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ウクライナ軍の激しい抵抗を受けたロシア軍は、陸・空の多くの戦力を失ったとされる。 一説によれば陸軍は1/3を失い、ウクライナ侵略戦争に、陸軍は配備数が少ない最新鋭戦車T-14アルマータを投入、空軍は最新鋭のステルス戦闘機 SU-57 を爆装して投入しなければならないほど、戦力が払底しているとされる。 ということで、ロシア軍の攻撃は、ミサイル攻撃と砲撃による円強からの攻撃で、軍事施設、市街地をとわず徹底的に破壊したのちに瓦礫の街を占領するかたちになっている。 これらの攻撃に対抗すべくウクライナ政府が要望していた、長距離攻撃兵器がウクライナ軍で稼働し始めた。最大射程300kmとされるが、米国は短射程のミサイルを供与したとのこと。精密誘導可能な米国の高機動ロケット砲システム HIMARS の投入で、ロシア側に対してより効果的な反撃が可能になるが、その効果は限定的とされる。 キーウ中心部で爆発、ロシア攻撃か=米高機動砲を実戦投入―ウクライナ2022年6月26日 時事通信 ウクライナのメディアによると、首都キーウ(キエフ)で26日早朝、4回の爆発があった。クリチコ市長らの説明では、上層階が破壊された集合住宅で救助作業が行われ、負傷者2人が搬送された。がれきの下に人がいるとの情報もある。英BBC放送によれば、通信アプリ「テレグラム」のプーチン政権支持派のチャンネルは、ロシア軍の爆撃によるものだと主張した。 現場は市中心部に位置するシェフチェンコ地区。確認されればキーウ中心部への攻撃は極めて異例だ。隣接する地区の市民は取材に対し、空襲警報が鳴り響いたと証言した。 今月5日早朝にも中心部と川を挟んで対岸の2地区に対し、キーウへの着弾としては4月下旬以来となるミサイル攻撃があった。この際、ロシア国防省は「東欧諸国が供与した戦車などを破壊した」と発表したが、ウクライナ国鉄は南東部ダルニツァ地区の車両修理工場に被害が出たとして、「プロパガンダ」とロシアを非難していた。 一方、ウクライナ軍のザルジヌイ総司令官は25日、テレグラムで、米国が供与した高機動ロケット砲システム(HIMARS)が既に実戦投入されていると表明。「ウクライナ軍砲兵隊は、ウクライナ領内の敵の軍事標的にうまく打撃を与えた」と強調し、米国の人々に感謝すると述べた。 HIMARSの最大射程は約80キロで、米欧からこれまでに供与された火砲に比べて射程が長い。ウクライナ軍は東部ドンバス地方の地上戦でロシア軍に対して劣勢を余儀なくされており、欧米諸国の軍事支援加速が今後の戦況の推移を左右することになりそうだ。 ― 引用終り ― HIMARS(ハイマース)長射程の阻止砲撃用としてアメリカ陸軍が開発した装輪式自走多連装ロケット砲。 MLRS(装軌車両、重量25t)の小型版として主にアメリカ軍の緊急展開部隊である空挺部隊と海兵隊、迅速な輸送で集中的な運用が可能な軽歩兵師団に配備されている。 車両重量13.7tの装輪車両で乗員は3名。 227mmロケット弾6連装発射機を搭載している。 最高85km/h、航続距離480kmの機動性を有する。 反欧米同盟と化したBRICsの動きが気になるところ。
2022年06月27日
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プーチン大統領は、大ロシアの復活を目指しウクライナ侵略戦争を始めた。 クリミア半島のときのように、速やかな占領を目指したのだろう。 あわよくば旧式兵器を消費することで一掃し、最新兵器への入れ替えをすすめ、自国の兵器の優秀性を示し、輸出振興につなげることも考えたのかもしれない。 捕らぬ狸の皮算用をしたかは定かでないが、実践は兵器の実力を示した。 ロシア製兵器で欧米の兵器に対抗することはできない。 ロシア軍が開発中だと言う「とんでもない」5つの兵器Daniel BrownSep. 24, 2017 Business Insider プーチン政権が2000年に誕生して以来、ロシアの軍需産業は明らかに活気を取り戻している。しかし同時に、次世代の兵器に関して、技術的に実証されていない、滑稽とも思える開発計画を次々と明かしてきた。 例えば、ロシア政府は2015年、レーザー兵器を搭載した戦車を開発すると公言。2016年には、宇宙を拠点としたミサイル防衛システムを構築すると述べた。 こうした誇張や「半分だけの事実」、あるいは全くの嘘が続々と繰り出されるのには、おそらくさまざまな理由があるのだろう。 その主な理由として、「プーチンとその取り巻きがこだわる国家の威信と狂信的愛国心」を挙げるのは、米外交専門誌ナショナル・インタレスト(National Interest)だ。もちろん、広報上の戦略という面もあるだろう。ロシア製兵器のすごさを、見込み客にアピールしようとしているわけだ。 理由は何であれ、「とんでもない兵器」の開発計画がここ数カ月で少なくとも5つ発表されている。以下、紹介していこう。 ― 引用終り ― 以下記事からタイトルだけ抜き書き。 1.火星でも走行可能な戦車「T-14アルマータ」2.宇宙を飛ぶ次世代迎撃戦闘機「ミグ41」3.排水量11万5000トンの航空母艦4.宇宙から核攻撃可能な爆撃機5.アメリカ沿岸の海底に埋め込んだ核ミサイル これらの根拠の乏しいハッタリに騙されたふりをして、各国の軍関係者は、対抗策、装備の現代化が必要であるとして、自国の軍事予算獲得に奔走する。 これらの悪質なハッタリやデマは、実際の戦闘が行われることで事実の一端、現状が明確となる。 ロシアがアピールする最新兵器は「はったり」? 50年前「骨董品級」戦車も引っ張り出す事情2022/6/5 AERA dot. SF映画のようなレーザー兵器を投入したりミサイル防衛網の突破をもくろむ極超音速ミサイルの発射を行ったりしたかと思えば、半世紀前に製造された戦車をよみがえらせる――ロシア軍の兵器の運用は謎めいている。その裏には何があるのか、ロシア軍の兵器に詳しい軍事評論家の藤村純佳さんに聞いた。 … (略) …「開戦当初、ロシア軍の電子戦装備や防空システムの活動がかなり低調だったのですが、その要因の一つとして、燃料不足で発電機を十分に動かせなかったことが指摘されています。 ウクライナ軍は脆弱なロシア軍の補給路を断ったため、燃料が届かなかった。通常の電子戦装備以上に燃料を消費するであろうレーザー兵器を前線で使うのは、兵站(へいたん)上の負担が非常に大きい」 基地などの拠点防衛用にレーザー兵器を使用するのであればまだ理解できるが、これを前線に投入するのは現実的ではないという。「機動的な動きが要求される前線にレーザー兵器を持ち込んだところで、従来の防空システムさえまともに運用できないのに、本当に役に立つのか、かなり疑問です」 ■「極超音速」の信憑性 やはり4年前に公表された新兵器に極超音速ミサイル「キンジャール」がある。 今年3月19日、ロシア国防省はウクライナ軍の弾薬庫を「キンジャール」を使って破壊したと発表した。「ロシアだけでなく、日本のメディアも『極超音速ミサイルを使用した』と一部で報じていましたが、キンジャールが本当にそれに当たるのかというと微妙ですね」 藤村さんによれば、キンジャールはロシア軍が開戦当初から使ってきた地上発射型の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の空中発射型にすぎないという。「要するに、イスカンデルを航空機に搭載できるように少し形を変えただけです。一般的な極超音速ミサイルの定義は、極超音速で上下左右に機動するもので、それによってミサイル防衛網を突破することを目的とします。しかし、キンジャールの元となったイスカンデルはそれに当てはまりません」 … (略) … ■新兵器「心臓部」は欧米製「ほかに目新しい兵器といえば、ロシアが以前から開発してきた攻撃型ドローン『オリオン』がありますが、あまり活動しているようには見えません」 ロシア側が「最新」や「高性能」であると標榜する新兵器の数々。だが、実態として開発が進んでいなかったり使われなかったりする背景には、半導体を中心とした部品不足が影響している。「レーザー兵器やミサイルもそうですが、ロシアは心臓部に組み込む半導体を欧米に依存してきました。それが経済制裁で入手できなくなり、製造やメンテナンスが困難になっている。『新兵器』の使用はどんどん少なくなっていくと思われます」 戦車にしても、新しいタイプはウクライナ軍との戦闘でほとんどが失われた。 そんな中、英国防省は5月27日、ロシア軍が約50年前に製造されたT-62戦車をウクライナ南部に配備した可能性があると発表した。半世紀も前につくられた戦車、ということだ。 ― 引用終り ― 現用兵器の脆弱さは、最新兵器への不信感につながる。 ロシアが最新兵器を喧伝に努めるのは、抑止力としての役割とともに、ロシアが世界第2位の兵器輸出国だからに他ならない。 ここ数年、ロシアは630機以上のSu-30前線戦闘機を生産し、ロシア航空宇宙軍だけでなく、アルジェリア軍、アルメニア軍、中国軍、インド軍にも提供している。 最も多くのSu-30戦闘機を購入したのはインド。 ロシアから300機以上を購入し、注目すべきことに41機のMiG-29K/KUB艦上戦闘機が配備されている。 米国製に比べて安価なロシア製の兵器を数多く導入しているインドが、ウクライナ侵略戦争にともなうロシアの経済制裁などに消極的な理由のいったんと考えられている。 インドの仮想敵国は中国であり欧米の兵器に対抗するのでなく中国と戦うならロシア製兵器も有効化もしれない。 ロシア空軍が弱いのは何もかも時代遅れだったからロシアが撃つミサイルは10発のうち2、3発は飛ばないか途中で失速2022/06/07 PRESIDENT Online<ロシア空軍は物量だけで、精度や作戦はベトナム戦争以後兵器も戦術も飛躍的に進化させた米軍の30年前のレベル。ウクライナからルーマニアに続くザトカ橋を10回近く空爆して破壊できなかったのがその証拠だ:ウィリアム・アーキン> ロシア軍がウクライナ攻撃に使ったミサイルの数は第2次世界以降の最多を記録している。だが、航空戦の専門家が指摘するように、投じた物量の割に、ロシア軍の挙げた戦果はあまりに乏しい。本誌が独占的に入手したデータもそれを裏付けている。「この恐るべき数字を見てほしい。わずか2カ月余りで、ロシア軍はわが国の都市や町や村に2154発ものミサイルをぶち込んだ」ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週そう訴えた。「ロシアの爆撃は昼も夜もやまない」 ― 引用終り ― 膨大な航空戦力を投じてはいるが、いまだロシア軍は制空権 航空優勢を掌握してないので、高価なミサイルを多用することになる。 ウクライナ軍の使う欧米製の歩兵携行型地対空ミサイルの餌食となっている。 ロシア軍の戦車、装甲車は、欧米製の携行型対戦車兵器で吹き飛んでいる。
2022年06月23日
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西側諸国はウクライナに武器を供給すると発表したが、ウクライナは必要な量のごく一部しか受け取っていないと不満を示している。 5月6日にドイツがウクライナへの供与を発表したPzH2000自走榴弾砲が6月21日、ウクライナに到着した。 ドイツはロシアに気兼ねしてウクライナへの支援を遅らせたのではないだろう。 ドイツは有数の武器輸出国で高性能な戦車、対空戦車、自走砲を有する。だが近年、その多くが不稼働状態にあることが報じられていた。メルケル政権下、軍事予算は年々削り取られ、整備ができなかったためだ。 ウクライナも、部品不足で整備が必要な状態の兵器を受け取りたくはないだろう。 ウクライナ独の高性能自走砲「ようやく」配備2022年6月22日 AFPBBニュース ウクライナ国防省は21日、ドイツから供与された高性能自走砲を「ようやく」配備したと発表した。 ウクライナのオレクシー・レズニコフ(Oleksiy Reznikov)国防相はソーシャルメディアに「パンツァーハウビッツェ2000(Panzerhaubitze 2000)がようやくウクライナの155ミリ自走榴弾(りゅうだん)砲備蓄の一部となった」と投稿。ドイツのクリスティーネ・ランブレヒト(Christine Lambrecht)国防相に謝意を表した。 ドイツは先月、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対する重火器供与の一環として、自走砲7両を供与すると発表していた。ドイツは同型の自走砲を約100両保有しているが、実戦配備されているのは40両のみ。 ― 引用終り ― 平和が続いたドイツの陸軍のコロナ禍前、2019年の状態は下記の通り。 冷戦終結で国防予算が減る中、ドイツ陸軍は保有する装軌車両を減らして輸出、装輪車両に切替をすすめていた。 地上軍を空から支援する攻撃ヘリ「ティーガー」は、保有している53機中36機使用可能とされているが、実際の飛行任務に耐えられるのは12機(稼働率22%)。 急激な予算削減で体制を大幅に縮小せざるを得なかったのは陸軍ばかりではない。 ドイツ海軍や空軍の多用途ヘリ「NH90」は、複雑すぎる技術的な問題により75機中31機は修理中か定期的なメンテナンスを受けている最中で、44機しか使用できないとされ、実際に稼働しているのは9機(稼働率12%)だけと2019年に報告されている。 ドイツ「戦車王国」の黄昏稼働するのは全盛期のわずか3%どうしてそうなった?月刊PANZER編集部2019.02.11 乗りものニュース戦車といえばドイツ、ドイツといえば機甲師団、というイメージは、もはや過去のものかもしれません。実稼働数は、いまや自衛隊のそれよりも少ないといいます。復活の目はあるのでしょうか。 想像以上かも? ドイツ戦車の現状 ドイツ陸軍「レオパルト2」戦車の稼働数、68両――これは2017年12月に、ドイツ国防省から公表された「主要兵器システムの重要な運用準備に関する報告書」に記載された数です。桁(けた)が間違っているのではないかと、目を疑ってしまいます。この報告書によれば、ドイツ陸軍が保有するレオパルト2は244両ですが、うち176両は保管状態(その約70%は訓練なら使用可能)で、稼働状態にあるのは差し引き68両とのことです。 … (略) …冷戦終結から20有余年、「戦車王国」はどうなった? 1991(平成3)年12月25日、東側陣営の盟主だったソ連が解体され、東西対立の冷戦時代も終わります。ヨーロッパ各国は軍の体制を見直し、お金のかかる戦車を減らしていきます。2001(平成13)年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件」をきっかけに、先進国の軍隊は国家ではないテロ集団や武装組織など、「非国家組織」との戦闘に備えなければならず、世界中に素早く展開できるような体制に変わっていきます。戦車のような、大きく重たくお金のかかる装備ではなく、装輪(タイヤ)式装甲車など軽くて運びやすく、お金の掛からない装備が重視されるようになったのです。 1970年代には、当時の西ドイツには13個装甲(戦車)師団がありましたが、統一後、2010(平成22)年には2個装甲師団にまで削減されています。2000両もあった戦車も余剰となり、中古でも高性能で「人気車」であったレオパルトは、どんどん輸出に回されます。こうしてドイツの戦車は数を減らしていきます。 ― 引用終り ―
2022年06月22日
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ウクライナに侵略戦争を継続しているロシア対する一連の制裁発動を3月初めに発表した際、米国のバイデン大統領は、ロシアの戦争継続を可能にする資金マシンに米国と同盟国が「強烈な打撃」を与えることを望んでいると語った。 一方、資源大国・ロシアの収入は石油と天然ガスの輸出で1日平均8億ドル(約1040億円)に上るとみられ、戦費の有力な資金源となっている。 2022年5月30日~31日、EUの臨時首脳会議で、ロシア産石油の大半を輸入禁止とする追加制裁案に合意した。 2022年末までにロシア産原油輸入の9割を止める。これにより年間10兆円超のロシアへの支払いを断つ。 それらの対抗措置として、ロシアは、中国、イラン、インドなど様々な国々との貿易強化に走っている。 ロシア、中国やイランなどと「反欧米同盟」侵攻継続の戦費調達のため貿易関係強化2022年5月31日 東京新聞 ロシアがイランや中国と貿易関係を強化している。ウクライナ侵攻に伴う経済制裁で欧米との取引を失ったため、同じく欧米と対立する両国にエネルギーや鉄鋼製品を輸出し「反欧米同盟」を形成。侵攻継続のための戦費調達を図る構えだ。 ロシア紙コメルサントによると、イランの鉱工業貿易相は5月26日、ロシアと物々交換に関する合意を発表。イランはロシアから鉄鋼や亜鉛、鉛などを受け取り、代わりに自動車部品とガスタービンをロシアに輸出する。ロシアの発電所の修理なども含まれる。 ロシアでは対ロ制裁で欧米製の機械部品の輸入が停止しており、エネルギー監督当局は3月、老朽化した火力発電所の運営に支障が出るとみて「欧米企業に代わるサプライチェーン(供給網)の構築が必要」と訴えていた。米国の制裁に苦しむイランとタッグを組む構えだ。 産油国ロシアは欧州諸国による石油禁輸措置を受け、中国への輸出拡大を模索。米ブルームバーグ通信によると、中国は価格の大幅な割引をロシアに求めている。今年1~4月の中ロ間の貿易額は、前年同期比で25.9%増と急伸した。 また非同盟中立の立場ながらロシア製兵器の大口顧客であるインドも、ロシア産石油の輸入を急拡大させている。 欧米主導の「包囲網」の拡大阻止に躍起となっているロシアのラブロフ外相は5月25日、アフリカ諸国を「わが友人たち」と呼び、対ロ制裁の緩和に向けた協力を訴えた。 ― 引用終り ― 領土的野心に満ち溢れ、国際世論で自国の意に沿わない意見をすべて「内政干渉」として片づける中国にとって、ロシアの窮地は自国のチャンスとして活かされることだろう。 近未来の世界大戦は、ロシア、中国、インドの枢軸国と国際連合(連合国)の戦いになるのか。 戦わずして「熱核戦争」として終わるのだろうか。
2022年06月10日
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ウクライナの侵略戦争を継続するロシアを経済面で封じ込めようとする国際的な政策が継続している。 武力による「戦争」は採算度外視の経済行為であり、戦争を止めさせる即効性はないが、失うものの大きさ、深刻さから厭戦気分を増幅させる。 米、ロ産石油に関税提案G7財務相会合で、報道2022年5月17日 47NEWS ロイター通信は17日、米財務省がウクライナに侵攻したロシアの貿易収入を減らすため、ロシア産の石油に関税を課すことを提案する方針だと伝えた。19、20両日にドイツで開く先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で協議するという。石油禁輸の完全実施よりも早くロシアに打撃を与える狙いがある。 ロシア産の石油に対しては米国が禁輸を決め、日本も原則禁止すると表明した。 一方、対応を協議中の欧州連合(EU)では、ロシア産への依存度が高い国への影響が懸念されている。 ― 引用終り ― 5月17日、EUは、対ロシア制裁に違反することなくEU企業がロシア産ガス代金を支払う方法を改めて示した。EU企業がロシアのガス大手ガスプロムと結んでいる契約のほぼ全てがユーロまたはドル建てであり、ロシアに対する外貨の供給減の状態が続く。ロシアからのエネルギー資源の供給停止は、EU諸国にとって死活問題ことからのやむを得ざる対応となっている。 ロシアの石油などエネルギー資源に関税を課すことが合意された後、もっとも気になるのは、中国政府の振る舞い。 国連安全保障理事会の常任理事国として侵略戦争抑止の立場に立たないなら、常任理事国の資格要件が問題になると思われる。 いつまでも第二次世界大戦の連合国(国際連合)の主要戦勝国であったことが、安全保障理事会の常任理事国の要件で適切なはずはない。 どんなに経済(=国連分担金)が拡大しても、平和主義に基づき平和維持活動を継続・拡大しようとも、枢軸国の中枢であった日本、ドイツ、イタリアが常任理事国にけっしてなれない。 2022年3月2日、国連総会は3月2日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて「緊急特別会期/会合を開催し、ロシアに対して軍事行動の即時停止を求める決議案を141カ国の圧倒的賛成多数で採択した。 国連は、「平和のための結集」決議に基づき「緊急特別会期(ESS)」を開催し、平和維持部隊の派遣を含む軍事的強制措置を採択すべきとの声も出ており、ロシアと中国の侵略主義は国連の枠組みを組み替える契機になりそうだが、同時に国連解体の契機にもなりうるので、常任理事国の米国、英国、フランスを含め各加盟国は慎重だ。 2022年5月23日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)に中継で参加し、「ロシアやその他の潜在的な侵略者に、隣国への悲惨な戦争を踏みとどまらせる最大限の制裁が必要だ」と訴えた。 それでも、世界の経済中枢が、効果的なロシア経済制裁・封じ込めに踏み切ることができるかは、不明。 6月4日、ロシアのラブロフ外相は、西側の制裁によって石油輸出に影響は生じていないとし、2022年のエネルギー輸出利益は大幅に増加するとの見方を示した。 ラブロフ外相は、耐ロシアの経済制裁を歓迎しているわけではないだろう。 経済制裁でロシアは輸入が減り、すぐに減らすことができないエネルギー資源の輸出が同等であれば、国際収支が改善したかもしれない。 困っているのは様々の物品・物資の不足状態が続くロシアの国民ということになる。 ソ連時代に比べれば豊かな生活であろうから、プーチン大統領もラブロフ外相も「問題なし」と考えていることだろう。 すべては「偉大なるロシア」復活のためだ。 プーチン大統領はウクライナ侵略を有利な形でしか終える気はないし、ロシア政府は一度獲得した領土を返す気はない。 ロシア、今年のエネルギー輸出利益は大幅増制裁影響せず=外相2022年6月6日 ロイター ロシアのラブロフ外相は4日、西側の制裁によって石油輸出に影響は生じていないとし、今年のエネルギー輸出利益は大幅に増加するとの見方を示した。 ロシア外務省によると、同氏はボスニアのセルビア系テレビに対し「西側の制裁の結果として形成された価格水準を考慮すると、ロシアは財政面で全く損失を負っていない」と発言。「むしろ、今年はエネルギー資源輸出から得る利益が大幅に増加するだろう」と述べた。また「一般的に石油は政治の影響を受けない。需要が存在し、われわれには代替の市場があり、そこで既に販売を増やしている」と語った。 ― 引用終り ―
2022年06月07日
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ロシア・プーチン大統領が起こしたウクライナ侵略戦争は、ロシアの想定に反して遅々として進まない。 一方的に自国の領土が侵略されて、静かに引き下がる国民は世界でまれだと思う。 独裁者・プーチン大統領の思い込み、あるいは過去の成功体験から発した新たな侵略戦争は、政権寄りの富裕層からも反発が生じていると伝えられる。 ロシア軍の劣勢は、核戦争の危機の高まりを予感させる。 プーチン大統領「老兵&障害者」まで戦場投入の非情…ロシアの兵士不足が深刻に2022年5月23日 日刊ゲンダイDIGITAL ロシア軍によるウクライナ侵攻開始からまもなく3カ月。想定外の長期戦で死傷兵や従軍拒否が増え、ロシア軍の兵士不足が深刻になっている。プーチン大統領は年配者や障害者まで戦場に送り、戦争を続けるつもりだ。政権を支えるエリート層は我慢の限界に達しつつある。 ◇ ◇ ◇ ロシア下院は20日、志願兵の上限年齢を撤廃する法案が提出されたと発表。現行の入隊はロシア人で18歳から40歳まで、外国人で18歳から30歳までが認められているが、年配者も可能にする。下院のウェブサイトはこう説明する。〈上限年齢の撤廃によって、ロシア軍は年配の専門家の才能を活用することができる〉〈精密誘導兵器などを扱うには高度な専門家が必要。経験上、そのような専門家は40~45歳が多い〉〈また、民間の医療従事者やエンジニアなどのリクルートも容易になる〉 理由をいろいろと挙げているが、つまるところ上限年齢の撤廃は兵士不足が原因とみられる。ロイターの報道によると、欧州の米陸軍元司令官ベン・ホッジス退役将軍は「明らかにロシアの人々は困っている。上限年齢撤廃は国内世論を刺激せずに、人手不足を解消しようとする新たな試みだが、クレムリンがウクライナでの失敗をごまかすのは難しくなっていく」と語ったという。国民はうすうす、戦況の行き詰まりを感じているのだ。 ロシア軍の死者数について、ロシア国防省は3月25日の1351人を最後に更新していないが、ウクライナ側は約3万人が戦闘不能と主張している。 英国防省の分析によると、侵攻開始以降、ロシア軍は兵力の3分の1を損失。戦力損耗率が30%を超えると軍隊として機能しなくなるとされる。「老兵」までかき集めなければ、戦争を続けられないのだ。 ウクライナ保安庁のHPには片目しか見えなかったり、脳に障害があるロシア兵(捕虜)の証言が公開されている。兵士不足を解消しようと、プーチン大統領は障害者まで戦場に送り込んでいる可能性がある。 ― 引用終り ― ナチス・ドイツの独裁者・ヒトラーも敗戦が近づいたベルリン防衛に老人から少年まで、首都防衛に駆り出した。 軍部独裁の大日本帝国は「国民総動員」「1億火の玉」と称し、すべての国民を戦場に貢献させようとした。 いずれも破滅的への道筋なのだが、プーチン大統領には全人類を破滅的環境に導くことが可能な、核弾頭を有したICBM(大陸間弾道弾)がある。 地球人類の危機は迫っている。 5月20日、ロシアのショイグ国防相は、プーチン大統領に「ロシア軍がウクライナ南東部マリウポリとアゾフスタル製鉄所を完全に解放し、作戦は終了した」と報告した。ロシアとしては侵略戦争のやめ時だ。 ウクライナのゼレンスキー大統領は21日の地元テレビのインタビューで、ロシア軍を2月24日の侵攻開始以前の状況に押し戻せば「勝利」との認識を示した。 心ある人々はみな気が付いているのだろうが、人類が減れば、地球環境の改善に大きく貢献するだろうとの観点での論証・立論はされにくい。 米帝の横暴を断じ、着々と人類大幅削減の道を歩もうとするプーチン大統領は、暗黒のヒーローなのだろうか? あの国営放送が“プーチン戦争”批判を展開!ロシアでいま起こっていること公開日:2022/05/19 14:20 更新日:2022/05/19 14:20 日刊ゲンダイDIGITAL いよいよロシア国内で表立った造反の動きが出てきた──。ロシア軍が苦戦し、ウクライナ侵攻の行く末が見通せないこともあって、有力者や政権内部からの批判を、国営放送が公然と放送し始めている。もう誰もプーチン大統領についていけないということなのか。今後、国民からの支持も失いかねない。 ◇ ◇ ◇「全世界がロシアと敵対している」「状況はこれから悪化する」 16日、国営放送「ロシア1」の番組内で淡々とこう話したのは、ロシア軍退役大佐で軍事アナリストのミハイル・ホダレノク氏だ。 ■プロパガンダを真っ向批判 ― 引用終り ―
2022年05月30日
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2022年5月9日、ロシア・プーチン大統領は、「戦勝記念日」の演説でウクライナとの戦争状態を宣言しなかった。 ウクライナ侵略は、ロシアにおいては「特別作戦」のままだ。 国際政治の舞台では、多くの国々がウクライナ侵略を「戦争状態」と認識し、各種の外交政策、軍事物資の供与が行われている。 そしてついに世界一の軍事産業国家、米国が2022年5月9日「武器貸与法」を成立させた。 アメリカで「武器貸与法」成立ウクライナへの支援が加速へ2022年5月10日 NHK アメリカで、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナなどに対して軍事物資を迅速に貸与することを可能にする法律が成立しました。バイデン大統領は「ウクライナへの支援は今が極めて重要なときだ」と述べて、支援を加速させていく考えを示しました。 ウクライナを支援するための「レンドリース法=武器貸与法」は、ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナや近隣の東欧諸国に対して、来年9月末までの間、軍事物資を貸与するための手続きを簡略化し、迅速に提供することを可能にするものです。 バイデン大統領が9日、ホワイトハウスで署名し、法律が成立しました。 「武器貸与法」は、第2次世界大戦中にも制定され、ナチス・ドイツと戦うイギリスなどに対して武器や装備を提供し、大きな役割を果たしたとされています。 ― 引用終り ― ロシア軍は損失に対して補充が追い付いていないとされている。 ロジスティクスに長けた米国は、世界一の軍事産業国家であり、その兵器供給力も世界一だ。この度の武器貸与法成立で、ウクライナの継戦能力は飛躍的に高まったと推測される。 第二次世界大戦中、1941年3月11日に成立した武器貸与法(レンドリース法: Lend-Lease Acts)に基づいて、米国は1941年から1945年にかけて、英国、ソビエト連邦(ソ連)、中華民国、フランス、その他の連合国に対して、軍需物資を大量に供給した。 ソ連空軍は、18,700機の航空機を受領した。これはソビエトの航空機生産の14%、軍用機の19%を占めた。 ソ連陸軍は、M3軽戦車、M3中戦車、M4中戦車、M10駆逐戦車などが貸与された。 ソ連製T-34中戦車の活躍は有名であるが、米国製 M4・シャーマンはその性能と信頼性の高さからエリート部隊である親衛戦車師団(機甲師団)に優先配備された。
2022年05月17日
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ポーランド、チェコ、スロバキアは、ソ連・共産党、ロシアが大嫌いだ。 幾度も国土を蹂躙され、ソ連時代は、民主化を阻止された。 ●プラハの春 プラハの春は、1968年に「人間の顔をした社会主義」の名の下ですすめられた、チェコスロバキアの民主化運動。 ソビエト連邦軍主導のワルシャワ条約機構軍による軍事介入により、チェコスロバキア全土を占領下に置き、推進役であるドゥプチェク第一書記を拘束し、民主化は阻まれた(チェコ事件)。 かつて、ポーランドでは憎きロシアに日露戦争で勝った国として日本の評判がよかった。 国民・国家的脅威であるロシアによる侵略を妨げるべく、東欧諸国はロシアに対し、様々の外交・国防政策を講じている。 ロシアに敵対することもあれば、すり寄ることもある。 EU加盟国であるポーランドは、NATOの正式メンバーであり、旧ソ連圏からEUに加入した国の中で最大の国だ。 ポーランド財務省によると、EUから受け取った援助金の額も1000億ユーロ(約13兆円)と、加盟国で最大となっている。 多くのポーランド国民は、外国が内政に影響を及ぼすことへの不安・不満があり、ベラルーシ経由の難民の増加などもあり、右傾化している、NATOに対して否定的意見が増えているとされた。 2021年10月、ポーランドのモラウィエツキ首相は、「ポーランドがEUを離脱することはない」と宣言し、野党を批判した。 ロシアのウクライナ侵略により、ポーランドの世論の気運が大きく変わった。 ロシア大使に赤い液体戦勝記念日に献花の墓地で ポーランド2022年5月10日 NHK ロシア各地で第2次世界大戦の戦勝記念日に合わせて記念式典が行われた9日、ウクライナの隣国ポーランドでは旧ソビエト兵の墓地を訪れた現地のロシア大使が、ウクライナへの軍事侵攻に抗議する人たちから赤い液体をかけられる事態がありました。 液体をかけられたのは、ポーランドに駐在するロシアのセルゲイ・アンドレーエフ大使で、第2次世界大戦で従軍した旧ソビエト兵の墓に献花するため首都ワルシャワの墓地を訪れたところ、待ち構えていた人たちから顔などに赤い液体を投げつけられました。 現場の映像には、大勢の人がウクライナ国旗を掲げたり、「独裁者」や「殺人者」などと叫んだりして、ロシア大使を取り囲む様子が映っています。 ― 引用終り ― ポーランド国民は、ポーランドの緊急かつ重大な脅威を「ロシア」と認識した。 ポーランドが敵対的な言動「脅威の源」の恐れ=ロシア大統領報道官2022年5月7日 ロイター ロシア大統領府のペスコフ報道官は6日、ポーランドの言動が敵対的になっているとし、同国が「脅威の源」になる可能性があると述べた。 欧州連合(EU)加盟国であるポーランドはEUに対ロシア制裁の強化を求める動きを主導しているほか、北大西洋条約機構(NATO)に対しウクライナに兵器を提供するよう呼びかけている。 ポーランド安全保障局のスタニスワフ・ザリン報道官は電子メールで、ロシアはポーランドがウクライナの領土保全に対する脅威になると示唆するなど、数日前からポーランドに関する偽情報を組織的に拡散していると指摘。「ロシアはポーランドとウクライナの間に不信感を作り出そうとしており、ポーランドが東欧で紛争を引き起こす危険な国であるというイメージを植え付けようとしている」とした。 ― 引用終り ― 2022年3月、Mig-29をポーランドが28機、スロバキアが12機、ブルガリアが16機+Su-25 14機の計70機をウクライナに提供することが報じられた。 2022年5月10日、ポーランドは、ロシアの軍事侵攻によるウクライナのエネルギー不足解消に向け、石油製品の供給を拡大する方法を模索していると報じられた。
2022年05月13日
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2022年4月3日に行われたハンガリーの国民議会選挙で野党は打倒オルバン政権を目指して共闘した。 結果は、オルバン首相が率いる与党の圧勝となった。 2021年6月、ハンガリーで、学校教育や広告で18歳未満の目に触れる形で同性愛や性転換を扱うことを禁じる新法が成立したが、法律はLGBT差別だとして西欧諸国から非難や「EUから出ていけ」などと怒りの声が噴出していた。 ハンガリーは、歴史的経緯とロシア産のガスや石油にエネルギー供給の多くを依存している関係もあり、対ロシア制裁の強化に反対してきた。ロシア産ガス代金のルーブル払いにも応じる姿勢をみせた オルバン政権の続投で、法の支配や対ロシア経済制裁強化を巡って、今後EUとの対立が先鋭化する可能性がある。 4月11日、ハンガリーのシーヤールトー外相は、ロシア産天然ガスの代金支払いについて、ロシア国営ガスプロムを介してユーロで支払うことで、ガスプロムがルーブルに換えてルーブル払いの要求を満たせるとの見解を示した。対ロシア制裁違反にはならないとした。 また、シーヤールトー外相は「ルーブル払いに関しては、いかなる制裁も違反せずにガスを確保できる解決策がある」と語った。 マジャール スズキは、スズキの完成車組み立て工場を持つハンガリー現地法人で(出資比率、スズキ97.3%、伊藤忠商事2.5%など)。 マジャール スズキは、ハンガリー国内や東欧諸国や、西欧市場に向けた欧州全域に対してのスズキ車の一大生産拠点となっている。 2021年のメーカー別新車登録台数でスズキは1万7,650台(前年比19.4%増、シェア14.5%)と、6年連続で首位を維持している。 ロシアのウクライナ侵略戦争が長引き、EUの経済制裁が長期化すると、フィンランド・オルバン政権のEU内での孤立が想定され、マジャール スズキの稼働、輸出が懸念される。 【解説】長引く侵攻…5月9日「戦勝記念日」ロシアでの“意味合い” 今後のポイントに2022年4月4日 日テレNEWS ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、首都キーウの北西にあるブチャで、ロシア軍による虐殺が行われた可能性があります。 各国は非難し、イギリスのジョンソン首相は制裁を強化するとの見解も示しています。 一方、ロシアのプーチン大統領の健康不安説が報じられています。今後に影響はあるのでしょうか。 侵攻が長引く中、専門家によると、来月9日に迎える、ロシアの「戦勝記念日」が一つのポイントになるのではないかといいます。 ― 引用終り ― スウェーデンとフィンランドはNATO加盟の姿勢を見せている。 4月13日、ロシアと国境を接するフィンランドのマリン首相が、NATO(北大西洋条約機構)の加盟について、「数週間で結論が出る」と明らかにした。こうした動きにロシアは反発し、核配備をはじめ「防衛体制を強化する」と警告を発している。 焦点:露国境のフィンランド住民、暗黒時代振り返り不安な日々ロイター編集2022年4月17日 ロイター ロシアと国境を接するフィンランド東部イマトラの国境検問所は、かつて旅行客でごった返していたが、今は人けが無い。ロシアのウクライナ侵攻以来、この街の住民は巨大な隣国に不安な目を向けながら暮らしている。 人口2万6000人のイマトラは、全長1300キロメートルに及ぶ陸の国境に9カ所設けられた検問所の1つがある場所だ。 コロナ禍前、この検問所はショッピングやスパ旅行、友人や親戚を訪ねるといった目的でフィンランドを訪れるロシア人を毎週何千人も迎え入れていた。 しかしロシアがウクライナに侵攻してからというもの、イマトラは「穏やかでない客」の到来を恐れるようになっている。フィンランドが、安全保障政策の一大転換点となる北大西洋条約機構(NATO)加盟を検討するようになったのは、そうした懸念が契機だ。 … (略) … フィンランドは長らく、ロシアと友好関係を保つために対立を避けてきた。 しかしマリン首相は13日、同国がNATO加盟を検討し始めた今、ロシアからのあらゆる反応に備えなければならない、と述べた。NATO加盟申請については数週間以内に結論を出すとしている。 ― 引用終り ―
2022年05月05日
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汎ゲルマン主義は、19世紀末よりドイツ人の間に生じた民族的な優越と膨脹を主張するイデオロギーで、ゲルマン民族の団結と世界の制覇達成を主張する思想・運動だった。 ナチスは、汎ゲルマン主義的な考え方を利用して、ナチス・ドイツによる侵略、領土拡大を推進した。 ソビエト連邦が建国する前、汎スラヴ主義は、スラヴ民族の連帯と統一を目指す思想運動だった。 プーチン大統領が抱く旧ソ連並みの大ロシア復活構想・妄想は、汎スラブ主義が基盤と考えられる。 汎スラブ主義出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ロシア主導の汎スラヴ主義 19世紀後半、オスマン帝国の衰退が明らかになると(いわゆる「東方問題」)、ロシア帝国はバルカン半島への勢力拡大のために汎スラヴ主義を唱えるようになる。こちらは主にバルカン半島においてギリシア正教会の信仰を同じくするスラヴ諸民族の連帯であり、一般に「汎スラヴ主義」と言った場合には当時の汎スラヴ主義運動を指すことが多いが、その結実した時期は非常に短い。 第一次世界大戦の起源として、ロシア帝国主導の汎スラヴ主義とドイツ帝国・ハプスブルク君主国主導の汎ゲルマン主義の衝突の構造を推定するのは、一般的には行われているが、疑問が残る。 ロシア主導の汎スラヴ主義が結実するのは、1912年にロシアの外相セルゲイ・ドミトリーイェフ・サゾノフの尽力によってバルカン同盟が結成されたときであった。しかしバルカン同盟諸国は各々別の思惑で同盟に参加し、結束は弱かった。そのため、1912年から1913年に第一次バルカン戦争が行われると、オスマン帝国から獲得した領土を巡って同盟諸国が分裂した。 この分裂の結果、1913年中にバルカン同盟加盟国であったブルガリアがギリシアに攻撃を仕掛けて第二次バルカン戦争が勃発、バルカン同盟は崩壊した。汎スラヴ主義者、とくにロシア帝国内の汎スラヴ主義者はこれに失望し、汎スラヴ主義も終焉を迎えることとなる。 特に戦後から第一次世界大戦にかけてロシアが度々ブルガリアとセルビア・ギリシアの関係修復を試みたにもかかわらず、ブルガリアが両国に奪われたマケドニア地方の割譲を要求し続けたことは、スラヴ諸国の連帯が幻想であることを見せつけることとなった。結局、ブルガリアはマケドニアの領有を目指して第一次世界大戦では他のスラヴ陣営とは決別、中央同盟国側に立って参戦してセルビアを壊滅に追いやることになる。 そして第一次世界大戦中の1917年にロシア革命が発生し、ソヴィエト政権が単一民族優位主義を否定したため、大国ロシアが主導する汎スラヴ主義は名実ともに消滅することになった。 ― 引用終わり ― 単独民族で完結できるような、領土構想を一体化した民族主義、自分たちの生存権と称する空間を勝手に設定して他国の人々の生活を脅かすような行為は、ネット社会が高度化した現代において理解・支持を得られない。 SDGsがグローバルに支持されているように、人類が協力・連携して、地球環境を改善することが、果たすべき責務の筆頭、喫緊の課題とされる時代である。
2022年04月19日
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ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊で、民家や残された遺体などに地雷が仕掛けられていたと、4月2日、ウクライナのゼレンスキー大統領がビデオで明らかにした。米撤退後の地域で多数の地雷が見つかり、ウクライナ軍は処理に追われているという。 ウクライナに展開するロシア軍部隊の司令官20人のうち7人が死亡したとの報道があり、指揮命令系統がかなり混乱していると推測される。ロシア軍は系統だった組織として行動できず、最前線の様々の武器を持った兵士が、コントロール不能となったり、自暴自棄やに陥っていることが想像される。 非人道的とされる対人地雷(Anti-personnel mine)のロシア軍による使用も報告されている。 ウクライナ:ロシアが禁止されている対人地雷を使用地雷は民間人の生命を脅かし、復興を長期化する2022年3月30日 HUMAN RIGHTS WATCH ウクライナで戦闘中のロシア軍が、東部ハリコフ州で禁止されている対人地雷を使用したと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日発表した。 この対人地雷は2022年3月28日、ウクライナの爆発物処理技術班が発見した。ロシアは、新たに敷設されたこの地雷を所有していることが知られている。この地雷は半径約16mで無差別に人を殺傷する能力がある。ウクライナはこの型式の地雷やその展開システムを保有していない。 「世界の国々は、ロシアがウクライナで禁止されている対人地雷を使用していることを強く非難すべきである」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの武器局長スティーブ・グースは述べた。「こうした兵器は戦闘員と文民(民間人)を区別せず、長年にわたって生命を脅かす元となる。」 … (略) … ロシアが使用した地雷は新型のPOM-3(通称「メダリオン」)だ。振動センサーを搭載し、接近する人を感知して爆発物を空中に放つ。この地雷について公開されているわずかな情報によると、この爆発物が空中で爆発し、金属片を飛散させることで、半径16m以内に死傷者が出る可能性があるという。 POM-3は、敷設後一定時間(数時間から数日)経過後に地雷を破壊する自爆装置を備えているとされる。 地雷は、専用に設計された地上発射装置から発射されたロケットで展開されたと見られる。この様子が日付不明の動画として録画され、3月26日にソーシャルメディアに投稿された。発射に失敗したPOM-3地雷と一緒に写っている運搬用キャニスターの残骸にある文字から、2021年に製造されたことがわかる。 ― 引用終り ― 比較的安価で数多く使われる小型の対人地雷は、敵兵の即死による殺害ではなく負傷による無力化を目的としている。多数散布されることが多いので、どこに地雷が存在するかは使用した側でも不明であることが多い。小型地雷の撤去は困難を極める。 地雷の多用は停戦後の復旧、復興活動の大きな妨げとなり、市民の被害も懸念される。 対人地雷は平時の市民を無差別に傷つける可能性が非常に高いことから、国際条約で使用が禁止されている。 対人地雷の生産、貯蔵は、条約においても禁止されていない。 使用はモラル的に禁じられているが、条約を批准していない国々、非正規軍を中心に使用される可能性は大きい。 日本国・外務省公式サイト地雷問題・対人地雷禁止条約(オタワ条約)の概要1 地雷問題の沿革 カンボジア,アフガニスタン,アンゴラ等の紛争地域を中心に埋設された地雷は,非戦闘員である一般市民に対し無差別な被害を与えるという,人道上極めて重大な問題を引き起こし,また,そうした地域の紛争終結後の復興と開発にとって大きな障害となっている。 2 国際社会の取り組み(1)契機 1990年代初頭より対人地雷問題に関する国際社会の関心が高まり,ICRCやブトロス・ガーリ国連事務総長(当時),クリントン米大統領(当時)等がイニシアチブをとって対人地雷問題への取り組みの必要性を訴えた。(2)特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)改正議定書IIによる規制 1980年に採択されたCCWの地雷等に関する議定書(議定書II)は,対人地雷が主に使用される内乱には適用されず,また,探知不可能な地雷等を禁止していないなどの問題点を内包していたことから,地雷問題に関する国際的な機運の盛り上がりを受けて,1996年5月,同議定書が改正された。この改正議定書IIは内乱にも適用され,また,探知不可能なもの及び自己破壊装置のないものなど,悪質な対人地雷を原則使用禁止とし,移譲の制限が盛り込まれるなど規制の内容が強化された。2017年9月末現在,日本を含め104か国が締結している。他方,この改正議定書IIも対人地雷の「生産」,「貯蔵」を禁止はするには至っておらず,また,「使用」や「移譲」の禁止に関しても一定の条件の下の規制となっており,全面禁止とはなっていない。 ― 引用終り ―
2022年04月09日
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ウクライナ侵略戦争を停止させるための世界各国による経済制裁の影響で、米ドルなど外貨準備が凍結されているため、3月16日以降、米ドル建て国債の利払いのたびにロシアのデフォルト(=債務不履行)が噂される。 情報BOX:ロシア、綱渡りの「デフォルト回避」継続できるか2022年3月31日 ロイター ロシアは、ウクライナ侵攻を受けた西側諸国による大規模な経済制裁を科せられながらも、今のところ対外債務で何とかデフォルト(債務不履行)を回避している。 だが、返済は難しさが増す一方、ロシア政府が欧州向け天然ガス供給を止めると脅していることも、自らハードルを上げているように思われる。現時点で実際にデフォルトが発生すれば、状況がどのように変わり、新たな事態がどのように起きるのか検証した。 ◎デフォルトに陥った国で起きること ロシアが今後やってくる債務返済について、期限内に実行できないか、指定されたドルやユーロなどでなくルーブルで支払った場合、デフォルトの要件が満たされる。 ロシアのデフォルトが現実味を帯びたのは、2月24日のウクライナ侵攻と、それに伴う西側の経済制裁の発動以降。この制裁で、ロシア政府が保有する数千億ドル規模の外貨準備が凍結された。 西側の制裁により、ロシアは既に国際金融資本市場から閉め出されている。しかし、デフォルトを引き起こせば、債権者側が返済金の全額を受け取り、デフォルトに起因する訴訟が解決するまで、金融市場に戻ってくることができなくなることを意味する。 アルゼンチンなど他国のデフォルトの際には、海軍艦艇や大統領専用機など国の実物資産まで差し押さえようと動く債権者の姿が見られた。 ロシアの大手国営エネルギー企業は、欧州の重要なガス関連インフラの一部権益を所有しているだけに、どんな展開になるのか、様々な疑問が渦巻くことになるだろう。 ロシアと通常の貿易をしている国や企業が、デフォルトに陥った団体との取引を禁止する自主ルールを制定している場合も、悩ましい事態になりかねない。 将来的に制裁が解除されたとしても、国際金融資本市場におけるロシアの評判が容易に回復することはないだろう。そのためロシアの信用格付けが圧迫され、政府や企業の借り入れコストを押し上げるとみられる。 ◎これまでの経緯 ロシアは3月分の対外債務支払いを続け、自国通貨建てでは1998年の財政危機以来、外貨建てでは1917年のロシア革命以来となるデフォルトを免れている。ロシア革命直後に成立したソビエト連邦政府は、ロシア帝国の債務継承を拒否した。 今週になってロシア政府は、4月4日に償還期日を迎える額面20億ドルの国債について、ルーブル建てで元本償還に応じる方針を表明し、デフォルトリスクを高めている。4月4日の償還は、年内のロシア債務返済として最大規模だ。 ロシアがルーブルでの支払いを望まない債権者に受け取りを強制しない限り、通常はデフォルトとはみなされない。それでも綱渡りは続く。 主要格付け会社はロシアの格付けから撤退し、何が起きてもデフォルトが宣告されないことが、状況を複雑にしている。 ◎次の展開 31日には4億4700万ドル相当の対外債務の利払いを迫られる。ロシアがその支払いに応じるとしても、なお問題山積だ。 西側の制裁は、ロシアの財務省、中央銀行もしくは政府系ファンドとの取引を禁じている。米財務省外国資産管理室(OFAC)は3月2日に「債券ないし株式の利子や配当、償還金受け取り」を目的とする取引は禁止対象から除外する通達を出した。 だが、有効期限は5月25日まで。それ以降にもロシアは年内に総額約20億ドルの対外債務を返済しなければならない。 アナリストによると、4月4日の返済を乗り越えた場合、次のヤマ場は5月27日。OFACの通達失効後、初めての支払いになるからだ。 ロシアはルーブルで支払い、それをロシアの銀行口座に入金せざるを得なくなってもおかしくない。同国財務省は、この方法は「フォールバック・オプション(当初の決済方法が不可能になった場合の切り替え手段)」だと主張している。 ただ、ドルでの支払い義務が法的に定められている以上、ルーブル決済はデフォルトの要件に該当する。 ロシアの外貨建て債は合計15本で、総額は約400億ドル。ウクライナ危機前の段階では、そのうち200億ドル前後をロシア国外の投資ファンドと資産運用会社が保有していた。 ― 引用終り ― 3月31日、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、「非友好国」顧客のロシア産ガス購入について、契約に記載された通貨でルーブルを購入することが必要になると述べた。暴落するルーブルを集める効果(=買い支え)がありそうだ。 孤立しつつあるロシアの数少ない盟友、中国がロシアに米ドルを融通することはないのだろうか? 北朝鮮がロシアのために大量の米ドルを印刷する、なんていうのも楽しそうだ。
2022年04月06日
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4月1日、ロシア西部ベルゴロド州のグラドコフ知事は、通信アプリ「テレグラム」で、ウクライナのヘリ2機が州都ベルゴロドの燃料貯蔵庫を攻撃したと主張した。ロシア軍はこれを根拠に、ウクライナでの軍事作戦を強化する恐れがある。 一方、防戦一方のウクライナ軍は、ロシア軍の後方を攻撃する兵器を手に入れ、ウクライナ領内でロシア軍に対して攻勢に出ることになる。 ウクライナに長射程砲提供へ=装甲車両、訓練支援強化―多国間会合2022年4月1日 JIJI.COM 英政府は3月31日、ロシア軍の侵攻下にあるウクライナへの軍事支援を話し合うオンラインの多国間会合を主催し、支援拡大で合意した。防空・沿岸防御のための兵器、長射程砲の提供が検討されている。 ウォレス英国防相は会合後にテレビ番組で、ロシア軍がウクライナの都市部に対し、遠方からの砲撃を強化していると指摘。「これに対抗するにはより射程の長い砲がふさわしい」と述べた。 これまでに米欧からウクライナに供与されたのは、携帯型の対戦車ミサイルなど射程の短い兵器が多い。会合ではこのほか、装甲車両の提供や訓練などでも支援を強化する方針が決まった。英PTI通信によると、会合には米国や日本、韓国など30カ国以上が参加した。 ― 引用終り ― 武力紛争は理性的ではないので、合理的な時期に終わることはない。 ウクライナ陸軍の地上兵科で長距離攻撃を主な任務とするのは下記。 ・第15ロケット砲兵連隊 - 9K58 スメーチ(BM-30スメーチは多連装ロケットランチャー)・第19ミサイル旅団 - 9K79-1 トーチカ-U(OTR-21トーチカは自走式戦術弾道ミサイルシステム)・第27ロケット砲兵旅団 - 9K57 ウラガン(BM-27ウラガン は自走式多連装ロケットランチャー)・第43独立砲兵旅団 - 2S7 ピオン(2S7ピオンは203mm 自走カノン砲)・第107ロケット砲兵旅団 - 9K58 スメーチ 旧ワルシャワ条約機構所属国から旧ソ連系兵器をウクライナ軍に送るなら、送った側の国々は、NATOの現用兵器を手にすることになる。 ロシア・プーチン大統領のウクライナ侵略戦争は、NATO諸国の危機意識を喚起し、団結力を高めた。
2022年04月05日
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小国で、経済的に停滞しているが懸命にウクライナからの避難民を受け入れているモルドバは、ウクライナの危機を自らの危機と感じている。 KGB出身のプーチン大統領による、旧ソ連地域の侵略のプロセスは類型化できる。 旧ソ連地域のロシア系住民の独立要求 旧ソ連地域の国内のトラブル ↓ 独立運動・反政府活動の醸成 SNSの活用によるロシア系住民の迫害のでっちあげ ↓ 要請に基づくロシア軍駐留 ↓ 選挙による独立またはロシア駐留軍による実効支配 チェチェン紛争(チェチェン共和国)、カザフスタン西部地域反政府活動(カザフスタン)クリミヤ半島併合(ウクライナ)などが上記の構図となっていると思う。 モルドバはウクライナと同様、ロシアの侵略の危機(トランスリトアニア問題)を抱えており、ウクライナがロシアに侵略されたら、次はモルドバが侵略の危機に曝されると感じているはずだ。 ロシアの飛び地・カリーニングラード州に接しているバルト三国もモルドバと同レベルの高い危機感を感じているであろう。 旧ソ連地域の次は旧ワルシャワ条約機構加盟の東欧諸国の危機が始まる。 世界大戦レベルの危機なのだが、核戦争回避が優先され、多国間の武力直接対決とはなっていない。 外務省モルドバ共和国一般事情1 面積 3万3,843平方キロメートル(九州よりやや小さい)2 人口 264万人(2020年:モルドバ国家統計局。トランスニストリア地域の住民を除く)3 首都 キシニョフ(ルーマニア語読みでキシナウ)4 民族 モルドバ(ルーマニア系)人(75.1%)、ウクライナ人(6.6%)、ロシア人(4.1%)、ガガウス(トルコ系)人(4.6%)等(2014年:モルドバ国勢調査)5 言語 公用語はモルドバ(ルーマニア)語。 ロシア語も一般に通用。 … (略) …5 内政(1)政治情勢 2001年から2期連続で親露の共産党が政権を担った後、2009年7月以降は、欧州統合路線を目指す政党が政権を握ってきた。 2019年2月の議会選挙の後には、これまでの既得権益を排除する目的で親欧州の選挙ブロックACUMと親露の社会党が連立交渉を妥結させ、サンドゥACUM共同議長を首班とする内閣が発足した。しかし、政権運営を巡ってACUMと社会党の対立が顕在化。 2019年11月、連立与党の社会党が野党と協力してサンドゥ内閣に対する内閣不信任決議案を採択。同月、社会党が中心となって、キク内閣を発足させた。 2020年11月、大統領選挙において、モルドバ社会に根付く汚職体質や長引く経済的困難など現状からの「変革」を訴えたサンドゥ元首相が現職のドドン大統領を破り当選。大統領選挙で示された民意を背景にサンドゥ大統領は議会を解散に追い込み、前倒し議会選挙を実施。その結果、サンドゥ大統領が実質的に率いる「行動と連帯党」(PAS)が単独過半数を獲得した。 (2)トランスニストリア問題 ロシア系住民が入植し、ロシア軍の駐留するトランスニストリア地域が1990年9月に「独立」を宣言し、1992年には本格的な武力紛争に発展(トランスニストリア紛争)。 現在は停戦状態にあるが、モルドバ政府の実効支配が及んでいない。 問題解決に向けた枠組として、当事者・仲介者であるモルドバ、トランスニストリア地域、ロシア、ウクライナ、OSCEに、オブザーバーの米国、EUを加えた「5+2」協議があり、教育、運輸、電話通信、環境等の分野での協力に関する合意文書が署名され、日常的に生じる問題解決に取り組んでいるが、根本的な問題解決の目処は立っていない。 外交・国防1 外交基本方針 憲法に中立主義が明記されている。 長期的な外交目標はEU加盟。近隣諸国との関係を重視。 エネルギー分野ではロシアに大きく依存。 2 軍事力 地上軍と空軍で構成。地上軍は歩兵部隊を中心に約3,250名。空軍は約600名で輸送機、ヘリコプターを保有。徴兵制を維持。(出典:ミリタリー・バランス2019) なお、トランスニストリア地域は、「政府軍」として「地上軍」を保有。 同地域には共同平和維持部隊要員を含め約1,500名のロシア軍部隊が駐留。 経済1 主要産業(産業別構造比) 卸・小売業(20.7%)、製造業(14.0%)、農林水産業(9.5%)、不動産(7.3%)情報通信(5.0%)(2020年:モルドバ国家統計局)2 GDP 119億ドル(2020年:IMF)3 一人当たりGDP 4,523ドル(2020年:IMF)4 経済成長率 -7.0%(2020年:IMF)5 物価上昇率 4.4%(2020年:IMF)6 失業率 8.0%(2020年:IMF)7 総貿易額(2020年:モルドバ国家統計局)(1)輸出24.9億ドル(2)輸入54.2億ドル … (略) …12 経済概況 農業・食品加工業以外の基幹産業に乏しい。市場経済移行中であり、IMFと協調して構造改革に取り組んでいる。 経済協力1 主要ドナーの対モルドバ経済協力実績(2018年 支出総額ベース 単位百万ドル)(1)米国(38.37)(2)スウェーデン(16.04)(3)ドイツ(13.01)(4)スイス(11.49)(5)チェコ(3.67)(6)日本(1.21) ― 引用終り ― プーチン大統領はロシアの危機を訴えるが、世界にとっては熱核戦争を実行可能な「ロシア」が人類の危機の根源となっている。
2022年04月04日
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ロシア軍はウクライナ軍の反撃と食料や燃料など深刻な補給不足に直面し、ウクライナの首都キエフへの侵攻が停滞しているとされる。 ロシア戦闘力ウクライナ侵攻前の90%に低下=米高官ロイター編集2022年3月23日 REUTERS 米国防当局者は22日、ロシアの戦闘力について、ウクライナ軍事侵攻前の約90%に低下したとの見方を示した。ロシア軍死傷者が増加している可能性がある。 ロシアは2月24日のウクライナ軍事侵攻前、国境付近に15万人以上の兵力を集結させ、本格的な攻撃のための戦闘機や戦車などを配備していたと米国は推定している。 ― 引用終り ― ロシア軍の損害の大きさと、戦闘の長期化で戦費が嵩んでいる。 各国から停戦の圧力はあるが、プーチン大統領としては、得るものが多くなければ、引くに引けないところだろう。 プーチン大統領が直面する金欠地獄 かさむ戦費すでに87.5兆円で国家予算の2.5倍以上!2022年3月30日 日刊ゲンダイDIGITAL ロシアのウクライナへの軍事侵攻は31日、開始から6週目に突入する。1カ月以上に及ぶロシア軍の攻撃は、やむ気配がなく、戦費は垂れ流し状態だ。対面交渉が29日に再開したものの、停戦合意には至っていない。このまま攻撃を続ければ、プーチン大統領は金欠地獄に落ちる一方である。 ◇ ◇ ◇ トルコのイスタンブールで再開した停戦交渉はロシアとウクライナ双方に歩み寄りが見られたものの、一時停戦の結論は得られなかった。ロシアがウクライナに要求している「非武装・中立化」を取り下げる気配はないが、かといって侵攻を続けられるかは疑問だ。ズバリ「金欠」だからだ。 英コンサルティング会社の試算によると、ロシア軍のウクライナにおける戦費は1日あたり200億ドル(約2兆4700億円)。しかも、この金額は「少なくとも」であり、実際は推計以上の可能性がある。 1日2.5兆円の戦費がどれだけ異常かは、ロシアの国家予算と比べるとよく分かる。ロシア連邦上院が昨年末に可決した連邦予算案によると、今年の歳出は23兆6942億ルーブル(約35兆円)。侵攻開始から丸5週間で、かかった戦費は87.5兆円。国家予算の約2.5倍だ。 ― 引用終り ― 意あるところに道は通ずる。 大日本帝国の例に倣えば、プーチン大統領は、まだまだ戦費を使える。 逆風下の独裁者は、極めて非合理な政策判断を下しがちだ。 日本が太平洋戦争に総額いくらを費やしたか知っていますか国家予算の280倍、今で換算すると…2017.08.16 … (略) … 戦費の実態はよく分からないと述べたが、ある程度までなら推測することができる。旧大蔵省が戦後まとめた資料によると、太平洋戦争(日中戦争を含む)における名目上の戦費総額(一般会計と特別会計)は約7600億円となっている。 金額だけ聞くと意外に少ないと感じるかも知れないが、日中戦争開戦時のGDP(厳密にはGNP)が228億円なので、戦費総額のGDP比率を計算すると何と33倍になる。また、国家予算(日中戦争開戦当時の一般会計)に対する比率では280倍という天文学的数字である。 もっとも、この数字には少々カラクリがある。太平洋戦争の戦費はあまりにも膨大で、税金を使って調達することは不可能だった。このため、戦費のほとんどは日銀による国債の直接引き受けによって賄われた。 ― 引用終り ―
2022年04月03日
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武力以外の方法で、ロシア・ウクライナ戦争が世界大戦に発展するのを止めようと、ロシア封じ込めの金融政策が今までにない展開をみせている。 2022年2月24日、中立国であるスイスは、ロシアへの金融制裁対象としてEUが制裁リストに加えた人物・企業との新たな金融取引を禁止する方針を発表した。それまで、スイス内にある資産については凍結しなかったが、スイス政府は、ロシア・ウクライナ間の紛争においてそうした姿勢はもはや中立性と相容れないと判断し、方針転換を決めた。 2月28日、ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は、通貨ルーブルの急落を阻止するための市場介入ができないということを発表し、西側諸国の同中銀に対する制裁措置が意味するところを初めて認めた。国際金融協会 (IFF)は、制裁措置でロシアが準備資産の約40-50%にアクセスできなくなった可能性があるとみている。 3月5日、ロシアのプーチン大統領は、臨時の措置として「非友好国」に対する外貨建て債務の利払い・返済をルーブルで行うことを容認した大統領令に署名した。 欧米の格付け機関はロシアのソブリン長期格付けを「デフォルト寸前」の格付けに引き下げ、発表と前後してロシアでの営業停止を発表した。 3月18日、タックスヘイブンとして知られるカリブの島国バハマの中央銀行は、ロシアへの金融制裁として、ロシア関係者がバハマに持つ資産29億2000万ドル(約3480億円)を凍結したことを発表した。 バハマ、ロシア資産3480億円を凍結=ウクライナ侵攻で金融制裁2022年3月20日 時事通信 租税回避地(タックスヘイブン)として知られるカリブの島国バハマの中央銀行は18日、ロシアのウクライナ侵攻に伴う金融制裁により、ロシア関係者がバハマに持つ資産29億2000万ドル(約3480億円)を凍結したことを明らかにした。バハマには節税などを目的に、世界中の企業や富豪が資産を移している。 バハマ当局は12日付で金融機関に、ロシアや同国を支援するベラルーシの企業・関係者との取引凍結を通達。各機関からの情報を総合したところ、ロシア関係だけで資産は預金4億2000万ドル(約500億円)、信託財産25億ドル(約2980億円)に達した。 ― 引用終わり ― 損得勘定抜きで行われている、狂気の独裁者の武力侵攻を、金融制裁で阻止することはできていない。 兵糧攻めには時間がかかるが、ロシア・ウクライナ戦争が、世界大戦に発展しないよう、世界各国が躍起となっている。
2022年04月03日
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3月20日、ロシア国防省は19日に続き、極超音速ミサイル「キンジャル」を攻撃に使用したと発表した。 首都制圧などが難航しているとされるロシア軍は、黒海沿岸の要衝の掌握に向け、南部を中心とした攻撃に注力している。ウクライナ軍の頑強な抵抗に窮して、虎の子の最新兵器を使用するに至っている。 ウクライナ軍の抵抗の原動力となっているのは、歩兵とその携行型兵器類。 目標捕捉後撃ちっぱなし可能な、追尾能力を備えた携行型地対空兵器、対戦車兵器の出現で、現代の歩兵は、戦車などの走行車両や航空機に対する破壊力が格段に増している。戦車、戦闘ヘリ不要論が唱えられる所以だ。 ロシア侵略軍の航空機も、戦車も、ウクライナの地で安泰ではいられない状況が現出した。 西側諸国の武器供与は効果を上げているのかロシアと戦うウクライナジョナサン・ビール、防衛担当編集委員2022年3月9日 BBC NEWS … (略) … 英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のリサーチ・フェロー(空軍力担当)、ジャスティン・ブロンク氏によると、これまでにウクライナで撃墜されたロシア軍機は、ヘリコプターとジェット機あわせて少なくとも20機が目視で確認されている。これは、ウクライナ国防省が撃墜したと主張する数(ロシア軍戦闘機48機、ヘリコプター80機。3月8日時点)よりもはるかに少ない。とはいえ、ロシアがウクライナの制空権を確保するのに苦戦していることはうかがえる。 マンパッズ(Manpads、1人で持ち運び可能な防空システム)とも呼ばれる、肩撃ち式の防空ミサイルは、西側諸国がウクライナに供給してきた武器の1つに過ぎない。このほか、1980年代に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻した際、ソ連軍の戦闘機を苦しめた悪名高いアメリカ製地対空ミサイル「スティンガー」などもウクライナに渡っている。 ウクライナに渡った武器の数を正確に知るのは難しい。ウォレス氏は先週BBCに対し、西側諸国は現在「数千」の対戦車兵器と「1000以上」のスティンガーをウクライナに届けていると述べていた。米CNNは米国防当局者の話として、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)同盟国から対戦車ミサイル1万7000基とスティンガー2000基がウクライナに輸送されたと伝えた。 イギリスとアメリカは2月24日の侵攻開始前からウクライナに武器を提供しており、イギリスからは軽対戦車ミサイル(Nlaws)2000基が届けられた。それらが、ロシアの機甲部隊を破壊するためにすでに使用されているとの報道について、「そのことを立証する事例証拠がある」とウォレス氏は述べた。 ライフルと弾薬 英米以外のほとんどの国は、ロシアの侵攻に対応するためにウクライナへの武器の輸送を開始した。武器をウクライナに提供しているのはあわせて14カ国で、長らく中立を維持し、NATOに加盟していないスウェーデンやフィンランドも加わってる。両国とも、数千もの対戦車兵器をウクライナに送っている。 ドイツはウクライナに対戦車兵器1000基とスティンガー500基を提供している。バルト諸国はスティンガーや、射程2.5キロメートルで世界で最も効果的な対戦車兵器の1つである対戦車ミサイル「ジャベリン」など数千基を提供している。ウクライナはすでに、ロシア軍のT-72戦車数台の破壊に成功したとしている。 最近ウクライナに輸送された武器には、アサルトライフル銃や機関銃が数万丁、対戦車地雷、弾薬数百トンのほか、防弾チョッキやヘルメット、医療品も含まれる。 ― 引用終わり ― アフガン紛争初期、優勢だったソ連を泥沼の戦いに引き込んだのは、CIAがイスラムゲリラ勢力に供与した米国製スティンガー地対空ミサイルだった。 ソ連軍は、山岳地帯の戦闘に効果的と考えられていた戦闘ヘリによる空挺作戦をすすめることが困難になった。 ロシア軍ヘリが次々撃墜されるワケウクライナ兵1人でも対抗可能 攻撃ヘリの能力と限界白石 光(戦史研究家)2022.03.20 乗りものニュース ロシア軍の各種ヘリコプターがウクライナ軍の対空ミサイルなどによって次々と撃墜されています。そのなかには攻撃ヘリも。戦車や歩兵にとって攻撃ヘリは脅威といわれますが、実情はどうなのでしょうか。 … (略) … ウクライナで攻撃ヘリが飛び回れない理由 ヘリコプターは、垂直離着陸が可能であることから、滑走路を備えた飛行場の必要がないため、車両で移動する整備補給ユニットと組み合わせて、野戦運用しやすいという強みがあります。この長所から地上部隊の進軍にあわせて最前線に投入されやすいのですが、今回のウクライナのように対空戦闘能力が高い場合、大口径機関砲や対空ミサイルの餌食になりやすい軍用機でもあります。 長・中距離防空を担う地対空ミサイル・システムと、短距離防空を担う対空自走砲や対空火器、さらに近接防空を担う個人携行地対空ミサイルを完備した敵の正規軍との交戦では、まずは砲撃や攻撃機による対地攻撃で地対空ミサイル・システムや対空自走砲、対空火器を無力化。その後が攻撃ヘリの出番となりますが、敵が個人携行地対空ミサイルを潤沢に装備していたら、当初投入される攻撃機に発見・攻撃されずに生き残り、続く攻撃ヘリもその攻撃を受ける覚悟をしなければなりません。 これがウクライナでロシア軍の攻撃ヘリが苦戦している理由です。兵士ひとりで運搬・射撃が可能な携行型ミサイルの場合、上空からは見つけにくく、神出鬼没の存在です。それでいて脆弱な回転翼部分やエンジンなどに一撃食らったら、ヘリは即墜落してしまいます。 ― 引用終わり ― スティンガーは目標補足能力が向上していった。 スティンガーはミサイル本体の収納された使い捨て式発射筒、グリップ・ストックと呼ばれる再利用可能な発射装置、冷却用ガスとバッテリーが一体化したユニット(BCU)、ケーブルで接続されたIFF装置から構成される。 FIM-92 スティンガー出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 FIM-92 スティンガー(FIM-92 Stinger)は、携帯式防空ミサイルシステムである。アメリカのジェネラル・ダイナミクス社が1972年から開発に着手し1981年に採用された。「スティンガー」は、英語で「毒針」の意。概 要 FIM-92 スティンガーは、FIM-43 レッドアイ 携行地対空ミサイルの後継として1967年に開発が始まったもので、開発においては、どのような状況下でも使用できる全面性と、整備性の向上、敵味方識別装置(IFF)の搭載に主眼が置かれた。 主目標は、低空を比較的低速で飛行するヘリコプター、対地攻撃機、COIN機などであるが、低空飛行中の戦闘機、輸送機、巡航ミサイルなどにも対応できるよう設計されている。このため、誘導方式には高性能な赤外線・紫外線シーカーが採用され、これによって目標熱源追尾能力(発射後の操作が不要な能力)を得ている。 ― 引用終わり ― 携行型多目的ミサイル・ジャベリンは1名で運用可能であるが、通常は射手と弾薬手の2名で行う。弾薬手は、発射時の周囲警戒も担当する。 ジャベリンは、タンデム弾頭を備え、戦車に着弾するとまず小さなサブ弾頭が爆発。その後、より強力なメイン弾頭が爆発して装甲を貫通する。特に、弾頭の爆発を分散させて被害を食い止める爆発反応装甲を備えたロシアのT-90戦車など、主力戦車の装甲を貫通する能力を持つ。 ジャベリンはウクライナ軍の抵抗の象徴と呼ばれた。 FGM-148 ジャベリン出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』FGM-148 ジャベリン(英語: FGM-148 Javelin)は、アメリカ合衆国でドラゴン対戦車ミサイルの後継として開発された歩兵携行式多目的ミサイル。概 要 主な目標は装甲戦闘車両であるが、建築物や野戦築城、さらには低空を飛行するヘリコプターへの攻撃能力も備える。完全な「撃ちっ放し」(ファイア・アンド・フォーゲット)機能、発射前のロックオン・自律誘導能力、バックブラストを抑え室内などからでも発射できる能力などを特長とする。 ― 引用終わり ― NLAWはスウェーデンと英国の共同開発。ロシア軍に大打撃を与えているという。 基本的に車両など水平方向に移動する目標が対象で、航空機には不向きだが、ヘリコプターには有効。通常のATMと比べ複雑な誘導システムなどを採用していないため、重量は12.5kgとライバルのATMと比べて軽い。 NLAW出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』概 要 2002年にスウェーデンのサーブボフォースダイナミクスとイギリスのタレスエアディフェンスによって開発され、イギリスはLAW 80の後継として採用される。スウェーデンでは名称が異なりRB-57と呼ばれている。フィンランド、ルクセンブルグ、マレーシアなど多数の国に採用され、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の際、侵攻直前にイギリスからウクライナに対し2000発ものNLAWが供与され、ロシア軍に対し大きな損害を与えている。ユニット価格は US$30,000〓33,000。(英語版 Wikipedia による。) ― 引用終わり ― 携行型兵器で戦闘ヘリ、輸送ヘリ、戦車、装甲兵員輸送車などを破壊されると、人的にも、金銭的にもロシア軍は被害が大きい。 ウクライナ軍は歩兵であり、歩兵はどこにでも潜んでいる可能性がある。攻撃対象は確定しがたく、ベトナム戦争時の米軍と同じように、ロシア軍は無差別攻撃をとるしかなくなったと考えられる。 ロシア軍による、病院を含めウクライナの人工物すべてを破壊するような無差別攻撃は続く。これが戦争犯罪でなくて、何が戦争犯罪なのか。 すくなくとも、戦争犯罪を犯した当事国が、常任理事国として拒否権をもつ国連は組織改革を迫られる。中国はどのような反応をみせるだろうか。
2022年04月01日
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ナポレオンのロシア戦、冬将軍の敗退、第一次世界大戦の東部戦線でのドイツの鉄道物流の混乱、第二次世界大戦でのナチスドイツの冬の東部戦線での撤退開始から敗戦に至る経緯、常軌を逸したインパール作戦など、兵站の教訓となる近代戦史は数多くある。 ロシアによるウクライナ侵略戦で、愚か者の兵站史の実例が、また一つ増えたようだ。 軽視ダメ、ゼッタイ!ウクライナ戦で「ロジスティクス」を甘く見たロシア軍の失態矢作真弓/武若雅哉(軍事フォトライター)2022.03.19 乗りものニュース … (略) …兵站に重要な前線部隊との距離感 ロシア軍が想定していた以上にウクライナ軍の反撃が激しかったことも誤算のひとつではありますが、兵站に関してはそれを上回る大誤算といっても良いでしょう。 そもそも「兵站」とは、英語では「logistics(ロジスティクス)」といい、食料、燃料、弾薬、通信、整備、医療などの各機能を集約した言葉です。ゆえに、陸上自衛隊では後方支援と呼ばれるもので、活動するうえで欠かすことのできない分野としてそれぞれを担当する専任の部隊を用意しているほどです。 自衛隊に限らず世界中の軍隊で、この兵站能力は部隊の行動を維持するために必要不可欠なものとみなしており、特に作戦行動が長期化すればするほど、この兵站能力の差がモノをいうようになってきます。 逆に、兵站能力をある程度無視できる場合もあります。ただ、それは長くても1週間程度の短期決戦に限られます。つまり、それ以上の長期に渡る行動には兵站の充実が部隊を円滑に動かす秘訣になるといえるでしょう。 なお、この兵站は前線に進出する部隊との距離感も大切になります。世界の軍隊でひとつの目安として語られているのは、兵站拠点から300km程度離れると十分なサービスを供給しにくくなるということです。 理由は単純、補給線が伸びれば伸びるほど、輸送部隊や衛生部隊が前線へたどり着くまで時間がかかるからです。たとえ高速道路などがあったとしても、高速道路は遠くからでも視認しやすいことから常に狙われているといっても過言ではありません。そのため、輸送部隊は高い緊張を強いられながら移動しなければならないのです。 最前線に届いていない食事と燃料 さらに、移動速度も平素の高速道路のように素早く走れるわけではありません。道路には瓦礫などの障害物があったり、場合によっては寸断されていたり、狙撃や地雷など含めた敵の攻撃による脅威もあったりするでしょう。こうした危険から部隊を守るため、補給線の安全を確保しなければならないのですが、補給線が延伸すればするだけ安全確保は難しくなります。 こうした点を考えると、十分なサービスを行きわたらせるためには、前線から兵站拠点までの距離は、概ね100km以内が理想だといえるでしょう。 実際には、大規模な兵站拠点を300km先に設けたとしたら、中継地点となる中規模な拠点を100kmごとに設置して、さらに末端の部隊にサービスするための小規模な兵站拠点を前線から50km以内に設けることが理想です。こうすれば、部隊は効率的に動き続けることができると考えられます。 しかし、今回のロシア軍は十分な兵站機能を設けずに部隊をウクライナへと送り込みました。そのため、前線の兵士らはまともな食事を摂ることもできず、戦車などは燃料切れで立ち往生しています。 ― 引用終わり ― 洗浄などで、必要な時に、適切なところへ、必要なものを適切な数量届けることは、極めて難しい。 RFIDを活用したコンテナ物流の最適化の好事例として、米軍の湾岸戦争における兵站システムが書物にもなっているにもかかわらず、ロシア軍の兵站軽視の事例であり、国の指導者と軍人の愚かさ、学ぼうとしない姿勢をみるにつけ、米軍の論理性と物量の豊富さに感心する。 日本も自衛隊の兵隊の募集から育成・定着までの苦労を考慮することなく、大型護衛艦の新造が政治主導で行われている。一方、限られた予算でハイレベルの防衛装備の充実をはかろうとするあまり、防衛産業の継続を断念する企業も続いている。 軍隊の使い方、育て方からみると、日本はロシアと五十歩百歩とみうけられる。
2022年03月31日
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ロシアの国債が3月16日に利払い期限を迎えることから、エコノミストたちはロシアのデフォルト・ショックを想定し始めた。 中国とロシアは、経済的により近づくと推測されている。 中国は、ロシアによるウクライナ武力侵攻により国際世論が呼び覚まされ、台湾の武力併合がやりにくくなったが、やむを得ない選択となる。 国際世論から決別し、核武装を背景に世界を脅迫するロシア、北朝鮮に中国を加えて、「新・悪の枢軸」、「新・悪の三国協商」となるのだろう。 ロシア・デフォルトの衝撃! エコノミストが注目...「中国の動向」と「米国中間選挙の大波乱」【ウクライナ侵攻】2022年3月10日 J-CAST会社ウォッチ ウクライナ侵攻を止めないプーチン大統領に対する強い経済制裁によって、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)のカウントダウンが始まったようだ。 2022年3月、欧米の格付け大手会社が相次いでロシアの信用格付けの大幅引き上げを発表した。ロシア国債利払い期限が3月16日に迫っており、デフォルトに陥る危険性が高いとエコノミストたちは指摘する。 ロシア経済が「焼け野原」になった後でないと、プーチン大統領は和平の席につかないのか。世界経済はどうなるのか。 ロシア全産業10%供給ダウンで、欧州は0.07%最終需要減だが... ロシアにデフォルト(債務不履行)が起こり、ロシア経済が金融危機に陥ったら世界経済にどんな打撃を与えるのか。非常にわかりやすいチャートで示したのが、ニッセイ基礎研究所の経済研究部准主任研究員の高山武士氏だ。 … (略) …「仮にロシアの全産業で一律に10%の供給が止まったとすると、(中略)ユーロ圏で経済対比0.071%の最終需要が減る程度の関係である」「ただし、(中略)負の供給ショックがもたらす物価上昇や生産量の減少は加味していない。供給ショックが波及する過程で、川上の供給不足以上に川下の最終需要が減少する可能性もある」「産業連関構造が大きく変化し、制裁国である西側諸国とのつながりは縮小する一方で、それ以外の地域、例えば中国などとのつながりがむしろ拡大する(ロシアからの供給が増える)といった変化が想定される点にも留意する必要がある」つまり、欧米諸国がロシアとの取引を遮断すると、ロシアのモノ・サービスが前述の2つの図表でも大きな存在感を示している中国に流れる可能性があるというわけだ。 「敵の敵は味方」、中国がロシア支援に踏み切る事情 同じくロシアがデフォルトに陥っても中国が救いの手を差し伸べるのではないか、とみるのは、第一生命経済研究所の主席エコノミスト西濵徹氏だ。西濵氏のリポート「中国当局が目指す『経済の安定』の観点からみたウクライナ問題」(3月9日付)のなかで、今秋の共産党大会で異例の3期目入りを目指す習近平指導部としては、ロシアと手を結ぶ必要があると指摘した。 「政治の季節」が近づいており、ロシアのウクライナ侵攻は是認できないが、物価とエネルギー問題で不透明感が増す「経済の安定化」が何より重要だからだという。西濵氏はこう指摘する。 「今年1~2月の中国のロシアからの輸入額は、前年同月比プラス40.1%と高い伸びが続いているほか、ロシア向けの輸出額も同プラス41.4%と輸入同様に高い伸びで推移しており、中ロ間の経済的な結び付きが強まる」「中国にとっては(中略)物価上昇が景気回復の足かせとなる懸念がくすぶるなか、食料安全保障及びエネルギー安全保障を担保する観点からロシアとの関係強化に動く可能性も考えられる」そして、「欧米諸国とロシアとの亀裂が深まるなか、米中摩擦を抱える中国にとっては『敵の敵は味方』との論理を背景に、中ロが接近を一段と強める可能性はある」というわけだ。 早くも始まったのか? ロシアの報復「サイバー攻撃」 さて、ロシアのデフォルトが世界と日本経済に与える影響はどのくらいのものか――。「1998年のロシア通貨危機と2014年のクリミア併合時のルーブル大暴落に比べれば被害は少ないだろう」と分析するのは三菱総合研究所だ。「ロシアのウクライナ侵攻による世界・日本経済への影響」(3月9日付)のなかで、その理由をこう説明する。「クリミア併合後、先進国の金融機関は、概ねロシア向け与信を償却可能な範囲に抑制している」「金融システム不安に発展する可能性は低い」「中長期的には、西側諸国からのロシア向け与信は一段と圧縮される方向に進むだろう」 三菱総合研究所では、ウクライナ侵攻による2022年の世界経済の下振れを、実質GDP(国内総生産)マイナス0.5%と試算。とくに欧州は、ロシアとの結びつきが強いことから、マイナス1.0%と影響が大きいが、日本はマイナス0.5%と、主要国のなかでは小さい。主にエネルギーや木材などロシアからの調達制約が影響している=図表3参照。 三菱総合研究所が心配するのは、ロシアからの「経済制裁」に加担した国への報復、なかでも「サイバー攻撃」の危険性だ。 ― 引用終り ― ロシアがサイバー攻撃の頻度を高めれば、世界はロシアへのサイバー攻撃の復讐に努めることになる。 ウクライナへの武器供与などよりは、核戦争へのつながりが薄そうだからだ。 米国とEU諸国による、宇宙での戦いの準備も進められていることだろう。 コラム 木内登英のGlobal Economy & Policy Insightデータで読み解くロシア・デフォルトの衝撃2022年3月7日 NRI … (略) …ロシアのデフォルトは世界の金融危機の引き金にはならない ところが、ロシアのウクライナ侵攻以降に、ロシア国債の買いポジションを新たに持つファンドが出てきたとは思えない。1998年のロシア(通貨)危機とは異なり、事態が悪化し始めた途端に、ロシア国債のデフォルトリスクが一気に高まったからである。 さらに、ロシア政府は、市場安定化のために海外投資家が国債を含むロシアの証券を売却するのを禁じるという暴挙に出た。ロシアの国債、その他の証券に対する海外投資家の信頼は一気に地に落ちたのである。そのため、新たにロシア国債の買いポジションを持つ投資家はいないだろう。 こうした点を踏まえると、ロシア国債のデフォルトが生じても、1998年のように海外投資家がロシア国債に対してリスクの高いポジションを新たに作った結果、大きな損失を被ることは考えられない。ロシアのウクライナ侵攻以前からロシア国債や株式などを保有する海外投資家には一定程度の損失が生じ、それが経営問題へと発展する可能性は考えられるところだ。しかし、それだけで、世界の金融市場が危機的状況に陥るとは考え難い。 ウクライナ問題で世界の金融市場が大きく動揺することがあるとすれば、それは同問題がエネルギー価格の一段の高騰をもたらし、さらにそれが米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め策を強く後押しする結果、世界経済の見通しににわかに下方リスクが高まる場合だろう。 ― 引用終り ―
2022年03月29日
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プーチン大統領を現代版ヒトラーに例える記事があった。 「確かに似ている」と思わせるが、自国民保護、権益保護を叫んで戦争を仕掛ける為政者は、みな同じだ。 大日本帝国陸軍・関東軍も同じ流れの主張で、日中戦争を開始し、経済制裁により孤立化をすすめられ窮地を招き太平洋戦争を開始するに至り、核爆弾を投下され、大敗北に至った。 他国の領土が自国の生命線とする主張に変わりはない。 《プーチン大統領は現代版ヒトラー》“愛国心”を煽って他国を侵略する手口とは?「小中学校で銃をわたして軍事教育」「SNSは愛国主義を宣伝するメインエンジン」2022年3月15日 文春オンライン プーチン大統領はウクライナを攻撃する際、「ウクライナ政府はネオナチ」としばしば表現する。そして「ネオナチによる弾圧からロシア系住民を保護しなければならない」と言って、ウクライナを攻撃する。 これは最近思いついたものではなく、2014年のクリミア侵攻の時からずっと言い続けている。 しかし、実際にプーチン大統領がやっていることこそ、ナチスと驚くほど似ている。とくにその類似性が指摘されたのが、「同胞を守るため」という侵攻の口実だ。 プーチンとヒトラーとの共通項とは プーチンは2月24日、侵攻開始にあたって「ウクライナ東部のロシア系住民を守るために特別軍事作戦を命じた」とした。それに先立って、2月21日にウクライナ東部のロシア軍の配下の親ロシア派民兵が支配している自称国家の独立をロシア政府が公式に承認し、その自称国家政府にロシアによる軍事介入を要請させた。ロシアだけが認める「正式な政府からの要請による出兵」というわけだ。 この「同胞を守る」との口実で他国を侵略する手法は、かつてヒトラーも、欧州侵略を始めた頃の1938年に実行している。チェコスロバキア(当時)のズデーテン地方に住むドイツ系住民の自治運動を扇動し、域内のドイツ系住民を保護するとの名目で同地域を併合し、その勢いでチェコスロバキア全体を制圧したのだ。 それだけではない。じつはその他にも、プーチン大統領のロシア統治そのものが、ナチスの手法の再現といっていい。キーワードは「民族主義・愛国主義の扇動」と「メディア支配による国民洗脳」だ。 まず、ヒトラーもプーチンも、その独裁権力を獲得した手法として、生活に困窮している国民に民族主義・愛国主義を扇動したという共通項がある。 ― 引用終わり ― ヒトラーのときほどに天はプーチンに味方しなかったが、プーチンには核兵器の後ろ盾がある。命脈尽きるまで、プーチンは戦うことができる。 大日本帝国において、「満蒙は日本の生命線」であり、「同胞守る」は「上海居留民保護」「満州国の住民を保護」、敵はアングロサクソン「鬼畜米英」、マスコミ統制では大新聞はもとより、文芸春秋、大日本雄弁会講談社など名だたる出版社は侵略戦争正当化し、勝利を礼賛する記事を書いた。SNSがなかったので、アングロサクソンの侵略から日本とアジアを守るためだとして、国民の多くが、大日本帝国の侵略戦争を支持した。 ナチスが目立つのは、非情ともいえる整然とした統制ぶり、演出の巧みさのためだ。 ナチスは「正義」のシステマティック外観を整えたが、日本は軍部や内務省の「情」「情熱」で動いている感が強く、責任者を不明確にしている。 似ていることは、ヒトの心理がそれほど変化していないことを示しているだけだ。
2022年03月29日
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3月24日、ウクライナ軍は、同軍の攻撃を受け南東部ベルジャンスクの港で大型揚陸艦「オルスク」を撃沈したと発表した。 3月25日、破壊されたロシア軍の揚陸艦は「サラトフ」だったと発表した。 ウクライナ軍は、不足していると伝えられるロシア軍の補給ルートの寸断を狙ったとされる。 ロシア艦撃沈、ウクライナ軍〝大反撃〟露軍は補給に支障の可能性NATOやG7、EUは追加制裁「大義なき露の苦戦は続く」識者 2022年3月25日 zakzak by夕刊フジ ロシアによるウクライナ侵攻開始から1カ月が過ぎた。民間人への無差別攻撃も厭わないウラジーミル・プーチン大統領のロシア軍に対し、祖国を守り抜こうとするウクライナ軍の反撃が目立ちだした。ウクライナ海軍は24日、ロシアの戦車揚陸艦「オルスク」を撃沈したと発表した。 首都キエフ周辺でも、ロシア軍部隊を一部後退させたという。 「対露制裁の強化」で合意したNATO(北大西洋条約機構)や、G7(先進7カ国)の緊急首脳会議が開かれた24日、北朝鮮が米本土全域を射程に収めるという新型の弾道ミサイルを発射した。ロシアと連携した〝脅し〟なのか。ウクライナ戦争の長期化・泥沼化が懸念される。 … (略) … ただ、ウクライナ軍の士気は高く、ロシア軍への反撃が伝えられる。 ウクライナ海軍は24日、アゾフ海に面した南部の港湾都市ベルジャンシク周辺で、ロシアの戦車揚陸艦「オルスク」を撃沈したとする動画と写真を公表した。動画には攻撃された艦艇で爆発が起きる様子が映されているが、オルスクかどうかは不明。 英BBCによると、オルスクは戦車20台、装甲車45台、兵士400人を運べる揚陸艦。別の揚陸艦も損傷を受けたという報道もある。 ベルジャンシクは、ロシア軍が包囲攻撃を続ける港湾都市マリウポリの西方約60キロメートルにある。 今回の揚陸艦撃沈が事実なら、ロシア軍の補給に支障が出る可能性がある。 ― 引用終り ― 米海軍のデ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦は中戦車23両、兵員634名を含めて500トンの搭載能力。満載排水量 8,000トン、全長 134.7 m。 「揚陸艦」は、人員や物資の輸送を目的とした艦船のうち、岸壁などの港湾設備に頼ることなく、自力で揚陸する能力をもった軍艦。 水陸両用戦能力を発達させた米軍で揚陸艦は様々に進化した。 大型揚陸艦の中でも大きいのは「強襲揚陸艦」。強襲揚陸艦は全通飛行甲板を備えたヘリコプター揚陸艦を指していたが、後にウェルドックを備えたLHA (Landing helicopter assault) やLHD (Landing helicopter dock) が登場すると、これらも含まれるようになった。 ウェルドックを排し航空機能を強化した米海軍最新のLHAアメリカ級強襲揚陸は全長257.3m、満載時排水量は5万トン以上で空母と見紛うばかり。
2022年03月27日
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ロシア政府は国民を情報から遮断しようと努めている。 ロシアの通信監督当局は3月4日、フェイスブック(FB)へのロシアでのアクセスを遮断すると発表したのに続いて、13日からインスタグラムの遮断を発表。 ロシア人ユーザーの個人情報をロシア国内に保存し、当局が求めた場合は提出を義務づけたネット規制法に応じなかったため、LINEは2017年5月から接続が遮断されている。 経済制裁で世界から経済的に遮断されつつあるが、ロシア国民の目を欺くため、情報は自ら遮断。 ロシアによるウクライナ侵略に国際的な批判が高まるなか、ロシア当局が国内の報道統制を強めてきたが、プーチン大統領の意のままにならぬSNSを規制を強化している。 プーチン大統領は、北朝鮮のように孤立するつもりか、はたまた中国のように孤立するつもりか。 ロシア当局インスタグラムの国内での利用停止FBに続きBy Reuters Staff2022年3月14日 ロイター ロシアの通信情報技術監督庁は、米メタ・プラットフォームズが運営する写真共有アプリ、インスタグラムの利用を13日午前零時から停止すると国内のユーザーに通知した。 ユーザーに対して電子メールで、サービス停止前に写真や動画を移すよう呼び掛け、ロシア国内の「競合するインターネットプラットフォーム」に切り替えるよう促した。 インスタグラムの幹部によると、影響を受けるユーザーは8000万人。 米メタは11日、ウクライナのユーザーのヘイトスピーチに関する規約を一時的に変更し、ロシア兵とロシア人への暴力を呼び掛ける投稿を容認する方針を表明。ロシア国内で反発が強まっていた。 ― 引用終り ― プーチン大統領が目指すのは、秘密警察に情報統制されて、スッキリした大ロシアなのだろう。
2022年03月25日
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自国の領土がなくなるのを黙って見過ごす国民は世界には稀。 東欧諸国で嫌われ者のロシアであればなおさらだ。 2月28日、米国防総省高官は、ロシアのプーチン大統領が核抑止部隊に特別態勢を取るよう命じた後も、ロシアの核態勢に「特段の変化は見られない」と分析。ロシア軍はウクライナの首都キエフの包囲を計画しているとみられ、侵攻の遅れから「攻撃がより激しく強引なものになる恐れがある」と指摘した。 当初のウクライナ侵略計画からの遅れを示す報道が、散見される。 まずは侵攻作戦線帰任者の解任。 ウクライナ戦で指揮官3人射殺…「怒ったプーチン、将軍8人解任」2022.03.13 中央日報日本語版 ロシアのプーチン大統領が短時間でウクライナ軍を制圧し占領できなかった責任を問い、軍将軍級高官8人ほどを解任したとの報道が出てきた。 英ザ・タイムズやデイリーメールなどが12日に伝えたところによると、ウクライナ国家安全保障会議(NSC)のダニロフ議長はウクライナ国営テレビとのインタビューで「奇襲的な全面侵攻を通じ開戦から2~3日でウクライナの首都キエフなどを速やかに占領しようとしていたロシア軍の戦略がウクライナ軍の頑強な抵抗を受け事実上失敗した。この過程で腹を立てたプーチン大統領が最高位級将軍8人を電撃的に解任する措置を下した」と説明した。 これに先立ちロシアは先月24日にウクライナへの侵攻を開始してから攻勢を強めているがキエフを占領できずにいる。この交戦過程でロシア軍は3人の指揮官を失ったりもした。 ロシア政府は彼らの死亡を確認していないが、西側関係者はコレスニコフ少将を含む3人の死亡を確認したと外信は伝えた。 ダニロフ議長は「プーチン大統領が短期戦を予想してまとめた戦略を全面修正した。ロシアが切迫した状況に置かれたという証拠だ。今後もロシアが望む結果は見られないだろう」と強調した。 ― 引用終り ― 侵略作戦の遅れは、燃料、食料など兵站の不足を招いているとの報道があった。 武器・弾薬も不足していることを推測させる発表が米国からされた。 米当局者は、ロシアが中国に軍事支援を要請したと発表したが、ロシアが具体的にどのような装備品の提供を中国に求めたかは明らかにしなかった。 ロシアの中国との武器取引は現在、購入よりも売却の方がはるかに多い。 中国は兵器類の国産化を急速に進めており、近年より高度な兵器類を生産するようになってきた。 【ウクライナ】ロシア、中国に軍事支援要請-米中高官が対面会談へ2022年3月14日 Bloomberg News ロシアは、ウクライナ軍事侵攻を支援してもらうため中国に軍事装備品の提供を要請した。米当局者が明らかにした。 ホワイトハウスは、西側諸国によるウクライナ軍への防衛支援の取り組みを中国が損ないかねないと懸念している。 ― 引用終り ― ウクライナ侵攻を続けるロシアは、ウクライナ軍の抵抗で露軍の損失は想定以上に膨らんでいるものの、無差別攻撃を拡大し、ウクライナへの圧力を強めている。 プーチン政権には侵攻の長期化は得策ではない、アフガン化してはならないとの判断が働き、停戦協議に本腰を入れ始めた。 侵略遅れに対するプーチン大統領の苛立ちを反映し、軍人対軍人の戦いは、ロシアの軍人によるウクライナ市民に対する無差別攻撃となった。 勝手に他国の領土を侵略するさまは、ナチス・ドイツや大日本帝国と変わるところがない。 UN(国際連合、連合軍)は常任理事国のありかた、権限を見直さなければならない状態になっている。 第二次世界大戦以来続いた「連合軍(国連)」は解体できても、まとまりがないため再編することは困難だろう。
2022年03月23日
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ロシア・プーチン大統領が隣国ウクライナへの侵攻を開始したことにより、米国、EU、日本をはじめとした各国はロシアに対し厳しい経済制裁を発動した。 SWIFTロシアの大手7銀行グループを排除送金業務が困難に2022/3/13 朝日新聞デジタル 国際銀行間通信協会(SWIFT(スイフト))は12日、国境を越えた送金業務に必要となる同協会の情報システムからロシアの大手7銀行グループを排除したと発表した。ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する経済制裁の一環で、欧州連合(EU)や米英政府などが排除を求めていた。 SWIFTは欧州時間の12日夜、ホームページに7行の排除完了の声明を掲載。「EUが英国、カナダ、米国と協調して取った外交的決定は、SWIFTの金融メッセージサービスから特定の銀行を除くことでこの危機を終わらせようとするものだ」とした。 SWIFTが提供するのは、企業などが金融機関を通じて外国企業とお金をやり取りする際、送金額など必要な情報を伝える仕組み。日本を含め200を超える国・地域の約1万1千の金融機関が利用し、1日約4200万件のやりとりを仲介している。 このシステムから12日に締め出されたのは、ロシア2位のVTBバンクをはじめ、大手7銀行グループ。今後、国際的な送金を迅速に大量にさばくことが困難になるとみられる。(ロンドン=和気真也) ― 引用終わり ― ロシア中央銀行と中国人民銀行(中銀)が、世界の銀行決済網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」の代替として、それぞれの銀行決済網の統合を検討していることを、3月16日、ロシア国営タス通信が、下院金融市場委員会のアクサコフ委員長の発言として伝えた。 ロシアに対する金融制裁の一環として、EUはリース会社に、ロシアの航空会社と交わされている現在の契約を3月28日までに解消するよう通達した。 リース会社はロシアから一斉に機体を引き上げる必要が生じた。 ロシア政府は経済制裁に強く反発。3月8日、友好国であるベラルーシを除く全ての国との国際線を閉鎖し、すべての旅客機を国内に閉じ込めた。この措置により、ロシア、EU域外の第三国で航空機が差し押さえられるのを防いだ。 さらに3月10日、ロシア政府はリース契約終了後の返却を禁止した。 リース料をロシア・ルーブルで支払う法案の成立を検討中であると明らかにした。経済性によるルーブル下落を見込んでの措置だ。 いくら機体をロシア国内に閉じ込めても、エンジンなどの補修部品が尽きれば、いずれ航空機は飛べなくなる。 プーチン大統領が背水の陣を敷いていることが分かる。 ロシア国民を含め、関係者は大迷惑なることこの上ない。 旅客機500機「借りパク」へ!経済制裁受けロシアがリース機返還拒否…どうするの?関 賢太郎(航空軍事評論家)2022.03.12 乗りものニュースロシアに対する経済制裁が発動するなか、同国航空会社の旅客機が外国のリース会社へ返還されない見込みとなりました。その数およそ500機、推定価格は1兆円超と前代未聞の「借りパク」問題、発生経緯と今後の展望をみていきます。 「借りパク」は犯罪ですが旅客機ともなると…! 2022年3月、日本や欧州各国のリース会社が所有し、アエロフロート並びにS7航空などロシアの航空会社が借り受けていた旅客機515機が、ロシア政府によって接収される見込みとなっています。推定価値1兆円以上にも及ぶ前代未聞の「旅客機の盗難」という事態に直面し、航空業界は大きな岐路に立たされています。 ― 引用終わり ― 世界の金融を裏切ると、ロシアの会社トノ取引や、お金を貸す国が激減する。 プーチン体制が一新しない限り国家の信用は無きに等しく、ロシアは国際社会の中で、今後ますます孤立化する道を歩んでいる。 米、対ロ貿易優遇を撤回へ=バイデン氏、輸入品に高関税―「北朝鮮並み」に2022年3月12日 JIJI.COM バイデン米大統領は11日、ウクライナに侵攻を続けるロシアへの追加経済制裁として、世界貿易機関(WTO)協定に基づく貿易優遇措置「最恵国待遇」を取り消すと表明した。ロシアからの輸入品に高関税を課すことが可能になる。プーチン政権に経済面から一段と打撃を与える狙いで、先進7カ国(G7)や欧州連合(EU)との連携を視野に入れる。 バイデン氏はホワイトハウスで演説し、ロシアへの最恵国待遇を認める「恒久的通商関係正常化」(PNTR)法の無効化を米議会に求めるとともに、ロシア産のダイヤモンド、ウオッカ、魚介類の輸入も禁止する意向を示した。米ロが制裁と報復を繰り返す「経済戦争」に発展しかねない情勢だ。 ― 引用終わり ― 既に経済戦争に突入しているのだが、時事通信はそう思ってないらしい。
2022年03月22日
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ロシア軍の戦意の低下、補給の不足を指摘する情報が多い中、ロシア情報機関、連邦保安局(FSB)が内部文書で、ウクライナ侵攻が「完全な失敗」であるとした報告書について報道された。 ウクライナ侵攻は「完全な失敗」英紙「ロシア内部文書」報道2022年3月8日 共同通信 ロシアによるウクライナ侵攻は「完全な失敗」―。7日付の英紙タイムズは、ロシア情報機関、連邦保安局(FSB)の内部文書とみられる報告書の内容を報じた。 真偽は不明だが、文書はロシア軍の死者が既に1万人規模に上っている恐れがあるとし「ロシアは追い詰められている。勝利の選択肢はなく、敗北のみだ」と指摘している。 ロシア軍の死者について、同国国防省は今月2日、498人と発表。ウクライナ外務省は8日、最大1万2千人としている。 文書は「主要部隊と連絡が取れていない」として、ロシアのプーチン政権内で正確な死者数を把握できていないとの見方を示した。 ― 引用終り ― 多少の失敗(!)を生真面目に反省するようでは独裁者は務まらない。 まずは文書を作成した者を探し出し粛清。 その後大日本帝国・大本営のように偽りに満ちた反対情報を流布。 そして損得抜きの諦めない心で、ウクライナを容赦なく叩くのだろう。 自分が倒れるようであれば、相手も倒す。人類を巻き添えにすることも目的を達成するための戦術のうちだろう。 プーチン氏ウクライナ侵攻失敗でも攻勢強める恐れ=米情報トップBy Reuters Staff2022年3月9日 REUTERS ヘインズ米国家情報長官は8日、ロシアのウクライナ侵攻が失敗したり、国際的な制裁に伴う経済的苦境が強まったとしても、プーチン大統領が身を引く可能性は低く、反対にウクライナへの攻撃をエスカレートさせる恐れがあるとの認識を示した。 世界的の脅威に関する下院情報委員会の公聴会で「われわれはプーチン氏がそのような挫折によって抑止される可能性は低く、むしろ(攻撃は)エスカレートする可能性がある」と指摘。緊張が非常に高まっているため、「意図しないエスカレーション」の可能性は常にあると警鐘を鳴らした。 ― 引用終り ― たとえウクライナを貢物としてロシアに差し出しても、次はバルト三国へと触手を伸ばすだけだろう。 たった一人で世界と戦う平常心を失った独裁者、プーチン大統領の振り上げた矛を収めさせることができるのは、ロシアの国際政治的にも地理的にも隣国の中国・習近平主席だけかもしれない。 3月8日、習主席は、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相とオンライン形式で会談し、ウクライナ情勢をめぐり「当事国の必要に基づいて、国際社会と共に積極的役割を果たしたい」と語ったと報じられた。 目的達成までけっして諦めない、損得抜きで戦いに一所懸命臨むプーチン大統領が不利になればなるほど、核兵器使用の危機は迫る。 諦める勇気が、人々の命を救うこともある。
2022年03月21日
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ウクライナを侵略するロシア側が、アルファベットの「Z」を使いだした。 この「Z」マークが何を示すのか。デジタル情報の分析家の間では様々な臆測が飛び交った。 軍事の専門家はこれを、ロシア語で「勝利のために」を意味する「Za pobedy」または「西」を意味する「Zapad」の頭文字だとする説、「ゾロ分隊」を意味するという説、ウクライナのゼレンスキー大統領の頭文字ではないかとする説などが飛び交った。 謎の記号だった Z は、今のところ、ロシア人が今回のウクライナ侵略戦争への支持を表明するシンボルになっている。 私が思いつく Z は、日本海海戦時に戦艦三笠に掲げた Z旗、革マル派のヘルメット正面に描かれた Z、そして受験期の Z会 の Z。 それぞれの意味を Wikipedia で調べる。 今回のロシア軍の Z の意味は、BBCニュースが解説してくれていた。 日産フェアレディZとホンダの軽乗用車 Z が大きく異なる車であるのと同じように、Z の意味するところは様々。 Z旗出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 Z旗(ゼットき)、Z信号旗(ゼットしんごうき)は、船同士の意思疎通のために用いる国際信号旗の1つ。 国際信号旗はアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種。この中でZ旗はアルファベットの"Z"の文字を示す信号として用いられる他、単独で「私は引き船が欲しい」、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号としても用いる。 日本では、旗に付けられた意味に因み(意味は後述)、スポーツ競技の応援や、選挙・受験など、負けられない勝負に挑む時、「勝利」を祈願して用いられる場合もある。 海戦における使用 国際的にはZ旗は前節の意味しか有していない。しかし、Z旗は海戦史において特別な意味を持つ旗としても広く認知されている。 日露戦争時の1905年5月27日-28日にかけて行われた日本海海戦の際、連合艦隊司令長官の東郷平八郎は、トラファルガー海戦の信号文「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」に倣い、「皇國ノ興廢此ノ一戰ニ在リ、各員一層奮勵努力セヨ」という意味を持たせたZ旗を旗艦「三笠」のマストに掲揚した。 日本海海戦の逸話以降、日本海軍ではZ旗は特別な意味を持つこととなり、太平洋戦争(大東亜戦争)中の日本海軍では、大規模な海戦の際には旗艦のマストにZ旗を掲揚することが慣例化した。 真珠湾攻撃での空母「赤城」では、Z旗を直接掲揚せず、DG旗(D→Gの順で並べて掲揚)をZ旗の代わりとして(DG旗はZ旗と同意味で用いられる)掲揚した。また、太平洋戦争末期の第二五二海軍航空隊攻撃第3飛行隊は、艦上爆撃機「彗星」の垂直尾翼にマーキングとして使用したことで知られる。 ― 引用終り ― 大日本帝国陸海軍の Z の使い道は知っていたより幅広かった。 東大安田講堂事件、成田闘争などのニュースで見た、白いドカヘルの正面に Z の文字は、私の記憶に残っている。 日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 … (略) …概 要 「日本の新左翼#革共同系」および「日本の新左翼#系統図」も参照 1957年の革共同結成、1958年の革共同第一次分裂(太田派の離脱)、1959年の革共同第二次分裂(黒田・本多派が離脱して革共同全国委員会を結成)、1963年の革共同第三次分裂(黒田派の離脱)を経て、「日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派」が結成された。同時に学生組織のマルクス主義学生同盟(マル学同)も分裂し「マル学同革マル派」となった。なお革マル派が離脱した後の革共同全国委員会派は中核派となった。 象徴であるヘルメットは、白地に赤いふち入り。前面に黒字で「Z」(「全学連(ZENGAKUREN)」の略)。 ― 引用終り ― 全学連もいろいろな種類があったと聞くが、先に使ったもの勝ちというところだろうか。 「できる子」が学ぶ通信教育のZ会の Z の正式な説明は知らなかったと思う。 Z会出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 Z会(ゼットかい、Z-KAI)は、株式会社増進会ホールディングス(ぞうしんかいホールディングス、Zoshinkai Holdings Inc.)を持株会社とするZ会グループが提供する教育事業の名称、ならびに同社の完全子会社で事業会社である株式会社Z会(Z-kai Inc.)をさす。 運営会社 かつては、株式会社増進会出版社が、「増進会」(愛称・Z会)の名称で通信教育事業等を行っていた。 株式会社増進会出版社が通信教育事業を行い、関連会社の株式会社Z会対面教育が教室での教育事業を、株式会社Z会出版が出版事業を行っていた。 2006年2月1日に、事業を再編して持株会社体制へ移行。子会社であった株式会社Z会出版に、増進会出版社の事業を移管し、同時に株式会社Z会対面教育と合併させて、事業会社とし、株式会社Z会に商号(社名)変更した。これにより、株式会社増進会出版社は持株会社となった。 2018年4月1日に、株式会社増進会出版社は株式会社増進会ホールディングスに社名変更した。 ― 引用終り ― 第二次世界大戦中、米陸軍航空隊は爆撃機に大きなマスコットを描いていた。 ソ連の戦車は、派手にスローガンを書いていた。 文字を書きたがるのは、汎スラブ主義者の伝統なのか? 【解説】なぜ「Z」がロシアで戦争支持のシンボルになっているのかポール・カーリー、ロバート・グリーノール、BBCニュース2022年3月8日 BBCニュース … (略) … ロシアでは現在、ウラジミール・プーチン大統領によるウクライナ侵攻を支持するシンボルとして、アルファベットの「Z」が急速に拡散している。政治家たちが愛用し、車やバンの側面、広告板、さらにはバス停にもいたずら書きされている。セルビアの首都ベオグラードで行われた親ロシア派のデモでも、使われていたた。さらに、そうした写真が、ソーシャルメディア上で広く共有されている。 「Z」の使用は、SNS上でも議論となっていると、英ユニヴァーシティー・コレッジ・ロンドン(UCL)スラブ・東欧研究学科で国際政治を教えるアグラヤ・スネツォヴァ氏は、こう指摘する。「これは色々な意味で、ロシアが現在、あるいはかつて、どの程度グローバル社会の一部だったのか、表している」 ロシア語で使用されるキリル文字では、「Z(ゼッド)」は異なる書き方(数字の3のような形)をする。しかし、ロシア人の大半は、欧米のアルファベットが使うラテン文字の「Z」を認識している。王立防衛安全保障研究所(RUSI)のリサーチ・フェロー、エミリー・フェリス氏は、「Z」は分かりやすく力強いシンボルだと説明した。「プロパガンダでは、一番シンプルなものが最も早く受け入れられがちだ」「この文字はなかなか威圧的で、きっぱりしている。美的観点からは、非常に強力なシンボルだ」 ウラジーミル・プーチン大統領の侵略を支持する人々の間で「Z」が広まるのには、2週間もかからなかった。 ロシア中部の都市カザンでは、ホスピス施設の子どもたちやスタッフ約60人が雪の中、建物の前に巨大な「Z」を作っているところを写真に撮られた。 「Z」が実際に何を意味するのかについては、いくつかの説が唱えられている。 最初にソーシャルメディアで注目されたのは、ウクライナに向かうロシア戦車の側面に「Z」が描かれていたからだ。 当初、この「Z」は実は数字の「2」で、2022年2月22日を表していると考えられていた。この日は、ロシアがウクライナ東部の分離派地域ドネツクおよびルハンスクと、「友好、協力、相互支援」に関する協定を批准した日でもある。 しかし現在では、このシンボルは単に、ロシア軍が自軍を識別するための標章だと思われている。 ロシア国営放送「チャンネル1」のニュース番組は先週、「Z」はロシア軍の装備によくあるマークだという説を放送した。正教会の親プーチン派ウェブサイト「ツァーグラード」は、このシンプルなマークによって「味方からの誤射を防ぐ」ことができ、「他のものと混同されなくなる」と報じた。 ― 引用終り ― ロシアは戦争反対勢力の声を圧殺するかの如く、 Z がまざまな場所に出現。 プーチン強権政治は、ロシアの国民も苦しめながら続く。 アングル:ロシア全土に「Z」マークウクライナ侵攻で国威発揚2022年3月13日 ロイター ロシアでは今、バス停から道路標識、ベビーカーまで、さまざまな場所に「Z」の文字が立ち現れている。ロシア政府がウクライナでの「特別軍事作戦」と呼ぶ戦いへの支持を発揚するために始めたキャンペーンのシンボルだ。 … (略) … 侵攻開始から2週間、ロシア国防省はこれらのシンボルの使用を推進。9日には「Zの英雄たち」と題するプロモーションビデオを公開し、「V」と「Z」の文字を使って勇敢さ、英雄的行為、真実の力を訴えた。 ― 引用終り ―
2022年03月19日
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サイバー攻撃大国ロシアの非道にたいして、アノニマスが対抗することを発表した。味方につければ頼もしい存在。 イズベスチヤ紙やコメルサント紙、タス通信など少なくとも11のロシア・メディアのサイトが閲覧不能となった。 ロシア国営テレビなど主要放送局のサイトが乗っ取られ、ロシアの攻撃で被害を受けたウクライナ各地の状況が配信されたという。 ロシア兵とその家族への投降の呼びかけ、待遇の保証がPRできるとより効果的だと思う。 西側各国のサイバー軍は、社会の広範な領域について、攻撃能力をもっているのだろうか? クレムリンの情報包囲網・兵糧攻めなどが国際共同で展開されたら、弾道弾の使用が困難となり、停戦に効果的な気もする。プーチン大統領を追い詰める危険性の方が高いのだろうか。 核兵器の使用に至る前に、他国の領土に武力侵攻し、停戦について身勝手な条件を突きつけるプーチン大統領を止めてほしい。 サイバー攻撃「大国」ロシアに国際ハッカー集団が「宣戦布告」軍人10万人の個人情報流出2022/03/03 讀賣新聞オンライン ウクライナに侵攻したロシアで、大統領府やメディアなどが激しいサイバー攻撃を受けている。システムのダウンだけでなく、軍人約10万人の個人情報の流出も起きている。 サイバー攻撃の「大国」とされるロシアに対し、国際ハッカー集団も「宣戦布告」した。 大規模なサイバー攻撃は、プーチン政権がウクライナ侵攻を始めた2月24日以降に急増した。 国営テレビの海外向けチャンネルRTのニュースサイトは同日、6時間以上にわたり閲覧できなくなった。 大統領府の報道官によると、26日には大統領府のサイトが断続的に開けない状態が続いた。 デジタル発展・通信・マスコミ省は、「前例のない規模のサイバー攻撃を受けた」と説明した。 ネット上には、軍幹部を含む約10万人の軍人の氏名や住所、身分証の情報などが流出したという。 タス通信などは、攻撃は米国や欧州連合(EU)諸国、ウクライナなどから行われていると報じている。 ロシア通信監督局は、軍事行動とサイバー攻撃を組み合わせた「ハイブリッド戦争だ」と非難する。 ウクライナ侵攻を受け、国際ハッカー集団「アノニマス」も、「ロシア政府を標的に作戦を実行する」と宣言した。 ウクライナ政府は、ハッカーの協力を得てロシアの政府機関や企業にサイバー攻撃を仕掛けるIT軍を創設すると発表した。 ― 引用終り ー 第一次世界大戦は、戦車と航空機の導入。 第二次世界大戦は、核兵器の導入。 第三次世界大戦は、サイバー戦と極超音速兵器の導入となるだろうか。
2022年03月17日
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2022年2月27日、ロシアのプーチン大統領は、戦略的核抑止部隊に「特別警戒」を命令した。 ウクライナとの戦争で、核兵器の使用も辞さないという姿勢だ。 【解説】核使用のリスク、どれくらいあるのかロシアのウクライナ侵攻ゴードン・コレラ安全保障担当編集委員、BBCニュース2022年3月1日 BBCニュース ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が先月27日、核兵器を含む「抑止部隊」を「戦闘の特別態勢」に移すよう、軍に命じた。一体なにを意味しているのか。 … (略) …どんなリスクがあるのか プーチン氏の脅しが、核兵器使用の意欲を示すものではなく、警告だとしても、計算違いのリスクは常に存在する。片方がもう片方の意図を誤って解釈したり、事態が手に負えなくなったりする場合だ。 懸念されるのは、プーチン氏が孤立し、彼に真実を告げようとする側近がほとんどいなくなる状況だ。彼の判断力について、不安定になってきていると心配する人もいる。ただ、彼が暴走しても、命令系統の先にいる人たちが命令に従わないだろうという、希望的な見方もある。核戦争のリスクはわずかに上昇したかもしれないが、依然、低いままだ。 西側はどう対応しているのか 西側政府はこれまでのところ、言葉でも行動でも事態をこれ以上悪化させないよう、十分注意を払っている。米軍にはデフコンと呼ばれる独自の防衛準備態勢があるが、米政府のジェン・サキ報道官は28日、核の警戒レベルをすぐに「変更する理由はない」と述べた。 イギリスは核兵器を搭載した潜水艦を航行させているが、公に何かを言う可能性は低い。プーチン氏の声明をこけおどしとして扱い、まともに受け止め過ぎたり、ロシアの反応を誘発するような行動を取ったりしていると思われ、緊張を高めないようにしていると思われる。 現状は核の危機ではないし、そうなってはならないと、西側の安全保障当局者らは話している。 ― 引用終り ― ロシアの核兵器保有数は世界最多であるが、ロシアが先制核攻撃を仕掛けた場合、ロシアを滅ぼせるだけの核戦力をNATO側は保有している。 対峙する両者が認識している事実も、狂気の独裁者には抑止力にならないかもしれない。 口語訳聖書:ヨハネの黙示録20章6-10節 第一の復活にあずかる者は、幸いな者、聖なる者である。この者たちに対して、第二の死は何の力もない。 彼らは神とキリストの祭司となって、千年の間キリストと共に統治する。 この千年が終わると、サタンはその牢から解放され、地上の四方にいる諸国の民、ゴグとマゴグを惑わそうとして出て行き、彼らを集めて戦わせようとする。その数は海の砂のように多い。彼らは地上の広い場所に攻め上って行って、聖なる者たちの陣営と、愛された都とを囲んだ。すると、天から火が下って来て、彼らを焼き尽くした。そして彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄の池に投げ込まれた。そこにはあの獣と偽預言者がいる。そして、この者どもは昼も夜も世々限りなく責めさいなまれる。 世界中の空から放射能が降り注ぐ日がくるのだろうか。
2022年03月15日
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自分が戦争を仕掛けておいて、海外諸国の経済制裁は「宣戦布告のようなもの」と語るのは、何事も意のままになる独裁者の故か。 イスラエルが仲介の労をとろうとしているが、狙いは何なのだろう。 英国の軍情報部は、「ウクライナの抵抗の規模と強さにロシアは今も驚いている」との情報をつかんでいるようだが、モサドは、ロシアと米国のどんな情報をもっているのだろう。 プーチン氏、制裁は宣戦布告のようなものと戒厳令は否定2022/03/06 BBC News ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて西側諸国が発動した対ロ経済・金融制裁は「宣戦布告のようなもの」だと述べた。「しかしありがたいことに、そこまでには至っていない」とも述べた。ウクライナの大統領が西側に求めているウクライナ領空の飛行禁止区域設定については、そのような行為は武力紛争への参戦とみなされる、当事者は敵性戦闘員とみなされると警告した。 プーチン氏はモスクワ近郊にあるアエロフロート訓練施設を訪れ、女性客室乗務員たちと歓談した際に、発言した。 ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を開始して以来、西側諸国はロシアの金融機関を国際決済通信網から排除したり、ロシア機の領空飛行を禁止するなど、様々な制裁を科してきた。プーチン大統領自身やセルゲイ・ラヴロフ外相をはじめ多くの政府関係者、政府に近い大富豪たちの外国資産も凍結した。西側政府の制裁に加え、クレジット会社マスターカードやビザをはじめ、多くの国際企業がロシアでの取引を中止している。 … (略) … イスラエル首相がプーチン氏と会談 イスラエルのナフタリ・ベネット首相は同日、モスクワを訪れ、約2時間半にわたりプーチン大統領と会談した。ベネット首相のロシア訪問は、首相が実際にクレムリン(ロシア大統領府)に入るまで、伏せられていた。 イスラエル首相府は、プーチン氏とのこの会談については事前にアメリカに連絡していたと明らかにした。 ベネット首相は正統派ユダヤ教徒。5日は土曜日で、本来ならば安息日のため、このような行動はとれないはずだっただけに、ベネット首相の訪ロがいかに緊急性の高いものがうかがわれるという指摘が出ている。ユダヤ教の戒律では、人命がかかる緊急事態にのみ、安息日でも激しい活動が許される。 イスラエルはアメリカと強固な同盟関係を築いているが、プーチン大統領とベネット首相はこれまでに何度か会談しており、関係は良好だとされる。一方、ウクライナのゼレンスキー首相はユダヤ系で、かつてベネット首相にロシアとの紛争での仲介を依頼していた。 プーチン大統領との会談を終えたベネット首相は、続いてドイツを訪れ、オラフ・ショルツ独首相と会談した後、イスラエルに帰国した。 ― 引用終り ―
2022年03月14日
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キエフ、ハリコフ、サポロジェは第二次世界大戦中独ソ戦の激戦地として聞いた地。 ウクライナ語では、キーウ、ハルキウ、ザポリージャが近いらしい。 1941年8月23日 - 9月26日、ナチス・ドイツのバルバロッサ作戦の中でキエフ包囲戦が行われた。 下記の「ウクライナの歴史」をよむと、ロシア中心のソ連の歴史において、外堀であり、捨て駒となったウクライナの地政学的位置づけの一端がわかる。 ウクライナの歴史出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 … (略) …ウクライナ社会主義共和国第二次世界大戦 第二次世界大戦が始まった1939年、ソ連はポーランドに侵攻し、占領した西ウクライナをウクライナに組み入れた。その中で一時カルパト・ウクライナの独立が宣言されたが、ドイツは同盟国であるハンガリーへその領土を組み込んだ。1941年以降の独ソ戦で赤軍が敗走を続ける中、キエフ包囲戦において、66万人以上のソ連軍兵士が捕虜となった。 1941年のナチス・ドイツとソ連の開戦は、スターリンの恐怖政治におびえていたウクライナ人にとって、一時的に解放への期待が高まることになった。ドイツ軍は当初「解放者」として歓迎された面もあり、ウクライナ人の警察部隊が結成された。独ソ戦では、ウクライナも激戦地となり、500万以上の死者を出した(ソ連の内務人民委員部(NKVD)はウクライナから退却する際に再び大量殺戮を行っている)。 しかし、彼らの目的であるウクライナの政治的・文化的独立は、ソ連のみならずドイツ側からも弾圧された。かねてより独立活動を行ってきたウクライナ民族主義者組織 (OUN) が1941年6月にウクライナ独立国の独立を宣言した際には、ドイツは武力でこれを押さえ込もうとした。ドイツは、「帝国管区ウクライナ」を設置しナチス親衛隊が直接統治を行うこととした。 ウクライナ人は「劣等人種」とみなされ数百万の人々が、「東方労働者」としてドイツへ送られて強制労働に従事させられた。またウクライナに住むユダヤ人はすべて絶滅の対象になった。ドイツの占領などによる大戦中の死者の総数は、虐殺されたユダヤ人50万人を含む700万人と推定されている。なお、ユダヤ人虐殺に関しては現地の住民の協力があったことが知られている。人だけでなく、穀物や木材などの物的資源も略奪され、ウクライナは荒廃した。このドイツ軍の暴虐にウクライナ人農民は各地で抵抗し、やがて1942年10月、ウクライナ蜂起軍(UPA)が結成されるに至る。おもに西ウクライナにおいて、テロ活動などでドイツ軍と戦った。UPAが活動を活発化させればさせるほど、ドイツ軍もウクライナ人迫害の手を強めた。 一方でドイツ軍は、1943年春にスターリングラード攻防戦で決定的な大敗北を喫すると、自らの軍隊に「東方人」を編入させようとして、武装親衛隊(武装SS)にウクライナ人部隊「ガリツィエン師団」を創設した(この時期、武装親衛隊はウクライナ人だけでなく、多数の外国人を採用している)。ウクライナ人たちも、ドイツ支配下のウクライナの待遇が改善されること(自治・独立)を希望し、約8万人のウクライナ人が応募、そのうち1万3千人が採用された。1917年~1921年の独立革命の挫折の経験から、ウクライナ人は自分たちに、よく訓練された正規の軍隊が不足しているということを痛感していたのである。 彼等はまさに「ウクライナ人」として、スターリンのソ連軍と戦う機会を与えられることになった(その一方でユダヤ人虐殺にも荷担した)。ガリツィエン師団以外にも、多くのウクライナ人が「元ソ連軍捕虜」としてドイツ軍に参加している。しかしそれらを圧倒的に上回る数のウクライナ人が「ソ連兵」としてナチス・ドイツと戦い、死んでいった。当時のソ連軍兵士1100万人のうち、4分の1にあたる270万人がウクライナ人であった。 やがて、ドイツが敗走して再びソ連軍がやってくると、ウクライナ蜂起軍(UPA)は破滅的な運命をたどる。彼等は今度はソ連軍に対するテロ活動を開始し、それだけでなくガリツィア地方のポーランド人、ユダヤ人の大量虐殺を行った。家は次々に焼き討ちにし、ときには虐殺に反対した同朋のウクライナ人をもいっしょに殺害した(出典?)。このようなUPAのテロ活動は1950年代まで続いた。 戦後、ソ連はポーランドやチェコスロヴァキアと共同軍事行動をUPAにたいして起こし、ポーランドでは国内のウクライナ人を強制退去させる「ヴィスワ作戦」が行われた。戦後まもなくの東欧は、新しく引きなおされた国境線にしたがって大量の人々が無理やり移住させられる時期だった。ウクライナでも、ポーランドなどから追い出されたウクライナ人が大量に国内へ流入する一方で、多くの国内のポーランド人、ユダヤ人は国外へ強制退去させられ、国内からほとんど姿を消してしまったのだった。 ウクライナは第二次世界大戦において最も激しい戦場になったとされ、その傷跡は今日にまで各地に残されている。ドイツ空軍機による破壊は文化財にもおよび、多くの歴史的建造物が失われた。ソ連政府は、ウクライナ人への懐柔策として「南方戦線」と呼ばれていたこの地域の戦線を「ウクライナ戦線」と命名し、ウクライナ人を前線へ投入した。 第二次世界大戦後、ウクライナ社会主義共和国の国境は旧ポーランド領であったハリチナー地方などを併合して西に拡大し、ほとんどのウクライナ人が単一国家の下に統合された。ソビエト連邦内では、ロシアに次いで2番目に重要な共和国となり、「ソ連の穀倉」といわれた。 ― 引用終り ― キエフを攻略するのに消費された4週間はモスクワ攻撃の時間を遅れさせることとなり、スターリングラード攻防戦(死傷者数、枢軸側約85万人、ソビエト側約120万人)を展開するドイツ軍を冬将軍が襲うこととなった。 ウクライナの多大な犠牲が、ソ連を、ロシアを救った。 ロシア語を話すウクライナ人も、ポーランドと同様に国土蹂躙の歴史であり、ロシアもドイツも大嫌いな人がいる。 ロシア嫌いのポーランドは、今回最多のウクライナ人67万人超(3月1日現在)を受け入れている。 NATOが東漸するのは、ひとえにロシアの脅威のためだ。
2022年03月13日
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ウクライナに侵攻するロシア軍の燃料不足、食料、武器、弾薬も不足している。 司令官の補給計画のない無謀な作戦計画で兵員が捨て駒にされるのは、さながら現代のインパール作戦。 米高官ロシア軍燃料に加え「食料も不足」2022/03/02 テレ朝news アメリカ国防総省の高官はウクライナへの侵攻を続けるロシア軍について、燃料や食料不足で動きが停滞しているとの見方を示しました。 国防総省の高官は1日、記者団に対し、ウクライナの首都キエフに迫っているロシア軍の動きについてウクライナ軍の抵抗や燃料不足に加え食料不足も重なり、停滞が続いていると述べました。 また、ロシア軍の中には戦闘に参加したことがないばかりか「戦闘に加わると知らされていない兵士もいるようだ」とも述べ、士気の低さなども影響しているとの見方を示しています。 その一方で、ロシア側が作戦の見直しなどのために一時的に動きを止めている可能性もあると指摘しました。 ― 引用終り ― 帝国陸軍の兵員には大義があった。 ロシア軍は開戦当初から士気の低下が報じられていたが、一番不足しているのは、兵員が戦う「大義」。「大義」はプーチン大統領の頭の中にだけあるようだ。 3日食事なく「俺たちは捨て駒」と嘆き...補給を絶たれた前線のロシア兵の映像Video Shows Russian Soldiers Left in Limbo As 'Cannon Fodder'ブレンダン・コール2022年3月4日 Newsweek<士気の低さが指摘されるウクライナ侵攻中のロシア軍だが、補給もなく孤立する部隊の窮状を訴える動画が拡散されている> 自分たちは上官に「捨て駒にされた」と嘆くロシア兵たちの動画がソーシャルメディアに投稿され、話題になっている。ロシア政府がウクライナ侵攻のために派遣した部隊の士気が低さはたびたび指摘されているが、今回の動画もその一例と言えそうだ。 動画が撮影された場所は公開されていないが、そこに映し出されているのは所在なげに立っているロシア兵たち。撮影者のロシア兵によれば彼らは3~4日そこに留まっているが、その間、まともに食事にありつけていないようだ。また、テントもなく、地面に横になって眠らざるを得ないという。 … (略) … 調査報道団体「コンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)」は、ツイートでこう述べている。「映像は、(捕虜になっていない)ロシア兵によって撮影されたものだ。撮影者は、損失や過酷な状況について不満を漏らしている」 ロシアがウクライナに侵攻して以来、参戦したロシア兵たちが幻滅している姿が複数報道されており、この動画はそのひとつだ。米国防総省は3月1日、若い徴集兵を含むいくつかの部隊が丸ごと、ウクライナ軍と戦うより武器を置くことを選択していると述べた。 「軍事演習だと思った」「ママつらいよ」ウクライナ保安庁が公開したいくつかの動画では、ロシア人捕虜と見られる人々が、「軍事演習に参加していたつもりだったのに、気がついたら侵攻部隊の一員になっていた」と語っている。食料や燃料が底をつき、略奪に走る部隊もあれば、軍装備品を放棄する部隊もあると伝えられている。 ― 引用終り ―
2022年03月11日
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英国の石油大手BPは、保有するロシアの石油大手ロスネフチの株式19.75%をすべて売却すると発表した。 ロスネフチはBPの石油・天然ガス資源の約半分、生産量の3分の1を占める。BPは株式売却に伴い最大250億ドルの減損処理を行うと発表した。 英BP、ロスネフチ株売却ロシアから事実上撤退2022/2/28 KYODO 英石油大手BPは27日、保有するロシアの石油大手ロスネフチの全株式を売却すると発表した。ロシア国内で手掛けてきたロスネフチとの合弁事業も終える。ロシアからの事実上の事業撤退で、他の企業でも同様の動きが広がる可能性がある。 ヘルゲ・ルンド会長は声明で「ロシアによる軍事行動で根本的に状況が変わった。ロスネフチ株の保有はBPの戦略と合致しなくなった」と表明した。 ― 引用終り ― 日本ではあまりなじみのないBP(旧ブリティッシュ・ペトロリアム)は、英国・ロンドンに本社を置き、石油・ガス等のエネルギー関連事業を展開する多国籍企業。世界の石油関連企業の中でも特に巨大な規模を持つ国際石油資本・「スーパーメジャー」と総称される6社の内の1社。 スーパーメジャーは、エクソンモービル(米国)、シェル(英国)、BP(英国)、シェブロン(米国)、トタルエナジーズ(フランス)、コノコフィリップス(米国)。 スーパーメジャーは天然ガス、再生可能エネルギーなどの次世代エネルギーの開発に、多額の資金を投じている。 米エクソン、ロシア石油事業「サハリン1」撤退ウクライナ侵攻2022年3月2日 日本経済新聞【ヒューストン=花房良祐】 米石油大手エクソンモービルは1日、極東ロシアの資源開発事業「サハリン1」から撤退すると発表した。同「サハリン2」からは英石油大手シェルも撤退を表明済み。ウクライナ侵攻でロシアへの批判が高まるなか、同国での資源事業から手を引く動きが広がっている。 具体的な撤退時期には言及しておらず「操業を徐々に停止して合弁から撤退する手続きを取り始めた」という。主に原油を生産するサハリン1にはエクソンが30%を出資。ほかにサハリン石油ガス開発(東京・港)が30%、ロシアの石油大手ロスネフチとインドの石油天然ガス公社(ONGC)が20%ずつ出資している。サハリン石油ガス開発には経済産業省、伊藤忠商事、石油資源開発、丸紅、INPEXが出資している。 ― 引用終り ― サハリン1があれば2もある。 サハリン2からスーパーメジャーのシェルが撤退を表明。 日本商工会議所三村会頭は、サハリン2日本撤退なら、「LNGは中国に行く」と発言し、外交音痴ぶりを露呈。 サハリン2日本撤退なら、「LNGは中国に行く」…日商会頭「考慮して結論を」2022/03/04 讀賣新聞オンライン 日本商工会議所の三村明夫会頭は3日の記者会見で、ロシア極東サハリンの天然ガス開発事業「サハリン2」から英石油大手シェル(旧ロイヤル・ダッチ・シェル)が撤退を表明したことについて、「(日本企業は)すぐに『右へならえ』でやるべきだとは思わない。じっくり考慮して結論を出してもらいたい」と述べた。 サハリン2には三井物産と三菱商事が出資しており、日本の液化天然ガス(LNG)調達の7%程度を占める。三村氏は、「三井物産や三菱商事の単独の問題ではなく、背景には(石油や天然ガスを)使っている日本のガス会社や電力会社がいる」と述べ、撤退によるエネルギー供給への影響に懸念を示した。 ― 引用終り ― 3月3日、米国・上院で露産原油の輸入を停止するべきだと、超党派による輸入禁止法案が提出された。 ロシアからの原油禁輸はエネルギー価格を押し上げ、国内のシェールオイル・ガスにつながり、内需振興につながる。 ロシア産石油の流通制限、原油価格高騰は産油国、スーパーメジャーにとってプラス。
2022年03月10日
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ロシアは景気拡大とともに男性の平均寿命が縮んだ稀有な国だ。 ソ連邦からの体制転換が始まった1992年より、死亡率が急激に上昇するとともに出生率の劇的な低下が見られ、20年以上にわたり、ロシアでは死亡数が出生数を上回る人口の自然減が続いた。 その後回復傾向が続いたが、一度減った年齢層は増えないし、その年齢層の再生産数も低くなる。 広大な国土を持つが、ロシア人は減っていく。 プーチン大統領の長期政権を支える要素の一つである石油資源の将来も危うい。 経済制裁に「資源の呪い」上向かぬロシア経済岡崎研究所2021年5月14日 WEDGE Infinity … (略) … ロシア経済は、2014年以来、実質成長ゼロである。プーチンは、経済停滞の責任を、「外部の力」、すなわち世界的な石油価格などに負わせているが、不健全な経済政策と西側の制裁は彼自身以外の誰の過ちでもない。 2008年ー2013年と2014年ー2019年では、1年の外国直接投資の平均流入はGDPの3.1%からGDP の1.4%に減少した。(2014年のロシアによるクリミア併合に対する西側の制裁も影響しているのだろう。) 4月21日、プーチンは年次演説で「マクロ経済の安定とインフレーションの封じ込めは確実に達成される」と約束した。しかし、マクロ経済の安定はそれ自身目的ではなく、継続的な成長のための手段であって、経済政策の目的は、市民の福祉を最大化することである。しかしプーチンの明示的目的は、彼の独裁的権力を最大化することである。 ― 引用終り ― プーチン政権は自らの政権継続の灯が消えようとしていることを客観的に認識している。 下記の論文の中で、ロシアの石油の可採埋蔵量300億トンのうち、現在のマクロ経済条件下で利益が出るのは36%に過ぎないことが記載されている。 ドイツはロシアのパイプラインのLNGを購入しようとしたが、日本は断った。 パイプラインの敷設を断ったのち、プーチン大統領は親日的振る舞いをかなぐり捨て、日本を罵っていた。 ドイツはウクライナ侵略で、いち早く第2パイプラインの工事を差し止めた。 ロシアの石油戦略が曲がり角課税強化の「禁じ手」、次官が論文で警鐘?2021年4月28日 GLOBE+ 周知のとおり、ロシアは世界に冠たる石油大国です。しかし、今後も順調に生産が拡大していくとはロシア政府自身も考えていません。 下図に見るとおり、2020年6月にロシア政府が採択した「2035年までのエネルギー戦略」によれば、2035年時点の石油生産量は良くて現状維持、悪ければ現状から12%ほど低下するとみられています … (略) … そうした中、ロシア・エネルギー省のP.ソロキン次官が今年1月、同国の「エネルギー政策」という雑誌に論文を投稿しました。 彼が指摘したのは、まさに上述のような開発条件の悪化です。ロシアの多くの油田で資源はあってもコストの増大により、掘っても利益を出せなくなるという点です。 以下、ソロキン論文の当該箇所を抄訳して紹介します。 * * * * * * * * * ロシア経済における石油採掘業の重要性は、いくら強調しても強調しきれないほどである。 それはおおよそ国内総生産(GDP)の15%、輸出の40%、連邦財政の歳入の45%をもたらしている。 石油産業はチュメニ州のハンティ・マンシ自治管区、タタルスタン共和国、バシコルトスタン共和国、トムスク州といった一連の産油地域の社会・経済発展に重要な役割を果たしている。 しかし、現時点で石油・ガス産業はいくつかの問題に直面しており、世界市場における競争力が低下しつつある。 全般的な問題として指摘できるのは既存油田の埋蔵量が徐々に枯渇に向かい、伝統的な産油地域の生産量が低下していることである。今日、最も減産が顕著なのはロシア最大の産油地帯である西シベリアで、その生産量は過去10年間で10%落ち込んでいる。 ロシア政府の指示により精査したところ、ロシアの石油の可採埋蔵量300億トンのうち、現在のマクロ経済条件下で利益が出るのは36%に過ぎなかった。 それは開発条件の悪化に起因しており、生産はますます複雑な作業を要するようになっている。その結果、生産コストが増大するだけでなく、開発した際の収益性に誤算が生じる恐れがある。 資源基盤の再生産の質も悪化している。2015年から2019年にかけて発見された新たな鉱床の平均規模は、大陸棚およびパイヤハ鉱床群のいくつかの鉱床を例外として900万~1,400万トンにすぎなかった。 ここ数年、ロシアの埋蔵量の増加は大部分が新たな油田の発見というよりも既存産地での追加の探鉱か、または埋蔵量の再評価によってもたらされている。 しかも地質探査の技術的困難性は、はなはだしく高まっている。伝統的な産地では基本的に確認埋蔵量が増えるとしても、これまで見逃していた油層の発見や、より深部の掘削によってである。 しかし、従来のデータ解釈の方法ではデータ不足や構造の複雑性などから、有望な油層の見落としが生じてしまう。 そのため、全く新しい探索・モデル化の技術が必要となる。深い油層の開発には投資の拡大が必要だ。 たとえば、西シベリアのジュラ紀以前の鉱床の場合、試掘のための所要投資額は北極圏でのそれに匹敵し、一つの油井につき5億ルーブル以上を要する。 大きな埋蔵量の発見を期待できるのは北極圏と大陸棚である。ここでは近年、ネプチューン、トリトン、パイヤハなどの大規模な油田が発見されており、その合計埋蔵量は13億トンを超える。 しかし、これらの鉱床はまだ、ほとんど調査されておらず、試掘にかかるコストが高いことから、まったく新しいモデリング技術をここに適用する必要がある。 ― 引用終り ― プーチン政権の財政的原動力である石油産業は、技術的なイノベーションと効率の向上が必要であり、そのため、スーパーメジャーや日本の総合商社との合弁で開発していた。 ウクライナの侵略が明らかになった今、それらの道は閉ざされた。
2022年03月09日
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ロシアのウクライナ領侵略は戦争なので、公式、非公式を問わず、様々な公式発表が内容的に交錯する。 2月24日、ロシア軍、チェルノブイリ原発を掌握した。 ロシア軍、チェルノブイリ原発を占拠ウクライナは「生態系災害」の再来を警告2022年2月25日 BBC NEWS ウクライナ政府は24日、ロシア軍がチョルノービリ(チェルノブイリ)の原子力発電所を占拠したと発表した。ミハイロ・ポドリヤク大統領顧問は、ロシアによる「全く無意味な攻撃」は「今日のヨーロッパにおける最も深刻な脅威の一つ」だと述べた。 チェルノブイリ原発は1986年4月、ウクライナがソヴィエト連邦の一部だった当時、爆発事故を起こした。ウクライナの首都キーウから北に約130キロ、ベラルーシからは約10キロの位置にある。大量の放射性物質が大気中に放出され、現在のウクライナだけでなく、ロシアやベラルーシ、さらには欧州北部の広範囲に拡散した。半径32キロの範囲が立ち入り禁止区域となった。2016年には、炉心や建屋を丸ごと覆うシェルターが完成した。施設内には複数の放射性廃棄物処理施設がある。 ロシア軍は24日未明、立ち入り禁止区域に先に入った後、ウクライナ領内に入り、原発施設の警備隊と戦闘を繰り広げた後、施設を掌握したとされている。チョルノービリはロシア軍にとって、キーウ進軍の足掛かりになる可能性がある。 ― 引用終り ― チェルノブイリ原発事故以降、欧州は放射性物質に敏感であり、重要視している。 スイス、スウェーデンがロシアのウクライナ侵略で、「永世中立」にそぐわない行動を選択したのは、生存の危機をいち早く察したからだ。 将来の経済とエネルギー安全保障重視の自公連立政権と、対ロシア封じ込め策の優先度が根本的に異なる。 「原発安全神話」に広島県選出の岸田首相も欺瞞されている。 ロシア封じ込めに万難を排して取組む欧米諸国と、様々な要素を比較衡量してことに当たる日本という構図だ。 原発など核施設の放射線漏出事故は、偶発的に起きる。 ウクライナ原発周辺の火災鎮火ロシア軍が攻撃 放射線量変化なし2022年3月4日 ロイター ロシア軍が4日未明、ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポロジエ原子力発電所の一帯を攻撃し、原発の近くにある訓練用建物で火災が発生した。ウクライナ緊急サービス当局によると、火はその後消し止められた。 グランホルム米エネルギー長官は、原発周辺で放射線量の上昇は見られないと指摘。同原発はウクライナの発電総量の2割余りを占める。長官はツイッターに、原子炉が「強固な格納構造で保護」されており、「安全に停止されている」と投稿した。 原発火災の報道を受けてアジアの株式市場は急落し、原油が一段高となった。 ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説で「欧州人は目を覚ましてほしい。ロシア軍がウクライナの原発を攻撃していると政治家に伝えてほしい」と懇願した。ロシア軍の戦車が原子炉施設に砲弾を発射したと述べたが、証拠は示されていない。 ウクライナ当局は、ロシアが同原発の制圧に向けた動きを強め、戦車で市内に入ったとしていた。 ロイターが確認した映像には、原発の敷地近くの建物が砲撃を受け煙が上がっている様子が映っている。 原発に近いエネルゴダールの市長はこれより先、原発近隣でウクライナとロシア軍の激しい戦闘が起き、ザポロジエ原発で火災が起きていると対話アプリで発言。クレバ外相も、ロシア軍の総攻撃によりザポロジエ原発で火災が発生しているとツイート、「爆発すればチェルノブイリ原発事故の10倍の被害が出る」と述べていた。 米ホワイトハウスによると、バイデン大統領は3日夜にゼレンスキー大統領と電話会談し、ザポロジエ原発の状況について説明受けた。バイデン氏は、原発周辺での軍事活動の停止および緊急対応要員の現地立ち入りを認めるようロシアに要求するという認識をゼレンスキー氏と共有したという。 … (略) … 国際原子力機関(IAEA)は4日、ザポロジエ原発の火災について、「重要な」機器への影響はなく、放射線レベルに変化はないとウクライナ当局から通知があったことを明らかにした。 ― 引用終り ― 日本の電力会社は、海外から指摘された、テロ、戦争による原発の危険性の認識を新たにしたのだろうか。 日本の原発は、燃料棒に加えて大量の使用済み核燃料を保管しており、外部から破壊された場合、危険極まりない存在と化す。
2022年03月08日
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ソ連邦の領土的復活、大ロシアを目論むロシア・プーチン大統領は、ウクライナを軍事力で侵略しようとしている。EUの危機感、NATO加盟の欧州諸国の危機感は一気にたかまった。 2月25日、国連安全保障理事会は、ウクライナ情勢を巡る会合を開き、ウクライナに軍事侵攻したロシアを非難し、武力行使の即時停止と撤退などを求める安保理決議案を採決した。 米欧など11か国が賛成したが、常任理事国のロシアが拒否権を行使し、否決された。注目すべきは、中国、インド、アラブ首長国連邦(UAE)の3か国が棄権したことだ。 曖昧な姿勢をとってきた貿易・経済重視のドイツは、危機を正しく認識した。 2022年2月26日、 米国、英国、欧州、カナダは26日、ロシアを国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。世界は新型コロナとの戦いを、ロシアとの武力闘争に切り替えた。 ドイツ一転、ウクライナに武器支援露のSWIFT排除にも前向き2022年2月27日 7時39分 産経ニュース ドイツのショルツ首相は26日、ウクライナに対戦車兵器1000基、携帯型地対空ミサイル「スティンガー」500基を供与すると発表した。これまではウクライナへの武器供与を拒否してきたが、方針を転換した。 ショルツ氏は、「ロシアの侵攻が転機になった。露軍に対するウクライナの自衛支援は、われわれの責務」とする声明を出した。 ドイツはこれまで、「紛争地には殺傷兵器を送らない」として、ウクライナへの軍事支援は自衛用ヘルメットの供与にとどめていた。発表を前に26日、ベルリンを訪れたポーランド、リトアニア両国首脳は、ショルツ氏に対し、ウクライナに対する武器支援を強く求めていた。 ドイツは26日、国際資金決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワークからロシアを排除する金融制裁にも、限定的に応じる姿勢を見せた。ベーアボック外相が、「SWIFT排除による巻き添え被害をどう抑えるかを検討中」だと声明を出した。SWIFT排除は、ロシアが石油やガス輸出で得た外貨送金を遮断する手段。25日の欧州連合(EU)外相理事会で、対露追加制裁の一つとして検討されたが、ロシア産ガスに依存するドイツが難色を示し、見送られた。 ― 引用終り ― ロシアのガスに依存して脱原発政策をすすめていたドイツも、NATO加盟国、EU加盟国としての責務を重視した。脱炭素化で国を失っては元も子もない。 SWIFTは「国際銀行間通信協会」。世界中の【銀行間の金融取引の仲介と実行】の役割を担っている団体。 世界各国の銀行・金融機関を結ぶ安全性の高いネットワークで、世界中の高額な決済の約半分がSWIFTネットワークを利用していると言われている。 経済制裁の最終手段とされ、エネルギー資源国ロシアの糧道を絶つ効果がある。 ロシア一部銀行のSWIFT排除で合意米欧が追加制裁2022年2月27日 8時26分 ロイター 米国、英国、欧州、カナダは26日、ロシアを国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの新たな制裁措置の一環。 共同声明は、欧州委員会、フランス、ドイツ、イタリア、英国、カナダ、米国の首脳が署名。制裁にはロシア中央銀行の外貨準備に関する規制も含まれ、数日中に実行する。 声明は「われわれはロシアに(ウクライナ侵攻の)責任を取らせる。この戦争がプーチン(大統領)にとって戦略的な失敗に終わるよう、共同で取り組む所存だ」とし、「われわれはきょう発表した措置に加えて、ロシアにウクライナを攻撃した責任を取らせるため、さらなる措置を講じる用意がある」とした。 欧州委のフォンデアライエン委員長は「ロシア軍がキエフやその他のウクライナの都市を攻撃する中、われわれはロシアに巨額のコストを科し続けることを決意している。そのコストとは、ロシアを国際金融システムとわれわれの経済からさらに孤立させるものだ」と述べた。 ― 引用終り ― 強力な経済制裁は、現代の経済社会で「戦争」状態を意味する。 中国は、自らが台湾を侵略するときに生じるであろう国際情勢をみとっている。 台湾が中国による侵略されたなら、日本はほぼ確実にその戦争に巻き込まれる。 このことと「新東西冷戦構造」の出現に気付いた日本・岸田首相は、2月27日夜、ロシアの一部銀行をSWIFTから排除する制裁に日本も加わると表明した。 おそらく多くのロシア国民も支持しない正義なき侵略戦争は、短期決戦が必須のはず。 プーチンの大義は、ロシアの市民の大義でも正義でもない。自分の子の死をロシアの母は許さない。
2022年03月08日
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戦争は陸海空の物流を阻害する。 ウクライナの主な輸出産品は、穀物、鉄・鉄鋼、希少金属を含む鉱石、電子機器。 最大の貿易相手国は輸出、輸入とも中国。 ウクライナだけでなく、中央アジアの海に面していない国々の物流も阻害する。 ウクライナ情勢が中央アジア周辺の物流に影響(カザフスタン、ウズベキスタン、中央アジア、ロシア、ウクライナ)2022年2月25日 ジェトロ・ビジネス短信 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、中央アジア周辺での物流に影響が出始めている。 外洋に接していないカザフスタンやウズベキスタンなどの中央アジア諸国は、欧州との貿易にロシア経由のトレーラー輸送を利用することが多い。現在、ロシアとウクライナ国境、ベラルーシとポーランド国境、ロシアの黒海沿いのノボロシースク港経由での物流が機能しておらず、ジョージアのポティ港・黒海経由での輸送も難しくなりつつあることから、物資輸送に支障が発生している。 カザフスタンの物流企業クルーズ・ロジスティクスはジェトロのインタビューに対し、「現時点では、中央アジアと欧州間の貨物輸送はイランのバンダルアバス港などを経由するルートを使うしかない」と話す。また、中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」についても「影響の顕在化は時間の問題ではないか」との認識を示している。 ― 引用終り ― 2022年1月、液化石油ガスの上限価格が撤廃されて販売価格が2倍に急騰したことに対して一部の国民が反発し、カザフスタン西部地域で市民の抗議活動が始まった。 抗議活動は次第に暴力的行動をとるようになり、警官隊との大規模衝突が発生。 1月5日、トカエフ大統領は、内閣を事実上更迭し、全国土に非常事態宣言を発令。 6日、ロシア、カザフスタンなど旧ソ連6カ国で作るCSTO(集団安全保障条約機構)は、トカエフ大統領の要請にもとづき、カザフスタンに集団的平和維持軍を派遣したと発表。ロシアの空挺師団がカザフスタンに展開し、事態を沈静化した。 19日、ロシアを含むCSTOの部隊は任務を終了、全員カザフスタンから去った。 ロシア・プーチン大統領は、カザフスタンの治安維持に実績を示した。 2021年11月19日、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領は、ロシアのプーチン大統領とモスクワで会談した。 長期の独裁的体制を続けたミルジヨエフ氏は、10月の大統領選で再選を果たし、ロシアとの関係を強化し経済改革を継続する狙い。 ロシア・プーチン大統領の傘下に飛び込む形。 物流の一時的な混乱は、大ロシア、旧ソビエト連邦体制の復活のためには、ちょっとした躓き。 ロシアのウクライナの次の標的は、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)という欧州の推論は全う。
2022年02月26日
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ロシアは従来から、ウクライナが欧州に接近し、NATOやEUに入ろうとする動きに反発してきた。 近年、プーチン大統領は、ウクライナは西側の操り人形だと発言。そもそもウクライナが正規の国家だったことなどないとまで、発言した。 ウクライナがNATOに加盟しないこと。これが、プーチン氏の要求の中核をなす。軍事同盟のNATOには現在、30カ国が加盟している。 日本時間の2月19日朝、バイデン大統領は、プーチン大統領がウクライナに侵攻することを決断したと確信していると述べた。 露、ウクライナ侵攻へ親露2地域を独立承認2022/2/22 産経新聞【モスクワ=小野田雄一】 ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の一部を実効支配する親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」(ともに自称)を一方的に国家承認する大統領令に署名した。ロシアと両「共和国」間の協力協定も締結。プーチン氏は両「共和国」からの要請という形で、ロシア軍を「平和維持部隊」として親露派支配地域に派遣することを国防省に命じた。ロシア軍のウクライナ入境は明確な軍事侵攻で、米欧は対抗措置を講じると表明した。 プーチン氏は大統領令署名に先立つテレビ演説で、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟すれば、「ロシアの脅威になる」と主張。親露派支配地域に住む自国民保護やロシアの安全保障を確保する重要性を強調し、「両共和国の独立と主権を認める」と述べた。国家承認は、2014年のウクライナ南部クリミア半島併合に続く一方的な「現状変更」の試みとなる。08年のジョージア(グルジア)侵攻も同様の手法がとられた。 ― 引用終り ― 2月23日(米東部時間)、米国のバイデン米大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した。ロシアが侵攻したなら米国は断固とした対応をとると確認した。 2月24日、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「全面侵攻を開始した」と語った。 プーチン大統領 軍事作戦実施表明“ウクライナ東部住民保護”2022年2月24日 NHK ロシアのプーチン大統領は24日、国民向けのテレビ演説で、ウクライナ東部の住民を保護するためとして特別な軍事作戦を実施することを明らかにしました。 軍事作戦の具体的な内容は明らかにしていませんが「ウクライナ領土の占領については計画にない」と述べました。 ― 引用終り ― ロシア通信(RIA)によると、同国国防省は、ウクライナの軍事施設や防空、空軍を高精度兵器で標的にしていると発表した。ウクライナの都市は攻撃していないと語った。 ウクライナは、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始し、複数の都市で軍司令部がミサイル攻撃を受けているとしている。 ウクライナ、戦時体制を宣言産経ニュース / 2022年2月24日 14時33分 ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、全土に戦時体制を導入すると宣言した。ゼレンスキー氏はテレビ演説で「ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部での特別軍事作戦を表明した。ロシアはわが国の軍事インフラと国境警備要員への攻撃を行った」とし、「わが国の全土に戦時体制を導入する」と述べた。 ゼレンスキー氏はバイデン米大統領と連絡をとったとも説明。米国がウクライナへの国際的支持をとりつけると述べ、「私たちにはあらゆることへの備えがある」と国民に冷静な対応を呼びかけた。 ― 引用終り ― 2月20日、ベラルーシ国防省は、国内で2月10日から行われているロシア軍との合同軍事演習を継続すると発表した。ロシア軍はベラルーシでの駐留を継続していた。 露軍、ベラルーシからも侵攻か2022/2/24 産経新聞 米CNNテレビによると、ロシア軍は24日、ウクライナ北側の隣国ベラルーシからも部隊をウクライナに侵攻させた。軍用車両などがウクライナ国境を越えたとしている。露軍はベラルーシ軍との合同演習のためにベラルーシに派遣され、演習終了後も部隊の「点検」名目で同国に部隊を維持していた。 ― 引用終り ― ソ連、ロシアは自国の国境の相手方の領土が自国方・中立であることで安心する。 ワルシャワ条約機構なき今、国境の先がNATO加盟では、ロシアは心情的に安心できない。 1978年に発生したアフガニスタン人民民主党政府に対する武装蜂起発生。 1979年、ソビエト連邦がアフガニスタンに政府軍を通じて介入。泥沼化したアフガン紛争の始まり。 政府・ソビエト連邦軍に対して、アラブ産油国、米CIAなどが支援するムジャーヒディーンとの戦闘が発生。長引く紛争は、ソビエト連邦崩壊の契機の一つとみられている。 ロシアのウクライナ侵攻は、プーチン長期政権の躓きの石になるか。 いずれにしろ、利を得るのは様々な経路で軍事援助を行う米国の軍産複合体。米軍を派遣すれば、自国将兵の犠牲のもとに、軍産複合体の利がさらに増大する。 米国の軍需産業トップ5は、ボーイング、ユナイテッド・テクノロジーズ、ロッキード・マーチン、ハネウェル・インターナショナル、ゼネラル・ダイナミクスといったところ。米国の国内景気も良好となり、ロシアのウクライナ侵攻はバイデン政権が中間選挙を乗り切るにはプラス要素。 EUがロシアの経済制裁に参加し、ロシア‐ドイツ間のLNGパイプライン(ノルドストリーム2)を止めれば、ロシアの経済制裁だけでなく、中国と結託し経済力を拡大しているドイツの抑制にもなる。 戦争を止めるのは、心から平和を願う市民の声にかかっている。
2022年02月24日
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20年にもわたる長期政権で健康問題が取りざたされるロシア・プーチン政権だが、そんな噂と関係なく、ロシアを脅かす客観的で大きな危機が存在している。 ロシア軍の一部撤退を米国は認めていない。画像の合成はソ連以来の伝統か。 プーチンは「焦ってる」…ロシアで起きている「3重苦」の危ない正体藤 和彦経済産業研究所コンサルティングフェロー2022.02.08 現代ビジネスじつは、プーチンは「焦っている」 ロシアが昨年末からウクライナの国境に10万人規模の軍を集結させたことを警戒する欧米諸国は、ウクライナ周辺の東欧地域に派兵する準備に入った。 米国とロシアの関係は冷戦期以来の緊張状態にあると言われている。 ロシアは天然ガスで世界第2位、原油では世界第3位の生産量を誇っており、同国への経済制裁は世界経済全体に悪影響が及ぶ「諸刃の剣」にもなるが、「プーチン大統領にとって欧米諸国の経済制裁も想定内であり、ロシアの攻勢を食い止めるためには強硬な措置が不可欠だ」とする論調が強まっている。 果たしてそうだろうか。 筆者は「ロシア経済は危機に瀕しつつあり、欧米諸国から追加制裁を科されることを非常に恐れている」と考えている。 天然ガスが話題になることが多いが、ロシア経済の屋台骨は原油である。ロシアの石油産業は同国のGDPの15%、輸出の40%、連邦財政の歳入の30%を占めている。「ソ連崩壊を招いた大本の原因は1980年代後半の原油価格の急落であり、21世紀に入り世界の原油価格が再び上昇したことでプーチン大統領はロシアを大国の地位に復活させることができた」とする説があるくらいだ。 だが、いまそんなロシアの命運を握る石油産業に異変が生じつつある ― 引用終り ― ロシアの三重苦は下記。1.原油埋蔵量の減少2.油田開発を阻む経済制裁3.深刻な人口減少 反対意見を封じる圧政も経済発展が覆い隠してきた。 ロシアは埋蔵資源減少と人口減少という経済の衰退のアキレス腱を抱えている。 ― 引用開始 ―ロシアを襲う「人口減少」は日本よりヤバい ロシア連邦統計局は1月28日に、「同国の人口が昨年に100万人以上減少した」と公表した。 減少幅はソビエト連邦崩壊以降で最悪であり、日本の年間の人口減少数をも上回っている。経済が悪化したことで出生率が低下し死亡率が上昇しているロシアに対し、新型コロナのパンデミックが追い打ちをかけた形だ。 ロシア政府は2020年夏に世界で初めて新型コロナのワクチン(スプートニクV)を承認したが、自国産ワクチンに対する国民の根強い不信感から接種率が低迷している(40%台)。このことも出生率に悪影響をもたらしている。「ロシアはいつでもウクライナに侵攻できる」とする論調が高まっているが、人口減少が深刻化する国が大規模な戦争を遂行できるとは思えない。 それだけではない。 新型コロナ以上に国民生活を苦しめているのはインフレだ。 ロシアでは2020年から食料品を中心にインフレが進んでいる。昨年12月のインフレ率は8.4%と中央銀行の目標値(4%)の2倍以上となった。 ウクライナ情勢の緊迫化により通貨ルーブル安も進み、「輸入品の価格上昇でインフレ率が2桁になる」との懸念が高まっている。 ― 引用終り ― 記事の著者は「大規模な戦争を遂行できるとは思えない」としているが、歴史はそれを否定する。 できそうもない戦争を開始、遂行するのが独裁者の常。 アングロサクソンの脅威から日本・大東亜を守り、大日本帝国を豊かにするはずの大東亜戦争は国力と国民の富を奪い、国民を減少させながら継続された。 米帝が歯止めをかけなければもっと長引いたことだろう。 北朝鮮の独裁政治も、シリア内戦も、国民を減少させながら継続している。 中国・習近平主席もレベルはだいぶ異なるが、とりまく状況はロシアと似ている。 経済の行き詰まりを押さえるための内政の締め付けは強化され、不満を海外に向けるための軍備拡張と国益確保のためと称する軍事的対外進出の拡大と似たような状況。 ロシアの深刻な人口減少にあたるのは、中国の急速かつ大規模な高齢化。 ウクライナ侵攻は今なら、できそう、ありそうだからロシアはやらないということもない。 2022年以降、新型コロナ禍がある程度収まったとしても、予言、占いに頼るまでもなく、「世界は不安定化する」。
2022年02月19日
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2021年1月28日、2021年1月1日時点のデータでロシアの人口は前年比51万人減の1億4620万人となり、15年ぶりの大きな減少幅となったことが、ロシア連邦統計局の発表で明らかになった。 ロシアの人口は1991年のソ連崩壊以降、減少傾向にある。 低い出生率、平均寿命が約72歳であること、不平等な医療制度、国外への移住などが主な要因とされる。 長引くコロナ禍が人口減を加速している可能性が推測される。 ロシア、1日の死者千人に迫る新型コロナ、規制拡大へ2021/10/09 共同通信社 ロシア政府の新型コロナウイルス対策本部は9日、感染による死者の数が1日当たり968人となり、1日の死者数としては過去最悪を記録したと発表した。ロシアの死者数は今月6日に初めて900人を超す929人となった。1日当たりの死者数は4日連続で900人を上回っている。 ロシアでは気温が下がり始めた9月以降、感染再拡大の兆候が見られ、9日発表の1日当たりの新規感染者数は全土で2万9千人を超えた。 ロシア国営テレビによると、ロシア各地では週明けから生徒の自宅学習への移行や、映画館や劇場の入場制限拡大などの対策強化が予定されている。 ― 引用終り ― 日本では10月9日、新型コロナウイルスの感染者が、全国で新たに777人、死者24人確認された。 1日あたりの感染者が1000人を下回るのは3日連続。 死者の累計は17,944人(クルーズ船含む)。 2021年1月1日現在の総人口は、1億2557万人で,前年同月に比べ42万人減少。 2019年の簡易生命表による平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳。 ロシアと違って日本は平均寿命が延びているので、相互の人口は近づいているが、日本は高齢者の占める比率が高い。 政権にとってはロシアの方が「活力ある社会」ということになるのだろうか?
2021年10月11日
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10月7日、ロシアのプーチン大統領は、69歳の誕生日を迎えた。 各国首脳から祝いの言葉があり、岸田文雄首相との電話会談も行われた。 柔道好きのプーチン大統領はLNGのパイプラインによる対日輸出、北方領土の産業連携などで対日融和策をすすめてきた。 米国の顔色をうかがい、いつまでも、どこまでもロシアに冷たい日本政府・自民党政権に堪忍袋の緒が切れたようだ。 数々の戦争犯罪を犯し、日ソ中立条約を一方的に破棄、ポツダム宣言に反する「シベリア抑留」などの事実を抹消し、ロシアは日本の戦争犯罪の喧伝を始めた。 反日活動をしても日韓関係程度の経済関係なら維持できると踏んだのだろうか? 互いに叩けば埃がでる身、埃だらけの身なので、戦争犯罪の追究は断絶につながる道。 自民党政権、外務省の米国べったり外交を間接的に後押しする効果が大きく、日ロ二国間の友好親善を阻む、たいへん残念なことだ。 露、日本の「戦争犯罪」喧伝歴史戦で攻勢2021年9月7日 産経ニュース【モスクワ=小野田雄一】 ロシアのプーチン政権が第二次世界大戦中の日本の「戦争犯罪」を喧伝(けんでん)する動きを強めている。6~7日には極東ハバロフスクで、旧ソ連が抑留中の日本軍人を一方的に訴追した「ハバロフスク裁判」(1949年12月)に関する学術会議を開き、「ソ連は(日本による)細菌戦から世界を救った」などとする認識を示した。日本を「悪者」とする歴史観を広め、日ソ中立条約を破って対日参戦したソ連の行動を正当化する狙いがある。 ハバロフスク裁判では細菌兵器の研究を行ったとされる「七三一部隊」(関東軍防疫給水部)の関係者ら12人が「戦犯」として強制労働の判決を下された。日本軍人らの長期抑留自体が国際法(ジュネーブ条約)やポツダム宣言に違反するものだった上、取り調べや審理の内実も西側とは大きくかけ離れたものだった。 同裁判をテーマとした6~7日の学術会議は、露歴史協会や連邦保安局(FSB)、外務省などが共催。プーチン大統領は「第二次大戦に関する歪曲を防ぎ、(大戦の)再発を防ぐ上で歴史を保存することが重要だ」と開会のメッセージを寄せた。ラブロフ外相はビデオ演説で「ロシアは世界的に承認された第二次大戦の結果が修正されるのを阻止する」と述べた。 露連邦捜査委員会のフョードロフ副長官は会議の中で「日本の研究が米国の生物兵器開発の基礎になった」と主張。副長官は日本による「捕虜殺害事件」を新たに捜査し、犯人を公表する方針も打ち出した。 FSBは会議に先立つ8月、関東軍将兵の「証言」だとする文書の機密を相次いで解除し、国営通信社が大きく報じた。「日本は38年から対ソ戦を準備していた」「日本はソ連国民に生体実験をした」などとする内容だ。 ソ連は41年の日ソ中立条約を破って45年8月に対日参戦し、北方領土を不法占拠した。プーチン政権は「ソ連=善」「日本=悪」とする歴史観を定着させ、大戦期のソ連の不法行為をかき消す思惑だ。北方領土が「第二次大戦の結果としてロシア領になった」とするプーチン政権の主張と表裏一体の情報戦といえる。 ― 引用終り ― ロシアは地球温暖化で永久凍土地帯が溶け出しエネルギー・インフラの危機が報じられているが、北極航路の開設、農業可能地域の拡大など、温暖化の勝ち組説も唱えられている。 ロシア(と米国)が、米ソ二極対立時代のような外交構造の復活を望んでいると考えると、今後の展開が興味深くなる。 ロシア海軍が2030年頃の就役見込みでカタパルト装備の原子力航空母艦を計画していることとも符合する。 ケリー米特使がロシア訪問、温暖化対策での協力へ米国案提示ロイター編集2021年7月13日 REUTERS バイデン米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は12日、訪問先のモスクワでロシアのラブロフ外相と会談し、地球温暖化対策で両国が早急に協力できるよう提案を行いたいとの考えを示した。 ラブロフ氏はロシアの気候変動問題担当大統領特使を務める。ケリー氏は会談で、英北部グラスゴーで今年開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議に先立ち、米政府はロシアと協力することを望んでいると伝えた。米側の提案の内容は公にしなかった。 ― 引用終り ― 温暖化対策だけのためにケリー特使がロシアを訪問するとは思えない。 新たな軍事的、経済的対中包囲網の構築の推進なら、米国の外交政策とも一致する。 「核戦争を起こしたら終り」との認識は周知されており、軍事的大国が対立していると、その周辺で小規模な軍事紛争は起こりにくいのが第二次大戦後の歴史的事実。 9月7日、国後島から北海道まで23時間かけて「亡命のため泳いで来た」ロシア人男性ワースフェニックス・ノカルド氏(38)が、難民認定を申請していることが報じられた。渡航の理由は「強権体制のロシアから離れたかった。プーチン政権に嫌気が差した」ため。 内政の強権体制が整うと、外交で強権を振るおうとするのは中国・習近平主席と同様。 日本周辺の地勢は厄介な隣国ばかりだ。 近隣で日本を仮想敵とする国は、韓国、中国、北朝鮮、ロシア。 軍事政権となりミャンマーとの友好関係も怪しくなってきた。 近隣でお友だちになれそうな国は、台湾、タイ、ベトナム、モンゴルぐらいか。 寂しいことだ。
2021年10月11日
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ロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の体内からノビチョク系の神経剤成分が検出された。 英民間調査報道グループ「ベリングキャット」などの調査により、ロシアのプーチン政権が化学兵器であるノビチョク系神経剤の開発を継続していることが判明した。 露が猛毒神経剤の開発継続、特殊工作部隊と連携か…英民間グループ指摘2020年11月1日 読売新聞 英民間調査報道グループ「ベリングキャット」などは、ロシアのプーチン政権が2017年に化学兵器の廃棄完了を宣言した後も、旧ソ連時代に開発された猛毒のノビチョク系神経剤の開発を継続しているとの調査結果を明らかにした。 ロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の体内からノビチョク系の神経剤成分が検出された事件を巡り、プーチン政権は、化学兵器の開発や生産、保有を禁じる化学兵器禁止条約の完全順守を強調し、関与を否定している。 報道が事実なら、プーチン政権が潔白を主張する根拠が揺らぐことになる。 ベリングキャットは、独有力誌シュピーゲルなどと連携し、過去にノビチョクを使った襲撃に関わったとされる露軍参謀本部情報総局(GRU)などの関係者の通信記録や位置情報の履歴などを約1年かけて調査した。 ― 引用終り ― ロシアの主な情報機関は、FSB、SVR、FSO、GRU(参謀本部情報総局)、VTU(参謀本部軍事測量局)。 GRU(ロシア語でゲーエルウー)は旧ソ連時代から存続している組織。 ソ連時代の情報機関、謀略機関ではKGB(ソ連国家保安委員会)やGRUが有名。 ウラジーミル・プーチン大統領は、KGB・第1総局(対外情報活動)出身のエリート。 KGBはソ連の崩壊とともに、分割・解体された。 FSB(連邦保安庁):防諜・犯罪捜査 SVR(対外情報庁):対外諜報 FSO(連邦警護庁):要人警護 GUSP(ロシア連邦大統領特殊プログラム総局):地下シェルター等特殊施設の建設・運営
2020年11月12日
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1945年8月9日、日ソ中立条約を破棄して、ソ連は日本に軍事侵攻し、南樺太・千島列島を略奪した。 ソ連の対日参戦は、一部勢力が停戦の仲介者としてソ連を構想していた日本の降伏を決定づけたとされる。 ロシアの記念硬貨発行に日本人激怒―中国メディアRecord China 2020年8月17日 中国共産党系の環球時報(電子版)は16日、「ロシアが新しく発行する5ルーブル硬貨に日本人が激怒している」と報じた。 ロシアの通信社、スプートニクの15日付報道を引用して伝えたもので、それによると、新しい5ルーブル(約7円)の硬貨には、クリール諸島(北方領土と千島列島)を解放した旧ソ連軍の戦士をしのぶ記念碑が描かれている。 記念碑は極東カムチャツカ半島のペトロパブロフスクカムチャツキーにある。 発行枚数は200万枚だという。 スプートニクは、「クリール諸島上陸作戦を記念した記念硬貨の発行をめぐり、日本の北海道新聞の読者から怒りの声が上がっている」とし、その例として「ロシアによるそのような記念硬貨の発行は許されない。 日本も早急に北方領土返還を呼びかける記念硬貨を発行すべきだ。 政府は問題から逃げるのではなく、何かをすべきだ」 ― 引用終り ― コロナの収束をはかり早期の経済を再生することが念頭にある日本で、北方領土返還要求の怒りの声はあまりか聞かない。
2020年08月30日
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原子力潜水艦は長期間潜水を続けられることが最大の取り柄。 人間が海中の閉塞環境に耐えられなくなっても潜水を続けられる。 原動機に長時間エネルギーが供給できるからだ。 機関室の容積を減らし、エネルギー供給を長期間続けるためにも、燃料の濃縮度は高められる。 船が沈み、乗員が操作しなくとも、核エネルギーは熱と放射線の放射を続ける。 ウラニウムやプルトニウムなどの半減期の長い核エネルギーにとって、30年や100年は物の数ではない。 ウラン235の半減期は7億400万年、ウラン238は44億6800万年。 プルトニウム239の半減期は2万4000年。 人間の寿命との比較は尺度にならないほどの長さだ。 沈没したロシア原潜から80万倍の放射線ノルウェー沖2019年7月12日 BBCニュース ノルウェー当局は、ノルウェー海で30年前に沈没したロシアの原子力潜水艦の残骸付近で採取した海水から、通常より80万倍も高いレベルの放射線が検出されたと明らかにした。 当局は、付近に魚などはほとんど生息しておらず、放射線は北極海の海水によって素早く薄まることから、「警戒が必要なレベルではない」としている。 原子力魚雷を積載 ノルウェー海では1989年、旧ソビエト連邦海軍の原子力潜水艦「コムソモレツ」で火災が発生し、乗組員42人が死亡する事故が起きた。艦体はノルウェー海の深さ1680メートルの海底に沈んでいる。 ロシアで「K-278」としても知られているこの潜水艦は、プルトニウムの核弾頭を搭載した2基の原子力魚雷を積んでいたことがわかっている。 ノルウェーの原子力規制当局は、コムソモレツの加圧水型原子炉は事故直後から、艦体に閉じ込めらた状態になっているとしている。 事故以来、ノルウェーとロシアの当局は定期的に、放射線レベルを測定している。共同で測定に当たることもある。 ― 引用終り ― なぜかソ連、ロシアの原子力潜水艦はよく火災を起こす。 西側の艦より放射能の遮蔽が不十分なことが影響しているのでは、と思う。 2019年7月2日、北極圏で深海探査を行っていた潜水艇で火災が発生し、ロシア人乗組員14人が死亡した。 露北方艦隊に所属する原子力潜水艇「AC12ロシャリク」 とみられている。 深海潜水艇は国家機密として、事故の詳細は発表されていない。 原子力潜水艦は、日本周辺の海にも沈んでいる。 海に沈んだ潜水艦の原子炉をコントロールする技術を、人類は持ち合わせない。 旧ソ連の原子力潜水艦事故日本原水協 アメリカvsロシア原潜交戦でアメリカ原潜撃沈?一線を越える動き2019.07.04 黄金の金玉を知らないか?
2019年08月12日
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ツァーリ・ボンバは、ソビエト連邦(以後 ソ連)が開発した人類史上最大の水素爆弾の通。 正式名称はAN602、開発時のコードネームはイワン。 この人類史上最大(=最悪)の水素爆弾を運んだのがTu-95ベア。 1961年10月30日に北極海にあるソ連領のノヴァヤゼムリャの上空、高度4000mで、大気圏内核実験が行なわれ消費された。 TNT換算で約100メガトン(第二次世界大戦中に全世界で使われた総爆薬量の50倍)の威力を誇る。 実験では50メガトンに制限されたが、それでも広島型原子爆弾「リトルボーイ」の約3,300倍もの威力。 衝撃波が地球を3周した。 米国の最大の核爆弾B41の核出力は最大で25メガトン。 核爆発実験では1954年3月1日のキャッスル作戦の15メガトンが最大とされる。 ツアーリ・ボンバの桁外れな威力のほどが分かる。 Tu-95戦略爆撃機は、ツァーリ・ボンバを運搬・投下するための改修が行われた。 爆弾倉の扉と翼燃料タンクが取り外され、半埋め込み式で搭載された。 測定・撮影用にソ連初のジェット戦略爆撃機Tu-16Vが随行した。 熱線による被害を最小限に抑えるため、両機に特殊な白色塗料が塗られた。 1961年8月のベルリンの壁建設開始。 1962年10月-11月、キューバ危機。 核戦争の危機感が溢れ、一触即発の空気だった。 ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ソ連の最強水爆「ツァーリ・ボンバ」爆発実験は“暴走巨大エイリアン”の抹殺が目的だった!フルシチョフが指示、不可解発言も…2018.04.20. TOCANA その宇宙人は、捕獲時は幼く、危険はなかったようだが、徐々に巨大化していき、5.4mほどに成長。 そして、1961年10月28日、遂に軍人や科学者47人を虐殺し、施設を抜け出したそうだ。 また、この時、エイリアンが謎のシールドを使い銃弾を弾き返したという報告もされているらしい。 事態を重く見た当時の書記長ニキータ・フルシチョフは、ツァーリ・ボンバの使用を指示し、1961年10月30日11時32分、エイリアンの頭上で炸裂させた。 この時、ツァーリ・ボンバが空中で爆発させられたのは、その下にいるエイリアンを火球の中に取り込み、完全に蒸発させることが狙いだったためだという。 だが、エイリアンは謎のシールドを使い爆発に耐えようとしたのか、後の調査で丸こげになった遺体が発見されたそうだ。ツァーリ・ボンバを使用したフルシチョフの判断は結果的に正しかったと言えるだろう。通常兵器ではこのエイリアンに傷一つつけられなかったのではないだろうか。 …(略)… ソ連はどうやってその宇宙人の位置を特定したのだろうか?
2019年06月05日
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Tu-95とB-52 ソ連、ロシアのツポレフTu-95と米国のボーイングB-52は、いずれも核兵器搭載の長距離爆撃機として計画された。 そして戦力兵器削減交渉の対象となったが、核兵器運搬・運用のため作られた両者は60年以上現役の超長寿軍用機となった。 両機の任務は核爆弾投下から、巡航ミサイルや対艦ミサイル、通常爆弾を搭載した任務に代わった。 Tu-95は1956年運用開始、B-52は1955年運用開始で両者とも退役時期は未定。 【Tu-95】 Tu-95は、1952年11月初飛行。 1956年運用開始。Tu-95MS諸 元乗員:7名 機長・副操縦士・航法士・航空機関士・ 兵装担当士官(爆撃手)・無線士・尾部銃手全長:49.50m 全幅:51.10m全高:12.12m翼面積:310m2空虚重量:90,000kg最大離陸重量:188,000kgエンジン: クズネツォーフ NK-12MV ターボプロップエンジンx4出力:11,033kW(14,795shp)x4 性能最大速度:925km/h航続距離:15,000km最大運用高度:12,000m(39,000ft)上昇率:600m/min(2,000ft/min)武装固定武装: AM-23 23mm尾部ターレットx1又は2ペイロード:最大15,000kg 空対地ミサイル:Kh-20、Kh-22、Kh-55ロシア空軍の現役戦略爆撃機「TU-95MS」がネットオークションに登場2014年03月07日 Gigazine https://youtu.be/y06L9tLeV6s 【B-52】 B-52は1952年初飛行。 1955年運用開始。B-52H乗員:5名 機長、副操縦士、レーダーナビゲーター、航法士、 EWO 全長:47.55m 全幅:56.39m 全高:12.41m) 翼面積:371.61m2 空虚重量:77,030kg 離陸重量:221,353kg 搭載燃料:178,549Lエンジン: Pratt&Whitney TF33-P-3 (推力:75.62kN) ×8 性能最高速度:1,028km/h/高度6,310m 航続距離:16,316km 戦闘行動半径:7,890km 実用上昇限度:11,064~16,871m上昇率:15.8m/s武装固定武装: 尾部銃座 M-61 20mm機関砲×1 ※現在撤去ペイロード:最大31,751kg 搭載兵器 AGM-69A空対地ミサイル AGM-86B巡航ミサイルを20基 AGM-154 JSOW空対地ミサイル Mk 82通常爆弾を胴体内に27発 翼下に18発搭載可能、
2019年06月05日
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概要 Tu-95は、ジェットエンジンでプロペラを駆動するターボプロップ機。 北米大陸を核爆弾で攻撃できる航続力を確保するため、燃費の良いターボプロップを採用した。 4枚・タンデムの2重反転プロペラを、比較的遅い回転数(約1500rpm程度)で回転させている。プロペラ プロペラの先端速度を低くすることで、音速付近の効率の低下を低減し高速での飛行を実現している。 プロペラが発する独特の低音はTu-95の特徴となっている。 あたかもスチームパンクアニメ、小説に登場するプロペラ機の類を思わせる。 2重反転プロペラ●メリット 機体にかかるカウンタートルクを相殺できる。 単体では流れのねじれとして損失となるエネルギーが、相殺により無くなることで推進効率が向上する。●デメリット 高回転数となる軸受や軸の高い工作精度が求められる。 変速機のギアボックスは通常のものと同程度の容積で2倍近い歯車装置を組込むこと、大出力による強トルクに耐えることが求められるため、重量が増大し、複雑さから整備性が低下する。 ターボプロップエンジンは、効率を維持するために高回転を必要とする出力タービン軸と、ブレード先端速度が音速を超えないよう回転数に制限があるプロペラシャフトとの間に減速機を介することで両立させる。https://youtu.be/q-2dfEc70gU ターボプロップ ターボプロップエンジンと高速で効率の良いプロペラと主翼で、高速飛行(950km/h、プロペラ機最速)と長大な航続力(15,000km)を実現した。 通常ターボプロップは、飛行速度が増すにつれてプロペラ効率の低下しターボファンエンジンに対する優位性がなくなる。 Tu-95の高速低燃費は数少ない例外。 ATP(先進ターボプロップ:Advanced TurboProp) と称して省燃費と高速化の両立の観点で各国で研究 ・開発が行われ特殊な形状のプロップファンが数々 生み出されているが熱効率の改善が優先。 速度性能でTu-95を凌ぐものは実用化されてない。 プロペラ機で世界最速は続く。 主翼 主翼は翼弦長の25%の位置で付け根方向の内翼部で37度、翼端方向の外翼部で35度の後退翼。 翼玄長が長く、アスペクトレシオが大きい主翼。武装 機体胴体内の兵器倉に回転式ランチャーを装備。 通常爆弾を兵器倉に12,000kgを搭載可能。 Tu-95MS-6では、Kh-55長距離巡航ミサイル6発を搭載可能。 同時に両主翼付け根部にKh-55を各1発搭載可能。 Tu-95MS-16では、両主翼に10発のKh-55を搭載して計16発の巡航ミサイルの搭載が可能。 戦略兵器制限交渉(SALT)と戦略兵器削減交渉(START)の協定により、現在ではそれが不可能となった。 対艦装備としてKh-65E対艦ミサイルを搭載可能。 胴体尾部に尾部銃塔を装備する。 NR-23 20mm機関砲1門とその上に射撃管制用レーダーの「ボックス・テイル」レーダーが方向舵後縁の付け根部分に取付けられている。 初期は胴体背部に旋回式の機関砲銃塔が装備されていたが、廃止された。
2019年06月04日
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ロシアによる日本領空侵犯機として確認された大型ソ連機はTu-95が多い。 旧ソ連時代から米国や西欧、日本などの防空識別圏(時には領空内にも)に侵入して行われる偵察活動が行われてきた。 北海道東岸から三陸沖を南下、東京に近づき伊豆諸島に抜けて帰るルートは「東京急行」と呼ばれている。 ロシア空軍Tu-95戦略爆撃機編隊が日本海と日本一周飛行を実施 松尾 芳郎2017年1月29日 TOKYO EXPRESS沿革 Tu-95は1950年代にツポレフ設計局により開発された長距離戦略爆撃機。 B-29の完全コピー機であるTu-4の発展型とされる機体。 Tu-4はB-29の不時着機を解体調査し製作された。 ターボチャージャーはコピーであったが、エンジンはB-29に搭載されたライトR-3350のコピーではなく、ソ連製エンジンのASh-73TK。 NATOコードネームは-95、-142(対潜哨戒型)共にベア(Bear:熊)。 1952年11月12日に初飛行。1956年、ソヴィエト連邦空軍でTu95Mの実用配備開始。1959年、Tu-95K-20の生産開始。1961年、空中給油プローブを装備したTu-95KD登場。1972年、KSR-5(AS-6 キングフィッシュ)巡航ミサイルが搭載可能なTu-95M-5が飛行試験を開始。1976年、Kh-55(AS-15A ケント)巡航ミサイルを搭載可能なTu-95M-55が初飛行。 1983年、生産ラインを再開させてTu-95M-55の量産型の Tu-95MSの生産開始。 対潜哨戒型Tu-142も量産開始。 最近時の活躍は、2015年から介入したシリア内戦で、超音速ジェット爆撃機Tu-160とともに巡航ミサイルを搭載してイスラム教過激派組織ISILやシリア反政府勢力に対する攻撃を行った。 ロシア空軍の現役戦略爆撃機「TU-95MS」がネットオークションに登場2014年3月7日 Gigazine
2019年06月03日
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同種の兵器の強弱の比較は、酔っ払いの自慢話と同じ類のものと心得ている。 実戦を経た兵器同士でも、どちらが強い、どちらが良いというのは決しがたい。 いわんや第5世代ステルス戦闘機は、直接戦闘も一切行われていない。 ロシアがSu-57最強説を唱えれば、他は自らの最強説を唱えるまでだ。 わがSu-57戦闘機は米F-22、F-35を超越、中国J-20など語るに及ばず―ロシア2019年3月27日 Record China 中国メディアの新浪網は2019年3月26日付で、ロシアでは自国が開発したSu-57戦闘機が米国のF-22やF-35を超越した戦闘機とする主張が多く出ていると紹介する記事を掲載した。 中国のJ-20戦闘機は比較の対象にもなっていないという。 Su-57はロシアのスホーイ社が開発した多用途戦闘機。 高いステルス性を持ち最高速度はマッハ2とされる。 2017年に呼称をSu-57と正式決定したと発表される前には、開発計画名を使ってPAK FAと呼ばれることも多かった。 Su-57の開発担当者は過去にも、米国のF-22やF-35よりも優秀と述べていた。 ロシアのプーチン大統領は19日、Su-57について「前途ある航空システムであり、われわれにとって最良の戦闘機であり、また、世界で最も優秀な戦闘機。 戦術や技術指数、搭載兵器のどれを見ても最良。 いかなる戦闘機もわれわれの飛行機(Su-57)のようには飛べない」と述べた。 Su-57はシリアでのテロ勢力との戦いに投入されたが、その目的には性能の試験があったという。 スホーイ社の開発責任者は、Su-57と比べれば、F-22は地上攻撃力に欠けると主張。 F-22は当初、米軍の考え方にもとづく制空戦闘機として設計されたので空中性能はよいが、Su-57は最初から多用途戦闘機として設計されたので、対空作戦だけでなく、幅広い用途に利用できるという。 スホーイ社関係者はさらに、Su-57は加速性能が優秀であり、米国のF-22やF-35は機敏な飛行の点で、Su-57にはかなわないと主張した。 Su-57、F-22、F-35さらに中国のJ-20戦闘機は、ステルス性や高度な火器管制能力を備えていることから、第5世代ジェット戦闘機と呼ばれることが多い。 新浪網記事によると、ロシアでは第5世代戦闘機のランキングが発表されたことがあるが、1位を自国のSu-57として、2位をF-22、3位をF-35とした。 J-20は、言及すらされなかったという。 記事は改めて、ロシアでのSu-57への評価を批判。 中国の専門家は早くから、Su-57のステルス性能はJ-20の10分の1にも満たないと指摘しており、Su-57が夜間飛行をする際に、兵器を機体下に吊るしていた写真も出回ったとして「同機が抜きんでたステルス性を示したことはない」と論じた。 …(略)… ことエンジンに限って言えば、米国製エンジンは、耐久性、比出力に関して、ロシア製に優る。 だが、そのロシア製エンジンは、そのコピーである中国製に優る。 飛行機の根本が主翼とエンジンであり、ステルス機においてはステルス性が大きな要素として加わるとすると、比較困難となる。 また、アフターバーナーを使用しない超音速飛行、スーパークルーズによるステルス性(探知されにくさ)を比較すると恐らく米国製の飛行機が一歩先んじるだろう。 Su-57自慢の多用途性は、歴史的に前例をみると重量増につながることが多い。 一方、高性能戦闘機は、エンジン出力に比して重量が軽いことが多い。 万能をめざした軍用機は、必ずしも傑作機とはならない。 傑作機が万能機になることはある。 これらの話ができるのは、大国同士が争わないお陰。 ありがたや、ありがたや?
2019年06月02日
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無人砲塔で噂されていたロシアの次世代MBT、T-14は2015年5月の対独戦勝記念パレードで一般公開された。 ロシア陸軍の最新鋭MBT。 いまだロシア陸軍の主力MBTは、T-72シリーズとその発展形のT-90シリーズ。 T-72の流れ一新し「アルマータ」と呼ばれる戦車、自走砲、歩兵戦闘車などで共用する重装軌式プラットフォームを開発した。 プラットフォームの共通化により「アルマータ」シリーズは開発・運用に掛かるコストの低減を図った。 そのMBTタイプがT-14戦車。 他に重IFVタイプのT-15歩兵戦闘車、戦車回収車タイプのT-16 BREM-T、152mm自走榴弾砲タイプの2S35「コアリーツィヤSV」、自走多連装ロケットタイプのBM-2(TOS-2)自走火焔放射システムが開発されている。 そしてついに車両内にトイレを装備した。 ロシアのT14戦車、トイレが付いて最強?2019年3月8日 ニューズウィーク日本版<トイレがあれば、戦車乗りの長期戦もラクになる> ロシアの新型戦車「T14」がアップグレードされ、兵士の悩みの種が一つ減りそうだ。 ロシア最新鋭の重装甲車両T14に今回新たに装備されたのは「トイレ」。 兵士は戦闘中も人目を気にせず用を足せるようになる。 T14を設計したロシア企業「Urals Design Bureau of Transport Machine-Building」のIT部門ディレクターを務めるイリヤ・バラノフは3月7日、トイレがあれば戦車内の兵士の生活の質が格段に向上すると言う。 T14と共通の「アルマータ」型プラットフォームをもつ戦車にはすべてトイレが標準装備された。 「戦車乗りの大きな悩みは、トイレを我慢しなくてはならないこと。 水や戦闘糧食は戦車内にあるが、他に必要なものは一切ない」と、バラノフはロシアの国営タス通信に語った。 …(略)… トイレ付という特徴以外にも、T14が強敵と言われる理由がある。 攻撃面では無人砲塔を採用し、口径125ミリの滑腔砲から強力なエアバースト弾を撃てるのに加え、遠隔操作可能な12.7ミリのKord重機関銃と7.62ミリのPK機関銃を装備している。 防御面では「アフガニート」と呼ばれるAPS(アクティブ防御システム)を採用し、対戦車ミサイルや砲弾をレーダーが感知すれば自動的にインターセプター(迎撃ミサイル)を発射し、撃墜できる。 …(略)… T-14で最も特徴的なのは車長、砲手、操縦手の3名の乗員が全て車体前部に設けられた装甲カプセルの中に搭乗する点。 最も被弾確率が高い砲塔に乗員はいない。 乗員の生残性を向上させる、イスラエルのメルカバと異なる新しい手法。 ロシア戦車の無人砲塔はT-90シリーズのT-95で実用化されていた。 主砲は125mm滑腔砲2A82-1M。 これは排煙器(エバキュエーター)がないこと、発射速度が10-12発/分と高いこと、有効射程8kmであることが特徴。 T-72、T-90では身長制限が設けられるぐらい狭い空間に乗員は閉じ込められていた。 トイレが設置されているとは画期的な車内環境の向上。 長期間の闘いでは戦車の車内は生活の場となるという。 暑い期間が長い日本の10式戦車は、米軍のM1より高価だがエアコンもトイレもない。 長期間闘うことは絶対にないから(!)「我慢しろ」、ということだろう。
2019年06月01日
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反米の旗幟鮮明なチャベス大統領が亡くなってからベネズエラは調子が悪い。 インフレ率の数字はどこまで大きくなるのだろう。 ベネズエラ来年の物価上昇率は1000万%に=IMF見通し2018年10月10日 ロイター 国際通貨基金(IMF)は9日公表した最新の世界経済見通しで、ベネズエラの来年の物価上昇率が1000万%に達し、現代史における最悪クラスのハイパーインフレーションが一段と加速するとの見方を示した。 今年の物価上昇率予想も、7月時点の100万%から137万%に引き上げた。 ベネズエラ経済は、2014年の原油価格急落で補助金や価格統制などを特徴とする社会主義体制を維持できなくなり、悪化の一途をたどってきた。 IMFは7月、同国のハイパーインフレーションを1923年のドイツや2000年代のジンバブエに匹敵する深刻さだと指摘している。 経済の崩壊で食料や薬など生活必需品が不足し、近隣諸国にはベネズエラからの難民があふれかえる事態が発生。 マドゥロ政権は8月に通貨単位切り下げ(デノミネーション)や最低賃金の大幅な引き上げで物価安定を図ったが、状況は改善していない。 野党が制している議会のまとめによると、9月の物価上昇率は1日当たり4%で、前年比は48万8865%だった。 …(略)… ロシアに盾突くウクライナ北部チェルニヒウ州の武器庫が爆発。 2017年9月27日もウクライナ中部ビニツァ州で武器庫の爆発事故が起きた。 武器庫はそう頻繁に爆発するものではない。 ウクライナの武器庫が爆発・炎上1万2000人避難ロシアの「破壊行為」か2018年10月10日 AFPBB News ウクライナ北部チェルニヒウ(Chernigiv)州にある武器庫で9日未明、保管されていた弾薬が爆発して大規模な火災が発生し、近隣の住民ら1万2000人余りが避難する事態となった。 治安当局は「破壊行為」が原因だった可能性があるとみて捜査を行っている。 現場は首都キエフの北東135キロに位置する同州ドルジバ(Druzhba)村近くにある武器庫。 国防省の施設で、およそ700ヘクタールの広さがあるという。 緊急対応当局は死傷者が出たという情報はないとしているが、州当局は煙を吸い込んだ60人余りが手当てを受けたと説明している。 国防省の当局者は同日午後、火災は抑え込まれ、「爆発の強さも弱くなってきている」と発表した。 ウクライナ軍幹部によると、火災に先立って武器庫の幾つかの場所で計4回の爆発があったという。 …(略)… ウィキペディアは大爆発の一覧まである。 行き届いている。人によって引き起こされた核爆発以外の大爆発一覧 Wikipedia
2019年02月09日
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