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心が無分別に揺れてヒビ割れそうになること、昔に比べると少なくなった。自分が揺れる要素を深く抉ってみると、意外と役に立つものだったりすることに気づいたのはいつだったか。 それまでは、どこまで歩いても荒野が続いていて、乾いた喉が潤うことはなかった。 途切れそうな意識の中で見た、大地が割れたその下に、全く別の世界が広がっていた。世界の反転。 そうして、世界は続く。心のどこかで、新たな革命に期待しながら 人生は続いていく。 私を助けるために落ちて来たように感じた空は私が、世界の上下を逆さにできるようになった頃、煙になって、雨になって頬を濡らした。今頃、海だろうか。 他の何かで補填できない悲しみはそのままに見つめ続けて、適正な温度に降りて来るまでひたすらに待つ。
October 19, 2017
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センチメンタルな恋はどうしようもなく破綻していくもの。そう歌った彼の、声に住む破滅に 惹かれたんだと思う。私が 彼の中に落ちたのは、そこからだった。 一緒に、朽ち果てたかったのかな?……いっそ、壊して欲しかったんだと思う。自分一人ではそこにいけないと思ったから。 それじゃあ、まるで、心中しようとして……私だけ生き残ったみたいだ。 一緒に川に入ったのに。
October 18, 2017
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ゴーヤを食べるとあなたのことを思い出すのは、 初めてゴーヤの実がなった頃にあなたを見送ったから。 なので、 10月になって葉の半分以上が黄色く変色し 茶色に落ちていくようになっても、 まだちいさく実をつけるのを見守ってしまう。 こうして 何周もかけて、ツルが伸び、葉が茂り、花を実を成す姿を見てるだけで、あの夏の続きを生きているのだと、実感してくる。 そうして取れたゴーヤの苦味は、 あなたの苦しみを味わっているようで あれから、ゴーヤばかり食べてるよ。
October 10, 2017
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