、キッチンからグラスを。そして冷蔵庫に。「うん。今日は汐梨、麻沙美を連れてセレモニー。俺が今日、お昼時に会社の奴とミーティングで会う約束だったから~~。セレモニーの託児所で今日は麻沙美~~。」その声に睦美、「今って凄いですよね~~。子供を預けられるところがある会社。」耀司、「まぁね~~。子連れ出勤ができる、働くママには嬉しい限りの企業内託児所だからね~~。まっ。でも。麻沙美の場合は保育園やヨシカワがあるから、ここにね~~。はは。まっ。バセットもいるし。」そこまで言って耀司、「もぅ…、雨、止んでたか。」睦美、「えぇ。」外を見て。耀司、芙美花を見て、「かかかかか。芙美花、かな~~り、降られたみたいだったからな~~。」芙美花、ブスッとした顔で、「もぅ、びしょ濡れだよ~~。駅から5分くらいはそんなんでもなくって~~。…けど、それから一気に、すぐにビショビショ。」睦美、そんな芙美花に、「え~~~???」「お蔭で帰ってすぐにシャワ~~。」睦美、「わぁ~~~。」耀司、ポケットのスマホに着信。「うん…???」そして、「おっと。…もしもし。」汐梨からである。「あん。おぅ~~。了解、分かった~~。うんうんうん。OK~~。」そして、睦美を見て、「今、睦美さん、来てるから。…あぃあぃ、あ~~い。お疲れ~~。」通話は切れる。「汐梨、今日は遅くなるって。仕事、立て込んでるみたい。夜8時過ぎになるみたいだからって。」芙美花、「それまで麻沙美、セレモニーの託児所…???」耀司、「ふん。そうだろうね~~。まっ。そのための託児所だから~~。」「麻沙美、ひとりで…。」「いや。…そこまでは…。」 ママでいい…。 vol,294. 「子連れ出勤ができる、働くママには嬉しい限りの企業内託児所だからね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.13
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耀司、「いやいやいや。とにかく、サプライズだね~~。ん~~???」睦美を見て。汐梨、またまた睦美に抱き着いて、「ん~~。はははは。」そして、「さては、隠してたね~~。」笑いながら、「ははは。」睦美、照れながら、「はい。」芙美花、「それにしても凄い、新しい曲なんて。」睦美、芙美花に、目を見開いて、「それなんです。私も望月さんから動画見せられてびっくりして、もぅ…???…って。」耀司、「多分。日頃から曲、作ってるから、出来るんだろうね~~。」けれども耀司。「あ。でもさ。…睦美さん。でも、望月さんから動画を…。…それ、だけで、この曲。」芙美花、「あ、おとうさん、おとうさん。もっかい聞きたい、今の曲。」汐梨も、「あぁ。うんうんうん。」耀司、「おっと。うん。確かに。」耀司、再び動画を。「申し訳ないけど、早送りして…。……とぉ~~。この辺。」再び、曲が流れる。汐梨、「凄いよね~~。」耀司、曲を聞きながらに、「凄いのは…。ま、確かに。望月さんもそうだけど~~。睦美さん。望月さんの動画を見て、聞いただけで。…さすがは絶対音感。」顔を傾げて、「良くぞ、ここまで、出来るよな~~。」汐梨も、芙美花も、「うんうんうん。」汐梨、「楽譜も、何もない訳でしょう~~。凄いよ。」睦美、「そして~~。この曲に、神林さんが詞を付けて~~。バンドの、それぞれの楽器で~~。完成~~。」ニッコリとして、「どんな風になるのか。」ニコニコしながら、「また楽しみ。」汐梨、ニコニコしながらも睦美を見て、「だよね~~。またまた、生まれ変わる~~。子供が大人に。聴く人によってはいろんな景色が見える。感動だよね~~。」耀司、「しかも、サックスでの作曲だから、望月さんのセンスも凄いよ。」芙美花、演奏を聴きながらに、「あん。ここがいい~~。」汐梨、「うんうんうん。サビの部分ね~~。」耀司、「あ。でもさ~~。望月さん、睦美さんのアレンジって、聴いたの…???」睦美、耀司に、「あ、はい。音楽教室で、私も録画して動画を望月さんに送りましたから。望月さんも喜んでました。ははは。望月さんも、まさか、こんなに早く出来上がるなんてって、びっくりしてましたけど。」耀司も汐梨も、「はははは。」「いやいやいや。ほんとだよ~~。」テレビ画面の演奏が終わった。耀司、腕組みして、「とにかく、大したもんだ。」芙美花、睦美に、「ねぇねぇ、睦美さん。この曲、私のスマホに送ってくれる~~???…何か、もっと聴いてた~~い。」汐梨、「あは。うんうんうん。私のにも。」睦美、ニッコリと。「あ、はい。」汐梨、そして耀司を見て、「当然、兄さんにも。」耀司、そんな汐梨にほくそ笑んで、「と、当然、だろ。」途端に汐梨、睦美を見て、「シシシシシ。」睦美、ほっこりと。晄史、会社で誓に、ラインで、「ココルキーの件、どうなった~~。」すぐさま既読。誓から、「うん。まだ、何もないね~~。…って言うか、音楽の原石って言うのは、あちこちに。録画しておいたら、良かったんだけどね~~。」晄史、そんなラインに、「そっか~~。…ん~~。確かにね~~。」ただ。芙美花、自分のスマホに送られてきた動画を学校で…。景織子もその動画を見て、聴いて、「うんうんうん。いい感じじゃん。」千愛も詩乃も、「うんうんうん。」「私も同感。芙美花、これ、どうしたの…???」芙美花、「あん。何度聴いても、いいよ、この曲~~。まっ。ちょっと、シークレットなんだけどね~~。」景織子、「サックスとピアノのセッションか~~。凄~~いじゃ~~ん。」汐梨もセレモニーのスタッフルームでお昼休みに動画を。アシスタントの真梨邑恵衣美(まりむらえいみ)も汐梨の隣にお弁当を。「何、聴いてるんですか…???」汐梨、「ふん…???…へへへへ~~。」すると真梨邑、「へっ…???…それって、眞鍋さん…???」いきなり汐梨、真梨邑に、口に人差し指を立てて、「シ――――――ッ!!!」真梨邑、弁当をテーブルに、いきなり素早く椅子に。「えぇぇぇぇ…???…眞鍋さん、サックスと…???」汐梨、「もしかしたら。眞鍋さん。瓢箪から駒かな~~。全然センスいいもん。」耀司、一週間振りの麹屋とのランチ。打ち合わせも兼ねて。耀司、「いいモン、聞かせてやる。」そんな声に麹屋、「ん~~~???」耀司、麹屋に、「これ、なんだけどね~~。」麹屋、高井戸のスマホの動画を見て、そして聴いて、「おぉ。サックスとピアノ。ふん。いい感じの曲~~。」耀司、そんな声に麹屋を見ながら、ニコニコと。「だろ…???…だろ…???」麹屋、高井戸に、「どしたの、これ…???…まっ。おまえがサックス好きってのは昔からだけど…???」微笑みながらの麹屋。そんな麹屋に耀司、正に、ニンマリとした顔で。レッスンの準備での音楽室。睦美、「あっ。」スマホで。晄史のスマホに。そして誓のスマホに。誓、「うん…???…お義姉さん。」 ママでいい…。 vol,293. 「聴く人によってはいろんな景色が見える。感動だよね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.12
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メンバーたち、それぞれが自然に上体を揺らしながら…。耀司、テレビ画面、曲を聞きながらに、「聞いた、事。」顔を傾げて。汐梨も、コクリと。そして、睦美を見ながら、「ないけど。」睦美、そんな汐梨に、そして耀司に、ニコリと。「はい。初めての曲です。」いきなり耀司、汐梨、ビックリ仰天して、「え――――――っ!!!」芙美花はすぐさま睦美を見て、「凄‐―――――っ!!!」耀司、目を真ん丸にして、「え…???えぇ…???…これ、初めての曲って。」汐梨も、「もしかして、あの、その。」そしてテレビ画面を見て、曲を聞きながらに、「え――――――っ!!!」テレビ画面ではピアノとサックスの、まるでセッションが。汐梨、「いや。」鳩が豆鉄砲を食ったよう顔をしながら睦美を見て、そしてテレビ画面を見て、「これっ。…って…。いやいやいや。」今度は眉間に皺を寄せながらに笑顔で、「え~~~???…凄~~~。」耀司、両手を叩いて、「かっかかかか。何~~んと~~。はははははは~。うんうんうん。」ニコニコと。芙美花は、「凄~~い、凄~~い。」の連発。メンバーたちは、さっきと同様に演奏に聞き入っている。耀司と汐梨、演奏を聞きながらに…。汐梨は右膝に右肘。頬杖状態。耀司は腕組みしながら。凡そ4分程。ピアノの音で終了する。いきなりメンバーたち、立ちあがって、拍手と同様に、孔太、「凄ぇ。」葛城、「凄ぇ、凄ぇ。」根岸、「いやいやいや。」神林、「これって、もしかして、作曲した…???」田端、神林を見て、「うん。俺もそう思った。」その声に望月、高揚しながらも、頷いて、「あ、はい。」そして、メンバーたちを見て、「どう…、でした…???」睦美はまだピアノに。メンバーたち、「どうでしたって。」「いやいやいや。」「凄いよ、もぅ、出来たって。」「最高じゃん。」「はは。まさかね~~。こんなに早く。」耀司、睦美を見てニッコリと。「いやいやいや。や~~るもんだ。」いきなり汐梨、睦美に抱き着いて、「凄~~い。」芙美花もそんな叔母に抱き着いて、「ははは。や~~った~~~。」バセットに凭れて眠っていた麻沙美が起きて、「どうしたの~~~???」いきなり耀司、そして芙美花も汐梨も、麻沙美の方を見て、「お。」「あ。」芙美花と汐梨、顔を見合わせて、「ははは。起こしちゃった。」耀司、睦美を見て、「それにしても、凄い。」汐梨も頷きながら、「うん。大したもんだ。」芙美花、手を叩きながら、「凄いよ、凄いよ。」テレビ画面では…。神林、「いやいや。凄いね~~。俺たちのライブ、ついこないだ。」根岸も、メンバーたちを見て、「なぁ~~。」耀司もその声に、頷いて、「うんうんうん。」葛城、「いやいやいや。出来るもんだね~~。」望月、「ありがとうございます。とにかく、思い付いたらって奴で。今の、主人にも聴いてもらったんですけど、OKサインが出ましたので。」汐梨、睦美を見てニッコリと。「さっすが~~~。」そんな汐梨に睦美もニッコリと。望月、「でも…。」眞鍋を見て。神林、望月に、「でも…???」望月、嬉しそうに。「眞鍋さんのピアノのアレンジでこの曲、赤ちゃんから子供になりました。」耀司、いきなり、「望月さん、偉いっ!!!」神林、いきなり、「天晴だっ!!!」根岸も、「はは。やってくれる。」葛城、「最高~~。」田端、「ありがっとぅ~~。」スマホで撮影しながらの孔太、「とにかく凄ぇ~~。」神林、「望月さんの原曲に、眞鍋さんの編曲。とにかく、脱帽です。」望月と眞鍋に一礼。根岸も葛城も田端も拍手。そして根岸、望月と眞鍋に。「そんな訳で。望月さん。眞鍋さん。」望月、そして眞鍋、「あ、はい。」神林、根岸を見て、「ふたりとも、異存なければ、ココルキーに、歓迎したいんだけど…。」メンバーたちを見て。メンバーたちも、頷きながら、「うん。」耀司、ニコリとして、「おほ。」汐梨も、「わは。」芙美花、「わお。」神林、「まま。望月さんも、眞鍋さんも、仕事がある訳だし。しかも、作曲、お願いしてるから、あれだけど。都合の良い時で構わない。参加してくれたら、有難い。」耀司、画面を見ながら、また、「おほ。」汐梨、睦美を見て、「あは。」芙美花もまた、「わは。」望月、確信の、「はい。」ニッコリと。睦美は、お辞儀をしながらも笑顔で、「ありがとうございます。」瞬間、孔太、スマホを天井に向けて、「万歳~~~い。」耀司、その画面を見て、「おほ。」汐梨も、「あは。画面が。」葛城、体全体で表現するかのように、両手を天井に向けて、「や~~った~~~。」田端も、「イェイ。」根岸、「ありがとう~~。」神林、望月と眞鍋と握手。「ありがとう~~。」望月も眞鍋も握手しながら、「ありがとうございます。」根岸も葛城も田端も孔太も、それぞれがふたりと握手を。神林、「新生、ココルキー、誕生~~~。」 ママでいい…。 vol,292. 「眞鍋さんのピアノのアレンジでこの曲、赤ちゃんから子供になりました。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.11
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神林、望月に、そして眞鍋に、「ありがとうございます。いや、凄いよふたりとも~~。いや~~。」葛城、「何か、ワクワクしてくるんだけど~~。」その声に根岸も田端も笑いながら、「だよな~~。」神林、眞鍋と葛城に、「聞いていて、自然に詞が湧いてくるような、そんな感じ。何だか、新しい発見。」孔太もスマホで撮影しながらも、「うんうんうん。」そして神林、眞鍋と望月に、「あらためて。ふたりに、作曲、お願いしようと思うけど。」そして、すぐにメンバーたちを見て、「どんな感じ…???」そんな神林に根岸、葛城、そして田端、頷きながら、「異議なし。」そんな画面を見て耀司、「おほ。」汐梨も、音の出ない拍手で、「やたっ。」葛城はペコリと、「お願いします。」田端、「よろしくです。」そんなメンバーたちに眞鍋も望月も体を寄せ合いながら、「ありがとうございます。」こちらもメンバーたちに一礼。すると神林、「いやいやいや。ありがとうございますは、むしろ、こっちの方だから~~。ははははは。」そして、ふたりにお辞儀をして、「こちらこそ、よろしくです。お疲れ様でした。」芙美花も画面を見て音の出ない拍手、「はははは。」孔太、「はい。撮影終了~~。ありがとうございま~~す。」けれども、その瞬間、望月、「あの~~。」椅子を片付けようとしていたメンバーたち。撮影を止めようとしていた孔太も、「え…???」そして、「ととととと。」思わず望月にスマホ画面を…。すると望月、「あの~~。ですねぇ。」傍の眞鍋もニコニコと。望月、メンバーたちに、「実は。ですね~~。」メンバーたち、望月の声に、「うん…???」顔を見せ合いながらも…。画面を見ていた耀司も、「うん…???」睦美を見て。芙美花も、「へ…???」汐梨、顔を傾げて、「はて…???」そして傍の睦美を見て、「睦美…さん…???」3人から見つめられて睦美、僅かに顔を傾げて。テレビ画面上。望月、眞鍋を見ながら、「あの、なんですけど~~。」まだサックスは体にセットされたまま。眞鍋を見ながら…。神林、根岸、望月を見て顔を傾げて。耀司、睦美に、「睦美さん…???」汐梨も芙美花も睦美を見ながら、「うん…???」睦美、思わず顔を赤らめて。けれども、両手をテレビ画面に、「まま、先をどうぞ。」恥ずかしがりながら…。耀司、眉間に皺を。「ん~~???」汐梨と芙美花も。テレビ画面上、望月、メンバーたちに。「あの、なんですけど~~。」眞鍋を見て。睦美も望月を見てコクリと。神林たち、それぞれが顔を傾げて。耀司たちも…。僅かの沈黙。そして望月、眞鍋を見ながらも、「ちょっと…、聴いて頂きたい曲が~~、あるんです、けど~~。」その声にまた、メンバーたち、それぞれに顔を見合わせて。耀司、「聴いて頂きたい曲が~~。」汐梨、睦美を見て、「あるんです。…けど…。」思いっきり顎を引っ込めながらも…。耀司、睦美を見て、「どんな…???」テレビ画面で…。根岸、望月の声にニコリと。「おぅ。はは。どんな曲…???…はは。楽しみ~~。」耀司と汐梨、テレビ画面を見ながら、「うん…???」望月、眞鍋を見て。眞鍋、メンバーたちを見ながら、「ちょっと…。…聞いてくれます…???」メンバーたち、持っていた椅子を元に。そして、それぞれ顔を見合わせて、頷きながら、「あぁ。」「はい。」「お願い…、します。」汐梨、睦美に、「睦美さん…???」睦美、苦いものを食べたような顔をしながら、とにかく両手を前に。テレビ画面に両手を。そんな睦美を見て耀司も芙美花も、困ったような顔をしながらも、顔を傾げながら、「えへ…???」睦美、再びピアノに。そして望月もサックスの準備。メンバーたちは再び椅子に。孔太、顔を傾げながらもスマホはそのまま撮影。眞鍋がピアノを。なめらかなピアノのメロディ。僅かにワンフレーズ。メンバーたち、「うん…???」耀司も汐梨も、「うん…???」芙美花、「奇麗~~。」すると、望月のサックスが。いきなりメンバーたち、「えっ…???」耀司も汐梨も、「おほ。」「わぁ。」芙美花、「えぇ~~???」眞鍋のピアノが正にファンタスティックなリズムで鍵盤を。そして、望月がサックスを体を動かしながら演奏する。メンバーたち、「これって。」耀司、「いや。聞いた事、ない…???」汐梨も、「うんうん。…ないけど…。でも。」そしてニコニコしながらも、「あは。いい。あははは。」リズムカルなメロディが望月のサックスと眞鍋のピアノから。芙美花、「聞きながらにして、あは。いいわ、これ~~。」ファンタスティックなリズムは途中で静かに。…そして、またテンポを上げて。メンバーたち、「おぉ~~。」聞いている耀司も汐梨も、「あは。」芙美花は既に曲を聴きながらに上体を揺らしながら。「あは。」画面を見て聞いている睦美も、膝の上に右肘を。そして頬杖を就くような感じで口角を上げながら…。 ママでいい…。 vol,291. 望月、眞鍋を見ながらも、「ちょっと…、聴いて頂きたい曲が~、あるんです、けど~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.10
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望月のその大胆な演奏ぶりを見て耀司、ソファに深く背中を預けたままに、「いやいやいや。さすがに長年、サックスを吹いているだけの事はあるよね~~。」汐梨も、「…って言うか、望月さん。何か、全然イメージが違う~~。コツコツと地道に…って。…そんな風に言っていたけど、いざ、サックスを吹くと、こんな風になっちゃうんだね~~。もぅ~~。バリッバリじゃないよ~~。凄~~い。…とにかく、体全体でサックス吹いてるって感じ~~。」芙美花も、「うんうんうん。私もそう思う。」汐梨、「それに…、前の曲なんて、このルバンと比べると、断然ロマンチックな曲なんだけど~~、ガラリと変わっちゃうもんね~~。」睦美、微笑みながら…。耀司も頷きながら、「確かに。才能とは、自分の能力を理解し、それを伸ばす、開花するために努力が出来る人の事。努力を継続できる力。つまり、直感を信じる事。リスクがなければ成長しない。そして、また才能とは、情熱を持続させる能力の事。とも言われるもんね~~。」汐梨、そんな耀司の話に、ほくそ笑むように、「何々それ~~。やたらと専門的に~~。」すると芙美花、可笑しそうに、「ぷっ。くく。おとうさ~~ん。それって~~、受け売り~~。」汐梨、芙美花を見て、「へ…???…そうなの…???」思わず耀司、そんな芙美花の声にツンとして…。芙美花、叔母に、「うん。前にね。テレビでジプリの放送してたんだけど~~。宮崎監督の~~。声と字幕が出たのね~~。そん時に~、宮崎監督が言ってたの。才能とは、情熱を持続させる能力のことって。」その声に汐梨と睦美、「へぇ~~~~。あの宮崎監督が~~。」そして汐梨と睦美、自分が同じ事を言ってる事に顔を見合わせて、「はは。」芙美花、顔を傾げて、「でも、最初に言った話は…、分かんないけど。」耀司、芙美花を見て、「ふん。才能とは、自分の能力を理解し、それを伸ばす、開花するために努力が出来る人の事。って言うのは、前々から知ってる~~。…けど、それに関連しての、努力を継続できる力。つまり、直感を信じる事。リスクがなければ成長しない。って言うのは、将棋の羽生善治の言葉~~。彼は、将棋の名人。…けど、いろんな名人と戦っている訳だから、努力を継続できなければ無理。…で、また。その上で自分の直感を信じる事。つまりは、将棋の世界は何百手も前の前の。当然駆け引きだよね~~。常にリスクが伴う。…って言うか~~。」そして睦美を見て汐梨を見て、「音楽に駆け引きは必要ないけど。…でも~~。直感は必要。じゃないと、曲、作れないでしょ。」瞬間、睦美、「あっ。うんうんうん。それ、分かります~~。」耀司、「ちょっとしたひらめきで、あれ…???…ってメロディが生まれる。そういうのって、あると思うからね~~。」汐梨、「あん。確かに。…それはあるよね~~。」「そして、継続だよ。」耀司。「続けるって、情熱がいる事だと、思うから。昔から良く言うじゃん。継続は力なりって。続ける事の能力。」汐梨、「うんうんうん。」睦美、「耀司さん、凄~~い。」間髪入れずに汐梨、「たま~~にねぇ~~。」鼻の下を伸ばして。いきなり耀司、「うるさいよ。」汐梨、今度は舌を出して。そして睦美に顔を。睦美、思わず、「ふふふふ。」望月のサックスはルパンからまたジャズの曲に。そして…。睦美、「あ。これです。望月さんのオリジナル。」耀司、「おっと~~~。」汐梨、「へぇ~~ぇえ~~。あ、でも、何か、凄いリズムカルって感じもするけど、何かしら、ファンタジックな感じもするよね~~。」芙美花、「何か、カッコイイ~~。」耀司、頷きながら、「うんうんうん。いい、いい。」そして、もう一度、「いいね~~~。」凡そ4分程度。そして…。テレビ画面では拍手喝采。耀司や汐梨、芙美花。そして睦美も画面を見ながらに拍手。耀司、「いやいやいや。中々どうして~~。」画面の中ではメンバーたちの大絶賛。そこで動画は終了。汐梨、「いや~~。凄い。」けれども睦美、「あ。ちょっと待って下さい。まだあるんです。」耀司、睦美に、「え…???」汐梨と芙美花、睦美を見て、「うそ。」「もうひとつの動画あるんです。耀司さん。」耀司、睦美のスマホを見て、探して、「え…???…あ~~~。はいはいはい。…って、これかな…???」そして…。再び。今度は、さっきの続きの動画が。汐梨も芙美花も、「あ。ほんとだ~~。」睦美、「矢島さんが、どうせだから撮っちゃえって、回してくれたみたいです。記念にどうぞって。」耀司、「おほほほほ~~。」汐梨、ニンマリとして、「いいねぇ~~。」画面上では…。メンバーそれぞれが望月と握手。そして、眞鍋と握手。耀司も汐梨も、「うんうんうん。」芙美花、「わぁ~~。いい~~。」 ママでいい…。 vol,290. 「才能とは、自分の能力を理解し、それを伸ばす、開花するために努力が出来る人の事。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.09
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「え…???…うそ。ルパン。」耀司。睦美の話に。汐梨と芙美花も、「へぇ~~~。」「はは、凄~~い。」そんな汐梨と芙美花を見てニコニコと睦美。「それに、サックスでもあんな風にしっかりとビブラートまで出来ちゃうと演奏の幅が物凄い出るから~~。」耀司、「ビブラートまでもか~~。」汐梨、芙美花を見て、「あん。芙美花だって、去年の定期演奏会の時、ラプソディインブルー、ビブラート。」叔母を見て芙美花、「わお~~、叔母ちゃん、覚えてる~~。」そんな芙美花に、「ばか、あったりまえじゃない~~。可愛い姪の定期演奏会よ~~。忘れるもんですか~~。」睦美、右手を挙げて、「はい。私も覚えてます。」そんな睦美を見て芙美花、顔を赤らめて、「あは。」そして、照れるように、「何だか、睦美さんからそんな風に言われると、物凄い恥ずかしいんだけど。」ニコニコしながらの汐梨、睦美を見て芙美花を見て、「確かにね~~。睦美さん、プロ中のプロだから~~。」いきなり耀司、「はっはっはっはっ。」汐梨、いきなり顔を仰け反るようにして耀司を見て、「何よ~~。いきなり気持ち悪い笑い方して~~。」耀司、思わず、「はははは。…って、別に~~。そういう訳じゃないけど。あ、いや。…でも。見たかったなぁ~~。睦美さんと望月さんの演奏~~。」睦美、そんな耀司に、「そう言われると思って~~~。」瞬間、耀司、目を真ん丸にして口を尖らせて、「うそ。」睦美、バッグからスマホを。汐梨も、「まさか~~。」芙美花、口に両手を当てて、「え~~~???」睦美、耀司に、「はい。矢島さんに頼んで撮ってもらいました。」いきなり耀司、おちょぼの口をして、「凄~~い。」汐梨も、「わ~~お。」芙美花、「見よう、見よう~~。」耀司、いきなり椅子から外れてニコニコと、「へぃ。ちょいとお待ちを。」両眉を上下に。「おっと~~。」耀司。汐梨も、「うんうんうん。フィルコリンズ。」耀司、睦美を見てニッコリと。「さすが。知ってますね~~。」睦美、そんな耀司にこちらもニッコリと。「はい。」芙美花はクシャリとさせて、「私、知らな~~い。」汐梨、そんな芙美花を見て、「はは。芙美花にはちょっと分かんないか~~。Z世代だもんね~~。」睦美、「え…???…Z世代…。」汐梨を見て、耀司を見て。耀司、テレビ画面を見ながら、「はは。今の芙美花の世代に生まれた子供たち。2004年かな…???」汐梨、「今の日本では、生まれた時代からそんな風に形容、すると言うか、表現してるの。Z世代。」そして耀司を見て、「因みに、私たちが生まれた世代は、ミレニアム世代。ねぇ、兄さん。」耀司、コクリと。「あぁ。」汐梨、睦美を見て、そして芙美花を見て、「因みに~~。」そして今度は、バセットに凭れて眠っている麻沙美を見て、「麻沙美なんかの世代は~~、α世代。…2010年以降に生まれた子たち。」芙美花、頷きながら、「うんうんうん。そんな風に言ってるよね~~。」耀司、「おほ。ショパンだ。」芙美花、目を見開いて、「凄~~~い。」汐梨も、「いやいやいや。革命~~。」顔を捻りながら、「しっかし、凄いよね~~。いやいやいや。」そして、「…でも。良くぞこんな風に指が動く。」睦美、照れるように頷いて、「ありがとうございます。」そして…。耀司、「あれ…???…この曲って…???…聞いたこと、ないけど。」汐梨も、「あ、私も~~。」そして、睦美を見て。睦美も、「バンドの人たちも同じ事を。…これは~~。スティビーワンダーの可愛いアイシャと言う曲の~~。」耀司も汐梨も、「うんうんうん。」「知ってる~~。」「アーロンゴールドバーグと言う、ジャズピアニストがアレンジメントした曲なんです。」耀司、右肘に頬杖就くようにしてテレビ画面を見ながら、「へぇ~~~。そうなんだ~~。」頷きながら。「いや。…って言うか、凄い。うんうんうん。」汐梨、耀司を見て、「え…???…兄さん。その人、知ってるの…???」いきなり耀司、汐梨を見て、「へっ…???」顔を傾げて、「…いや。知らない。」汐梨、思わずガクンとして、「おぃ。」そして、睦美を苦笑いの表情で、「これだもんね~~。思わせぶりな顔して~~。」顔をクシャリとさせて。睦美、そんな汐梨に微笑みながら、「はははは。」耀司、「おっと。望月さん。」芙美花も、「うんうんうん。」そして…。3人共に、「へぇ~~。かっこいい~~。」耀司、右肘に頬杖就くように。そして、次にはその姿勢から、今度はソファにどっぷりと深く。「う~~ん。さすがにサックス。いいねぇ~~。」汐梨、そんな耀司を見て、「ははは。兄さん、サックスは好きだからね~~。」睦美もニッコリと。「はい。」そして…。またまた3人。「はぁ~~~???」耀司、体をビクンとさせて両手を叩いて、「かっかかかか。ルパンだ~~。」汐梨も芙美花も、「ひゃ~~。凄~~い。」 ママでいい…。 vol,289. 「麻沙美なんかの世代は~~、α(あるふぁ)世代。…2010年以降に生まれた子たち。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.08
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そして…。睦美と望月によるバンドへのそれぞれの演奏の日がやって来た。メンバーたち、この時ばかりは観客側に。ステージにはピアノが…。孔太は始終ニコニコと笑顔で。神林、そして根岸と葛城、田端、それぞれがそれぞれの椅子に座った姿勢で…。神林、「じゃ、お願いしようか。眞鍋さん、お願いします。」睦美、その声に、「はい。」しかし、その時、葛城が、「え…???…譜面…。」その声に他のメンバー、「あ。」瞬間、孔太、「いいから、いいから。」根岸が孔太に、「え…???」神林、「眞鍋さん、今まで、楽譜、見ていたようだ、けど…。」睦美、そのままピアノに。そして蓋を開けて。メンバーたち、「うそ。楽譜見ないで…。」望月は椅子に座ったままで、眞鍋を見守る。そして…。メロディが流れる。メンバーたち、それぞれが、流れるメロディに、「おっと~~。」根岸、「フィルコリンズと来たか~~。」田端、「かぁ~~。俺、この曲好きだわ~~。」神林、「Against All Odds、見つめて欲しいかぁ~~。」葛城、「うんうんうん。いいねぇ~~。」ただじっと聞き入っているメンバーたち。そして…。睦美、演奏が終わっても、その余韻はそのままに…。メンバーたち、拍手をするよりも眞鍋の姿に目が…。睦美、ゆっくりと鍵盤に手を。そして、「バン。」いきなりメンバーたち、「えっ…???」それからは流れるような両手指が…。メンバーたち、それぞれが、「凄ぇ~~。」葛城、「確か、この曲。」根岸と神林、「あ~~。ショパンだ。革命。」孔太、「おほ~~~。」望月は望月で、「さすがは眞鍋さん。」凡そ3分弱の演奏。演奏が終わるや否や、メンバーたちからの拍手。それぞれが、「凄ぇ~や~~。」「うんうんうん。」「いやはや、何とも。」そして睦美、メンバーたちに振り向きニッコリと。「それでは、最後の曲になります。」今度はメンバーたち、椅子の姿勢を正しながらも…。メロディが流れる。メンバーたちそのメロディに、「うん…???」孔太、顔を傾げて、「聞いたこと、ない。」神林も根岸も葛城も田端も、「いや。俺も。」「俺も…。」「…って、凄い、この弾き方。」「うそ。これ、譜面見ないで…???」望月も望月で、「凄い。」神林、聞きながらに、「いやはや。これは凄い。」そして…。あるフレーズから葛城、「うん…???…待てよ。この曲。」望月も、「あ。」根岸、「おぃ。これって、スティビーワンダー。」神林、「あぁ。うんうんうん。可愛いアイシャ。」田端、「けど…。これ…、原曲、大きく外れてやしないか…???」「…ってぇ~事は。もしかして…。」神林。「これって…。可愛いアイシャの…、アレンジ…???」凡そ5分程。そして、演奏は終了する。メンバーたち、椅子から立ち上がり、拍手。「凄い。」「凄ぇ~~。」「いやいやいや。」望月も拍手。「さすがに眞鍋さん、凄~~い。」睦美、椅子から立ち上がり、「ありがとうございます。」根岸、「いやいやいや。圧巻。はは。凄いの何の。」孔太、眞鍋に、「眞鍋さん、最後の曲って…。もしかして…。…って言うより、もしかして、じゃなくとも、スティビーワンダー…。」神林、孔太の声に頷きながら、「うんうんうん。可愛いアイシャ。」その声に睦美、ニッコリと、「あ、はい。それの、アレンジメントになります。」葛城、「いやいやいや。それにしても。全く譜面も見ずに。」眞鍋、ニコニコと。「ありがとうございます。」そして、望月に、「じゃあ~~。望月さん。お願いします。」望月、「あ、はい。」サックスケースからサックスを。神林、望月にコクリと。「お願いします。」望月、ストラップを首に。そしてサックスを持ちながらステージに。そして望月、一礼をして。右足でリズムを。目を閉じて…。サックスのメロディが流れる。すぐさま睦美、「わぁ~~。」メンバーたちも、「お~~~。」メンバーたち、各々、耳打ちするように…。睦美、聴きながらに、「素敵~~。」望月、自然に体を泳がるようにゆったりとした動き。田端、首を振りながらに、「いやいやいや。絵になるねぇ~~。」葛城も、「何ともゆったり~~。誘いますな~~。」根岸、「全くだ。気持ち良くなってくるから不思議だ~~。」神林、「サックスの音色のゆりかごってねぇ~。自然に言葉が浮かんでくる。」そして…、演奏が終わる。そのまま望月、立ったままで。するといきなり。サックスが唸るように。メンバーたち、「え…???」サックスはそのまま高音に。…と、思いきや。「パッパラパ~~。」メンバーたち、そのメロディに、「えへ…???」するといきなり、「かかかかか。」「それやるぅ~~???」孔太、両手を叩いて、「かかかかか。こいつぁ~、いいや~~。」神林、「何と。ルパン。」しかも…。アドリブも過激に。葛城、笑いながらも、「いやいやいや。こいつぁ~~。イカスなんてもんじゃねぇぜぇ~~。」 ママでいい…。 vol,288. 神林、「サックスの音色のゆりかごってねぇ~。自然に言葉が浮かんでくる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.07
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そして…。それから2日後だった。自宅のリビングで優茉、傍らにはキーボード。そして…。テーブルの上には楽譜。五線譜にあれこれと書き込みながら、「…とぉ~~。出来た~~。…こんな感じかな~~。」そんな優茉、すぐさま練習をして、そして、それをスマホで動画に。時間は既に夜の11時を回っている。夫の洲平(しゅうへい)は今日も当直。医局で、スマホに届いたラインに、「おっと、来たか~~。…と、いう事は、曲、出来た~~???はははは。」朝ご飯を食べながら芙美花、「睦美さん、あれからセレモニーの方、どうなってるんだろ。」耀司、「ピアノ、生演奏の方。」芙美花、ニッコリと。「うん。」「いや。何も聞いてないけど、自分で聞いてみたら。」その声に芙美花、「だ~~ね。」「…って言うか。かかかか。汐梨に直接聞けばすぐじゃん。」その声に目をパチクリと芙美花、「ははははは。あ、そっか。かかかかか。」そして、その日の午前中に、睦美、「え…???…もぅ出来た。早~~い。」スマホには望月から送られてきたリンクが。昼食を食べながら睦美、望月から送られてきた曲を聴きながら、「へぇ~~え~~。こんな感じ~~。はははは。いいかも~~。」そして…。その日の内に高井戸家で…。汐梨と耀司、そのデモの動画を聞いて。耀司、「いやいやいや。凄いね~~。」汐梨も芙美花と共に、「うんうんうん。…って言うか、早~~い。」「…って言うか、こんなに早く出来るって凄~~い。」汐梨、芙美花に、「芙美花も挑戦してみたら…???」間髪入れずに苦笑いしながら、「無理無理無理。無理だって~~。」耀司、「かかかかか。」睦美も、「でも、凄い。こんなに早くできるなんて。私もそう思ってび~~っくり~~。望月さん、忙しいはずなのに~~。」耀司、「はははは。…で、これに睦美さんがアレンジって。」睦美、「はい。頑張ります。」「まっ。サックスだけで出来た曲に、ピアノでアレンジ。どんな曲になるか。」汐梨も芙美花も、「うんうんうん。」耀司、睦美に、「あ。でも、これって、最初に俺たち、聞いていいの…???」「あん。」睦美。「それは構いません。初めから、私が曲をアレンジするための協力して頂いている人たちが…。と、言うより、家族がいます。その家族にも情報を共有するという事で納得お願いしたいですって、言ってますから。バンドの人たちにも了解得てます。」汐梨、いきなり睦美に、「へぇ~~え~~。さっすが~~。」睦美、「だって。私をこんな風に導いてくれたのって、汐梨さんや耀司さん。そして、芙美花さんですから。」そんな睦美の声に汐梨、にこやかに。そして、「それと~~。晄史さんや誓さん。それに~~。もっと言えば~~。」そして汐梨、バセットを見て、「バセットかな~~~。はははは。」今やバセットは、その、特有の耳と鼻で、モニターから睦美の声がするだけで、「ワン。」そして、麻沙美と共に、一番に玄関に駆けて、ドアから入ってきた睦美に二本足で睦美に甘えているのだった。その度に睦美も、ニコニコと。「はは。バセット~~。こんにちは~~。」耀司、バセットを見て、「さすがはバセット~~。いいとこ取りだもんね~~。」ただ。翌日の午前中に。耀司、スマホで、「そっか~~。やはり…。海外かぁ~~。」スマホの相手は共同経営者の麹屋である。スマホから、「おそらく、海外を拠点にしているのだと、思う。その犯罪組織が。例の…、今で言う闇バイトで。…多分、ハッキングした金はそのまま海外から様々な海外口座にそのまま小口で送金されていると。その口座を突き止めての警察と銀行からの俺への連絡だったけど、それ以上は…。今後は国と国との交渉って言う話になってくるとは思うけど。…それこそ…。もし、仮にでも損失した資金を返還してもらえるとしても、それに対しての…。」耀司、その話に、「なるほど。そうねぇ~~。まっ。ある程度、想像はしていたものの。現に、そんな感じで、突きつけられると。さすがに。…ただ。まっ。俺たちの最初の決断が、今となっては、損失よりも。」スマホからの麹屋の声、「あぁ。顧客との信頼関係が何より。損失の補填は半年もあれば…。」耀司、「まっ。あれから報道は毎日チェックしてるけど、俺たちの事件は一切。」「何よりも、それだ。」「あ。それと…。」耀司。麹屋、「うん…???…あぁ。その件か。…それなら問題ない。今後、同じような手口の犯罪が、たとえあっとしても、俺たちの事は。銀行とも警察とも。」耀司、その声に、「OK~~~。んじゃ、いつものzoomで。」麹屋、「了~~解。じゃあな。あ。それと高井戸~~。汐梨さんと芙美花ちゃんにも、この事、ちゃ~~んと。」耀司、その声に、「分~~かってるって~~。」 ママでいい…。 vol,287. 「私をこんな風に導いてくれたのって、汐梨さんや耀司さん。そして、芙美花さんですから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.06
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夜の11時…。耀司、自室で仕事をしながら…。そして、傍らには…。睦美がピアノ講師となり、事務局員以外の以前の音楽教室のリズムが蘇り、耀司に話をしてみると、耀司が快諾して、睦美にそのやり方を教えて、ここ最近では、ラインのビデオ通話まで発展していた。耀司にすれば、パソコンでの仕事上のzoom会議で手慣れてはいるが、まさか…、それが一定の、女性とのビデオ通話、と、なると、いささか、緊張はしたものの、回を重ねる度に、その緊張は解れて…。しかも、相手の睦美も、慣れてきたのだろう、最初は部屋着だったものが、今ではパジャマ姿である。スマホに向かって時々顔をチラリとしながらも耀司、キーボードを打ちながら、「へぇ~~え~~。あのボーカルとドラムとギターの人が、大学が同じ~~。」睦美、「うんうん。…でね。凄いよ。あの、ドラムの神林さん。リーダーで。しかも、仕事が自動車整備士さん。」耀司、「わお。」睦美、名刺を見ながら、「1級整備士。」「へぇ~~。凄いもんだね~~。まっ。仕事以外でバンドをやっている、事自体、凄いけどね~~。」「あ。それとね。」耀司、睦美の声に、「うん。」可笑しがりながら、「面白いの。…あの、ボーカルの根岸さん。先輩。」「うん。」「趣味、何だと思う…???」耀司、思わず眉間に皺を。「趣味。」スマホの睦美を見て。睦美、ニコニコ顔で、「うん。趣味。」耀司、「趣味。…いや、想像付かないけど…。…けど~~。の、ボーカルのヘアスタイル。…でぇ~~。自動車整備士の職業、から、想像しても~~。まっ。エンジニア。…考えようによっては、車を弄る事。…かぁ~~。」目だけ上を。そして今度は顔を空に。そして腕組みしながら、「キャスティング。釣りやアウトドア。…、その辺かな~~。」そして、今度は腕組みを解いて、「…それに、今ってひとりでもキャンプって流行ってるから~~。」チラリと睦美を見て。そんな話に睦美、「あ、そっか~~。そういう趣味もありますね~~。釣りや、ひとりキャンプ~~。」耀司、また顔をチラリと睦美に。「違うの…???」すると睦美、画面の中から、「ブッブ~~~。」耀司、そんな睦美の声に、「え…???…うそ。はずれ…???」睦美、「正解は、落語。」思わず耀司、顔を歪めて、「落語…???…はっ…???」「落語、なんだって~~。私も望月さんもび~~っくり~~。」耀司、目を真ん丸にして思わず、「いやいやいやいや。…全然、想像付かないんですけど~~。」「ですよね~~。」耀司、「へぇ~~~。こりゃたまげたわ。あの…、B’zの稲葉浩志ばりの感じが、趣味が落語~~。天は二物を与えずって諺あるけど。こりゃ、天は二物を与える、だわ。かかかかか。」すぐさま睦美、「え…???…なに…???」耀司、スマホの睦美に、「あぁ。昔の古い諺。後で検索してみて。天は二物を与えず。つまりは、一人の人間に複数の才能や美点を与えないって意味。…なんだけど~~。でも、今や、人の才能って、ひとつ、だけじゃ~~、ないからね~~。ほら、野球で言えば、メジャーの大谷選手。ピッチャーでもありながら、バッターとしても、超一流。」その声に睦美、「うんうんうん。」耀司、「まぁ、それに。今じゃ、何かを成し遂げるためには他の何かもプロみたいみせる。俳優なんかはそうだもんね~~。」そこまで言って耀司、急に可笑しくなって、「まっ。そこまで突っ込んだ話ではないと思うけど。…趣味が落語家ぁ~~。中々どうして~~。道理で、説得力あるし~~。声に響き、あるよね~~。まっ。趣味が落語って言っても、多分、聴く方だけだとは思うんだけどね~~。」睦美、そんな耀司に、「うんうんうん。聴くのが好きなんですって。だから~~。そんな根岸さんから~~。ギターの葛城さん。」耀司、「うんうん。」「変顔の顔が、林家木久扇に似ているからキクちゃんって。バンドを始めた頃からねぇ~~。」「へぇ~~。そうなんだ~~。」「で、ドラムの神林さん。リーダーね。彼が作詞担当~~。」「そっか~~。あの人が作詞かぁ~~。まぁ、遠くからだったから、あまり良く、顔は見えなかったけど~~。あ。…って言うか、誓さん、どうなってるかな~~。」その声に睦美、僅かに眉間に皺を。「誓…???」「あ、うん。ほら、あの時、会社の人にラインでココルキーの事を。」瞬間、睦美、「あ~~~。うんうんうん。確かに。そんな事が、あったような~~。」けれども睦美、「ん~~。特には誓からは、何も~~。」「そっか~~。…もしかしたら、もしかして…。って、思ったんだけどね~~。…いや。ライブ中に、スマホ弄ってるからさ~~。ある意味、さすがは広報のプロって感じ~~???」睦美、ニコニコと、「はははは。うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,286. 「何かを成し遂げるためには他の何かもプロみたいみせる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.05
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芙美花だけが望月にコクリと。「うん。おじいちゃん、ベースやってる。今も…。」望月、思わず口に右手を。「凄い。」耀司、芙美花に、「いやいやいや。話を盛るな芙美花~~。70だぞ、70~~。」望月、目をパチクリとさせながら、「70で、今もベースを…。」耀司、申し訳ないやら、照れながらも、顔の前で右手をヒラヒラと。汐梨は汐梨で、左手拳を口に当ててクスクスと。芙美花、ブスッとした顔で、「でも、おじいちゃん、私、おじいちゃんに行くと蔵に連れてかれて、いいか芙美花、おじいちゃんのベース、しっかりと聞いてるんだぞ~~って聞かせてくれるもん。」望月を見ながら、「物凄いよ。蔵の一角をスタジオみたいにして音響設備バッチシ。」そして顔を傾げて、「多分、私の部屋みたいに、防音にしてるから外には聞こえないけど。ボンボボン、ボンボボン、ボンボン。って、聞かせてくれるの。マジかっこいい。良くあんなに素早く指が動くって思って。両手の指だよ、両手指~~。…でもって、その中の棚と言う棚にギ~~ッシリと、レコードだらけ。」耀司は耀司で、「だから~~。親父の場合は度を越してるんだよ~~。かなりのマニアック~~。道楽が凄ぇんだよ~~。」望月、とにかく目を真ん丸に。汐梨、いきなり、「いや。でも、道楽でもあそこまで完璧にやっちゃうのがおとうさん。凄いもんだよ。」「まっ。」耀司。「その影響でおまえはピアノな~~。」望月、またまた瞬きして、「えっ!!!木守さんって、ピアノ…???」汐梨、思わず、左手を顔の前でヒラリと。「あん。もぅ、私なんて、睦美さんの元ピアニストに比べたら~~。完璧に出来損ない。ま。確かに。4歳の頃からピアノ習ったけどね~~。完璧に、学生時代に頓挫。それどころじゃなかったから~~。」そして汐梨。周りを見て、「…ってか。なんで私の話になるのよ~~。」いきなり晄史、両手を鳴らない拍手で、目を閉じて頭を後ろに、「かかかかか。」それを睦美も誓も、「ちょっと晄史~~。」晄史、「あ、いやいや。ごめんなさい。…っと、言うか、前にもこういうシーンがあったような。汐梨さん。いきなり、なんで私の話になるのよ~~。って。思い出しちゃって可笑しくなって。」そんな晄史に汐梨、クスクスとしながら、「くくく。確かに。こんなシーン、あったよね。あった、あった。はははは。」望月、「あ。でも、凄いです~~。」高井戸と木守を見て。「おとうさまが、ベーシスト。」耀司、「まぁね~~。ビートルズのポールマッカートニーに憧れたんじゃないの~~。そして、ローリングストーンズやらヴァンヘイレンなんかにも。…んで、結局は、町で一番にベース買って弾いて。部屋で弾いていたのが、うるさくって敵わない。…ってんで、爺ちゃんから蔵の一角で、ここで勝手にやってろって言われて~~。どうせやるんなら本格的にって、爺ちゃんの農業手伝ってのお小遣い稼ぎ。それでも足りずにバイトして。…で、何とか仮のスタジオみたく、改装したのね。親父、中学の頃。…でぇ~~。それでも足りずに、高校でも爺ちゃんの農業手伝ってバイトして~~。今度は防音までして完璧に。」汐梨、「くくく。そぅそぅ。」「まぁ~、爺ちゃんも爺ちゃんで、町じゃ顔、広かったからさ~~。知り合いの建設業者に頼んで、完璧にスタジオ。安くして作ってもらったのよ。」汐梨もその話に、「ねぇ~~~。今だったら、あんなの、百数万掛かるんじゃ。」耀司、口を尖らせて、「あん。完璧に個室だからね~~。」みなを見て、「たったの数十万で。」目を真ん丸にして晄史、「凄っ。」誓も、「数十万。」睦美、口に手を。「初めて聞く~~。」汐梨、可笑しがりながら、「あん。だって、もぅ~、50年以上も前の話しだも~~ん。」晄史、「あ。そして~~。バンドから引っ張りだこって。」望月、その声に、「凄い。」汐梨、「まぁね~~。」耀司を見て、「だ~~って~。他におとうさんみたいなベース弾ける人、いなかったから~~。」耀司を見ながら、「あちこちのバンドからね~~。お願いしますって~~。」誓、「へぇ~~。凄いんですね~~。」耀司、「まっ。土台、ベースって、音楽のリズムやハーモニーを支える役目をしている訳だから。」望月、「あ。主人も同じ事。うんうんうん。」それぞれ、オーダーした料理は食べ終えて、コーヒーを飲んでいる。麻沙美は母に凭れてスヤスヤと。耀司、「望月さんの旦那様。そっか~~。学生時代にベース~~。…え…???…で、そのベースって今は…???」望月、「今は弾いてませんけど、物置には入ってます。記念の品って言って。ハードケースに。」耀司、望月に、「望月さんの作曲した曲って旦那様、聞くんでしょ。」その声に望月、ニッコリと。「えぇ。全部聞いてもらってます。」耀司、口をおちょぼにして、「おほほほほほ。」「聞いて、意見や感想は…???」汐梨。「しっかりと。」ニッコリの望月。耀司、口を開けて天井を向いて、「しあわせだぁ~~~~。」 ママでいい…。 vol,285. 「ベースって、音楽のリズムやハーモニーを支える役目をしている訳だから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.04
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そんな芙美花の声に晄史、ニコニコと。「芙美花さん。おやおや~~~。へぇ~~~。」腕組みをしながら。誓も、芙美花に、意地悪そうな顔をして、「あ~~れ~~~???…へへへへ~~???」そんな芙美花を見て耀司、顔を歪めて、「なんなんだよ、こいつ~~。」芙美花、鼻と口を両手で押さえて、「あ~~ん、だめだ~~。望月さんの旦那様~~。癒される~~。」体を縮こまらせるようにして。耀司、困ったような顔をして、「おいおいおいおい。」汐梨、可笑しがりながら芙美花の右肩に左手を、「あらあら。かかかかか。人の旦那様、好きになっちゃったか~~、かかかかか。」いきなり睦美、「芙美花さん、可愛い~~。」いきなり耀司、芙美花を見て、「…ったく、おま。可笑しな奴だな~~。高校生で、人様の旦那様に一目惚れ~~???」その声に芙美花、思わずブスッとして、「だ~~って、仕方がないんだもん。」そして、今度は顔一面に両手を。「あ~~ん。でも…。恥ずかし。」そんな芙美花を見て耀司、「ぷ。くくくく。」誓も睦美も、「きゃ~~。可~~愛い~~。」そして、ふたり、共に顔を見合わせて、「ねぇ~~~。」望月、そんな高井戸の娘を見て微笑みながら、「でも、嬉しいです。」そして、「あ。でも、分かります。私も…、どちらかと言えば…。さっきの話しではありませんけど…。…それこそ、江口洋介、唐沢寿明、鈴木良助。かっこいいなぁ~~って、思います。…でも。」汐梨、途端に、「でも…???」睦美も望月を見て、「…???」望月、「私の場合は…。…どちらかと言うと、舘ひろしさん。柴田恭兵さん。」誓と汐梨、「おっと。あぶない刑事。」「中井貴一さんとか佐藤浩市さん、それに、渡辺謙さんや役所広司とかにず~~っと憧れて来たんです。どちらかと言えば、同世代より遥かに年上の方が…。」汐梨、顔を左右に振りながらも、「いやいやいや。渋~~い。」誓も、コクリコクリと。「うんうんうん。」望月、続ける。「どちらかと言えば、私より、かなり年上…???」顔を傾げながら…。そして、僅かに面映ゆい表情で、「実は…。私の叔父が…。…それこそ、舘ひろしさんや柴田恭兵さんタイプの人で。小さい頃から、それこそ、父よりず~~っと、可愛がってくれて。」汐梨、そんな望月を見て、「へぇ~~~。」そして、口角を上げて、「うんうんうん。」望月、また顔を傾げて、「まっ。私の叔父夫婦には…、子供がいないって言うのもあるのかも…、知れないけど。」耀司、その声に、「え…???」汐梨も、「あん。」「私…、姉がいるんですけど…。どちらかと言えば、父は、姉の方が…。」耀司、「へぇ~~~。」「あ。ごめんなさい。私の…。こんな事…。」汐梨、そんな望月に首を横に、「ううん~~。」そして耀司を見て、「ねぇ~~。」耀司も、「あぁ。」そして睦美や晄史、そして誓を見て、「なぁ~~。」睦美も晄史も、誓、「うんうんうん。」望月、僅かに空を見ながら、「でも…。憧れは憧れ。夢は夢。現実には到底敵わず。」そして、「私。こんな性格ですから。どちらかと言うと、表には出ずに、引っ込み思案。ひとりでコツコツと。」その声にみなが、「え…???」「…で…。」望月。「気が付けば、三十路前。…そんな時に、同じ事務所の同僚から誘われての合コンに。私なんか、無理だって思ってたんですけど…。それこそ、私以外の。それこそ、同僚たちはみんな、ハキハキしている女性ばかりで…。欠員が出たからお願いって誘われて、否応なしに…。」いきなり汐梨、「あら。」ふぃに耀司を。睦美も…。チラリと耀司を見て。晄史、顔を傾げて、「あれ…???」「相手の男性陣も、それこそ、将来有望な医師みたいな…。グィグイと女性を引っ張っていく。しかも…。女性には憧れの…。そんな人たちで。でも…。」汐梨、「そんな、中に…。旦那様が…。」望月、コクリと。「えぇ。」「他の人たちは医療系の話しをしてて、物凄い盛り上がっているのに、私は…。そんな時に彼だけが…。一切、医療系の話しはなしで。それこそ、趣味の話しで…。…しかも、雑学で…。学生時代にはベースをしてたって。」いきなり耀司、「わお。」望月、「…で、私のサックスと話が…。」こちらもいきなり汐梨、両手を叩いて、「かっかかかかか。何と。」瞬間、望月、「え…???」瞬きしながら顔を傾げて。耀司、思わず、望月から左手で顔半分を隠すような…。そして、「んんんんん。」汐梨、可笑しがりながら耀司の左肩を右手で押して、「ちょっと~~~。」そして、また、「かかかかか。」望月、そんなふたりを見て、「え…???…何か…。」望月の隣で睦美、望月に、「実は。耀司さんと汐梨さんのお父様。ベーシストなんです。」いきなり望月、ビックリした顔をして、体をピョコンと、「うそっ。え…???…ベーシスト。」晄史も誓も、コクリと。「はい。」汐梨、左手で顔を隠している耀司に、またまた、「もぅ~~。ちょっと~~。かかかかか。」 ママでいい…。 vol,284. 「それに、渡辺謙さんや役所広司とかにず~~っと憧れて来たんです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.03
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汐梨、そんな望月の声に、顔だけ後ろを向いて、「うそ。やっぱ…???」ニコリと。誓も望月にニッコリと。「分かる~~~。」汐梨、今度は前を向いて笑いながら、「うんうんうん。私も分かる分かる。はは。楽~~のしぃや~~。」耀司も、「はは。結婚生活。標準語と関西弁。かかか。確かに。笑いが絶えない毎日って感じ。うん。」芙美花、「あ。…でも、関西は関西でも京都と大阪じゃ~~。」誓、頷きながら、「あん。うんうんうん。ちょっと~~。アクセント。と、言うか~~、ニュアンス…。」望月、照れながらも、「いえ。大阪弁です。まっ、大阪に近い長岡京なんですけど、家ではしっかりと、ガチの大阪弁です。」耀司、「へぇ~~~。」麻沙美をおんぶしながら顔だけ後ろに。「あ。でも、凄いよね~~。…って言う事は、病院でも…、大阪弁…、なのかな…。」汐梨、その声に、「あ、うんうんうん。」芙美花も、「だよね~~。それ、聞きた~~い。」そんな声に望月、僅かに眉間に皺を。そして顔を傾げて、「ん~~~。…多分…、そうなの、かも、知れませんけど~~。家では、まず、病院での話って、まず、しないので…。」誓、望月に、「うそ。」誓も顔だけ後ろに。睦美、「凄いですね、旦那様。」誓、「…と、いう事は、今日は手術がもぅ~~。大変で~~、なんて話は…。」すぐさま望月、首を振って、「結婚して、5年になりますけど、あんまり、聞いた事、ないですね~~。」誓、ビックリした顔で、「凄~~~。」汐梨、「わお。結婚して5年。」そして汐梨、空を見ながら、「あ。睦美さんと同い年だもんね。じゃあ~~。…あ。旦那様って、どこの病院…???…心臓外科医。」その声に望月、鼓動が…。僅かに躊躇したものの、「杉並総合病院。」いきなりみなが、「え…???」汐梨と芙美花、顔を見合わせて。睦美、思わず望月を。耀司、「へぇ~~~。杉並~~~。」そして、「はははは。何と。」汐梨と芙美花、「兄さん。」「おとうさん。」睦美も、「耀司さん。」耀司、ニコニコと、「そっか~~。杉並か~~。」そして前を見て、そして、後ろに体を。「僕の、亡くなった妻。…ははは。知ってたりして。」そしてまた振り向いて前を。…僅かに沈黙。望月、「高井戸さんの奥様…。看護師。」芙美花も汐梨も耀司も、「うん。」「はい。」「そうだよ。看護主任してた。師長が宮前さん。」望月、「宮前恵津子師長。あ、はい。知ってます。」その声に芙美花、「わは。」耀司も、「わ~~お。はははは。」晄史、「あ。おっと。そこです。ファミリーレストラン、サンモニ。」耀司、すぐさま、「おほ。」そしておんぶしている麻沙美に顔を。「麻沙美~~。ごめんな~~。待たせて~~。眞鍋のお姉ちゃん、何でも好きなもの、奢ってくれるって~~。」その声に麻沙美、負ぶさりながらニコニコと。「うん。」睦美、その声ににこやかに。そんな眞鍋を見て望月、微笑んで。そして、店に近づきながら、晄史、両手を擦りながら、「さ~~てと~~。」汐梨、睦美と望月に、「あ。でも、バンドの人たち、どんな感じの…???」そこまで言って、「あん。でも、望月さんの旦那様、ん~~。」ニコニコと。「なん~~とも、癒せる顔だよね~~~。なんか、あったかそう~~。」芙美花も誓も、ニコニコと。「うんうんうん。」そんな風に言われての望月、笑顔でコクリと。「ありがとうございます。」席に就くなり睦美、麻沙美に、「麻沙美ちゃん、何食べたい~~。」すぐさま麻沙美、「ソフトクリーム~~。」睦美、口を尖らせながら、敬礼するように、「了解~~~。」耀司と汐梨、そして芙美花、ニコニコと。「はははは。」そして…。汐梨、「へ…???…そうなの…???…変顔が林家木久扇に似てるからキクちゃん。」その声に睦美、ニコニコしながら、顔をコクリと。「えぇ。…それに、大学の先輩だからそのまんま、先輩。そして、苗字が田端だからパタやん。」耀司、ニコニコと、「はははは。うんうんうん。確かに。バンドでもニックネームがあるってだけで、愛着も沸くよね~~。」芙美花、いきなり、「あん。でも、望月さんの旦那様のあの童顔の顔には、癒される~~。」「…って、芙美花~~。かかかかか。一体なんだよ~~。」耀司。芙美花と耀司、そして麻沙美以外、そんな芙美花に、「えへ…???」首を傾げながらも…。芙美花、「あん。だってさ~~。望月さんみたいに~~。奇麗な人が~~。ほら。江口洋介や~~、唐沢寿明。それに、ん~~、鈴木亮平…???…まっ。ドラマの中じゃ、バリッバリの医師的感じ…???…そんな中にも、あんな感じの心臓外科医の旦那様。望月さん、凄いと思う。私からすれば、自然に、江口洋介、唐沢寿明、鈴木亮平タイプに行っちゃうもん。…、なんだ、けど~~。…でも、あんな感じの旦那様~~。何か、ス~~ッと、入って行けそうで~~。」 ママでいい…。 vol,283. 「あん。でも、望月さんの旦那様のあの童顔の顔には、癒される~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.02
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望月、やむなく。そんな望月に同情するかのように睦美、微笑みながら。望月、バッグの中からスマホを。みながそんな望月に寄せ合うように…。望月、スマホで…。そして…、みながそのスマホを覗き込むように…。「え…???」汐梨。「わっ。」誓。「おや~~。」耀司。睦美、「わお。」そして…。誓が、「可愛い~~。」耀司、今度はニコニコと。汐梨も、誓にニコリと。「ねぇ~~。」芙美花、「え…???…この人が望月さんの…???」耀司、スマホの画像に、「へぇ~~ぇえ~~。」睦美、笑顔満面に、「何か、素敵~~。」汐梨も、望月のスマホに右手を。「え~~~???…この人が望月さんの…。」チラリと望月を見て…。「…ってか。…え~~ぇえ~~。」耀司、そんな汐梨を見て、「…って。おまえなぁ~~。」誓が、望月に、ニコニコと。「な~~んか、可愛すぎるんですけど~~。」そんな女性に望月、思わず照れるようにニコニコと。晄史、「あ、でも、想像していたより。…あ、望月さんには、すみませんけど。望月さんと、心臓外科医を…。その…、想像して…、イメージが…。」芙美花も、「うんうんうん。」そして…、チロリと舌を出して、「芸能人の江口洋介や唐沢寿明、鈴木亮平ってイメージが…。」汐梨も、望月の右隣で、「うんうんうん。私も~~。」誓も思わずチロリと舌を出して、「実は私も~~。…でも、はは。凄い、可愛い~~。」その声にますます照れる望月。誓、望月に、「ねね。もっかい見せて~~、旦那様~~。」望月、ニコニコと、「はい。」誓、画像を見ながら義姉に、「ねっ。」睦美もニコニコしながら、「うん。ははは。」汐梨、歩きながら、「童顔の旦那様かぁ~~。」芙美花、ニコニコしながら、「うん。」汐梨、「メガネがまた可愛い。」芙美花、「だよね~~。」耀司、麻沙美をおんぶしながら、「おまえらな~~。」汐梨、そんな耀司を見て、「だ~~って~~。」そして汐梨、「望月さんを…って、考えたら。」空を見ながら、「芙美花が言うように、や~~っぱ、お医者様って言えば、江口洋介や唐沢寿明、鈴木亮平ってイメージ…って、なっちゃう~~。」誓も両肩を僅かに上にした感じで、「私も、そんな風に感じちゃった。…まっ。ドラマの心臓外科ってイメージがねぇ~~。」耀司、笑いながら、「はははは。」晄史、望月に、「失礼ですけど、望月さんって、その旦那様とは…。どういう…???」間髪入れずに睦美、「晄史。」望月、前を見ながら、「合コンです。」すぐさまみなが、「えっ…???」耀司、「合コン。」汐梨、「ぷっ。」いきなり芙美花、叔母に、「おばちゃ~~ん。」汐梨、途端に、「あ。ごめん。」誓、「合コンって…。」睦美も望月に、「合コン…。」望月、睦美にニコニコと、「えぇ。」汐梨、「あ、でもさ。…あ。…でも…。…うんうんうん。確かに。医師と合コン…。」僅かに口を尖らせ風に、「…ありかも…。…てか、中々ね~~。医師と言っても、忙しくって、出会いって…。」誓、「あ、でも~~。やっぱ、その合コン…???…それこそ、江口洋介や唐沢寿明、鈴木亮平ばりの医師も…。」間髪入れずに望月、「いました。」その声にみながまた、「えっ…???」睦美、「望月さん。」望月、また前を見ながら、「確かに。江口洋介や唐沢寿明、鈴木亮平…風の…。…でも。」誓、「うんうん。」後ろに顔だけ。望月、「でも…。…結局は…、医療の事ばかりで…。私にはチンプンカンプン。でも、彼は違った。」またみなが、「違った…???」「彼だけが…。私の趣味の事に…。」その声に、「あ。」「あ。」「あ。」「うん。ふふ。」「……。」「そっか~~。」汐梨、耀司を見て、「ははは。…まるで、兄さんみたい。義姉さんの前では、仕事の事は一切。」耀司、汐梨に、眉間に皺を。「だって。話しても分かんないだろ。それに…、ITの事ばかり話しても面白くないだろ。」望月、そんな高井戸の声に、「あ、それなんです。自分の事よりは、むしろ…、私の事を…。」そして、望月、「私も…。…どちらかと言うと。…そんな…。とにかく、コツコツと…。」顔を傾げて、「地味…って、言うか、地道に…って、タイプで。」誓、思わず顔を左右に、「いやいやいや。見る限り、望月さん、地味って言うか、凄いお洒落で奇麗って。」睦美も汐梨も、「うんうんうん。」そんな声に望月、顔を小刻みに左右に、「いえいえ。」晄史、「望月さんの旦那さまって、どちらの出身なんですか…???」「関西です。京都。」汐梨、「え~~ぇえ~~???」耀司、「わ~~お、何と~~。」誓、「わぁ~~。関西、京都~~。」そして誓、「もしかして、結婚生活、旦那様、もろ、関西弁。」望月、そんな声に照れながらも、「えぇ。はい。そうです。」 ママでいい…。 vol,282. 「お医者様って言えば、江口洋介や唐沢寿明、鈴木亮平ってイメージ…」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2025.05.01
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