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今回は年金について学んだことをまとめます。
先にまとめです。
◎年金の財源は3種類
◎GPIFは年金積立金を100年運用想定
◎GPIFのアセットアロケーションは資産形成に不向き
■年金給付の現状
2022年度を例に説明します。
2022年度の年金給付額は56兆円です。
56兆円すべてを現役世代の年金保険料で賄っているかと言えばそうではなく、年金の財源は以下の通りです。
(GPIFより引用)
このうち、年金積立金を運用しているのが、 GPIF
です。
年金積立金とは、将来世代の年金給付を補うために使われます。
年金財源全体のうち、積立金からまかなわれるのは約1割です。
上図赤の縦線が2022年付近でしょうか。
2022年度の年金給付額は56兆円なので、1割負担した場合は5.6兆円になりますが、実際は3,800億円と、ずいぶん負担比率は低いものでした。
■GPIFの目的
GPIFの運用目的を定めた法律「○厚生年金保険法第79条の2 (同旨 国民年金法第75条)」では、以下の様に記載されています。
(略)積立金の運用は、積立金が厚生年金保険等の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、 長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、厚生年金保険事業の運営の安定に資すること
この目的を達成するための運用目標は賃金上昇率+1.7%と定めています。
賃金上昇率以上のリターンを運用目標としているということですね。
下図はGPIFが発足してからの名目運用利回りと名目賃金上昇率から求めた実質的な運用利回りの一覧です。
(GPIFより)
最下段、23年間平均の名目運用利回り4.33%は、一見リターンが良いように映ります。
しかし注目すべきは 名目賃金上昇率の低さ
です。
賃金上昇率が低いのであれば、名目運用利回りが少なかったとしても、数値上はプラス成績になりますよね。
現在のアセットアロケーションの賃金上昇率の想定は少なくとも0.09%なんて少ない数値ではないはずです。2~3%だったとしても運用目標は3.7~4.7%になりますから、 老後の資産を形成するためにはリターンが少ない
と思います。
現在のGPIFは運用目標を達成し、極力リスクを抑えたアセットアロケーションになっています。
賃金が今後劇的な上昇を遂げるのかは甚だ疑問なので、 賃金上昇率を目標に入れたアセットアロケーションでは老後の資産形成に向いてない
と思います。
■アセットアロケーションの変遷
今でこそGPIFのアセットアロケーションは国内債券、国内株式、外国債券、外国株式の4資産に25%ずつ分配していますが、GPIFが始まった2001年から、アセットアロケーションは劇的な変化を遂げてます。
(アセットアロケーションの変遷 ※短期資産は国内債券に包む)
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