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2004年10月09日
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カテゴリ: 沖縄関係
 真栄里村の仲筋家に「嘉那志(カナシャーマ・カナシ)」と言う評判の小町娘が生まれた。
 当時は階級制度が厳しくて、石垣主邑の士族の青年達は横暴で農村の娘と自由に恋愛する権利を与えられていた。
 その権力を振り回して、仲筋家の絶世美人(カナシ)を、我が意中の「恋女」にしようと競い始め、暗い狭い悪路を毎夜通い、仲筋家の福木(ふくぎ)の下の石垣から覆面姿でしゃがんで居た。
 だが、一人ならず五・六人も居るので(カナシ)は怖く毎夜、両親の間で寝ていた。
 その士族の青年「殿原・殿方(とぅばらーま)」達は、何とか(カナシ)と語り合いたいとの思いで、風雨の日も、毎夜幾日・幾月通い続けるが、一度も会えず帰り道で、無念な想いを即興で謡い出したのが始まりとされる。
 (カナシ)二十歳前後だと、「1814年」頃の作。

 唄の囃子言葉「ツィンダーサヤゥ ツィンダサー」は、(可哀相)と囃している。

 ナカドウ道から、幾度も通ったが、仲筋家の(カナシ)は、一度も顔を見せてはくれなかった。
 可愛い(カナシ)に、真の恋心があるなら、私の唄を聞いて走ってくるだろう。

 好きな人を思い詰めて通うと、千里の道も一里に思うが、帰りの道はやっぱり千里だ。
 紺地は、藍(あい)で染めるが、可愛い乙女と自分の仲は、心で染める。
 馴れ初めて恋仲となったからには、藍(あい)の紺染めの様に、濃く染めたい。浅染めは「免し給り(ゆるしたぼり)・御免です」
 川を流れ行く水は、海まで流れる。自分の想いを受け取ってこそ、本当の恋である。
 月と太陽は同じ場所を通る。とぅばらーま(貴方)の気持ちも一筋であって下さい。
 月見の最適な時期は十三夜である。乙女の美しいのは十七・八歳頃。
 月を見れば、昔の月そのままである。変わり行くものは、人の心ばかりである。
 いつまでも変らぬ幸せだと自分は思っていたのに、今日の突然の離別は、生涯の心の傷。
 私達の祖先は、生活を唄にかけ、現代まで伝え、八重山の宝として残してくれた。
 残された島の唄を、何時までも大切に保存継承していく為には、皆さんが心を一つにして、唄い続けてください。
 歌は、数多く唄う程に、唄心も情けも知る事が出来る。

 山を見ると八重山の事を思い出す。海を見ると故郷の事を思い出す。
 隔てているからこそ、自分の生まれ故郷を、朝夕、思う心は増すのである。

 「昔とぅばらーま」は登野城村の故・金城長保氏の祖先が、黒島首里大家子職の時、公用中宮古沖で遭難し、宮古蔵元に助けられ、宮古の島娘との恋愛し、「1800年頃」別れの時に即興詩として唄われたと伝えられる。

 「とぅばらーま」は、大会があるほどに、進化し、増殖する唄。
八重山育ち





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最終更新日  2004年10月20日 18時31分33秒
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