不登校・ひきこもり・ニートを考える

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巨椋修(おぐらおさむ)

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2008年07月22日
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カテゴリ: 周辺事態




手記は、あの事件が起きた後、家族がどのようになったかを書いているのです。


事件の後、母親は、ショックのため精神科に入院します。


父親は、しょっちゅうマスコミが押しかけるので、仕事ができなくなります。


弟さんは、仕事を辞めることになります。


母親は、入院後不眠になり、強い薬でやっと眠るようになり、その結果、ろれつが回らなくなり、一切の外出禁止。


自殺の危険があるとのことで、眠っているときも、一時間おきに看護師が見回りにきているそうです。


弟さんは、母親の容態が悪化し、面会できないため、母親に出した手紙が掲載されています。


「母へ


良くなりかけた体調がまた悪化したと聞きました。

(中略)

俺たちのような家庭は、程度の差こそあれどこにでもありうるのかもしれません。

手記を読んだ人がなにかに気付いてくれれば。そうすれば将来において犯罪がひとつでも減るかもしれない。防ぐことができるかもしれない。

確かに狂った家庭ではありました。

それは受け入れてください。

ですが、それと事件とはなんの関係もありません。

ですから、自分のせいだと苛(さいな)むことはしないでください。

俺がその証拠です。

同じように育った俺は実にまっとうに生きています。

俺は生まれてきて良かった、生きていて良かったと思っています。

(後略)」



この手紙は、弟さんが書いた手記を、母親が読み「母親が自分が両親に対する憎しみから手記を書いたのでは」と思い込み、急速に容態が悪化したと聞いてかいた手紙だそうです。





そのときの話では、母親は犯人が20歳で上京する直前に、育て方がおかしかったと謝罪をし、犯人は母親を許したということも、今回の手記に書かれています。


家庭内暴力が続いていた家ですから、犯人が強制的に謝らせたのかも知れません。


そこらへんのところは、手記に書かれていませんので、何とも言いようがありません。


そのとき母親は、弟さんにこんなことを言ったそうです。



「育て方はおかしがったけど、確かにひどいことをしたけども、何でそんなことをしでしまったのか自分でもよくわがんねのや。

ごめんね。

大人になったふたりだったら、私の気持ちわがってもらえる?」




そして最後に、母親は


「家族が仲直りできればいいな」


と、静かにつぶやいたといいます。



この家族は、両親は別居、子どもたちは親元を離れ、特に交流もないバラバラであったといいます。


また、それ以前から家族にこれといった会話もなくなっていたといいます。



それまで、交流が途絶えていた家族が、この事件によって、また会話がはじまったという皮肉。


手記には次のように記されています。



「亡くなった犠牲者の遺族の方々、被害者の方々の苦痛を重く受け止める一方、事件によって私たちが本当の意味で家族になりつつある皮肉な現実……」


と。





ほとんどの家庭の場合、幸いにもまだ大きな犯罪などは起こっておらず、この犯人家族のような悲劇には至っていないことでしょう。


しかし『不登校・ひきこもり・ニート』といった事柄から、家族とは? 家庭とは? と考えるきっかけになるかも知れません。


もっとも、『不登校・ひきこもり・ニート』というのは、育て方が正しいから起きないとか、言い切れるものではありません。


どんな育て方をしようと起きるときは起きてしまうものなのです。



そして母親の言葉……


「家族が仲直りできればいいな」





※手紙・手記の文章は、筆者が読みやすくするために、多く改行をしてあります。












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Last updated  2008年07月22日 08時59分24秒
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