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機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 角川コミックス・エース著者/訳者名 : 安彦良和/著 矢立肇/原案 富野由悠季/原案 出版社名 : 角川書店 (ISBN:4-04-713453-8) 発行年月 : 2002年06月 <感想> この作品、連載当初は「テレビ版の焼き直しか?」と正直思ったものですが、話が進むにつれ、それは大きな間違いであったことに気付きました。 この作品は正統なガンダムの歴史を綴った、いわば「新たな金字塔」です。 基本的にはファーストガンダムのストーリーを追って、話は進んでいきますが、テレビアニメでは描けなかった世界観、人物描写、新解釈を独自に加えているところが大きなポイントです。 新キャラも登場し、モビルスーツデザインもけっこう違っているのですが、「ファーストガンダムの世界」を壊さない程度にうまくリアライズしています。 TV版では描かれていなかったいわゆる「裏設定」が丁寧に描かれていく様は感涙モノです。 特にジオン公国の世界はテレビ版ではほとんど描かれることがなかったため、「ジオン・ダイクンとその思想」「独立戦争の意義」というあたりがよく理解できませんでしたが、この作品はそのへんを丁寧に描いていきます。 また単なる「敵役」だったザビ家四兄弟やランバ・ラル達のジオン政変をめぐる若かりし頃のエピソードや、キャスバルとセイラの生い立ちなどはそれだけで一作品ができてしまうほどの濃密さです。 作者の安彦さんはやはり「キャラの人」で、メカもいいんですが、人間ドラマを描かせたらこれほどの作家はなかなかいません。 どうも作画を絵筆一本でしているらしいのですが、その柔らかなタッチで描かれる人物の微妙な表情が実にいいんです。 これほどの人がジオン軍人達の激動の生き様を描くのですから面白くないはずがありません。 TV版ガンダムを観て育った世代ももう大人。 そういう大人に対して「ガンダムとはこういう話だったんだ」と直球を投げつけた本作品は、「ガンダムサーガの補完」というよりも「新たなガンダムサーガ(伝説)」というにふさわしい一作です。 昔の地位に安住せず、この作品の連載をやろうときめた安彦良和は本当に本当に凄い人だと思います。
2005.10.28
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完全版 寄生獣 1 アフタヌーンKCDX著者/訳者名 : 岩明 均 出版社名 : 講談社 (ISBN:4-06-334664-1) <本の内容> 「人生、2度目の衝撃でした」――鶴見俊輔氏(哲学者)、驚愕!!累計部数1000万部の大ベストセラー!カラー原稿を完全カラー収録の完全版!シンイチ…『悪魔』というのを本で調べたが…いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ…他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物。高校生・新一と誤って彼の右手に寄生したミギーは互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物と戦い始めた。<感想> ちょっと古い漫画になってしまいましたが、衝撃作であることには変わりありません。 「右手のみが」寄生生物に乗っ取られるという奇想天外な物語。「乗っ取られた右手」=「ミギー」が、異形の生物ながらだんだん可愛く見えてきて、別れのときには涙するほど悲しくなってしまうのは我ながら意外です。 人間が人間を食べたりするシーンが連発なのでホラー漫画と思いきや、ラストの方までいくと「人間とはなんぞや?」という深い哲学的な思考に行きつきます。 異生物「ミギー」は偏見や先入観のない発想をするので、いわゆる「普通の発想」をぶち壊してくれるのもなかなか痛快です(死んだ牛や豚は食べてもなぜ死んだ人を食ってはいけないのか?等) この作品が漫画としてすばらしいのは、このストーリーが漫画という手段以外では語れないところにあると思います。当然、実写化なんて絶対無理だし、アニメもおそらく難しいでしょう(あまりにグロくて)。小説では異生物の動きの描写がこれほどリアルにできるかどうか。 この作家は特に絵がうまいというわけではないんですが、異生物に乗っ取られた無表情な人間の顔を描かせたらすごいです。これは漫画以外じゃ表現できません。一度読み始めると続きがすごーく気になるし、じっくり読むタイプの漫画じゃないので、漫画喫茶などでイッキ読みをオススメします。
2005.10.26
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鋼の錬金術師 ガンガンコミックス著者/訳者名 : 荒川 弘 / 著 出版社名 : スクウェア・エニックス (ISBN:4-7575-1230-9) <感想> 読んでみた最初の感想は「最近の漫画だなー」ってこと。 専門的なことは詳しくわかりませんが、タッチというか動きというか、最近の漫画は昔と違ってだいぶ進化してきた気がします。 一昔前のジャンプ系の漫画は静止画としては美しいものの、絵の「流れ」にはやや欠けたものでしたが、最近の漫画の絵は「流れ」重視になってきてる気がします。 この「鋼の錬金術師」もまるでアニメのような絵の流れと、シリアスとギャグを織り交ぜながらのストーリーのテンポが絶妙で、ここまで登りつめたのも納得の感があります。 正直、第1巻あたりは独特の世界観がつかめていないこともあり、「凡庸な少年漫画か?」と思ったのも事実ですが、話が進むにつれ世界は広がり、10巻を越えた現在でも、テンションと話の深みは全く落ちていません。 特筆すべきは「錬金術」と「機械鎧(オートメイル)」という独自の世界観を創り出したことで、劇中の世界に深みを出していることです。この作者のメカを描くセンスは卓越したものがあり、とても女性作家とは思えないものがあります。 漫画は世に数あれど、このように新しい独特の作風を作り出しながら、かつ商業的にも成功を納めることができる作家が登場することにまったく驚きます。 この作家は「鋼の~」が初連載というのも驚きなんですが、これからも良作を創り出してくれそうで嬉しい限りです。 この漫画は、おそらく世界に通用するものとして現段階でトップクラスの「少年マンガ」ではないでしょうか。 こういう「職人」チックな作家を産み出す日本はやっぱスゴイです。
2005.10.22
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ガンダムウェポンズ ホビージャパンMOOK 出版社名 : ホビージャパン (ISBN:4-89425-308-9) 価格 : 1,500円 <雑感> ガンダム世代って今の30代くらいの人達を指すんでしょうか。ガンプラブームに小中学生だったくらいの人達。小中学生時代にガンダムにハマった人達が大人になって、購買力を持ちここまでの一大マーケットになるとは、さすがに予想してた人はいないでしょう。 昔、やはり流行った「仮面ライダー」「宇宙戦艦ヤマト」「超時空要塞マクロス」なんてのは現在はそんなにメジャーなマーケットになっていないことを考えると、ガンダムが当時の私達に打ち込んだ「楔」は相当なものであったと考えられます。恐るべし大河原邦男。 それにしても30代半ばを迎えた今、ガンダム関連商品はあふれんばかりに増え、ガンプラも異常な盛りあがりをみせています。(マスターグレード「アッガイ」とか、そこまでしなくていいだろと思う(笑)) うーん、欲しいガンプラ。でもでも「30代の妻子持ちの男が購入して作ってしまっていいのか?」というジレンマがどーしてもあります。 造型レベルも価格も、今や完全に「大人の玩具」と化したガンプラですから、別に購入してもいいんでしょうけど、買ってしまったら「何か一線を越してしまう」気がするんですよ。(まあ個人的な問題なんだけど) で、登場したのがこの「ガンダムウエポンズ」シリーズ。簡単に言うと、プロのモデラーが作ったガンプラやジオラマの写真集なんですが、これが実に良い! 最新のテクでつくったマスターグレードとその装飾にシビれます。 自分で作ってもこれだけのものは作れないし、写真集ならお手軽にパラパラ見れる。ってわけで、今の最大の私の「癒し」はこの写真集です。
2005.10.20
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ケロロ軍曹 1 角川コミックス・エース著者/訳者名 : 吉崎観音/著 出版社名 : 角川書店 (ISBN:4-04-713307-8) 発行年月 : 1999年12月<感想> 「ヲタ」系に人気の漫画という感じでパラパラとめくってみたものの、あまりの面白さに引き込まれました・・・というか自分も充分「ヲタ系」であることを再認識。 「地球を侵略しにやってきたものの、とある家族とその仲間達と仲良くなってしまうケロロ星人(?)のドタバタの日常を描いた漫画」って内容で、設定は「ドラえもん」とか「うる星やつら」みたいな感じになってます。 「ヲタ系に人気」というだけあって、他漫画やアニメのパロディが満載。特に「ドラえもん」「ガンダム」のパロディが濃厚。主人公の趣味がガンプラ(ガンダムのプラモ)製作だったりするし。元ネタがわからない人には意味不明でも、わかる人のツボにはもろハマるという代物です。それもかなりマニアック。 漫画中に平気で「ラルグフ」とかいう単語が出てくる。まさかと思ったら、やはり「ランバ・ラル専用グフMS-07B」のことだった(笑)。ちなみに先行量産タイプを「MS-07A」というらしい(興味のある方は検索を) その他ウケた主人公達のセリフ。「(ガンプラの)量産型は数作らなきゃね」「ドムは3体作らなきゃね」「軍人は「専用」が好き」うーむ、笑える。 ところがヲタ系と馬鹿にするなかれ、そのキャラクターが子供に大ヒット。すでに映画化が決まったようで、アニメや関連グッズもかなり好調の様子。 この調子だと、「ドラえもん」「ピカチュウ」クラスのキャラにまで伸びるのかもしれません。 どうやら「電車男」がこのキャラ好きだったらしく、ブレイクの一要因とか。 「電車男」にしろ「ケロロ軍曹」にしろ、これらのブレイクというのは「オタクのカミングアウトOK」という流れで解釈していいんでしょうか?調子に乗って、「オタクOK」みたいな顔をしてると、どこかでハシゴをはずされそうでかなりコワイ気もします。 オタク話ついでに「軍隊の階級」の話など。「軍曹」という階級がどれくらいエライのか?ってよくわからなかったので調べてみると、軍隊の階級って元帥・大将・中将・少将・准将・大佐・中佐・少佐・大尉・中尉・少尉・准尉・曹長・軍曹・伍長・兵長・上等兵・一等兵・二等兵。という序列だったんですね。 「軍曹」というのは士官と兵卒の中間。小隊(10~20人)の隊長クラスらしいです。 普通、漫画とかアニメで活躍する階級って「大佐」とか「少佐」とかの偉いクラスであることが多いような気がしますが、小隊で「軍曹」とか「伍長」が活躍するという「ケロロ軍曹」はけっこうリアルな作りになってるかもしれません。 ファーストガンダム第1話でサイド7に潜入し、アムロに返り討ちにあった「ジーン」と「スレンダー」は軍曹だったらしいです。この階級にぴったりの任務だったのでは?という気がします。(というかケロロ軍曹ってこの二人のパロディなのか?) ガンダムの軍曹といえば「セイラ・マス」とか「ファ・ユイリイ」も実は軍曹なのでした。 「軍曹」といえば「鬼軍曹」とかのイメージだったので、「昨日まで民間人だった女の子が軍曹ってどうなのよ?」って思ったもんでした。 っていうかなんでミライがいきなり「少尉」なの?・・・ヲタ話が長くなるので今日はここまで。
2005.10.09
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ブラックジャックによろしく 1 モーニングKC著者/訳者名 : 佐藤 秀峰 出版社名 : 講談社 (ISBN:4-06-328825-0) 発行年月 : 2002年06月 価格 : 560円(税込) <本の内容> 超一流の永禄大学付属病院の研修医・斉藤英二郎、月収わずか3万8千円。理想とかけ離れた日本の医療の矛盾に苦悩しつつも、懸命に日々を送る。衝撃の医療ドラマ!<感想> 私が小学3年のとき、同級生がガンで亡くなった。 真面目で優しい子で、ナカムラくんといった。お父さんは確か医者だったと思う。 大人になってから、いとこがガンで亡くなった。結婚したばかりの若い女性だった。その親父さんもガンで亡くなった。 就職してからも職場の人が3人ほど亡くなった。 まわりの人達の死というものが、私の死生観にどこまで影響を与えているのかはわからない。 正直言って「亡くなった人達の身になって考える」ということは難しい。 なぜなら所詮は他人のことであって、その人達の死後も私達は普通に食事をして買い物をしてテレビを見て生活しているからだ。 ただ「亡くなった人達のことを考える」ということはできる。この世の不条理。この世の不公平。 みんな「なぜ私が死ななきゃならないの?」って考えたと思う。「何も悪いことをしていないのに」 そう、この世はおそろしく残酷で不条理で不平等でナンセンスな世界なのだ。「ブラックジャックによろしく」を読んで、感じるのはそういう世界。 生と死を扱う「病院」という、一見理想のシステム化されたかに見える世界で繰り広げられる矛盾と苦悩の連続。 読んでて胸が重苦しくなってくるような話だが、これは病院の中に限った話ではないんだと思う。 高度に情報化され、発達したかに見える今の社会。テレビのバラエティなんか何気なく見ていると、一見理想的なユートピアなったかのように感じてしまうこの社会だが、一皮剥けば当然ながらかかえきれない矛盾と不条理を多く抱えているのだ。 私達はこの残酷で不条理でおかしな社会に今日を生きなきゃならない。みんな隣にいるはずなのに、他人の苦しみ、悲しみを理解できずに。 そしてわかっていながら、私も死ぬときには「なんで私だけが」と思うのだろう。「みんな必ず死ぬ」という事実だけは、真実であるのに。 私が死んだらナカムラくんに会いに行こう。 「いやーまいったまいった。まさか小学3年で死ぬとは思わなかったよ」と言って彼が笑ってくれたら嬉しい。
2005.10.07
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