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2022年までに脱原発を決めたドイツに発生する隠れたコストを明らかにする研究結果が発表されました。脱原発によって急増するCO2排出量と社会的費用の「致命的な誤算」を指摘するこの結果は、原子力エネルギーの行く末が混迷を極める米国に大きな教訓をもたらしそうだ、と、報じられています。2019年に停止されたフィリップスブルク原発は、この10年にドイツで廃止された11番目の原子力施設です。ドイツで稼働中の残り6基の原子炉も、2022年末までに停止される予定です。ドイツで、脱原発の動きが明確になったのは、1980年代半ばに発生したチェルノブイリ原発の事故後、ドイツ上空に放射能雲が流れ込んだことがきっかけといわれています。ところが、非営利団体の全米経済研究所(NBER)が2019年12月に発表した研究結果によると、ドイツの脱原発という判断は、多額の出費を伴う致命的な欠陥があった可能性が指摘されています。経済学者はドイツの脱原発にかかる隠れた費用を明らかにすべく、2001年から2017年にかけて収集された大量のデータを分析しました。この結果、カリフォルニア大学バークレー校、サンタバーバラ校、カーネギーメロン大学の研究者たちは、原子力発電の大半が石炭火力発電所からの電力に置き変わったことで、CO2排出量が年間3,600万トン、すなわち約5パーセント増加したことを突き止めました。さらに悲惨なことに、石炭燃焼量の増加によって、発電所の周辺で粒子汚染の悪化や二酸化硫黄排出量の増加が生じ、呼吸器や循環器の疾患による死者が年間1,100人増加することも推測しています。また、CO2排出量と死亡者数の増加に伴う社会的費用は、総計で年間約120億ドル(約1兆3,000億円)に相当するとしています。この研究論文によって、メルトダウンのリスクや放射性廃棄物の処理コストを考慮しても、脱原発には原発を稼働させておくためにかかる費用を数十億ドルも上回るコストが発生することが明らかになりました。どんなものにも、メリットとデメリットがあります。原発を頭から悪者と決めつけず、冷静に、客観的に評価を下す必要があると思います。
2020.04.02
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国連(UN)の気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が2日、スペインの首都マドリードで開幕しました。アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は最初の会合で、人類は文明を脅かす気候危機に直面し、希望か降伏のいずれかを選択しなければならないと述べました。
2019.12.03
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福岡市内で大気中からマイクロプラスチック福岡工業大の研究グループが福岡市内で採取した大気から、微細なマイクロプラスチックを検出しました。プラスチックは海洋汚染が世界的な問題になっていますが、研究グループは、空気にも微小なものが含まれ、地球規模で移動しているとみて調査を進めています。福工大の研究グループは今年3~9月、福岡市市東区のキャンパスの屋上で空気や雨を採取し、電子顕微鏡や、光を当てて素材を調べる機器などで分析したところ、大きさが数十~数百マイクロメートルのポリエチレンやポリプロピレンを見つけたそうです。海で見つかる大きさが5ミリ以下のマイクロプラスチックよりも、さらに小さいサイズです。九州の山で採取した樹氷の分析結果からも、マイクロプラスチックとみられる物質が見つかっているという。
2019.11.22
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佐賀市東与賀町の有明海沿岸に群生し、「海の紅葉」と呼ばれるシチメンソウが壊滅的な状況だそうです。昨年の立ち枯れで種が育たず、地元住民らが種まきや移植で再生を試みましたが、一帯のほとんどで干潟の泥しか確認できていないそうです。恒例の「シチメンソウまつり」は規模は一部縮小するとしています。シチメンソウは塩生植物の一年草で高さ約20~40センチに成長します。沿岸の群生地(延長約1.6キロ)は例年秋に赤く色づきますが、昨年は10月に立ち枯れが発生しました。住民や市は冬に種をまき、今年6、7月には生育が順調なシチメンソウを群生地に移植しました。しかし、定着せず、管理する市によると「全体で例年の2割弱しか咲いていない」としています。原因は不明です。台風でごみが沿岸に打ち寄せたことや、川から流れ出た泥が沿岸に堆積して海水が群生地に十分に入らなくなったことなどが考えられていますが、咲いている場所も一部あることから、複数の要因があるようです。佐賀市は佐賀大に調査を依頼しています。11月2~4日に「シチメンソウまつり」を開く実行委員会は10月2日の会合で、例年実施しているライトアップの期間短縮や、再生の取り組みを紹介することなどを確認したそうです。
2019.10.05
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ノルウェーの首都オスロ市当局が、二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに95%削減するとの目標を掲げました。レイモン・ヨハンセン市長が9日、発表しました。大胆なCO2削減プランは自治体選挙を1カ月後に控える中で発表されたものですが、市議会の与党連合はコストの概算については明らかにしていません。95%削減という目標は、同市のCO2排出量に関するノルウェー環境庁のデータベースで最大限さかのぼることが可能な2009年の排出量と比較したものだそうです。今年の「欧州グリーン首都」に選ばれているオスロ市は目標達成のため、市内全ての自動車をゼロエミッション車とすることを目指す他、自転車・歩行者用のレーンの設置および公共交通機関に力を入れ、自動車の交通量を2015年比で3分の1減少させたいとしています。また、このプロジェクトの成功は、オスロのクレムストルードごみ焼却施設で導入が予定されている二酸化炭素の回収・貯留システムに依存する部分もあるとしています。西欧最大の産油国であるノルウェーは、すでに1人当たりの電気自動車台数が世界トップクラスとなっています。さらに、2025年以降に販売される新車全てが、ゼロエミッション車とすべきする国家目標も掲げられています。
2019.08.11
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米国の首都ワシントンを流れるポトマック川(Potomac River)で21日、厳しい熱波により34.3℃という観測史上最も高い水温が記録されました。米地質調査所(USGS)によると、21日に首都ワシントンの上流にある早瀬、リトルフォールズの近くで、岸から約1.2メートル離れた水面と川底の中間付近の深さの水温が、従来の記録より約0.3℃高い34.3℃を記録しました。記録が取られ始めたのは2007年からで、これまでの最高は2011年と2012年の夏に記録されていた34.0℃です。米国では先週末、ニューヨークやフィラデルフィア、ワシントンなどの主要都市で気温が38℃程度まで上がる猛暑となりました。米国のメディアによると、この熱波により、20日にワシントン郊外の登山道で意識不明で発見されたハイカーや、メリーランド州で死亡した2人など、少なくとも6人が死亡しているそうです。
2019.07.25
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絶滅や絶滅の恐れのある生物種を国際自然保護連合が評価するレッドリストの最新版が公表されました。2010年に山梨県で生息が確認されたクニマスが「野生絶滅」に分類されたほか、ゲンゴロウブナなど国内に生息する淡水魚25種が新たに絶滅危惧種に指定されました。クニマスは秋田県・田沢湖の固有種で絶滅したとされましたが、山梨県・西湖で約70年ぶりに確認され、田沢湖から移された卵が元になって繁殖したと考えられています。IUCNは今回、水族館など人が介在することでしか生存しない「野生絶滅」と判断しました。環境省も2013年に「野生絶滅」と評価しています。さらに、タンゴスジシマドジョウやウラウチイソハゼなどを新たに絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧ⅠA類」に分類しました。ホンモロコやビワヨシノボリなどを次にリスクの高い「絶滅危惧ⅠB類」と評価しています。IUCNは「日本の固有淡水魚の多くが絶滅の危機にある。河川の汚染やダム建設などが大きな影響を与え、外来種による捕食が拍車をかけている」と指摘しています。複数の深海生物も新たに絶滅危惧種に指定されました。インド洋の深海底に生息する巻き貝「スケーリーフット」を「ⅠB類」に分類。この貝は鉄分を取り込み「硫化鉄のウロコをまとう生物」として知られ、熱水が噴き出す海底でしか生息が確認されていません。このような海域では海底資源の採掘が計画されており、IUCNは「採掘が認められれば生息地が破壊される」と懸念しています。
2019.07.24
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草を食べるウシは、草の繊維質を複雑な消化器系を使って分解することで、炭水化物を得ています。この消化の過程で生じるガスが、温室効果ガスとしても知られる大量のメタンです。EPA(米環境保護庁)の推定では、米国が排出するメタンの約25%がウシによるものだそうです。メタンが大気中にとどまる時間は二酸化炭素より短いものの、その温室効果は二酸化炭素に比べてはるかに高いとされています。気候変動の影響を軽減しようとするなら、メタンの排出量を減らすことは重要な目標となります。学術誌「Science Advances」に発表された研究で、ウシを選択的に交配することで、ウシから排出されるメタンを削減できる可能性が示されました。この研究によれば、ウシの腸内にはメタンを生産する微生物がいて、その多くが代々受け継がれているそうです。つまり、メタンを生成する微生物が活発にならないような遺伝的形質をもつウシに改良していけば、「環境に優しい」ウシが増えるというものです。世界では、牛肉や乳製品の消費は過去10年連続で増えており、多くの国が人口増加に見合う食料を確保しつつ、温室効果ガスの排出量を削減しようとしています。それだけに、今回の研究に科学者は期待が寄せられています。
2019.07.08
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世界の炭素排出量は2018年に2.0%増加し、2010~2011年以降で最高の増加率となったことが、英石油大手BPの調査で明らかになったそうです。この傾向についてBPは「持続不可能だ」と指摘しています。エネルギー業界の基準とされている報告書「BP世界エネルギー統計(BP Statistical Review of World Energy)」には、世界各国の石油埋蔵量や再生可能エネルギーの供給量、各種消費率などあらゆる情報が集積されています。今回発表された報告書では、世界のエネルギー需要が2.9%増加したことが明らかになりましたが、需要増加分の一部は急成長する米国のシェールガス開発によるとしています。また、米国の石油と天然ガスの生産量の増加率が世界で最も高かったそうです。英国の気候変動に関する最高諮問機関は、この期限を欧州の一部政府が定める2050年とするよう政府に提言しています。一方、米連邦議会の進歩主義者らは、米国の期限を2030年にするよう強く求めていますが、専門家の多くは、そのような目標は達成不可能であり、達成するには法外な費用が発生するとのしてきもあります。再生可能エネルギーの利用は2018年に14.5%増加しました。しかし、2018年の発電量の増加分全体に占める割合は3分の1にすぎないこともBPの報告書にはあります。
2019.06.17
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国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、各国の温室効果ガス排出量を算定するための新たな指針を公表しました。その内容は、京都市で開かれていた総会で採択されました。2020年以降の地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の実現に向けて、世界各国の温室ガス削減量をより正確に把握し、「見える化」するための共通ルールとなります。新指針では、温室ガス排出量を正確に把握するため、日本が得意とする人工衛星を活用した手法が盛り込まれました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)などが打ち上げた温室ガス観測技術衛星も紹介されたそうです。日本政府は、6月末に大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に向け、温暖化対策への積極姿勢や貢献のアピールにつなげたい考えです。現在、各国は主に2006年に策定された指針に基づき、温室ガスの排出量を算定しています。統計データなどを基に、主要な温室ガスである二酸化炭素やメタンガスの排出量を推計するといった手法です。ただ、発展途上国などでは推計に用いる統計データが不十分な場合があるため新指針は、衛星を活用して得られた数値と推計値を比較することで、途上国でも客観的に排出量を把握できるようにしました。
2019.05.14
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温室効果ガスの排出に歯止めがかからない状況が続けば、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産の氷河の半数近くが、今世紀末までに消失するとの研究報告書が発表されました。国際自然保護連合(IUCN)は、氷河が存在する世界遺産46カ所を調べましたが、この中には、スイス・アルプス山脈のアレッチ氷河やデンマーク領グリーンランドのヤコブスハブン氷河、ヒマラヤ山脈のクーンブ氷河などが含まれています。IUCNによると、報告書の執筆者らは各種データと高度モデリングを用い、高排出シナリオに基づくと、現在氷河が存在する自然世界遺産46カ所のうち21カ所で、2100年までに氷河が消滅すると予測しました。高排出シナリオとは、2015年に採択された地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で掲げられた温室効果ガス排出量の削減目標が達成されていない現状を意味しています。氷河の消滅が最も深刻だと考えられる世界遺産は、アルゼンチンのロス・グラシアレス国立公園、米国とカナダにまたがるウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園だそうです。また、ピレネー山脈ペルデュ山にある小規模の氷河は2040年までに消滅する可能性があるとしています。また、たとえ各国がパリ協定の目標を達成したとしても、今回分析対象となった世界遺産46カ所のうち8カ所で2100年までに氷河が消失すると、IUCNはみています。IUCNは「レッドリスト(絶滅危惧種リスト)」の作成で知られていますが今回初めて、世界遺産46カ所に存在する1万9000の氷河のリストを作成しました。
2019.05.03
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環境省は、2017年度に国内で排出した温室効果ガスの総量が、二酸化炭素(CO2)換算で前年度比1.2%減の12億9200万トンだったとの確定値を発表しました。4年連続の減少ですが、エアコンや冷蔵庫の冷媒に使われる代替フロンの回収が進まず、政府が掲げる削減目標にはまだ開きがあります。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、日本は30年度に2013年度(14億1000万トン)比で26%排出削減する目標を掲げています。しかし、2017年度の排出量は2013年度比で8.4%減にとどまっています。環境省によると、再生可能エネルギーの普及や省エネなどでエネルギー起源のCO2排出は減少傾向ですが、温室効果がCO2に比べはるかに高い代替フロン「ハイドロフルオロカーボン(HFC)」の排出が増え続けています。政府は代替フロンを正しく回収しない場合の罰則適用を厳格化するフロン排出抑制法改正案を今国会に提出しています。
2019.04.19
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国連の世界気象機関(WMO)は、世界の気候に関する年次報告書を発表し、2018年の海水温が観測史上最高を記録したことを明らかにしました。地球温暖化が海洋生物に与える脅威をめぐり、新たな懸念を引き起こす内容となっています。WMOは先に公表した同報告書の暫定版で、直近4年間の地球の表面温度が史上最高を記録したと発表していました。今回の最終報告書ではこの記録が再確認されたとともに、表面温度以外の気候指標でも憂慮すべき傾向がみられることが浮き彫りとなった、と、報じられています。
2019.03.29
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国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、地球温暖化の影響で早ければ2030年にも産業革命前からの平均気温上昇が1.5度に達し、サンゴ礁の大部分が死滅するなど地球環境の悪化が進むと予測した特別報告書を公表しました。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」で目標とした2度上昇に比べ、海面上昇のリスクにさらされる人々を1000万人ほど減らせるなど、1.5度上昇に抑えることで被害を軽減できる可能性も示しました。IPCCが2013年に公表した第5次評価報告書などによると、化石燃料を燃やすなど人為的な温室効果ガス排出などにより、地球の平均気温は既に約1度上昇したと推測されています。今月初めに韓国・仁川で開催されたIPCC総会で承認された報告書の要約によると、このまま温暖化が進めば2030~2052年の間に1.5度を超える可能性が高いと結論付けました。気温上昇を1.5度に抑えるために、人為的な二酸化炭素(CO2)の排出量を10年比で30年には45%減らし、50年ごろには実質ゼロにする「脱炭素化」の必要性を強く指摘しました。それでも一時的には1.5度を超える可能性があるもののが、積極的な植林やCO2の地下貯留技術などで、温度上昇を抑制することも可能だとしています。このほか、2100年までの約100年間の地球の平均海面上昇は、気温が1.5度上昇する場合には26~77cmと予測され、これは2度の場合より4~16cm低いものです。2度上昇する場合、夏の北極海で海水が凍結しない頻度が10年に1度としたのに対し、1.5度上昇では100年に1度ほどにとどまるとしました。
2018.10.12
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世界自然保護基金(WWF)オーストラリア支部などは、調査報告書を公表し、豪東部ニューサウスウェールズ州でコアラの生息する森林の伐採が加速し、現在のペースで伐採が進めば同州では2050年にも自然界からコアラがいなくなる恐れがあると警告しました。コアラが多く生息する州北部を撮影した衛星写真を分析した結果、森林伐採がこの1年で約3倍に加速したことが判明したそうです。コアラが生息する森林は計5246ヘクタールが消滅し、1日当たりでは東京ドーム約3個分に相当する14ヘクタールに達します。WWFは2017年8月に、原生植物に関する法律が撤廃されたことが主因と分析しています。ニューサウスウェールズ州内のコアラは推計2万匹以下で、「自然界にコアラを生かせておきたいなら、過剰な伐採をやめる必要がある」と訴えています。
2018.09.08
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環境省は来年度から、植物が原料のバイオプラスチックの普及を後押しする事業を始めるそうです。石油原料のプラスチック製品を代替する日用品を作る企業などに補助金を出します。環境汚染の原因になる使い捨てプラスチック製品について、世界で使用をやめる動きが広がる中、国主導で代替品を広げる考えです。米コーヒーチェーン大手スターバックスは2020年までに、全世界の店舗でプラスチック製ストローの使用停止を決定しました。ファミリーレストラン「ガスト」も年内に廃止することを発表するなど、国内外で使い捨てプラスチック製品の使用をやめようという動きが広がっています。こうしたプラスチック製品が海や川に出ると自然に分解せず、生態系に悪影響を及ぼすほか、燃やせば地球温暖化を促進する二酸化炭素が増えるなどの問題点があるため、としています。
2018.09.05
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三重県企業庁が運営するごみ固形燃料(RDF)焼却・発電事業について、事業に参加する市町などでつくる県RDF運営協議会は、2021年3月に予定していた事業終了を2019年9月に前倒しすることを決めました。「夢のリサイクル発電」として2002年に始まったRDF発電事業は、約17年間で幕を閉じることになります。RDF焼却・発電事業については、桑名市などで構成する「桑名広域清掃事業組合」が昨年4月、現在整備中の新ごみ処理施設の完成見込みが早まったことなどを理由に、2019年中のRDFの製造と発電所への搬入停止を表明しました。伊賀市も、民間にごみ処理を委託するとして、停止の意向を示していました。組合によると、新施設でごみを焼却すれば、現在に比べて処理費用が79.7%削減できる見込みだそうです。千葉県の試算では、組合と伊賀市が事業から撤退した場合、RDFの搬入量は約8割減少することが判明しました。発電事業の継続が困難となる一方で、他の参加自治体については、可燃ごみの処理手段を確保する必要があるため、協議会は事業終了を前倒しした場合の影響と対応について検討してきましたが、一応の見通しが立ったようです。
2018.07.30
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世界気象機関(WMO)は、今月に入り北半球の各地で極端に多い降雨量や高温を伴う異常気象が頻発していると発表しました。西日本を襲った豪雨の被害を異常気象の代表例として筆頭に取り上げ、「台風7号による湿った空気が、停滞する梅雨前線に向かって大量に流れ込んだことが原因」との見方を示しました。北半球で記録的な豪雨や極端な高温を伴う異常気象が相次いで観測されていると指摘しています。日本以外では、米カリフォルニア州のデスバレー国立公園で今月8日、52度に達し、今月に入りカリフォルニア州の4カ所で45度以上の高温を記録しました。北アフリカのアルジェリアでは、サハラ砂漠で今月5日に過去最高となる51度まで上昇し、さらに北欧で高温による干ばつが起きていることも示しました。異常気象は、単に気温が上昇するだけでなく、雨の降る地域や量が大きく変わってきます。それによって甚大な災害につながる可能性があります。忘れたころに大災害とならないよう、心の準備もしておく必要がありそうです。
2018.07.13
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岡山市南区と玉野市にまたがる児島湖の水質改善につなげようと、貝殻を使った魚礁を沈め、テナガエビを増やす実験を始めました。テナガエビは水が茶色く濁って見える原因の動植物プランクトンを餌とし、体内に有機物を蓄えますが、護岸工事などの影響で漁獲量が減っています。実験は「児島湖ブルーの復活」と銘打ち、魚礁を定期的に引き揚げて生息数や体長を調べるなどし、繁殖によって湖の透明度を上げたいとしています。1キロ当たり2000~4000円で取引されるテナガエビは、児島湖ではピークの1981年度にはエビ類の漁獲高が年間約13トンあったそうですが、昨年度は約3トンにまで減っています。もともとは湾で、海水と淡水が混じり合う汽水域でしたが、農業用水の確保や高潮防止対策などで1959年に湾口をせき止め、国内初の人造湖となったことや、護岸工事などですみかがなくなったことが減少の理由とみられています。水質の汚染度を示す化学的酸素要求量(COD)は、プランクトンの繁殖に加え、生活排水や工場排水が流入した影響で、20年前の1998年度には全国の湖沼でワースト3となる1L当たり12mgを記録しました。下水道の整備や排水規制で改善し、近年は7~8mg台で推移しているものの、環境基準(1L当たり5mg)は達成できておらず、2016年度は10番目の悪さだったそうです。そこでプランクトンを食べるテナガエビに着目しました。テナガエビはプランクトンの栄養源になる窒素やリンなどの有機物も体に蓄えるため、魚礁を沈め、産卵などで生息数が増えてから捕獲すれば、有機物を湖の外に持ち出すことになり、さらなる水質の改善につながるとみられています。また、高級食材の漁獲量アップによる児島湖の知名度向上も期待されています。
2018.07.05
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政府は、日常生活で大量に出るプラスチックごみの大幅削減を目指す「プラスチック資源循環戦略」の策定に乗り出すそうです。リサイクルするだけでなく、プラスチック製品の使用量自体を減らそうという動きが世界的に進んでおり、政府はレジ袋などの使い捨てプラスチックの使用量削減を図りたい考えです。政府は今夏にも、環境省や経済産業省などの関係省庁、産業界、有識者らが参加する審議会を設置して議論を始め、今年度中の戦略策定を目指す、としています。この戦略では、レジ袋や食品トレーなどプラスチック容器・包装の削減、使用済みプラスチック資源の効率的な回収・再利用、石油ではなく植物素材由来の「バイオプラスチック」の普及、を狙うそうです。資源の有効活用の面だけでなく、海のプラスチックごみなどの問題もあり不要なものは使わない、という姿勢は正しいと思います。ただし、本当に環境に有効なのか、環境保全に有効だとしてもどのぐらい有効なのか、という視点は忘れてはならないと思います。
2018.05.29
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米カリフォルニア大スクリプス海洋研究所は、ハワイのマウナロア観測所で測定している大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度が、4月の平均で410.31ppm(約0.041%)を記録したと発表した。月平均で410ppmを超えるのは初めてです。マウナロア観測所が継続的な測定を始めた1958年時点では315ppmでしたが、60年間で約3割増となったことになります。
2018.05.10
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温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を踏まえ、国が二酸化炭素(CO2)を地中深くに埋めるCCS(二酸化炭素回収貯留)施設の建設予定地の選定を本格化させています。石川、秋田県沖など10カ所程度で海底や地下の地質調査をしており、2021年頃をめどに建設予定地を3カ所程度に絞り込む方針だそうです。2020年までに国内のCCS技術の確立を目指すとしています。パリ協定に基づき、日本は2030年度までにCO2排出量を2013年度比で26%(約3億6600万トン)減らし、2050年までに80%削減する目標を掲げていまs。地球環境産業技術研究機構の試算によると、CCSによる国内のCO2貯留可能量は約1480億トンで、国はCCSが目標達成の切り札になると位置付けています。
2018.04.08
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今世紀後半に世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロにするというパリ協定の目標を達成しても、2300年に世界の海面は20世紀末と比べて最大1.2m上昇するとの試算結果を、独ポツダム気候影響研究所などの国際研究チームが発表しました。研究チームは「長期の海面上昇リスクを減らすには当面の排出削減が重要だ」と指摘しています。研究チームは、パリ協定の目標を達成するには、遅くとも2035年までに排出量が減少に転じる必要があると仮定しました。その時期によって海面の高さがどう変わるかを予測しました。2035年に減少に転じた場合、海面は最大1.2メートル上昇しますが、2020年に減り始めれば上昇幅は70cmに抑えられるとしています。いずれの場合も、気温上昇が止まった後も海水温の上昇や氷河の融解などが続き、海面は2300年まで上昇し続ける結果になったそうです。温暖化対策に猶予はない、といえそうです。
2018.03.08
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北極は今、1日24時間太陽が昇らない極夜の闇に包まれています。ところがデンマーク気象庁によると、気温は今週に入って零度を超え、冬としては観測史上最高を記録しています。世界最北の陸地にあるモリスジェサップ岬測候所の観測では、グリーンランド東部と北極中部の2月の平均気温は、平年を約15度上回ったそうです。デンマーク気象庁によれば、北極の気温は数十年前から上昇を続けていて、ここ数年は特に極端な変化が起きているそうです。過去20年の間に2月の気温が零度を超えたのは、2011年と2017年、今年の3回のみでした。特に今月のような異常な暖かさは前例がなく、過去最長の9日連続で零度を上回る状況が続いているそうです。原因は、北極の「熱波」の原因は、南からの暖かい風と海氷の後退、海面の上昇と温暖化にあるとみられています。北極に流れ込む暖かい風は、例年であれば海氷によって冷却されますが、海氷が後退したために南風が暖かいまま北上を続けています。海面の上昇と温暖化も続いているため、暖かい風は北極海を覆い、北極点に達しています。北極の異常気象は悪循環を生み、欧州全土やアラスカにも影響が及んでいます。アラスカのダイオミード島は、例年であれば2月は海氷が押し寄せる季節ですが、今年は流氷に代わって波が海岸に打ち寄せ、沿岸部の地形も変化しています。2017年は観測史上初めて、アラスカ沖の海上で海氷が1度も観測されなかったそうです。1月~2月にかけての北極の海氷は、1980年以来、縮小を続けています。米国立雪氷データセンターによると、2018年1月から2月にかけては記録的な激減が観測され、昨年の海氷減少は過去最悪だったそうです。一方、北極の温暖化とは対照的に、欧州は異例の寒波に襲われています。「東から来た野獣」と呼ばれるこの寒波は、シベリアからの寒気が欧州全土を覆ったことによるものです。これは、北極の寒気が通常停滞している場所から押し流されたと考えられています。この寒気が、イタリア・ローマのように通常は温暖な場所にも異例の積雪をもたらしました。北極は地球の空調装置の役割を果たし、中緯度地域の気温調節や気象パターンの調節を担っています。そのバランスが崩れれば、異常気象が発生する恐れがあります。
2018.03.03
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環境省などは、地球温暖化による気候変動がもたらす国内の影響についてまとめた報告書を公表しました。21世紀末の日本の平均気温は20世紀末と比べて最大5.4度上昇。地域によっては熱中症による搬送者数が倍増し、農業や漁業にも様々な影響が出ると予測しています。報告書の策定は、2013年以来5年ぶり。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が科学的知見をまとめた第5次評価報告書(2013~2014年に公表)を基に、国立環境研究所などが行った研究結果をまとめたものです。対策が進まずに温暖化が最も進行した場合、2031~2050年に関東・北陸以北で搬送される熱中症の患者は、1981~2000年の2倍以上になると予測しました。米の収穫量は、北日本などで増加が見込まれる一方、関東以西の平野部などでは減少すると予測しています。ミカンやブドウ、リンゴなど果物の栽培に適した地域も変わっていくとしています。
2018.02.21
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ウェザーニューズは、エネルギー企業とそのサービス事業者、およびIoTプラットフォーム事業者に向けて、最新の物理気象学に基づいた日本初の太陽光発電量予測技術、および日射量予測技術を活用したサービス「新太陽光発電量予測」の販売を開始したそうです。ウェザーニューズが販売する「新太陽光発電量予測」は、太陽放射コンソーシアムで培われたビッグデータ解析と予測技術を用いて、雲による光の散乱・吸収も考慮した太陽光発電量予測および日射量予測を、1kmメッシュの高解像度でリアルタイムに提供するものです。このサービスでは、雲に含まれる雲粒子・大気汚染物質・黄砂などによる光の吸収・散乱を考慮した日射量の解析実況値を、特定の観測地点の統計値に依存せず、"面"的に予測に取り込むことで、太陽光発電量予測における「最大の不確定要素である雲粒子による太陽光の散乱・吸収が考慮されない」、および「回帰分析モデルの入力情報には観測地点からの"点"の観測データが用いられる」というふたつの課題を解決する、としています。雲解析アルゴリズムによる解析実況値の精度が実用化レベルまで向上し、太陽光発電施設で行った試験では、モデルによる推定発電量と実際の発電量が良い相関を示すことを確認したそうです。ウェザーニューズは、日本で初めての物理学的な解析技術に基づいた日射量予測の実用化および太陽光発電量予測を1kmメッシュの高解像度、リアルタイムでの提供を開始しています。ビッグデータとか、IoTとか、はやりの言葉が並んでいますが、内容は、結構地に足のついたもののようです。
2018.02.10
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NASA(米航空宇宙局)は、南極上空のオゾン層の破壊が改善する傾向にあることを、直接観測で初めて確かめたと発表しました。NASAは、オゾン層を破壊するフロンを規制するために1989年に発効したモントリオール議定書の効果が表れたとしています。大気中のフロンが分解すると塩素が生まれ、塩素はオゾン層を破壊するとされてきました。研究チームはNASAの衛星が2005~2016年に観測した南極上空のデータを分析し、塩素のレベルが1年あたり0.8%の比率で減っていることがわかったそうです。オゾン層が破壊されてできる「オゾンホール」の状況は、南極上空の気象条件にも左右されます。そこで気象条件に影響されにくい冬で比べたところ、観測当初に比べ、破壊されるオゾンの量も約20%減ったとしています。
2018.01.10
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環境省は、地球温暖化の影響で異常気象が増えたり、農作物に被害が出たりすることへの対応を強化するための新法の法案を、来年の通常国会に提出する方針を決めたそうです。日本全体で取り組む行動計画の策定を政府に義務付け、地方自治体にも策定を促す、としています。温暖化の影響を受けやすい途上国に対する支援の推進も盛り込む予定だそうです。強力な台風や洪水に備えたインフラ(社会基盤)整備、高温に強い農作物の品種改良のように温暖化の影響を軽減するための対応策は「適応」と呼ばれます。政府は2015年に「適応計画」を閣議決定しましたが、地方自治体の計画策定について明確な規定がなく、「適応」に特化した計画の策定がほとんど進まなかったため、新法を制定して策定の努力規定を盛り込むことにしたそうです。温暖化防止に、日本としてなかなかリーダーシップが取れていませんが、せめて国内、および途上国での温暖化対策で、実績を積んでほしいと思います。
2017.12.20
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各国の政府や環境団体などで作る「国際自然保護連合」(IUCN)は、絶滅の恐れがある野生生物を分類した最新の「レッドリスト」を公表しました。今回の改定で、日本固有の爬虫類の大半にあたる46種のうち、15種が絶滅危惧種に分類されました。農地開発や市街地化で、生息域の分断が進んでいるほか、ペット用の捕獲や外来動物による捕食が減少の主要因になっているとしています。15種のうち、沖縄県の伊平屋島に生息する「イヘヤトカゲモドキ」、久米島に生息する「クメトカゲモドキ」と「キクザトサワヘビ」の3種は、絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧1A類」に分類されました。IUCNのジェーン・スマート生物多様性保全局長は、「日本の生物多様性を守る取り組みは十分とは言えない。行政当局や地域住民が現状を正しく認識し、より有効な対策が取られることを期待する」とコメントしています。
2017.12.06
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日本政府が、2019年5月に予定されている国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第49回総会を誘致する方針を固めたそうです。中川環境相がドイツ・ボンで開催中の気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)に出席し、誘致の意向を表明する見通しです。米国が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を表明する中、気候変動対策で主導権を発揮する狙いがあります。誘致先の都市は未定ですが、IPCC総会が国内で開催されれば、2014年に横浜市で開かれて以来、2度目となります。IPCCは世界中の科学者や政府関係者が集まり、地球温暖化の最新の動向を評価する機関です。2019年
2017.11.15
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インドの首都ニューデリーで大気汚染が深刻化しています。デリー首都圏政府は域内の全学校を一時休校とし、自家用車の走行も規制しています。ニューデリー市内は濃いスモッグがたちこめ、数百メートル先の建物が見えなくなるほど視界が悪化したそうです。地元テレビは「殺人大気」「市内がガス室に」などと報じました。ニューデリーの大気汚染は車の排ガスや焼き畑などの影響で世界最悪レベルとされ、空気が滞留しやすい秋から冬にかけて特に深刻化します。8日には、発がん性のある微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が1立方メートルあたり最大で1000μgを記録した地点があったそうです。ちなみに日本では、不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ控えるという警戒レベルは、1立方メートル当たり70μgです。
2017.11.14
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NASA(米航空宇宙局)は、南極上空のオゾン層が減少する「オゾンホール」の今年のピーク時の面積が過去29年で最も小さかったと発表しました。成層圏の温度が平年よりも高く、オゾンが分解されにくかったためとみられるとしています。NASAによると、今年は9月11日にオゾンホールが最大となるピークを迎えました。この時のオゾンホールの面積は約1960万平方kmで、1988年の約1380万平方kmの後では最小となりました。観測史上最大を記録した2000年の2990万平方kmに比べると3分の2の大きさですが、NASAは「気象条件によるもので、急激な回復を示しているわけではない」とコメントしています。
2017.11.12
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米環境保護局(EPA)などは、「20世紀半ばからの気温上昇は、人間活動による温室効果ガスが主因である可能性が極めて高い」とする報告書を発表しました。トランプ大統領が温暖化を抑止するための国際条約「パリ協定」からの離脱を表明して以降、米政府が初めてまとめた温暖化に関する科学的な報告書で、人為的な温暖化が認められたことになります。報告書はほぼ4年ごとに米政権が気候変動に関する最新の状況を包括的にまとめるもので、4回目の今回はEPAや米航空宇宙局(NASA)など13省庁が協力しました。報告書は、20世紀初めから世界の気温が約1度上昇していると指摘し、「(二酸化炭素などの温室効果ガス以外に)説得力のあるほかの要因はない」と結論づけています。温暖化対策に消極的なトランプ大統領の政策に影響を与える可能性があるでしょうか。
2017.11.09
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1950年代以降、世界中で発生したプラスチックごみが63億トンにのぼり、うち49億トンは処分場や自然環境中にごみとして蓄積しているとの推計を、米カリフォルニア大サンタバーバラ校などの研究チームがまとめました。蓄積量は2050年には120億トンに達する可能性があるとしています。プラスチックの大量生産が始まった1950年代以降の生産量や廃棄量などを各国の統計データをもとに推計した結果、生産量は83億トンで、ごみの量は63億トンと推定されました。ごみのうち8億トンは焼却され、6億トンがリサイクルされた、とみられています。環境中に残ったとみられる49億トンは、「東京スカイツリー(鉄骨部分)の重さに換算すると約14万個分にあたる」と、報じられていますが、いまいちピンとこないたとえですね。プラスチックは環境中で分解されにくく、研究チームは「使い捨てを減らすなどしないと、環境に深刻な影響を与える恐れがある」と指摘しています。なお、償却は悪で、リサイクルは善、という印象があります。しかし、単純にそうもいえないと思います。初めの製品ができてから、最終的に廃棄するまでの、コストと環境負荷を冷静に評価すべきでしょう。
2017.07.28
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環境省は、沖縄県にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」の岩場で、サンゴに覆われた部分の割合(被度)が6月下旬、昨年夏の半分以下に減少したと発表しました。石西礁湖では昨年末、海水温の上昇などで約7割のサンゴが死滅し、その後も回復が進んでいない実態が明らかになった、と報じられています。調査は6月下旬、約50m四方に区切った35地点で実施しました。昨年7~8月の調査で平均29.5%だった被度は今回、12.5%まで減少し、昨年の約10分の1になった場所もあったそうです。水温が上がりやすい浅瀬での減少が著しい傾向がありました。被度は昨年末の11.6%よりわずかに増えたものの、環境省の担当者は「回復にはほど遠い状況。このままでは、サンゴ礁をすみかにする魚が減り、礁湖の生態系が損なわれる可能性がある」とコメントしています。世界の各地で、サンゴ礁がダメージを受けています。有効な対策はあるのでしょうか。
2017.07.22
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環境省は、新潟県佐渡市の自然界で生息するトキの今季の繁殖活動が終了したと発表しました。今季は巣立ったのは77羽で、昨季の40羽を上回り過去最高だったそうです。環境省佐渡自然保護官事務所によると、これまで巣を作ったトキのペアのべ65組のうち、36組から92羽のひなが孵化し。うち31組の77羽が巣立ちました。野生生まれ同士の親を持つ「純野生」のひなは15羽が巣立った、とみられています。まだまだ、道は長そうですが、長年の保護活動の、一応の成果といえそうです。
2017.07.21
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政府が環境分野のインフラ(社会基盤)輸出の強化に乗り出すそうです。ごみ問題に悩む発展途上国に対し、日本式のごみ収集・処理システムの導入を支援することなどが柱です。環境面での国際貢献と、日本企業の海外進出という“一挙両得”を狙っています。ごみ処理に関する日本政府の支援はこれまで、焼却炉などの輸出にとどまってきました。今後は、日本の自治体が行う効率的なごみ回収や、分別収集の方法についても導入を支援する方針だそうです。さらに、リサイクル処理に関する法整備を後押ししたり、関連分野の人材を育成するため日本に研修生を招いたりすることも提案していく、としています。日本企業が手がける先進的なごみ処理施設の建設などとともに、パッケージで「日本式」のノウハウを伝授していく考えです。
2017.07.19
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英国の研究チームや米航空宇宙局(NASA)は、南極大陸の南極半島東岸にある棚氷「ラーセンC」の一部が割れ、過去最大級の氷山が漂流し始めたと発表しました。氷山の面積は三重県の面積に匹敵する約5800平方kmですが、氷山として分離する前から海上に浮かんだ状態だったため、ただちに海水面の上昇にはつながらないとみられています。研究チームによると、亀裂は長さ約200kmに達し、棚氷は今月10~12日に完全に割れたとみられています。分離した面積は、ラーセンCの約12%だそうです。研究チームは「地球温暖化との関係は不明」としています。ただし棚氷の一部が失われたため、陸上の氷が海に流出する速度が増す恐れがあるとみられています。南極半島にはラーセンCのほか、「ラーセンA」「ラーセンB」という棚氷がありましたが、それぞれ1995年、2002年に崩壊しています。
2017.07.13
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世界気象機関(WMO)は、今夏の北半球で観測史上最高レベルの高温が相次いでいることを明らかにしました。パキスタン南西部トゥルバットで5月28日に、これまでの最高気温と同じ54℃を観測しました。6月29日にはイラン南西部アフワズで53.7℃を観測しています。6月中旬以降、米国や南欧、バルカン半島などでも40~50度を観測しています。異常気象による強い熱波が原因とみられ、今夏は例年より早く熱波が発生する傾向があるとしています。WMOによると、こうした記録的な高温を数週間のうちに各地で観測するのは異例だそうです。なお、54℃は、2016年7月にクウェート北部ミトリーバで観測しています。単純な気温上昇だけでなく、地球の気象のメカニズムが変化しているように思います。
2017.07.07
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先進7か国(G7)環境相会合が、イタリア北部のボローニャで開催されています。トランプ米大統領が今月1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明して以降、初めて先進国の担当閣僚が集まります。米国からは、政権内で離脱を主張したとされるプルイット環境保護局(EPA)長官が参加するため、各国が離脱を撤回するよう説得できるかが注目されています。温暖化対策は主に昨日より話し合い、今日にも成果文書を採択する予定ですが、米国と他国の溝が埋まらなければ、共同声明をまとめられない可能性もあるようです。日本の山本環境相は期間中、プルイット氏と個別に会談する見込みです。トランプ政権の温暖化に対する姿勢の変化はあるでしょうか。
2017.06.12
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奈良県は、開庁と閉庁を30分早める毎年夏の「サマータイム」をやめることを決めたそうです。登庁を一斉に早めなければならず、育児や介護などを抱える職員らに不評だったようです。代わりに今年からは、職員が自主的に勤務時間を調整できる「フレックスタイム」を導入しました。サマータイムは2012年に導入し、節電や、仕事と生活を調和させる「ワーク・ライフ・バランス」につながるとして、7、8月は開庁時間を30分前倒しして午前8時~午後4時45分としてきました。しかし、昨年10月に実施したアンケートで、サマータイムを「やめるべきだ」と答えた職員は43%、「見直して」が23%となりました。さらに、県の規則は開庁時間を「原則として午前8時30分から午後5時15分」と定めていてますが、サマータイムは知事の命令にあたる「訓令」で実施していたため、県議会で「知事命令が規則を上回ることはできない」などとの指摘もあったそうです。奈良県は3月、職員の勤務時間を定めた条例を改正し、4月からフレックスタイムができるようにしました。午前10時~午後4時の「コアタイム」以外は、始業が午前7時以降、終業が午後10時までなら変えられ、勤務時間が1週間で計38時間45分を満たせばよくなりました。これまでに延べ約30人が利用しているそうです。人事課によると、サマータイムでは一律に登庁、退庁時間が決まり、育児や介護がしづらくなる職員もいたそうです。個人的には、日本中の時間を夏場1時間ずらすサマータイムには反対です。寝苦しい日本の夏に、1時間早く寝なければならなくなるのは、もはや拷問でしょう。眠れなくて、寝不足になる子供が増えるでしょう。子どもの生活リズムの乱れを考えれば、百害あって一利なし、と思います。ただ、職場ごとや、個人ごとに活動時間帯を動かせるのは、いいことだと思います。労働時間にも、柔軟性が必要でしょう。
2017.06.02
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主要国首脳会議(タオルミーナ・サミット)では、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」を巡る議論も白熱したようです。メルケル独首相はAP通信に対し 「(米国がパリ協定にとどまるよう)非常に多くの根拠を示した」と、初日の議論の一端を明かしました。各国首脳はトランプ氏に対し、米国のパリ協定への「残留」を説得したようです。しかし、米メディアなどによると、「パリ協定への決意」を確認した日本や英独仏など6カ国の首脳とは対照的に、トランプ氏は歯切れの悪い言葉を並べた、と、報じられています。「環境と経済は両方大事だ。この問題を理解し、正しい方向に向かうために、時間をかけたい」と、トランプ氏は自身のツイッターで、パリ協定から離脱するか、残留するかについては、来週決めるとツイートしています。
2017.05.30
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琵琶湖のブラックバスとブルーギルの駆除に向けて、釣った量に応じて釣り人に段位を認定する滋賀県の「外来魚釣り上げ名人」事業があります。事業を開始した2016年度の8カ月間で、目標の4倍近い計3.7トンが釣り上げられたそうです。2017年度からは通年化し、「初段」の条件を緩和するなどしてより幅広い参加を呼びかけています。「外来魚釣り上げ名人」事業は、希望者が県に登録して、釣った外来魚を計測して県に報告すると共に、県内約100カ所に設けた回収用ボックスやいけすに入れる仕組みです。期間中に釣った外来魚の重量で段位が決まり、認定証が交付されます。「初段」から最高位の「名人」まで10階級あり、「名人」を3年連続獲得すると「殿堂入り」となるそうです。初めて実施した2016年5~12月は、個人と複数人以上の団体で受け付け、個人56人と12団体が参加したそうです。期間中に釣り上げられた外来魚の総重量は3.7トンと、目標の1トンを大幅に上回りました。22人と3団体が段位を認定され、うち5人は「名人」になったそうです。滋賀県は条例で外来魚の再放流を禁止するとともに、設置した回収用ボックスなどへの投入に協力を呼びかけてきました。事業開始前の2015年度の総回収量は14.4トンでしたが、16年度は3割増の18.6トンとなったそうです。参加者へのアンケートを行ったところ、「釣りに目標が持てる」などとおおむね好評だったそうです。ただし、各階級が個人は30kg、団体は50kg刻みで設定され、団体から「個人のようにこまめに釣りに通えない」などと難易度が高いことへの不満も示あったようです。その指摘を踏まえ、2017年度は個人と団体の区分を廃止しました。また、参加者の大半が40歳以上だったため、初段認定の基準を「30kg以上」から「10kg以上」に引き下げ、子どもや若い初心者も気軽に参加できるようにしました。滋賀県琵琶湖政策課の担当者も「3.7トンも集まると思っていなかった」と驚き、「これを弾みに更に参加者を募り、外来魚への関心を一層高め、駆除を進めたい」とコメントしています。
2017.05.29
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ホワイトハウスの報道官は、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に関するトランプ政権の対応について、「今月下旬のイタリアでの主要国首脳会議(サミット)が終わるまで発表はない」と述べました。トランプ大統領は4月29日の演説で、「パリ協定は米国の労働者を犠牲にして米国の富を奪うものだ。2週間以内に決断する」と、早期に方針を示す考えを明らかにしていました。米メディアによると、ホワイトハウス内ではパリ協定離脱の公約を重視するスティーブン・バノン大統領上級顧問・首席戦略官ら離脱派と、外交上の摩擦回避を図りたいトランプ氏の長女イバンカさんら残留派との対立が激化しており、判断を先送りして妥協点を探る狙いがあるようです。スパイサー報道官は「トランプ氏は環境と経済の両面で専門家とさらに検討する」と述べていまた。新政権の功罪はいろいろな意見がありますが、少なくとも温暖化対策にとっては、急ブレーキとなっています。方針転換はあるのでしょうか。
2017.05.14
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ケンブリッジ大学などの研究チームは、イモムシ(ハチノスツヅリガの幼虫)が、レジ袋の材料としても使われるポリエチレンを食べることを確認したそうです。ポリエチレンは難分解性のプラスチックであり、プラスチックごみによる環境破壊の原因として問題になっています。今回の発見は、プラスチックの生物分解処理技術につながる可能性がありそうです。ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)の幼虫は、釣り餌として養殖されている「ブドウムシ」に近い種類の虫で、ハチの巣に寄生し、蜜ろうを食べて成長します。研究チームは、このハチノスツヅリガの幼虫をレジ袋に入れておくと、40分から1時間程度で袋に大きな穴が開くことを確認しました。ハチノスツヅリガの幼虫がふだん食べている蜜ろうは、ポリエチレンと同様に炭素原子が長い鎖状につながった高分子であるため、蜜ろうの消化機構がポリエチレンにも作用していると考えられるそうです。実験では、ハチノスツヅリガの幼虫をポリエチレン上に1時間放置したところ、幼虫1匹あたり平均2.2個の穴を開けることがわかりました。幼虫100匹を使った実験では、1晩でレジ袋92mgを分解することができたそうです。この分解速度は、これまでに報告されているプラスチックの生物分解と比べて桁違いに速いものです。昨年報告があったバクテリアによるプラスチック分解の速度は、1日に0.13mgでした。幼虫をすりつぶした液をポリエチレンに塗布した場合にも、やはり穴が開くことが確認されました。これは、幼虫がレジ袋をあごで噛み砕いているだけでなく、なんらかの酵素によってポリエチレンが分解されていることを意味しています。研究チームは、ポリエチレンが酵素の作用によってエチレングリコールに分解されていると分析しています。今後は、ポリエチレン分解酵素の特定を進めたいとコメントしています。通常、ポリエチレンが環境中で分解されるのには、100~400年かかるとされています。今回の発見は、ポリエチレンの新しい分解処理技術につながるのではと期待されています。
2017.05.11
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米科学誌サイエンスは、昨年6月に掲載した、海洋の微小なプラスチックごみが魚の成長や行動に悪影響を与えるとする論文を取り消すと発表しました。論文はスウェーデン・ウプサラ大の研究者が発表したもので、サイエンスは、論文の基になった実験データが保存されていないことなどが理由と説明しています。一部の研究者から内容に疑問の声が上がり、論文を書いた研究者2人が4月、同誌に論文取り消しを求めていたそうです。スウェーデン・ウプサラ大の発表によると、研究者は「結果が正しくても疑いが残る限り信頼されない」と説明しているそうです。大学は事実関係の調査を進める方針です。
2017.05.05
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地球温暖化に伴う海水温の上昇でサンゴが死滅していることを受けて、環境省は、専門家らを集めた緊急対策会議を沖縄県で開き、緊急宣言をまとめました。緊急宣言では、2070年代には日本近海のサンゴが消滅する可能性があると指摘し、温暖化対策を進めるとともに、サンゴの移植・養殖技術の開発促進、優先的に保全する海域の指定などを行うこととしました。沖縄県にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」では、サンゴと共生し、栄養を与える植物プランクトンが失われる「白化現象」が発生しています。9割超のサンゴが白化し、約7割の死滅が確認されています。手遅れにならないよう、対策を急いでほしいと思います。
2017.04.24
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サンゴ礁が2000km以上にわたって広がるオーストラリアのグレートバリアリーフで、サンゴの3分の2に「白化現象」が表れていることが、研究者の調査で明らかになりました。豪州の研究者らで作る「オーストラリア研究会議」のサンゴ礁研究チームが、上空からグレートバリアリーフの全域を調査した結果、ケアンズ沖など1500kmにわたる海域で、サンゴ礁の一部が白化したり、死滅したりしている現象が確認されました。深刻な場所では「回復の見込みはゼロ」だとしています。サンゴはイソギンチャクやクラゲの仲間で、「褐虫藻(かっちゅうそう)」という植物プランクトンが体内にいるため、カラフルに見えます。褐虫藻はサンゴに栄養も与えています。白化は、海水温の上昇などで褐虫藻がいなくなり、サンゴの白い骨格だけが残る現象です。沖縄でも白化が深刻な問題になっています。地球規模での保護対策が急務でしょう。
2017.04.19
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米航空宇宙局(NASA)は、これまで微増傾向にあった南極周辺の海氷面積が3月3日、1979年の観測開始以来の最小を記録したと発表しました。NASAの研究者は「南極でも地球温暖化の影響がついに表れたのか、年ごとの変動の結果なのか、今後のデータを見る必要がある」と指摘しています。人工衛星で観測した南極周辺の海氷面積は、昨年9月から急減し、南半球の夏に当たる今月3日に211万平方kmとなり、過去最小だった1997年より18万4000平方km小さかったそうです。この減少幅は、北海道(約8万平方km)の面積の2倍を超えるそうです。また、減少傾向が続いている北極周辺でも、年間で最も大きくなった時点の面積が、今冬(3月7日)は観測史上最小を記録し、南北両極の海氷面積の合計も2月13日、史上最小となったそうです。温暖化で、南極の降水量は増えるとの試算もあり、南極大陸上の氷は今後増加する可能性はあります。しかし、南極大陸の周りの氷は、海水温の上昇で溶けていく可能性があります。もともと海に浮いていた氷なら、溶けても海水面は上昇しませんが、大陸の周りにへばりついているような氷が海に落ちたり、氷が解ける原因となった海水温の上昇による海水の膨張などで、海水面が上昇してくることが考えられます。どの程度温暖化が進むのか、海水面が上昇するのかは様々な意見がありますが、何もせず、見ているだけというわけにはいかない状況のようです。
2017.03.25
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身近な動植物の様子を記録している気象庁の「生物季節観測」で、観測対象となる生き物が都市化の影響を受けて姿を見せなくなっています。東京の都心ではツバメが2年続けて観測されていません。しばらく姿が確認できない生き物が「観測廃止」に追い込まれるケースも相次いでいるそうです。観測対象の生物が見つけにくくなっているのは間違いないようです。気象台は、職員が交代で大手町周辺や皇居に隣接する北の丸公園で生物の確認に当たっていますが、ほぼ毎年4月頃に確認できていたツバメは2015年から姿を見せていません。「Today Birds, Tomorrow Man」〔今日、鳥たちに起こる不幸は、明日は人間の身に降りかかるかもしれない。〕という言葉もあります。何かが起きているのかもしれません。
2017.03.19
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