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2025.04.28
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最近は高校授業料の無償化について石垣市議会が外国人学校も対象とする制度の見直しを要望して政府に意見書を提出したそうな。教育は国の維持や発展にかかわる重大な問題なので、これについて考えることにした。

●無償化とは何か

無料と支出について考える ​という記事でも考えたけれど、無償化と言っても実質的に無料になるわけではない。教師の給料を払わずに強制労働させることはできないので、生徒(の親)が払っていた授業料を国民全員が負担することになる。無償化というより公費化と呼ぶ方が実態に合っている。
高校の授業料の無償化では就学支援金の所得制限がなくなって一律11万8800円が支給されるけれど、その財源はどこからくるかというと、財政均衡主義で税を財源ととらえれば住民税の増加とかで直接負担することになるし、国債を財源ととらえればインフレ率の増加とかで間接的に負担することになる。これから子育てをする人の負担は減ることになるけれど、子供がいない人や既に子育てを終えた人に対して他人の子供の教育費を負担させることが正当化されうるのかが問題になる。図書館や公園は公費で整備して国民全員が費用を負担しているけれど子供から老人まで誰でも無条件で使えて費用の負担者と受益者が一致しているので公費で無償にすることを正当化できるけれど、義務教育以降の教育は誰でも受けられるわけではなくて無償化の費用負担者と受益者が一致しない。公立高校や国公立大学の費用は公費で賄っていて、高等教育の質を保つために教師を公務員として雇って公費で校舎を整備するのはわかるけれど、生徒の授業料は教育の質とは関係ないのに公費で負担するのはどうなのという話になる。
それに無償化することでサービスの質が悪くなることもあるので、無償だから得するとも限らない。小学校の給食費の無償化は2026年度に実現して中学校へも拡充する予定だけれど、無償化の弊害がわかりやすく出ていて、弁当持参なら親が子供の体格や嗜好に合わせて量や味を調節できるけれど、給食費を無償化して公費で負担するようになったら議会で年間の予算が決まっているので材料費や光熱費が値上がりしても予算を増やせなくて、契約している給食業者は予算内に収めるために給食の量を減らしたり食材の質を下げたりして対応するしかなくなって、給食の量が少なすぎて食育云々以前に栄養がちゃんととれていないという本末転倒な状況になって、倒産する給食業者も出ていて児童も給食業者も不幸になっている。
授業料の無償化で私立に進学しやすくなると、お洒落な制服があったり設備が整っていたりする私立のほうが人気になって公立が定員割れして公教育が非効率になるかもしれないし、その一方で営利目的の私立への入学を公金で補助するのは公金の使い方としてはおかしい。

●高校の無償化の是非

私は高校の無償化には反対である。公費として支出する以上は納得できる公平性が必要だけれど、義務教育の中学校までならまだしも高校への進学は義務ではないし、貧乏で結婚できなくて子供がいない人や既に子育てを終えた人が他人の子供の教育費を強制的に負担させられる筋合いはない。
私は外国人や外国人学校を無償化の対象にするのにも反対である。授業料を無償化するにしても生徒がいずれ日本の発展に寄与するものとして日本人全員が費用を負担するのだから、日本に一時的に滞在しているだけでいずれ母国に帰る予定の外国人の教育費用を日本人が負担する筋合いはない。例えばインターナショナルスクールに通う外国人の授業料を無償化したら、インフレや通貨高で生活費が高い国から生活費が安い日本にやってきて卒業したらすぐ母国に帰るみたいな日本の発展に寄与しないフリーライドができてしまう。あるいは日本を仮想敵国として反日教育をしている国が運営するフリースクールの外国人生徒に対して日本人が教育費を出してやるのはナンセンスである。
維新の会を中心にして高校の無償化をやりたがっているけれど、国を良くするための政策というより、無償だから得すると思って短絡的に賛成するような層から支持を得るための選挙目的の政策なんじゃないかと思う。

●大学の無償化の是非

学生は大学に安くないお金を払うからこそ在籍中にちゃんと勉強しようというモチベーションになるし、卒業後の進路でどれだけリターンを得られるかという将来をちゃんと考えるようになる。単位が足りなくて1年留年したら学費が何十万も余計にかかるとなったら、損しないようにまじめに授業に出るようになる。もし留年しても無料で最長8年在籍できるとなったら単位を落とせないという緊張感がなくなって、勉強もおろそかになりかねない。
それにMOOCや公開市民講座が既にあってある程度の無料の講義を受けられるし、知識を得るだけなら図書館で本を読んで学べるのだから、公金を使って大学を無償化する必然性はないと思うので、私は大学の無償化には反対である。全員の学費を無償化するのでなく、給付型奨学金の拡充とかで優秀な人の経済的負担を減らすのがよいだろう。あるいは自衛官か予備自衛官や警察官になることを条件にして防衛大学や国立大学を無償化するとかのほうが政策として効果的だと思う。

●大学院の無償化の是非

私は高度人材を育成するなら大学院こそ無償化するべきだと思う。大学の授業料を無償化してあまり頭が良くない大勢の人が定員割れして入学しやすくなった大学に行くようになっても研究者として頭角を現してイノベーションを起こしたりするわけではないので公金の使い方としては投資効率が悪いし、それよりは大学で好成績を収めて大学院に行く少数の優秀な人を集中して支援する方が投資効率が良いだろう。
「​ 「欧米の大学院で給料をもらっていない理系の学生は一人もいない」。日本で博士学生が減るのが当然な理由 ​」という記事によると、アメリカやヨーロッパの大学院だと修士課程に入ると修士でも博士でも国から給料をもらえる場合が多いそうな。日本だとアルバイトして学費を払って無給で教授の研究の下働きをさせられていて、その後のポスドクの雇用も不安定で、金銭面がボトルネックになって研究に専念できない環境になっている。iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中教授の研究チームの雇用でさえ不安定なのは問題で、優秀な教授だけいればいいというわけではなくて優秀な助手も含めて研究をサポートしないと、新しい発見や発明をしたところで後発の外国が大金をつぎ込んで人材を引き抜かれたら追い抜かれてしまいかねないし、それだと日本で頑張って研究したところで先行者メリットがなくなってしまう。基礎研究はすぐに新しい成果や利益につながる成果が出るわけではないので、そういう利益が出にくくて民間がやらない重要な研究こそ国費で支援することが長期的に国力を増やして豊かで幸福な国を作ることにつながると思う。





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最終更新日  2025.04.28 08:19:34
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