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2024.03.27
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カテゴリ: ネイチャー
「カラス語」でゴミ集積所を荒らすカラス撃退、足立区の対策が大きな成果…ゴミ出す住民の意識も向上


ゴミの集積所を荒らすカラス。東京都内でも各地で住民の頭を悩ませているが、足立区が昨夏に実施した対策が大きな成果を上げ、注目を集めている。カラスが嫌がる「カラス語」を利用して集積所から追い払うという前代未聞の対策で、見事に成功し、カラスが姿を見せなくなったという。ゴミを出す住民の意識向上にもつながったといい、区は今後も必要に応じて実施していく考えだ。
カラス対策はCrowLab(クロウラボ)
区がたどり着いたのが、カラス被害のコンサルタント会社「CrowLab(クロウラボ)」(宇都宮市)が開発した「クロウ(カラス)コントローラー」だった。

鳴き声を分析
 機器は縦21センチ、横16センチ、厚さ10センチの大きさで、カラスが近づくと赤外線センサーが反応し、スピーカーから数秒間カラスの鳴き声が流れる。人や天敵である猛禽(もうきん)類が近づいた際に録音したカラスを不安にさせる鳴き声で、周囲のカラスに「この場所は危険」だと知らせる。

 区が昨年6月から9月、竹ノ塚駅周辺など特にカラスの被害が大きい集積所5か所で機器を試験導入すると、効果はすぐに表れた。集積所に近づいてきたカラスが鳴き声を聞くと、その場から離れていく様子が確認されたという。

 同社社長で宇都宮大特任助教の塚原直樹さん(44)は20年以上カラスを研究しており、カラスの鳴き声のサンプルを収集し、どのような状況で鳴いたのかを分析するなどしてきた。「1万以上のサンプルを分析した結果、警戒した際のカラスの鳴き声が、別のカラスを遠ざけることが確認できた」と自信をみせる。

意識向上にも
 思わぬ「副作用」もあった。センサーはゴミを出す人などにも反応してカラスの鳴き声を周囲に放つため、ゴミを出す人は、カラスが近くにいるように感じるのか、自然とネットの中央にゴミを出すようになった。また、荒らされていない集積所を見て別の集積所を利用する住民も防鳥ネットを正しく利用するなど設置前に比べ自発的にカラス対策を行うようになったという。



 足立清掃事務所の長谷川澄雄所長は「カラスを集積所から移動させるだけでなく、ゴミを出す住民の行動変化にもつながった。今後も住民の意識の変化を促しながら、きれいな街・足立を目指していきたい」と話している。

生態正しく知り共存へ カラス研究のススメ CrowLab社長 塚原直樹(宇都宮市) | 上毛新聞社のニュースサイト

生態正しく知り共存へ カラス研究のススメCrowLab社長 塚原直樹(宇都宮市)

 彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず。カラス対策はまさに「彼」を知ることが重要だ。正しく生態を理解し、研究すれば、百戦勝つことはできずとも、より適した対策につなげることで、より良い関係を築けるはずだ。

 では、どうすれば正しくカラスを知ることができるのか。先入観にとらわれない、擬人化しない、結果を疑う、この三つが鍵と考える。

 身近なイヌやネコは鼻が効くため、動物は嗅覚が優れると思いがちだ。しかし、カラスの嗅覚が鈍いことを示唆する解剖学的な証拠がある。ゆえに、臭いでカラスを寄せ付けなくする対策は難しい。

 トウガラシの激辛ソースをごみ袋に塗りたくれば、カラスもごみを荒らさなくなるのでは、というアイデアを耳にする。つい調子に乗って度が過ぎた辛みを食べ、体調を崩した経験のある方も多いだろう。その感覚を基にすると、カラスも嫌がりそうだ。しかし、カラスはへっちゃらである。なぜなら、鳥はトウガラシの辛み成分のカプサイシンを感じにくいからだ。

 試しに、強烈な臭いを放つ芳香剤をごみ集積所の上にぶら下げたり、激辛ソースをごみ袋に塗ってみたりするとしよう。おそらく、カラスのごみ荒らしを防げるはずだ。

 はて? 言っていることがあべこべだと思われただろうか。カラスの嗅覚は鈍く、激辛も大丈夫だとすれば、これらの対策をしてもごみは荒らされてしまうのではないか。

 実は、違う要因でごみ荒らしを防げている。それは、変化自体が原因だ。

 芳香剤の容器やソースの塗られたごみ袋など、いつもと違う状況が、記憶力と洞察力に優れるカラスを警戒させる。そのため、この時はごみが荒らされるのを防げたのだ。だが、これらの対策はカラスにとっては実害がない。そのため、何回か試した後には必ず効果がなくなる。

 私は、この一時的な効果を「かかし効果」と呼んでいる。かかしはヒトを模した対策だ。しかしカラスは、微動だにしないかかしをヒトとは思わないだろう。かかしも、設置直後はカラスを寄せ付けない。見慣れないものがあるのでとりあえず近づかないでおこう、とカラスが警戒するためだ。ただ、何度も目撃していると、警戒すべき対象ではないと判断し、無視するようになる。

 対策を研究する上で、このかかし効果が厄介だ。一見、カラスが嫌がっているような結果を出してしまうからだ。先入観や擬人化による誤った解釈の後押しで、間違った「効果的なカラス対策」を発見してしまう。都合の良い結果をすぐに信じてはいけない。



 【略歴】鳴き声でカラスの行動を制御する製品などを提供するCrowLabを設立。ふん害や食害といった対策を全国で手掛ける。宇都宮大特任助教。桐生市出身。





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最終更新日  2024.03.27 04:33:28


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