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「よかったわよ。この監督のもう一本も、どこかでやってるらしいけど、神戸でやるなら教えてね。」
まあ、珍しく絶賛でした。見ないわけにいきませんね。
映画
は パヤル・カパーリヤー
という インドの若い女性監督
の作品らしいですが 「私たちが光と想うすべて」
でした。
はい、ボクもしみじみと納得の 拍手!
でした。
劇場の出口で、チケットを買うときに、いつも、お声を掛けていただく 受付の女性
が笑顔で
「いかがでした?」
「サイコー!サイコー!ええで、この映画。」
「やっぱり!」
「見たん?」
「はい、好みでした。」
「うん、たいそうなことは何にも起こらへんとこがええなあ。」
「???」
「うん、事件らしいこと何もないやろ。三人の女の人の今というか、三人とも、まあ、たとえて言うたらやけど、壁に閉じ込められていて、ブラバさんはその壁を『運命』っていうんやけど、ジワーッとあらがう。で、さみしい、海辺の、海の家のわびしい灯から、だんだんカメラが引いてラストや。アヌさんとシアーズ君の濡れ場も、ボクには余計やったわ。」
「インドの若い女性監督なんですね。フランスで評価されたみたいですよ。」
「ああ、ナルホドな。フランス映画とも違うヨーロッパの映画の空気はあったな。でも、インド映画やな。やっぱり踊ってた。けど、哀しいんやな、今回は。踊ってるの見てて笑われへん。」
舞台になっている インド の ムンバイ という街が、いったいどのあたりにあるのかも、実は知らなかったのですが、インド有数の商業都市の病院で働いている、 20代の看護師のアヌ 、 30代の看護師長ブラバ 、そして病院の食堂で働いている、多分、 50代のパルヴァティ という女性たちの 「光」 を描こうとしている作品でした。
都市と農村、貧困、経済格差、カースト、差別、宗教、そして言葉。
三人の女性
を閉じ込めている 「壁」
です。その社会を生きてきて、とどのつまりのような 壁
にぶち当たり、住むところさえ奪われてしまう パルヴァティさん
。 「運命」
という言葉を あきらめの呪文
のように口にしながら、田舎に帰る パルヴァティさん
を励まし、 若いアヌさんの思い切った行動
に揺さぶられる ブラバさん。
二人の年上の女性の生き方に寄り添いながらも、あくまでも 思い切った行動に出るアヌさん
。
三世代の女性の生き方
それぞれを、 思いやりと敬意をこめて描いている監督パヤル・カパーリヤー
に 拍手!
でした。

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