秩父ジャスティス
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つい先日、ぶどう峠からぶどう岳に登った。ぶどう峠の頂上には軽トラを置くスペースならあり、駐車は問題ない。ここはバイク乗りのメッカらしく、単独バイカーが登ってきては峠でひと休みし、去って行く光景が何度も繰り返された。ところで以前から、鉄骨の地蔵堂が荒れているのが気になっていたので、山登りの前に仮りの修繕をしてゴミを片付けた。地蔵堂の所有者が誰か分からないのでその程度にしておいて、ぶどう岳に向かう。道の反対側の法面を登った上の笹藪が入口らしい。もの凄い笹藪なのかと思って鉈を持参して行ったのだが、踏み跡はしっかりしているし藪の区間も短いので、草刈りの機会はなかった。笹藪を抜けると普通の西上州の山になる。・・・と言いたいが、ややカヤトが多いところがなんとなく西上州とは違う気もする。下調べによると岩場が4カ所あり巻いて行くとのことだ。実際、短い距離の間に小ピークが実に多い。岩場では踏み跡が薄くややルート探しをしたが、枝稜線はないので、稜線を意識して進めば方角を間違えることは無いだろう。距離的にはさほどでもなく、ぶどう岳に着いた。山頂は岩があり広々としているが、樹林に阻まれ展望はない。山名標識は、木の杭とリョウブの幹とにマジックで「武道岳」と書かれていただけだった。山頂でしばし休んでいると、何と超低空飛行の自衛隊機が3機、山の横を通過して行った。真横に近い。訓練だろうか。「ぶどう峠」という名の由来はあまりはっきりしないらしい。「フド」「ホド」等の古語が元ではないかとか、武道とはあまり関係なさそうなので当て字ではないかとか、ネットでも色々な考察が見られる。しかし自衛隊機を見て思った。たしかぶどう峠は、大正時代に陸軍の演習のため開かれた道で、甲府の山砲大隊が通過したという。武道峠の「武道」とは、剣道や柔道などの武道という意味ではなく、武器を運ぶ道、武装の通る道という意味で「武道」なのではないか。大正は新しい日本語が多く生まれた時期なので、同じ単語でも現在とは意味が違っていることはあり得る。などと考えながら歩いたが、立証できるはずもない。しかし、いにしえの武器の道「武道峠」を、自衛隊という最新の「武」が今も通るとは、いつの時代も戦略の要衝は変わらないのだな、と一人で納得したのだった。
2013.09.19
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