クルマ、バイク、鉄道模型など趣味で人生を楽しむ

クルマ、バイク、鉄道模型など趣味で人生を楽しむ

2024.04.15
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カテゴリ: 旅行
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ともかく、内容の深さ、正確性を旨として投稿に努めますので、よろしくお願いいたします。



タウシュベツ川橋梁はJRのポスターにもなったので、ご存知の方も多いと思います。旧国鉄士幌線の糠平駅と幌加駅間に掛けられたコンクリート造りのアーチ橋ですが、1937年に建設されてから1955年に糠平ダムが完成すると士幌線が人造の糠平湖を大きく迂回する形で路線変更になったため、結局18年間しか使われませんでした。

人造の糠平湖ができる以前は、士幌線は第三音更川橋梁辺りから音更川を離れてまっすぐ幌加駅を目指して北上していました。糠平駅も東側にあったのを水没するため、現在の上士幌町鉄道資料館の場所に移設されました。

私が1972年に初めてバイクで訪れた時は軽トラックが廃線になったこの橋梁の上を往来し、釣り人が橋に座って釣りをしていました。冬季は糠平湖の水位上昇で水没するとは聞いていましたが、殆ど注目されることのない単なる廃線遺構という感じでした。
その後、2017年から毎年訪れていますが、元々コンクリートの外皮の中に石を詰め込んだような簡便な構造であったうえに水没時の凍結の繰り返しで劣化が激しく、恐らく数年のうちにアーチの一部が完全に崩落して連なった姿は観れなくなると思います。地元の方々も保存のための補強計画を検討したことがありますが、数億円の工費が掛かるため、このまま放置して崩れ行く成り行きに任せるようです。
雄大な景色の中に取り残されたようなアーチ橋の姿はまるで古代遺跡を思わせるだけに誠に寂しい限りです。写真を経年順に掲載しますので、崩落が進む状況を見ていただくとともに、時期や水量で橋の姿が変幻万化するのをじっくりご覧下さい。
私の客観的な予測ですが、2025年2-3月前後の融雪期にアーチ外壁のセメントがついに完全に崩落してアーチが切れると思います。
なお、現在立ち入りが制限されており、近くで観る場合は糠平温泉郷の東大雪ガイドセンター主催で朝6時や夕方4時ころに集合の2時間ほどのツアーがありますので、それに参加されるのがお薦めです。


1937年(昭和12年)ころに建設中のタウシュベツ川橋梁です。セメント以外の原材料は現地調達でした。


工事中のタウシュベツ川橋梁です。「タウシュ」とはアイヌ語で白樺、「ベツ」は川を意味します。


竣工直後のタウシュベツ川橋梁です。当時は原生林が迫っていましたが、1955年(昭和30年)の糠平ダム人造湖建設に際して伐採されて現在の景色になったようです。


​2017年7月​



​2018年8月​

ガイドツアーを主催する「ひがし大雪自然ガイドセンター」代表の川田様。この地に移り住んで30年以上のベテランで、タウシュベツ川橋梁のまさに生き証人でもあります。やはり詳しい方の説明を聞きながら、現地を訪れるのがベストと思います。
http://www.guidecentre.jp/


初めてツアーに参加し、施錠されたゲートを通って、旧士幌線跡を通りながら橋梁に行きました。


30年ぶりに変わり果てた姿を近くで見て、軽トラが走っていた昔を俄かに思い出せませんでした。
崩落は2003年9月の十勝沖地震が大きな始まりだったようです。一番真ん中の大きな側壁の崩落です。


2018年当時もアーチの一部が崩れてはいますが、まだアーチ橋の柱の下に崩れたコンクリートや石が堆積するところまでには至っていませんでした。

​2019年8月​

糠平湖の水位が余り下がっておらず、アーチ橋が綺麗に水面に映っています。時期と水位と風の状況でなかなか見れません。




宮崎駿のアニメ作品に出て来そうな何とも幻想的な眺めです。橋の向こうから仙人が歩いてきてもおかしくありません。


崩落部分も前年から殆ど変化がないようでした。それにしても古代の遺跡にしか見えません。


橋の上面はどんどん浸食が進み、詰石が減って鉄筋がむき出しになりつつありました。

​2020年8月​

この年は春先まで糠平湖の水位が高かったのか、流木が旧士幌線跡の奥まで押し寄せていました。



橋の下流側のセメント壁は川の流れにさらされないので崩落は相対的に少ないです。


橋梁は向こうの糠平駅側に向かって下っているので、下り側ほど水没、氷結の度合いが大きく崩落も激しくなっています。


橋桁部分にクラックが入っています。橋の上端の鉄筋もかなり露出して見えるようになりました。


崩落が進み、橋梁の柱の下に残骸が堆積しているのが観られるようになりました。腐った鉄筋が橋から柳にように垂れているのがはっきり分かります。


近くで観ると、コンクリートの外側だけが残っているかのように見え始めました。

​2020年10月​

2020年の2か月後に再訪するとすっかり紅葉して寒いくらいでした。ここはツアーの集合場所がある糠平公園ですが、昔ここに下の写真のような「大雪グランドホテル」という大きなホテルがあり、2003年に放漫経営による倒産後も惨めな姿を13年間あまり晒していたようですが結局、国立公園の景観を保持する目的で国費により解体、整備され、現在に至っています。




この旧士幌線跡に沿って林を抜けると橋梁が現れます。




夏の農業用水需要が終わって、糠平ダムが貯水時期に入ります。



「こんな手すりのような鉄筋はなかったのになあ」と年々進む鉄筋の露出に驚かされました。

​2021年9月

この年は数位が高く、ツアーには参加せずに対岸の展望台から遠景を観るに留めました。崩落が冬に進まないことを祈りながら・・・。

2022年9月


訪れたのが例年より遅く9月下旬でしたので、秋というか冬の足音を感じる気配がありました。寂寥感が胸に迫ってきます。


橋梁の下り側(写真では向こう側)ほど、水没、氷結の度合いが大きいので、崩落が激しいことがはっきり分かります。中央の大きな崩落跡は2003年9月の十勝沖地震によるものです。


2023年8月



この綺麗なアーチの影がなくなると思うと切ないです。


橋梁の上流側に広がる雄大な自然です。このような風景は北海道しか味わえません。何度も訪れる理由です。




岸辺と接続する橋梁部分が崩落してなくなっていて驚きました。下に崩落破片が堆積しているのが見えます。もはやよじ登って渡るのも困難になってきています。もちろん、立ち入り禁止ですが。


お付き合い願っている糠平郵便局の局長さんから分けていただいた記念切手シートです。このような形でタウシュベツ橋梁のことがより広く伝わり、沢山の方々のこころの中に残るといいですね。

2024年6月

今回初めて17時集合の夕方ツアーに参加し、夕日を浴びるタウシュベツ橋梁を観ることができました。
6月終わりで農業用水の需要が本格化する前だったので、ダムの水位はそれほど下がっていません。
橋梁外壁のセメントの崩落はさらに進み、内部の詰石がすべて流失している箇所が増え、残された外壁が外側に膨らんでいる箇所も出てきました。見学中にもバラバラとセメント片が崩落する水音を初めて聞いて、ガイドの川田様も驚くほどでした。


アーチが辛うじてつながって見えるのも、これが最後になるような予感がしました。




夕暮れの中にアーチがメガネ橋のように浮かび上がって、非常に綺麗でした。





ガイドツアーに参加せずに直接ゲートの鍵を借りて訪れる方法もありますが、上記のように実際には鍵の受け渡し場所と時間に制限があり、空きも少ないので行き慣れたリピーター向きと感じます。

その後の更新 です。

HP「ぬかびら通信」によると、2024/10/25現在では中央のアーチ上端が完全に崩れて、このように丸い輪になっています。この冬は完全に水没する見込みなので、氷結での崩壊が心配です。



以上のように毎年確実に劣化が進んでいます。
訪れるたびに私は古代遺跡の中に一人取り残されたような錯覚に陥ります。
このまま崩れるのがいいのか、それが自然の輪廻かも知れませんが。

閲覧数が142,000件を超えて、ほかにも色々ありますので、お気軽にご覧ください。

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