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「ちょっと車を動かしてもらえませんか?」職場の女の子が近づいてきた。「はいはい、いいですよ!」と僕は、二つ返事で引き受けて、階下の駐車場まで彼女の後を追った。この週末のことだ。その日はあいにく男性陣が出払っており、荷おろしのために車を少しだけ駐車場内で移動させなければいけなかったらしく、珍しく僕に声がかかったのだ。しかし、実際のところこの職場に務めて早三年弱になるが、公用車に接近遭遇したのはこの時が初めての僕だった。そんな公用車は、トヨタのエスティマワゴンであった。近づいたところで「はい、これね!」と手渡された小振りなキーを僕は彼女から受け取り、違和感ない流れでそのボタンを押し、当たり前のようにドアロックは解除され、どっこいしょとドアを開け、よっこらせとイスに腰かけた、そう腰かけたまではヨカッタのだ。事件は、いつも突然にやってくる。この時も、なんの前触れもなくやってきた。信じられるだろうか、なかったのだ、この車にはイグニッションキーの差し込み口が!そして、あわてて手元を確認した僕は、その時初めて握りしめていたキーなるものにも、あの見慣れた金属のギザギザが付いてなかったことに気づいたのだ!嗚呼なんてこったぃ!そうだったんですよ、この公用車って、恐ろしいことに、あの、伝説の乗り物、キーレスイグニッション車だっんです。もうパニック!スマートに車を動かして、なにげに頼りがいがあるトコロを若い女の子に見せようと思っただけなのに、こんなところで奴に出くわすなんて。しかるに口をパクパクさせながら僕は、しばらくコックピットで泡を食っておりました。違ったんですよ、同じ車といっても我が愛車ランボルギーニekワゴンのとあの車のコックピットでは、コマツのパワーシャベルと戦闘メカザブングルほどの違いがあった。正気を取り戻してから僕は、えーい、これかな?テヘヘ、こっちかな?あれれ、サイドミラーも、出ないな、えへへ!と、オタオタを誤魔化す照れ笑いを浮かべながら、それでもやっぱりオタオタしておりました。するとしまいに見かねた女の子が「あのーこれだと思いますよ!」と助手席に乗り込んでエンジンを始動する魔法のスイッチを押してくれ、車は無事起動し、なんとか事なきを得た。まったくもって、かっこ悪いおっさんが一ぴき、醜態を晒すの図。まったくもう、アナログでない車なんて、大っ嫌いだぁ~!
2012.11.24
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その昔、旧友サガワの家に、ものすごく高齢で歯並びが悪く、しかも歯槽膿漏を煩っているヨークシャテリアが居た。遊びに行って家にあがると、とりあえず彼女は喜んで近づいてきてくれるのだけど体力はそこまでで、たちまち僕の足元に場にヘたり込んで、後はもうただひたすら、その歯並びの悪い口元をむき出しにしてハフハフ喘いでいた。そんな彼女の訃報は、確か高校を卒業した頃にサガワから聞いた気がする。抜けた歯の間から、時おり舌が出たり入ったりしていたあの老犬、あれはあれで可愛気があったなぁ・・・そんなおばあちゃんテリアを、昨晩嫁さんの寝顔を見ていて不意に思い出していた。なぜかっていうとね、昨晩の嫁さんの寝顔、明らかに何らかの夢を見ながら、ゆるんだ顔で歯ぎしり歯ぎしり、怯えているのか?笑っているのか?その表情がハフハフの彼女に似ていたのね。歯のかみ合わないおばあちゃん犬の顔を思い出させる嫁さんの寝顔って・・・ふぅ。ちなみに、そののち判明したが、嫁さんはその時夢の中で、損保会社のCMに出てくるているウリ坊のキャラクターに襲われていたらしい。背中に乗られ、駆けあがってくるそのウリ坊を振り落とそうと必死になっていたという。ええ歳こいてどんな夢みとんのや!ウチの嫁さん・・・ふぅ。
2012.11.16
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圧倒的にネコなバスが前方から迫って来た。昨日朝のことだ、通勤途中のことだ!そのネコというのが、いや、バスというのが、どこぞの幼稚園の送迎用のいわゆるスクールバスなんだけどね、そいつが圧倒的にネコなのね。特に正面がもう、さつきとメイが乗った本家ネコバスを彷彿させるくらいの、圧倒的にネコの顔に造形されていて、耳なんかもピーンとそびえ立っている。しかし、残念ながらと言おうか、おそらく幼稚園側がスタジオジブリに配慮したのであろう結果、そのバスのネコの模様が茶トラではなく三毛となっており、なんだかものすごく違和感のある空気を醸し出しながら走っていた。そしてついでに、どうしても気になったことが一つ。その耳は、やっぱ車検の時は外すんですかね?だって絶対にそのままじゃ車検に通らないでしょ、整備不良のステッカーを貼られちゃうでしょ、ねえ園長先生ってば、それともセーフなのかい?
2012.11.10
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