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不正会計を行い、監査意見のない決算発表、有価証券報告書を期限までに提出しなかったにもかかわらず、東証の上場廃止にならない奇跡の企業東芝。 業績不振にもかかわらず、「サザエさん」のスポンサーは続けるとの奇跡は続かなかった。 東芝、サザエさんと日曜劇場のスポンサー降板へ2017年11月22日 読売新聞 経営再建中の東芝は、フジテレビ系のアニメ「サザエさん」とTBS系のドラマ枠「日曜劇場」の番組スポンサーを2018年3月末で降板することを正式に決めた。 米ニューヨークの繁華街「タイムズスクエア」の高層ビルに07年から掲示してきた広告看板も18年前半で取りやめる。 業績悪化を受けた経営合理化策の一環。 …(略)… 東芝は、1969年にサザエさんのアニメ放送が始まって以来、東芝はスポンサーを続けてきた。 一社独占も長く、「サザエさん」は東芝の家電のイメージは日本全国に浸透した。 サザエさん一家の暮らしは、戦後日本の高度成長期の暮らしの典型を保ったまま、時が止まっていた。 茶の間に東芝製のテレビ、ちゃぶ台、頑固オヤジ・波平と和服姿で家事にいそしむ母・フネ。 木造、庭付き、平屋の一戸建て。 「サザエさん」も潮時か、と思われるが10%代の視聴率を続ける番組は引く手あまた、との話もある。 人気番組を次々切替、ヒット番組が出ず不振を極めるフジテレビなので、どうなるかは分からない。
2017年11月30日
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2005年、同社相談役に就任後、西田厚聰を社長に就任させ、西田を自身の後継者として院政を開始。 この時期に原発と半導体を選択肢集中。 巨額の損失を出す結果となる2006年の米原発大手のウエスチングハウスの買収に関しては、西室が元駐日大使のハワード・ベーカー元上院議員を通じて米議会への働きかけるなど、積極的に動き、約6600億円と当時も高過ぎるとされた額で買収を実現。 2009年リーマンショックに端を発する不景気で半導体部門が不振。 2011年福島第一原発事故で原発部門の将来性が見えなくなった。 東芝の失敗は福島第1原発事故の前から 日本エネルギー経済研究所の村上朋子氏に聞く 小笠原 啓 2017年2月27日 日経ビジネス ONLINE 2013年、日本郵政代表取締役社長就任。 2015年4月、ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長就任。 2015年、東芝の長年にわたる粉飾決算などの(1度目の)不正会計問題が発覚。 佐々木・西田・田中が失脚した後は、東芝における西室の影響力はかえって強まり、その後も志賀重範、綱川智を東芝の社長に推薦して院政を敷いた。 しかし一連の会計不祥事に関連して、幹部OBや顧問が意思決定に関与し続ける経営体制に対して社会的な批判を浴び、相談役制度を廃止する流れとなり2016年内に退任した。 2016年2月、慶應義塾大学病院に検査入院。 退院の目途がたたないとして、日本郵政の社長を退任。 東芝 歴代社長よりも社内評が悪かった「カリスマ幹部」 2016.04.01 NEWSポストセブン 2017年10月、「肩書きコレクター」は、老衰で死去。 安倍政権はこのような人物を重用し続けた。 ごまかしきれた人生?
2017年11月22日
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「小さな本社」路線を掲げ、時代のスピードに対応して東芝本体の意思決定を早くするため、取締役の数を減らして意思決定の権限を持たない執行役員に任命するなど東芝本体のスリムアップを進めた。 1998年には執行役員制を導入、1999年に社内カンパニー制を敷くなど事業ごとの分断をすすめた。 結果として会長、社長の独裁体制がとりやすくなった。 総会屋への利益供与事件、半導体事業不振、米国におけるフロッピーディスク装置訴訟和解による1100億円の特別損失など不祥事や損失が相次ぎ、社長退任まで利益は下降し続けた。 2000年、西室は会長に就任。 西室路線を踏襲した岡村正社長とともに東芝の改革・リストラを進めた。 西室社長時代に行った改革はこの時期に実を結び、西室社長時代に提携したサンディスク(後のウエスタンデジタル)との合弁工場を四日市市に作り、DRAMから撤退してフラッシュメモリに資源を集中することを決めたのが2001年。 これは2000年代後半には原発事業と並ぶ東芝の中核事業となった。 2001年、東芝が主導する形でのDVD規格が統一。 ノートパソコン市場で世界トップなど、この時期、「選択と集中」は非常に成功しているように見えた。 「家電の東芝」「ノートPCの東芝」という言葉が終わる日 2016年03月22日 ASCII.jp 2003年、西室は東芝の指名委員会等設置会社における指名委員会の委員長に就任。 東芝を指名委員会等設置会社に移行させ、西室が東芝の次期社長を指名できる「院政」の仕組みが完成。
2017年11月22日
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1996年に東芝社長就任。 東芝は東大卒・重電部門出身がトップを占めることが慣例だったが、慶大卒・半導体部門出身が社長となる異例の人事。 8人抜きの抜擢も異例。 14年間に及ぶ米国駐在から、経営者としてはアメリカ流の経営を期待されたが、本人は「東芝独自のやり方」を貫き、それが評価されていたという。 たぶん「東芝独特時のやり方」ではなく、西室(自分)流なんだ。 東芝崩壊の戦犯たち――傍流からの抜擢 西室泰三 元社長 大鹿 靖明 2017.09.28 幻冬舎plus 西室は佐藤文夫前社長路線を踏襲する形で「選択と集中」を掲げ、東芝の得意な分野のみに資源を投入する路線を推し進める。 この時期に東芝が中核としたのがパソコンと半導体だが、ともに苦戦が続いた。 半導体事業においてはソニーからプレイステーション2の画像処理チップの製造を請け負うという功績を挙げたが、DRAMで1999年に莫大な赤字を出したため、これまで東芝が中核としていたDRAM事業の縮小と言う決断を迫られた。 得意な分野ではなく、たんに利益の大きい分野に集中したものと思われる。 選択と集中(concentration in core competenceselection and concentration)は競争力のある事業を「選択」し、経営資源をこの選択した事業に「集中」するという経営手法、あるいは経営理論。 米国のゼネラル・エレクトリック(GE)の最高経営責任者であったジャック・ウェルチが提唱し、日本経済界で流行った言葉。 武田薬品工業は食品・化成品・農薬などの周辺事業を売却・整理して、主力の医薬品事業に特化した。 キヤノンは複写機やプリンター周辺に、信越化学工業は半導体シリコンウエハー事業等に資源を集中し、経営改革に成功した例がある。 失敗例は東芝とシャープだろうか。 なぜ「選択と集中」は日本で失敗するのか? 成功したキャノンと武田薬品の巧妙な手法 2013年9月2日 Business Journal 1998年9月中間決算で東芝は戦後初の赤字。 経営改革が急務となった東芝を、西室はゼネラル・エレクトリック社(GE)にならった「複合電機」メーカーとして生まれ変わらせることを宣言し、またGEで成果を上げている統計的品質管理手法「シックス・シグマ」を東芝に導入。 よほど利益率の高い企業、GEが好きらしい。 シックスシグマは、米モトローラが命名し、戦略的なビジネスプランとして、1980年代から本格的な導入が始まった。 米モトローラ社の成功と、後に続いた米ゼネラル・エレクトリック社(GE)の成功を受け、ほかの企業もシックスシグマの改良を図りながら、続々と導入を進めた。 「シックス・シグマ」はこんにちは聞くことのない言葉。 シックスシグマとは 東芝シグマコンサルティング株式会社
2017年11月22日
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2017年7月6日、大手広告代理店電通(東京都)の違法残業事件で、東京地検が労働基準法違反の罪で 法人としての同社を略式起訴した。 電通、労働時間2割削減=計画策定、 週休3日制も検討 2017年7月27日 時事通信社 電通は27日、過重労働撲滅に向けた「労働環境改革基本計画」を発表した。 1人当たりの年間の総労働時間を2019年度に1800時間と、残業が最も多かった14年度(2252時間)の80%に抑制する。 週休3日制の検討や在宅勤務制度の本格導入なども盛り込んだ。 …(略)… 管理監督者向けのパワハラ防止教育もきっとキッチリやっていることだろう。 アリさんマークの引越社や温野菜チェーンのフランチャイジーの DWE JAPANは、明らかに「ブラック」だが、長時間労働だけをもってブラック企業というなら、他にもいろいろある。 「意外と長時間労働の会社」実名公開! 有名企業50社を総力調査 2017年1月31日 現代ビジネス 上場基準に「法令順守」という言葉はないようだ。 電通は「ホワイト企業」に生まれ変わることができるだろうか。
2017年11月21日
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労働契約法が掲載され「5年ルール」、連続5年有期契約をした者は無期契約への転換をしなければならなくなった。 各社は日本得意の横並びの対応をとるらしい。 脱法行為はお手のもの? 車大手、期間従業員の無期雇用を回避 法改正、骨抜きに 大日向寛文 2017年11月4日 朝日新聞デジタル トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーが、期間従業員が期限を区切らない契約に切り替わるのを避けるよう、雇用ルールを変更したことが分かった。 改正労働契約法で定められた無期への転換が本格化する来年4月を前に、すべての自動車大手が期間従業員の無期転換を免れることになる。雇用改善を促す法改正が「骨抜き」になりかねない状況だ。 2013年に施行された改正労働契約法で、期間従業員ら非正規社員が同じ会社で通算5年を超えて働いた場合、本人が希望すれば無期に転換できる「5年ルール」が導入された。 申し込みがあれば会社は拒めない。 08年のリーマン・ショック後、大量の雇い止めが社会問題化したことから、長く働く労働者を無期雇用にするよう会社に促し、契約期間が終われば雇い止めされる可能性がある不安定な非正社員を減らす目的だった。 施行から5年後の18年4月から無期に切り替わる非正社員が出てくる。 改正法には、企業側の要望を受け「抜け道」も用意された。 契約終了後から再雇用までの「空白期間」が6カ月以上あると、それ以前の契約期間はリセットされ、通算されない。 これを自動車各社が利用している。 大きな抜け穴は準備済だった。 さすが官に頼らずに産業を興した自動車業界だけのことはある・・・・・・と誉められたものではない。 こんな企業が社会貢献活動をしていると自負しているのか。 まずは雇用で「自分」以外に貢献して欲しい。 日産、検査態勢是正で生産大幅減 半減になる工場も 伊藤嘉孝、青山直篤 2017年11月5日 朝日新聞デジタル 日産自動車の無資格検査問題で、法令に沿った検査態勢に改めることにより、工場によっては時間当たりの生産台数が半分以下に落ち込むことが同社などへの取材でわかった。不正により、本来の検査能力を超えるペースで生産してきた実態が浮き彫りになった …(略)…
2017年11月20日
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スバル 緊急記者会見 完成検査員問題でトヨタ「86」を含む直近3年間の全車種 25.5万台をリコール 費用は50億円 「心からお詫び申し上げます」と吉永社長 編集部:谷川 潔 2017年10月27日 Car Watchi SUBARUの吉永泰之社長は「いきなりEVの世界が来ると思わせるような報道もあるが、コストを含めた革新技術が進んでいかないと一気に普及するのはなかなか難しい」と語ったという。 負け惜しみを言っている間に、間違って本気にならないように気をつけて欲しい。 トヨタがついているといっても、心配になる。 日本市場は最先端でも、最重要でもないことを自覚した上での発言とは思えない。 スバルリコール、揺れる群馬 太田市の「スバル感謝祭」は中止 出荷・生産停止なら大打撃 2017年10月31日 産経新聞
2017年11月02日
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東芝、東洋ゴム、三菱自動車、日産そして神戸製鋼と名門企業で次々と不正が発覚している。 不正ではないが、三菱重工でも、豪華客船建造に関わる赤字、MRJの度重なる納入時期延期と赤字という事態もあった。 三井不動産販売が販売し、三井住友建設の下請けの旭化成建材による不正工事で、マンションが傾くという事件もあった。 それらは「世界一病」のせいらしい。 神戸製鋼も… 名門企業が起こす不正の元凶は「世界一病」だ 窪田順生:ノンフィクションライター 2017.10.12 …(略)…次々に不正が発覚する神戸製鋼で何が起きているのか? 鉄鋼3位の名門、神戸製鋼所で「不正ドミノ」が起こりつつある。 10月8日、アルミニウムや銅の製品の一部で、契約した製品仕様に適合するようにデータを改ざんして約200社に出荷していたと発表したかと思いきや、11日には他部門にも調査を広げたところ、鉄粉でも同様の改ざんが行われていた疑いが出てきた。 実は、神戸製鋼は昨年もグループ会社で、ばね用ステンレス銅線の強度を偽って出荷したという「前科」がある。「申し訳ありません、再発防止に努めます」と殊勝な顔をして謝るのだが、ほどなくして次から次へと新たな不正が発覚するという、まるでかつての三菱自動車のような「不正のフィーバー」状態に陥っている恐れもある。 また、8日の会見で梅原尚人副社長は、社員数十人が関与していたことを認め、約10年前から行われていたケースもあったと明かしている。 つまり、一部の人間が行っていたわけではなく、「平常運転」として組織全体に蔓延していた可能性も否めないのだ。 このあたりはぜひとも社内調査や、メディアのみなさんの調査報道で明らかにしていただきたいと思うのだが、その一方で個人的には、今回のような「不正ドミノ」を招いた元凶は、ある「病」ではないのかと考えている。 それは、「世界一病」である。 「は?『大企業病』は知っているけど、そんなの聞いたことがないぞ」、という声が聞こえてきそうだが、実はこれ、日本の基幹産業を担う大企業から小さな町工場まで、ありとあらゆる業種や企業に蔓延している、かなりポピュラーな病なのだ。 ザックリとその「症状」を紹介すると、組織をあげて「世界一」というスローガンを大合唱して技術の細部、組織内の評価、そして業績の拡大ばかりにとらわれて、知らず知らずのうちに安全や品質を軽視してしまうという「モラルハザード」である。 …(略)… 最初は現場の士気を高めるなどプラス効果が期待できるが、「世界一」という自画自賛が何年も繰り返されていくと、働く人たちを「世界一にならなくては」と追いつめる強迫観念になってしまうという。 これがモラルが吹っ飛ぶメカニズム。 多くの企業が成長・拡大を続けてきた時代から、低成長の時代に転換したことによる「揺らぎ」のような現象のようだ。
2017年11月01日
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目標必達。 威勢のいい言葉だが、コンプライアンスを軽視すると企業存続の危機となる。 東芝の「チャレンジ」もそうだった。 不正は不正を生み、前例は踏襲され、企業体質となる。 神戸製鋼はアルミのデータ不正に始まり鋼が発覚し、内部調査で銅が発覚。 会社の事業のあらゆる分野の不正を調査せざるを得ない事態に至った。 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」。 ツービート、ビートたかしの名言を地で行く事態が、商工中金で発覚。 融資対象外の企業の財務データなどを改ざんした。 自主調査の結果、不正がみられた店舗は100店中97店。 4802件、融資額2646億円。 書類改ざんを行なったものとその上司813人(退職除く)を10月25日付けで処分。 正融資、手口を共有=ほぼ全支店に拡大 ―商工中金 2017年10月25日 時事通信 昨秋に鹿児島支店の資料改ざんで発覚した商工中金の不正融資問題は、ほぼ全支店に拡大した。 不正が判明した口座の2割以上を占めた池袋、鹿児島の両支店などは、職員が不正の手口を共有。 上司が部下に資料改ざんを指示していたケースもあった。 取締役会の形骸化などにより、不正拡大に歯止めがかからなかった。 「危機対応融資を業績評価に組み込んだため、現場にプレッシャーを与えてしまった」。 25日に記者会見した安達健祐社長は、不正融資の背景に経営陣が支店に課したノルマがあったことを認めた。 政策効果を上げることで、完全民営化を避けたいとの思惑もあったとみられる。 …(略)… 10月25日に判明したところでは不正は4,600件。 元経済 産業事務次官の安達健祐社長ら代表取締役3人は引責辞任する見通し。 完全民営化され天下り先が減ることを避けるためにやった、との見方もある。 日産の完成車検査資格不正はマスコミ的には鎮火? と思ったら、スバルが物語を続けてくれた。 一難さって二難(じなん)、三難(さんなん)。
2017年11月01日
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スバルと日産は関係が深く長い。 栄光の中島飛行機の伝統を継ぐ富士重工は、2017年4月、スバルに社名を変更。 1966年に日産と合併したプリンス自動車工業も旧中島飛行機。 1968年、富士重工と日産とが業務提携調印。 日産・チェリー、パルサー、サニーなどの委託生産を請負っていた。 2000年、日産との業務提携解消。 2005年、GMとの提携を解消し、トヨタと資本提携。 スバルは日産グループだった。 1990年、日産ディーゼル(現UDトラックス)の経営再建に手腕を発揮した川合勇のもとで地道なコスト削減努力がも行なわれた。 生産に関しては日産体質が残っているのだろう。 スバルは日産の問題が発覚した後も、無資格検査を続けていた。 報道によると不正は20年以上の伝統だという。 SUBARU、無資格者による完成検査発覚 群馬製作所で=関係筋, 2017年10月27日 ロイター SUBARUでも、同社の群馬製作所(群馬県太田市)で資格のない従業員が新車出荷前の完成検査に従事していたことがわかった。複数の関係筋が明らかにした。 …(略)… 群馬製作所はスバルの主力工場。 トヨタ、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱自動車、ダイハツ工業は、10月27日までに国土交通省に「問題なし」と報告。
2017年10月30日
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神戸製鋼は品質に関するデータの不正。 日産自動車は完成車検査に携わる者の資格の不正。 神戸製鋼はアルミで発覚したが、他の鋼材でも行っていることが後日、社内調査で発覚。 データの不正は40年以上前からの伝統だという。 日産自動車は資格の不正が発覚した後も無資格者で完成車検査を継続。 こちらの不正は少なくとも20年以上の伝統。 伝統は大事なものらしく社長が一切しないと宣言した後も続いた。 「日本の法律が不適切」といわんばかりの対応。 神鋼・日産・豊洲問題に感じる 「安全だけど安心できない」の罪深さ 2017.10.20 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 …(略)… こうした話に関連して、今、おかしなことが起きている。 神戸製鋼の品質不正と、日産自動車の検査不正。 どちらも組織ぐるみの問題だ。 神戸製鋼では、40年も昔からアルミや銅の事業部門を中心に品質不正が行われていたことが発覚した。 現時点の報道をまとめると、不正製品の売上は全体の4%、納入先は500社におよび、自動車や鉄道車両、航空機や発電所など様々なインフラで品質基準に満たない材料が使われていることがわかっている。 今後の焦点はリコールの規模で、アメリカでは集団訴訟の可能性が現実味を帯びている。 品質基準に満たないアルミ鋼材をグローバルに補償しなければならないことになれば、タカタの倒産とは比較にならないほどの経済損失が起きる可能性がある。 ただ、国内においては不思議な現象が起きている。 マスコミが神鋼の責任を声高に叫び、取引先もリコールなどの費用が発生すれば神鋼に請求すると言う一方で、なぜか強度が足りないアルミ材についてはそれ自体の安全を問題視する声が高まらないのだ。 …(略)… 一方で、神戸製鋼の取引先の中で目を引いたのが日産自動車だ。 神戸製鋼所でデータ改ざんが発覚した鉄鋼製品の線材をボルトやナットなどにして日産車に使っている可能性があると明らかにした上で、仮に安全基準に適合しないと判断し、リコール(回収・無償修理)した場合、費用を神鋼に請求する方針だと強調している。 なぜこの発言が目を引いたかというと、日産自動車が同時並行で、検査不正による莫大な規模のリコールを引き起こしているからだ。 …(略)… 日産自動車の不正をみると、大企業は組織ぐるみの不正を起こしやすいようだ。 社内規則が法令と異なっていたのだろう。 新情報(不正発覚、是正)に対する感度の鈍さも筋金入りだ。 日産の経営者は、企業運営ののスピードの重要性を説いているのだろうか? 10月19日、日産自動車は、国内に6か所あるすべての工場で、車の出荷を停止することを決めたと発表した。 日産「現場の不手際」苦しい釈明 「法令軽視」浮き彫り 2017年10月20日 朝日新聞デジタル 「言い訳のしようがない」「現場のコントロールが課題だ」 西川氏は19日夜に横浜市の本社で開いた記者会見で、自身が謝罪した後も続いた不正を、厳しい表情で説明した。 同じ場で今月2日夜に、「9月20日以降は認定した検査員が100%行うようになった」と語ったばかりだった。 国から委託された形で、車両の最終チェックにあたる「完成検査」での不正。 西川氏は「常態化し、組織的な取り組みだった」と認めた。 ただ、自身の進退を含めた経営責任について問われると、「生産を正常に戻し、信頼を取り戻し、会社を従来の成長に戻すのが一義的な役割だ」として、答えを避けた。 代わりに西川氏が、不正が繰り返された背景として強調したのが、「現場」の不手際だ。 「工場長から部長、課長から係長へと指揮命令が伝わっていたが、その過程で課長と係長のコミュニケーションのギャップが大きかった」と話した。 ただ、国土交通省の立ち入り検査があり、西川氏が記者会見で謝罪してからは、不正は社内外の誰の目にも明らかだったはずだ。 それなのに、国内で完成車をつくる組み立て工場全6工場のうち4工場で漫然と不正が続いていた事態は、現場の不手際だけでは説明が難しい。 …(略)… 漫然とではなく、不正発覚がなかったかのごとく「整然」と生産と完成車検査は続いていた。 きっと、日産の組立工場の部長、課長、係長は、自社に関するニュースを信じなかったに違いない。 あるいは、不正の指摘の意味が分からなかったのか? 日産から不正を起こさない方法を学んだであろう三菱自動車も複雑な気持ちかもしれない。 やっちゃったね、日産。
2017年10月28日
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神戸製鋼がアルミ製品でデータ改ざんし、2万トン超の不適合品を約200社に出荷。 株式会社神戸製鋼所は、旧鈴木商店系の大手鉄鋼メーカー。 設立は1911年(明治44年)。 大手鉄鋼メーカーの中では最も鉄鋼事業の比率が低く、素材部門・機械部門・電力部門を3本柱とする複合経営が特徴。 神戸製鋼 アルミ製品の強度データ改ざんし出荷 2017年10月8日 読売新聞 神戸製鋼所は8日、航空機や自動車などに使われるアルミや銅製品の一部について、強度などを示す製品の検査証明書のデータを改ざんし、基準を満たさない製品を出荷していたと発表した。 改ざんには部長級を含む管理職がかかわるなど組織的に行っており、出荷先は約200社に上る。 同社は2016年にもグループ会社で製品の強度試験データの改ざんが発覚するなど不祥事が相次いでいる。 データを改ざんしていたのは、アルミ・銅製品の生産を手がける大安工場(三重県いなべ市)、真岡製造所(栃木県真岡市)、長府製造所(山口県下関市)、グループ会社のコベルコマテリアル銅管秦野工場(神奈川県秦野市)の主要4工場。 …(略)… 社訓KOBELCOの三つの約束 神戸製鋼グループの社会に対する約束事であり、グループで共有する価値観。 1.信頼される技術、製品、サービスを提供します。 2.社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊びます。 3.たゆまぬ変革により、新たな価値を創造します。KOBELCOの6つの誓い 神戸製鋼グループに属する全社員がKOBELCOの3つの約束を果たすための誓い。 1.高い倫理観とプロ意識の徹底 2.優れた製品・サービスの提供 3.働きやすい職場環境の実現 4.地域社会との共生 5.環境への貢献 6.ステークホルダーの尊重 どうしてデータ改ざんすることになったのだろう? 1995.1.17 ~震災を乗り越えて~ KOBELCO 冒頭の「KOBELCOの三つの約束」がむなしく響く。
2017年10月11日
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マックジョブ(McJob)は、低地位・低賃金・単調・重労働(長時間労働、過剰な疲労を伴う労働)の職種を賎しめていう言葉。 ファーストフード店のように、マニュアルに沿って行われる、独創性が無く、機械的な動作を繰り返すだけの職種を指す米語。 マクドナルドは「マックジョブ」を否定するが、「マック」はもちろんハンバーガーのマクドナルドに因んでいる。 「マックジョブ」は本当に幸福度が低いのか? 橘玲:作家 2017.9.20 DIAMOND online …(略)… 働くひとの仕事観を調べた研究によると、私たちの働き方は「労働とみなす」「キャリアとみなす」「天職とみなす」のいずれかに当てはまるといいます。 これは、バックオフィス(マックジョブ)、スペシャリスト、クリエイターという分類にぴったり当てはまります。 働くことを「労働とみなす」ひとたちは、本質的にそれが必要悪であり、目標達成のための手段(生計を立てるために必要なもの)で、ポジティブでもなければ精神的な見返りもないと考えています。 彼らが働くのは、仕事以外の時間を楽しむためです。 …(略)… 研究者は、お金のためと割り切ってマックジョブをするひとと、マックジョブに意義を見出すひとの幸福度を測ってみました。 結果はおわかりのとおり、仕事で自己実現する労働者の幸福度が圧倒的に高かったのです。 ──この話を読んで、ベストセラーとなった村田沙耶香氏の『コンビニ人間』(文藝春秋)を思い出すひとは多いでしょう。 小説の主人公は、コンビニのマニュアル作業で「自己実現」するのです。 …(略)… 橘氏はマックジョブを裏方仕事、難易度の低い作業ととらえているようだ。 そしてそのような仕事は満足でが低く、自己実現の高い仕事を利用して、経営者は「やりがいを「搾取」できるとした。 日本モノ作りや終身雇用的な企業は、少々様子が異なるようだ。 「マニュアルがベストではない」とし、常用雇用、非常用雇用を問わず、経営は改善を求め、労働者はそれに応える。 仕事に関するプライドは、労働者個々人の中に程度の差をもってある。 ……なぜならサラリーマン(会社員)は、「クリエイター」「スペシャリスト」「マックジョブ」というグローバルスタンダードの働き方の分類のどこにも出てこないのです。 と述べているが、終身雇用性的なサラリーマンだけではない。 多くの労働者(あるいは組織人)が集団の向上、貢献を求めている。 そう前提しなければ、アルバイトのブラック労働など、発生するわけがない。 日本人の精神の根底にある全体主義、集団主義が知られていないので、ブラック企業が社会問題になるということが、諸外国に理解されない。 逃げ出せるのに奴隷労働を続ける、という形態が想像が絶するのだ。
2017年09月27日
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東芝は米国の原子力事業に触れて欲しくない。 PwCあらたは米国原子力事業に意見を付したい。 疑問を呈さないと監査法人として責任をとらなければならないからだ。 東芝、赤字9656億円…国内製造業で最大規模 2017年8月10日 読売新聞 東芝は10日、確定作業が大幅に遅れていた2017年3月期の有価証券報告書(有報)を金融庁に提出するとともに、17年3月期の連結決算を約3か月遅れで正式に発表した。 最終利益は米原子力事業の巨額損失により9656億円の赤字で、国内製造業で過去最大規模となる。 東芝と監査法人のPwCあらたは、米原子力事業での巨額損失を把握した時期を巡って意見が対立し、正式な決算の発表が遅れていた。 PwCあらたは有報に付ける監査報告書で、米原子力事業の損失評価を除き、決算は「重要な点において適正に表示しているものと認める」として「限定付き適正」を表明した。 かくして、米国における原子力事業は不問に付された。 重要なことを監査しないことがあったわけだ。 有価証券報告書が虚構であることが証明された。 有価証券等管理委員会も金融庁の権威は地に堕ちた。 日本経済が救えればいいのだろうか?
2017年08月19日
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兵器類の購入を巡る贈収賄の話は各国で聞く。 軍事と軍需産業は軍事機密の名の下、切っても切れない関係にあることが多い。 自衛隊vs.防衛省キャリア官僚、 天下り先ポスト争奪戦が激化! 2015年10月5日 Business Journal …(略)… 10月1日、防衛省は新たに防衛装備庁を設置、武器などの防衛装備品の開発、輸出といった業務を担当させることになった。 元は省内に運用企画局という部署があったが、これを廃止しての新設だ。 初代長官は前防衛省技術研究本部長の渡辺秀明氏が就任したが、ここに加わるのが自衛隊員である統合幕僚監部だ。 「これは事実上、自衛隊の天下り先で、防衛省のいわゆる背広組にはとって大きな衝撃でもあった」 こう解説するのは、インデペンデント通信の軍事ジャーナリスト、西村純氏だ。 「自衛隊は防衛省の下部組織に位置していて、防衛省職員が背広組と呼ばれるのに対して、自衛隊は制服組と呼ばれています。 背広組はいわゆるキャリア官僚で、退官後は天下りして悠々自適の生活を送るわけですが、今回の防衛装備庁に自衛隊員が入ってくることになれば、背広組のポストが減ることになるわけです。 つまり、結果的に自衛隊サイドが背広組の既得権益を強奪したかたちになりました」(同) ただ、自衛隊員は他の省庁と比べて構成要員が若いため、全般に定年退職年齢は低いとされ、以前から再就職先が課題となっていたという。 …(略)… 組織の活力維持のために「天下り」を前提としている。 この仕組みは防衛省だけでなく、日本国の官僚のキャリアシステム自体が内包している問題。 日本経済の成長期には問題とならなかったが、低成長の時代になると世間の目は厳しくなった。 なぜ高級幹部だけが天下りを前提とした職業人生を送ることができるのか。 東芝7名、NEC7名、三菱電機6名 …防衛省の天下り先最新事情 2017年7月18日 Smart FLASH 稲田朋美防衛大臣の度重なる失言により、何かと注目を浴びることの多くなった防衛省。 このほど外局に当たる防衛装備庁が、自衛隊装備品の調達契約上位20社を発表した。 2016年度の1位は三菱重工で4532億円。 2位は川崎重工の994億円、3位がNEC905億円、4位が富士通783億円、5位が三菱電機の767億円となっている。 以下、ジャパンマリンユナイテッド、IHI、東芝、コマツ、スバルの順だ。 ちなみに1位の三菱重工は、前年度、半世紀ぶりに川崎重工に逆転されたが、見事、再逆転している。 こうした防衛省と契約実績のある上位企業には、退官した自衛隊の幹部たちが再就職している。 その実態が、情報公開請求によって明らかになった。 2015年度、1佐以上の天下りはNEC7名、東芝7名、三菱電機6名、川崎重工5名、日立2名、IHI2名。 三菱重工やジャパンマリンユナイテッド、コマツは1名ずつだ。 上位20社の中では受け入れていない企業も数多くあるのだが、上位ほど再就職が集中しているのは間違いない。 まさに「天下り」と言われてもしょうがないところだが、じつは自衛官ならではの特殊な事情があるのだ。 自衛官は若年定年制を採用しているため、1佐は56歳で定年となる。 階級が下がるごとに1年ずつ定年が早くなってゆき、2曹3曹となると53歳で退官を迎えてしまう。 一般企業の65歳定年に比べると10年以上の開きがある。 …(略)… 再雇用先の事業体を作れば済むことなのだが、「官」や「軍」の幹部はいまさら下働きはできない、ということらしい。 2015年でも東芝が7人も天下りを引受けているとは驚き。 桜橋美佐氏はその著書で防衛産業がいかに割りの合わないものであるかを嘆いているが、割が会わない上に天下りまで引受けて事業を継続するのは、愛国心のなせる技なのか? その分、民生部門に資源と人を投じた方が上場企業の事業としてはるかに健全と思う。 道徳教育を推進する文部科学省も天下り。 「長幼の序」を重んじた結果だろうか。 文科省「天下り汚染」 裏の人事課長の年収は1500万円! 2017.03.09 Smart FLASH 小池都知事も都庁の天下り構造には手を出さないことだろう。 官公庁の人事処遇の闇は深い。
2017年08月05日
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上場企業の期末決算監査に「意見不表明」という監査法人にあるまじき対応をとったPwCあらたは、東芝との監査契約を続行すると報じられた。 東芝の監査法人、「PwCあらた」が一転継続へ 2017年6月5日 週刊東洋経済(ビジネス 一度は決裂した東芝と監査法人が今、互いに大きく歩み寄っている。 東芝の今2018年3 月期について、PwCあらた監査法人が監査を継続する方向で検討していることが複数の 関係者への取材でわかった。 …(略)… 経営実態が法令に照らして不適切なときに監査法人が「監査意見負表明」とすることは、監査の自殺行為。 良いときだけOKという監査では、監査にならない。 不都合を抱えた企業から、「うちも監査意見不表明で・・・」と依頼され、そのような行為が続いたら、監査法人は監査している意味をなさない。 会計士協会がPwCあらたの調査開始 東芝決算への意見不表明で 2017.7.13 DIAMOD online 日本公認会計士協会の関根愛子会長は13日の会見で、PwCあらた監査法人への調査を開始したと表明した。 同法人は、東芝の2016年10─12月期の四半期報告書で監査意見を不表明とした。 協会がこの経緯などを調査する。関根会長は、同法人が監査意見の不表明に至ったことについて「深く憂慮している」と述べた。 調査では、東芝を担当する監査チームが、東芝の米子会社を担当する監査チームの状況を十分に把握し適切に指揮していたのかが焦点の1つになる。 …(略)… 東芝のPwcあらたへの援護射撃だろうか? 東芝が「意見負表明」の事実がないと発表。 監査法人が意見表明しないと伝えたとの報道、事実でない =東芝 2017年7月13日 ロイター 東芝は13日、2017年3月期の有価証券報告書で監査を担当するPwCあらた監査法人が意見不表明とすると東芝に伝えたとの同日付朝日新聞の報道について、そうした事実はないとのコメントを発表した。 …(略)… 税務調査でも労働基準局の監査でもそうだが、近年は言葉面よりも実態重視になっている。 東芝のPwcあらた擁護は、日本公認会計士協会の怒りの火に油を注ぐ行為。
2017年07月19日
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世界のトヨタの豊田章夫社長(慶応大学卒)は今年の株主総会で涙ぐんだという。 二期連続減益のなせる技か。 トヨタ株主総会、章男社長が涙を見せたワケ 株主の心配は短期業績よりも中長期の競争力 冨岡 耕:東洋経済 記者 2017年06月15日 東洋経済 ONLINE 役人や政治家は企業人と違い、売上や収益という物差しがない。 「自分は偉い」「エリートだ」と思う人は勘違いを続けることも可能だ。 「このハゲーー!」は今年の流行語大賞になるのではないかと噂されている。 あまりにも品がないので、大賞はいかがなものか、となるのではと考える。 自民党の豊田真由子衆院議員(42)(東京大学卒)は厚労省の官僚から議員になった。 この発言は、議員でなくとも、社会人としてひどく品性が貧困であることを体現している。 選挙中はこんな発言は外部でしなかったようだが、埼玉4区の人々は恥をかかさたと思うことだろう。 豊田議員の素顔、 複数の元秘書が明かす『被害録』 「家族を殺し合わせる洗脳現場のようだった」 2017.7.2 zakzak …(略)… 「この、ハゲ~っ!」「ち~が~う~だ~ろ~!」。 もはや説明不要の豊田氏の暴言と暴行は、6月22日発売の週刊新潮が報じ、テレビやインターネットを通じて音声とともに日本列島を駆け巡った。 自民党はその日のうちに豊田氏に離党届を提出させて、早期幕引きを図ったが、党のイメージダウンは大きい。 7月2日投開票の東京都議選で、街頭演説をしている自民党幹部にトラックから「このハゲ」というやじが浴びせられたほどだ。 …(略)… しかし、豊田氏が永田町で一躍有名となったのは、26年4月の園遊会での問題行動だった。 本来は入場が認められない母親を、本来の入場予定者である「配偶者」と言い張り、警備との押し問答の末に入場した。 宮内庁が衆院にルールの周知徹底を求める事態となった。 「上にへつらい、下に厳しい」(自民党若手議員)と、サラリーマン社会なら最も忌み嫌われるたぐいの評判は、永田町で早くから広がっていた。 自民党の閣僚経験者は「秘書がしょっちゅう入れ替わる議員は信用できない」と断罪するが、豊田事務所によると「アルバイトも含め100人は辞めた」という。 …(略)… パワハラ議員は他にもたくさんいるので音声を録音された豊田議員は気の毒、との声もあった。 「皆で渡れば怖くない」の発想の国会議員が多くないことを期待する。 こんな凄い嫁がいたら人生が嫌になる。 夫は国土交通省のキャリア官僚で、現在内閣府に出向中、和泉首相補佐官の部下との噂。 子育てを押し任されていた(押し付けられていた)夫は、子供を嫁の実家に預けたという。 長男7歳、長女5歳。 嫁(豊田議員)のご両親は心優しい人々なのだろうか? 豊田真由子議員、 子供を実家に預け家を出た 官僚夫にも非難が飛び火 2017年7月2日 Asa-Jo 耳を覆いたくなるような罵詈雑言を秘書に浴びせたとして話題になっている、豊田真由子衆議院議員。 この報道後、自民党に離党届を提出。 現在は「心身症」により入院中だそうで、本人から釈明の弁はまだ出てこない。 そんな中、国土交通省のキャリア官僚である夫は、小学生の一男一女を豊田議員の実家に預け、自身も家を出たと「女性セブン」(7月13日号)が伝えている。 連日放送される妻であり母親の醜態を見るのは、家族にとっても耐え難いことに違いない。 ただ、この報に対しネット民からは「『子供にこんな母親は見せられない』って言うなら嫁の実家に預けないで自分で守ろう」「旦那も責任感がないね。子供たちが可哀想」「旦那さん、逃げてるだけじゃん」「こんな嫁じゃ嫌になって当然だけど、子供置いていくのはいかがなものか」など、夫にまで非難が飛び火している。 …(略)… いずれにしろ夫も気の毒だと思うのは、私が男だからか。
2017年07月06日
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2008年ごろからエアバッグ内で膨張ガスを発生させるインフレーター関連の不具合が相次いで発生。 米国とマレーシアでインフレーターの金属片による死亡事故発生。 2008年11が圧より断続的にリコール開始。 事故発覚以降、被害者対応、安全性確保・信頼回復、経営再建策立案など、全てついて、タカタの対応はあまりに遅い。 米国フロリダとプエルトリコでエアバッグが異常破裂する6件の不具合(運転席用、助手席用ともに)が発生。 当初、原因が特定できなかった。 ①一定の経年劣化、②極めて多湿な地域で長期間使用、③潜在的な製造の問題、の3つが重なった場合に不具合が発生することが分かった。 NHTSA(米運輸省高速道路交通安全局,)の指導で、ホンダなど自動車メーカー9社が地域限定リコールを実施した。 2014年7月、あらたなインフレーターの金属片による死者が発生し、死者は5人となった。 2014年11月、米議会でタカタのエアバッグ欠陥問題に関する公聴会が開催された。 タカタで品質管理を担当する東京本社品質本部の清水博シニア・バイス・プレジデント、ホンダ、クライスラー幹部、米道路交通安全局(NHTSA)のデービッド・フリードマン局長代行らが出席した。 清水氏は死亡した5人のうち2人の死亡事故についてはまだ調査中だと述べ、その時点で全責任を負う姿勢は示さなかった。 死亡事故に関連し、エアバッグに異常があったことのみ認めた。 2015年6月25日、タカタ製エアバッグのリコール問題で、高田重久会長がエアバッグ問題で初めて記者会見を開いた。 高田会長は、市場措置により、多大なるご心配、ご迷惑をお掛けし、大変申し訳ない、と謝罪。 会見では、品質保証本部長の清水博氏がエアバッグ問題の経緯や同社の取り組みについて説明した。 2015年11月、NHTSAは、タカタのエアバッグの欠陥を企業の不祥事とし、同社が適切なリコールや情報開示を行わなかったため、米国内で被害を拡大したとして最大2億ドル(約240億円)の民事制裁金を科すと発表。 2015年11月、最大顧客であるホンダがタカタの提出データに不適切な報告の形跡があると指摘。 この発表は、ホンダとタカタとの信頼関係が途切れたことを示している。 これ以降、新型車にタカタ製インフレーター(膨張装置)を使わない方針を表明。 倒産タカタ 逃げ続けたツケ 2017年6月28日 東スポWeb …(略)… タカタの再生法適用によって、取引先のホンダなど自動車メーカー各社はリコールの立て替え費用回収が「困難」と発表。 その費用はトヨタが5700億円、ホンダが5560億円にも上る。 自動車産業という日本の根幹に大打撃を与えた高田重久会長兼社長は会見で「金融機関にも返済を我慢してもらったが、一部報道で最終的には待ったなしの状況になった」と語った。 数日前から各メディアで再生法適用の動きが報じられ、金融機関が支援を渋るようになったのは事実だが、自分の責任をマスコミに転嫁する高田社長はトップとしての器の小ささを露呈したと言われても仕方ない。 欠陥エアバッグ問題は別項の通り。経済ジャーナリストの片山修氏は高田一族の失敗について「特に安全分野は世界が関心を持っている。タカタは情報公開を避け、責任を認めずに『原因が分からない』と言い逃れを続けてきた。逃げれば逃げるほど『何か隠してる』と追及を受ける。創業一族が家業にしがみついたのが経営破綻の原因です」と指摘。 つまり、タカタの失敗は創業一族の「潔さのなさ」に尽きるということ。 その結果、支援を受ける中国企業傘下の米自動車用部品会社キー・セイフティー・システムズ(KSS)に1750億円で実質的に全事業を“買収”される顛末に。 そもそもタカタは2014年、米議会公聴会に呼ばれたが、トップの高田社長が出席しなかったことで大きな批判を浴びた。 逃げ続ける姿勢を象徴する出来事だった。 …(略)… 経済ジャーナリストの片山修氏は「自動車メーカーとして株を一番持っているホンダがタカタとつながりが深い。メーカーの誰かが泥をかぶって音頭を取り、再建の仕切りをしなきゃいけなかった。それはホンダの役割だったと思う」と続けている。 片山氏はホンダを潰すつもりか? ホンダは必要なリコールをどんどん認める。 誰一人亡くなっていないミッショントラブル多発で、タカタのインフレーターを使用しないことを表明した当人、ホンダの伊東社長は引責辞任。 タカタは適正なデータを公開せず、数多くの死亡事故がありながら原因を特定しようとしないまま10年。 経営トップは不動の高田一族。 両社はあまりにも経営姿勢が違いすぎる。 経営で提携してもうまくいくまで時間がかかることだろう。 雇用確保や生産の継続は経営トップが責任をとることを決めた次の話だ。 世紀の大合併、ダイムラー・クライスラーのその後をみれば、救済合併のようなことをしても、企業体質、企業文化が容易に変わらないことが分かるはず。 片山氏はヤマハ発動機が倒産しそうになったら、「つながりが深いトヨタが救済すべき」と言うのだろうな。
2017年07月04日
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MRJが世界の空を飛び回る目処は、たぶん立っていない。 売上が計上されなければ、MRJの開発、製造にかかる費用は全て損失となる。 即ち、初号機納入予定の2020年まで、三菱航空機の損失は増え続け、三菱重工の連結決算の負担となる。 三菱航空機、債務超過510億円 MRJ開発遅れ損失に 2017年7月1日 朝日新聞デジタル 国産初のジェット旅客機MRJを開発する三菱航空機が、2017 年3月期決算で510億円の債務超過に陥ったことが分かった。 開発の遅れで航空会社に機材を納入できないため損失が膨らみ、負債が資産を上回る状態になった。 6月30日の官報に掲載された同社の決算公告で判明した。 三菱航空機はMRJの設計変更などにより、これまでに開発延期を5度表明。 初号機の納入は当初より7年遅れ、現在は2020年半ばを目指している。 機材を納入できない状態で売り上げが計上できず、開発費用がほぼそのまま損失につながっている。 今年3月末の累積損失額は1510億円に達した。 …(略)… 非上場企業の三菱航空機は、親会社の三菱重工業などから計1千億円の出資を受ける一方、三菱重工からの借入金で事業を進めている。 そのため、債務超過であっても「銀行からの借り入れがなく、資金的に行き詰まるわけではない」(三菱重工幹部)という。 決算公告によると、17年3月期の純損益は511億円の赤字だった。 非上場の三菱航空機の出資は三菱重工100%ではないのが、不幸中の幸い? 出資者 三菱重工業 64.0% 三菱商事 10.0% トヨタ自動車 10.0% 住友商事 5.0% 三井物産 5.0% 東京海上日動火災保険 1.5% 日揮 1.5% 三菱電機 1.0% 三菱ケミカル 1.0% 日本政策投資銀行 1.0% 従業員数は2017年4月1日時点で約1900名。 企業情報 三菱航空機株式会社 三菱航空機最大の誤算はFA(米国連邦航空局)の型式認定取得が容易ではないこと。 航空管制用語が英語であるように、米国内での航空機の開発、製造、修理、運航の全ては、FAAの承認無しには行えない。 FAAによる認証は実質的に世界の民間航空機の命運を左右する。 三菱「MRJ」開発の難関、型式証明って何だ? 半世紀ぶり国産旅客機の審査担当者に聞く 渡辺 清治:東洋経済 記者 2015年05月19日 東洋経済 ONLINE 日本の型式認定はMRJのために各種の情報を入手して作られた。 米国は日々の航空情勢を勘案した認証となっている。 FAAの認証の取得の経験者が外国人技術者。 三菱航空機、MRJ納期必達へ「背水の陣」 外国人技術者を追加雇用 篠原CEO「三菱重工と一緒にしっかりやる覚悟」 2017年3月27日 産経ニュース 2016年4月、量産体制は予定通り進行中と報道された。 量産に携わる人々はどうなるのか。 2017年5月9日、三菱重工業は9日、量産開始が遅れ、人員に余剰感が出ているためM、RJの機体組み立てに関わる従業員ら約570人を一時的に配置転換する方針を明らかにした。 より高次元な技術への挑戦はリスクを伴う。 リスクを避けて企業の発展はない。 ただし、リスクはリスクとして冷静に認識でき、経営に織り込まれていなければ経営者とはいえない。 最近、リスクを現場に押し付ける経営者が、長年続いた優良企業を滅ぼしている例を多く見る。 大型客船製造事業撤退とMRJの納入延期 根は同じ 2017年1月25日 レスポンス
2017年07月03日
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エアバッグのタカタが民事再生法申請(法的整理)の最終調整に入ったという報道を受け、6月19日、東京証券取引所でタカタの株が大暴落、ストップ安。 取り引きが成立しない状態。 各自動車メーカーがタカタに対してリコール費用を計上した途端にタカタは債務超過になる状態が続いている。 株主保護の観点からは、東芝とともに、タカタが上場を維持し続けていることの方が問題だと思う。 2016年時点でリコール対象1億台を突破。 民事再生法が適用されず倒産した場合のタカタの債務残高は1兆円超との見かたがある。 最大の問題は同属経営の高田一族の保身ぶり。 高田一族は、下記を望み、全てを失おうとしている。 ・法的整理ではなく私的整理 ・リコール費用の減額(メーカー負担の増額) ・債務をの長期返済 ・減資の回避(タカタ一族支配の貫徹) タカタ経営陣 やってはいけない危機管理のフルコースだった 2017年6月20日 NEWSポストセブン …(略)… タカタ問題の処理に関わった国内自動車メーカー関係者のひとりは語る。 「タカタといえば、ホンダさんと共同でエアバッグを低コストで量産する技術を確立したことで有名。 当然、ホンダさんはタカタについて何らかの支援を行うものと多くの関係者がみていましたが、伊東社長(当時)は早い段階で距離を置くような発言をしていた。 そのときは冷たい対応なんじゃないかと思ったのですが、後で法務を含めた交渉の過程でタカタの態度をみて、ホンダさんが真っ先に見切りをつけたのはタカタの体質に辟易としてのことだったのだろうと思うようになりました」 …(略)… 国内準大手の社員は、 「タカタの物言いには、タカタだけが悪いわけじゃないのに、なぜタカタだけが責められなければいけないんだという考えが多分に含まれているように感じた。 自分も彼らとはもう話をしたくないと思ったくらいでしたが、話し合いの場でそれ以上に怒ったのは、タカタと取り引きのあった欧米の自動車メーカーの担当者たちでしたね。 これでは日本の自動車産業のイメージが落ちてしまうとすら感じました」と振り返った。これまでもタカタについては会社更生法の適用に関する噂がたびたび出た。 昨年、タカタから救済出資の打診を受けた中国資本傘下のアメリカの安全システム部品メーカー、キーセーフティシステムズは、法廷整理で債務を確定させ、身ぎれいにすることを望んでいたとされる。 それに対し、タカタの創業家はあくまで私的整理にこだわり続けた。 …(略)… タカタは米国でエアバッグのリコール問題が発生したとき、経営トップが事態の説明を行わなかった。 その後も、自社の責任を逃れるような態度を取り続け、膨大な債務が明らかになった時点でも一族の保身のため、私的整理による再建にこだわり続けた。 2014年、米・NHTSAはエアバッグの地域限定リコールを全米に広げるようにタカタへ要請していた。 タカタは要請に応えず、タカタから届いた書簡には「リコールは自動車メーカーがすべきだ」と書かれていたと報じられた。 また、米国議会の公聴会に、経営トップである高田重久・会長兼最高経営責任者(CEO)とステファン・ストッカー社長兼最高執行責任者(COO)が姿を見せないことに批判が集まった。 会長の母、高田暁子氏が会長、社長の出席を認めなかったという噂が流れた。 2010年、豊田章夫社長が米議会公聴会に出席して、リコール問題を収束方向に導いたトヨタの対応と対照的だった。 責任を逃げ続けた結果、救済スポンサーから見捨てられそうになり、法的整理を已む無く選択した。 1933年、高田武三氏が滋賀県彦根市で織物製造の高田工場を創業したのがタカタの始まり。 1956年、法人化。 1960年、シートベルトの製造を開始。 1974年に2代目社長へ就任した高田重一郎氏の時代にエアバッグの開発・製造に着手。 1987年、エアバッグの製造開始。 タカタは、エアバッグ世界2位の企業に成長。 2006年11月、東京証券取引所に上場。 2004年、上場に備えて旧タカタを会社分割して分社化。 エアバッグ、シートベルト、チャイルドシートを製造する事業は、旧タカタの100%子会社であるタカタ事業企画が吸収合併して、社名をタカタに変更。 旧タカタに不動産事業部門を担い、社名をTKJに変更。 TKJが事業会社を新タカタの親会社と、新タカタを上場。 タカタの筆頭株主はTKJ(52.1%)。 タカタ会長の重久氏と母親の暁子氏(重一郎氏の妻)の保有分を加えると合計57.1%を保有。 TKJの役員は重久氏と弟の弘久氏、暁子氏が役員に名を連ねている。 重久氏は2007年6月、父親の重一郎氏の後を継いで社長に就任。 2011年に重一郎氏が亡くなり、重久氏が経営トップになった。 2009年に起きたエアバッグの一連の事故で2人が死亡。 リコールの結果、タカタは2013年3月期に特別損失を計上して211億円の赤字転落。 2013年6月、同族経営を転換し、ステファン・ストッカー氏を社長兼最高執行責任者に迎えた。 2017年6月27日の株主総会で、高田重久会長兼社長の再任が提案されるという。 エアバッグ最大手のオートリブ社(スウェーデン)の世界シェアは、35%から50%に高まった。 世界2位の供給力をたてに取ったタカタの強気戦略は根拠を失いつつある。 アングル: タカタ危機でオートリブに空前の商機 日本首位へ王手 2015年11月11日 ロイター タカタの同属支配は解体される? タカタの民事再生法申請と倒産処理 2017/06/16 弁護士 荘司雅彦
2017年06月22日
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東芝が債務超過になった原因は、2015年に、原発の建設会社だったS&W社を米国子会社WH社経由で買収したこと。 2016年、当初のれん代105億円とされた赤字が約7000億円となった。 1年後に大赤字を出す会社をわざわざ買収した経緯とは。 東芝は米国にハメられた。 原発買収で起きていた不可解なやり口 2017年6月16日 マグマグニュース …(略)…なぜ東芝はアメリカの原子力事業に参入したのか? ことの発端は、2006年のことです。 この年、東芝は、アメリカの原子炉メーカーのWH社を買収しました。 なぜ買収したかというと、東芝はアメリカの原子力事業に参入したかったからです。 当時、アメリカは、原子力発電に再び脚光が浴びせられ、「原子力ルネッサンス」というような状況にありました。 アメリカは、1979年のスリーマイル島の事故以来、30年間、新規の原発建設を認めていませんでした。 が、環境問題の世論の高まりや、電力コスト高などの影響を受けて、原発回帰の機運が生まれてきたのです。 東芝は、この話に飛びついたのです。 東芝が、WHを買収したのは、この「包括エネルギー法」成立の翌年のことなのです。 …(略)… 2006年、東芝は高値で米・WH社を買収。 沸騰水型原子力発電所のシェア世界一のメーカの誕生。 2008年4月、WHは、米国ジョージア電力と、2基の新規原子力プラントの建設に関する契約を締結。 2008年5月、WHは、米国サウスカロライナ・エレクトリック&ガス・カンパニー(SCE&G)と2基の新規原子力プラントの建設に関する契約を締結。 2007年、中国で4基の建設を受注。 米国の原発は2001年9月11日の同時多発テロで、建築基準が強化され、 2011年3月、東京電力福島第一原発事故を経て、米NRCは着工許可に慎重になった。 …(略)… しかし電力会社側は、「東芝(WH)がS&Wを買収し一体化すれば、契約金額や工事期間の見直しに応じる」とも言ってきたのです。 東芝はその甘言にまんまと引っかかってしまったようなのです。固定価格オプション 東芝(WH)は、S&W社を買収することに合意し、それとともに、電力会社と今後の建設費などの見直しの契約もしました。 その見直し契約には、固定価格オプションという取り決めがされていました。 固定価格オプションというのは、スキャナ電力は、工事費に5億500万ドル(約564億円)を上乗せし、2年程度、工事期間を延長する契約変更に応じますが、その後の超過コストはすべてWHが負担するというものです。 WHが負担するということは、つまりは実質的に親会社の東芝が負担するということです。 超過コストがあまり発生しなければ、東芝にうまみがあります。 でも、超過コストが発生すれば、東芝は際限なく負担を強いられることになります。 では、超過コストはあったのでしょうかなかったのでしょうか? ご存知のような、約7000億円という莫大な超過コストがあったのです。 しかも、それは、S&Wの買収時点で、すでに発生していたのです。 …(略)… 丸儲けしたアメリカの電力会社 東芝が窮地に陥ったのは、S&Wという大赤字会社を騙されて買収させられたからであり、S&Wが大赤字になったのは、固定価格オプションを結ばされてしまったからです。 …(略)… 大赤字が発生する構造を認識しないで企業買収をしたということ。 米国の陰謀というより、素朴な東芝の愚かさだけが目立つ話。
2017年06月21日
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「掴んだ既得権は放さない」のが組織防衛に知恵を使いまくる役人の発想。 損得を吹き飛ばしてでも、既得権は守る。 例えば、厚生省(現厚生労働省)は民間企業に厚生年金基金とい機関を設置し、天下りの場を作った。 運用環境の悪化で多くの厚生年金基金が赤字となり、解散したいと言っても解散させなかった。 その間も運用環境は悪化し、解散時の負担は拡大した。 郵政事業は収支の取りにくいユニバーサルサービスであることは分かるが、規模のメリットも定かでないにも関わらず、郵政はヤマトHDのメール便事業を法を盾に取って邪魔して、郵便物の輸送から排除した。 かかったコストは公務なのだから国民が負担すべき(税の投入)が彼らの思考原則に組み込まれている。 自ら抱え込んだ事業の採算が取れないからといって、海外投資で一気に稼ぐ発想は、「チャレンジ」東芝、西室流投資術か。 日本郵政「M&A蟻地獄」 お荷物の郵便抱えた民営化の末路 山田厚史:デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員 2017年5月25日 DIAMOND online 民営化し株式を売り出した時、赤字転落を誰が予想しただろう。 豪州の物流会社トールの買収に失敗し、4003億円を減損処理した日本郵政。 「損失は一括処理で解消された」と長門貢社長は言う。本当だろうか。 日本最大の金融機関・ゆうちょ銀行を抱え全国2万4000の郵便局を擁する巨大組織は、今もって確かな未来を描けないままだ。 「全国一律の郵便事業」というユニバーサルサービスを担いながら、市場競争に晒される。 二兎を追う苦し紛れが「M&A依存」を招いた。 競争原理と縁遠いお役所企業が、異業種を買収して経営するのは至難の業である。 …(略)… エコノミスト、アナリストの類は敢えて森を見ずに立論することで独自の見解を披露することがしばしばだ。 だが、「競争原理と縁遠いお役所企業が、異業種を買収して経営するのは至難の業である」という言葉は重い。 海外投資で失敗を重ねる、東芝など電機業界、三菱重工なども、長年の安定経営が企業運営の硬直化を招きお役所企業化している。 中国で「ダメ企業」の烙印 日本電機メーカーの凋落 莫 邦富:作家・ジャーナリスト 2017.5.26 DIAMOND online 野村不HD買収に動く日本郵政の皮算用には 「勘違い」がいっぱい? =佐藤昌司 2017年5月25日 MONEY VOICE
2017年06月21日
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東芝の上場廃止のカウントダウンが着々と進んでいる。 東芝メモリをウェスタン・デジタルと合意ができて売れたとしても、決算に監査意見が付されないなら、上場を維持することはできない。 すぐに国レベルの対立軸で考えるのは、全体主義国家日本人の悪い癖。 企業価値が下がらないように全力を尽くすのは米国の経営者として当然の行動。 契約に反するとなれば「相手の事情を斟酌して」などという「武士の情け」は米国にはない。 東芝は契約に沿ってことを進めなければならない。 例え東芝が上場廃止となろうと、そのことは合弁契約やWDの利益に、直接の関係はないからだ。 東芝メモリ売却 WDに屈服する「新・日米連合」構想が浮上 週刊ダイヤモンド編集部 2017.5.18 DIAMOND online …(略)… いよいよ強硬手段に打って出た。 東芝の半導体新会社、東芝メモリの売却をめぐって、同事業の提携相手である米ウエスタンデジタル(WD)は米国時間14日、売却の入札手続き停止を求めて国際仲裁裁判所に申し立てを行ったのだ。 WDは、東芝による一方的な事業売却は合弁契約に違反すると主張している。 一方、入札手続きは正当とする東芝は3日付の書簡で、WDと共同運営する四日市工場(三重県四日市市)のデータサーバへのWD社員のアクセスを米国時間15日に遮断すると警告した。 泥沼の抗争に突入するかに見られたが、当初強気だった東芝は一転、16日に対抗措置の実施を見送った。 …(略)… ここで急浮上したのが、WDが官民ファンドの革新機構と共同する「新・日米連合」の枠組みだ。 これまでの日米連合は、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と革新機構を中心として、富士通など国内企業の出資を集める日本連合を加えるのが基本的な枠組みだった。 これに東芝と対立するWDの合流が焦点だったが、新たな日米連合の構想では、過半数の出資にこだわるWDが新会社に51%を出資して主導権を握り、革新機構と政投銀が合わせて6000億円程度、残りを銀行団が融資する。 銀行団は、東芝メモリが生み出すキャッシュフローを担保にして買収資金を借り入れるLBO(レバレッジド・バイアウト)で資金を拠出する。 …(略)… 大東芝の威光が通じないことで、東芝のWDに対する不信感はさらに上積みされた。 監査法人の交替の裏技も絶たれ、監査意見なしの決算発表をするようだと上場廃止は決定的。 急いで債務超過を回避することの意義も低下。 東芝メモリ売却の行方は混沌。 中期的観点では、東芝本体を再構成(言葉の本来の意味のリストラクチュアリング)してでも東芝メモリは「売らない」が最適の選択と思える。
2017年06月14日
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法令違反等による業績低下、株価の低迷により、企業あるいは取締役が投資ファンドから訴えられるのはよくあること。 東芝は訴えられているが、監査法人の監査が不適切としての大きな訴訟は初見。 東芝は海外子会社の負債による債務超過が話題になっているが、話の発端は「チャレンジ」強制による不正会計(粉飾決算)。 2015年7月、東芝の不適切会計について第三者委員会の報告書により、経営トップの関与による2009年3月期から2014年4 - 12月期で計1,518億円の利益を水増しする粉飾決算を行っていたことが報告された。 オリンパスの損失隠しの見逃しと東芝の一連の不正会計処理を「長年にわたって見逃したことから、2002年度から東芝の監査を担当した新日本監査法人の監査機能についても批判の声が挙がった。 2017年年9月、金融庁および監査審査会は新日本監査法人の立ち入り検査を実施。 内部手続きの形骸化や不審点への追及不足といった問題が判明した。 2015年12月、金融庁は「課徴金21億円」「3カ月の新規業務の受付停止」「公認会計士法に基づく業務改善命令及び(東芝を担当していた7人の)公認会計士に対する1カ月~6カ月の業務停止措置」の3つの行政処分を実施。 これらの処分の責任を取り、英公一(はなぶさ こういち)理事長は辞任。 2016年6月末、東芝との監査契約が解除された。 2016年6月末にて新日本監査法人との監査契約を解除した東証上場企業は、東芝を含め38社。 東芝問題根本原因に関する検証結果報告書要旨 新日本有限責任監査法人 新日本監査法人は課徴金を課され、大口クライアントから契約を解除され、そして損害賠償を求められた。 GPIF以外の投資ファンドも訴訟の必要性に迫られるかもしれない。 GPIF、新日本監査法人を提訴 東芝不正会計で損害賠償35億円 2017年6月2日 ロイター 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、東芝の不正会計問題を巡り、新日本監査法人に対して35億円の損害賠償を求める訴えを起こしたことが2日、分かった。 GPIFが監査法人を提訴するのは初めて。 ロイターが訴状を確認した。 提訴は5月17日付で、原告はGPIFが保有する国内株式を管理する日本トラスティ・サービス信託銀行。 訴状によると、新日本監査法人は、東芝の有価証券報告書に虚偽記載があったにもかかわらず「相当な注意を怠って」適正意見を表明し、GPIFに損失を生じさせた。 GPIF側は損害額の合計を122億円余りと試算し、今回の裁判ではその一部を損害賠償として求める考え。 GPIFは不正会計問題に関連し、すでに東芝に対して計132億5000万円を求める訴訟を起こしている。 …(略)… 2016年6月末にて新日本監査法人との監査契約を解除した上場企業のうちの1社が富士フィルム。 富士フォルムはあずさ監査法人に鞍替えしたばかり。 富士フイルムも? 不正会計続々で日本企業の会計は大丈夫? 2017.04.27 PAGE 富士フイルムホールディングスは20日、連結子会社である富士ゼロックスの海外販売子会社で会計処理に誤りがあったとして、27日に予定していた決算発表を延期すると発表しました。 最大で220億円が不正に計上された可能性があり、同社では第三者委員会を設置て調査を進めるとしています。 問題が発生したのはニュージーランドにある販売子会社です。 子会社は取引先とコピー機のリース契約を結び、消耗品やメンテナンスを一括して提供していましたが、その販売代金の計上方法に問題があったようです。 …(略)…
2017年06月13日
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三菱重工については昨年、将来に向けた造船事業の中心とおいていた豪華客船事業の累積損失が2,374億円であることが判明。 また、次世代の柱としていた三菱航空機のリージョナルジェット、MRJは開発の遅れで開発費の膨張と納入延期を繰り返した。 航空製造関係者の予想通り、海外販売の決め手である米・FAAの型式証明取得もすすんでいない。 三菱重工がまさかのトップ転落 …日本の「防衛産業」に異変アリ! 国際競争でも敗北続き… 井上 久男 ジャーナリスト 2016年10月7日 現代ビジネス 「一民間企業の経営ミス」では済まされない 日本の防衛産業で異変が起こっている。 その一つが、昨年秋に実施された2020年に竣工予定の新型イージス艦(1番艦)の入札で本命視されていた三菱重工業がジャパンマリンユナイテッド(JMU)に敗れたのに続き、今夏に行われた2番艦(21年竣工予定)の入札でも同様に三菱重工がJMUに負けたことだ。 現在6隻就役しているイージス艦のうち5隻を三菱重工が建造している。 残り1隻はIHI(石川島播磨重工業)製。JMUとは、IHI(石川島播磨重工業)、住友重機械工業、日立造船、旧日本鋼管の造船部門が統合して発足した造船会社である。 日本の防衛産業で圧倒的な存在感を誇ってきた三菱重工の凋落は、「異変」の大きな要因だ。 2015年度の防衛装備庁の「中央調達実績額」によると、三菱重工は、川崎重工に追い抜かれて2位に転落した。 ちなみに川崎重工に対する調達額は2,778億円、三菱重工は1,998億円だった。 防衛産業の関係者はこうもらす。 「これまでに三菱重工がトップから転落したという記憶がない。おそらく初めてのことだろう」 三菱重工はこれまで自社のプライドをかけて、コストを無視してでもイージス艦の受注を獲得してきたとされるが、経営状況がそれを許さなくなっている。 「これまでは日本の防衛産業を牽引してきたとの自負から赤字覚悟で受注してきたのを、今の経営陣が絶対に認めなくなったからではないか」 (前出・関係者) …(略)… 収益を上げることが必須の民間である三菱重工は、防衛産業トップのプライドにこだわる余裕がなくなった。 三菱重工が生んだ子会社、三菱自動車の救済も日産の支援のもと行われ、日産傘下となった。 2017年5月11日、東京商工リサーチは2016年度に国内不動産を売却した東証一部、二部上場企業について調査結果を発表した。 最高額は三菱重工業の761億円。 横浜・みなとみらい地区にある「三菱重工横浜ビル」の土地建物の売却は。 三菱重工、瀕死・東芝の二の舞の兆候 …赤字1兆円の原発企業に巨額出資の博打、赤字垂れ流し事業も 2017年4月3日 営業利益2000億減へ。 巨大企業「三菱重工」にさえ漂い始めた暗雲 2017年5月30日 まぐまぐニュース! 去る4月26日、「三菱重工」は投資家向けに開示した資料で、「営業利益が1年で半減」という衝撃の事実を明かしました。 これを受け、翌27日には三菱重工株は、売りが殺到する事態に。 シャープや東芝に続き、あの三菱重工さえも危機に晒されてしまうのでしょうか。 …(略)… 私の目に止まった記事● 巨象「三菱重工」が東芝みたいになってきた~1年で営業利益が半分に 三菱重工が17年3月期の営業利益の予想を3500億円から1500億円へと下方修正した、という報道です。 大幅赤字の結果、債務超過に陥った東芝よりはずっとましな状況ですが、似たような背景がある点は、この記事の指摘する通りです。 原発事業に関して言えば、三菱重工が提供した蒸気発生器の不具合により、San Onofre 原発を廃炉にせざるをえなくなったと、 Southern California Edison 社から $7.6 billion (約8000億円)の賠償金を支払うようにとの訴訟を受けていました。 最新の報道では、間に入った調停役が $125 million (約140億円)の賠償が適切との判断を下したため、東芝のような目には合わなくて済みそうですが、とても危ないところでした。他の事業も問題は「山積」の三菱重工 …(略)… 他の事業とは、造船事業であり、MRJ。 5月25日に厳格な審査を通過して、フランスに原発の取替用蒸気発生器を納入したが、これさえも後日何かあるのでは、と思ってしまう。 三菱重工 フランス電力(EDF)原子力発電所向け取替用蒸気発生器(SG)3基を納入 2017年5月25日 JCN Newswire …(略)… 今回納入した取替用SGは、出力90万kWの加圧水型(PWR)原子力発電所向けに、2010年に受注したものです。 それぞれ高さ約21m、総重量約300トンで、当社の神戸造船所にて製作しました。 低合金鋼製の耐圧容器(注1)の内部に、新素材であるTT690合金(注2)製の伝熱管が1基あたり4,000本以上挿入されています。 PWRプラントの中核的な役割を担う最重要機器の一つで、原子炉で発生させた熱を1次冷却系(原子炉系)から2次冷却系(タービン系)に伝え、水蒸気でタービンを駆動させます。 …(略)…
2017年06月13日
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韓国の自殺率は直近25年間で3.6倍になった。 経済の発展とともに、政治も、大企業を中心とした経済も好き勝手なことをやったツケ、だろうか? 内戦もないのに、内戦下の国を超えるほど自殺が多い。 「自殺」と呼ぼうが「自死」と呼ぼうが、こんな悲しく、社会的に無益な行為はできるだけなくすべきだ。 韓国の自殺率、EU平均の2.6倍に =韓国ネットが議論「経済問題だけが原因ではない」 2017年5月29日 Record China 2017年5月27日、韓国・聯合ニュースによると、韓国の自殺率が欧州連合(EU)平均の約2.6倍に達することが明らかになった。 EUの公式統計機関ユーロスタット(Eurostat)によると、14年基準(以下同様)で、490万人の死亡者のうち自殺者は5万8000人で、全体の1.2%を占めた。 自殺者の77%が男性で、48%が40~65歳の年齢層だった。 …(略)… ほ~ら、韓国は自殺率の高い厳しい国だ、なんて思ってはいけない。 韓国とどんぐりの背比べの範疇に日本はある。 同じく儒教道徳に縛られている日本だって、世界に冠たる自殺大国の地位(自殺者数)を維持し続けている。 しかも韓国は高齢の男性が多いのに対し、日本は若い世代、比較的女性が多いとの特徴がある。 日本の自殺率は世界でワースト6位 特に女性はワースト3位, 2017年5月30日 産経ニュース …(略)… 白書は自殺対策基本法に基づいて作成され、今年で11回目。 自殺率のランキングは、世界保健機関(WHO)が2014年にまとめたリポートを参考に、人口と自殺者が把握できている約90カ国を比較した。 日本の自殺率は19.5で、ワースト1位はリトアニア30.8。 韓国28.5、スリナム24.2、スロベニア20.5、ハンガリー19.5と続く。 男女別で、日本の男性はワースト12位(27.7)、女性はワースト3位(11.7)となっている。 一方、白書に盛り込んだ警察庁の統計では、平成28年の自殺者数は2万1897人で、男性は1万5121人、女性は6776人。 15年の3万4427人をピークに減少傾向にある。 …(略)… 日本の15歳から39歳では自殺が死因の1位で、「若い世代の自殺は深刻な状況だ」としている。 反日で大騒ぎしている韓国の若い世代の方が、過剰な自己責任を求められ将来に絶望、失望している日本の若い世代より幸せなのか。 2016年の交通事故の発生件数は前年比7.1%減の49万9232件。 負傷者数は同7.3%減の61万7931人。 2017年1月4日、警察庁が発表した2016年における全国の交通事故死者(事故発生から24時間以内に死亡)の数は3904人。 昨年の4117人から213人減少(5.2%減少)したことを発表した。 死亡だけとらえると、自殺は交通事故の死亡者の5倍。 年中大騒ぎして減らすに値する数字だ。 ブラック企業を壊滅させる以外にも、こんなアホな日本社会を是正するお手本はある。 フィンランド、「自殺大国」の汚名を返上 2007年09月15日 AFPBBニュース かつて自殺大国として名をはせたフィンランドが、過去15年間で約40%の自殺率低下を果たし汚名返上することとなった。 現在のフィンランドの自殺者数は10万人につき18人で、1990年の30人から大幅に減少し、フランスやオーストリアと同水準となった。 自殺率が改善した主因として、うつ病治療の改善が挙げられているが、ここまで大幅に減少した理由は、国立公衆衛生研究所(National Public Health Institute)の専門家も説明できないという。 …(略)… 自殺防止に取り組む国、国家的な姿勢が自殺率を説明できないほどまでに低下させたのだろう。 具体的には、国民が自殺抑制に関心を持ち、自殺「予備軍」の兆候に気づくようになったことと、精神科医や心理カウンセラーら受け入れ体制が充実したことだろう。 日本の少子高齢化担当大臣は、人口問題大臣として自殺抑制にも取組むべきだ。 産み増やしても、世界のトップレベルの死亡率でいなくなるのでは悲しすぎる。
2017年06月09日
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監査意見は出さないが、東芝の会計監査を断るわけでもないPwCあらた監査法人。 PwCは米国のプライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers )の略称。 ロンドンを本拠地とし、世界159カ国に180,000人のスタッフを擁する世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム。 ファームは経営コンサルタント、監査、税務などの総合的な企業サービスを行う企業を指す。 【4】産業医とグルで、社員を脅迫する一部始終を公開! PwC社員語る「名門コンサルは"恐喝"クビ切り法も一流」2012年6月19日 Business Journal …(略)… 実は私の元に、PwC関係のリーク情報が大量にもたらされたことがある。 内容は、PwC(旧PwCアドバイザリー。 10年1月に同社とPwCコンサルタントが経営統合してPwCが発足)が、「顧客企業の依頼を受け、産業医によるカウンセリングという手段を利用して、従業員を辞めさせるように仕向ける実態」を暴露したものである。 …(略)… 日本では労基法の問題もあり、会社側が簡単に社員をクビにできない。 そんなとき、一部の大手企業では産業医の存在を利用する。会社が産業医とグルになり、次のようなやり口を使って「会社にとって都合の悪い社員」を追い込み、"自主的に"退職させるのだ。(1)会社にとって都合の悪い社員(内部告発者や会社内部での性犯罪被害者など)やウツ状態の社員に対し、「精神的なケアをする」という名目で産業医が診断する。(2)産業医は対象社員を「精神的に問題がある」「統合失調症だ」などと診断して、本当に精神科の病院へ入院させるなどの「治療」を行い、それを理由に退職勧奨を行ったり、合法的に解雇したりする。(3)入院してしまうと、報道、捜査機関や弁護士が面会することも困難になり、法的対応ができず、隠蔽が完了する。 当該社員は泣き寝入りするしかない。 また、その後に当該社員が治療しようが自殺しようが、保険が使えるので会社としての出費はない。 …(略)… では、PwCでは具体的にどんなことが行われているのか。 リーク情報のうち、「PwCの産業医が、PwC社員に脅迫言動を行っている録音記録」の内容を、可能な範囲で以下に記しておこう。 ちなみに発言は少ないが、この場にはPwCのグループ会社である、あらた監査法人の人事マネジャーが同席している。 したがって、これはいち産業医の逸脱した行為ではなく、PwCの指示監督下で行われていることは明らかである。 …(略)… そして、このPwCの代理人が森濱田のT弁護士だ。 T氏はオリンパスや野村総研をはじめ、その他契約先となっている大手企業でも、このような手口を指導していると、裁判所の公開文書からも明らかになっている。 …(略)… チャレンジで「悪」を働いた東芝は、悪行がばれて交代した監査法人、「悪」のPwCあらたを切ることができない。 PwCあらたは東芝がババ抜きのババと知っていて監査を引き受けたはずだ。 監査意見が表明されなくとも、契約に基づき東芝は監査法人に監査料は支払っているはず。 PwCあらた監査法人について 出典:Wikipedia PwCあらた監査法人が設立する以前に存在していた日本におけるPwCメンバーファームであるみすず監査法人(旧中央青山監査法人)は、監査クライアントが5000社を超える巨大なファームであった。 しかし、カネボウの粉飾決算事件を引き起こし、金融庁から監査業務停止命令が下る見込みとなると、PwCは中央青山監査法人とは別のPwCメンバーファームとしてあらた監査法人(現:PwCあらた有限責任監査法人)を日本に設立した。 しかし、この際に中央青山監査法人からあらた監査法人へ移管された監査クライアントはトヨタやソニーなどのごく一部であった。 後にみすず監査法人が解散した際には、クライアントのほとんどが他の競合監査法人に移管されたため、現在のPwCの日本における監査業界シェアは数パーセント程度となった。
2017年06月03日
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東芝、銀行が融資停止を示唆 …6月に監査法人交代で決算提出「強行」の可能性 文=鷲尾香一/ジャーナリスト 2017年5月23日 Business Journal 東芝が上場廃止に向かって、坂道を転がり落ちている――。 東芝が15日に発表した「2016年度通期業績見通し」は、純損益が9500億円の赤字となった。 17年3月末の債務超過額は株主資本ベースで5400億円、純資産ベースで2600億円となった。 東芝は同時点での債務超過が決定したことで、東証1部から2部への転落することになる。 18年3月末までに債務超過が解消できなければ、上場廃止となる可能性は高い。 15日に記者会見した綱川智社長は、18年3月末には記憶用半導体フラッシュメモリー事業の売却により、債務超過は解消できるとの見通しを示した。 しかし、肝心の半導体事業の売却手続きは、共同投資する米ウエスタン・デジタル(WD)との意見が食い違い、暗礁に乗り上げている。 …(略)… 追加融資に“二の足”も 三菱UFJフィナンシャル・グループは17年3月期決算で、東芝向け融資を「要管理債権」に引き下げた。 「三菱UFJは東芝のメインバンクではないとはいえ、同行が債務者区分を引き下げれば、他行も引き下げに動かざるを得ない」(メガバンク幹部) 要管理債権への引き下げは、多額の引当金を積まなければならなくなるため、メインバンクといえども、追加融資には“二の足を踏む”可能性が高まる。 みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は15日の決算発表の記者会見で、「東芝をサポートする姿勢は基本的に変わらない」と述べた。 しかし、ある条件が付いていることは重要な意味を持つ。 それは、6月末の有価証券報告書の法定期限に監査法人の意見が得られず、「上場廃止問題が現実味を帯びてくれば、融資姿勢を見直す大きな要素になる」としたことだ。 メインバンクといえども、東芝に対して適正な融資を行わなければ、株主代表訴訟を受けるリスクがある。 …(略)… 2016年度の東芝の監査を引受ける監査法人はない。 1億円以上の有価証券(株券や社債券など)の募集(新規発行)または売出しを行う際に、有価証券の発行者が金融商品取引法第4条・5条に基づき、内閣総理大臣(窓口は財務局)に提出することが義務づけられている。 有価証券報告書の内容として、公認会計士あるいは監査法人の監査証明の記載が義務化されている。 有効な有価証券報告書が提出されなければ、上場を維持することができない。 転がる落ちる坂道もなく、上場廃止となる。 大銀行とて、東芝を倒産に追い込む社会的影響は考える。 だが、コンプライアンス(法令順守)は自行の存続のため、社会的影響以上に重要だ。 憲法9条の2項を残したまま3項を付け加えるという知恵者安倍首相の政権であるから、国のエネルギー政策の根本である原発を盾に公的融資、という技があるかもしれない。 監査報告の有無は、上場維持だけでなく、企業体としての東芝存続の鍵。
2017年06月03日
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常勝軍のようだった両組織は、どちらも打たれると社会との均衡を欠いた守りに入るようだ。 企業としての人気が関係ない独占商売の東電は、損害賠償が企業の存続に繋がる社会的信用を築くものとは考えない。 したがって、賠償額はできるだけ少ない方がいい、という結論だけが残る。 気の毒なのはその組織で一般社会との接点となる社員たちだ。 企業の論理と社会の論理が全くかみ合わないからだ。 元社員が実名で暴露! 東電原発事故、賠償業務のヒド過ぎる実態 【前編】 2017年5月16日 週プレNEWS 福島第一原発事故後の2011年9月から始まった、東京電力による被災者への損害償。 その総額は7兆円を超えている(4月時点)。 その一方、賠償金が支払われないなどとして、国の開設した原子力損害賠償紛争解決(ADR)センターに被災者が仲裁を申し立てた件数は2万件を超えるなど、すんなり解決に至らないケースも多い。 …(略)…―元社員の立場から、なぜ告発をするのでしょう? 「表向きは『親切親身な賠償』をうたいながらも、実際には賠償額を少しでも抑えようという姿勢が見られました。 そのため、ADRセンターへの申し立てがされるのです。 また東電は、社員を限界まで働かせて病気になっても、それは『個人の問題』だとして労災を認めようとしません。 こうした体質を、多くの人に知ってもらう必要があると思いました」 …(略)… ―賠償基準のベースは国の定めた中間指針ですが、それをもとに社内で基準をつくる際にどんな考えが根底にあったのでしょうか。 「基準を作成するグループが、外部経営コンサルティング会社の協力を得て賠償基準をつくっていました。 私は基準のほぼすべてに目を通しましたが、その根底には『もし裁判を起こされても負けない程度の最低限の基準にしておけばいい』といった考え方があるように感じました。 まず、『被害に遭われた方にきちんとした賠償をしよう』ではないのです」 …(略)… 政府も東電も、時間をできるだけ長くかけて、賠償を求める者が減るのを待っている。 税負担、企業の債務を極小化する「正義」も世の中にあるからだ。 「公共のため」という錦の御旗の下、個が個として正当性をいくら主張しても解決への向かうことはない。 福島第一原発被害者は救われない、のではなく日本国民全体があまねく救われないという平等な仕組みだ。
2017年06月03日
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2017年5月11日、フジ・メディア・ホールディングス、グループ(フジHD)・トップの日枝久会長(79)とフジテレビジョンの亀山千広社長(60)が共に退任する人事を発表。 フジテレビの亀山社長は「踊る大捜査線」「ロングバケーション」などのヒット番組のプロデューサーだった。 退任の理由は「一人負け」とされる業績不振による引責辞任。 TV離れが叫ばれているが、各局の視聴率は何とか横ばいを保っている中、フジテレビの視聴率は亀山氏が社長に就任した2013年以降、ほぼ毎年視聴率を低下させ続けた。 視聴率の低下は業績に直結し、2017年3月期、フジテレビの売上高は前年比3.2%のマイナス、営業利益は27%のマイナス。 中核会社であるフジテレビの業績低下はフジHDの決算に大打撃。 2017年3月期の業績は売上高は前年をわずかに上回ったが、営業利益は前年比8.5%減益の223億円となった。 日枝会長は、鹿内信隆氏の長男・春雄氏が80年にフジテレビ副社長に就任後編成局長となり、春雄、日枝の両氏は二人三脚でフジテレビの「軽チャー路線」を強力に牽引。 日本テレビ、TBSに次いで三番手という位置付けだったが、「楽しくなければテレビじゃない」という若者にターゲットを合わせた路線が当たり、1982年、年間視聴率三冠王に輝き、93年まで12年にわたり続いた。 フジテレビの第一期黄金期。 視聴率三冠とは、午前6時から午前0時までの「全日」、午後7時から10時までの「ゴールデン」、午後7時から11時までの「プライム」の三つの時間帯で、すべての年間平均視聴率が1位になること。 1992年7月、グループを私物化し新聞を代表する者として不適任であるとの理由から創業家の鹿内宏明フジサンケイグループ議長を経営陣が追放した。 このクーデターの首謀者は日枝氏と羽佐間重彰とされる。 フジテレビ日枝が相談役か・・・ 2017/05/10 二階堂ドットコム さすがに業績がひどいんだろう。 会長と社長が変わるんだから(喜納社長はFHDGとCX両方の会長に)。 あの日枝天皇が相談役に退くってことは、よほどだ。 といっても、もう日枝もいい年だよな。 いっそのこと、ここは原点回帰で、日枝グループにより解任された3代議長鹿内宏明氏の長男・鹿内隆一郎氏にお帰り願うとか・・・あ、もう株は持ってないか。 それに「鹿内イズム」の薫陶を受けたやつももういないだろうね。 …(略)… 2001年、会長就任。 2004年から2010年まで、再び連続して視聴率三冠王となり、第二期黄金期となった。 2011年、日本テレビが三冠王となった。 以後、視聴率、業績は低迷の一途を辿り 元アナ長谷川豊 凋落フジに「日枝会長のイエスマンばかり」 週刊女性2016年8月2日号 2016/7/24 週刊女性PRIME 日枝会長のイエスマンばかりではなく、亀山社長もイエスマンに囲まれていた。 2013年の就任以来、亀山社長は『笑っていいとも!』『ごきげんよう』『スーパーニュース』などの20~30年強続いた番組を終了させるなど改革を行った。 改革の成果が現われるどころか、『笑っていいとも!』の束縛から解かれたタモリはNHKのブラタモリで活躍している。 タモリ 番組終了の「ヨルタモリ」交渉で フジを見限りNHKが活動の中心に? 2015年9月20日 Asagei plus …(略)… 近年、視聴率競争で惨敗の続くフジ。 昨年6月には1000人規模の人事異動でV字回復を目指した。 しかし大改革は、ことごとく失敗。 「ヨルタモリ」は、ノドから手が出るほど欲しい番組だ。 ところが、タモリは時間帯移動と番組継続の交渉に、 「深夜の時間帯だから(視聴者は)チャンネルを合わせて楽しんでくれている。この番組はゴールデンでやる意味ないよ!」 と、首を縦に振らなかったというのだ。 …(略)… 視聴率の数字を単体で追求し、広げようとするばかりで、視聴者の気持ち、製作側の情熱など微塵も気にしてないフジテレビにタモリは愛想尽かしたのだろう。 他の局でも深夜枠の番組をゴールデンに移動して失敗した例は多い。 f現代のテレビマンはそんなこともさえ分からない人間ばかりになってしまった。 「楽しくなければテレビではない」を実践しているのはNHKとテレビ東京と見受けられる。 「楽しくなければ」と「くだらなくなければ」との意味の違いを分かっていないような番組も多い。 ついに会長職を退任 フジテレビと日枝久の30年 2017年5月22日 経済界 日枝会長は年齢もあり退任の覚悟があったようだが、番組の改編、大規模人事異動とやりたい放題だった60歳の亀山社長は退任する気持ちはなかったようだ。 「次」はなさそうだな。 フジテレビ視聴率低迷の理由! 日枝久会長の独裁! 役員報酬が約2億円! 体育会系の体質 NAVER まとめ …(略)… 日枝久会長(75)のインタビューが全社的に響いていますね。“天皇”の言葉は絶対ですから 出典日刊ゲンダイ|フジテレビ激震 「いいとも!」タモリの次は小倉智昭、安藤優子… (注) 日本の天皇が独裁者であった歴史的事実はそれほどない。 天皇の権威のもと全体主義をすすめた大日本帝国の誤った歴史観のなせる技だ。 今上天皇の生前退位も、政府関係の様々な勢力が引き伸ばしをはかった。 天皇の生前退位」の背後の闇 ◇ー(兵頭正俊氏) 2016年7月18日阿修羅
2017年05月27日
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東芝の会計不正判明後、2016年2月30日、富士フィルムホールディングス(HD)は監査法人を新日本からあずさに変更すると発表。 あずさ監査法人は、前任の新日本監査法人が不問に付したFXNZの問題を再度俎上に載せ、さらに第三者委員会の立ち上げにまで踏み込ませた。 2016年4月、新日本の顧客は4000社のうち「同監査法人が自主的に内部調査を進めているうちに東芝級の不正が発覚したとの情報が流れている」と大手監査法人の幹部は明かした、との報道があった。 ひとつはHDだろう。 1社だけかどうかは監査法人に守秘義務があるので不明。 富士フイルム不適切会計 原因はまたも「強すぎる海外子会社」 週刊ダイヤモンド編集部 2017.5.9 DIAMOND online 東芝に続き富士フイルムホールディングス(HD)も決算延期だ。 背景には二重のガバナンス問題が透ける。 ニュージーランドの関連会社の過去決算を第三者委員会で調査するため、通期決算発表を延期。 「海外子会社の不適切会計」「決算延期」という東芝と同じキーワードで失望売りが殺到し、株価は一時5カ月ぶりの安値に落ち込んだ。 事件の発端は、2015年9月に子会社の富士ゼロックスのニュージーランド子会社(FXNZ)で内部告発があったことだ。 複合機のリース時には、機器代金と保守代金をまとめて売り上げ計上し、実際の資金回収は利用状況に応じて顧客から受け取る手数料で行う。 ところが15年以前の数年間、実際に回収できる額より過剰な金額を計上していたことが、その後の富士ゼロックスの社内調査で判明した。 その後、16年に現地報道で事態が広く知られ、追訴には至らなかったもののSFO(重大詐欺捜査局)など国家機関も調査に動く騒ぎとなった。 …(略)… 累積損失220億円程度が隠蔽されたとみられている。 2015年に内部告発があってから事態解明に動くまでの時間の長さと、金額の大きさの両面から、富士フィルムのガバナンスのあり方に問題ありとされる。 東芝、郵政、NTTグループなどの件とあわせみると、全ての上場企業について、海外子会社への投資とガバナンスのあり方が問題であることが分かる。 米国会計基準にのれん代計上を利用したつもりで、高値掴みをした上に損失を蒙っている感が強い。
2017年05月16日
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裏技その1 分社化 1兆円規模とみられている特定建設業としての売上高を失わないため、東芝は裏として分社化を実施する。 2017年4月24日、東芝は債務超過を解消できなくても建設業法の自己資本規制をクリアするために、主要5事業(うち4事業は社内カンパニー)を4つの会社に分社化することを決定したと発表。 2万人が転籍し、本体は4千人ほどになるとみられている。 東芝が仕掛ける法的裏技 分社化で1兆円の売上減回避 金子 智朗=ブライトワイズコンサルティング合同会社代表 2017/05/08 日経テクノロジー online …(略)… 今回の分社化とは別に、東芝では2017年3月30日の臨時株主総会でメモリー事業の分社化が承認されたばかりだ。 今回は相次ぐ分社化の狙いは何か、そして、狙い通りの効果は得られるのどうかを探ってみたい。債務超過だと大規模工事を受注できない 先日のメモリー事業の分社化も今回の4社分社化も、共通しているのは債務超過に関係していることだ。ただし、狙いは異なる。 メモリー事業の分社化で達成したいことは上場廃止の回避だ。従って、狙いは連結ベースで債務超過を解消することにある。 メモリー事業の分社化は第1ステップに過ぎず、第2ステップとして分社化後の会社の株式の一定程度を東芝グループ外の第三者に売却してキャッシュを得ることがゴールとなる(関連記事「望ましい株主資本と保有比率から東芝メモリ評価額を予想する」)。 これに対して、今回の4社分社化は東芝グループ全体の債務超過の解消を狙ったものではない。 債務超過を解消できなかった場合に備えて、4社分社化によって1兆円規模の売上高を失うことを避けようとしているのである。 …(略)… 分割する場合のポイントは資産と負債の分割。 建設業法の自己資本規制をクリアするため各子会社は債務超過にならないように、資産と負債が割り振られることだろう。 連結決算で債務超過であることに変わりはないので、今後、法の適用方法の変更が検討されることも考えられる。 裏技その2 監査なし本決算発表 東芝は2016年12月期の決算に続き、2017年3月期の期末決算も監査の了承なしで発表するとのこと。 決算短信については監査が義務付けられてはいないことを利用した裏技。 だが、有価証券報告書に有効な監査証明が義務付けられている。 【東芝危機】 東芝、本決算も監査意見なしの見通し 有報提出は秋頃か 2017.5.8 21:28 産経ニュース 経営再建中の東芝は平成29年3月期決算について、開示期限である22日に監査法人から監査の了承を得ないまま発表する方向で調整していることが8日、分かった。 監査を担当するPwCあらた監査法人と意見が対立し、決算のお墨付きである「適正意見」を得るめどが立たないためだ。 …(略)… 東芝は決算を含む「有価証券報告書」の提出期限である6月末までに監査法人を交代させ、適正意見を得たい意向だ。 有報は、決算短信と異なり、公認会計士あるいは監査法人の監査証明が義務化されている。 だが、PwCあらた監査法人が適正意見をださない決算について、適正意見をだすということは、監査法人としての信頼を失うことに繋がり東芝以外のクライアントがいなくなる可能性が高い。 東芝の会計不正を見逃した新日本監査法人は、金融庁から、新しい契約を結ぶ業務を2016年1月1日から3か月間停止する処分と、課徴金およそ21億円の納付命令、管理体制の改善などを求める業務改善命令を出された。 2016年2月、理事長が引責辞任。 その後も有力顧客の契約解除続出した。 新日本とPwCあらたを除く4大監査法人の残り2社は絶対に引けない。 中堅監査法人が引き受ける場合は、監査法人としての存続をかけた究極の選択となる。 引き受け手があらわれても、監査業務量が多いため、有価証券報告書(有報)の提出は秋頃までかかるとみられている。 有報は金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料。 金融商品取引所(証券取引所)に株式公開している会社などが各事業年度終了後、3か月以内の金融庁への提出が義務づけられている。 有効な有報が提出できない場合は、上場廃止となる。
2017年05月16日
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役人は決めるだけ決めて、法令を整えるが、責任はとらない。 最近、自分に与えらえた役割だけを果たし、国民とその将来への責任をとろうとしない国会議員から選ばれた大臣が増えている。 何のための議院内閣制かよく分からないが、憲法改正と財政規律の是正のためには「何をやっても良い」という考えが政権与党・自民党の根底に流れている。 数さえ集まるなら憲法9条に定められた「戦争放棄」さえ捨てる公明党の立ち位置をみていると、とても悲しい気分になる。 第二次世界大戦中宗教者がどれほどだ弾圧を受けたか、歴史認識をしっかりし直した方がよいと思う。 将来の責任は将来の人々が取るべきとの考えではじめられた、原子力の平和利用拡大は、長期にわたり危険で害が大きいプルトニウム余剰大国に日本を仕立て上げた。 いつ実用化されるか分からない「核燃料サイクル」にしがみつかなければ、日本は溜め込んだプルトニウムの処分を強いられる。 合理的な役人と原子力ムラのエリートは、放射性廃棄物や廃炉コストを電気代に上乗せして、幅広く国民に負担させるつもりだろう。 法人所得税の負担より、電気代の高い国の方が製造業には嫌われる。 だから個人負担を高める・・・国が豊かになるとはそういうことではないはず。 FACTA「東芝大裏面史」に書かれていること 安倍政権直撃!「東芝が死ぬに死ねない理由」 武田 昇:文藝春秋 国際局 2017年5月15日 東洋経済オンライン …(略)…■日米原子力協定を更新できなければ何が起こるか 阿部は、2018年に迫る日米原子力協定更新という事実を指摘する。 1988年の発効以来、期限30年のこの協定は2018年7月17日に切れる。 アメリカが期限延長のノーを通告できるデッドラインが6カ月前の1月。 なぜ、これが問題かといえば、日本は非核保有国であるにもかかわらず、国内にプルトニウムを貯蔵できる世界で唯一の国なのは、日米原子力協定によって保障されているからなのだ。 万が一、協定の更新ができなければ、何が起こるのか。 日本の原発は「核燃料サイクル」という原発稼働によって生じるプルトニウムを再利用するという思想のもと、<核保有国にだけ許される再処理施設、濃縮施設などをフルセット>で持っている。 それを可能にしたのが、この日米原子力協定なのだ。 つまり、この協定の更新をアメリカが拒めば、日本の経済産業省が「原子力ルネッサンス」の名の下作り上げてきたこの「核燃料サイクル」が破綻してしまう。 一方のウエスチングハウスは東芝の8000億円の債務保証がなければ、倒産は必定。 しかし、それでは米国のラストベルトで働く7000~8000人の雇用が失われる。 それをトランプ政権は許さない。 こうした構造をあぶり出したうえで阿部はこう書く。 だから日本は、何が何でもウエスチングハウスを支えなければならない。 だが、東芝救済に公的資金を直接投入するのは、安倍政権を揺るがす激震になるだろう。 1980年代バブルの後遺症で起きた90年代後半から2000年代初めにかけての金融機関の不良債権処理で国論が二分された経験からも、それは明らかだ。 まして原子力ルネッサンスの旗を振った中心メンバーが、安倍政権の中枢にしっかり組み込まれているとあっては、土台が揺らぐ。 つまり、東芝問題は、日本の原子力政策を支えた経済産業省・政治家の鉄の絆に楔(くさび)を打ち込み、経済産業省で「原子力ルネッサンス」を押し進めた官僚が政権の要諦をしめる安倍政権の崩壊につながりかねない問題なのだ。 …(略)… 日米原子力協定と経団連などの財界ポストを巡る東芝の歴代社長の暗躍が描かれているとなれば、『東芝大裏面史』を読まざるを得ない気になる。 今後、どんな目に遭うか分からない東芝のエリート社員諸氏も必読だろう。 原発導入、展開拡大には讀賣グループ・正力松太郎以外にも多くの人々・組織が関わっているはずとは思っていたが、原発事業はその要諦。 東芝、三菱重工、日立製作所が無謀な海外の原発展開で負債を負っている状況と考え合わせると、原子力ムラの末端、世界に踊らされる日本の一端が見えてくることだろう。 左翼に反対するためなら売国も辞さない原発推進派の人々は、日本人の未来を考えて欲しい。
2017年05月16日
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東芝は2016年12月期の決算を監査人の意見表明なしで突破した。 2017年3月期の決算は6200億円の債務超過になると見られている。 債務超過の企業では大規模な公共事業の受注ができないことため、早い時期からインフラ・建設関係について分社化の噂があった。 半導体事業は東芝が債務超過を解消する生命線として、資金調達のため分社化して販売されるとされた。 2017年4月21日、不正会計で株価が下落し、損害を被ったとして、三菱UFJ信託銀行など信託5行が約140億円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表。 退職金などの年金資産を預かっていることから、父性による株価下落の場合、通常は大手安定株主である信託銀行は、企業に損害賠償を求める必要がある。 企業の不正による株価の下落の場合、他にも訴訟が起きないとは言えない。 東芝の債務はさらに膨らむ。 東芝、主要4事業を分社化 =7月以降、約2万人転籍 2017年4月24日 時事通信 経営再建中の東芝は24日、インフラなどの各事業を行う社内カンパニーを4事業会社に分社化すると発表した。 経営の独立性を高めるとともに、発電所などの大規模工事に必要な特定建設業の許可を更新できるようにする。 分社化に伴い、東芝本体の従業員約2万4000人のうち、約2万人が転籍する。 早期退職の募集など人員の整理は行わない。 7月1日にインフラ、半導体、ITの各カンパニーをそれぞれ分社化。 エネルギーと国内の原子力事業は株主総会の決議を経て、10月1日に一つの事業会社として分社化する。 …(略)… 分社化は7月1位日以降順次実施され、2万人以上が転籍となる。 建設業法で、4千万円以上の下請け契約を必要とする発電やビル建設などの大規模工事を手がけるには特定建設業の許可が必要で、自己資本額が4千万円以上といった財務的な条件が課される。 東芝は債務超過状態で、条件を満たしていないことで許可が更新されなければ1兆円規模の売り上げを失う恐れがあるため、分社化を決断。 収益面で最も有望な半導体メモリー事業は既に分社化済みで2017年度中の売却を目指して入札を実施中。 売れるものを売り払った後の東芝に何が残るのか? 国策事業として、原発の維持と核燃料の管理会社として東芝が末永く残ることは確実。 ダーティボムならぬ核物質塗れのダーティ東芝の誕生。
2017年05月15日
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監査法人の業務の範囲は大きく以下の3つ。 1 監査又は証明業務 2 コンサルティング業務 3 公認会計士試験に合格した者に対する実務補習 メインは、上場企業などに対して行う金融商品取引法監査業務。 東証1部上場企業である東芝は、2016年12月期の決算発表で監査意見のない決算を発表した。 2017年3月期の決算で監査法人から監査意見を得るため、東芝は監査法人を変えようとしていると報道された。 2015年東芝の不正会計発覚。 2016年6月末、新日本監査法人は東芝との監査契約を解除。 日本一の新日本監査法人は東芝の会計不正を見抜けなかったため、交代となった。 新日本東芝の他、IHI、楽天、タカタ、オリンパス、東京電力の監査もしている。 監査法人及び公認会計士の懲戒処分等について 2015年12月22日 金融庁 新日本に代わる監査法人の決定には東芝の社外取締役が活躍したと報じられた。 どの監査法人も、大きなリスクを孕んでいると推定できた東芝の監査を引受けたくはなかった。 PwCあらたは東芝の決算を公正妥当なものと認めることができず、監査意見を表明しなかった。 法人の存続を賭けて東芝の決算を引き受ける監査法人が現れるとは思えない。 独自集計! 「監査法人の売上高」ランキング 東芝問題で注目が集まるプロ集団の業界地図 2017年4月29日 東洋経済オンライン …(略)…■合計売上高は前期比7.3%増の3748億円 登録書類に売上高の記載がある124監査法人のうち、直近データへの更新が未済の1監査法人を除く123監査法人の売上高を集計してみた。 その合計額は前期比7.3%増の3748億円。 内訳は監査業務に係る売上高が全体の75.5%にあたる2830億円で、前期比では5.1%の伸びに留まる一方、残る24.5%が、財務会計システムの構築や会計帳簿の記帳代行などの非監査業務に係る売上高で、前期比では14.6%の伸びを記録していた。 …(略)…■上位10事務所の市場占有率は93% 非監査業務の構成比が高い点にも特徴があり、新日本が20.1%、トーマツが26.9%、あずさが22.2%と、いずれも2割~2割強であるのに対し、あらたは単体だと5割超、京都を含んでも48.7%だ。 ビッグ4に続く準大手とされるのが、太陽、東陽、仰星、三優、優成の5法人。 これにPwC京都を加えて準大手とする考え方もある。 4大監査法人は世界4大会計事務所と提携関係にある。新日本はアーンスト・アンド・ヤング(EY)、トーマツはデロイト・トウシュ・トーマツ、あずさはKPMG、PwCあらたはプライスウォーターハウスクーパース(PwC)。 監査先の海外子会社の監査は、原則同一ネットワークで担当する。 …(略)… ■大手、準大手の寡占化がますます進む方向 一方、ビッグ4は2017年3月期も順位の変動には至らない可能性が高い。 トップの新日本は、東芝グループの粉飾を見抜けず担当をはずれたことで、他の監査先も一部失っている。 売上高にどの程度影響を与えるのかにもよるが、新日本が東芝から受け取っていた報酬は、非監査業務を含めても3億円前後。 2位のトーマツとの差は100億円もあり、逆転のハードルは高い。 …(略)… 新日本は東芝の監査を失っても揺ぎ無く業界トップ。 4大監査法人以外が東芝の監査を引き受けた場合、得るものは大きいが、失うものは存続に係るほど大きい。 監査法人売上高ランキング 2017年4月10日現在 金額単位:百万円 1 新日本 106,482 2 トーマツ 96,478 3 あずさ 89,895 4 PwCあらた 37,032 5 太陽 6,090 6 PwC京都 3,942 7 東陽 3,901 8 優成 2,397 9 三優 2,22710 仰星 2,191 東洋経済調べ 四大監査法人とそれ以下の差はとても大きい。 2016年6月末、東芝の会計不正事件後、新日本監査法人との契約を解除した東京券取引所上場企業は、東芝を含め38社。 そのうち直近の監査報酬が1億円を超す大口クライアントは6社(PwCあらた:東芝・東芝テック・王子HD・トランスコスモス、あずさ:富士フイルムHD、トーマツ:ANAHD)。 それでも新日本の売上は圧倒的1位。 売上の差は監査の体制の差でもあり、東芝ほどの大企業の監査は、それなりの体制(4大監査法人並みの体制)がないと引き受けられないとされている。 2017年3月期決算、2016年度期末決算に監査意見が付されないなら、東芝は上場廃止となるはず。 ウエスチングハウスの社長は引責辞任したようだが、その決算に何が潜んでいるのかの詳細はいまだ不明のまま。 PwCあらたに代わる監査の引き受け手がないと推測される理由だ。
2017年05月15日
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ベネズエラ・ボリバル共和国のウゴ・チャベス前大統領は、豊富な石油資源か生み出される資金のもと、「21世紀の社会主義」を掲げて反米独裁国家を作り上げた。 1999年に大統領に選出され、2013年に死亡するまで大統領だった。 政権末期、シェールオイル算出による石油などの資源価格低下で、外貨不足をきたし2013年以降のベネズエラ経済は、ハイパーインフレーションに進行する危機的状況となった。 生活関連用品の多くを輸入していたので、ベネズエラでは生活用品の不足、価格高騰に見舞われ、2016年1月にマドゥロ大統領は経済緊急事態を宣言した。 2017年4月19日、首都カラカスなど、ベネズエラ各地で大規模な反政府デモが発生。 「すべての抗議の母」と銘打ったデモにはニコラス・マドゥロ大統領の退陣を求める何十万人もの市民が参加した。 政府系民兵がデモ隊と衝突し、全土で少なくとも3名が死亡したと報じられた。だけだ。 まるでソ連末期の経済破綻に向かうベネズエラ 2017年5月11日 ニューズウィーク日本版 <独裁に傾くマドゥロ政権下で反政府デモと政治的混乱が続く。経済も破綻寸前の石油大国がたどるのはソ連と同じ末路> 南米の資源大国として、先進国の仲間入りも夢ではなかったベネズエラの経済が、今や破綻の危機に陥っている。 膨大な石油資源を抱えていながらなぜこんなことになり、一体これからどうなるのか。 …(略)… どうやらベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領も、ソ連と同じ財政・金融政策に固執しているようだ。 もはや補助金支給の原資はない。しかも事態は悪化する一方だ。 迫るハイパーインフレ このまま紙幣の増刷を続ければ、やがてハイパーインフレに襲われる。 既にインフレ率は年700%とされ、月間50%以上と定義される公式のハイパーインフレに近づいている。 …(略)… それでもベネズエラはソ連経済と同じ末路をたどる恐れがある。 仮にマドゥロが政策の不備を認めて方針転換を図ろうとすれば退陣を迫られる。 おとなしく辞任はしないだろうから、危機は深まる一方だ。 平穏な政権交代が望めなければ、国民が力でマドゥロ政権を倒すか、大統領が国外へ逃亡する事態もあり得る。 あるいは外貨準備を使い果たし、対外債務についてデフォルト(債務不履行)に陥る。 つまり何も輸入できなくなり、通貨ボリバルはただの紙くずと化す。 …(略)… 国民が政権を打倒しても、何一つ経済問題は解決しない。 カダフィ亡き後のリビアのような混乱が続く・・・。
2017年05月13日
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「チャレンジ」で法令を超越する違法行為に慣れてしまった東芝は、監査法人の適正意見がない決算報告書を公表する荒業を演じた。 PwCあらた監査法人は米国子会社で「結局、「2016年3月期の決算も歪められている可能性があり、2015年度に遡って決算を精査する必要がある」と主張。 東芝は、2期連続の債務超過による上場廃止を避けるため、「2016年3月期の決算には影響はなかった」と主張。 監査法人と東芝の見解は分かれ一致する可能性はないと思われる。 したがって、2017年3月期の決算も監査法人の適正意見がない決算となる可能性が高い。 東芝はなぜ「モノづくりよりもカネづくり」のダメ企業に堕ちたのか? =近藤駿介 2017年4月13日 MONEY VOICE 東芝が「半導体事業の売却」による当座資金の確保で再生するのは難しい。 そもそも窮地に追い込まれた原因が、「モノづくり」の失敗ではなく「カネづくり」「決算数字づくり」の失敗にあるからだ。 これは東芝だけでなく、バブル崩壊後の日本人や日本企業全般に言えることである。 (近藤駿介) …(略)… 監査法人のお墨付きを得ずに決算発表を行ってでも上場廃止を避けようとしている東芝にとって、2016年3月期決算まで遡って精査することは受け入れられない要求だったといえる。 一方、PwCあらた監査法人は、2015年に東芝の不正会計問題が明らかになったことで、2016年4月から新日本監査法人に代わって監査を担当することになった経緯がある。 2016年3月まで東芝の監査を担当してきた新日本監査法人は、長年東芝の不正会を見逃してきたことで2015年12月に金融庁から21億円の課徴金納付命令、3カ月間の新規契約受注業務の停止及び業務改善命令という行政処分を受けている。 …(略)… 東芝の決算の不正を見逃すことは、PwCあらた監査法人にとって面子を潰されるレベルではなく、監査法人としての存続の危機。 東芝の決算に不正がないと認めることも、見逃すこともできない。 PwCあらた監査法人が東芝の監査を断ったなら、日本最大手の新日本監査法人が手放した東芝の決算を引き受ける大手監査法人はないとされている。 グローバル・ルールと称するアメリカン・ルールの導入による会計基準の変更等で資産売却等による利益調整が難しくなった。 また、経営者の評価と報酬が短期的な利益に連動するようになったため、短期的利益至上主義となった。 これらから経営のモラルダウンが始まり、大型不正の続出の遠因と考えられる。 過ちを許さない経営が不正の温床となる皮肉は、東芝、三菱自動車、東洋ゴムで演じられている。 悪の土壌で育った部長クラス以上を入れ替えようとしている三菱自動車だけ、解決に向けた光明が灯っている。 「偽装だらけ」の東洋ゴムは、復活できるのか 免震ゴムの関連特損で8期ぶりに赤字転落 山内 哲夫:東洋経済 記者 2017年02月16日 東洋経済 ONLINE
2017年05月10日
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2017年1月23日、三菱重工はMRJの5度目の納入延期を発表。 今回米国FAA(連邦航空局)の型式証明取得の対応がなされていなかったことが発覚。 MRJが商品であるなら、これは致命的な失敗。 世界の空を飛ばそうとする場合、FAAの型式証明の取得は基本中の基本。 三菱重工、三菱航空機はそこらの航空マニアでも知っていることへの対応を怠っていた。 「日の丸ジェット」という幻想に酔っていたとしか思えない。 「納入2年延期」国産ジェットMRJに最大の危機 2017年1月26日 毎日新聞 …(略)…電気配線を一からやり直す設計変更 2年も遅れるのは、現在は機体前方に集中して配置している飛行制御システム機器を機体前方と後方の2カ所に分散して積むという大幅な設計変更が必要になったからだ。 航空機製造に詳しい外国人技術者の意見を採用することにした。 …(略)…情報収集の大切さ「骨身に染みてわかった」 もう少し早く航空機製造の技術や型式証明を取るためのノウハウを知る外国人技術者を投入できなかったのか。 「最初のうちは、やはり日本人の手でという思いがあったのは事実」とある日本人エンジニアは話す。 …(略)… 日本人技術者を中心に始めたが、製造が進み型式証明取得が迫るにつれ、航空当局が求める方式にのっとった形で機体の安全性を証明していくことに、次第に行き詰まりが見えてきた。 そこで急きょ外国人技術者を増やしたが、外国人技術者と本当に膝を突き合わせて仕事を始めたのは昨年夏ごろからという。 現在、日本とアメリカ合わせて三百数十人いるMRJの技術者のうち、外国人技術者は100人を超える。 もっと早い段階で経験豊富な外国人技術者を開発の中枢に参加させていれば、ここまでの延期はなかったかもしれない。 宮永社長は「開発前の情報収集やリスク分析の重要性が骨身に染みてわかった」と述べたが、遅きに失した感がある。 …(略)… 対応は遅きに失しているが、対応しない限り世界各国にMRJを販売することができない。 飛べない飛行機を売るわけにはいかない。 軍需(防衛需要)の対応に慣れ過ぎて、商品としての航空機、旅客機になにが必要かの検討がなかった点は致命的。 ホンダは飛行機を作ったことはなかったが、ホンダジェットは量産開発の段階から米国で現地の技術者とともに開発・製造した。 エンジンはGEと合弁で開発した。 バイク屋出身のホンダでも分かることに備えていなかった三菱重工は、「井の中の蛙」ぶりを世間に知らせてしまった。 しかもよりリスクの大きい小型旅客機で。 MRJが5度目の納入延期 ついに航空会社が「見限り」の動き…大量キャンセルで経営危機も 2017年4月17日 Business Journal …(略)… 米航空専門誌「アビエーション・ウィーク」(16年7月25日号)は、MRJを200機契約している米スカイウエスト航空が、カナダの小型航空機メーカー、ボンバルディア社と航空機整備の10年間の延長契約を結んだと報じた。 同誌は、「スカイウエストがパイロット労組と協定を結んでいる機体の重量制限をMRJが満たしていないため、ボンバルディア社に変更する布石を打った」と伝えた。 つまり、MRJは重量オーバーしているということだ。 米国のローカル航空会社向けの受注契約の内訳は、スカイウエスト航空が200機、トランス・ステイツ航空が100機、イースタン航空が40機、航空機リース会社のエアロリースが20機となっている。 米国での受注は計360機あるが、最悪の場合、全数がキャンセルになるおそれがあるのだ。 …(略)… 納入延期で開発費は大幅増加。 受注契約のキャンセルは増で売上見込みは減少。 日本初の旅客機であるYS-11の開発でさえ、日本の航空産業に携わった叡智を結集して形になった。 輸出を前提として米国のFAA(連邦航空局)の型式証明の取得を目指したため、戦前までの軍用機の生産技術はほとんど役立たなかったとされる。 何でも国産でできるという根拠のない自信こそが、日本の航空業界が世界で闘える存在ではないことを示している。 根拠ない自信は、他人がやっていることを馬鹿にしているのと同じ。 裸の王様、三菱重工、三菱航空機は今度こそ、根本から航空機開発に臨む態度を改めなければ、商品であるMRJが世界の空を飛ぶことはないと知るべきだ。
2017年05月04日
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M&Aで業績を伸ばすサントリーに対抗しようとしたのだろうか、キリンがブラジルの弱小ビール、清涼飲料水メーカーを買収。 キリンHDは11年8月にスキンカリオールを約2000億円で買収すると発表。 その後買収額は3000億円に跳ね上がった。 2017年2月770億円でハイネケンに売却を発表。 キリン提携、アサヒ巨額買収! ビール業界のM&Aはもう止まらない 2017.1.10 PRESIDENT Online NTTドコモは4度、巨額の海外M&Aに失敗した。 2000年、オランダのKPNモバイルに4000億円、英国のハチソン3GUKに1900億円投資。 2001年、米国の携帯電話会社AT&Tワイヤレスに1兆2000億円を投資。 2005年、海外事業はいずれも失敗しすべて撤退。 損失額は合計1兆5000億円。 2009年、インドのタタ・グループのタタ・テレサービシズ(TTSL)に2600億円出資。 2014年、インドからの撤退を決定。 2015年1月、出資時の契約に基づきNTTドコモはタタにTTSLの保有株の買い取りを要請した。タタはドコモの要求を下回る水準の買い取りを提案したため交渉は進まず、国際仲裁裁判所に仲裁を申し立て。 2016年3月28日、NTTデータは、米パソコン大手デルのIT(情報技術)サービス部門を買収すると発表。 買収額は30億5500万ドル(約3500億円)で、NTTグループでは過去3番目になる大型買収。 NTTデータは大丈夫だろうか。 失敗? 成功? 巨額損失を計上したM&A10選 2015-09-30 M&A onlineM&Aは成功ばかりではなく失敗もつきもの巨額損失を計上したM&A事例を振り返る …(略)… M&A、海外M&Aで成功した企業のも数あるのだろうが、下記を見ていると死屍累々。 海外M&Aについては、円を海外にばらまいたという点で、これぞ「売国奴」、「国賊」。 1.パナソニック⇒三洋電機 2013年3月期、6000億円以上の評価損計上。2.日立製作所⇒米国IBM(HDD事業) 2002年、2500億円を投じて買収。 2009年、米国ウェスタン・デジタル(WD)に39億ドル(当時のレートで3500億円)の現金と9億ドル相当のWD株式(発行済み株式数の約10%)で売却。3.古河電気工業⇒米国ルーセントテクノロジー(光ファイバー事業) 2001年11月、21.27億ドル(当時のレートで2800億円)て買収。 2004年3月期、1000億円の評価損を計上。4.富士通⇒英国ICL 1990年、英国ICLを1890億円にて買収。 2007年3月期、2900億円の評価損を計上。5.セブン&アイ・ホールディングス⇒そごう・西武 2006年、1300億円を投じて野村プリンシパル・ファイナンスから株式の65%を取得。 その後、株式交換で完全子会社化し累計で2300億円を投じた。 2010年2月期、670億円の評価損を計上。 6. NTTコミュニケーションズ⇒米国ベリオ 2000年9月、6000億円で買収。 2001年9月中間期、5000億円の減損損失を計上。7.グリー⇒ポケラボ 2012年10月に設立5年、売上高5億円のゲーム会社を138億円で買収。 2015年6月期、93億円の減損損失を計上。 米国ソーシャル・ゲーム・プラットフォーム会社への出資90億円の減損損失を計上。8.HOYA⇒ペンタックス 2007年11月、1000億円で買収し、その後吸収合併。 2009年3月期、304億円の減損損失を計上。 2011年にデジカメ部門をリコーへ売却。9.第一三共⇒印ランバクシー 2008年11月、製薬メーカー、ランバクシーの株式の63.9%を4900億円で買収。 2009年3月期、3500億円(個別決算ベースでは4000億円)の評価損を計上。 2015年、インドのサン・ファーマシューティカル・インダストリーズと合併した同社の9%の株式を取得。 2015年4月、株式市場にて3800億円で売却してエグジットした。 損失は1100億円。10.新生銀行⇒アプラス 2004年、第三者割当増資を引き受けて350億円で普通株式の67%、優先株式を300億円でUFJ銀行から取得。 その後1430億円、200億円と計1630億円の優先株式を追加引き受け。 1010億円の減損損失を計上することになった。 100億円ぐらいの減損損失が可愛く見えるが、決して少ない額ではない。 特別損失の計上に関するお知らせ 2016年5月9日 ブラザー工業株式会社 株式会社エクシングの株式、102億1200万円。 減損損失の計上および業績予想の修正に関するお知らせ 2017年4月11日 株式会社リコー ニュースリリース デジタルカメラ事業に係る固定資産約100億円。 われらが楽天もがんばっている。 楽天、動画関連など243億円の減損損失 16年10~12月期 2017/2/13 日本経済新聞 楽天は13日、動画配信関連の海外子会社などの減損損失を2016年10~12月期の連結決算で243億円計上したと発表した。 13年に買収した動画配信サービスの米社ののれん代の減損損失を214億円計上したほか、アジアや欧州連合(EU)事業の資産の評価を見直した。 減損計上により、同日発表した16年12月期通期(国際会計基準)の連結純利益は前の期比14%減の379億円と2期連続で減益となった。 米ヴィキは動画共有サイトの「Viki(ヴィキ)」を運営している。各国の映画会社やテレビ局などから提供を受けた動画を世界に向けて配信し、動画に多言語の字幕を付けて配信するのが特徴だ。 楽天は世界でサービス利用者を獲得するためヴィキを子会社化した後も、14年にはスマートフォン(スマホ)用無料通話アプリ「Viber(バイバー)」を買収するなど海外事業強化のため積極的にM&A(合併・買収)を実施してきた。 …(略)… のれん代は投資に関するリスクを小さく見せる「罠」。【エコノミストリポート】 のれん代 急増するM&Aの罠 2016年3月15日号 積極的に企業買収するソフトバンクののれん代は巨額に(孫正義社長)Bloomberg ◇米国&国際財務報告基準(IFRS)の採用企業 ◇積み上がる「のれん代」の落とし穴 松田 遼 (金融アナリスト) / 浜條 元保 (編集部)
2017年05月01日
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サザン・カリフォルニア・エジソン社(SCE)の米国カリフォルニア州・サンオノフレ原発の原子炉は、1983年と84年に稼働開始。 2009年、三菱重工製の蒸気発生器設置。 2012年1月、運転中だった3号機で交換したばかりの蒸気発生器の配管に異常な摩耗の発生し放射性物質を含む微量の水が漏出。 その後、定期点検中の2号機でも同様の摩耗が判明。 2号機、3号機合わせて1万5千カ所以上の異常な磨耗が見つかった。 米原子力規制委員会(NRC)は全基の稼働を禁じた。 NRCは事故原因について、三菱重工側の設計ミスだと指摘した。 2013年6月、運営する米サザン・カリフォルニア・エジソンは全ての原子炉を廃炉にする、と発表。 SCEは三菱重工に対し、損害賠償を請求した。 三菱重工、米原発事故巡り140億円支払いへ 2017/3/14 日本経済新聞 三菱重工業は14日、米原発事故を巡る損害賠償請求で、米電力会社に約1億2500万ドル(約141億円)を支払う仲裁裁定を受けたと発表した。 電力会社からは66億6700万ドル(約7500億円)の請求を受けていたが、電力会社側の主張の大半は退けられ、契約上の責任上限内に収まる裁定となった。 …(略)… SCEの75億7千万ドルの損害賠償を請求に対し、今回の判決は三菱重工は契約上の責任上限は1億3700万ドル(約155億円)の範囲内に収まった。 損害賠償額は請求に対し大きく低いが、この判決をもって三菱重工の勝利とは言えない。 東芝の6千億の債務超過や1兆円以上の負債発生で感覚が麻痺しているかもしれないが、140億円は十分大きな金額。 三菱重工の宮永俊一社長はAIを活用してコスト削減をはかり原発事業を続けると表明。 未知の領域が多い原発事業にAI活用が有効とは思えない。
2017年05月01日
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2017年4月11日、東芝は会社の独断で、会計監査による適正の判断のない2016年度第3四半期(4~12月累計)決算を公表した。 現状のままでは2017年3月期決算の公認会計士による適正の認定をうけることはできないと考えられる。 東芝は何のために時間稼ぎをしているのか? 東芝が「紙クズ同然の決算書」を公表した本当の狙い やっぱり「粉飾疑惑」は拭えない… 2017年4月18日 現代ビジネス …(略)…■監査法人が示した「二つの懸念」 東芝の監査を担当したあらた監査法人の今回の四半期レビューは、「当監査法人は、(監査意見の)結論の表明の基礎となる証拠を入手することができなかった」と明かし、真っ向から東芝の決算に疑問を呈した。 具体的に言うと、東芝の米原子力子会社ウエスチングハウスエレクトリックカンパニー(WEC)による建設会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター社(S&W)の買収に関連して二つの懸念を示したのだ。 一つは、「一部経営者による(S&Wへの)不適切なプレッシャー」があり、正確な会計処理が行われなかった可能性が依然として残っていることである。 もう一つは、S&Wの買収が2015年12月末に完了していたにもかかわらず、それから1年が経過した2016年度第3四半期決算期になって、東芝が突然、買収時に「635,763百万円の工事損失引当金」が必要だったことが判明し、これを根拠に「(工事損失引当金の)当四半期末残高は495,859百万円」だと主張し始めた問題だ。 この引当金の確定は、S&Wの取得価格の特定やのれん代の算定に不可欠な要素であるため、あらた監査法人は、「当該損失を認識すべき時期」を問題にした。 「いつであったかを判断するための調査に対する当監査法人の評価も(継続中の評価の対象事項に)含まれている」といい、本来ならばもっと前に会計処理すべきだったのではないかとの疑問を示唆したのだ。 そのうえで、どちらの問題に関しても、現在までの東芝の調査は不十分であり、疑惑が晴れないと結論付けた。 …(略)… PwCあらた有限責任監査法人の英文名称はPricewaterhouseCoopers Aarata LLC。 世界の大手会計事務所「big4」の一つ、プライスウォーターハウスクーパースのメンバーファーム。【中央監査法人】 中央監査法人は山一證券・ヤオハン・足利銀行など、粉飾決算をしていた破綻会社の監査を担当していたため、破綻後に就任した新経営陣などから訴訟を起こされていた。 足利銀行事件では、2005年初めに金融庁から戒告処分を受けた。【中央青山監査法人】 2005年に発覚したカネボウの粉飾決算事件では、監査を担当していた中央青山所属の公認会計士が粉飾を指南していたとされ、2005年10月、該当の公認会計士3名が証券取引法違反の罪で起訴された。 2006年5月、7月1日から2ヶ月の監査業務停止処分を受け、理事は全員辞任。 2005年7月、中央青山監査法人内に、旧青山系のクライアント及びパートナーを中心とする「監査五部」を開設。 2006年6月、中央青山の外提携先であるプライスウォーターハウスクーパースは、中央青山の監査業務停止に伴う顧客の受け入れ先として監査五部及び金融部が分離する形で「あらた監査法人」を設立, 。【みすず監査法人】 2006年9月、中央青山監査法人はイメージ刷新をはかり「みすず監査法人」に改称。 2006年12月、みすず監査法人が監査を担当していた日興コーディアルグループの有価証券報告書の虚偽記載を旧中央青山が見逃していたことが問題となった。 2007年2月、みすず監査法人が監査業務から撤退することを発表。 2007年7月、みすず監査法人解散。 みすず監査法人の解散の理由は、公認会計士の草刈場となったことによる人手不足とされる。【PwCあらた監査法人】 2015年7月、「PwCあらた監査法人」に名称変更。 2016年7月、 有限責任監査法人へと移行し、「PwCあらた有限責任監査法人」に名称変更。 PwCあらた監査法人はみすず監査法人と無関係。 だが、日興グループの有価証券報告書に「適正意見」を付し問題とされたことなどで解散することになったみすず(旧中央青山)や、東芝の監査を担当し21億円課徴金など3つ行政処分を受け、理事長が辞任し多くのクライアントを失った新日本のようにはなりたくないはず。 2016年1月、東芝は新日本との監査契約を16年3月期で打ち切り、17年3月期からPwCあらたに変更すると発表。 東芝ほどの企業はマンパワーの点で4大監査法人以外が引き受けることは難しく、新日本が抜けた3社で引き受け手を探すしかないと噂になった。 東芝の社外取締役が強力に動き、PwCあらたが「火中の栗」、東芝の監査を引き受けることになったとされている。 東芝決算を絶対に承認できない、 あらた監査法人の「過去の汚点」 …監査法人交代は必至か 2017年4月15日 Business Journal 日本の4大監査法人は 、新日本有限責任監査法人と、有限責任あずさ監査法人と、有限責任監査法人トーマツと、PwCあらた有限責任監査法人。 新日本が東芝を担当することはない。 PwCあらたを交代させようにも、筋の悪い東芝の監査を引き受けてあずさやトーマツ法人解散のリスクを背負う理由はない。 監査法人の交代は不可能。 徹底的に分社化して小分けにすれば、引受手は表れるかもしれない。
2017年04月26日
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東芝は2016年12月期の決算を監査人の意見表明なしで突破した。 2017年3月期の決算は6200億円の債務超過になると見られている。 債務超過の企業では大規模な公共事業の受注ができないことため、早い時期からインフラ・建設関係について分社化の噂があった。 半導体事業は東芝が債務超過を解消する生命線として、資金調達のため分社化して販売されるとされた。 2017年4月21日、不正会計で株価が下落し、損害を被ったとして、三菱UFJ信託銀行など信託5行が約140億円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表。 退職金などの年金資産を預かっていることから、父性による株価下落の場合、通常は大手安定株主である信託銀行は、企業に損害賠償を求める必要がある。 企業の不正による株価の下落の場合、他にも訴訟が起きないとは言えない。 東芝の債務はさらに膨らむ。 東芝、主要4事業を分社化 =7月以降、約2万人転籍 2017年4月24日 時事通信 経営再建中の東芝は24日、インフラなどの各事業を行う社内カンパニーを4事業会社に分社化すると発表した。 経営の独立性を高めるとともに、発電所などの大規模工事に必要な特定建設業の許可を更新できるようにする。 分社化に伴い、東芝本体の従業員約2万4000人のうち、約2万人が転籍する。 早期退職の募集など人員の整理は行わない。 7月1日にインフラ、半導体、ITの各カンパニーをそれぞれ分社化。 エネルギーと国内の原子力事業は株主総会の決議を経て、10月1日に一つの事業会社として分社化する。 …(略)… 分社化は7月1位日以降順次実施され、2万人以上が転籍となる。 建設業法で、4千万円以上の下請け契約を必要とする発電やビル建設などの大規模工事を手がけるには特定建設業の許可が必要で、自己資本額が4千万円以上といった財務的な条件が課される。 東芝は債務超過状態で、条件を満たしていないことで許可が更新されなければ1兆円規模の売り上げを失う恐れがあるため、分社化を決断。 収益面で最も有望な半導体メモリー事業は既に分社化済みで2017年度中の売却を目指して入札を実施中。 売れるものを売り払った後の東芝に何が残るのか? 国策事業として、原発の維持と核燃料の管理会社として東芝が末永く残ることは確実。 ダーティボムならぬ核物質塗れのダーティ東芝の誕生。
2017年04月26日
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2017年4月11日、東芝は会社の独断で、会計監査による適正の判断のない2016年度第3四半期(4~12月累計)決算を公表した。 現状のままでは2017年3月期決算の公認会計士による適正の認定をうけることはできないと考えられる。 東芝は何のために時間稼ぎをしているのか? 東芝が「紙クズ同然の決算書」を公表した本当の狙い やっぱり「粉飾疑惑」は拭えない… 2017年4月18日 現代ビジネス …(略)…■監査法人が示した「二つの懸念」 東芝の監査を担当したあらた監査法人の今回の四半期レビューは、「当監査法人は、(監査意見の)結論の表明の基礎となる証拠を入手することができなかた」と明かし、真っ向から東芝の決算に疑問を呈した。 具体的に言うと、東芝の米原子力子会社ウエスチングハウスエレクトリックカンパニー(WEC)による建設会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター社(S&W)の買収に関連して二つの懸念を示したのだ。 一つは、「一部経営者による(S&Wへの)不適切なプレッシャー」があり、正確な会計処理が行われなかった可能性が依然として残っていることである。 もう一つは、S&Wの買収が2015年12月末に完了していたにもかかわらず、それから1年が経過した2016年度第3四半期決算期になって、東芝が突然、買収時に「635,763百万円の工事損失引当金」が必要だったことが判明し、これを根拠に「(工事損失引当金の)当四半期末残高は495,859百万円」だと主張し始めた問題だ。 この引当金の確定は、S&Wの取得価格の特定やのれん代の算定に不可欠な要素でるため、あらた監査法人は、「当該損失を認識すべき時期」を問題にした。 「いつであったかを判断するための調査に対する当監査法人の評価も(継続中の評価の対象事項に)含まれている」といい、本来ならばもっと前に会計処理すべきだったのではないかとの疑問を示唆したのだ。 そのうえで、どちらの問題に関しても、現在までの東芝の調査は不十分でり、疑惑が晴れないと結論付けた。 …(略)… PwCあらた有限責任監査法人の英文名称はPricewaterhouseCoopers Aarata LLC。 世界の大手会計事務所「big4」の一つ、プライスウォーターハウスクーパースのメンバーファーム。【中央監査法人】 中央監査法人は山一證券・ヤオハン・足利銀行など、粉飾決算をしていた破綻会社の監査を担当していたため、破綻後に就任した新経営陣などから訴訟を起こされていた。 足利銀行事件では、2005年初めに金融庁から戒告処分を受けた。【中央青山監査法人】 2005年に発覚したカネボウの粉飾決算事件では、監査を担当していた中央青山所属の公認会計士が粉飾を指南していたとされ、2005年10月、該当の公認会計士3名が証券取引法違反の罪で起訴された。 2006年5月、7月1日から2ヶ月の監査業務停止処分を受け、理事は全員辞任。 2005年7月、中央青山監査法人内に、旧青山系のクライアント及びパートナーを中心とする「監査五部」を開設。 2006年6月、中央青山の外提携先であるプライスウォーターハウスクーパースは、中央青山の監査業務停止に伴う顧客の受け入れ先として監査五部及び金融部が分離する形で「あらた監査法人」を設立, 。【みすず監査法人】 2006年9月、中央青山監査法人はイメージ刷新をはかり「みすず監査法人」に改称。 2006年12月、みすず監査法人が監査を担当していた日興コーディアルグループの有価証券報告書の虚偽記載を旧中央青山が見逃していたことが問題となった。 2007年2月、みすず監査法人が監査業務から撤退することを発表。 2007年7月、みすず監査法人解散。 みすず監査法人の解散の理由は、公認会計士の草刈場となったことによる人手不足とされる。【PwCあらた監査法人】 2015年7月、「PwCあらた監査法人」に名称変更。 2016年7月、 有限責任監査法人へと移行し、「PwCあらた有限責任監査法人」に名称変更。 PwCあらた監査法人はみすず監査法人と無関係。 だが、日興グループの有価証券報告書に「適正意見」を付し問題とされたことなどで解散することになったみすず(旧中央青山)や、東芝の監査を担当し21億円の課徴金など3つ行政処分を受け、理事長が辞任し多くのクライアントを失った新日本のようにはなりたくないはず。 2016年1月、東芝は新日本との監査契約を16年3月期で打ち切り、17年3月期かPwCあらたに変更すると発表。 東芝ほどの企業はマンパワーの点で4大監査法人以外が引き受けることは難しく、新日本が抜けた3社で引き受け手を探すしかないと噂になった。 東芝の社外取締役が強力に動き、PwCあらたが「火中の栗」、東芝の監査を引き受けることになったとされている。 東芝決算を絶対に承認できない あらた監査法人の「過去の汚点」 …監査法人交代は必至か 2017年4月15日 Business Journal 日本の4大監査法人は 、新日本有限責任監査法人と、有限責任あずさ監査法人と、有限責任監査法人トーマツと、PwCあらた有限責任監査法人。 新日本が東芝を担当することはない。 PwCあらたを交代させようにも、筋の悪い東芝の監査を引き受けてあずさやトーマツ法人解散のリスクを背負う理由はない。 監査法人の交代は不可能。 徹底的に分社化して小分けにすれば、引受手は表れるかもしれない。
2017年04月23日
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国内事業ではつつましく投資しているが、海外事業となると、高値掴みも辞さずで日本の大企業が高額の投資を行っている。 4月20日は「郵政記念日」。 日本郵政グループが、2015年に買収した豪物流子会社の業績悪化に伴い、17年3月期連結決算で損失の計上を検討していることが4月20日に報じられた。 損失額はオーストラリアの物流子会社トール・ホールディングスののれん代で大4千億円程度。 国内の郵便事業が低迷する中、日通、ヤマト、佐川のように、今後の成長が見める国際物流事業に参入し収益力を高める目的で、日本郵政が子会社の日本郵便を通じて約6200億円で買収した。 海外企業の買収戦略が裏目に出たという点では、東芝が買収した米・ウェスチングハウスを巡った巨額損失の計上と同様の事態。 スクープ: 日本郵政、巨額減損処理へ 東芝に続き、海外M&Aの失敗が表面化 杉原 淳一 2017年4月20日 日経ビジネス ONLINE 日本郵政が2015年に買収した豪物流会社の減損処理を検討していることが、日経ビジネスの取材で分かった。 数千億円規模の巨額損失が出る見込みで、株式上場したばかりの郵政グループ成長戦略は岐路に立たされる。 (詳細は日経ビジネス4/24号に掲載) 日本郵政が減損処理を検討しているのは、オーストラリアに本社を置く物流会社「トール・ホールディングス」。 日本郵政は2015年、6200億円を投じて同社を買収した。 企業買収の際は、買収価格と買収先の純資産の差を「のれん代」として計上する必要がある。 トールののれん代は2016年末で4000億円近く残っている。 日本郵政は毎年、段階的にのれん代を償却処理していく計画だった。 しかし、トールとの事業上の相乗効果が生まれず、資源価格の下落によってオーストラリアの景気が低迷するなどしたため、トールが当初計画通りの利益を出せない状況になっていた。 …(略)… 西室 泰三氏は東芝名誉顧問。 東芝のパワハラ、不正の温床「チャレンジ」は西室社長時代に始まったとされる。 トール・ホールディングス買収当時の社長も西室氏。 2007年に日本郵政は株式会社となった。 西室社長は 郵政株に投資してもらうには「明確な成長戦略を描く必要がある」として、トールの買収を実施した。 「没落戦略」ではないはず。 東芝を崩壊に追い込んだダメ社長たちの連鎖 転換点は西室泰三氏か 2017年4月12日 dot. 株式会社東芝代表取締役社長を経て、株式会社東京証券取引所代表取締役会長兼社長、株式会社東京証券取引所グループ取締役会長兼代表執行役、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長、ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長、第33期慶應塾評議員会議長等を歴任。 東芝社長就任後には総会屋への利益供与事件、半導体事業不振、米国におけるフロッピーディスク装置訴訟和解による1100億円の特別損失など不祥事や損失が相次ぎ、社長退任まで利益は下降し続けた。 2005年に東芝の相談役に就任後も、2015年に発覚した長年にわたる粉飾決算なの不正会計問題の指摘を受けて、相談役制度を廃止する流れとなり2016年内に退任。 一連の会計不祥事に関連して、幹部OBや顧問が意思決定に関与し続ける経営体に対して社会的な批判を浴びた。 郵政民営化後、郵政民営化委員会委員長を歴任。 中国の政府系ファンド・中国投資有限責任公司(CIC)の有識者会議のメンバーに選任されている。 その後日本郵政で代表取締役社長に就任、2015年4月から約1ヶ月半の間にゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長を務めた後、同年7月に発覚した利益水増しによる東芝不正会計問題への関与がとりざたされる中、2016年2月突如検査入院し、そのまま退院の目途がたたないとして、社長を退任。
2017年04月23日
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最近24時間営業を返上する飲食店が増えた。 人手不足が主因と唱えられている。 飲食、娯楽を中心としたサービス業の多くが、接客のややこしい仕事を正規外主体の安い賃金の動労者が請け負うことで成立している。 東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの正規外2万人にはさすがに驚いたが。 モンテローザがすすめる大量閉店の理由の一つが人手不足にあることは確か。 「魚民」モンテローザが進める大量閉店の真相 2017年3月26日 東洋経済オンライン 同社が採用サイトやウエブサイトで公表している総店舗数を集計したところ、2016年12月末には2119店だったものが2017年1月末に2044店、同2月末で2017店と約100店ほど減少した。 会社側は「閉店した店舗数や業態の詳細は公表していない」という。 その理由を「ホームページには店舗検索機能がある」と説明している。 検索すれば当該店舗があるのか、ないのか、わかるので、公表する必要はないと考えているようだ。 そのため、大規模な店舗減少にもかかわらず、いつ、どこで、どういった業態を閉めたのかは不明なままだ。■閉店の理由は“人手不足” …(略)… 大量閉店に踏み切った理由を会社側は「人手不足のため、労働環境を改善させる必要があった」と説明する。 外食業界は拘束時間が長く、給与も低く、労働環境が悪いというイメージが定着している。 このため、「1つのビルに3~4店出店していたものを1店に集約するなど、1店舗当たりの従業員を増やし、負担を軽減させるのが狙い」(会社側)。 労働環境を改善することで、少しでも人材を確保しやすくすることが目的のようだ。1998年以降は居酒屋業界の首位に君臨 …(略)… モンテローザもこの15年間で店舗数だけは1000店から倍増したものの、売上高はほぼ1300億~1400億円前後と横ばいで推移している。 これはたとえば、3~5階の3フロアを使っていた大型店舗を業態を変えることで3分割したり、競合の多い大都市繁華街を避けて小規模な都市にも出店を進めた結果が大きい。 店舗数だけは増えたが、会社全体としての売り上げの伸びはほぼ止まっていたのが実態だ。 ここ数年は営業利益こそ黒字を保っているものの、固定資産除却損や減損特損といった要因で2期連続の最終赤字を計上。 長年の取引関係があった業務用食品卸・久世から物流費高騰を理由に契約見直しを求められたところ、合意に達せず取引を終了している。 …(略)… 安い賃金を前提に安い売価で闘ってきたい、居酒屋業界自体の危機がことの真相だろう。 最近は中華料理屋で中国人、カレー屋でインド周辺国人。 居酒屋は漢字が読めて日本語が話せる中華系の人々が働く世界になって久しい。 労働者開国をすれば片付く話とは思えない。
2017年04月20日
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かつて攻めのに使われた「選択と集中」という言葉は、負け戦、敗戦処理の言い訳に使われるようになった。 三菱重工業は、2017年度までの 3ヶ年事業計画で、総額 2千億円程度の土地 ・株式を売却し、財務体質を強化する方針を掲げていた。 計画実行期間が半ばを過ぎ、MRJ (三菱リージョナルジェット)の度重なる納期遅れで予想を超える開発資金がかかっているため「菱重ファシリティー&プロパティーズ」の売却に着手したと報じられた。 三菱重工、豪華客船で払った高すぎる授業料 注文こなせず混乱、造船事業は縮小か 山本 直樹:東洋経済 記者 2016年4月16日 東洋経済 ONLINE 大型客船事業で払ったツケ、関連損失1,872億円は関係ないのか。 2017年3月14日、米原発事故を巡る損害賠償請求で、米電力会社に約1億2500万ドル(約141億円)を支払う仲裁裁定を受けたと発表。 原発事業はたいしたことではないのか。 三菱航空機のMRJの開発費が、当初予算の1800億円から度重なる5000億円超になることに比べれば桁が違うことは分かるのだが。 三菱重工、不動産子会社を売却へ 1千億円規模の見通し 2016年10月7日 朝日新聞 DIGITAL 三菱重工業が、工場管理や不動産事業などを手がける子会社を売却する調整に入った。 売却額は1千億円程度になる見通し。 世界的に他社との競争が激しくなっており、強みのある事業以外は切り離す「選択と集中」を本格化して、経営基盤の強化を急ぐ。 …(略)… 三菱重工の完全子会社で不動産事業を手がける菱重(りょうじゅう)ファシリティー&プロパティーズ( 東京都港区)の発行済み株式の 70%をJR西日本に売却すると発表した。 日産自動車 三菱自動車株の34%を取得しアライアンスを強化 世界トップ3の グローバル自動車グループを形成 2016年10月20日 日産ニュースルーム 日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン)は20日、三菱自動車の発行済み株式の34%を取得し、三菱自動車の筆頭株主となったと発表しました。 三菱自動車は、ルノーと日産のグローバルなアライアンスの一員となります。 その結果、アライアンスは世界トップ3の自動車グループとなり、2016年度のグローバル販売台数は1,000万台に達する見込みです。 …(略)… 日産の出資額は2,370億円。 三菱自動車は筆頭株主・日産の三菱グループに変身。 三菱重工 761億円で横浜ビル売却 2017年4月1日 産経ニュース 三菱重工業は横浜市西区のみなとみらい地区に保有する「三菱重工横浜ビル」の土地と建物を、不動産業のヒューリックなど2社に761億円で売却したと発表した。 財務体質強化の一環。売却益約500億円を、平成29年3月期連結決算の特別利益として計上する。 …(略)… 売却後はもちろん賃借で入居を継続する。 三菱重工がシステム子会社をNTTデータに実質売却 「注力するIT領域を明確に」 広田 望=日経コンピュータ 2017/03/30 IT pro 三菱重工業とNTTデータは2017年3月30日、三菱重工業のシステム子会社であるMHI情報システムズを母体にした新会社を共同出資で設立すると発表した。 2017年10月1日にも設立する新会社にMHI情報システムズの事業を引き継ぐ。 新会社の出資比率は協議中だが、NTTデータが株式の過半数を持つ。 実質的にMHI情報システムズをNTTデータに売却する形だ。 MHI情報システムズは2013年に三菱重工業の情報子会社8社を統合した企業。 三菱重工業のIT投資額のうち約3分の1を担い、ネットワークや財務管理システム、ERP(統合基幹業務システム)の構築、運用、保守作業を担当する。 2016年3月期の売上高は240億円弱、純利益は9.5億円。 …(略)… 束ねた後、不要なものを捨てるのは、確かに選択と集中。 選択と集中の中に「三菱ブランドにプライド」は不要。 将来に向けて何が必要か、何に集中すべきかの判断は非常に難しい。
2017年04月14日
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「科学」「数字が全て」の時代と思われているが、最先端科学を駆使して行われているはずの、原子力の平和利用は実に経験で成り立っていた。 原発建設工事は、はじめの1基がトライアル&エラーの繰り返しによる赤字。 いくつも作ると無駄がなくなり利益が出るとは、修行中の職人の仕事の話のようだ。 また、その事実は「当初の設計通りのものができているわけではない」という事実を示している。 安全管理上のヌケモレがないとは到底いえない。 2006年、東芝は約6000億円の高値でWHを買収。 狙いは、東芝がもつBWR(沸騰水型軽水炉)方式の原子炉の技術と、海外で主流のPWR(加圧水型軽水炉)方式の原子炉の技術をもつ、世界唯一の企業になること。 AP1000 東芝 原子力事業部 そしてWHが開発していた出力の割りに小型で飛躍的に高出力の高「AP1000」という原子炉を手に入れることことだった。 原発事業を企業の中心に据え、世界で活躍するために必要なアイテムだった。 小型(低コスト)で高出力(高性能)な新技術は、当然多くの隘路を抱えていた。 米原発作業員も呆れ顔 東芝がハマったWHの泥沼 「2か月間、ただ座っているだけで給料がもらえた」 2017年4月4日 日経ビジネス ONLINE …(略)…テストン(ボーグル原発のとび職): 「ラーニングカーブ(学習と能力の伸び曲線)っていう言葉があるだろ。 経験を積むうちに作業効率が上がっていくというアレだ。 CB&Iはだいぶカネを消費したが、だいぶ仕事ができるようになってきていた。 ところが、Fluorが後を引き継いで仕事の仕方を変えたため、逆に工事がスローダウンしている」, …(略)…フィリップ: 「また、工程が終わるごとに(作業が適切にされたかを確認する)インスペクションもあって、インスペクターが来るのを待っている間は何もできない(2週間も来ないこともあったと語る作業員もいた)。 ボスはむしろ早く仕事を終わらせたいんだけど、そういうわけで終わらない」 …(略)…フィリップ: 「給料は悪くなかった。 税引き後で月に8000ドル(約90万円)。 兄貴は階級が上なので月に2万ドル(220万円)くらいもらっているはずだ。 だからみんな文句を言わないんだよ。 戻りたくないかって? 確かにそうなんだけど、今の現場では1日12時間、結構ハードに働いている。 どちらが疲れるかと言えば、サマー原発でヒマしている方が疲れるんだよ」 …(略)… 上記の記事を読むにつれ、WHの債務保証をしている東芝が、限度額いっぱいまで保証をさせられることは必至と思えた。 原発の発注元が税制優遇を受けるためには、2020年末までに運転を始めなければならないが、飛躍的に高性能な AP1000(原子炉の型式)だけに、道の領域が山積みなので無理な話だ。 小型、高出力のPA1000 は鉄筋や電線のスペースの考慮が不足していたという。 最近気になるのは航空機の設計変更でも話題になる、電線(ワイヤー・ハーネス)。 図面では線で示されるが、体積も重量もある。 現代の設計は電子化で増えた電線の体積、重量に関する考慮が不足している。 航空機ではA380もB787も電線について同じトラブルを発生させた。 小型化したAP1000も同じトラブルを抱えている。 考慮していない要素のトラブルの解決は想像以上に時間がかかることが多い。 間違ったお買物をした東芝は、新会社の株式売却代金が入金れるまでのつなぎ資金として、2017年度中に最大1兆円が必要になるとの見通しを金融機関に示した。 債務超過の企業に追加融資を行う金融機関も、及び腰のはず。
2017年04月14日
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4月11日、東芝は関東財務局に四半期報告書を提出。 2016年4─12月期の当期損失は5325億円。 同報告書で、監査を担当するPwCあらた監査法人が結論の意見を表明しなかった。 監査法人は東芝の事業継続に「重要な疑義」があると表明した。 2月、3月の2度にわたり、2016年4月~12月の決算発表を延期。 これ以上の延長はないだろうとされた東芝は4月11日、監査法人からの承認を得ないまま決算発表を行うという、異例の手段を取った。 東証が監査法人の承認のない報告書を認める1部上場を恵贈するなら、世界市場からの信用は大きく低下する。 世界から見たらホームタウンディシジョン(Hometown Decision)もいい加減にしろ、の評価。 そんな前代未聞の大胆な決定を下す社長は、どのように選ばれたのか。 三菱ケミカルホールディングス会長で経済同友会代表幹事の小林喜光氏は、東芝の社外取締役。 そして東芝の指名委員会委員長として、志賀重範会長(すでに辞任)、綱川智社長を指名した最高責任者(張本人)。 また半導体、原子力事業に関しては国(行政)の政策に忠実な人物らしい。 日本の中長期の発展に向け数々の建設的な提案を行ってきた経済同友会だったが、最早その存在価値はない。 そんな指名委員会委員長のご指名をいただいた社長は、さらにトンデモな発言をした。 東芝、危機の戦犯 「老害顧問の茶坊主」社長の無能さに社員が呆然 …社内一斉メールが波紋 2017年4月11日 Business Journal …(略)… さらに、小林氏はこうも述べた。 「中国は今、10兆円近くを使ってNANDフラッシュ(メモリー)に力を入れている。 サイバーセキュリティ、あらゆるモノがネットにつながるIoT、人工知能(AI)のコアテクノロジーだからだ。 重要なテクノロジーを本当に外に単純に手渡してよいかというと『ノー』だと思う」 「IT(情報技術)を駆使した製造業の競争力革新を指す第4次産業革命にとって、東芝の技術は大事なパーツであり、(ブロックは)当然、考えるべきだ」 3月30日に開いた臨時株主総会で小林氏は、「原子力事業は日立製作所、三菱重工業、東芝の3社で共同運営していくべきだろう」と発言した。 「首相官邸や経済産業省の回し者なのか」との声が株主総会の会場から漏れていた。 …(略)… 決算発表を再延期した3月14日、綱川氏は社員に一斉メールを送ったが、その内容が社内で波紋を呼んでいる。 「結果として社の信頼を失うこととなり、非常に理不尽」 監査法人(米PwC)が決算を承認しなかったことに不満を表したものだが、「他人事みたいで、がっかりした」(前出の東芝の若手社員)と社員をあきれさせた。 …(略)… 「結果として社の信頼を失うこととなり、非常に理不尽」 200年雪印集団食中毒事件の石川哲郎社長(当時)が記者団に放った「わたしは寝てないんだよ」発言に次ぐ衝撃発言。 怒鳴りつける相手がいないからといって社内メールで経営トップが「理不尽」といってはいけない。 監査法人は監査法人の論理と立場で判断する。 それができなかった新日本監査法人は解体の危機が報じられるほど信用を失い、21億円の課徴金を支払うことになった。 PwCあらたは、監査法人として解体されたくない。 あれだけ多数の報道があったにも関わらず、綱川氏は東芝に起こる全ての事態の責任者が自分であるということも考えずに、嵐の渦中にある企業の社長就任したのだろうか。 真面目に働いていた従業員、取引先、事実を知らされなかった株主がどれほど理不尽な思いをしているかを、想像できない人物を社長に据えた東芝は不幸の極み。
2017年04月14日
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選択と集中で大型液晶パネルと太陽電池パネルにかけ失敗。 身売りしたシャープは地道に整備されている。 亀山工場 4000人に倍増=カメラ部品生産―シャープ 2017年4月6日 時事通信 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下のシャープが液晶パネルの製造拠点である亀山工場(三重県亀山市)の従業員を増やすことが6日、分かった。 同社首脳は記者団に対し、7月をめどに始める新規事業に対応する形で、「(人員を)2000人から4000人にしたい」と語った。 新規事業はスマートフォン用カメラなどの電子部品とみられる。 従業員の配置転換や新規雇用で人員を増やす。 亀山工場では単体ベースで、約2000人(2016年12月末)が働いている。 今年度中にも液晶パネルからテレビまでを全自動で生産するラインの設置を検討している。 旧シャープのド阿呆な経営陣がが選択と集中に取り組んでいたとき、泉佐野の大型液晶パネルが中心となり、亀山はいずれ締めることになる、との噂が駆け抜け、誘致した県知事の責任を問う声まであがった。 鴻海精密工業傘下になる前も、シャープを支えていたのは、亀山の小型液晶パネルだった。 勢いに任せて、地道に稼ぐ亀山工場を閉鎖してなくて本当に良かった。 「社員は悪くありませんから! .... 」、山一證券の最後の社長、野澤正平氏の言葉が木霊する。, 「経営」とか「マネジメント」とは何なのだろうか? リスクを恐れず蛮勇を奮い、利益の極大化にかけることが「経営」なのだろうか。 BCPで企業存続を図ろうとする癖に、経営の根幹で企業の存続を考えないのは、適切な経営とは言えない。 けっして上品とは思えない住友でさえ、「浮利を追わず」を経営理念としている。 経営を放棄するような事態に至るのは、企業の存続・繁栄のためと称して「浮利を追った」ためだ。 「プラズマクラスター」搭載 夏物商品発表会を開催 「プラズマクラスター」搭載商品の世界累計販売7,000万台※1を達成 2017年3月23日 シャープ発表会情報 ~中学・高校8校で導入予定~ 統合型学習アプリケーション「Brain+(ブレーンプラス)」提供開始 について発表会を開催 2017年3月29日 シャープ発表会情報 住宅用エネルギーソリューション新製品発表会を開催 2017年4月6日 シャープ発表会情報 選択と集中から零れたであろうこと、存続のためにやるべきことはたくさんある。 「浮利」とは「楽に利を得ること」ではなく、「絵空事の利益を追うこと」と理解しようか。 シャープ、東芝、三菱重工、キリンHD、NTTグループ・・・。 グローバル経営、世界で勝ち残ると唱えて、あり得ない物語を紡ぐ企業は、他にもたくさんありそうだ。
2017年04月11日
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2017年3月14日、東芝の綱川社長は 「株主資本がマイナスになるので、東証二部への降格は覚悟している。厳しいことはあるが克服して進めていきたい。社会に対する信用を確保しつつ、上場廃止にならないように続ける努力をしたい」と記者会見で述べた。 今後の戦略として、 (1)WH社の売却も視野に入れた海外原子力事業のリスク遮断、 (2)分社化したメモリ事業やその他保有資産の売却での財務基盤の早期回復と強化 (3)ガバナンス・リスク管理を深化し東芝グループ組織運営の強化 を発表。 2017年3月29日、原発子会社ウエスチングハウス(WH)と東芝原子力エナジーホールディングスの破産申し立てを行ったと発表。 両社の負債総額は98億1100万ドル(約1兆900億円)。 東芝本体の負債総額は約1兆900億円、当期純損益は1兆100億円の見通し。 トヨタ自動車の利益1兆円超もスゴイが、負債総額1兆円がみえている企業が東証一部上場を維持していることもスゴイ。 ソニー、パナソニック、シャープのTV事業が黒字化する中、東芝のTV(映像事業)は赤字を継続。 PCについては黒字が見通される中、映像事業の中のTV事業の帰趨が話題になっている。 東芝、国内テレビ事業売却か 2017年4月10日 ITmedia ビジネスオンライン …(略)… 報道に対し、東芝の広報部は「従来テレビ事業はさらなる構造改革を行う方針をとっているが、売却などの予定は現時点ではない」とコメントした。方針は変更していないため、今後、個別の発表や会見などを行う予定はないという。 東芝のテレビ事業は、子会社「東芝映像ソリューション」が担っている。 メインブランドは液晶テレビの「REGZA(レグザ)」。テレビ事業を含む映像事業・PC事業は苦戦しており、赤字が続いている。 2017年3月期通期営業利益は270億円の赤字を見込む。 日本経済新聞によると、トルコ家電大手や数社の中国企業が買収に名乗りを上げる見通しで、17年度のうちに売却手続きを終え、原発事業の巨額損失を補う助けとしたい考えだという。 …(略)… 2017年8月1日付で、東芝は東証1部から2部に降格となるのが確実。 半導体事業を継承した新会社の株式の過半を17年度中に売却することで、2年連続の債務超過の回避を目指す。 東芝が米原発事業の巨額損失に関連して16年3月期決算を修正し債務超過になった場合、17年3月期と合わせ2年連続の債務超過となり、上場規程に抵触しかねないと懸念されている。 東芝 粉飾の原点 東芝、1兆円赤字は「いばらの道」の始まり WHが米連邦破産法11条を申請、債務超過が拡大 小笠原 啓 2017年3月30日 日経ビジネス ONLINE
2017年04月11日
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