さんしょ歩けば棒にも当たる
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いわゆる「世界名作全集」みたいなのを小学校の読書の時間に読んでた頃、「赤毛のアン」や「あしながおじさん」も好きだけど、私の一番は「若草物語」だった。その「若草物語」が映画になったと友人の投稿で知り、エイヤッと出掛けた。半年ぶりの映画館だった。ニューヨークで大衆向け小説家として活動しつつ、大家さんの子どもの家庭教師もして生活するジョー。同じアパートに住むベア教授の小説評価を、素直に受け入れられなかったり、実家に暮らすベスの病状の悪化の知らせを聞いたりして、実家に戻る。実家で過ごすうちに思い出す、ティーンエイジャーの頃の思い出…という形で「若草物語」の世界が再現される。「若草物語」は、作者ルイザ・メイ・オルコットの自伝的物語。メグ、ジョー、ベス、エイミーの4姉妹の成長が周りの人々との出来事によって書かれている。実際にオルコットは4姉妹の2番目だ。原作を知っていると、「ああ、あのシーン!」と膝を叩くところが何度もあった。「物語」のラストシーンをどうするかという編集長とのやり取りで、本のあとがきを思い出したり。小学生の時に若草物語の話をすると、周りの友人はほとんどが「ジョーが一番好き」と言った。「暮しの手帖」の「すてきなあなたに」でも「一番面白いのはジョーです」とあって、「あなたもかよ…」とがっかりしたのを覚えている。確かに、ジョーは動きが大胆で、やらかすことが面白い。隣に住む素敵な少年、ローリーとの交流も多い。内面的なことも書かれてるから、感情移入もしやすかったと思う。でも私は、ベスがダントツだった。メグやエイミー派はいても、ベス派は周りにいなかったけど。「お前がジョーみたいだから、ベスが好きなんじゃないか?」と当時の担任に言われたけど。内気で、だけど友好的。小鳥の世話をしている。庭には香りのいい花を育てている(ヘリオトロープという花の名をこの本で知った)。そして、音楽が大好き。家でオルガンを弾いている。お隣のローレンス家と交流が始まり、その大豪邸の中にずっと弾かれていないピアノがあると聞くと、弾きに行く!と決める。(映画ではローレンス老人に「私が行きます!」と名乗り出ていたけど、原作では違ってたと思うなぁ)ピアノはローレンス老人の亡くなった娘のもの。ちなみにローリーは、老人の息子の子ども(息子が亡くなったことで祖父に引き取られた)。ピアノを弾くと決めてからも、行動はあくまでもこそこそっと。頭巾をかぶって移動し、裏口から入り、ピアノの部屋にだけ行って、弾いて帰る。あるときからは、弾きやすそうな楽譜が用意されていたり、隣の部屋でローレンス老人が聞いているのだが、それも気づいていない様子。でもでも、家に小さなピアノが贈られてきたときは、老人のところに駆けていってお礼のキスをするのだ。うまくいえないのだけど、ベスの行動って、当時の私には「ああ、わかるなあ!」って感じだった。その頃は「この気持ちを表す語彙がない」と思っていたけど、55歳になっても言葉にならないや(笑)。映画には描かれていなかったけど、おさぼり1週間(て言葉だったかな)エピソードも印象的だった。家事を分担していた4姉妹だったが、誰かが家事をやる意味に疑問を抱く。ハンナというお手伝いさんがいるので、機械はなくても家事負担はそれほどではなかった気もするが。すると母は「じゃあ1週間休んでいい」と笑顔で言う。やったー!とばかりに家事をサボる4人。自分の分の家事を続ける母。初めのうちは、特に不自由も感じずにいたが、みんなが少しずつ負担している家事によって、環境が快適に保たれているのを知る。その1週間で、ベスは飼っていた小鳥を死なせてしまい、嘆き、「もう二度と小鳥は飼わないわ」と言う(小鳥、というより、ペットは飼わない宣言に思えた)。実は、のちにベスはしょう紅熱にかかるのも、このときのことが教訓となって、ベスに残っていたからじゃないのかなと思った。映画でも、ベス役の人は、少し地味目な立ち居振る舞いで、でも言いたいことははっきり言って(私の想定よりおしゃべりだった・笑)、家族を柔らかくつなぎとめる感じだった。映画評論には、ジョー、ローリー、メグ、エイミーは色々書かれてたけど、ベス役の評価はまだ見つかってない。でも、私はすごく良かったなぁと思う。ローリー役のティモシー・シャルメが、今注目の俳優さんだそうで、それもあって地味にロングラン上映しているので、もし良かったらご覧あれ。https://www.storyofmylife.jp/
2020年08月04日
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