MM2022のブログ

PR

×

プロフィール

MW2022

MW2022

カレンダー

コメント新着

天国にいるおじいちゃん@ Re:打席に入る前に、バットを天にかざして、天国にいるおじいちゃんに『力を貸してくれ』(08/24) 天国にいるおじいちゃんについては、 089…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2026.06.30
XML
カテゴリ: 坐禅


種田山頭火は昭和2年~3年四国遍路したが、その日記は昭和5年に焼き捨てた。奉納帳は親友・大山澄太の母親に差し上げた。

死去1年前の昭和14年の秋に2度目の遍路を行い「四国遍路日記」を残した。「四国遍路日記」は11月1日から始まる。

昭和14年11月1日 広島宇品港から松山市の高浜港にわたり、松山で約1か月逗留し、放浪最後の四国遍路に旅立つ。

ー有明月のうつくしさ。
今朝はいよいよの出発、更始一新、転一歩を踏み出さなければならない。
7時出立、徳島へ向う。

山頭火の遍路は行乞の旅で、その記録もあった。

11月5日 行乞のむつかしさ、私はすっかり行乞の自信をなくした、行乞はつらいかな、やるせないかな

8-11時行乞、いやでいやでたまらないけれども生きられないので、食べて泊るほどいただくまで、-3時まで行乞、かろうじて銭34銭米五合、頂戴して帰る

伊予に入ると行乞の成果がよくなり「人情も信仰もあついものがある」と記した。

山頭火の遍路はアルコールとの同行二人でもあった。
11月22日~26日藤岡宅にとまった。
「晴れたり曇ったり酔うたり覚めたり秋はゆく」

ー山頭火はなまけもの也、わがままもの也、きまぐれもの也、虫に似たり、草のごとし。

山頭火の宿は遍路宿と呼ばれる木賃宿だった。米や麦を宿に渡して炊いてもらう、炊飯の薪代(木賃)が料金としてとられる。

□安宿で困るのは、便所のきたなさ、食器のきたなさ、夜具のきたなさ、虱(ムシ)のきたなさ、等々であろう。
〇安宿に泊る人はたいがい真裸である。虱がとりつくのを避けるためである。

「娘遍路日記」でも28番札所・大日寺にまいってのちの赤岡の木賃宿のきたなさを記す
「便所のすぐ前で汚い壺が露わに見えている。それは横を向いて忍ぶとしてどうにも忍ばれないのは桶の中の湯である。まるで洗い落とされた垢の濁りで真っ黒である。これではいかにもたまらない。」
屋島寺から讃岐の一宮寺に行く途中では
「便所と流しの半間と離れていないのが何よりきたなく、部屋の畳のぬれてかびている気持ち悪さ、壁はでこごこでしみだらけ」
木賃宿は農家が副業として行っていたもので、粗末な宿が多かった。

山頭火はたまに よい宿に泊まれると喜んだ。

11月9日高知和食
ー町はずれの、松林の中のヱビスやにおちつく。ほんとうによい宿であった、きれいでしんせつでしずかで、そしてまじめで

山頭火は夜に食事が終わると日記を書き句作した。

(十一月一日)
旅空ほつかりと朝月がある
夜をこめておちつけない葦の葉ずれの
ちかづく山の、とほざかる山の雑木紅葉の
落葉吹きまくる風のよろよろあるく
秋の山山ひきずる地下足袋のやぶれ
お山のぼりくだり何かおとしたやうな

(十一月三日)
山家ひそかにもひたき
明治節
山の学校けふはよき日の旗をあげ
もみづる山の家あれば旗日の旗
よい連れがあつて雑木もみぢやひよ鳥や
旗日の旗は立てて村はとかくおるすがち
村はるすがちの柿赤し
山みち暮れいそぐりんだう
こんなに草の実どこの草の実(改)
しぐるるあしあとをたどりゆく
トンネル吹きぬける風の葉がちる
しぐれてぬれて旅ごろもしぼつてはゆく
しぐれてぬれてまつかな柿もろた
しぐるるほどは波の音たかく
大魚籠ビクさかさまにしぐれてゐる
濡れてはたらくめうとなかよく
しぐれて人が海をみてゐる

十一月四日
野宿いろ/\
波音おだやかな夢のふるさと
秋風こんやも星空のました
落葉しいて寝るよりほかない山のうつくしさ
生きの身のいのちかなしく月澄みわたる
いつぞやの野宿を
わがいのちをはるもよろし
大空を仰げば月の澄みわたるなり
留置郵便はうれしいありがたい
秋のたより一ト束おつかけてゐた
波音の松風の秋の雨かな
歩るくほかない秋の雨ふりつのる

(十一月五日、室戸岬へ)
おほらかにおしよせて白波
ごろごろ浜
水もころころ山から海へ
銃後風景
おぢいさんおばあさん炭を焼いてゐる
旅はほろほろ月が出た
旅のからだをぽりぽり掻いてゐる
病みて旅人いつもニンニクたべてゐる
(室戸)
わだつみをまへにわがおべんたうまづしけれども
あらなみの石蕗の花ざかり
松はかたむいてあら波のくだけるまゝ
蔦がからまりもみづりて電信棒
われいまここに海の青さのかぎりなし
秋ふかく分け入るほどはあざみの花
墓二つ三つ大樟のかげ
落葉あたたかく噛みしめる御飯のひかり
いちにち物いはず波音
野宿さま/″\
こんやはひとり波音につつまれて
食べて寝て月がさしいる岩穴
枯草ぬくう寝るとする蠅もきてゐる
月夜あかるい舟があつてそのなかで寝る
泊るところがないどかりと暮れた
すすき原まつぱだかになつて虱をとる
かうまでよりすがる蠅をうたうとするか
水あり飲めばおいしく洗ふによろしく
波音そのかみの悲劇のあと
太平洋に面して
ぼうぼううちよせてわれをうつ
現実直前の力。
大地を踏みしめ踏みしめて歩け!


山頭火は昭和15年10月11日にこの世を去った。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2026.06.30 20:00:05


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: