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2005年04月24日
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カテゴリ: 楽器関係
今日は難しいですよ。

感性だけでは、インド音楽は演奏できません。
即興演奏は自由演奏ですが、決まったルールの中で演奏します。

インド音楽 「旋律」

インド古典音楽というのは、主に
北インドで演奏される「ヒンドゥスターニ音楽」
南インドで演奏される「カルナータカ音楽」があります。
ここでは、北インド古典音楽にて演奏される様式を解説します。


RaagとかRagaと表記します。
北インドでは数千、南インドでは1万以上のラーガがあると言われています。
ラーガには当然ながら名前がついています。
「Rag Madhuvanti」とか「Rag Kafi」とか呼びますが、ラーガとは曲名ではありません。

日本での音階は「ドレミファソラシド」ですが、インドでは「Sa Re Ga Ma Pa Dha Ni Sa」と表現されます。
半音階もあります。(南インドの音階は1/4音階まであります)
Saはドですが、絶対音程ではありません。

メロディーを奏でる場合、基本ルールがあり
音程が上がる時「Sa Ga Ma Pa Ni Sa 」しか使ってはいけません。
(Saから始まらなくてはいけないという意味ではありません)

音階が下がる時には「Sa Ni Dha Pa Ma# Pa Ga Ma Ga Re Sa」を使う事になります。

また、メロディーを奏でていて音程が上がる時に「Re等」を使用禁止です。

このメロディーに主役になる音階を決めます。
ここでは、主役(Vadi)を「Ga」とします。
準主役(Samvadi)「Ni」にします。
主役や準主役は残りの脇役より当然メロディーの中では強調され、旋律のパターンが1つできます。

この規則が付けられた状態で、演奏者はメロディーを自由に作成する事が出来ます。
主役と準主役の使い方も自由です。

固定されたメロディーを奏でることもありますが、通常「即興」で奏でます。

実は音階それぞれに、感情等の意味が決められています。
本来、奏者は演奏中に無我の境地(瞑想状態)に達して宇宙と融合すると言われています。
例えば、ラーガ「Behag」では、ラーガによって使える音、主役や準主役が異なります。
組み合わせを考えると無限になります。
ラーガとは曲名ではなく、規則を定義した「種類」です。

「Rag Behag」を演奏する、と言えば、Bihagに定義された規則を守りつつ即興演奏します。(ルールに則った即興演奏です)

ラーガにはそれぞれ演奏する時間帯(もしくは季節)が決められています。
厳密には、1日を12に分割して指定されています。
「Afternoon Rag」 (昼から夕方前に演奏)
「Evening Rag」 (夕方から夜演奏)
「Midnight Rag」 (深夜に演奏)
「Morning Rag」 (早朝から朝にかけて演奏)
「Raining Rag」 (雨季に演奏)
「Spring Rag」 (春の訪れに演奏)
Raining RagやSpring Ragは、基本的にその季節感と感情を表現しています。
ラーガのフレーズには、明るい感・暗い感・哀しい感・妖しい感・セクシャル感、など感じるニュアンスが違います。

普段、一日の始まりは朝ですが、「インド古典音楽においては朝は終わり」を意味します。
それは、コンサートが夕方から始まりオールナイトで続き、朝に終わる事からきています。
朝が終わりだから、コンサートも朝に終わります。
1人の演奏家が延々演奏するのではなく、プログラム構成されています。
観客も全部見る事はありません。
お目当ての演奏家だけを見たり、最初の方を見て眠くなったら帰ります。
大物は最後に出るので早起きして観ます。

ラーガは時間帯によってだいたいの印象があります。
「Afternoon Rag」 (悲・乾・休・脱) 
「Evening Rag」 (明・楽・喜・幸)
「Midnight Rag」 (深・妖・怪・瞑) 
「Morning Rag」 (哀・妖・美・瞑)

音楽にジャンルがあるように、ラーガにもジャンルの様になっています。
基本ラーガが10個あり、ラーガは全てこの基本ラーガのどれかに所属します。
この10個のグループそのものをThaat(タータ・メーラ)と言います。
基本ラーガはBilawal, Khamaj, Kafi, Asawari, Bhairav, Bhairavi, Kalyan, Marwa, Purvi, Todiです。
別に、現在のヒンドゥスターニ体系ではタータは72個に分類されます。

Ragを表現するとして、音程を奏でる際、「Gamak(ガマク)」という装飾手法があります。
音に対して「ゆらぎ」を付けます。
音程を表すのには固定音階のみならず、うねりのある音階表現によって表現の幅が広がります。

そのGamakより細かい表現を「Murkee(ムルキー)」と言い、Dhun等でよく利用します。

タータは10個ですがエキストラタータと言われるラーガが3つあります。
Kayada(Kaydra), Malhar, Sarangです。
これらエキストラタータは、それらに定義された特徴を各ラーガに与えます。
例えばRag Darbariに対してKayadaを付けると「Rag Darbari Kayada」になります。
Kayadaに定義された特徴は「Sa Re Ga Ma Re Sa」ですが、Rag Darbari KayadaはRag Darbariの音階定義に、この定義を融合させています。
「Rag Kounsi Kanada」とか「Rag Megh Malhar」等とラーガ名の後にエキストラタータ名が付きます。

これら3つのタータは単独ではラーガとして機能しません。
必ず何かのラーガに付属するオプション的役目を果たします。

同じような装飾的存在にMishraとRagmalaがあります。
これらは知識、技術的にかなり高度なレベルでないと演奏は難解ですが、やはりラーガを装飾します。
Mishraは「Rag Mishra Khamaj」というようにラーガ名の前に付きます。
この場合だと「Rag Khamaj」をベースにして、別ラーガ音階の一部と、その感覚を融合させています。
「Ragmala」は、融合度合いがもっと軽く扱われ、アクセサリー的に使われます。

ラーガにはそれぞれ使用する音階が決まっている事は前述した通りですが、上昇時/下降時の音階は、ラーガによって変化します。

実際に演奏する時にはこうした細かい「スヴァラ(音階定義)」を無視する事が時々あります。
但し、定義されていない音程を使う事はありません。

Ragの事をRaginiと表す事がありますが、ラギニとラーガは同一です。
名詞には性別の意味があり、ラーガが男性形ならラギニは女性形を表します。
一般には語尾が「a」で終わると男性形、「i」で終わると女性形です。
基本ラーガの「Todi」や「Bhairavi」などはラギニです。
稀に「Ragini Yamani」等と表記されているケースがあります。





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最終更新日  2005年04月24日 07時56分19秒
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