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2009年11月01日
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カテゴリ: ウマく行く恋愛術


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、散々お世話になり迷惑も掛けてしまった佐伯瑛君にお返しを思い立った。
実際、同級生でも無いのに”貸し”を積むのは気が引けてしまう。
音成遊君は、すぐさま電話番号を提供してくれた。

「はい。佐伯です」
(あ。佐伯君?私、都辻寿陽花ですけど)
「はい?」

常日頃、校門には女の子達が群がっている。
私の声なんか、覚えられないのは当たり前だと思う。

(あの。都辻寿陽花です)
「あー・・・。何か、用か」

彼は、忙しい。
迷惑そうな応答も、仕方が無い。

(えっと。4月29日に、イベントホールに行かない?)

佐伯瑛君の声が、急にひっくり返った。
「俺とお前で?何で?」

私は、あからさまに”謝礼ですから”と突き付けるのは避けたかった。
(え?”何で”って言う事も無いんだけど)

受話器の向こう側で、溜息が漏れた。
「まぁ。良いか」

私は、”ソフィア”で新調した花柄ワンピースと”ジュエリー・来栖”で買った革製のバレッタを身に付けた。

「あ。もう、来てたのか」
(佐伯君の遅刻だよ?)
私は、冗談ぽく笑った。

「まぁな。行くぞ。その、服さ」
(え?この服)
「ああ。俺、そう言うの何て言うかその。好き」

佐伯君は、人込みが嫌いらしい。
不平を言いながら、さっさと会場に入って行った。

「席は、此処だ。前、ちゃんと見えるか?」
(うん)

私は、生演奏が好きだ。
オーケストラ音楽なら、”喫茶店”のBGMとしても流れている。
佐伯君の神経にも、障らないだろうと配慮した。

(今日のイベント、最高だったね)
佐伯君は、頬を高潮させていた。

「ああ。生で聴くのとCDじゃ、全然違うんだな。クラシックって」

私は、彼を見上げた。
彼は、唐突に言った。
「お前さ。何かの動物に似てる」

彼は、吐き棄てる様に言った。
「さてと。で、結局今日は何だったんだっけ。じゃ。お先」






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最終更新日  2009年11月01日 22時48分40秒
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