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2026.03.25
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カテゴリ: 報徳記を読む
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二宮翁夜話残篇



真岡町と久下田町(くげたまち)との間の道は敷地とのはばが十一間(けん)である。
道は公共の土地であるから久下田町に米を運送しての帰り路に、道ばたの草を刈りとって戻ろうかと考えましたと。
尊徳先生はおっしゃった。
おまえの屋敷は本歩(ほんぶ)は五畝歩(せぶ)である。
しかるに一反余りあるであろう。
もし人が来ておまえの屋敷の竹や木を切り取っていけばどうか、おまえは黙っておられるか。
よく考えるがよい。
たとえ道路や敷地であっても自村と他村との区別がある。
そのような事は言うべき事ではない。
隣りの家の者の屋敷は広いから、余分の土地の竹や木で自分が必要であればは遠慮なくきり取ろうと言うならば無道である。
自ら私の屋敷は余分な土地が多い、竹や木で入用でしたら遠慮なく切り取られてもいいですよと言うのは大変よいことだ。
道ばたの草であっても、久下田の町のほうで、屋敷との間の地が十一間(けん)もあるから、他村の人であっても馬を引いて空しく帰るは損でしょう、草を刈って付けて行ったらよいでしょう言うならば大変よろしいことである。
こちらから刈り取っても何の支障があろうと言うならば悪い、考えなくてはならない。




【12】翁(をう)の家に出入(でい)る者曰く、
予(よ)今日(こんにち)真岡(まおか)にて聞きたり、
同町(どうちやう)と久下田町(くげたまち)との間の道は敷地と巾(はば)十一間(けん)なりと。
道は公地(こうち)なり、されば久下田町(くげたまち)に米を運送して帰路に、路傍(ろぼう)の草を刈りて戻らんと考へたりと。
翁(をう)曰く、
汝(なんぢ)が屋敷は本歩(ほんぶ)は五畝歩(せぶ)なり、
然るに一反余(たんよ)あるべし。
人来りて汝(なんぢ)が屋敷の竹木(ちくぼく)を取らば如何(いかん)、汝(なんぢ)黙するや、
能(よ)く思ふべし。
仮令(たとひ)道路敷地といへども自村と他村との区別(くべつ)あり、
右様(みぎやう)の事はいふべき事にあらず。
隣家(りんけ)某(ぼう)の屋敷は広し、さればとて余歩(よぶ)の地の竹木(ちくぼく)の入用(にふよう)の方(かた)は遠慮なく伐(き)り取らんと云(い)はば無道(むだう)なり。
自(みづか)ら私(わたくし)の屋敷は余歩(よぶ)多し、竹木(ちくぼく)の入用の方は遠慮なく伐(き)り取らるるも苦しからずと云(い)ふは誠によし。
路傍の草も、久下田(くげた)の町にて、屋敷地(やしきち)十一間(けん)なれば、他村の人たりとも馬を引いて空しく帰るは損なり、草を刈りて付け行くもよろしと云はば誠に宜(よろ)し。
此の方より刈り取るも何かあらんと云(い)はば悪(わろ)し、思ふべきことなり。





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最終更新日  2026.03.25 00:00:26


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