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2026.07.29
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カテゴリ: ユマニチュード

p.139 Q4

 老人ホームや療養型の施設で、入所者 100 人に対して夜勤のスタッフが 2 3 人ということもありますね。たしかに今の段階ではいろいろな面で足りないものもあるでしょう。

 でもわたしは、現実離れした、誰もできないことを提案しようとしているのではありません。あれもこれもすぐに達成できると言うつもりもありません。ユマニチュードの導入に際しては、その状況で何がいちばん重要なのかを判断し、優先順位をつけて学んでいけばいいのです。

 ユマニチュードを導入することによって、ケアが効率的に行えるようになり、時間が節約できます。立位をとってもらうことでシャワーの時間が短くなりますし、ベッドでの清拭の時間も短縮されます。もちろん、時間の節約がユマニチュードの目的ではありません。患者さんにケアで気持ちよくなってもらうのが第一ですが、業務全体の効率化が図れるのも事実です。
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 さらに、わたしだったら夜中に巡回に来てほしくないですね。睡眠は認知機能が低下している人にとっても重要なものです。

 むしろ問題は、ベッドから出て倒れるのは、夜間の見回りの後というケースが圧倒的に多いことです。つまり、寝ているときに巡回で起こされたことによって、中途半端に覚醒してしまう可能性があるのです。本当に2時間ごとの見回りをしなければならないのかを検討する必要があると思います。病院や施設での職員による睡眠の妨げは、すでに重要な問題として論文もたくさん書かれています。

ユマニチュードの導入と同時に、旧来のケアに関するシステム全体を見直していかなければなりません。 簡単なことではありません。ですから わたしは「革命」と申し上げている んです。



なぜ、日本は寝たきり老人(推定50~60万人)が多いのか、制度・経済面から考える。

1.日本と欧米の「寝たきり老人数」の推定
・日本: 病院・介護施設等の寝たきり老人は約50万〜60万人(推定) と言われています(正確な数字は不明)。
・北欧: 「寝たきり老人はほぼいない」 と言われています。これは 数週間以上の長期にわたって寝かせきりにすることが倫理的に「虐待」とみなされる ため、徹底したリハビリや離床が行われるからです。
・アメリカ: 日本の1/6程度と言われています。

2. なぜ欧米には「寝たきり」が少ないのか
欧米で寝たきり老人の数が圧倒的に少ない理由は、医療方針と倫理観の違いにあります。
自力で食事ができなくなった高齢者に対し、日本のような「胃ろう」や「点滴」による強制的な栄養補給を行わないのが一般的 です。
・緩和ケアの重視: 延命よりも「残された時間のQOL(生活の質)」を優先し、自然な看取りを行う ため、寝たきりのまま数年も生き続けるというケースは稀です。
・リハビリの徹底: スウェーデンなどでは、たとえ体が不自由でも「椅子に座る」「車椅子で移動する」ことを重視 し、 日中に寝かせきりにすることを避けるケアが徹底 されています。

3.医療制度・経済的理由
日本で「寝たきり老人」が欧米に比べて多い背景には、死生観の違いだけでなく、日本の医療・介護制度特有の経済的・構造的理由が大きく関わっています。
(1) 患者・家族側の経済的負担の軽さ
日本の国民皆保険制度により、高齢者の窓口負担が非常に低く抑えられていることが、長期療養を経済的に可能にしています。
・低い自己負担率: 75歳以上の後期高齢者は原則1割(現役並み所得者は除く、生活保護対象者は無料)の負担で済みます。

・欧米との比較: 欧米では民間保険が主流だったり(アメリカ)、公的な医療予算の削減が進んでいたりするため、日本ほど安価に長期の延命治療を継続し続けることが経済的に困難な場合があります。

(2) 医療機関側の経営上のインセンティブ(診療報酬)
日本の病院経営において、長期入院や特定の処置が収益源となっている 側面があります。
・療養病床の存在: 急性期を過ぎても入院し続けられる「療養病床」が日本には多く存在します。 病院にとっては、空床を作るよりも延命措置を行いながら入院を継続させる方が経営が安定 しやすいという構造があります。
、経営上の理由からこれらの延命治療が積極的に提案されやすい傾向 があります。

(3) 社会的入院の構造
自宅で介護を行うよりも、医療保険や介護保険を利用して病院や施設に預ける方が、家族にとって経済的・心理的負担が軽くなる場合が多くがあります。
・介護・福祉リソースの不足: 欧米(特に北欧)では在宅ケアの人員が手厚い一方、日本は対高齢者人口比でのリハビリ職やケアワーカーが少なく、結果として「一度入院するとリハビリが進まずそのまま寝たきりになる」というケースが生じやすくなっています。

(4)法律の制約
・訴訟リスクと延命: 日本では「延命治療を中止する」ことに対する法的根拠が不十分なため、 医師が家族からの経済的・感情的な要望を断りきれず、訴訟を恐れて治療を継続せざるを得ない という構造があります。

(5)年金と家族側の経済的負担
「寝たきり老人」となった人の年金受給額が入院および介護の費用を賄って余りある場合は、「延命治療を中止する」選択は採られない可能があります。

これらの要因が重なり、日本では「食べられなくなっても人工栄養で数年単位の延命を行う」ことが一般的となり、結果として寝たきり高齢者の数が多くなっていると考えられます。

💛日本人の死生観(家族が胃ろうや点滴、経管栄養などの処置などで延命を願う)と
制度的・法律的欠陥(2~5)

改善への動き

日本慢性期医療協会は2026年2月12日に定例記者会見を開き、橋本康子会長が2026年度診療報酬改定に言及。
在宅復帰・寝たきりゼロ 」という日慢協の訴えや取り組みが加算の新設などの形で反映された改定と評価した。橋本会長は加算算定には一定の負担を伴うとした上で「寝たきりゼロを前に進めるためにリハビリを強化する」「医療の質を向上させるために積極的に取り組みたい」と意欲を示した。

次期改定では、急性期から慢性期、在宅まで一貫してリハビリテーションを強化する方向性が明確になった。急性期では「寝たきりを作らない」ための早期リハビリの評価が見直され、「休日リハビリテーション加算」が新設。慢性期では回復期リハビリテーション病棟入院料と摂食嚥下機能回復体制加算において在宅復帰の障壁となる「排泄」「摂食」を重視する見直しがそれぞれ行われる。

退院後においても生活を見据えたリハビリを強化するため、疾患別リハの実施上限が緩和されるなどの見直しが行われる。病棟以外での評価・指導が可能になり、公共交通機関の利用など、より実践的な生活訓練を行いやすくなる。こうした点を踏まえ、橋本会長は「自由度が上がり、患者さんのためになるような改定だと思う」と好意的に受けとめた。

橋本会長は、改定率についても言及。次期改定を通してすべての病院の赤字解消には至らないものの、 「医療の質向上のための積極的な取り組みをしている病院にとっては追い風の改定」 との認識を示した。





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最終更新日  2026.07.29 06:58:45


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