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スコットランドの高地地方のゲールで語り継がれてきた古歌集で、3世紀のフィン王の息子オシァンが高齢で失明した後、息子オスカルの許婚で立琴の名手のマルヴィーナに一族の戦士たちの思い出を語り聞かせて、マルヴィーナがそれを後世に残したものと言い伝えられているらしい。
訳者のあとがきによると、シェイマス・マクヴーリッヒ(ジェイムズ・マクファソン)が古代ゲールの文化の中心地のヒブリディーズ諸島で古歌を筆写したり古筆写本を集めて翻訳して、1762年に英文オシァンを出版したら欧米で大反響を呼び、スウェーデンやノルウェーの王室では王子にオシァンの人物名の名前をつけたとか、ナポレオンが戦地でオシァンを愛誦してパリの大学にケルト学部を作ったとか、ゲーテがオシァンに傾倒して『若きウェルテルの悩み』に取り入れたとか、アメリカのトマス・ジェファソン大統領がオシァンを愛誦して原語で読みたくなってゲール語を勉強し始めたとか、欧米でケルト人気がおきてロマン主義に多大な影響を与えたようである。オシァンが有名になるとオシァンが実在の人物か否かという点が論争されて、イギリスはジェイムス6世が高地地方のゲールを弾圧していたのでそこから世界的名著が出ては困るのでオシァンはマクファソンの創作だと主張して、アイルランドはオシァンはアイルランドの古歌の盗作だと主張したようだけれど、双方の主張には政治的意図が絡んでいるので、日本人読者としてはオシァンで歌われた内容が事実か否かということはひとまず置いて、ケルト的な武勇伝の雰囲気を素直に楽しむのがよいかもしれない。戦場で泣いているやつを役立たずだといって鎧を剥ぎ取ったら女だったとか、敵を殺す際にも相手の武勇伝を残すことを約束するとか、漫画のネタみたいなロマン的な面白さがある。
個人的にケルトがおっぱい星人だった点が面白かった。女性を描写するときの言葉が白い胸、高い胸、雪の胸乳、柔肌の胸、豊満な胸とかで、やたらと胸を強調している。ケルトはシーラ・ナ・ギグという女性器の彫刻を城や教会に魔よけとして飾っていて女性器が神聖視されているのは知っていたので変な性癖でもあるのかと思ったら、普通に髪、色白、柔肌、胸を女らしさの特徴としてとらえて褒めているようで、その辺は現代人の女性観とあまり変わらない。あとウホルノの軍勢はウホウホ言いながらいろいろなものを掘っていそうな感じがして、腐女子にうけそうだなと思った。どんな名作でも阿呆が読んだら阿呆な感想しかでてこないものだと我が阿呆ぶりに呆れてしまう。
★★★☆☆
『伊勢物語』大津有一校注 2019.01.15
土門拳『土門拳自選作品集』 2017.03.28
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