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で、 TC
についてですが、依存症や犯罪などの問題を抱える人々のために、回復と人間的成長のためのプログラムで、刑務所の中に設置されている TC
では、 「再犯防止に向けた更生のための教育」
として実施されていて、 「回復共同体」
とか、 「治療共同体」
とかとも呼ばれているシステムの総称のようです。
「プリズン・サークル」の4人の主人公は、窃盗、詐欺など、比較的軽い罪を犯して初めて刑務所に入った人たち。中には結果的に被害者が亡くなってしまった「過失致死」や「傷害致死」などのケースもあるけれど、ドラマや映画でよく見る「シリアルキラー=連続殺人犯」見たいなのは含まれていません。まあ、なにをもって罪を「軽い」「重い」と言うのかっていうのは、実はとても難しい問題なのですが。 本書 の中で 彼女自身 がこんなふうに語っていますが、これが 坂上さんの基本トーン ですね。 「プリズン・サークル」 という映画も、このトーンが基調にあった気がします。
主人公たちに共通するのは、いずれは社会復帰するということ。私たちは、犯罪を犯した人もそうでない人も、同じ社会で共存していかなくてはいけない。それでも世間には犯罪を犯した人をひとくくりにして「犯罪者のために税金を使うな!」「更生なんて甘い!」って言う声があふれている。そういうことを言う人たちは、はたして現実を「わかりたい」とおもっているんだろうか、と。
そこで、まず、「わかりたい」と思うるかどうかが鍵だと私は思うんだけど、そう思えるようになるためには、どうしたらいいんだろう?(P28)
私は、 「違いを認めあう」 っていうよりも、違いを認められないこともある、それをわかった上で 「違いに出会うこと」 が大事なんじゃないかと思う。 この本 の、メインテーマというか、読みどころは、ここから始まる 元受刑者たちの発言 であり、それを聴く 若い人たちの反応 なのですが、その前に、 現代という社会 の特質なのか、そもそも、社会というもの本質なのか、子どものころから普通であることを躾けられ、 「いじめダメ!」 とか、 「みんな仲良く!」 とかいう掛け声の中で、 「空気が読めないことの不安」 に怯えながら成長してきたに違いない人たちの口から、 「違いに出会う」ことから疎外されている現実認識 が語られていて、それが、ボクには面白かったですね。
「違いに出会う」 っていうことは、私も思った。私はお兄ちゃん重度の身体障害を持っていたから、多分、世間の多数の人たちとは違う人たちと出会う世界にいるなーということは、早くから意識していた。
あと、大人になると、世界が広まるようで、実は狭くなるなって感じてる。大学に進学しても、まわりは専攻そたいものが同じ人ばかりで、ひとりひとりは違うんだけど、共通点の多い人が集まる。共通点があまりない人と同じくくりの中にいるっていうのは本当に幼い時くらいしかないのかなーって思う。さっき運動会の話が出てたけど、やりたくない人って絶対いるじゃん。高校の時は、違う価値観を持った人が今よりそばにいたなって思いました。
追記
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