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「やっぱり、見ないわけにはいかんやろ!」まあ、そう思ってみた映画は 松原文枝監督 のドキュメンタリィー、 「黒川の女たち」 です。
「なかったことにはできない」というこころからの叫びを描くことによって、 日本という国の「戦後」の無責任の構造 をくっきりと描き出しているドキュメンタリィーでした。
彼女たちが生きている間に!という思いで、彼女たちの こころの叫び を伝えたい一心で撮られた作品だと思いました。まず、 松原文枝監督 に 拍手! です。
「戦後」は、本当に終わっているのか? オバーちゃんたち の笑顔が問いかけてくる、 一生をかけた問い に答えるにはどうしたらいいのでしょう。

「民主主義も四民平等も絵に描いた餅じゃないのか!」 で、世間では 「戦後の終焉」 とかが流行り言葉になって40年です。入学式や、卒業式で元気に歌う子供たちの姿も当たり前になりました。式次第をめぐっての議論もありません。でもね、
「私はその歌の伴奏はしません!」 そう、言い続けた 女性 の先生もいらっしゃったのです。
誰が、誰に、何を押し付けたのか。 日本の戦後史 を1945年の 「敗戦」 からたどろうとするときに浮かんでくるのは、東京裁判において。連合国からの戦争犯罪者の断罪があったことについては誰もが知っているわけですが、日本人自身が、自らの 「反省」 の基づいて、自国の戦争責任や戦争犯罪を公的に振り返り、反省したということは、あまり聞いたことがないということです。その結果でしょうか、例えば、本来 「敗戦」 と呼ぶべき事態を 「終戦」 と呼びならわしてきたことに象徴される、実に 無責任極まりない戦後社会 が生まれ、 80年の「平和と繁栄」 を 捏造 し続けてきたわけですね。映画の終わりに、オバーちゃんの一人が口にされた
「平和な時代に生まれたかった。」 という、痛切極まりない言葉を真摯に受け取るために、まず、振り返るべきは、国の名前がかわって80年の歳月がたったわけですが、その社会の底に「君が代は千代に八千代に」が通奏低音として流れ続けていたということを認識することだと、ボクは思います。
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